JP7013769B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw(A)、数平均分子量をMn(A)としたとき、Mw(A)が25000以上60000以下であり、Mw(A)/Mn(A)が5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.4以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段であって、回転不能に支持された磁石部材、および前記磁石部材の外周を囲んで配置されて表面に前記静電荷像現像剤を保持して回転する回転部材を有する現像剤保持体と、前記回転部材の表面に保持された静電荷像現像剤の層厚を規制する層規制部材であって、前記回転部材の回転方向上流側の先端が湾曲している層規制部材と、を備える現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.5以下であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.3以下である<1>に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.2以上であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.05以上である<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.5以下である<1>~<3>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.4以下である<4>に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である<1>~<5>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である<6>に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下である<1>~<7>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である<8>に記載の画像形成装置。
前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む<1>~<9>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20重量%以下である<10>に記載の画像形成装置。
前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である<11>に記載の画像形成装置。
前記層規制部材が、円柱状部材、円筒状部材、又は板状部材である<1>~<12>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記層規制部材が、板状部材である<13>に記載の画像形成装置。
前記回転部材と前記層規制部材との間隙の長さが、0.1mm以上1.0mm以下である<1>~<14>のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記回転部材と前記層規制部材との間隙の長さが、0.2mm以上0.8mm以下である<15>に記載の画像形成装置。
<8>、又は<9>に係る発明によれば、トナー粒子のトルエン不溶分が28質量%未満又は38質量%超えの場合に比べ、高温高湿環境下で生じるトナー粒子への外添剤の埋没を抑制する画像形成装置が提供される。
<10>、<11>、又は<12>に係る発明によれば、トナー粒子が結晶性樹脂を含まない場合に比べ、トナー粒子への外添剤の埋没を抑制する画像形成装置が提供される。
<13>、又は<14>に係る発明によれば現像剤保持体の回転部材の回転方向上流側の先端が角部となっている層規制部材を有する現像手段を備える場合に比べ、層規制部材として、円柱状部材、円筒状部材、又は板状部材を有し、高温高湿環境下で生じるトナー粒子への外添剤の埋没を抑制する画像形成装置が提供される。
<15>、又は<16>に係る発明によれば、回転部材と層規制部材との間隙の長さが、0.1mm未満である場合に比べ、高温高湿環境下で生じるトナー粒子への外添剤の埋没を抑制する画像形成装置が提供される。
像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを有する静電荷像現像剤(以下「現像剤」とも称する)を収容し、現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。
具体的には、Mw(A)が25000未満であると、定着時のホットオフセット(トナーが過剰に溶融して定着部材に付着する現象)が生じ易くなり、Mw(A)が60000を超えると最低定着温度が高まり易くなる。また、Mw(A)/Mn(A)が10を超えると、樹脂の溶融性に差異が生まれ、定着画像にムラが生じ易くなる。なお、Mw(A)/Mn(A)を5未満とすることは製造上困難である。
このように、特定トナー(そのトナー粒子)の分子量特性を上記特性にすると、画像の定着性を向上する。
一方、現像手段において、トナーに高い機械的負荷が付与されるのは、トナーを含む現像剤が現像剤保持体の回転部材の表面に保持された状態で、層規制部材により現像剤の層厚が規制されるときである。特に、層規制部材における「現像剤保持体の回転部材の回転方向上流側の先端」が角部(つまり、例えば、回転部材の径方向に沿った切断面が四角)となっていると、角部により局所的に、トナーに高い機械的負荷が付与される。
そのため、高温高湿環境下で、可塑化したと特定トナーを含む現像剤の層厚が、層規制部材により規制されると、機械的負荷によりトナー粒子へ外添剤の埋没し易くなる。
それにより、現像剤保持体の回転部材と層規制部材との間に、特定トナーを含む現像剤層が搬送されたとき、層規制部材の先端の湾曲面に現像剤層が接触する。そのため、特定トナーに対する、層規制部材の先端による局所的な機械的負荷が低減し、トナー粒子への外添剤の埋没が抑制される。
なお、先端が湾曲している層規制部材とは、層規制部材の厚みをA、湾曲部の最大曲率直径をBとしたときに(図4~図7参照)、A/Bが5よりも小さいものをいう。
中間転写方式の装置の場合、転写装置は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写部材と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写部材と、を有する構成が適用される。
図1に示すように、本実施形態に掛る画像形成装置10は、上下方向(矢印Y方向)の下側から上側へ向けて、記録媒体の一例としての記録用紙PAが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録用紙PAに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿(図示省略)を読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。
なお、以後の説明では、画像形成装置10を正面視したときの装置本体10Aの上方向をY方向、水平方向(右方向)をX方向、手前側から奥側に向かう奥行き方向をZ方向と記載する。また、X、Y、Z方向とは逆の方向を-X、-Y、-Z方向と記載する。
なお、現像装置100の詳細については後述する。
次に、現像装置100について説明する。
なお、トリマー108は、現像スリーブ106Bの回転方向上流側の先端が湾曲していればよく、現像スリーブ106Bの回転方向下流側の先端は角部となっていてもよい。
次に、現像装置100に収容される静電荷像現像剤(以下「本実施形態に係る静電荷像現像剤」とも称する)について、詳細に説明する。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤であってもよい。
トナーは、トナー粒子を有する。トナーは、トナー粒子と共に、外添剤を有していてもよい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他添加剤等を含んでもよい。
結着樹脂としては、非晶性ポリエステル樹脂が適用される。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味し、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比は0.6以下(好ましくは0.5以下、より好ましくは0.48以下)であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比は0.4以下(好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下)である。
上述のように、結着樹脂としての非晶性ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含まない、又は含んでも少量であるとき、トナー粒子は、この赤外吸収スペクトル特性を有する。
一方で、トナーの保存安定性の観点から、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比は0.1以上(好ましくは0.15以上)であることがよい。
上述のように、トナー粒子が上記分子量特性を満たすと、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上する。
ピーク分子量を上記範囲にすると、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用しない又は少量で使用した非晶性ポリエステル樹脂をトナー粒子に含むトナーを適用しても、定着画像の定着性が向上し易くなる。
まず、測定対象となるトナー粒子(又はトナー)0.5mgをTHF(テトラヒドロフラン)1gに溶解させ、超音波分散をかけた後に、濃度が0.5%となるように調整し、この溶解成分をGPCにより測定する。
GPC装置として「HLC-8120GPC、SC-8020(東ソー製)」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM-H(東ソー製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHFを用いる。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI(Refractive Index)検出器を用いて実験を行う。また、検量線は東ソー製「polystylene標準試料TSK standard」:「A-500」、「F-1」、「F-10」、「F-80」、「F-380」、「A-2500」、「F-4」、「F-40」、「F-128」、「F-700」の10サンプルから作製する。
トナー粒子のトルエン不溶分を上記範囲にすると、トナー粒子の吸湿性が低下し、トナー粒子への外添剤の埋没が抑制され易くなる。
秤量したガラス繊維製の円筒ろ紙に秤量したトナー粒子(又はトナー)を1g投入し、加熱式ソックスレー抽出装置の抽出管に装着する。そして、フラスコにトルエンを注入して、マントルヒーターを用いて110℃に加熱する。また、抽出管に装着した加熱ヒーターを用いて抽出管の周部を125℃に加熱する。抽出サイクルが4分以上5分以下の範囲で1回となるような還流速度で抽出を行う。10時間抽出した後、円筒ろ紙とトナー残渣を取り出して乾燥し、秤量する。
そして、式:トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)=[(円筒ろ紙量+トナー残渣量)(g)-円筒ろ紙量(g)]÷トナー粒子(又はトナー)質量(g)×100に基づいて、トナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)を算出し、このトナー粒子(又はトナー)残渣量(質量%)をトルエン不溶分(質量%)とする。
なお、トナー粒子(又はトナー)残渣は、着色剤、外添剤等の無機物、及び結着樹脂の高分子量成分等からなる。また、トナー粒子に離型剤を含む場合、加熱による抽出を行うことから、離型剤はトルエン可溶分となっている。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
(非晶性ポリエステル樹脂(A1)の作製)
内部を乾燥させた三口フラスコに、テレフタル酸ジメチル60質量部、フマル酸ジメチル74質量部、ドデセニルコハク酸無水物30質量部、トリメリット酸22質量部と、プロピレングリコール138質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とを窒素雰囲気下で、反応により生成された水は系外へ除去しながら、185℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに4時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が39000の非晶性ポリエステル樹脂(A1)を用意した。
190℃で3時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、さらに2.5時間反応させた以外は、非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A2)を作製した。なお、重量平均分子量は、26000であった。
プロピレングリコール138質量部の代わりに、プロピレングリコール128質量部、ブチレングリコール19質量部にし、195℃で4時間反応させた後、徐々に減圧しながら240℃まで温度をあげて、さらに6時間反応させた以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で非晶性ポリエステル樹脂(A3)を作製した。なお、重量平均分子量は56000であった。
(結晶性ポリエステル樹脂(B1)の作製)
まず、三口フラスコに、セバシン酸ジメチル100質量部と、ヘキサンジオール67.8質量部と、ジブチルすずオキサイド0.10質量部とを窒素雰囲気下で、反応中に生成された水は系外へ除去しながら、185℃で5時間反応させた後、徐々に減圧しながら220℃まで温度をあげて、6時間反応させた後、冷却した。こうして、重量平均分子量が33700の結晶性ポリエステル樹脂(B1)を用意した。
(参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)の作製)
テレフタル酸ジメチル60質量部、フマル酸ジメチル74質量部、ドデセニルコハク酸無水物30質量部、トリメリット酸22質量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物137質量部と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物191質量部と、ジブチルすずオキサイド0.3質量部とにした以外は非晶性ポリエステル樹脂(A1)と同様にして参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)を作製した。なお、重量平均分子量は27000のであった。
(トナー(1)の作製)
非晶性ポリエステル樹脂(A1)73質量部、結晶性ポリエステル樹脂(B1)6質量部と、着色剤(C.I.Pigment Red 122)7質量部と、離型剤(パラフィンワックス、融解温度73℃、日本精鑞株式会社製)5質量部、及びエステルワックス(ベヘン酸ベヘニル、ユニスターM-2222SL,、日油社製)2質量部とを、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、周速15m/秒で5分間撹拌混合した後、得られた撹拌混合物をエクストルーダー型連続混練機で溶融混練した。
ここで、エクストルーダーの設定条件は、供給側温度が160℃、排出側温度が130℃、冷却ロールの供給側温度が40℃、排出側温度が25℃であった。なお冷却ベルトの温度を10℃に設定した。
得られた溶融混練物を冷却させた後、ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を用いて6.5μmに微粉砕し、更にエルボージェット分級機(日鉄鉱業株式会社製、型式:EJ-LABO)を用いて分級して、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は7.0μmであった。
そして、トナー粒子(1)100質量部と、外添剤として市販のヒュームドシリカRX50(日本アエロジル製)1.2質量部とを、ヘンシェルミキサー(三井三池製作所製)を使用して周速30m/s、5分の条件で混合し、トナー(1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A2)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(2)を作製した。トナー粒子(2)の体積平均粒径は6.8μmであった。
そして、トナー粒子(2)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(2)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を非晶性ポリエステル樹脂(A3)に変更した以外はトナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(3)を作製した。トナー粒子(3)の体積平均粒径は7.5μmであった。
そして、トナー粒子(3)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(3)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(B1)を用いず、非晶性ポリエステル樹脂(A1)の部数を79質量部に変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にしてトナー粒子(4)を作製した。トナー粒子(4)の体積平均粒径は7.1μmであった。
そして、トナー粒子(4)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、トナー(4)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(A1)を参考非晶性ポリエステル樹脂(C1)に変更した以外はトナー粒子(4)の作製と同様にして参考トナー粒子(C1)を作製した。参考トナー粒子(C1)の体積平均粒径は7.7μmであった。
そして、参考トナー粒子(C1)を用いた以外は、トナー(1)と同様にして、参考トナー(C1)を得た。
(現像剤(1)~(4)、参考現像剤(C1))
得られた各トナー8質量部と、キャリア100質量部とを混合して、各々、現像剤(1)~(4)、参考現像剤(C1)を作製した。
なお、キャリアは、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)100質量部と、トルエン14質量部と、スチレン-メチルメタクリレート共重合体(成分比:スチレン/メチルメタクリレート=90/10、重量平均分子量Mw=80000)2質量部とを、まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで撹拌させて分散した被覆液を調製し、次に、この被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダー(井上製作所製)に入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させ、その後105μmで篩分して得たものである。
画像形成装置として、二成分現像方式を採用した画像形成装置「DocuCenter Color 500」を準備した。
そして、この画像形成装置の現像装置内に、表1に示す現像剤を収容した。
画像形成装置として、画像形成装置(富士ゼロックス社製、製品名DocuPrint C525)を準備した。
そして、この画像形成装置の現像装置内に、表1に示す現像剤を収容した。
また、画像形成装置の現像装置において、1)トリマーの先端部の断面形状(表中「先端形状」と表記)を表1に示す形状(図4~図7、図9から選択)とし、2)現像スリーブとトリマーとの間隙長さ(表中「トリマー間隙長さSTと表記)を表1に示す値に設定した。
なお、図4の棒幅Aと最大曲率直径B(現像スリーブの回転方向上流側の先端の最大曲率直径B:以下、同じ)の比、は、1:1とした。
なお、図5の棒幅Aと最大曲率直径Bの比は、1:3とした。
図6の棒幅Aと最大曲率直径Bの比は、1:2とした。
図7の棒幅Aと最大曲率直径Bの比は、1:1とした。
図9の棒幅Aと最大曲率直径Bの比は、5:1とした。図9に示すトリマーの先端部の断面形状は四角状である。
ここで、下記トナー粒子への外添剤の埋没の評価を実施する場合、画像形成装置として、画像形成装置「DocuCenter Color 500」を採用した。
各例について、トナー粒子の分子量特定、トナー粒子の赤外吸収スペクトル特性、トルエン不溶分を既述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
(定着性)
定着性について、次の高温オフセットの評価を実施した。
画像形成装置の定着温度220℃、画像形成速度250mm/秒に設定した。そして、この画像形成装置により、用紙(富士ゼロックス社製P紙)の搬送方向に、幅20mmの画像濃度100%画像を20枚出力し、下記評価基準により評価を行った。
評価基準は、次の通りである。
A(◎): 全く問題無し
B(○): 問題無し
C(△): 軽微な画像欠陥が見られるが問題とはならないレベル
D(×): 画像欠陥発生でNG(No Good)と判定される
画像形成装置を用いて、画像密度1%の条件で10000枚流した。その後、現像器から現像剤を採取し、走査型電子顕微鏡(SEM)の観察にて、トナー粒子の表面を観察した。
評価基準は、次の通りである。
A(◎): 外添剤はほとんど埋没してない
B(○): 外添剤が若干埋没している
C(△): 外添剤が埋没しているものも見られるが、問題ないレベル
D(×): 外添剤が埋没しており、トナーの表面が露出している
A(◎): MOSの変動がΔ±20以内
B(○): MOSの変動がΔ±20超え50以下
C(△): MOSの変動がΔ±50超え100未満
D(×): MOSの変動がΔ±100以上
また、本実施例の画像形成装置は、定着性も良好であることがわかる。
72 感光体(像保持体の一例)
74 帯電装置(帯電手段の一例)
76 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
80 定着装置(定着手段の一例)
100 現像装置(現像手段の一例)
106 現像ロール(現像剤保持体の一例)
106A マグネットロール(磁石部材の一例)
106B 現像スリーブ(回転部材の一例)
108 トリマー(層規制部材の一例)
Claims (15)
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、重量平均分子量をMw(A)、数平均分子量をMn(A)としたとき、Mw(A)が25000以上60000以下であり、Mw(A)/Mn(A)が5以上10以下であり、トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.6以下であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.4以下であり、トルエン不溶分が28質量%以上38質量%以下であるトナー粒子と外添剤とを含むトナーを有する静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段であって、回転不能に支持された磁石部材、および前記磁石部材の外周を囲んで配置されて表面に前記静電荷像現像剤を保持して回転する回転部材を有する現像剤保持体と、前記回転部材の表面に保持された静電荷像現像剤の層厚を規制する層規制部材であって、前記回転部材の回転方向上流側の先端が湾曲している層規制部材と、を備える現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.5以下であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.3以下である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数720cm-1の吸光度に対する波数1500cm-1の吸光度の比が0.2以上であり、波数720cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.05以上である請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.5以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子の赤外吸収スペクトル分析における、波数1500cm-1の吸光度に対する波数820cm-1の吸光度の比が0.4以下である請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、7000以上11000以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定によって得られた分子量分布曲線のピーク分子量が、8000以上11000以下である請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子のトルエン不溶分が30質量%以上35質量%以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記トナー粒子が、結晶性樹脂を含む請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し3質量%以上20重量%以下である請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記結晶性樹脂の含有量が、前記トナーの全量に対し5質量%以上15質量%以下である請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記層規制部材が、円柱状部材、円筒状部材、又は板状部材である請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記層規制部材が、板状部材である請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記回転部材と前記層規制部材との間隙の長さが、0.1mm以上1.0mm以下である請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記回転部材と前記層規制部材との間隙の長さが、0.2mm以上0.8mm以下である請求項14に記載の画像形成装置。
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