JP3426010B2 - トナー用架橋ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用架橋ポリエステル樹脂

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JP3426010B2
JP3426010B2 JP32345393A JP32345393A JP3426010B2 JP 3426010 B2 JP3426010 B2 JP 3426010B2 JP 32345393 A JP32345393 A JP 32345393A JP 32345393 A JP32345393 A JP 32345393A JP 3426010 B2 JP3426010 B2 JP 3426010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法や静電印刷法などにおいて静電荷像または磁気潜像の
現像に用いる乾式トナーとして有用な樹脂に関する。さ
らに詳しくは、低温定着性、耐ブロッキング性、耐オフ
セット性および正帯電性に優れたトナー用架橋ポリエス
テル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着される。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着される。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は、溶剤蒸気との接触、加圧および加熱
によって行われ、加熱方式には、電気オーブンによる無
接触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式がある
が、定着工程の高速化が要請される最近では主として後
者が用いられている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、1
成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に分散させた後、粗粉砕し、
次いで微粉砕して、所定の粒度範囲に分級して製造され
る。1成分系トナーは、上記の2成分系のトナーの各成
分の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】樹脂は、トナー配合中の主成分であるた
め、トナーに要求される性能の大部分を支配する。この
ためトナー用樹脂には、トナー製造においては溶融混練
工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕性の良い事
などが要求され、また、トナーの使用においては定着
性、オフセット性、ブロッキング性および電気的性質が
良いことなど多用な性能が要求される。トナーの製造に
用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹脂などが公知
であるが、圧着加熱定着方式用は主にスチレンと(メ
タ)アクリル酸エステルの共重合体が用いられてきた。
しかし、より低温で定着が可能であることや定着された
トナー像の耐塩ビ可塑剤性が優れていることより、ポリ
エステル樹脂が注目されている。
【0005】ポリエステル樹脂は、本来負に帯電する特
性があり負帯電用トナーに適しているが、これを正帯電
用のトナーとして仕上げるためには、高価な帯電制御剤
を多量に用いたり、正帯電量の高いスチレン−アクリル
系樹脂を少量ブレンドするといった方法が取られてい
た。このようなことから、低温定着性能や非オフセット
性を犠牲にすることなく、単独で使用した場合でも、高
い正帯電量を有するトナー用樹脂の出現が強く望まれて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
性、耐ブロッキング性に優れ、トナー化した際に高い正
帯電量が得られるトナー用架橋ポリエステル樹脂を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意検討を進めた結果、特定のポリエチレ
ングリコールを重合体成分として含む架橋ポリエステル
樹脂がその目的を達成できることを見い出し、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、(a)芳香族ジカルボ
ン酸成分、(b)3価以上の多価カルボン酸成分および
/または多価アルコール成分の少なくとも1種、(c)
芳香族ジオール成分、(d)エチレングリコール成分、
および(e)重量平均分子量Mw500〜5000のポ
リエチレングリコール成分からなる非線状重縮合体であ
って、酸価が0.5〜12mgKOH/g、ガラス転移
温度Tg(以下、Tgと略称する。)が40〜65℃、
軟化温度が145℃以下であることを特徴とするトナー
用架橋ポリエステル樹脂である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において用いられる芳香族ジカルボン酸(a)は、
テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸お
よびその低級アルキルエステルから選ばれるものであ
る。テレフタル酸およびイソフタル酸の低級アルキルエ
ステルの例としては、ジメチルテレフタル酸、ジメチル
イソフタル酸、ジエチルテレフタル酸、ジエチルイソフ
タル酸、ジブチルテレフタル酸、ジブチルイソフタル酸
等が挙げられるが、コストおよびハンドリングの点でジ
メチルテレフタル酸やジメチルイソフタル酸が好まし
い。上記の芳香族ジカルボン酸は、Tgを上げて耐ブロ
ッキング性の向上に寄与し、それの持つ疎水性のため耐
湿性にも効果がある。したがって、芳香族ジカルボン酸
は、全酸成分に対して60モル%以上、好ましくは70
モル%以上使用される。芳香族ジカルボン酸の中でもイ
ソフタル酸系は反応性を高める効果があるが、コストの
面より、全酸成分中50モル%以下の使用が好ましく、
またテレフタル酸は、樹脂のTgをアップさせるのに効
果があり、全酸成分中50モル%以上の使用が好まし
い。上記の(a)成分は1種または2種以上を併用して
使用される。
【0009】また、本発明において用いられる3価以上
の多価カルボン酸および/または多価アルコール(b)
は、3価以上の多価カルボン酸および多価アルコールか
ら選ばれるものである。3価以上の多価カルボン酸の例
としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,
4シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7ナフタレ
ントリカルボン酸、1,2,4ナフタレントリカルボン
酸、1,2,5ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,
8オクタンテトラカルボン酸およびこれらの酸無水物等
を挙げることができる。多価アルコールの例としては、
ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、
1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トリペンタエリスリトール、庶糖、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタト
リオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
上記の(b)成分は1種または2種以上を混合して用い
られ、得られる樹脂のTgを高める効果があると共に、
樹脂に凝集性を付与し、耐オフセット性を高める効果が
あり、全酸成分に対して0.5〜30モル%の範囲で用
いることが好ましい。これは、(b)成分が、0.5モ
ル%未満では十分な効果が得られないためであり、30
モル%を超えるとポリエステル樹脂の製造時のゲル化の
制御が困難となり所望の樹脂が得られ難い傾向にあるた
めである。
【0010】本発明において使用される芳香族ジオール
(c)は、下記の一般式(I)で示される芳香族ジオー
ルの少なくとも1種が好ましく使用される。
【0011】
【化1】 上記式(I)で表される芳香族ジオールの例として、ポ
リオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキ
シエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−
(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げら
れ、これらは1種または2種以上を混合して使用され
る。芳香族ジオール(c)は、樹脂のTgを上げる効果
があるため、耐ブロッキング性が良好となる。
【0012】芳香族ジオール成分(c)の使用量は、全
酸成分に対して80モル%以下の使用が好ましく、80
モル%を超えて用いると反応性が極めて低下し、生産性
が悪くなる。
【0013】本発明において使用される脂肪族ジオール
(d)としては、エチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、水添ビスフェノールA等が挙げられ、定着性の
点からエチレングリコール、ネオペンチルグリコールが
好ましい。特にエチレングリコールは反応性を高めるこ
とができるため、全酸成分に対し20モル%以上である
ことが好ましい。
【0014】また、本発明においては、従来のポリエス
テル樹脂からなるトナー用樹脂の負帯電性を低下させる
ためにポリエチレングリコール(e)を上記(a)〜
(d)成分と縮重合させる。
【0015】ポリエチレングリコール(e)の使用量
は、全架橋ポリエステル樹脂量に対して0.5〜10重
量%となる範囲が好ましく、さらに好ましくは2〜7重
量%の範囲である。これは、ポリエチレングリコール
(e)の使用量が0.5重量%未満では架橋ポリエステ
ル樹脂の負帯電量が多くなる傾向にあり、また10重量
%を超えるとTgが低下する傾向にあるためである。ま
た、本発明においては、ポリエチレングリコール(e)
の重量平均分子量Mwが500〜5000の範囲である
ことが必要である。これは重量平均分子量Mwが500
未満では樹脂のTgが大幅に低下し、一方、重量平均分
子量Mwが5000を超えると他の成分との共重合性が
低下する傾向にあるためであり、好ましくは1000〜
2000の範囲である。
【0016】また、本発明においては、上記以外の重合
成分も、その必要性能に応じて本発明の目的を阻害しな
い範囲で、併用して使用することができる。一般に、ポ
リエステル樹脂の原料として公知のモノマーは、本発明
の効果を保つ範囲で、使用してさしつかえない。例え
ば、ジカルボン酸成分として、セバシン酸、イソデシル
琥珀酸、フマル酸、アジピン酸、およびこれらのモノメ
チル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル等が使
用できる。
【0017】これらの2価カルボン酸は、トナーの定着
性および耐ブロッキング性に影響を与える。すなわち、
芳香族系のテレフタル酸、イソフタル酸を用いると耐ブ
ロッキング性は向上するが、定着性は低下する。逆に、
脂肪族系のセバシン酸やアジピン酸は、定着性は向上す
るが、Tgの低下をもたらすため耐ブロッキング性が低
下するようになる。この傾向は、脂肪族酸の場合、長鎖
のモノマー程強い。したがって、これらの特性を考慮し
て使用する必要がある。
【0018】本発明のトナー用架橋ポリエステル樹脂の
製造においては、上記の重合成分(a)〜(e)を反応
釜に仕込み、加熱昇温して、エステル化反応、またはエ
ステル交換反応を行う。この時、必要に応じて硫酸、チ
タンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグネ
シウム、酢酸マンガン等の通常のエステル化反応または
エステル交換反応で使用されるエステル化触媒またはエ
ステル交換触媒を使用することができる。次いで、常法
に従って該反応で生じた水またはアルコールを除去す
る。その後引き続き重合反応を実施するが、このとき1
50mmHg以下の真空下でジオール成分を留出除去さ
せながら重合を行う。
【0019】また、重合に際しては通常公知の重合触
媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシ
ド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモ
ン、二酸化ゲルマニウム等を用いることができる。ま
た、重合温度、触媒量については特に限定されるもので
はなく、必要に応じて任意に設定すれば良い。
【0020】本発明の非線状重縮合重合体からなる架橋
ポリエステル樹脂は、上記重合成分(a)〜(e)を重
合させる際、ゲル化させることにより得ることができ
る。
【0021】本発明のトナー用架橋ポリエステル樹脂
は、酸価が0.5〜12mgKOH/g、好ましくは3
〜8mgKOH/g、Tgが40〜65℃、好ましくは
50〜60℃、軟化温度が145℃以下、好ましくは1
25〜145℃となる物性値を有することが必要であ
る。これは酸価が0.5mgKOH/g未満では、樹脂
の生産性が著しく低下し、一方、酸価が12mgKOH
/gを超える場合には負帯電量が高くなりすぎて、ポリ
エチレングリコールを共重合させた効果がなくなり、ま
た、Tgが40℃未満では耐ブロッキング性が悪く、一
方、Tgが65℃を超えると耐ブロッキング性は良好で
あるが、定着性能が著しく低下し、さらに軟化温度が1
45℃を超えると定着性が悪くなるためである。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例における性能評価は以下
の方法を用いて行った。
【0023】(1)酸価 樹脂をベンジルアルコールで加熱溶解した後、冷却し1
/50規定のKOHベンジルアルコール溶液にて滴定し
て測定した。
【0024】(2)Tg(ガラス転移点)(℃) (株)島津製作所製、示差走査熱量計を用い、昇温5℃
/分で測定した時のTg近傍の吸熱曲線の接線と、ベー
スラインとの接点をTgとした。
【0025】(3)軟化温度(℃) (株)島津製作所製、フローテスター(CFT−50
0)を用いて、ノズル1.0mmφ×10mmL、荷重
30kg、昇温3℃/分、サンプル量1.0gの条件下
でサンプルが半分流出した時の温度を軟化温度(℃)と
した。
【0026】(4)重量平均分子量Mw 東ソー(株)製、GPC HCL−8200により測定
した。
【0027】(5)組成分析 樹脂をヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグラフィ
ーで定量した。
【0028】(6)帯電量(μC/g) 試料をハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミル(日
本ニューマチック社製)を用いて20μ以下まで粉砕し
た。その後、風力分級機(日本ニューマチック社製)を
用いて粒径を5〜20μmにした。得られた樹脂粉体が
3重量%の濃度になるようにキャリヤ(パウダーテック
社製、TEFV−200/300)を混ぜ、20℃、6
0%RHの恒温恒湿機中で48時間環境に慣らした後、
20分間撹拌し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミ
カル(株)製)で帯電量を測定した。
【0029】(7)非オフセット定着温度幅(℃) 紙の上にトナーを均一にふりかけ(初期濃度ID=1.
0±0.3)、温度可変式の定着ローラーに通す。次
に、定着部分のテープ剥離をし、濃度減衰率を求める。
ローラーの温度を上げていった時、定着率が90%を超
えた温度を最低定着温度とした。また、さらに温度を上
げて行った時、トナーが熱ローラーに付着し始めた温度
を高温オフセット開始温度とした。最低定着温度と高温
オフセット開始温度の間を定着可能領域(非オフセット
定着温度幅)とした。定着ローラーのスピードは100
mm/分に設定し、ニップ幅は8.0mmに設定して評
価した。
【0030】(8)耐ブロッキング性 50mlのガラス製サンプル瓶中にトナー5gを入れ、
50℃の高温槽中に50時間放置した後、室温まで冷却
し、その凝集度を観察した。その凝集度は、次のような
方法によって評価した。なお、本発明においては、凝集
度A,B,Cのものは使用可能と判断した。 A:サンプル瓶を逆さにしただけでトナーが落ちる。 B:サンプル瓶を逆さにし、軽く振っただけでトナーが
落ちる。 C:サンプル瓶を逆さにし、軽くたたくとトナーが落ち
る。 D:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてやるとト
ナーが落ちる。 E:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてもトナー
は落ちない。
【0031】また、実施例および比較例で用いた略記号
は、次のものを表わす。 ジオールA:ポリオキシプロピレン(2.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン PEG−200:重量平均分子量Mw200のポリエチ
レングリコール PEG−600:重量平均分子量Mw600のポリエチ
レングリコール PEG−1000:重量平均分子量Mw1000のポリ
エチレングリコール PEG−2000:重量平均分子量Mw2000のポリ
エチレングリコール PEG−20000:重量平均分子量Mw20000の
ポリエチレングリコール
【0032】実施例1 表1に示す量のテレフタル酸、イソフタル酸、トリメリ
ット酸、ジオールAおよびエチレングリコールを蒸留塔
を備えた反応容器に投入した。さらに、計算上の合成ポ
リマー量に対して5重量%ポリエチレングリコール(M
w1000)と触媒であるジブチルスズオキシドを全酸
成分に対して0.03重量部添加し、内温を260℃、
攪拌回転数を200rpmに保ち、常圧下で5時間エス
テル化反応させた。その後、反応系内を30分かけて
1.0mmHgまで減圧し、内温を240℃に保持し
て、エチレングリコールを留出せしめながら縮合反応を
2時間行なってゲル化させ、淡黄色透明の樹脂R−1を
得た。表1にその得られた樹脂の組成分析結果および樹
脂物性値を示す。
【0033】
【表1】
【0034】次に得られた樹脂R−1 94重量部に対
して、カーボンブラック(三菱化成(株)製、#40)
5重量部、荷電制御剤(オリエント化学工業(株)製、
ボントロンNO1)1重量部をヘンシェルミキサーでプ
レミキシングした後、栗本鉄工(株)製インターナルミ
キサーを用いて170℃、65rpmの条件で溶融混練
を行った。その溶融混練物を室温迄冷却した後、ハンマ
ーミルで粗粉砕した後、ジェットミルを用いて20μm
以下まで粉砕した。その後、日本ニューマチック社製の
風力分級機を用いて、粒径5〜20μmのトナーT−1
を得た。トナーT−1の帯電量、定着試験結果および耐
ブロッキング性の試験結果を表2に示す。表2から明ら
かなようにトナーT−1は、耐オフセット性および耐ブ
ロッキング性が良好で、正帯電性が高いことがわかる。
【0035】
【表2】
【0036】実施例2〜3 重合仕込み組成を表3のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−2〜R−3を得た。樹脂R
−2〜R−3の組成分析結果および樹脂物性値を表3に
示す。
【0037】
【表3】
【0038】次に、上記樹脂R−2〜R−3を用いて、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−2〜T−3を
得た。得られたトナーT−2〜T−3の帯電性、耐オフ
セット試験および耐ブロッキング性試験の結果を表4に
示す。表4より、トナーT−2〜T−3は、耐オフセッ
ト性および耐ブロッキング性が良好で正帯電量が高いこ
とがわかる。
【0039】
【表4】
【0040】実施例4〜5 重合仕込み組成を表5のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−4〜R−5を得た。樹脂R
−4〜R−5の組成分析結果および樹脂物性値を表5に
示す。
【0041】
【表5】
【0042】次に、上記樹脂R−4〜R−5を用いて、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−4〜T−5を
得た。得られたトナーT−4〜T−5の帯電量、耐オフ
セット試験および耐ブロッキング性試験の結果を表6に
示す。表6より、トナーT−4〜T−5は、耐オフセッ
ト性および耐ブロッキング性が良好で正帯電性が高いこ
とがわかる。
【0043】
【表6】
【0044】比較例1〜3 重合仕込み組成を表7のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−6〜R−8を得た。樹脂R
−6〜R−8の組成分析結果および樹脂物性値を表7に
示す。
【0045】
【表7】
【0046】次に、上記樹脂R−6〜R−8を用いて、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−6〜T−8を
得た。得られたトナーT−6〜T−8の帯電量、耐オフ
セット性試験および耐ブロッキング性試験の結果を表8
に示す。トナーT−6は、酸価が高いため、正帯電量が
低下した。トナーT−7はポリエチレングリコールの使
用量が多いため、Tgが低く、耐ブロッキング性が悪く
なった。また高温オフセットが160℃で発生した。ト
ナーT−8は、ポリエチレングリコールを使用していな
いため、正帯電量が低下した。
【0047】
【表8】
【0048】比較例4〜6 重合仕込み組成を表9のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−9〜R−11を得た。樹脂
R−9〜R−11の分析結果および樹脂物性値を表9に
示す。なお、樹脂R−10は反応中に急激なゲル化が起
り、反応器より樹脂を取り出すことが出来なかった。
【0049】
【表9】
【0050】次に、上記樹脂T−9およびT−11を用
いて、実施例1と同様の操作を行い、トナーT−9とト
ナーT−11を得た。得られたトナーT−9とトナーT
−11の帯電量、耐オフセット性試験ならびに耐ブロッ
キング性試験の結果を表10に示す。トナーT−9は多
官能成分を使用していないため、非オフセット定着温度
幅がなく、また、トナーT−11は樹脂の軟化温度が1
68℃と高く、耐ブロッキング性は良好であるが、最低
定着温度が165℃に上昇した。
【0051】
【表10】
【0052】比較例7〜8 重合仕込み組成を表11にする以外は実施例1と同様の
操作を行った。樹脂R−13の場合、ポリエチレングリ
コールの分子量Mwが20000と高いため、相溶性が
悪く、重合混合物が2層に分離した。樹脂R−12の組
成分析結果および樹脂物性を表11に示す。
【0053】
【表11】
【0054】次に、上記樹脂R−12を用いて実施例1
と同様の操作を行い、トナーT−12を得た。表12に
帯電量、耐オフセット性試験およびに耐ブロッキング性
試験の結果を示す。トナーT−12はポリエチレングリ
コールのモノマーであるエチレンを使用したために、T
gが低くなり、耐ブロッキング性も悪くなった。また、
正帯電量も高くならなかった。
【0055】
【表12】
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトナー用
架橋ポリエステル樹脂は、特定分子量のポリエチレング
リコールを縮重合させることによって、低温定着性、耐
ブロッキング性、耐オフセット性および正帯電性に優
れ、電子写真法、静電記録法や静電印刷法などにおいて
静電荷像または磁気潜像の現像に用いる乾式トナー用樹
脂として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 陽一 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (72)発明者 中村 純也 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内 (56)参考文献 特開 平4−239022(JP,A) 特開 平5−94040(JP,A) 特開 平2−82(JP,A) 特開 平1−128924(JP,A) 特開 平4−120555(JP,A) 特開 平6−56974(JP,A) 特開 平6−128367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)芳香族ジカルボン酸成分、(b)
    3価以上の多価カルボン酸および/または多価アルコー
    ル成分の少なくとも1種、(c)芳香族ジオール成分、
    (d)脂肪族ジオール成分、および(e)重量平均分子
    量Mwが500〜5000のポリエチレングリコール成
    分からなる非線状重縮合体であって、酸価が0.5〜1
    2mgKOH/g、ガラス転移温度Tgが40〜65
    ℃、軟化温度が145℃以下であることを特徴とするト
    ナー用架橋ポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 (e)ポリエチレングリコール成分が全
    架橋ポリエステル樹脂重量に対して0.5〜10重量%
    であることを特徴とする請求項1記載のトナー用架橋ポ
    リエステル樹脂。
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