JP2023142266A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置を提供すること。【解決手段】電子写真感光体と、帯電装置と、静電荷像形成装置と、現像装置と、前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、転写装置と、を備え、前記クリーニングブレードは、接触部と基材層とを有し、前記トナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たす、画像形成装置。【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
特許文献1には、「潤滑剤粒子が添加されたトナー粒子の集まりを収容したトナー収容体を備え、所定方向に循環移動する像担持体表面を帯電し帯電後の像担持体表面に露光光を照射することにより該像担持体表面に静電潜像を形成し、該静電潜像に該トナー収容体に収容されたトナー粒子を供給することで該静電潜像を現像してトナー像を得、該トナー像を、所定の被転写面に転写し最終的に記録媒体上に定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、前記像担持体の、前記被転写面にトナー像が転写された後の表面に残留した残留トナー粒子を掻き取る、該表面にゴム材料からなる先端エッジ部を圧接させたクリーニングブレードと、前記クリーニングブレードによって前記像担持体表面から掻き取られた残留トナー粒子を前記トナー収容体に戻すトナー回収手段とを備え、前記クリーニングブレードは、前記先端エッジ部を構成する、23℃における100%モジュラスが4MPa以上18MPa以下の範囲に属するゴム材料からなる第1部分と、該第1部分以外の部分であって、23℃における100%モジュラスが前記範囲よりも低いゴム材料からなる第2部分と、を有するものであることを特徴とする画像形成装置」が開示されている。
特許文献2には、「バインダ樹脂と、着色剤と、ワックスと、樹脂微粒子と、を含有し、前記樹脂微粒子は、前記バインダ樹脂と相溶しない樹脂からなり、かつ、ガラス転移温度が100~220℃で、平均粒径が0.05~1μmであることを特徴とする、トナー」が開示されている。
特許4788240号 特開2007-108591号公報
従来、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、を備え、前記クリーニングブレードが前記接触部と基材層とを有する、画像形成装置(以下、特定画像形成装置とも称す。)が知られている。上記の特定画像形成装置では、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けや、高温高湿度環境下におけるフィルミングが発生することがあった。
そこで本発明では、上記の特定画像形成装置において、前記トナーが結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、且つ、樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係(X/α23edge)が0.12未満又は7.5超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1> 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備え、
前記クリーニングブレードは、接触部と基材層とを有し、
前記トナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、
前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たす、画像形成装置。
<2> 前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeが4MPa以上18MPa以下である、前記<1>に記載の画像形成装置。
<3> 前記クリーニングブレードの基材層の23℃における100%モジュラスα23baseは、前記接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeよりも低い、前記<1>又は<2>に記載の画像形成装置。
<4> 前記樹脂粒子の含有率が、トナー粒子に対して、2質量%以上30質量%以下である、前記<1>~<3>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<5> 前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeとの関係が、0.14≦X/α30edge≦9.8を満たす、前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<6> 前記樹脂粒子の個数平均粒径は、60nm以上300nm以下である、前記<1>~<5>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<7> 2℃/分の昇温時における前記樹脂粒子の動的粘弾性測定において、23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上5×10Pa以下である、前記<1>~<6>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<8> 2℃/分の昇温時における、前記トナー粒子から前記樹脂粒子を除いた成分の動的粘弾性測定において、23℃以上50℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度が65℃以上90℃以下である、前記<7>に記載の画像形成装置。
<9> 前記トナーの動的粘弾性測定において、温度90℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(90)、温度90℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(90)、温度150℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(150)、温度150℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(150)としたとき、
D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)がそれぞれ0.5以上2.0以下であり、
D50(150)-D1(150)の値が1.5未満であり、
D50(90)-D1(90)の値が0.5未満である、前記<1>~<8>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<10> 前記樹脂粒子は、架橋樹脂粒子である、前記<1>~<9>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<11> 前記架橋樹脂粒子は、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子である、前記<10>に記載の画像形成装置。
<12> 前記トナーは、前記外添剤としてシリカ粒子を有する、前記<1>~<11>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<13> 前記トナーは、前記外添剤として前記シリカ粒子と共に酸化チタン粒子を有する、前記<12>に記載の画像形成装置。
<14> 前記外添剤の含有量が、前記トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下である、前記<1>~<13>のいずれか1つに記載の画像形成装置。
<15> 電子写真感光体と、
トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、
を備え、
前記クリーニングブレードは、前記接触部と基材層とを有し、
前記トナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、
前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たし、画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
<1>に係る発明によれば、前記特定画像形成装置において、前記トナーが結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、且つ、樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係(X/α23edge)が0.12未満又は7.5超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<2>に係る発明によれば、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeが4MPa未満又は18MPa超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<3>に係る発明によれば、前記クリーニングブレードの基材層の23℃における100%モジュラスα23baseが、前記接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeよりも高い場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<4>に係る発明によれば、前記樹脂粒子の含有率が、トナー粒子に対して、2質量%未満又は30質量%以下超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<5>に係る発明によれば、前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeとの関係(X/α30edge)が0.13未満又は10超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<6>に係る発明によれば、樹脂粒子の個数平均粒径が300nmを超える場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<7>に係る発明によれば、樹脂粒子を含有しない場合、又は80℃における樹脂粒子の貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満である場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<8>に係る発明によれば、トナー粒子から樹脂粒子を除いた成分の貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度が90℃を超える場合に比べ、温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<9>に係る発明によれば、D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)のいずれかが0.5未満若しくは2.0超え、D50(150)-D1(150)の値が1.5以上、又はD50(90)-D1(90)の値が0.5以上である場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<10>に係る発明によれば、樹脂粒子が無架橋樹脂粒子である場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<11>に係る発明によれば、樹脂粒子がポリエステル樹脂粒子である場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<12>又は<13>に係る発明によれば、外添剤として酸化チタンのみを有する場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<14>に係る発明によれば、外添剤の含有量が、トナー粒子に対して、0.01質量%未満又は5質量%超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置が提供される。
<15>に係る発明によれば、前記トナーが結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、且つ、樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係(X/α23edge)が0.12未満又は7.5超えである場合に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態におけるクリーニングブレードの一例を示す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書中において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの双方を意味する。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体(以下「感光体」とも称する)と、前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、を備え、前記クリーニングブレードは、第一ゴム材料を含む前記接触部と、第二ゴム材料を含む基材層とを有する画像形成装置である。以下、上記構成を有する画像形成装置を特定画像形成装置とも称す。
本実施形態に係る画像形成装置は、前記トナーが、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たす。以下、上記構成を有するトナーをトナーとも称す。
従来、特定画像形成装置を用いて画像を形成すると、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けや、高温高湿度環境下におけるフィルミングが発生することがあった。この要因は必ずしも明らかではないが以下のように推察される。
従来の低温定着性を有するトナーは、温湿度環境の変化に伴うトナー物性の変化が大きい。例えば、該トナーを、上記特定画像形成装置のように、第一ゴム材料を含む前記接触部と、第二ゴム材料を含む基材層とを有するクリーニングブレードを備えたクリーニング装置を搭載した画像形成装置に収容した場合、低温低湿度環境下(例えば10℃15%RH)では、トナーの粘弾性が低くなりすぎ、外添剤の遊離量が増加しやすい。その際、クリーニングブレードの接触部の100%モジュラスが高いと、感光体に対しブレードが先端接触側になるため、遊離した外添剤がブレードを過剰にすり抜け、ブレード先端の欠けが生じることがあった。また、高温高湿度環境下(例えば30℃90%RH)では、トナーの粘弾性が高くなりすぎ、トナーの感光体上への付着力が増加しやすい。その際、クリーニングブレードの接触部の100%モジュラスが低いと、感光体上の付着物の除去性が低下しやすい。その結果、繰り返し画像を形成したときに、トナー粒子がクリーニングブレードからすり抜け、記録媒体の搬送方向に筋状に引き延ばされることに起因した筋状の画像欠陥が発生することがあった。
一方、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成により、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けや高温高湿度環境下におけるフィルミングの発生が抑制される。この作用機序は必ずしも明らかではないが以下のように推察される。
本実施形態に係る画像形成装置に収容されるトナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たす。つまり、トナー粒子に樹脂粒子が一定量以上含まれていることから、トナーの粘弾性が低い領域でも、クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスが一定以下であれば、感光体に対してクリーニングブレードが過度に圧接しづらい。そのため、低温低湿度環境下においても外添剤は過度に遊離せず、外添剤による除去性が維持されやすくなる。その結果、過度に遊離した外添剤の一部がクリーニングブレードをすり抜けることによるクリーニングブレード先端の欠けの発生も抑制されると考えられる。
また、トナー粒子に含まれる樹脂粒子が一定量以下であることから、トナーの粘弾性が高い領域でも、クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスが一定以上であれば、トナーの感光体表面への付着力が過度に高くなり過ぎない。そのため、高温高湿度環境下においても、クリーニングブレードからトナー粒子がすり抜けがたくなる。その結果、繰り返し画像を形成したときにも、筋状の画像欠陥が抑制されると考えられる。
[画像形成装置の具体例]
ここで、本実施形態に係る画像形成装置は、感光体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;感光体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前に感光体の表面に除電光を照射して除電する除電装置を備える装置等の周知の画像形成装置に適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写装置は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、感光体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写装置と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写装置と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、感光体、現像装置及びクリーニング装置を少なくとも含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置10には、図1に示すように、例えば、感光体12が設けられている。感光体12は、円柱状とされ、モータ等の駆動部27にギア等の不図示の駆動力伝搬部材を介して連結されており、当該駆動部27により、黒点で示す回転軸の周りに回転駆動される。図1に示す例では、矢印A方向に回転駆動される。
感光体12の周辺には、例えば、帯電装置15、静電荷像形成装置16、現像装置18、転写装置31、クリーニング装置22、及び除電装置24が、感光体12の回転方向に沿って順に配設されている。そして、画像形成装置10には、定着部材26Aと、定着部材26Aに接触して配置される加圧部材26Bと、を有する定着装置26も配設されている。また、画像形成装置10は、各装置(各部)の動作を制御する制御装置36を有している。なお、感光体12、帯電装置15、静電荷像形成装置16、現像装置18、転写装置31、及びクリーニング装置22を含むユニットが画像形成ユニットに該当する。
画像形成装置10において、少なくとも感光体12、現像装置18及びクリーニング装置22は、他の装置と一体化したプロセスカートリッジとして備えてもよい。
以下、画像形成装置10の各装置(各部)の詳細について説明する。
[感光体]
感光体12は、感光層を有する。
感光層は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを同一の感光層に含有して機能を一体化した単層型感光層でもよく、電荷発生層と電荷輸送層とを有する機能が分離された積層型感光層でもよい。感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層と電荷輸送層との順序は特に限定されないが、感光体は、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び表面保護層をこの順に有する構成が好ましい。また、感光体は、これらの層以外の層を含んでいてもよい。
[帯電装置]
帯電装置15は、感光体12の表面を帯電する。帯電装置15は、例えば、感光体12表面に接触または非接触で設けられ、感光体12の表面を帯電する帯電部材14、及び帯電部材14に帯電電圧を印加する電源28(帯電部材用の電圧印加部の一例)を備えている。電源28は、帯電部材14に電気的に接続されている。
帯電装置15の帯電部材14としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フイルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触方式の帯電器が挙げられる。また、帯電部材14としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器又はコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。
[静電荷像形成装置]
静電荷像形成装置16は、帯電された感光体12の表面に静電荷像を形成する。具体的には、例えば、静電荷像形成装置16は、帯電部材14により帯電された感光体12の表面に、形成する対象となる画像の画像情報に基づいて変調された光Lを照射して、感光体12上に画像情報の画像に応じた静電荷像を形成する。
静電荷像形成装置16としては、例えば、半導体レーザー光、LED光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光源を持つ光学系機器等が挙げられる。
[現像装置]
現像装置18は、例えば、静電荷像形成装置16による光Lの照射位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。現像装置18内には、現像剤を収容する収容部が設けられている。この収容部には、トナーを有する現像剤が収容されている。トナーは、例えば、現像装置18内で帯電された状態で収容されている。
現像装置18は、例えば、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電荷像を現像する現像部材18Aと、現像部材18Aに現像電圧を印加する電源32と、を備えている。この現像部材18Aは、例えば、電源32に電気的に接続されている。
現像装置18の現像部材18Aとしては、現像剤の種類に応じて選択されるが、例えば、磁石が内蔵された現像スリーブを有する現像ロールが挙げられる。
現像装置18(電源32を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、現像部材18Aに現像電圧を印加する。現像電圧を印加された現像部材18Aは、現像電圧に応じた現像電位に帯電される。そして、現像電位に帯電された現像部材18Aは、例えば、現像装置18内に収容された現像剤を表面に保持して、現像剤に含まれるトナーを現像装置18内から感光体12表面へと供給する。トナーが供給された感光体12表面では、形成された静電荷像がトナー画像として現像される。
[転写装置]
転写装置31は、例えば、現像部材18Aの配設位置より感光体12の回転方向下流側に設けられている。転写装置31は、例えば、感光体12の表面に形成されたトナー画像を記録媒体30Aへ転写する転写部材20と、転写部材20に転写電圧を印加する電源30と、を備えている。転写部材20は、例えば、円柱状とされており、感光体12との間で記録媒体30Aを挟んで搬送する。転写部材20は、例えば、電源30に電気的に接続されている。
転写部材20としては、例えば、ベルト、ローラ、フイルム、ゴムクリーニングブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器又はコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の非接触型転写帯電器が挙げられる。
転写装置31(電源30を含む)は、例えば、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、転写部材20に転写電圧を印加する。転写電圧を印加された転写部材20は、転写電圧に応じた転写電位に帯電される。
転写部材20の電源30から転写部材20に、感光体12上に形成されたトナー画像を構成するトナーとは逆極性の転写電圧が印加されると、例えば、感光体12と転写部材20との向かい合う領域(図1中、転写領域32A参照)には、感光体12上のトナー画像を構成する各トナーを静電力により感光体12から転写部材20側へと移動させる電界強度の転写電界が形成される。
記録媒体30Aは、例えば、図示を省略する収容部に収容されており、この収容部から図示を省略する複数の搬送部材によって搬送経路34に沿って搬送され、感光体12と転写部材20との向かい合う領域である転写領域32Aに到る。図1中に示す例では、矢印B方向に搬送される。転写領域32Aに到った記録媒体30Aは、例えば、転写部材20に転写電圧が印加されることにより該領域に形成された転写電界によって、感光体12上のトナー画像が転写される。すなわち、例えば、感光体12表面から記録媒体30Aへのトナーの移動により、記録媒体30A上にトナー画像が転写される。そして、感光体12上のトナー画像は、転写電界により記録媒体30A上に転写される。
[クリーニング装置]
クリーニング装置22は、転写装置31より感光体12の回転方向下流側に設けられている。クリーニング装置22は、トナー画像を記録媒体30Aに転写し、感光体12に付着した残留トナー等をクリーニング(清掃)する。具体的にクリーニング装置22では、残留トナー以外にも、帯電手段により生じた放電生成物、紙粉等の付着物をクリーニングする。
クリーニング装置22は、クリーニングブレード220を有し、クリーニングブレード220の先端を感光体12の回転方向と対向する方向に向けて接触させて感光体12の表面の付着物を除去するものである。
クリーニングブレード220は、弾性を有する板状物である。
クリーニングブレード220は、感光体12と接触する面とは反対の面側に支持部材が接合しており、この支持部材により支持されている。この支持部材により、クリーニングブレード220が、感光体12に対して押し付けられる。支持部材としては、アルミニウム、ステンレス等の金属材料が挙げられる。なお、支持部材とクリーニングブレード220との間には、両者の接着を接合するための接着剤等による接着層を有していてもよい。
クリーニング装置は、クリーニングブレード220とこれを支持する支持部材以外にも公知の部材を含んでいてもよい。
クリーニングブレード220は、感光体の表面に接触させ感光体の表面をクリーニングする接触部を構成する部材(以下、「接触部材」とも称する)と、基材層を構成する部材(以下、「非接触部材」とも称する)を有する。
クリーニングブレードは、接触部材からなる層と、前記第一層の背面に背面層としての基材層が設けられた2層構成であってもよいし、3層以上の構成であってもよい。また、感光体と接触する部分の角部のみが接触部材からなり、前記接触部材以外の感光体と接触しない部分(つまり非接触部分)が基材層となる構成であってもよい。
クリーニングブレード220が2層以上の積層構成であると、感光体の表面に接触させ作動した際に接触部にかかる負荷がクリーニングブレード220全体に広がることが抑制され、低温低湿度環境下においてもクリーニングブレード220の欠けがより抑制される。また、後述するΔ(α23edge-α23base)の値を好適な範囲に調整しやすい。
図2は、本実施形態におけるクリーニングブレード220の一例を示す概略図である。
図2に示すように、クリーニングブレード3422Bは、感光体12と接触する部分(接触角部)を含み、腹面側全面に渡って形成され且つ接触部材からなる第一層3421Bと、該第一層よりも背面側に形成され且つ接触部材とは異なる材料からなる基材層としての第二層3422Bと、が設けられた2層構成であってもよい。
以下クリーニングブレード220について詳細に説明するが、符号は省略する。
(接触部材の組成)
以下、接触部を構成する部材を「接触部材」ともいう。
接触部材としては、例えば、ゴム材料を含有する部材が挙げられる。
ゴム材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタンゴム、ポリイミドゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴムが挙げられる。
上位の中でも、接触部材としては、ポリウレタンゴムを含有する部材が好ましい。
-ポリウレタンゴム-
ポリウレタンゴムは、ポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と、を少なくとも重合したポリウレタンゴムである。ポリウレタンゴムは、必要に応じて、ポリオール成分以外にポリイソシアネートのイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂を重合したポリウレタンゴムであってもよい。
ポリウレタンゴムは、ハードセグメントとソフトセグメントとを有していることが好ましい。「ハードセグメント」及び「ソフトセグメント」とは、ポリウレタンゴム材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
なお、ハードセグメントを構成する材料(ハードセグメント材料)としては、ポリオール成分のうち低分子ポリオール成分、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂等が挙げられる。一方、ソフトセグメントを構成する材料(ソフトセグメント材料)としては、ポリオール成分のうち高分子ポリオール成分が挙げられる。
・ポリオール成分
ポリオール成分は、高分子ポリオールと低分子ポリオールとが含まれる。
高分子ポリオール成分は、数平均分子量が500以上(好ましくは500以上5000以下)のポリオールである。高分子ポリオール成分としては、低分子ポリオールと二塩基酸との脱水縮合で得られるポリエステルポリオール、低分子ポリオールとアルキルカーボネートの反応により得られるポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエーテルポリオール等の周知のポリオールが挙げられる。なお、高分子ポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセル製のプラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
ここで、数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定された値である。以下、同様である。
これら高分子ポリオールは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
高分子ポリオール成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、30モル%以上50モル%以下がよく、好ましくは40モル%以上50モル%以下である。
低分子ポリオール成分は、分子量(数平均分子量)500未満のポリオールである。低分子ポリオールは、鎖長延長剤、及び架橋剤として機能する材料である。
低分子ポリオール成分としては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオールが挙げられる。その中でも、低分子ポリオール成分として1,4-ブタンジオールが好ましく適用される。
低分子ポリオール成分として、鎖長延長剤及び架橋剤として周知なジオール(2官能)、トリオール(3官能)、又はテトラオール(4官能)等も挙げられる。
これらのポリオールは、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
低分子ポリオール成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、50モル%を超え75モル%以下がよく、好ましくは52モル%以上75モル%、より好ましくは55モル%以上75モル%以下、さらに好ましくは55モル%以上60モル%以下である。
・ポリイソシアネート成分
ポリイソシアネート成分としては、例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,6-ヘキサンジイソシアネート(HDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、及び3,3-ジメチルビフェニル-4,4-ジイソシアネート(TODI)などが挙げられる。
ポリイソシアネート成分としては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)がより望ましい。
これらポリイソシアネート成分は、単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
ポリイソシアネート成分の重合比は、ポリウレタンゴムの全重合成分に対して、5モル%以上25モル%以下がよく、好ましくは10モル%以上20モル%以下である。
・イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂
イソシアネート基に対して反応し得る官能基を有する樹脂(以下「官能基含有樹脂」と称する)は、柔軟性のある樹脂であることが望ましく、柔軟性の点から直鎖構造を有する脂肪族系の樹脂であることがより望ましい。官能基含有樹脂の具体例としては、2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂や、2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むアクリル樹脂の市販品としては、例えば、綜研化学社製のアクトフロー(グレード:UMB-2005B、UMB-2005P、UMB-2005、UME-2005等)が挙げられる。
2つ以上のヒドロキシル基を含むポリブタジエン樹脂の市販品としては、例えば、出光興産株式会社製、R-45HT等が挙げられる。
2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、従来の一般的なエポキシ樹脂のごとく硬くて脆い性質を有するものではなく、従来のエポキシ樹脂よりも柔軟強靭性であるものが望ましい。上記エポキシ樹脂としては、例えば、分子構造の面では、その主鎖構造中に、主鎖の可動性を高くし得る構造(柔軟性骨格)を有するものが好適であり、柔軟性骨格としては、アルキレン骨格や、シクロアルカン骨格、ポリオキシアルキレン骨格等が挙げられ、特にポリオキシアルキレン骨格が好適である。
また、物性面では、従来のエポキシ樹脂と比べて、分子量に比して粘度が低いエポキシ樹脂が好適である。具体的には、重量平均分子量が900±100の範囲内であり、25℃における粘度が15000±5000mPa・sの範囲内であることが望ましく、15000±3000mPa・sの範囲内であることがより望ましい。この特性を有するエポキシ樹脂の市販品としては、例えば、DIC製、EPLICON EXA-4850-150等が挙げられる。
官能基含有樹脂の重合比は、本実施形態に係るクリーニングブレードの効果を損なわない範囲とすることがよい。
接触部材を構成するゴム材料の重量平均分子量は、1000以上4000以下が好ましく、より好ましくは1500以上3500以下である。上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定された値である。
・ポリウレタンゴムの製造方法
ポリウレタンゴムの製造は、プレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法が用いられる。プレポリマー法は耐摩耗性及び欠け性に優れるポリウレタンが得られるため本実施形態には好適であるが、製法により制限されるものではない。
なお、クリーニングブレードの成形は、上記方法により調製されたクリーニングブレード形成用の組成物を、例えば、遠心成形や押し出し成形等を利用して、シート状に形成し、切断加工等を施すことにより作製される。
(非接触部材の組成)
基材層を構成する部材を、以下「非接触部材」とも称す。
接触部材を構成する材料と非接触部材を構成する材料は、材料中に含まれる成分組成が同じであってもよく、異なっていてもよいが、異なることが好ましい。
例えば、各材料の種類、配合量等が異なる場合に、接触部材を構成する材料と基材層の材料は、材料中に含まれる成分組成が異なるとみなす。例えば、ポリウレタンゴムがハードセグメントとソフトセグメントとを有している場合、両者の配合比率が異なる場合も材料中に含まれる成分組成が異なるとみなす。
例えば、材料中に含まれる材料の種類について、いずれもポリウレタンであっても、熱可塑性プラスチックと熱可塑性エラストマーとでは、材料中に含まれる成分組成が異なるとみなす。
以下、クリーニングブレードが、接触部材と基材層を構成する部材(以下、「非接触部材」とも称す)とがそれぞれ異なる材料にて構成されている場合における、非接触部材の組成について説明する。
非接触部材は、接触部材を支持する機能を有していれば、特に限定されずに公知の如何なる材料をも用い得る。具体的には、非接触部材に用いられる材料としては、例えば、ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、プロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ポリウレタンゴムがよい。ポリウレタンゴムとしては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンが挙げられ、特にエステル系ポリウレタンが望ましい。
(クリーニングブレードの製造方法)
クリーニングブレードの製造方法は、公知の手法が適用できるが、例えば、二層以上の構成であるクリーニングブレードは、接触部材としての第一層及び基材層(非接触部材)としての第二層(3層以上の層構成である場合には複数の層)を、相互に貼り合わせることにより作製される。上記貼り合わせる方法としては、両面テープ、各種接着剤等が好適に用いられる。また、成型時に時間差を置いて各層の材料を金型に流し込み、接着層を設けずに材料間で結合させることによって複数の層を接着してもよい。
(クリーニングブレードの特性)
本実施形態に係る画像形成装置は、樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、
0.12≦X/α23edge≦7.5を満たし、
0.25≦X/α23edge≦4.3を満たすことがより好ましい。
上記関係0.12≦X/α23edge≦7.5を満たすことにより、低温低湿度環境下、トナーの粘弾性が低い領域においても、外添剤は過度に遊離せず、外添剤による除去性がより維持されやすくなる。その結果、クリーニングブレード先端の欠けの発生もより抑制される。また、高温高湿度環境下、トナーの粘弾性が高い領域においても、トナーの感光体表面への付着力が過度に高くなり過ぎず、感光体上の付着物の除去性がより低下しがたくなる。その結果、繰り返し画像を形成したときにも、クリーニングブレードからのトナー粒子のすり抜けによる筋状の画像欠陥がより抑制されると考えられる。
クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeが4MPa以上18MPa以下であることが好ましく、6以上16以下であることがより好ましい。
クリーニングブレードの接触部のα23edgeが上記範囲であると、先述のX/α23edgeを好適な範囲へと調整しやすい。そのため、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの先端の欠けと、高温高湿度環境下における筋状の画像欠陥の両方がより抑制される傾向にある。
クリーニングブレードの基材層の23℃における100%モジュラスα23baseは、接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeよりも低いことが好ましい。
クリーニングブレードの基材層の23℃における100%モジュラスα23baseが、前記接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeよりも低いと、クリーニングブレードを感光体の表面に接触部を接触させたときのストレスが抑制され易く、これにより先述のX/α23edgeを好適な範囲へと調整しやすい。そのため、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの先端の欠けと、高温高湿度環境下における筋状の画像欠陥の両方がより抑制される傾向にある。
・クリーニングブレード作動時の特性
本実施形態に係る画像形成装置は、樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeとの関係が、
0.14≦X/α30edge≦9.8を満たすことが好ましく、
0.15≦X/α30edge≦7.5を満たすことがより好ましい。
一般に、画像形成装置におけるクリーニングブレード作動時の周辺温度つまり使用環境温度は、概ね30℃前後の温度である。従って、クリーニングブレードの接触部の30℃におけるX/α30edgeの関係が上記範囲を満たすということは、低温低湿度環境下でのクリーニングブレード作動時に、トナーの粘弾性が低い領域においても、外添剤は過度に遊離せず、外添剤による除去性がより維持されやすくなる。その結果、クリーニングブレード先端の欠けの発生もより抑制される。また、高温高湿度環境下でのクリーニングブレード作動時に、トナーの粘弾性が高い領域においても、トナーの感光体表面への付着力が過度に高くなり過ぎず、感光体上の付着物の除去性がより低下しがたくなる。その結果、繰り返し画像を形成したときにも、クリーニングブレードからのトナー粒子のすり抜けによる筋状の画像欠陥がより抑制されると考えられる。
クリーニングブレードの接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeが、3MPa以上16MPa以下であることが好ましく、4MPa以上14MPa以下であることがさらに好ましい。
クリーニングブレードの接触部のα30edgeが上記範囲であると、先述のX/α30edgeを好適な範囲へと調整しやすい。そのため、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの先端の欠けと、高温高湿度環境下における筋状の画像欠陥の両方がより抑制される傾向にある。
クリーニングブレードの基材層の30℃における100%モジュラスα30baseは、接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeよりも低いことが好ましい。
クリーニングブレードの基材層の30℃における100%モジュラスα30baseが、接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeよりも低いと、クリーニングブレード作動時に、クリーニングブレ-ドを感光体の表面に接触部を接触させたときのストレスが抑制され易く、これにより先述のX/α30edgeを好適な範囲へと調整しやすい。そのため、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの先端の欠けと、高温高湿度環境下における筋状の画像欠陥の両方がより抑制される傾向にある。
上記X/α23edge、α23edge、α23edgeとα23baseの高低関係、X/α30edge、α30edge、α30edgeとα30baseの高低関係の値を調整する手法は特に制限されないが、例えば、トナー粒子中の樹脂粒子の含有量を調整する方法;クリーニングブレードの接触部材がポリウレタンゴムを含む場合はポリウレタンゴムの各重合成分の種類及び量、並びに、製造条件を選択すること;ウレタンゴム材料内のイソシアネート部数比を調整することでモジュラスを調整する手法が挙げられる。
各温度での100%モジュラスの測定は下記の様にして行う。
JIS-K6251に準拠して、各温度におけるダンベル状3号形試験片を用い、引張速度500mm/minで計測し、100%歪み時の応力より求める。なお、測定装置は、東洋精機(株)製、ストログラフAEエラストマーを用いた。
[除電装置]
除電装置24は、例えば、クリーニング装置22より感光体12の回転方向下流側に設けられている。除電装置24は、トナー画像を転写した後、感光体12の表面を露光して除電する。具体的には、例えば、除電装置24は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、感光体12の全表面(具体的には例えば画像形成領域の全面)を露光して除電する。
除電装置24としては、例えば、白色光を照射するタングステンランプ、赤色光を照射する発光ダイオード(LED)等の光源を有する装置が挙げられる。
[定着装置]
定着装置26は、例えば、転写領域32Aより記録媒体30Aの搬送経路34の搬送方向下流側に設けられている。定着装置26は、定着部材26Aと、定着部材26Aに接触して配置される加圧部材26Bと、を有し、定着部材26Aと加圧部材26Bとの接触部で記録媒体30A上に転写されたトナー画像を定着する。具体的には、例えば、定着装置26は、画像形成装置10に設けられた制御装置36に電気的に接続されており、制御装置36により駆動制御されて、記録媒体30A上に転写されたトナー画像を熱及び圧力によって記録媒体30Aに定着する。
定着装置26としては、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器等が挙げられる。
具体的には、例えば、定着装置26は、定着部材26Aとして、定着ロール又は定着ベルトと、加圧部材26Bとして、加圧ロール又は加圧ベルトとを備える周知の定着装置が適用される。
ここで、搬送経路34に沿って搬送されて感光体12と転写部材20との向かい合う領域(転写領域32A)を通過することによりトナー画像を転写された記録媒体30Aは、例えば、図示を省略する搬送部材によってさらに搬送経路34に沿って定着装置26の設置位置に到り、記録媒体30A上のトナー画像の定着が行われる。
トナー画像の定着によって画像形成された記録媒体30Aは、図示を省略する複数の搬送部材によって画像形成装置10の外部へと排出される。なお、感光体12は、除電装置24による除電後、再度、帯電装置15によって帯電電位に帯電される。
[画像形成装置の動作]
本実施形態に係る画像形成装置10の動作の一例について説明する。なお、画像形成装置10の各種動作は、制御装置36において実行する制御プログラムにより行われる。
画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
まず、感光体12の表面が帯電装置15により帯電される。静電荷像形成装置16は、帯電された感光体12の表面を画像情報に基づいて露光する。これにより、感光体12上に画像情報に応じた静電荷像が形成される。現像装置18では、トナーを含む現像剤により、感光体12の表面に形成された静電荷像が現像される。これにより、感光体12の表面に、トナー画像が形成される。
転写装置31では、感光体12の表面に形成されたトナー画像が記録媒体30Aへ転写される。記録媒体30Aに転写されたトナー画像は、定着装置26により定着される。
一方、トナー画像を転写した後の感光体12の表面が、クリーニング装置22におけるクリーニングブレード220によりクリーニング(清掃)される、その後除電装置24により除電される。
[トナー]
本実施形態に係るトナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と、外添剤と、を含んで構成される。
(トナー粒子)
トナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び樹脂粒子を含む。
トナー粒子は、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。以下、トナー粒子に内添される樹脂粒子を、トナー粒子の製造で使用する、結着樹脂となる樹脂粒子と区別するために「内添樹脂粒子」と称する。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂は、非晶性樹脂含有することがよい。結着樹脂は、非晶性樹脂と共に結晶性樹脂を含有してもよい。ただし、非晶性樹脂と結晶性樹脂との質量比(結晶性樹脂/非晶性樹脂)は、2/98以上50/50以下が好ましく、4/96以上30/70以下がより好ましい。
ここで、非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)を用いた熱分析測定において、明確な吸熱ピークではなく、階段状の吸熱変化のみを有するものであり、常温固体で、ガラス転移温度以上の温度において熱可塑化するものを指す。
一方、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものをいう。
具体的には、例えば、非晶性樹脂とは、半値幅が10℃を超える樹脂、又は明確な吸熱ピークが認められない樹脂を意味する。結晶性樹脂とは、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを意味する。
非晶性樹脂について説明する。
非晶性樹脂としては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(例えばスチレンアクリル樹脂等)、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等の公知の非晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ビニル樹脂(特にスチレンアクリル樹脂)が好ましく、非晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性樹脂について説明する。
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル樹脂(例えば、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等)等の公知の結晶性樹脂が挙げられる。これらの中でも、トナーの機械的強度および低温定着性の点から、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以
下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、周知の製造方法により得られる。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-内添樹脂粒子-
内添樹脂粒子は、2℃/分の昇温時における動的粘弾性測定において23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上5×10Pa以下である樹脂粒子が好ましい。
23℃以上80℃以下の範囲における内添樹脂粒子の貯蔵弾性率G’は、1×10Pa以上2×10Pa以下であることが好ましく、1×10Pa以上1×10Pa以下であることがより好ましい。
23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が上記範囲である内添樹脂粒子は、23℃以上80℃以下の範囲でも、弾性率が高い粒子である。そのため、トナー粒子に、貯蔵弾性率G’が上記範囲である内添樹脂粒子を含ませることで、トナーを低温定着する際にも、トナーが内添樹脂粒子の弾性の影響を受けやすい。その結果、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
内添樹脂粒子の貯蔵弾性率G’は、次の通り測定する。
測定対象となる内添樹脂粒子に対して圧力を付与することで、厚さ2mm、直径8mmの円盤状試料を作製し、測定用試料として使用する。なお、トナー粒子に含まれる内添樹脂粒子について測定する場合は、トナー粒子から内添樹脂粒子を取り出してから測定用試料を作製する。トナー粒子から内添樹脂粒子を取り出す方法としては、例えば、結着樹脂を溶解し内添樹脂粒子を溶解しない溶剤にトナー粒子を浸漬し、溶剤に結着樹脂を溶解させることで、内添樹脂粒子を取り出す方法等が挙げられる。
そして、得られた測定用試料である円盤状試料を、直径8mmのパラレルプレートに挟み、歪み量0.1~100%で、測定温度を23℃から80℃まで2℃/分で昇温させて、以下の条件で動的粘弾性測定を実施する。測定により得られた貯蔵弾性率及び損失弾性率の各曲線から、貯蔵弾性率G’を求める。
-測定条件-
測定装置:レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)
ギャップ:3mmに調整
周波数:1Hz
内添樹脂粒子は、架橋樹脂粒子であることが好ましい。
ここで「架橋樹脂粒子」とは、樹脂粒子に含有される高分子構造中の特定の原子間に橋掛構造を有する樹脂粒子をさす。
内添樹脂粒子を架橋樹脂粒子とすることで、23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が前記範囲である内添樹脂粒子になりやすくなる。そのため、トナー粒子に、貯蔵弾性率G’が上記範囲である内添樹脂粒子を含ませることで、トナーを低温定着する際にも、トナーが内添樹脂粒子の弾性の影響を受けやすい。その結果、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
架橋樹脂粒子としては、例えば、イオン結合により架橋された架橋樹脂粒子(イオン架橋樹脂粒子)、共有結合により架橋された架橋樹脂粒子(共有結合架橋樹脂粒子)等が挙げられる。これらの中でも、架橋樹脂粒子としては、共有結合により架橋された架橋樹脂粒子が好ましい。
架橋樹脂粒子に用いられる樹脂の種類としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、αポリメチルスチレン等)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、必要に応じて単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。
架橋樹脂粒子に用いられる樹脂としては、上記の樹脂の中でも、スチレン(メタ)アクリル樹脂が好ましい。
つまり、架橋樹脂粒子としては、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子が好ましい。
架橋樹脂粒子がスチレン(メタ)アクリル樹脂粒子であることで、23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が前記範囲である内添樹脂粒子になりやすくなる。そのため、トナー粒子に、貯蔵弾性率G’が上記範囲である内添樹脂粒子を含ませることで、トナーを低温定着する際にも、トナーが内添樹脂粒子の弾性の影響を受けやすい。その結果、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
スチレン(メタ)アクリル樹脂は、例えば、次のスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体をラジカル重合によって重合した樹脂が挙げられる。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4-フルオロスチレン、2,5-ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等が挙げられる。その中でも、スチレン、α-メチルスチレン、が好ましい。
(メタ)アクリル酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸n-メチル、(メタ)アクリル酸n-エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸n-ラウリル、(メタ)アクリル酸n-テトラデシル、(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n-オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t-ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-βカルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。その中でも、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸-βカルボキシエチル、が好ましい。
架橋樹脂粒子において、樹脂を架橋するための架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル、トリメシン酸トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール-2-カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、オクタンジオールジメタクリレート、デカンジオールジアクリレート、ドデカンジオールジメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシ、1、3-ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル、マレイン酸ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル、イタコン酸ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’-チオジプロピオン酸ジビニル、trans-アコニット酸ジビニル、trans-アコニット酸トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
なお、内添樹脂粒子が、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び架橋剤を含む内添樹脂粒子形成用組成物の重合体である場合、組成物中に含まれる架橋剤の量を調整することで、内添樹脂粒子の粘弾性を制御してもよい。例えば、組成物に含まれる架橋剤の量を多くすることで、貯蔵弾性率G’の高い内添樹脂粒子が得られやすくなる。内添樹脂粒子形成用組成物における架橋剤の含有量としては、例えば、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び架橋剤の合計100質量部に対し、0.3質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上2.5質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以上2.0質量部以下であることがさらに好ましい。
内添樹脂粒子の個数平均粒径は、60nm以上300nm以下であることが好ましく、100nm以上200nm以下であることがより好ましく、130nm以上170nm以下であることがさらに好ましい。
内添樹脂粒子の個数平均粒径が60nm以上であると、60nm未満に比べて、トナー粒子が内添樹脂粒子の高い弾性の影響を受けやすくなる。また、内添樹脂粒子の個数平均粒径が300nm以下であると、300nm超えに比べて、トナー粒子内において内添樹脂粒子が均一性高く分散しやすい。そのため、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
内添樹脂粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される値である。
透過型電子顕微鏡としては、例えば、日本電子データム(株)製、JEM-1010が使用可能である。
以下、内添樹脂粒子の個数平均粒径の測定方法について具体的に説明する。
トナー粒子をミクロトームで0.3μm程度の厚さに切る。トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡で4500倍の写真を撮り、トナー粒子中に分散している1000個の内添樹脂粒子について、個々の断面積よりその円相当径を算出し、これを算術平均した値を個数平均粒径とする。
内添樹脂粒子の含有率Cは、トナー粒子全体に対し、2質量%以上30質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、8質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
内添樹脂粒子の含有率Cが2質量%以上であると、トナー粒子が内添樹脂粒子の弾性の影響を受けやすく、適度な硬さとなる。一方、内添樹脂粒子の含有率Cが30質量%以下であると、トナー粒子内において内添樹脂粒子が均一性高く分散しやすい。
そのため、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、X/α23edgeの範囲が好適に調整され易くなる。その結果、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子中の組成の関係-
・差(SP値(S)-SP値(R))
内添樹脂粒子の溶解度パラメータSP値(S)と、結着樹脂の溶解度パラメータSP値(R)と、の差(SP値(S)-SP値(R))は-0.32以上-0.12以下であることが好ましい。
差(SP値(S)-SP値(R))が上記範囲であることで、上記範囲より小さい場合に比べ、トナー粒子内において内添樹脂粒子が均一に近い状態で分散しやすい。
また、差(SP値(S)-SP値(R))が上記範囲であると、上記範囲より大きい場合に比べ、トナー溶融時において内添樹脂粒子と結着樹脂が過度に混合、相溶することによるトナー全体の溶融粘度の上昇が抑制される。
なお、結着樹脂が混合樹脂である場合、結着樹脂中の含有比が最も多い樹脂の溶解度パラメータをSP値(R)とする。
差(SP値(S)-SP値(R))は-0.32以上-0.12以下であることがより好ましく、-0.29以上-0.18以下であることが更に好ましい。
内添樹脂粒子の溶解度パラメータSP値(S)は9.00以上9.15以下であることが好ましく、9.03以上9.12以下であることがより好ましく、9.06以上9.10以下であることが更に好ましい。
ここで、内添樹脂粒子の溶解度パラメータSP値(S)、及び結着樹脂の溶解度パラメータSP値(R)(単位:(cal/cm1/2)は、沖津法により算出する。沖津法については『日本接着学会誌、Vol.29、No.5(1993)』に詳細に記載されている。
・内添樹脂粒子を除いた成分(除外成分)の粘弾性
トナー粒子から内添樹脂粒子を除いた成分の、23℃以上50℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度が65℃以上90℃以下であることが好ましい。
以下、トナー粒子から内添樹脂粒子を除いた成分を「除外成分」ともいい、貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度を「特定弾性率到達温度」ともいう。貯蔵弾性率G’が上記条件を満たす除外成分は、低温において弾性率が高く、かつ、65℃以上90℃以下において弾性率が低くなる。ここで、除外成分の貯蔵弾性率G’が上記条件を満たすと、貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度が90℃を超える場合に比べ、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易くなる。そのため、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
除外成分における23℃以上50℃以下の貯蔵弾性率G’は、1×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上1×10Pa以下であることがより好ましく、2×10Pa以上6×10Pa以下であることがさらに好ましい。
また、除外成分における弾性率到達温度は、65℃以上90℃以下であることが好ましく、68℃以上80℃以下であることがより好ましく、70℃以上75℃以下であることがさらに好ましい。
なお、除外成分の貯蔵弾性率G’は、以下のようにして求める。
具体的には、まず、トナー粒子から内添樹脂粒子を除外して除外成分のみを取り出し、除外成分をプレス成型機により、25℃で錠剤型に成形することで、測定用試料を作製する。トナー粒子から内添樹脂粒子を除外して除外成分のみを取り出す方法としては、例えば、結着樹脂を溶解し内添樹脂粒子を溶解しない溶剤にトナー粒子を浸漬し、除外成分を抽出することで取り出す方法等が挙げられる。
そして、得られた測定用試料を、直径8mmのパラレルプレートに挟み、歪み量0.1~100%で、測定温度を30℃から150℃まで2℃/分で昇温させて、以下の条件で動的粘弾性測定を実施する。測定により得られた貯蔵弾性率及び損失弾性率の各曲線から、貯蔵弾性率G’を求める。
-測定条件-
測定装置:レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)
測定治具:8mmパラレルプレート
ギャップ:3mmに調整
周波数:1Hz
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と内添樹脂粒子と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂と内添樹脂粒子とを含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子がコア・シェル構造である場合、コア粒子及びシェル層の両方に内添樹脂粒子が含有されていることが好ましい。コア粒子及びシェル層の両方に内添樹脂粒子が含有されることにより、トナー粒子の表面領域及び中心領域の両方に内添樹脂粒子が含有されることになるため、光沢度条件差がさらに低減される。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイ
ザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
ここで、トナーは、外添剤としてシリカ粒子を有することが好ましい。特に、トナーは、外添剤としてシリカ粒子と共に酸化チタン粒子を有することが好ましい。
シリカ粒子は、トナー粒子から遊離し易い性質を有し、特に酸化チタン粒子と併用するとトナー粒子から遊離し易い性質を有する。
そのため、適度に外添剤がクリーニングブレードと感光体の接触部に突入し易くなり、クリーニングブレードの摩耗及び電子写真感光体の傷を抑えつつ、クリーニング性向上が図られる。それにより、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠けと高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制される。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
外添剤の外添量が0.01質量%以上であると、遊離する外添剤の量が過度に少なくなることが抑制されやすく、高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。一方、外添剤の外添量が5質量%以下であると、遊離外添剤量が過度に多くなることが抑制されやすく、過度に遊離した外添剤の一部がクリーニングブレードをすり抜けることによるクリーニングブレード先端の欠けの発生もより抑制される。
(トナーの特性)
-トナーの粘弾性-
本実施形態に係るトナーの動的粘弾性測定において、温度90℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(90)、温度90℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(90)、温度150℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(150)、温度150℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(150)としたとき、
D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)がそれぞれ0.5以上2.0以下であり、
D50(150)-D1(150)の値が1.5未満であり、
D50(90)-D1(90)の値が0.5未満であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーは、上記特性を有すると、90℃及び150℃のいずれにおいても、歪み量の変化に対する損失正接の変化が小さい。そのため、高温高歪み量と低温低歪み量とでトナーが近い粘弾性を有する。そのため、高温高湿度環境下及び低温低湿度環境下それぞれにおいてもトナー粒子の粘弾性が適度に保たれ易く、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
トナーにおけるD1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)は、それぞれ、0.6以上1.8以下であることが好ましく、0.8以上1.6以下であることがより好ましい。D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)がいずれも上記範囲であることにより、上述の通り、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
トナーにおけるD50(150)-D1(150)の値は、1.5未満であり、1.2以下であることが好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。D50(150)-D1(150)の値が上記範囲であることにより、上述の通り、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
なお、D50(150)-D1(150)の値の下限値は特に限定されない。
トナーにおけるD50(90)-D1(90)の値は、0.5未満であり、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。D50(90)-D1(90)の値が上記範囲であることにより、上述の通り、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方がより抑制される。
なお、D50(90)-D1(90)の値の下限値は特に限定されない。
トナーの損失正接は、以下のようにして求める。
具体的には、測定対象となるトナーを、プレス成型機により、常温(25℃)で錠剤型に成形することで、測定用試料を作製する。そして、この測定用試料を使用して、レオメータにより、以下の条件で動的粘弾性測定を実施し、得られた貯蔵弾性率及び損失弾性率の各曲線から、温度90℃又は150℃、歪み量1%又は50%における損失正接tanδを求め、D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)を得る。
-測定条件-
測定装置:レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)
測定治具:8mmパラレルプレート
ギャップ:3mmに調整
周波数:1Hz
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、必要に応じて、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び内添樹脂粒子となる内添樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
-樹脂粒子分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
・内添樹脂粒子分散液の調製
内添樹脂粒子分散液の調製方法としては、例えば、乳化重合法、バンバリーミキサーやニーダー等を用いる溶融混練法、懸濁重合法、噴霧乾燥法等、公知の方法が適用されるが、乳化重合法が好ましい。
内添樹脂粒子の貯蔵弾性率G’及び損失正接tanδを好ましい範囲内とする観点から、単量体としてスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を用い、架橋剤存在下で重合することが好ましい。
また、内添樹脂粒子の製造において、複数回の乳化重合を行うことが好ましい。
以下、内添樹脂粒子の製造方法についてより具体的に説明する。
内添樹脂粒子分散液の調製方法は、
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を含む乳化液を得る工程(乳化液調製工程)と、
乳化液に対して重合開始剤を添加し、加熱することで単量体を重合する工程(第一乳化重合工程)と、
第一乳化重合工程後の反応溶液に、単量体及び架橋剤を含む乳化液を追加して、加熱することで単量体を重合する工程(第二乳化重合工程)と、を含むことが好ましい。
-乳化液調整工程-
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を含む乳化液を得る工程である。
単量体、架橋剤、界面活性剤、及び水を、乳化機により乳化することで乳化液を得ることが好ましい。
乳化機としては、例えば、プロペラ型、アンカー型、パドル型、又はタービン型の撹拌羽根を備えた回転式撹拌機、スタティックミキサー等の静止型混合器、ホモジナイザー、
クレアミックス等のローター・ステーター型乳化機、磨砕機能を備えたミル型乳化機、マントンゴーリン式圧力乳化機等の高圧乳化機、高圧下でキャビテーションを発生させる高圧ノズル型乳化機、マイクロフルイダイザー等の高圧下で液同士を衝突させることによりせん断力を与える高圧衝突型乳化機、超音波でキャビテーションを発生させる超音波乳化機、細孔を通して均一乳化を行う膜乳化機等が例示される。
単量体としてはスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体を用いることが好ましい。
架橋剤としては既述のものが適用される。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。これらの中でも、アニオン界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化液は連鎖移動剤を含んでいても良い。連鎖移動剤としては特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましい。
内添樹脂粒子の貯蔵弾性率G’を好ましい範囲内とする観点から、乳化液中のスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体の質量比(スチレン系単量体/(メタ)アクリル酸系単量体)は、0.2以上1.1以下であることが好ましい。
また、内添樹脂粒子の貯蔵弾性率G’を好ましい範囲内とする観点から、乳化液全体に対する架橋剤の含有量は0.5質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
-第一乳化重合工程-
乳化液に対して重合開始剤を添加し、加熱することで単量体を重合する工程である。
ここで、重合する際、重合開始剤を含んだ乳化液(反応溶液)を撹拌機により撹拌することが好ましい。
撹拌機としては、プロペラ型、アンカー型、パドル型、又はタービン型の撹拌羽根を備えた回転式撹拌機が挙げられる。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。
なお、重合開始剤を用いる場合、重合開始剤の添加量を調整することで、得られる内添樹脂粒子の粘弾性を制御してもよい。例えば、重合開始剤の添加量を少なくすることで、貯蔵弾性率G’の高い樹脂粒子が得られやすくなる。
-第二乳化重合工程-
第一乳化重合工程後の反応溶液に、単量体を含む乳化液を追加して、加熱することで単量体を重合する工程である。
重合する際、第一乳化重合工程と同様に反応溶液を撹拌することが好ましい。
本工程では、単量体を含む乳化液の追加にかける時間を調整することで、得られる内添樹脂粒子の粘弾性を制御してもよい。例えば、単量体を含む乳化液の追加にかける時間を長くすることで、貯蔵弾性率G’の高い樹脂粒子が得られやすくなる。単量体を含む乳化液の追加にかける時間としては、例えば2時間以上5時間以下の範囲が挙げられる。
また、本工程では、反応溶液を撹拌する際の温度を調整することで、得られる内添樹脂粒子の粘弾性を制御してもよい。例えば、反応溶液を撹拌する際の温度を低くすることで、貯蔵弾性率G’の高い内添樹脂粒子が得られやすくなる。反応溶液を撹拌する際の温度としては、例えば55℃以上75℃以下の範囲が挙げられる。
単量体を含む乳化液は、例えば、単量体、界面活性剤、及び水を乳化機により乳化することで乳化液を得ることが好ましい。
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、内添樹脂粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子と内添樹脂粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子と内添樹脂粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
本工程では、凝集剤を添加する際における混合分散液の温度を調整することで、得られるトナー粒子における内添樹脂粒子の分散状態を制御してもよい。例えば、混合分散液の温度を低くすることで、内添樹脂粒子の分散性が良好となる。混合分散液の温度としては、例えば、5℃以上40℃以下の範囲が挙げられる。
また、本工程では、凝集剤を添加した後の撹拌速度を調整することで、得られるトナー粒子における内添樹脂粒子の分散状態を制御してもよい。例えば、凝集剤を添加した後の撹拌速度を速くすることで、内添樹脂粒子の分散性が良好となる。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酢酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、内添樹脂粒子が分散された内添樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子と内添樹脂粒子とを付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
第2凝集粒子を形成する工程では、樹脂粒子分散液及び内添樹脂粒子分散液の添加と、凝集粒子の表面への樹脂粒子及び内添樹脂粒子の付着と、を複数回繰り返してもよい。複数回繰り返すことで、内添樹脂粒子がトナー粒子の表面領域及び中心領域の両方に満遍なく含有されたトナー粒子が得られる。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
[現像剤]
本実施形態に係る現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。また、静電荷像現像用トナーの粘度、最大吸熱ピーク温度、及び、各波長における吸光度については、前述した方法により測定した。
また、トナーの粘度、最大吸熱ピーク温度、及び、各波長における吸光度については、前述した方法により測定した。
[内添樹脂粒子分散液の調製]
<内添樹脂粒子分散液1の調製>
・スチレン :47.9部
・アクリル酸n-ブチル :51.8部
・アクリル酸β-カルボキシエチル : 0.3部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 0.8部
・ブタンジオールジアクリレート :1.65部
上記原料を混合溶解し、イオン交換水60部を加えてフラスコ中で分散、乳化し、乳化液を作製した。
続いて、アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1)1.3部をイオン交換水90部に溶解させ、その中に前記乳化液1部を加え、さらに、過硫酸アンモニウム5.4部を溶解したイオン交換水10部を投入した。
その後、乳化液の残りを180分間かけて投入し、フラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を撹拌しながらオイルバスで65℃になるまで加熱し、500分間そのまま乳化重合を継続した後、固形分を24.5質量%に調整した内添樹脂粒子分散液1を得た。
<内添樹脂粒子分散液2~10、C1~C2の調製>
スチレンの添加量、アクリル酸n-ブチルの添加量、アクリル酸の添加量、アクリル酸β-カルボキシエチルの添加量、アニオン性界面活性剤の総添加量、ブタンジオールジアクリレートの添加量(表中の架橋剤)、過酸化アンモニウムの添加量、オイルバスで加熱した温度(表中の重合温度)、乳化液の残りを投入した時間(表中の添加時間)、及び加熱後に乳化重合を継続した時間(表中の保持時間)を表1に示すようにした以外は、内添樹脂粒子分散液1と同様にして、内添樹脂粒子分散液2~10及びC1~C2を得た。
得られた内添樹脂粒子分散液及び比較樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子について、23℃以上80℃以下における貯蔵弾性率G’の最小値(表中の「G’(小)」)及び最大値(表中の「G’(大)」)、個数平均粒径、並びにSP値(S)を、前述の方法により求めた結果を表2に示す。
[樹脂粒子分散液の調製]
<非晶性樹脂粒子分散液1の調製>
・テレフタル酸 :28部
・フマル酸 :174部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 :26部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:542部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えた反応容器に上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を190℃まで上げ、上記材料100部に対してジブチル錫オキサイド1.2部を投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて温度を240℃まで上げ、240℃を維持して3時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。
反応物を溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(ユーロテック社製)に毎分100gの速度で移送した。同時に、別途用意した濃度0.37質量%のアンモニア水を、熱交換器で120℃に加熱しながら、毎分0.1リットルの速度でキャビトロンCD1010に移送した。回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cmの条件でキャビトロンCD1010を運転し、体積平均粒径175nmの非晶性ポリエステル樹脂の樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、非晶性樹脂粒子分散液1とした。
得られた非晶性ポリエステル樹脂のSP値(R)は9.43であった。
<非晶性樹脂粒子分散液2の調製>
・スチレン : 72部
・n-ブチルアクリレート : 27部
・アクリル酸β-カルボキシエチル :1.3部
・ドデカンチオール : 2部
上記の材料を混合して溶解した混合物を、アニオン性界面活性剤(TaycaPower、テイカ(株)製)1.2質量部をイオン交換水100質量部に溶解した界面活性剤溶液に、フラスコ中で分散及び乳化した。次いで、フラスコ内を攪拌しながら20分間かけて、過硫酸アンモニウム6質量部をイオン交換水50質量部に溶解した水溶液を投入した。次いで、窒素置換を行った後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が75℃になるまでオイルバスで加熱し、75℃に4時間維持して乳化重合を継続した。こうして、体積平均粒径160nm、重量平均分子量56000の非晶性スチレンアクリル樹脂の樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。この樹脂粒子分散液にイオン交換水を加えて固形分量を31.4質量%に調整して、非晶性樹脂粒子分散液2とした。
得られた非晶性スチレンアクリル樹脂のSP値(R)は9.14であった。
<結晶性樹脂粒子分散液の調製>
・1,10-ドデカン二酸 :225部
・1,6-ヘキサンジオール :143部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えた反応容器に上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を160℃まで上げ、ジブチル錫オキサイド0.8質量部を投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて温度を180℃まで上げ、180℃を維持して5時間脱水縮合反応を継続した。その後、減圧下において230℃まで徐々に温度を上げ、230℃を維持して2時間撹拌を行った。その後、反応物を冷却した。冷却後、固液分離を行い、固形物を乾燥させ、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
・結晶性ポリエステル樹脂 : 100部
・メチルエチルケトン : 40部
・イソプロピルアルコール : 30部
・10%アンモニア水溶液 : 6部
コンデンサー、温度計、水滴下装置、アンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械社製:BJ-30N)に、上記の材料を加え、水循環式恒温槽にて80℃に維持しながら、100rpmで撹拌混合しつつ樹脂を溶解させた。その後、水循環式恒温槽を50℃に設定し、50℃に保温されたイオン交換水を7質量部/分の速度で、合計400部滴下し転相させて、乳化液を得た。得られた乳化液576質量部とイオン交換水500質量部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械社製)にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは185nmであった。その後、イオン交換水を加えて、固形分濃度が22.1質量%の結晶性樹脂粒子分散液を得た。
<着色剤分散液の調製>
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)) : 98部
・アニオン界面活性剤(テイカ(株)製TaycaPower): 2部
・イオン交換水 :420部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、中心粒径164nm、固形分量21.1質量%の着色剤分散液を得た。
<離型剤分散液の調製>
・合成ワックス(日本精蝋社製、FNP92、融解温度Tw:92℃) : 50部
・アニオン性界面活性剤(テイカ(株)製TaycaPower) : 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合して130℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、離型剤粒子が分散された離型剤分散液(固形分量20質量%)を得た。離型剤粒子の体積平均粒径は214nmであった。
<トナー1>
・非晶性樹脂粒子分散液1 : 169部
・内添樹脂粒子分散液1 : 33部
・結晶性樹脂粒子分散液 : 53部
・離型剤分散液 : 25部
・着色剤分散液 : 33部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 4.8部
液温を10℃に調整した上記原料を3Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら2分間分散して混合した。
次いで、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を10000rpmにして10分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、2枚パドルの撹拌翼を用いた撹拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、撹拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、40℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Mの硝酸及び1Mの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2から3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、非晶性樹脂粒子分散液1:21部と内添樹脂粒子分散液1:8部とを混合した分散液を追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子及び内添樹脂粒子を付着させた。さらに53℃に昇温し、次に、非晶性樹脂粒子分散液1:21部を追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。
光学顕微鏡及びマルチサイザー3で粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。
その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、2時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子100部とジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とを、ヘンシェルミキサーにより混合し、トナー1を得た。
<トナー2~11、トナーC1~C2>
内添樹脂粒子分散液1の代わりに、表3に示す種類の内添樹脂粒子分散液又は比較樹脂粒子分散液を、トナー粒子全体に対する樹脂粒子(すなわち、内添樹脂粒子又は比較樹脂粒子)の含有率が表3に示す値となる量で用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー2~11、トナーC1~C2を得た。
<トナー12~14>
結着樹脂全体に対する結晶性樹脂の含有率が表3に示す値となるように結晶性樹脂粒子分散液の添加量を調整した以外は、トナー1と同様にして、トナー12~14を得た。
<トナー15>
非晶性樹脂粒子分散液1を用いる代わりに、表3に示す種類の非晶性樹脂粒子分散液を表3に示す量で用いた以外は、トナー1と同様にして、トナー15を得た。
<トナー16>
ホモジナイザーの回転数を10000rpmから5000rpmに変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー16を得た。
<トナー17>
結着樹脂全体に対する結晶性樹脂の含有率が表4に示す値となるように結晶性樹脂粒子分散液の添加量を調整した以外は、トナー1と同様にして、トナー17を得た。
<トナー18>
内添樹脂粒子分散液1を、トナー粒子全体に対する内添樹脂粒子の含有率が表4に示す値となる量で用い、かつ、結着樹脂全体に対する結晶性樹脂の含有率が表4に示す値となるように結晶性樹脂粒子分散液の添加量を調整した以外は、トナー1と同様にして、トナー18を得た。
<トナー19>
凝集粒子の融合時のpHを8.0から9.0に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー19を得た。
<トナー20>
凝集粒子の融合時のpHを8.0から5.5に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー20を得た。
<トナー21>
内添樹脂粒子分散液1を、トナー粒子全体に対する内添樹脂粒子の含有率が表4に示す値となる量で用い、かつ、凝集粒子の融合時のpHを8.0から9.5に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー21を得た。
<トナー22>
内添樹脂粒子分散液1を、トナー粒子全体に対する内添樹脂粒子の含有率が表5に示す値となる量で用い、かつ、内添樹脂粒子1の量を10から19に、凝集粒子の融合時のpHを8.0から6.0に変更した以外は、トナー1と同様にして、トナー22を得た。
<トナー23~27>
内添樹脂粒子分散液1の代わりに、表4に示す種類の内添樹脂粒子分散液を、トナー粒子全体に対する内添樹脂粒子の含有率が表4に示す値となる量で用い、かつ、結着樹脂全体に対する結晶性樹脂の含有率が表4に示す値となるように結晶性樹脂粒子分散液の添加量を調整した以外は、トナー1と同様にして、トナー23~27を得た。
<トナーC3>
・非晶性樹脂粒子分散液1 : 169部
・内添樹脂粒子分散液1 : 33部
・結晶性樹脂粒子分散液 : 53部
・離型剤分散液 : 25部
・着色剤分散液 : 33部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 4.8部
液温を30℃に調整した上記原料を3Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えなが
ら2分間分散して混合した。
次いで、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を4000rpmにして3分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、2枚パドルの撹拌翼を用いた撹拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、撹拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、40℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Mの硝酸及び1Mの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2から3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、非晶性樹脂粒子分散液1:21部と内添樹脂粒子分散液1:8部とを混合した分散液を追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子及び内添樹脂粒子を付着させた。さらに53℃に昇温し、次に、非晶性樹脂粒子分散液:21部を追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。
光学顕微鏡及びマルチサイザー3で粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。
その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、2時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子C3を得た。
得られたトナー粒子100部とジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とを、ヘンシェルミキサーにより混合し、トナーC3を得た。
<トナーC4>
・非晶性樹脂粒子分散液1 : 169部
・内添樹脂粒子分散液1 : 41部
・結晶性樹脂粒子分散液 : 53部
・離型剤分散液 : 25部
・着色剤分散液 : 33部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 4.8部
液温を30℃に調整した上記原料を3Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら2分間分散して混合した。
次いで、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を4000rpmにして3分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、2枚パドルの撹拌翼を用いた撹拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、撹拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、40℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Mの硝酸及び1Mの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2から3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、非晶性樹脂粒子分散液1:42部を追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子を付着させた。
光学顕微鏡及びマルチサイザー3で粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整
えた。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。
その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、2時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子C4を得た。
得られたトナー粒子100部とジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とを、ヘンシェルミキサーにより混合し、トナーC4を得た。
<トナーC5>
・非晶性樹脂粒子分散液1 : 169部
・結晶性樹脂粒子分散液 : 53部
・離型剤分散液 : 25部
・着色剤分散液 : 33部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1): 4.8部
液温を30℃に調整した上記原料を3Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら2分間分散して混合した。
次いで、凝集剤として硫酸アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を4000rpmにして3分間分散して混合し、原料分散液とした。
その後、2枚パドルの撹拌翼を用いた撹拌装置、および温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、撹拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、40℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Mの硝酸及び1Mの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2から3.5の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次に、非晶性樹脂粒子分散液1:42部と内添樹脂粒子分散液1:41部とを混合した分散液を半量に分割し、2回に分けて、追添加し、60分間保持し、前記凝集粒子の表面に結着樹脂の樹脂粒子及び内添樹脂粒子を付着させた。
光学顕微鏡及びマルチサイザー3で粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。その後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.8に調整し、15分間保持した。
その後、凝集粒子を融合させるためにpHを8.0に上げた後、85℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、2時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子C5を得た。
得られたトナー粒子100部とジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部とを、ヘンシェルミキサーにより混合し、トナーC5を得た。
得られたトナーにおける、内添樹脂粒子分散液又は比較樹脂粒子分散液の種類(表中の「粒子 種類」)、トナー粒子全体に対する内添樹脂粒子又は比較樹脂粒子の含有率(表中の「粒子 含有率C(%)」)、結着樹脂全体に対する結晶性樹脂の含有率(表中の「結晶性 含有率(%)」)、及び非晶性樹脂粒子分散液の種類(表中の「非晶性 種類」)を表3~表4に示す。
また、除外成分の23℃以上50℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’(表中の「G’(Pa)」)、及び除外成分の特定弾性率到達温度(表中の「到達温度(℃)」)を前述の方法で求めた結果を併せて表3~表4に示す。
また、得られたトナーにおける、D1(90)、D50(90)、D1(150)、D50(150)、D50(150)-D1(150)の値(表中の「差(150)」)、D50(90)-D1(90)の値(表中の「差(90)」)、23℃以上50℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’(表中の「G’(Pa)」)、及び差(SP値(S)-SP値(R))(表中の「SP値差」)を、前述の方法により求めた結果を併せて表3~表4に示す。

<現像剤1~27、現像剤C1~C5の作製>
得られたトナー8部と下記キャリア100部とを混合して、現像剤1~27、C1~C5を得た。
-キャリアの作製-
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 3部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダーに入れ、撹拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
〔クリーニングブレード1~8、C1の作製〕
特許第4788240号に記載の製法に倣って、ポリウレタン製の各例のクリーニングブレードを得た。各クリーニングブレードについて、先述の測定方法により各部位の100%モジュラス(α23edge、α30edge)を測定した。結果を表5~表6に示す。また、内添樹脂粒子のトナー粒子に対する含有率X(質量%)と、クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係(X/α23edge)の値も表5~表6に示す。
<実施例1~42、比較例1~3>
表5~表6に従った組み合わせで、現像剤及びクリーニングブレードを、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社製の画像形成装置「ApeosPort-VI C7771」に搭載し、各例の画像形成装置を得た。
<クリーニングブレ-ドの欠けの評価>
各例の画像形成装置を用いて、低温低湿環境下(10℃15%RH)で、画像濃度1%の密度の画像をA4用紙で300,000枚出力した。その後、各例の画像形成装置からクリーニングブレードを取り出し、クリーニングブレードの先端をレーザー顕微鏡で観察し、下記基準にてクリーニングブレードの欠けを評価した。結果を各表に示す。
A:クリーニングブレードに欠けは観測されなかった。
B:欠けが1個/cm以下で観測された。
C:欠けが2個/cm以上3個/cm以下で観測された。
D:欠けが4個/cm以上又は大きな欠けが観測された。
<筋状の画像欠陥の評価>
各例の画像形成装置を用いて、高温高湿度環境下(30℃90%RH)で、画像濃度8%の密度の画像をA4用紙で300,000枚出力した。その後、各例の画像形成装置から電子写真感光体を取り出し、電子写真感光体の露光表面をレーザー顕微鏡で観察し、伝写真感光体の表面に対する残存トナー等の付着物の被覆率を下記式で求めた。そして、下記基準にて筋状の画像欠陥を評価した。結果を各表に示す。
被覆率=付着物の面積/感光体表面の面積
A:被覆率は0%であった。
B:被覆率は1%以下であった。
C:被覆率は1%超え5%以下であった。
D:被覆率は5%超えであった。
上記結果から、本実施例の画像形成装置では、比較例の画像形成装置に比べ、低温低湿度環境下におけるクリーニングブレードの欠け及び高温高湿度環境下におけるフィルミングの両方が抑制された。
10 画像形成装置
12 感光体
14 帯電部材
15 帯電装置
16 静電荷像形成装置
18 現像装置
20 転写部材
22 クリーニング装置
24 除電装置
26 定着装置
30A 記録媒体
31 転写装置
36 制御装置
220、3422B クリーニングブレード
12 電子写真感光体
3421B 接触部材
3422B 基材層

Claims (15)

  1. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電装置と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成装置と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    を備え、
    前記クリーニングブレードは、接触部と基材層とを有し、
    前記トナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、
    前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たす、画像形成装置。
  2. 前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeが4MPa以上18MPa以下である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記クリーニングブレードの基材層の23℃における100%モジュラスα23baseは、前記接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeよりも低い、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記樹脂粒子の含有率が、トナー粒子に対して、2質量%以上30質量%以下である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の30℃における100%モジュラスα30edgeとの関係が、0.14≦X/α30edge≦9.8を満たす、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記樹脂粒子の個数平均粒径は、60nm以上300nm以下である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 2℃/分の昇温時における前記樹脂粒子の動的粘弾性測定において、23℃以上80℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上5×10Pa以下である、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 2℃/分の昇温時における、前記トナー粒子から前記樹脂粒子を除いた成分の動的粘弾性測定において、23℃以上50℃以下の範囲における貯蔵弾性率G’が1×10Pa以上であり、かつ、貯蔵弾性率G’が1×10Pa未満に達する温度が65℃以上90℃以下である、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記トナーの動的粘弾性測定において、温度90℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(90)、温度90℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(90)、温度150℃かつ歪み量1%の損失正接tanδをD1(150)、温度150℃かつ歪み量50%の損失正接tanδをD50(150)としたとき、
    D1(90)、D50(90)、D1(150)、及びD50(150)がそれぞれ0.5以上2.0以下であり、
    D50(150)-D1(150)の値が1.5未満であり、
    D50(90)-D1(90)の値が0.5未満である、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記樹脂粒子は、架橋樹脂粒子である、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記架橋樹脂粒子は、スチレン(メタ)アクリル樹脂粒子である、請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記トナーは、前記外添剤としてシリカ粒子を有する、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記トナーは、前記外添剤として前記シリカ粒子と共に酸化チタン粒子を有する、請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 前記外添剤の含有量が、前記トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下である、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 電子写真感光体と、
    トナーを含む現像剤を収容し、前記現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電荷像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記電子写真感光体の表面に接触部を接触させ前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置と、
    を備え、
    前記クリーニングブレードは、前記接触部と基材層とを有し、
    前記トナーは、結着樹脂及び樹脂粒子を含むトナー粒子と外添剤とを有し、
    前記樹脂粒子の前記トナー粒子に対する含有率X(質量%)と、前記クリーニングブレードの接触部の23℃における100%モジュラスα23edgeとの関係が、0.12≦X/α23edge≦7.5を満たし、画像形成装置に脱着するプロセスカートリッジ。
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