JP2019159264A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制される。【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のMwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度/波長720cm−1の吸光度が0.6以下であり、波長820cm−1の吸光度/波長720cm−1の吸光度が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する現像剤を収容した現像手段18と、クリーニングブレード220を像保持体に対して接触させながら像保持体を回転駆動させて摺動させる摺動試験の前後での、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mm以下である清掃手段22と、を備える画像形成装置10。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真法による画像の形成は、例えば、電子写真感光体表面を帯電させた後、この電子写真感光体表面に画像情報に応じて静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を記録媒体表面に転写及び定着することにより行われる。
ここで、特許文献1には、「静電潜像を形成する感光体と、前記感光体を駆動する駆動手段と、前記感光体に形成された静電潜像にトナーを付着しトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を転写紙に転写する転写手段と、前記感光体に接触して前記転写後の感光体に残留した残留トナーを掻き落とす交換可能なクリーニング部材とを有する画像形成装置において、前記クリーニング部材と前記感光体との接触荷重を調整する荷重調整手段と、前記駆動手段と前記現像手段と前記荷重調整手段との動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記クリーニング部材を新規クリーニング部材に交換後、初めて前記新規クリーニング部材を前記感光体に接触する時に、前記荷重調整手段を作動して前記新規クリーニング部材の接触荷重を通常残留トナーを掻き落とす時の接触荷重よりも小さく調整し、且つ、前記駆動手段を作動して前記感光体を駆動すると共に前記現像手段を作動して前記感光体にトナーを付着しセッティング用トナー画像を形成するように制御する画像形成装置」が開示されている。
特許文献2には、「現像剤を使用して画像を形成する画像形成手段と、この画像形成手段の画像を写し取り、若しくは重ね合わせる転写手段と、記録する媒体を搬送し画像形成手段から直接、若しくは上記転写手段から間接的に媒体に画像を転写する位置まで媒体を搬送する媒体搬送手段と、この媒体上の現像剤を媒体に定着させる定着手段とを具備した画像形成装置において、回転する被接触体と、この被接触体の表面に接触する接触部材と、この接触部材を支持する支持部材と、この支持部材の表面電位を測定する電位測定手段と、この電位測定手段の出力を一定に制御する制御手段と、制御手段により入力された信号により前記支持部材に電圧を供給する電圧供給手段を備え、被接触部材に接触する接触部材の形状を一定に保つように制御し、被接触体表面形状の変動に関わらず接触部材の加圧力が一定になるように制御する画像形成装置」が開示されている。
また特許文献3には、画像の形成に用いるトナーとして「結着樹脂と着色剤とを含有してなる電子写真用トナーにおいて、結着樹脂が、70〜85モル%の芳香族ジカルボン酸成分(a)と15〜30モル%の3価以上の多価カルボン酸成分(b)とからなるカルボン酸成分1モルに対し、0.1〜1.2モルのプロポキシ化及び/又はエトキシ化したエーテル化ジフェノール成分(c)及び0.01〜0.15モルの脂肪族ジオール成分(d)及びを縮合せしめてなる、酸価が6〜15mgKOH/g、重量平均分子量Mwが15,000〜60,000、数平均分子量Mnが2,000〜4,000、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が6〜18で、ガラス転移点が50〜60℃、及び軟化点が100〜120℃のポリエステル樹脂である電子写真用トナー」が開示されている。
特開2001−060055号公報 特開2006−078960号公報 特開2000−056504号公報
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。また、トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の像保持体では、表面にクリーニングブレードを接触させることで表面の清掃が行われる。このトナーに、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナー(以下、「特定トナー」とも称する)を適用した場合に、吸湿性が高くなる傾向にある。そして、吸湿によりトナー粒子が可塑化し易くなり、特に高温高湿環境下(例えば28℃、85%の環境下)では可塑化のし易さが顕著となる。可塑化したトナー粒子は、表面に存在する外添剤が機械的なストレス等により表面に埋め込まれ易く、トナー粒子から遊離し難くなるため、像保持体とクリーニングブレードとの接触領域への外添剤の供給が減少する。その結果、クリーニングブレードの接触角への負荷が増大して摩耗量が増え、繰返して画像形成が行なわれて摩耗が進行した後において、清掃性能の低下が発生することがあった。
そこで、本発明における第1の課題は、特定トナーを適用した画像形成装置において、下記摺動試験前後での、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mmを超える清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置を提供することである。
また、本発明における第2の課題は、特定トナーを適用した画像形成装置において、クリーニングブレードを支持する支持部材が固定されており、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に対して不動な状態で配置される清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明によって解決される。即ち、
<1> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃する清掃手段であって、前記クリーニングブレードから前記像保持体に対して加えられる荷重の下記摺動試験前後での差が1.5gf/mm以下である清掃手段と、
を備える画像形成装置。
−摺動試験−
クリーニングブレードを、直径30mmの像保持体に対して接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させながら、前記像保持体を、回転速度175mm/秒の条件で100000回転駆動させて摺動させる摺動試験。
<2> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
一端側の角部を前記像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレード、前記クリーニングブレードを支持し、前記クリーニングブレードに生じる前記像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材、並びに前記支持部材に弾性部材を押し付けることで、前記支持部材が可動な方向において前記クリーニングブレードが前記像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段を有する清掃手段と、
を備える画像形成装置。
<3> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.3以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.05以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<5> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.5以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<6> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である<5>に記載の画像形成装置。
<7> 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である<1>〜<6>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<8> 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である<7>に記載の画像形成装置。
<9> 前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である<1>〜<8>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<10> 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である<9>に記載の画像形成装置。
<11> 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む<1>〜<10>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<12> 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である<11>に記載の画像形成装置。
<13> 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である<12>に記載の画像形成装置。
<14> 前記クリーニングブレードは、前記像保持体と接触する接触角部でのマイクロ硬度が、同一端側において前記接触角部と対向する角部であって前記像保持体と接触しない非接触角部でのマイクロ硬度よりも高い<1>〜<13>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<15> 前記クリーニングブレードは、前記接触角部でのマイクロ硬度[M]と、前記非接触角部でのマイクロ硬度[M]との比[M/M]が70/65乃至90/50である<14>に記載の画像形成装置。
<16> 前記クリーニングブレードは、前記接触角部を含まず且つ前記非接触角部を含む一部の領域が硬化処理されてなる<14>又は<15>に記載の画像形成装置。
<17> 前記クリーニングブレードが弾性体からなる<1>〜<16>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、特定トナーを適用した画像形成装置において、下記摺動試験前後での、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mmを超える清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
<2>に係る発明によれば、特定トナーを適用した画像形成装置において、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に対して不動な状態で配置される清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
<3>、<4>、<5>、<6>、<7>、<8>、又は<17>に係る発明によれば、特定トナーを適用した画像形成装置において、下記摺動試験前後での、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mmを超える清掃手段を備える場合、又は、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に対して不動な状態で配置される清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
<9>、又は<10>に係る発明によれば、トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%未満又は38質量%超えの場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
<11>、<12>、又は<13>に係る発明によれば、トナー粒子が結晶性樹脂を含まない場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
<14>、<15>、又は<16>に係る発明によれば、像保持体と接触する接触角部でのマイクロ硬度が、同一端側において接触角部と対向する角部であって像保持体と接触しない非接触角部でのマイクロ硬度よりも低いクリーニングブレードのみを有する清掃手段を備える場合に比べ、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制された画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置における像保持体及び清掃装置の構成の一例を示す模式断面図である。 本実施形態における清掃装置において、クリーニングブレード及び支持部材が振動する様子を示す模式図である。 本実施形態における清掃装置において、別の態様のクリーニングブレードを備えた構成の一例を示す模式図である。 本実施形態における清掃装置において、別の態様のクリーニングブレードを備えた構成の一例を示す模式図である。 従来における清掃装置において、クリーニングブレードが振動する様子を示す模式図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
なお、以下においては「第1実施形態」に係る画像形成装置、及び「第2実施形態」に係る画像形成装置に分けてそれぞれ説明するが、両者に共通する説明に関しては単に「本実施形態」に係る画像形成装置に関するものとして説明する。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面を清掃する清掃手段と、を備える。
さらに、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と、外添剤と、を含む。
そして、第1実施形態に係る画像形成装置では、清掃手段は、前記像保持体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃し、前記クリーニングブレードから前記像保持体に対して加えられる荷重の下記摺動試験前後での差が1.5gf/mm以下である。
−摺動試験−
クリーニングブレードを、直径30mmの像保持体に対して接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させながら、前記像保持体を、回転速度175mm/秒の条件で100000回転駆動させて摺動させる摺動試験。
また、第2実施形態に係る画像形成装置では、清掃手段は、一端側の角部(接触角部)を前記像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードを支持し、前記クリーニングブレードに生じる前記像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材と、前記支持部材に弾性部材を押し付けることで、前記支持部材が可動な方向において前記クリーニングブレードが前記像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段と、を有する。
上記構成を備える、第1実施形態及び第2実施形態に係る画像形成装置によれば、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制される。
その理由は以下の通り推察される。
ここで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。また、トナー画像が転写された後の像保持体では、転写されずに残留したトナー等を除去するため清掃手段によって像保持体表面の清掃が行われる。そして、この清掃手段として像保持体表面にクリーニングブレードを接触させて清掃を行う清掃手段が用いられている。
一方、特定トナーは、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である。トナー粒子が、この赤外吸収スペクトル特性を有することは、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂が、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)を多価アルコールとして使用していない、又は使用しても少量である樹脂であることを意味している。
そして、この特定トナーを使用した定着画像の定着性を向上させるには、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下とすることが適切である。つまり、主に非架橋の結着樹脂成分の分子量特性が上記特性を有することが適切である。
具体的には、Mwが25000未満であると、定着時のホットオフセット(トナーが過剰に溶融して定着部材に付着する現象)が生じ易くなり、Mwが60000を超えると最低定着温度が高まり易くなる。また、Mw/Mnが10を超えると、樹脂の溶融性に差異が生まれ、定着画像にムラが生じ易くなる。なお、Mw/Mnを5未満とすることは製造上困難である。
このように、特定トナー(そのトナー粒子)の分子量特性を上記特性にすると、画像の定着性を向上する。
しかし、清掃手段として像保持体表面にクリーニングブレードを接触させる清掃手段を採用し、かつ特定トナーを使用した場合、繰返して画像形成を行なった後、つまり長期使用後において清掃性能が低下することがある。その理由は次の通り推測される。
特定トナーは、上記非晶性ポリエステル樹脂に由来し、吸湿性が高いという性質を有し、吸湿したトナー粒子は可塑化し易くなる。特に、高温高湿環境下(例えば28℃、85%の環境下)では可塑化のし易さがより顕著となる。可塑化したトナー粒子は、表面に存在する外添剤が機械的なストレス等により表面に埋め込まれ易い。トナー粒子の表面に埋め込まれた外添剤は、トナー粒子から遊離し難くなるため、トナー粒子が可塑化するほど像保持体とクリーニングブレードの接触角との接触領域への遊離した外添剤の供給が減少する。そして、像保持体に接触するクリーニングブレードの接触角への負荷が増大する。像保持体との接触領域での負荷が増大すると、クリーニングブレードの摩耗量は増加し、繰返して画像形成が行なわれて摩耗が進行した後において、清掃性能の低下に繋がる。
そこで、第1実施形態に係る画像形成装置では、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の前記摺動試験前後での差が1.5gf/mm以下である清掃部材が採用される。
クリーニングブレードは、回転駆動する像保持体の表面に接触し両者の間で摩擦を生じさせながら像保持体表面の残留トナー等を削り取るようにして清掃を行なう。なお、両者の間には摩擦が生じているため、クリーニングブレードは像保持体の回転方向に僅かに振動しながら像保持体に接している。よって、像保持体とクリーニングブレードの接触角との接触領域へ外添剤の供給が減少すると、両者の間での摩擦力がより大きくなって振動も大きくなり、像保持体へのクリーニングブレードの接触姿勢が不安定になる。そして、クリーニングブレードへの負荷が増大し、クリーニングブレードの接触角での摩耗量が増える。
ここで、前記摺動試験前後での、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が上記の範囲であるということは、繰返して画像形成が行なわれた後においても、クリーニングブレードの接触角に掛かる負荷が安定化されていることを表す。
従って、特定トナーを用いることで像保持体とクリーニングブレード接触角との接触領域への外添剤供給が減少した場合であっても、クリーニングブレードの接触角に掛かる負荷が安定化され、像保持体表面へのクリーニングブレードの接触姿勢も安定化される。その結果、クリーニングブレードへの負荷の増大が抑制されて摩耗が低減され、長期にわたって高い清掃性能が保たれるものと考えられる。
また、第2実施形態に係る画像形成装置では、一端側の角部(接触角部)を像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレードと、クリーニングブレードを支持し、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材と、支持部材に弾性部材を押し付けることで、支持部材が可動な方向においてクリーニングブレードが像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段と、を有する清掃手段が採用される。
ここで、支持部材が、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動であるとは、像保持体との摺動によりクリーニングブレードに振動が生じた際に、支持部材もクリーニングブレードが振動する方向に動き得る状態であることを表す。そして、支持部材には、付勢手段によって弾性部材が押し付けられ、支持部材が可動な方向においてクリーニングブレードが像保持体に対し押し付けられるよう付勢されているため、支持部材を付勢する弾性部材の弾性によって、クリーニングブレードの振動が支持部材にも吸収される。そして、クリーニングブレードに掛かる負荷も支持部材によって吸収され、クリーニングブレードへの負荷が低減される。
その結果、特定トナーを用いることで像保持体とクリーニングブレード接触角との接触領域への外添剤供給が減少した場合であっても、クリーニングブレードの接触角に掛かる負荷が安定化され、像保持体表面へのクリーニングブレードの接触姿勢も安定化される。そして、クリーニングブレードへの負荷の増大が抑制されて摩耗が低減され、長期にわたって高い清掃性能が保たれるものと考えられる。
以上により、本実施形態(第1実施形態又は第2実施形態)に係る画像形成装置では、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制される。
次いで、本実施形態に係る画像形成装置の構成を詳しく説明する。
〔画像形成装置の構成〕
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、特定トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃する清掃手段と、を備える。
そして、第1実施形態では、清掃手段として、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の前記摺動試験前後での差が前述の範囲である清掃手段を備える。
また、第2実施形態では、清掃手段として、下記構成を満たす清掃手段を備える。
・一端側の角部を像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレード
・クリーニングブレードを支持し、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材
・支持部材に弾性部材を押し付けることで、支持部材が可動な方向においてクリーニングブレードが像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段
なお、第1実施形態では、清掃手段が、上記の構成を満たすクリーニングブレード、支持部材、及び付勢手段を備えることが好ましい。
また、第2実施形態では、清掃手段が、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の前記摺動試験前後での差が前述の範囲であることが好ましい。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電装置を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
以下においては、第1実施形態における上記の要件及び第2実施形態における上記の要件の両方を満たす、本実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しつつ説明する。
ただし、本実施形態に係る画像形成装置はこれに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置10には、図1に示すように、例えば、像保持体12が設けられている。像保持体12は、円柱状とされ、モータ等の駆動部27にギア等の駆動力伝搬部材(不図示)を介して連結されており、当該駆動部27により、黒点で示す回転軸の周りに回転駆動される。図1に示す例では、矢印A方向に回転駆動される。
像保持体12の周辺には、例えば、帯電装置15(帯電手段の一例)、静電荷像形成装置16(静電荷像形成手段の一例)、現像装置18(現像手段の一例)、転写装置31(転写手段の一例)、クリーニング装置22(清掃手段の一例)、及び除電装置24が、像保持体12の回転方向に沿って順に配設されている。そして、画像形成装置10には、定着部材26Aと、定着部材26Aに接触して配置される加圧部材26Bと、を有する定着装置26も配設されている。また、画像形成装置10は、各装置(各部)の動作を制御する制御装置36を有している。なお、像保持体12、帯電装置15、静電荷像形成装置16、現像装置18、転写装置31、クリーニング装置22を含むユニットが画像形成ユニットに該当する。
画像形成装置10において、少なくとも像保持体12は、他の装置と一体化したプロセスカートリッジとして備えてもよい。
以下、画像形成装置10の各装置(各部)の詳細について説明する。
[クリーニング装置]
クリーニング装置22は、転写領域32Aより像保持体12の回転方向下流側に設けられている。クリーニング装置22は、トナー画像を記録媒体30Aに転写した後に、像保持体12に付着した残留トナーをクリーニング(清掃)する。クリーニング装置22では、残留トナー以外にも、紙粉等の付着物をクリーニングする。
(クリーニング装置の構成)
ここで、図2を参照して、クリーニング装置22について説明する。
図2は、図1に示すクリーニング装置22におけるクリーニングブレード220の設置態様を示す概略構成図である。
まず、クリーニングブレード220の各部について説明する。以下においては、図2に示すように、クリーニングブレード220は、駆動する像保持体12に接触して像保持体12の表面をクリーニングする接触角部2Aと、接触角部2Aが1つの辺を構成し且つ像保持体12の駆動方向(矢印A方向)の上流側を向く先端面2Bと、接触角部2Aが1つの辺を構成し且つ像保持体12の駆動方向(矢印A方向)の下流側を向く腹面2Cと、先端面2Bと1つの辺を共有し且つ腹面2Cに対向する背面2Dと、先端面2B側において接触角部2Aと対向する角部であり、つまり先端面2Bと背面2Dとが接する角部である非接触角部2Eと、を有する。
クリーニング装置22は、クリーニングブレード220の一端側の面(先端面2B)を像保持体12の回転方向(矢印A方向)と対向する方向に向け、この先端面2Bにおける一方の角部(接触角部2A)を像保持体12に接触させて表面の付着物を除去するものである。
また、クリーニングブレード220、像保持体12と接触する側の面、つまり先端面2Bと反対面側の背面2Dにおいて、支持部材240と接合し、この支持部材240により支持されている。図2では、L字型の形状を有する、金属製(例えばアルミニウム、ステンレス等の金属材料)の支持部材240が用いられている。なお、支持部材240とクリーニングブレード220との間には、両者の接着を接合するための接着剤等による接着層を有していてもよい。
なお、クリーニングブレード220は、矢印A方向に回転駆動する像保持体12に接触しており、両者の間には摩擦が生じている。そのため、クリーニングブレード220は像保持体12の回転方向に僅かに振動しながら像保持体12に接している。
これに対して本実施形態では、支持部材240が、像保持体12との摺動によりクリーニングブレード220に生じる振動を吸収する方向に可動な状態で配置されている。
さらに、支持部材240は、付勢部材260(付勢手段の一例)により、付勢部材260が有する弾性部材260A及び260Bが押し付けられている。なお、この付勢部材260による弾性部材260A及び260Bの押し付けにより、支持部材240は可動な方向においてクリーニングブレード220が像保持体12方向に押し付けられるよう付勢されている。図2では、L字型の支持部材240に対し、クリーニングブレード220と接着する面と反対側の面の一箇所において弾性部材260Bが矢印の方向に押し付けられ、且つL字型の支持部材240のL字の底側の面の一箇所において弾性部材260Aが矢印の方向に押し付けられている。
付勢部材260における弾性部材260A及び260Bとしては、例えば、図2に示されるバネ部材が挙げられる。また、その他に、ゴム部材、及び樹脂部材等も挙げられる。これらの中でも、バネ部材が好適に用いられる。
(クリーニング装置の作用)
ここで、図2に示す清掃装置22における作用について説明する。
クリーニングブレード220は、矢印A方向に回転駆動する像保持体12の表面に接触し、両者の間には摩擦が生じている。そして、クリーニングブレード220は像保持体12の回転方向に僅かに振動しながら像保持体12に接している。よって、特定トナーを用い、像保持体12とクリーニングブレード220の接触角部2Aとの接触領域へ外添剤の供給が減少すると、両者の間での摩擦力がより大きくなって振動も大きくなる。
ここで、図6に示す従来における清掃装置122のように、クリーニングブレード320を支持する支持部材340が固定されており、クリーニングブレード320に生じる像保持体12との摺動による振動を吸収する方向に対して不動な状態で配置される場合について説明する。支持部材340が固定されていると、像保持体12との摺動によるクリーニングブレード320の振動が支持部材340に吸収されない。そのため、この振動は図6において二点鎖線で示すごとく、クリーニングブレード320にのみ生じる。そして、この振動によるクリーニングブレード320への負荷も支持部材340には吸収されず、クリーニングブレード320のみが負荷を担う。
その結果、クリーニングブレード320への負荷が増大し、クリーニングブレードの摩耗量が増え、繰返して画像形成を行なった後に清掃性能が低下することがあった。
これに対し、図2に示す清掃装置22では、支持部材240が、クリーニングブレード220に生じる像保持体12との摺動による振動を吸収する方向に可動である。そして、支持部材240には、付勢部材260によって弾性部材260A及び260Bが押し付けられ、支持部材240が可動な方向においてクリーニングブレード220が像保持体12に対し押し付けられるよう付勢されている。そのため、支持部材240を付勢する弾性部材260A及び260Bの弾性によって、クリーニングブレード220の振動が支持部材240にも吸収される。つまり、図3において二点鎖線で示すごとく、クリーニングブレード220と共に支持部材240も振動する。そして、クリーニングブレード220に掛かる負荷も支持部材240によって吸収され、クリーニングブレード220への負荷が低減される。
その結果、特定トナーを用いることで像保持体12とクリーニングブレード220の接触角部2Aとの接触領域への外添剤供給が減少した場合であっても、クリーニングブレード220に掛かる負荷が安定化される。そして、摩耗が低減され、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制される。
(特性)
図2に示す清掃装置22では、下記摺動試験を実施したときの前後において、クリーニングブレード220から像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mm以下である。荷重の差が上記範囲であることで、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制される。
なお、上記荷重の差は、さらに1.3gf/mm以下であることが好ましく、1.1gf/mm以下であることがより好ましい。
−摺動試験−
クリーニングブレードを、直径30mmの像保持体に対して接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させながら、前記像保持体を、回転速度175mm/秒の条件で100000回転駆動させて摺動させる摺動試験。
なお、より具体的な摺動試験の条件としては、以下の通りである。富士ゼロックス社製 ApeosPort−V C2275 改造機内の像保持体に対し、クリーニングブレードを接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させる。前記改造機を、プロセス速度175mm/秒の条件で駆動する。前記像保持体に対し、トナーを現像器より現像させ、供給する。供給量は、改造機内の現像電位を制御し、像保持体100回転あたり、2.0gのトナーを供給しながら、100000回転の摺動試験を行う。
また、クリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重は、以下の方法により測定される。
ロードセル上に金属平板を設置した荷重測定装置に対し、クリーニングブレードを接触角度23°で接触する固定冶具を用い接触させる。平板に対する上下方向のブレード位置を可変し、4.0gf/mmとなる食い込み量を設定する。
・押し付け圧力NF
なお、本実施形態におけるクリーニングブレード220の像保持体12に押し付けられる力NF(Normal Force)は、クリーニング対象物(例えば残留トナー)のクリーニング性能を発揮しつつかつクリーニングブレード220の摩耗を抑制する観点から、1.0gf/mm以上4.0gf/mm以下の範囲であることが好ましく、1.2gf/mm以上3.7gf/mm以下の範囲がより好ましく、1.3gf/mm以上3.5gf/mm以下の範囲がさらに好ましい。
ここで、クリーニングブレード220の押し付け圧力NFは、次式で算出される。
・式:NF=dEt/4L
式中、dは図2に示されるクリーニングブレード220の食い込み量dを、Eはクリーニングブレード220のヤング率を、tは図2に示されるクリーニングブレード220のブレード本体部の厚みtを、Lは図2に示されるクリーニングブレード220の自由長L(支持部材240によって固定されていない領域の長さ)を表す。
なお、クリーニングブレード220のヤング率(E)は、単位断面積にかかる力ΔSと単位長さでの伸びΔaを測定することにより下記式より算出する。
・式:E=ΔS/Δa
ここで、ΔSは、負荷Fとサンプルの膜厚t、サンプル幅wより、また、Δaは、サンプル基準長さL、負荷印加時のサンプル伸びΔLより、それぞれ下記のようにして算出される。
・式:ΔS=F/(w×t)
・式:Δa=ΔL/L
ヤング率の測定には、引張り試験機(アイコーエンジニアリング社製、引張り試験機MODEL−1605N)が使用される。
・食い込み量d
また、クリーニングブレード220の像保持体12への食い込み量(図2に示される食い込み量d)は、クリーニング対象物(例えば残留トナー)のクリーニング性能を発揮しつつかつクリーニングブレード220の摩耗を抑制する観点から、0.2mm以上1.5mm以下の範囲であることが好ましく、0.4mm以上1.2mm以下の範囲であることがより好ましい。
・接触角度θ
クリーニングブレード220の像保持体12に対する接触角度(図2に示される接触角度θ)は、10°以上27°以下が好ましく、より好ましくは12°以上25°以下であり、さらに好ましくは15°以上25°以下である。
この接触角度θを上記範囲とすることで、残留トナーの除去能が向上されると共に、像保持体12表面へ局所的な力が働くことが抑制され、像保持体12の局所的な摩耗が抑制される。
なお、この接触角度θは、図2に示すように、像保持体12に対してクリーニングブレード220を接触させた状態において、クリーニングブレード220の腹面2Cの非屈曲部に沿った仮想線と、当該仮想線が像保持体12表面と接する点の接線とが交差する角度(鋭角)を意味する。
(クリーニングブレードの構成)
クリーニングブレード220は、弾性体からなることが好ましい。具体的には、クリーニングブレード220は、弾性を有する板状物であることが好ましい。
・材料
クリーニングブレード220を構成する材料としては、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物であることが好ましい。
ここで、主成分であるとは少なくとも樹脂組成物中において50質量%以上を占めることが好ましく、80質量%以上を占めることがより好ましく、90質量%以上を占めることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
前記樹脂組成物は、熱可塑性樹脂以外に公知の添加剤を含んでもよい。
熱可塑性樹脂としては、成形性、耐摩耗性、摺動性、剛性等の観点から、結晶性樹脂であることが好ましい。結晶性樹脂としては、例えばポリアセタール(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、及びフッ素樹脂(例えばPTFE、及びPFA)等が挙げられる。
また、クリーニングブレード220を構成する材料として、例えばポリウレタン(例えばポリイソシアネートとポリオールとの重合により得られるポリウレタン)、シリコンゴム、ブタジエンゴム等も好適に用いられる。
これらの中でも、耐摩耗性、摺動性の観点から、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、又はポリウレタンがより好ましい。
・弾性率
クリーニングブレード220は、弾性の指標として、引張弾性率が20MPa以上4000MPa以下であることが好ましく、さらに40MPa以上3000MPa以下がより好ましく、60MPa以上2500MPa以下がさらに好ましい。
引張弾性率が20MPa以上であることで、硬度が高められ耐摩耗性に優れる。
ここで、引張弾性率の測定は、JIS K7161に準拠して、インストロン5566(東洋精機製作所製)により、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm、ダンベル1号)について、試験速度500mm/分測定数n=5の条件で行われる。
・クリーニングブレードの別の態様
クリーニングブレード220が積層からなる場合は、像保持体12と接触する接触角部2Aでのマイクロ硬度が、同一端側(先端面2B側)において接触角部2Aと対向する角部であって像保持体12と接触しない非接触角部2Eでのマイクロ硬度よりも高いことが好ましい。
接触角部2Aが非接触角部2Eよりもマイクロ硬度が高く、つまり柔らかいことで、像保持体12との接触部では摩擦による振動を吸収し易くなり、像保持体12表面へのクリーニングブレード220の接触姿勢が安定化され易くなる。また、非接触角部2E側のマイクロ硬度が低く、つまり硬いことによっても、像保持体12表面へのクリーニングブレード220の接触姿勢がより安定化され易くなる。その結果、摩耗が低減され、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制され易くなる。
なお、クリーニングブレード220は、接触角部2Aでのマイクロ硬度[M]と、非接触角部2Eでのマイクロ硬度[M]との比[M/M]が70/65乃至90/50であることが好ましく、70/60乃至90/55であることがより好ましい。
比[M/M]が上記の範囲であることで、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制され易くなる。
ここで、クリーニングブレード220における接触角部2A、非接触角部2Eでのマイクロ硬度は、高分子計器社製MD−1型硬度計にて測定される硬度を指す。
具体的には、測定対象となる角部から試料を切り出してサンプルを作製し、当該サンプルの硬度について、硬度計(高分子計器社製、MD−1)を用いて測定する。原理的にはJIS K6253−3(2012)に記載のタイプAデュロメータに準じたものであり、押針をスプリングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの力とがバランスした状態での押針の押し込み深さを基に測定するものである。
上記押針の径は0.16mmであり、非測定時(押針の変位が0mmの状態)での加圧面からの突き出し量を0.5mmとし、押針はスプリングにより22mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を0°とする。そして、押針の押し込み深さが0mm(変位0.5mm)の時、スプリングにより押針は330mNの力で押されている。この時のマイクロ硬度を100°とする。そしてこれらの間を等間隔で目盛り、マイクロ硬度の測定スケールとする。硬度計の加圧面は外径4mmで、中心に前記押針を通す直径1.5mmの孔が設けてある。
以上のような構成の測定機により、試料に押針を押し当て、バランスがとれた状態での値を読み取りマイクロ硬度とする。なお、マイクロ硬度Hm(度)と押針先端荷重F(mN)との関係は下記式に示すとおりである。
式:F=22+3.1Hm
ここで、接触角部2Aと非接触角部2Eとでマイクロ硬度が異なるクリーニングブレードについて、具体的な態様を挙げて説明する。
例えば、図4に示すように、像保持体12と接触する部分(接触角部2A)を含み、腹面2C側全面に渡って形成される第一層222Aと、該第一層よりも背面2D側に形成され且つ第一層222Aよりも硬い材料からなる背面層としての第二層222Bと、が設けられた2層構成のクリーニングブレード222が挙げられる。
また、図5に示すように、像保持体12と接触する部分(接触角部2A)を含み、1/4に切断された円柱が奥行き方向に伸びた形状を有し該形状の直角部分が接触角部2Aを形成する接触部材(エッジ部材)224Aと、接触部材224Aの厚み方向の背面2D側及び幅方向の先端面2Bとは反対側を覆い、つまり前記接触部材224A以外の部分を構成し、接触部材224Aよりも硬い材料からなる背面部材224Bと、が設けられた構成のクリーニングブレード224が挙げられる。
なお、図5では接触部材224Aとして1/4に切断された円柱の形状を有する部材の例を示したが、これに限定されるものではない。接触部材としては、例えば楕円状の円柱が1/4に切断された形状や、正方形の四角柱、長方形の四角柱等の形状であってもよい。
・クリーニングブレードの製造
図2に示される単一の材料からなるクリーニングブレード220は、例えば以下の方法により製造される。クリーニングブレードが例えば熱可塑性樹脂により構成される場合であれば、加熱して溶融させた熱可塑性樹脂を、図2に示す形状に対応する注型空間を有する金型に射出成型機等の押出成形法を用いて注型し、その後冷却固化させて脱型することで、クリーニングブレード220が作製される。
また、図4に示す二層構成などの複数層構成のクリーニングブレードの場合には、接触部材としての第一層222A及び非接触部材としての第二層222B(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることによりクリーニングブレード222が作製される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
また、図5に示す接触部材(エッジ部材)224Aと非接触部材(背面部材)224Bとを有する構成の場合には、図5に示す接触部材224Aを2つ、腹面2C側同士を重ね合わせた半円柱の形状に対応する空洞(接触部材形成用の組成物を流し込む領域)を有する第一金型と、接触部材224A及び非接触部材224Bを2つ、腹面2C側同士を重ね合わせた形状に対応する空洞を有する第二金型と、を準備する。前記第一金型の前記空洞に接触部材224A形成用の組成物を流し込んで硬化させ接触部材224Aが2つ重なった形状の第一成形物を形成する。次いで、上記第一金型を取り外した後、更に第二金型の空洞の内部に前記第一成形物が配置されるよう、第二金型を設置する。その後、第二金型の空洞内に、前記第一成形物を覆うよう非接触部材224B形成用の組成物を流し込み硬化させ、前記接触部材224A及び非接触部材224Bが2つ腹面2C側同士で重なった形状の第二成形物を形成する。次いで、形成された第二成形物を真ん中、つまり腹面2Cとなる部分で切断して、半円柱形状の接触部材が真ん中で分断されて1/4に切断された円柱形状となるよう切断し、更に定められた寸法に切断することで図5に示すクリーニングブレード224が得られる。
なお、図4に示す二層構成のクリーニングブレード222や、図5に示す接触部材224Aと非接触部材224Bとを有するクリーニングブレード224等において、部材同士の硬さ(マイクロ硬度)を異ならせる方法としては、用いる材料を異ならせる方法、樹脂を用いる場合であってその重合度を異ならせる方法、及び硬化処理を施すことで硬さを異ならせる方法等が挙げられる。
ここで、硬化処理を施すことで硬さを異ならせる方法について具体的に説明する。
硬化処理としては、例えば以下の方法が挙げられる。クリーニングブレード部材の表面に対しプラズマ処理を行い、表面に高硬度の被膜を形成する。高硬度被膜としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)が挙げられる。被膜は、例えば0.5μm以上2.0μm以下と薄く、部材に求められる弾性を確保できる。
[像保持体]
像保持体12は、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線等の光Lの照射により、照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。
[帯電装置]
帯電装置15は、像保持体12の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、像保持体12表面に接触または非接触で設けられ、像保持体12の表面を帯電する帯電部材14、及び帯電部材14に帯電電圧を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を備えている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15の帯電部材14としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触方式の帯電器が挙げられる。また、帯電部材14としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器又はコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
[静電荷像形成装置]
静電荷像形成装置16は、帯電された像保持体12の表面に静電荷像を形成する。具体的には、例えば、静電荷像形成装置16は、帯電部材14により帯電された像保持体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを照射して、像保持体12上に画像情報の画像に応じた静電荷像を形成する。
静電荷像形成装置16としては、例えば、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光源を持つ光学系機器等が挙げられる。
[現像装置]
現像装置18は、例えば、静電荷像形成装置16による光Lの照射位置より像保持体12の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。この収容部には、特定トナーを有する静電荷像現像剤が収容されている。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。
現像装置18は、例えば、トナーを含む現像剤により、像保持体12の表面に形成された静電荷像を現像する現像部材18Aと、現像部材18Aに現像電圧を印加する電源32と、を備えている。この現像部材18Aは、例えば、電源32に電気的に接続されている。
現像装置18の現像部材18Aとしては、現像剤の種類に応じて選択されるが、例えば、磁石が内蔵された現像スリーブを有する現像ロールが挙げられる。
現像装置18(電源32を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、現像部材18Aに現像電圧を印加する。現像電圧を印加された現像部材18Aは、現像電圧に応じた現像電位に帯電される。そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から像保持体12表面へと供給する。トナーが供給された像保持体12表面では、形成された静電荷像がトナー画像として現像される。
[転写装置]
転写装置31は、例えば、現像部材18Aの配設位置より像保持体12の回転方向下流側に設けられている。転写装置31は、例えば、像保持体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30Aへ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30と、を備えている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、像保持体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写部材20としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムクリーニングブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器又はコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の非接触型転写帯電器が挙げられる。
転写装置31(電源30を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、転写部材20に転写電圧を印加する。転写電圧を印加された転写部材20は、転写電圧に応じた転写電位に帯電される。
転写部材20の電源30から転写部材20に、像保持体12上に形成されたトナー画像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、像保持体12と転写部材20との向かい合う領域(図1中、転写領域32A参照)には、像保持体12上のトナー画像を構成する各トナーを静電力により像保持体12から転写部材20側へと移動させる電界強度の転写電界が形成される。
記録媒体30Aは、例えば、図示を省略する収容部に収容されており、この収容部から図示を省略する複数の搬送部材によって搬送経路34に沿って搬送され、像保持体12と転写部材20との向かい合う領域である転写領域32Aに到る。図1中に示す例では、矢印B方向に搬送される。転写領域32Aに到った記録媒体30Aは、例えば、転写部材20に転写電圧が印加されることにより該領域に形成された転写電界によって、像保持体12上のトナー画像が転写される。すなわち、例えば、像保持体12表面から記録媒体30Aへのトナーの移動により、記録媒体30A上にトナー画像が転写される。そして、像保持体12上のトナー画像は、転写電界により記録媒体30A上に転写される。
[除電装置]
除電装置24は、例えば、クリーニング装置22より像保持体12の回転方向下流側に設けられている。除電装置24は、トナー画像を転写した後、像保持体12の表面を露光して除電する。具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、像保持体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24としては、例えば、白色光を照射するタングステンランプ、赤色光を照射する発光ダイオード(LED)等の光源を有する装置が挙げられる。
[定着装置]
定着装置26は、例えば、転写領域32Aより記録媒体30Aの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。定着装置26は、定着部材26Aと、定着部材26Aに接触して配置される加圧部材26Bと、を有し、定着部材26Aと加圧部材26Bとの接触部で記録媒体30A上に転写されたトナー画像を定着する。具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、記録媒体30A上に転写されたトナー画像を熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
定着装置26としては、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
具体的には、例えば、定着装置26は、定着部材26Aとして、定着ロール又は定着ベルトと、加圧部材26Bとして、加圧ロール又は加圧ベルトとを備える周知の定着装置が適用される。
ここで、搬送経路34に沿って搬送されて像保持体12と転写部材20との向かい合う領域(転写領域32A)を通過することによりトナー画像を転写された記録媒体30Aは、例えば、図示を省略する搬送部材によってさらに搬送経路34に沿って定着装置26の設置位置に到り、記録媒体30A上のトナー画像の定着が行われる。
トナー画像の定着によって画像形成された記録媒体30Aは、図示を省略する複数の搬送部材によって画像形成装置10の外部へと排出される。なお、像保持体12は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電電位に帯電される。
[画像形成装置の動作]
本実施形態に係る画像形成装置10の動作の一例について説明する。なお、画像形成装置10の各種動作は、制御装置36において実行する制御プログラムにより行われる。
画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
まず、像保持体12の表面が帯電装置15により帯電される。静電荷像形成装置16は、帯電された像保持体12の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、像保持体12上に画像情報に応じた静電荷像が形成される。現像装置18では、特定トナーを含む現像剤により、像保持体12の表面に形成された静電荷像が現像される。これにより、像保持体12の表面に、トナー画像が形成される。
転写装置31では、像保持体12の表面に形成されたトナー画像が記録媒体30Aへ転写される。記録媒体30Aに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の像保持体12の表面が、クリーニング装置22におけるクリーニングブレード220によりクリーニング(清掃)される、その後除電装置24により除電される。
〔静電荷像現像剤〕
次いで、本実施形態に係る画像形成装置において、現像手段に収容される静電荷像現像剤(以下「本実施形態に係る静電荷像現像剤」とも称する)について、詳細に説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーを少なくとも含む。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
<トナー>
トナーは、トナー粒子と外添剤とを有する。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他添加剤等を含んでもよい。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が適用される。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、多価アルコールとして、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)は使用しない、又は使用しても少量とする。具体的には、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用する場合、その使用量は、全多価アルコールに対して0モル%超え5モル%以下とすることがよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましく、30000以上50000以下がさらに好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で、60質量%以上98質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上98質量%以下がさらに好ましい。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性樹脂を併用することがよい。結晶性樹脂を併用すると、トナー粒子の吸湿性が低減し、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制され易くなる。ただし、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル樹脂(例えば、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等)等の公知の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下を抑制する観点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。
結晶性樹脂(好ましくは結晶性ポリステル樹脂)の含有量は、トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。結晶性樹脂の含有量を上記の範囲にすると、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制され易くなる。
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性樹脂以外の他の結着樹脂を併用してもよい。ただし、他の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂に占める割合で10質量%以下が好ましい。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比は0.2以上(好ましくは0.3以上)であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.05以上(好ましくは0.08以上)であることがよい。
また、トナー粒子の強度の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.5以下(好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下)であることがよい。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
ここで、赤外吸収スペクトル分析による各波長の吸光度の測定は、次に示す方法により測定される。まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)を、KBr錠剤法により測定試料を作製する。そして、測定試料に対して、赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT−IR−410)により、積算回数300回、分解能4cm−1の条件で、波数500cm−1以上4000cm−1以下の範囲を測定する。そして、吸収光の無いオフセット部分等でベースライン補正を実施して、各波長の吸光度を求める。
トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwは25000以上60000以下(好ましくは30000以上50000以下、より好ましくは32000以上48000以下)であり、Mw/Mnは5以上10以下(好ましくは6以上8以下、より好ましくは6.2以上7.8以下)である。
上述のように、トナー粒子が上記分子量特性を満たすと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上する。
トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量は、7000以上11000以下が好ましく、8000以上11000以下がより好ましく、8200以上10500以下がさらに好ましい。
ピーク分子量を上記範囲にすると、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上し易くなる。
なお、トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量とは、分子量分布曲線において複数のピークを有する場合、最も大きいピークの分子量を示す。
ここで、トナー粒子のTHF可溶分のGPC測定における、分子量分布曲線、各平均分子量、ピーク分子量は、次の通り測定する。
まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)0.5mgをTHF(テトラヒドロフラン)1gに溶解させ、超音波分散をかけた後に、濃度が0.5%となるように調整し、この溶解成分をGPCにより測定する。
GPC装置として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー製)」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHFを用いる。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI(Refractive Index)検出器を用いて実験を行う。また、検量線は東ソー製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製する。
トナー粒子のトルエン不溶分は、25質量%以上45質量%以下が好ましく、28質量%以上38質量%以下がより好ましく、30質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。
トナー粒子のトルエン不溶分を上記範囲にすると、トナー粒子の吸湿性が低下し、繰返して画像形成を行なった後においても清掃性能の低下が抑制され易くなる。
ここで、トナー粒子のトルエン不溶分とは、トルエンに不溶なトナー粒子の構成成分である。つまり、トルエン不溶分は、トルエンに不溶な結着樹脂の成分(特に結着樹脂の高分子量成分)を主成分(例えば全体の50質量%以上)とした不溶分である。このトルエン不溶分は、トナー中に含まれる架橋樹脂の含有量の指標と言える。
トルエン不溶分は、次の方法により測定された値とする。
秤量したガラス繊維製の円筒ろ紙に秤量したトナー粒子(又はトナー)を1g投入し、加熱式ソックスレー抽出装置の抽出管に装着する。そして、フラスコにトルエンを注入して、マントルヒーターを用いて110℃に加熱する。また、抽出管に装着した加熱ヒーターを用いて抽出管の周部を125℃に加熱する。抽出サイクルが4分以上5分以下の範囲で1回となるような還流速度で抽出を行う。10時間抽出した後、円筒ろ紙とトナー残渣を取り出して乾燥し、秤量する。
そして、式:トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)=[(円筒ろ紙量+トナー残渣量)(g)−円筒ろ紙量(g)]÷トナー粒子(又はトナー)質量(g)×100に基づいて、トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)を算出し、このトナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)をトルエン不溶分(質量%)とする。
なお、トナー粒子(又はトナー)残渣は、着色剤、外添剤等の無機物、及び結着樹脂の高分子量成分等からなる。また、トナー粒子に離型剤を含む場合、加熱による抽出を行うことから、離型剤はトルエン可溶分となっている。
トナー粒子のトルエン不溶分は、例えば、結着樹脂において、1)末端に反応性官能基を有する高分子成分に架橋剤を添加して架橋構造、または分岐構造を形成する方法、2)末端にイオン性官能基を有する高分子成分に多価金属イオンにより架橋構造または分岐構造を形成する方法、3)イソシアネートなどの処理による樹脂鎖長の延長、分岐を形成する方法等により調整される。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
そして、本実施形態におけるトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<キャリア>
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
本実施形態で説明した画像形成装置の構成は一例であり、本実施形態の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<非晶性ポリエステル樹脂の作製>
(非晶性ポリエステル樹脂(A1)の作製)
内部を乾燥させた三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60質量部、フマル酸ジメチル74質量部、ドデセニルコハク酸無水物30質量部、トリメリット酸22質量部と、プロピレングリコール138質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とを窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、185℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに4時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が39000の非晶性ポリエステル樹脂(A1)を用意した。
(非晶性ポリエステル樹脂(A2)の作製)
190℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、さらに2.5時間反応させた以外は、非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A2)を作製した。なお、重量平均分子量は、26000であった。
(非晶性ポリエステル樹脂(A3)の作製)
プロピレングリコール138質量部の代わりに、プロピレングリコール128質量部、ブチレングリコール19質量部にし、195℃で4時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに6時間反応させた以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A3)を作製した。なお、重量平均分子量は56000であった。
<結晶性樹脂の作製>
(結晶性ポリエステル樹脂(B1)の作製)
まず、三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、185℃で5時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が33700の結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用意した。
なお、この結晶性ポリエステル樹脂(B1)の融解温度を、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求めたところ、71℃であった。
<参考非晶性ポリエステル樹脂の作製>
(参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)の作製)
テレフタル酸ジメチル60質量部と、フマル酸ジメチル74質量部と、ドデセニルコハク酸無水物30質量部と、トリメリット酸22質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物137質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物191質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とにした以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様にして参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)を作製した。なお、重量平均分子量は27000であった。
<トナーの作製>
(トナー(1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)73質量部と、結晶性ポリエステル樹脂(B1)6質量部と、着色剤(C.I.Pigment Red 122)7質量部と、離型剤(パラフィンワックス、融解温度73℃、日本精鑞株式会社製)5質量部と、エステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、ユニスターM−2222SL,、日油社製)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、周速15m/秒で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をエクストルーダー型連続混練機で溶融混練した。
ここで、エクストルーダーの設定条件は、供給側温度が160℃、排出側温度が130℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。なお冷却ベルトの温度を10℃に設定した。
得られた溶融混練物を冷却させた後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて6.5μmに微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ−LABO)を用いて分級して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は7.0μmであった。
そして、トナー粒子(1)100質量部と、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で混合し、トナー(1)を得た。
(トナー(2)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A2)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(2)を作製した。トナー粒子(2)の体積平均粒径は6.8μmであった。
そして、トナー粒子(2)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(2)を得た。
(トナー(3)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A3)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(3)を作製した。トナー粒子(3)の体積平均粒径は7.5μmであった。
そして、トナー粒子(3)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(3)を得た。
(トナー(4)の作製)
結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用いず、非晶性ポリエステル樹脂(A1)の部数を79質量部に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(4)を作製した。トナー粒子(4)の体積平均粒径は7.1μmであった。
そして、トナー粒子(4)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(4)を得た。
(参考トナー(C1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)に変更した以外はトナー粒子(4)の作製と同様にして参考トナー粒子(C1)を作製した。参考トナー粒子(C1)の体積平均粒径は7.7μmであった。
そして、参考トナー粒子(C1)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、参考トナー(C1)を得た。
<現像剤の作製>
(現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1))
得られた各トナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して、各々、現像剤(1)〜(4)、参考現像剤(C1)を作製した。
なお、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
<各種測定>
各トナーについて、トナー粒子の分子量特性、トナー粒子の赤外吸収スペクトル特性、トルエン不溶分を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
<クリーニングブレードの準備>
・クリーニングブレード(1)
ポリウレタン製で、マイクロ硬度75度、347mm×10mm×2mm(厚み)の単層構造からなる板状物を、クリーニングブレード(1)として用いた。
接触角部2Aでのマイクロ硬度[M]と、非接触角部2Eでのマイクロ硬度[M]との比[M/M]は、1/1であった。
・クリーニングブレード(2)
ポリウレタン製で、マイクロ硬度75度、347mm×10mm×1mm(厚み)の板状物(接触部材としての第一層)と、同じくポリウレタン製であるが、第一層とはポリウレタンの組成を変え、架橋成分を増加させることにより硬化された、マイクロ硬度42度、347mm×10mm×1mm(厚み)の板状物(非接触部材としての第二層)と、が貼り合わされた構成(つまり図4に示される二層構成のクリーニングブレード222の構成)のクリーニングブレード(2)を準備した。
なお、両層の接着は、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって接着した。
接触角部2Aでのマイクロ硬度[M]と、非接触角部2Eでのマイクロ硬度[M]との比[M/M]は、1.8/1であった。
<実施例1〜4>
・画像形成装置(1)の準備
画像形成装置(富士ゼロックス社製、製品名:ApeosPort−V C2275改造機)を用意し、清掃装置を図2及び図3に示す構成のものに改造した。つまり、接触角部2Aを像保持体12に接触させて清掃するクリーニングブレード220(前記クリーニングブレード(1))と、クリーニングブレード220の像保持体12と接触する側とは反対側の端部の背面2D側を支持し、クリーニングブレード220に生じる像保持体12との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置されるアルミニウム製且つL字型の支持部材240と、支持部材240に弾性部材260A及び260Bとしてのバネを押し付けることで、支持部材240が可動な方向においてクリーニングブレード220が像保持体12に対し押し付けられるよう付勢する付勢部材260と、を有する構成に改造した。
なお、クリーニングブレードと像保持体との間の押し付け圧力NFは4.0gf/mm、食い込み量dは1.3mm、接触角度θは23°に設定した。これを画像形成装置(1)とした。
この画像形成装置(1)の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)を有する現像剤を収容した。
<実施例5〜8>
・画像形成装置(2)の準備
上記画像形成装置(1)において、クリーニングブレードを前記クリーニングブレード(2)に変更したこと以外は、画像形成装置(1)と同様の構成とした画像形成装置(2)を準備した。
この画像形成装置(2)の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)を有する現像剤を収容した。
<比較例1〜4及び参考例>
・比較用の画像形成装置(C1)の準備
画像形成装置(富士ゼロックス社製、製品名:ApeosPort−V C2275改造機)を用意し、清掃装置を図6に示す構成のものとした。つまり、接触角部2Aを像保持体12に接触させて清掃するクリーニングブレード320(前記クリーニングブレード(1))と、クリーニングブレード320の像保持体12と接触する側とは反対側の端部の背面2D側を支持し、固定された(つまり不動である)状態で配置されるアルミニウム製且つL字型の支持部材340と、を有し、付勢手段を有しない構成とした。
なお、クリーニングブレードと像保持体との間の押し付け圧力NF、食い込み量d、及び接触角度θは、画像形成装置(1)と同じとした。これを画像形成装置(C1)とした。
この画像形成装置(C1)の現像装置内に、下記表1に示すトナー(1)〜(4)、又は(C1)を有する現像剤を収容した。
(摺動試験)
上記画像形成装置(1)、(2)、及び(C1)が有する各清掃装置について、前述の条件による摺動試験を実施した。そして、その前後でクリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重を前述の方法により測定し、摺動試験前後での荷重の差を求めた。結果を下記表2に示す。
<評価>
(繰返画像形成後における清掃性能評価)
上記画像形成装置を用い、以下の方法により、高温高湿環境下(28℃、85%)で、繰返して画像形成を行なった後における清掃性能を評価した。
A4用紙(富士ゼロックス社製、C2紙)を用いて、画像濃度40%の全面ハーフトーン画像を形成した。
評価基準は、次の通りである。
A(◎):清掃不良に起因する筋の発生無し
B(○):像保持体上に清掃不良起因の筋が発生するが、画質としては許容
C(△):清掃不良に起因する筋が画像上に発生するが、画質としては許容
D(×):清掃不良に起因する画像上問題となる筋発生
上記結果から、特定トナーを使用し、クリーニングブレードに生じる像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材と、支持部材に弾性部材を押し付けることで、支持部材が可動な方向においてクリーニングブレードが像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段とを有し、前記摺動試験前後でのクリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mm以下である実施例の画像形成装置では、支持部材が固定され、つまり不動であり、前記摺動試験前後でのクリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mm超えである比較例の画像形成装置に比べ、繰返して画像形成を行なった後における清掃性能に優れることがわかる。
なお、参考例の画像形成装置は、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用した非晶性ポリエステル樹脂を含むトナーを適用した例である。そして、参考例の画像形成装置では、支持部材が固定され、つまり不動であり、前記摺動試験前後でのクリーニングブレードから像保持体に対して加えられる荷重の差が1.5gf/mm超えである場合であっても、繰返して画像形成を行なった後における清掃性能の低下が抑制されていることがわかる。
2A 接触角部
2B 先端面
2C 腹面
2D 背面
2E 非接触角部
10 画像形成装置
12 像保持体
14 帯電部材
15 帯電装置
16 静電荷像形成装置
18 現像装置
20 転写部材
22、122 クリーニング装置(清掃装置)
24 除電装置
26 定着装置
30A 記録媒体
31 転写装置
36 制御装置
220、222、224、320 クリーニングブレード
222A 第一層
222B 第二層
224A 接触部材
224B 非接触部材
240、340 支持部材
260 付勢部材
260A、260B 弾性部材
ところで、電子写真方式の画像形成装置では、像保持体の表面に形成された静電荷像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成し、このトナー画像を像保持体から記録媒体の表面に転写した後、トナー画像が定着されることで記録媒体上に画像が形成される。また、トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の像保持体では、表面にクリーニングブレードを接触させることで表面の清掃が行われる。このトナーに、結着樹脂として非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナー(以下、「特定トナー」とも称する)を適用した場合に、吸湿性が高くなる傾向にある。そして、吸湿によりトナー粒子が可塑化し易くなり、特に高温高湿環境下(例えば28℃、85%の環境下)では可塑化のし易さが顕著となる。可塑化したトナー粒子は、表面に存在する外添剤が機械的なストレス等により表面に埋め込まれ易く、トナー粒子から遊離し難くなるため、像保持体とクリーニングブレードとの接触領域への外添剤の供給が減少する。その結果、クリーニングブレードの接触角への負荷が増大して摩耗量が増え、繰返して画像形成が行なわれて摩耗が進行した後において、清掃性能の低下が発生することがあった。
<1> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃する清掃手段であって、前記クリーニングブレードから前記像保持体に対して加えられる荷重の下記摺動試験前後での差が1.5gf/mm以下である清掃手段と、
を備える画像形成装置。
−摺動試験−
クリーニングブレードを、直径30mmの像保持体に対して接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させながら、前記像保持体を、回転速度175mm/秒の条件で100000回転駆動させて摺動させる摺動試験。
<2> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
一端側の角部を前記像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレード、前記クリーニングブレードを支持し、前記クリーニングブレードに生じる前記像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材、並びに前記支持部材に弾性部材を押し付けることで、前記支持部材が可動な方向において前記クリーニングブレードが前記像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段を有する清掃手段と、
を備える画像形成装置。
<3> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.3以下である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.05以上である<1>〜<3>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<5> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.5以下である<1>〜<4>のいずれか1に記載の画像形成装置。
<6> 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下である<5>に記載の画像形成装置。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面を清掃する清掃手段と、を備える。
さらに、トナー(特定トナー)は、結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分(以下「THF可溶分」とも称する)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と、外添剤と、を含む。
一方、特定トナーは、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比が0.4以下である。トナー粒子が、この赤外吸収スペクトル特性を有することは、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂が、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドプロピレンオキサイド付加物等)を多価アルコールとして使用していない、又は使用しても少量である樹脂であることを意味している。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm−1の吸光度に対する波数1500cm−1の吸光度の比は0.2以上(好ましくは0.3以上)であり、波数720cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.05以上(好ましくは0.08以上)であることがよい。
また、トナー粒子の強度の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.5以下(好ましくは0.4以下、より好ましくは0.35以下)であることがよい。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm−1の吸光度に対する波数820cm−1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
ここで、赤外吸収スペクトル分析による各波数の吸光度の測定は、次に示す方法により測定される。まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)を、KBr錠剤法により測定試料を作製する。そして、測定試料に対して、赤外分光光度計(日本分光株式会社製:FT−IR−410)により、積算回数300回、分解能4cm−1の条件で、波数500cm−1以上4000cm−1以下の範囲を測定する。そして、吸収光の無いオフセット部分等でベースライン補正を実施して、各波数の吸光度を求める。

Claims (17)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記像保持体の表面にクリーニングブレードを接触させて清掃する清掃手段であって、前記クリーニングブレードから前記像保持体に対して加えられる荷重の下記摺動試験前後での差が1.5gf/mm以下である清掃手段と、
    を備える画像形成装置。
    −摺動試験−
    クリーニングブレードを、直径30mmの像保持体に対して接触角度23°、押し付け圧4.0gf/mmの条件で接触させながら、前記像保持体を、回転速度175mm/秒の条件で100000回転駆動させて摺動させる摺動試験。
  2. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたとき、Mwが25000以上60000以下であり、Mw/Mnが5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.6以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    一端側の角部を前記像保持体に接触させて清掃するクリーニングブレード、前記クリーニングブレードを支持し、前記クリーニングブレードに生じる前記像保持体との摺動による振動を吸収する方向に可動な状態で配置される支持部材、並びに前記支持部材に弾性部材を押し付けることで、前記支持部材が可動な方向において前記クリーニングブレードが前記像保持体に対し押し付けられるよう付勢する付勢手段を有する清掃手段と、
    を備える画像形成装置。
  3. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.5以下であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.3以下である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長720cm−1の吸光度に対する波長1500cm−1の吸光度の比が0.2以上であり、波長720cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.05以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.5以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波長1500cm−1の吸光度に対する波長820cm−1の吸光度の比が0.4以下である請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20質量%以下である請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記クリーニングブレードは、前記像保持体と接触する接触角部でのマイクロ硬度が、同一端側において前記接触角部と対向する角部であって前記像保持体と接触しない非接触角部でのマイクロ硬度よりも高い請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記クリーニングブレードは、前記接触角部でのマイクロ硬度[M]と、前記非接触角部でのマイクロ硬度[M]との比[M/M]が70/65乃至90/50である請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記クリーニングブレードは、前記接触角部を含まず且つ前記非接触角部を含む一部の領域が硬化処理されてなる請求項14又は請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記クリーニングブレードが弾性体からなる請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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