JPH10268558A - フルカラートナー - Google Patents

フルカラートナー

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Publication number
JPH10268558A
JPH10268558A JP7247197A JP7247197A JPH10268558A JP H10268558 A JPH10268558 A JP H10268558A JP 7247197 A JP7247197 A JP 7247197A JP 7247197 A JP7247197 A JP 7247197A JP H10268558 A JPH10268558 A JP H10268558A
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JP
Japan
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full
color toner
color
mol
toner
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Pending
Application number
JP7247197A
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English (en)
Inventor
Koichi Ito
弘一 伊藤
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Takayuki Tajiri
象運 田尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10268558A publication Critical patent/JPH10268558A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真印刷法、静電荷印刷方法等に用いら
れるシャープメルト性、定着性、発色性、耐ブロッキン
グ性、そして融着が無く、耐久性に優れたポリエステル
系フルカラートナー。 【解決手段】 全酸成分に対して90モル%以上の2価
カルボン酸成分(a)と、全酸成分に対して90モル%
以上の脂肪族ジオール成分(b)とからなり、重量平均
分子量Mwが5000以上、分子量分布Mw/Mnが
1.8以上、ガラス転移温度が50℃〜70℃、軟化温
度が95〜150℃、酸価が15mgKOH/g以下であるポ
リエステル樹脂を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真印刷法、
静電荷印刷方法等に用いられるシャープメルト性、定着
性、発色性、耐ブロッキング性、そして耐久性に優れた
フルカラートナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より画像を得る方法において
は、感光体上に形成された静電荷像が予め摩擦により帯
電させたトナーによって現像された後に定着される。定
着は現像によって得られたトナー像に対し、加圧及び加
熱されたローラーによって行われる。カラー画像を得る
ためには、上述の現像工程において、約4色のトナーを
転写紙に付着させた後、定着工程においてヒートローラ
ーにより、各色のトナーを溶融混合しながら発色させ、
定着させる。このような現像プロセスのもと、トナーに
対しては、現像工程では安定した画像を得るための画像
安定性、定着工程では定着性に加えて発色性が求められ
る。さらに、トナー貯蔵時にはトナーが凝集しないため
の耐ブロッキング性も必要である。従来から、フルカラ
ートナー及びそのベース樹脂には、異なった色のトナー
を用いてカラー画像を得るため定着画像の発色性、発色
性をより効率的に行うためのシャープメルト性、そして
紙或いはOHPへの定着性等の性能が強く要求されてい
る。さらに、近年では非磁性1成分システムに適したト
ナーが求められており、ブレード上で融着の生じない、
強度のあるトナー及びそのベース樹脂が必要となってい
る。このようなフルカラートナーとしては、結着樹脂と
してポリエステル樹脂を用いたものが一般的であり、シ
ャープメルト性、定着性に関しては、トナー及びベース
樹脂の分子量及び軟化温度を低くすることにより対処し
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うなものであると、トナー及び樹脂の強度が損なわれ、
トナーが融着或いはフィルミングを生じる問題がある。
そこで、架橋剤の導入或いは樹脂のガラス転移温度の高
温化等によって強度アップをする方法で対処してきた
が、目標とするレベルには未だ至っていない。本発明の
目的は、電子写真印刷法、静電荷印刷方法等に用いられ
るシャープメルト性、定着性、発色性、耐ブロッキング
性、そして融着が無く、耐久性に優れたポリエステル系
フルカラートナーを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のフルカラートナ
ーは、全酸成分に対して90モル%以上の2価カルボン
酸成分(a)と、全酸成分に対して90モル%以上の脂
肪族ジオール成分(b)とからなり、重量平均分子量M
wが5000以上、分子量分布Mw/Mnが1.8以
上、ガラス転移温度が50℃〜70℃、軟化温度が95
〜150℃、酸価が15mgKOH/g以下であるポリエステ
ル樹脂を含有することを特徴とするものである。さら
に、(c)3価以上の多価化合物成分を全酸成分に対し
て10モル%以下の範囲で含有していることが好まし
い。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のフルカラートナーは、そ
れに含まれる結着樹脂として特殊なものを用いることに
特徴がある。本発明における2価カルボン酸成分(a)
としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、マレイン酸、フ
マル酸、アジピン酸、及びこれらのモノメチル、モノエ
チル、ジメチル、ジエチルエステルなど及びこれらの酸
無水物が挙げられ、好ましくはテレフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸である。これらは、それぞれ単独で使
用しても、複数組み合わせて使用しても良い。特に、得
られるフルカラートナーが、樹脂と比べ増粘傾向を示す
場合には、イソフタル酸を必須成分とすることが好まし
い。本発明において2価カルボン酸成分(a)の含有量
は、全酸成分に対して90モル%以上であり、好ましく
は95モル%以上、より好ましくは97モル%以上であ
る。2価カルボン酸成分(a)が90モル%未満の樹脂
を用いたフルカラートナーは、発色性が劣る傾向にあ
る。
【0006】本発明における脂肪族ジオール成分(b)
としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ポリエチレングリコールなどが挙げられ、なかでも、エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジ
オールが好ましい。これらは単独または混合で使用され
る。本発明における脂肪族ジオール成分(b)の含有量
は、全酸成分に対して90モル%以上であり、これが9
0モル%未満の樹脂では重合度が十分に上がらず分子量
が低くなる傾向にあり、これを用いたフルカラートナー
は、耐久性が劣る傾向にある。好ましくは95モル%以
上であり、より好ましくは97モル%以上である。
【0007】さらに、ポリエステル樹脂の樹脂強度を高
くし、フルカラートナーの画像安定性を向上させるとと
もに、ポリエステル樹脂の分子量、分子量分布および溶
融特性のバランス性を良好にしフルカラートナーの画像
特性を向上させるため、多価化合物成分(c)を添加す
ることが好ましい。その3価以上の多価化合物成分
(c)としては、例えば3価以上の多価カルボン酸成分
として、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−
シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレン
トリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8
−オクタンテトラカルボン酸及びこれらの酸無水物など
を挙げることができる。また、多価アルコール成分とし
て、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテト
ラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトー
ル、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタト
リオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1、2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチル
ベンゼンなどが挙げられる。特に好ましくはトリメリッ
ト酸及び又はその酸無水物、ペンタエリスリトール、ト
リメチロールプロパンである。これら3価以上の多価カ
ルボン酸成分と3価以上の多価アルコール成分は、それ
ぞれ単独で使用しても、複数組み合わせても良い。ま
た、本発明におけるこれら3価以上の化合物成分(c)
の含有量は、全酸成分に対して10モル%以下の範囲で
含有させることが好ましく、より好ましくは7モル%以
下であり、特に好ましくは5モル%以下である。成分
(c)の含有量が10モル%を越える領域の樹脂を用い
たフルカラートナーは発色性に劣る傾向にある。また、
耐久性を維持し、発色性とシャープメルト性を強く要求
する場合にはこれら化合物成分を使用しなくても良い。
【0008】本発明における樹脂の製造においては、上
記成分(a)と(b)またはさらに、(c)を反応容器
に投入し、加熱昇温して、エステル化反応、又はエステ
ル交換反応を行う。このとき、必要に応じて硫酸、チタ
ンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マグネ
シウム、酢酸マンガン等の通常エステル化反応またはエ
ステル交換反応で使用されるエステル化触媒、エステル
交換触媒を使用することができる。次いで、常法に従っ
て該反応で生じた水又はアルコールを除去する。その
後、引き続き重合反応を実施するが、このとき150mm
Hg以下の真空下でジオール成分を留出除去させながら重
合(縮重合)を行う。また、重合に際しては通常公知の
重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオ
キサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化ア
ンチモン、二酸化ゲルマニウムなどを用いることができ
る。また、重合温度、触媒量については特に限定される
ものではなく、必要に応じて任意に設定すれば良いが、
本発明においては三酸化アンチモンと酢酸亜鉛の組み合
わせが良い。これら金属触媒の使用量として、全酸成分
に対して5000ppm以下が好ましく、より好ましく
は3000ppm、特に好ましくは2500ppm以下
である。これら金属触媒量が5000ppmを越える樹
脂は着色が生じるため、フルカラートナーの色調が悪化
する傾向にある。
【0009】本発明のフルカラートナーに使用される樹
脂は、重量平均分子量Mwが5000以上、分子量分布
Mw/Mnが1.8以上であり、ガラス転移温度(T
g)が50℃〜70℃、軟化温度が95〜150℃、そ
して酸価が15mgKOH/g以下であることが特徴である。
分子量分布Mw/Mnが1.8未満の樹脂を用いたフル
カラートナーは、耐久性が劣る傾向にあり、好ましくは
2〜30の範囲であり、より好ましくは2〜20の範囲
である。重量平均分子量Mwが5000未満の樹脂を用
いたフルカラートナーは、耐久性が劣る傾向にあり、好
ましくは7000〜100000の範囲であり、より好
ましくは9000〜70000の範囲である。また、軟
化温度が95℃未満の樹脂を用いたフルカラートナー
は、耐久性が劣る傾向にあり、逆に150℃を越える樹
脂を用いたフルカラートナーは発色性が劣る傾向にあ
る。より好ましい軟化温度は、100℃〜140℃、特
に好ましくは100〜130℃である。
【0010】さらに、酸価が15mgKOH/gを越える樹脂
を用いたフルカラートナーは耐湿性が劣る傾向にあり、
好ましくは0.5〜10mgKOH/gの範囲であり、より好
ましくは1〜5mgKOH/gの範囲である。また、ガラス転
移温度が50℃未満の樹脂を用いたフルカラートナーは
貯蔵安定性と耐久性が劣る傾向にあり、逆に、70℃を
越える樹脂を用いたフルカラートナーは定着性が劣る傾
向にある。より好ましくは52〜68℃、特に好ましく
は54〜66℃である。また、本発明におけるフルカラ
ートナーのポリエステル樹脂は、カールフィッシャーに
より測定された水分率が0.5%以下であることが望ま
しい。水分率が0.5%を越えるポリエステル樹脂を用
いた場合、フルカラートナーの軟化温度、耐湿性に影響
を及ぼす傾向にある。
【0011】本発明におけるフルカラートナーには、上
記樹脂を用いるとともに荷電制御剤、着色剤、離型剤、
そして、流動改質剤などの添加剤を用いることができ
る。本発明のフルカラートナーにおける荷電制御剤とし
ては、特に制限はなく、周知の電子写真用に用いられて
いる荷電制御剤を使用することができる。負帯電性の荷
電制御剤としては例えば、含金属アゾ染料としては、オ
リエント化学社製のボントロンS−31、ボントロンS
−32、ボントロンS−34、ボントロンS−36等、
保土ケ谷化学社製のアイゼンスピロンブラックTVH
等、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体としては、
オリエント化学社製のボントロンE−85等、四級アン
モニウム塩としては、ヘキスト社製のCopy Charge NXVP
434等、銅フタロシアニン染料等が挙げられる。また、
正帯電性の荷電制御剤としては例えば、イミダゾール誘
導体として、四国化成社製のPLZ-2001、PLZ-8001等、ト
リフェニルメタン誘導体としてヘキスト社製のCopy Cha
rge BLUE PR等、四級アンモニウム塩として、オリエン
ト化学社製のボントロンP−51、ヘキスト社製のCopy
Charge PXVP435、セチルトリメチルアンモニウムブロ
マイド等、ポリアミン樹脂として、オリエント化学社製
のAFP−B等が挙げられる。本発明では以上の荷電制
御剤を1種または2種以上を使用することができる。ま
た、主荷電制御剤と逆極性の荷電制御剤との併用も可能
である。荷電制御剤はフルカラートナー結着剤となる樹
脂に対して0.2〜7重量%の範囲で使用され、特に好
ましくは0.5〜5重量%である。荷電制御剤が0.2重
量%未満のフルカラートナーは、充分な帯電量が得られ
ない傾向にある。逆に荷電制御剤が7重量%を越えるフ
ルカラートナーは、発色性が劣る傾向にある。
【0012】本発明におけるフルカラートナーの着色剤
としては、一般に使用されているカーボンブラック、有
彩色の顔料及び染料が使用でき、特に限定はない。カラ
ートナーの場合には、例えば、C.I.ソルベントイエロー
21、C.I.ソルベントイエロー77、C.I.ソルベントイ
エロー114、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグ
メントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー17、C.
I.ピグメントイエロー83、C.I.ソルベントレッド1
9、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド
128、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッ
ド13、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレ
ッド48・2、C.I.ディスパースレッド11、C.I.ソル
ベントブルー25、C.I.ソルベントブルー94、C.I.ピ
グメントブルー60、C.I.ピグメントブルー15・3等
が挙げられる。上述の着色剤の使用量は、フルカラート
ナーの結着剤である樹脂に対して0.5〜10重量%で
あり、特に好ましくは1〜8重量%である。着色剤が
0.5重量%未満のフルカラートナーは、樹脂の着色に
よる影響が強いため、発色性が劣る傾向にある。逆に着
色剤が10重量%を越えるフルカラートナーは、黒以外
のフルカラートナーの場合に透過性が劣る傾向にある。
【0013】また、本発明のフルカラートナーに使用さ
れる離型剤として、例えば、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、エチレン酢酸ピニルワックス、
塩素化ポリエチレンワックス、シリコンワックス、アミ
ド系ワックス、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケ
ン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、多
価アルコールエステル等が挙げられる。上述の流動性向
上剤の使用量は、フルカラートナーの結着剤である樹脂
に対して、0.1〜6重量%であり、特に好ましくは0.
5〜5重量%である。本発明では、離型剤が0.1重量
%未満のフルカラートナーは、ヒートロール(オイル塗
布及びオイルレス)との離型性が劣る傾向にある。逆に
離型剤が6重量%を越えるフルカラートナーは、透明
性、発色性が劣る傾向にある。
【0014】また、本発明のフルカラートナーに使用さ
れる流動性向上剤としては、例えば、シリカ、アルミ
ナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシ
ウム、チタン酸カルシウムチタン酸ストロンチウム、酸
化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ藻土、酸化セリウ
ム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、
酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
流動性向上剤の使用量は、フルカラートナーの結着剤で
ある樹脂に対して0.01〜2重量%であり、特に好ま
しくは0.02〜1重量%である。流動性向上剤が0.0
1重量%未満のフルカラートナーは、ブロッキング性が
劣る傾向にある。逆に2重量%を越えるフルカラートナ
ーは発色性が劣る傾向にある。
【0015】また、本発明のフルカラートナーは、樹脂
及びその他添加剤をプレミキシングし、その混合物を溶
融混練、冷却、粗粉砕、そして微粉砕、分級、後処理工
程等を行って得られる。プレミキシング工程では、混合
物が融着を起こさない程度の温度(室温〜60℃程度)
で実施することが重要である。溶融混練時の温度は、樹
脂の軟化温度周辺に内容物の温度をコントロールするこ
とが重要であり、(軟化温度−10℃)≦内容物の温度
≦(軟化温度+20℃) の範囲にコントロールするこ
とが好ましい。冷却工程においては、フルカラートナー
塊を容易に粗粉砕できる程度まで冷却する必要があり、
フルカラートナー塊を30℃以下まで冷却することが好
ましい。微粉砕工程においては、粗粉砕物を数平均粒径
が10μm以下まで粉砕することが好ましい。さらにこ
の微粉砕工程においては3μm以下のフルカラートナー
粒子を全体の5%未満に抑えることが重要である。そし
て、分級工程においては、フルカラートナー粒子の数平
均粒径を5〜8μmに調整することが重要である。ま
た、後処理工程は、フルカラートナーの表面処理を行う
工程であり、フルカラートナーの粒径が異ならないこと
が重要である。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 [樹脂製造例]表1〜4に示した仕込み組成に従ってモ
ノマーを計量し、蒸留塔を有する加圧可能な反応容器に
投入した。さらに、全酸成分に対して、触媒である三酸
化アンチモンを500ppm、酢酸亜鉛2水和物を30
0ppm、それぞれ計量して添加し、窒素で3.0Kg
/cm2に加圧した後、内温を260℃、攪拌回転数20
0rpmに保ち、3時間エステル化反応を行い、系外に
水を取り出した。反応系内を15分かけて大気圧にもど
した後、さらに30分かけて1.0mmHgまで減圧し、内
温を220℃に保ち、エチレングリコールを系外に取り
出して縮合反応を行い、所定の軟化温度であることを確
認した後、溶融した樹脂を系外に取り出して冷却し、粉
砕機にかけ粒径3mm以下にして、水分率(カールフィ
ッシャーによる測定)が0.5%未満である透明なポリ
エステル樹脂1〜14を得た。
【0017】得られた各樹脂の組成分析結果及び樹脂物
性値を表1〜4に併記した。尚、本発明において、ガラ
ス転移温度(Tg)は、示差走差熱量計を用いて、昇温
速度5℃/minで測定したときのチャートのベースラ
インとガラス転移温度近傍の吸熱カーブの接線の交点の
温度を示す。同様に、軟化温度はフローテスター(「CF
T-500」島津製作所(株)製)を用いて1mmφ×10
mmのノズル、荷重30Kf、昇温速度3℃/minの
等速昇温下で測定したとき、サンプル1.0g中の1/
2が流出した温度を示す。酸価に関しては、KOH溶液
による滴定法により測定した。Mw/Mn等の分子量デ
ータは、テトラヒドロフランを移動相の溶媒として東ソ
社製GPCHCL-8200により測定した。
【0018】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0019】尚、表3,4からわかるように、ポリエス
テル樹脂11は、脂肪族ジオール成分量が少なく、分子
量が小さく、分子量分布も小さい。ポリエステル樹脂1
2は、ガラス転移温度および軟化温度が低く、酸化が大
きく、分子量および分子量分布が小さい。ポリエステル
樹脂13は、ガラス転移温度および軟化温度が高い。ポ
リエステル樹脂14は、3価以上の多価化合物成分量が
多く、酸化が大きいものである。
【0020】上述した樹脂製造例で得られたポリエステ
ル樹脂1〜10について、それぞれ下記の方法によりフ
ルカラートナーA〜Jを得た。樹脂製造例において得ら
れたそれぞれの樹脂について、100重量部計量し、フ
タロシアニンブルーC.I.P.B.15(大日精化社製)を5重
量部、E−85(オリエント化学社製)を2重量部、ポ
リプロピレンワックスビスコール660P(三洋化成社
製)を1重量部を加えて混合し、ヘンシェルミキサーを
用いて、内温を40℃に保ちながらプレミキシングを3
0分間行った。そして、2軸のミキサー(栗本鉄工所社
製インターナルミキサー)を用い、混練内温度を樹脂の
軟化温度となるように調整しながら、混合物を30分間
溶融混練した。得られたフルカラートナー塊を間接冷却
し、粗粉砕、微粉砕、そして分級を行いフルカラートナ
ー粒子を得た。次いで得られたフルカラートナー粒子1
00重量部に対して疎水性シリカ(「アエロジルR−9
72」日本アエロジル社製)0.4重量部をヘンジェル
ミキサーを用いて付着させ、最終的に数平均粒径が7μ
m、3μm以下の粒子が0.3重量%であるフルカラー
トナーを得た。
【0021】こうして得られたフルカラートナーA〜J
の各フルカラートナーについて、定着性、耐ブロッキン
グ性、耐久性、耐湿性、発色性を評価した。各特性の評
価方法および評価基準は次の通りである。 (1)定着性 温度が自由に可変可能で、印刷速度が20枚/分で、定
着部にシリコーンオイルを塗布してあるフルカラーの非
磁性プリンターを用いて評価した。定着性の判断基準は
以下の通りとした。 ◎:定着部の温度が110℃以下で紙に定着した優れた
フルカラートナー ○:定着部の温度が120℃以下で紙に定着した良好な
フルカラートナー △:定着部の温度が130℃以下で紙に定着した実用上
使用可能なフルカラートナー ×:定着部の温度が140℃以上で紙に定着する使用不
可能なフルカラートナー (2)耐ブロッキング性 サンプルを約5g秤量しサンプル瓶に投入して、これを
50℃に保温された乾燥機に約24時間放置し、フルカ
ラートナーの凝集程度を評価して耐ブロッキング性の指
標とした。評価基準は以下の通りとした。 ◎:サンプル瓶を逆さにするだけで分散した優れたフル
カラートナー ○:サンプル瓶を逆さにし2〜3回叩くと分散した良好
なフルカラートナー △:サンプル瓶を逆さにし4〜5回叩くと分散した使用
可能なフルカラートナー ×:サンプル瓶を逆さにし7回以上叩くと分散する使用
不可能なフルカラートナー (3)耐久性 上記定着性試験に使用したフルカラーの非磁性プリンタ
ーを用い、長時間に渡り連続印刷し、帯電ユニットにあ
るブレードにフルカラートナーが付着した時間を指標と
した。 ◎:付着する迄の時間が10時間以上の優れたフルカラ
ートナー ○:付着する迄の時間が8時間以上10時間未満の良好
なフルカラートナー △:付着する迄の時間が6時間以上8時間未満の使用可
能なフルカラートナー ×:付着時間が6時間未満の使用不可能なフルカラート
ナー (4)耐湿性 上記定着性試験で使用したフルカラーの非磁性プリンタ
ーを用い、20枚印刷後の画像濃度において、20℃×
60%時の画像濃度D1と30℃×85%時の画像濃度
D2を比較して、その変化率[(D1−D2)/D1×10
0]を指標とした。 ◎:変化率が3%未満の優れたフルカラートナー ○:変化率が3〜7%未満の良好なフルカラートナー △:変化率が7〜10%未満の使用可能なフルカラート
ナー ×:変化率が10%以上の使用不可能なフルカラートナ
ー (5)発色性 定着性試験で使用したフルカラーの非磁性プリンターを
用い、OHPシートを用いて印刷して透過率を測定し、
その値を指標とした。 ◎:透過率が60%以上の優れたフルカラートナー ○:透過率が50%〜60%未満の良好なフルカラート
ナー △:透過率が40%〜50%未満の使用可能なフルカラ
ートナー ×:透過率が40%未満の使用不可能なフルカラートナ
【0022】各評価結果を表5、6に示した。
【表5】
【表6】
【0023】表5、6から分かるように、フルカラート
ナーAは、定着性、耐湿性、発色性に優れ、耐久性と耐
ブロッキング性についてはやや劣るが使用可能レベルで
あった。フルカラートナーBは、定着性、耐湿性、発色
性に優れ、耐久性と耐ブロッキング性については良好で
あった。フルカラートナーCは、定着性、耐湿性、発色
性、そして耐久性に優れ、耐ブロッキング性については
良好であった。フルカラートナーDとEは、定着性、耐
湿性、発色性、耐久性、そして耐ブロッキング性が良好
であった。フルカラートナーFとGは、耐ブロッキング
性、耐久性、そして耐湿性に優れ、定着性と発色性は良
好であった。フルカラートナーHは、耐ブロッキング
性、耐久性、そして耐湿性に優れ、定着性と発色性はや
や劣ったが使用可能レベルであった。フルカラートナー
Iは、定着性が優れ、耐ブロッキング性、耐久性、耐湿
性、そして発色性が良好であった。フルカラートナーJ
は、定着性が優れ、耐ブロッキング性と耐久性が良好で
あり、耐湿性と発色性がやや劣ったが使用可能レベルで
あった。
【0024】[比較例]上記樹脂製造例で得られたポリ
エステル樹脂11〜14を用いて、上記実施例と同一の
条件でフルカラートナーCA〜CDを得、同様に、各フ
ルカラートナー特性の評価を行った。その結果を表7に
示す。
【表7】 表7から分かるように、フルカラートナーCAは、定着
性と発色性が優れ、耐湿性が良好であり、耐ブロッキン
グ性がやや劣り使用可能レベルであったが、耐久性が不
良であり使用不可能であった。フルカラートナーCB
は、定着性と発色性が優れるものの、耐湿性、耐ブロッ
キング性、そして耐久性が不良であり使用不可能であっ
た。フルカラートナーCCは、耐湿性、耐ブロッキング
性、そして耐久性が優れていたが、定着性と発色性が不
良であり使用不可能であった。フルカラートナーCD
は、定着性が良好であり、耐ブロッキング性と耐久性に
ついてはやや劣っていて使用は可能であったが、耐湿性
と発色性が不良であり使用不可能であった。
【0025】
【発明の効果】本発明の特定のポリエステル樹脂を使用
したフルカラートナーは、定着性、耐ブロッキング性、
耐久性、耐湿性、そして発色性が良好となる。このこと
は、産業上発展に大きく貢献するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全酸成分に対して90モル%以上の2価
    カルボン酸成分(a)と、全酸成分に対して90モル%
    以上の脂肪族ジオール成分(b)とからなり、重量平均
    分子量Mwが5000以上、分子量分布Mw/Mnが
    1.8以上、ガラス転移温度が50℃〜70℃、軟化温
    度が95〜150℃、酸価が15mgKOH/g以下であるポ
    リエステル樹脂を含有することを特徴とするフルカラー
    トナー。
  2. 【請求項2】 さらに、(c)3価以上の多価化合物成
    分を全酸成分に対して10モル%以下の範囲で含有して
    いることを特徴とする請求項1記載のフルカラートナ
    ー。
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