JPH0836274A - トナー用ポリエステル樹脂 - Google Patents

トナー用ポリエステル樹脂

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JPH0836274A
JPH0836274A JP6190167A JP19016794A JPH0836274A JP H0836274 A JPH0836274 A JP H0836274A JP 6190167 A JP6190167 A JP 6190167A JP 19016794 A JP19016794 A JP 19016794A JP H0836274 A JPH0836274 A JP H0836274A
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JP
Japan
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acid
toner
polyester resin
component
resin
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JP6190167A
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English (en)
Inventor
Yoichi Nagai
陽一 永井
Hitoshi Iwasaki
等 岩崎
Shinji Kubo
伸司 久保
Takayuki Tajiri
象運 田尻
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い高温オフセット開始温度と広い定着領域
を有し、耐ブロッキング性の良好なトナー用ポリエステ
ル樹脂を開発する。 【構成】 (a)テレフル酸を主成分として含む酸成分
と、(b)炭素数2〜8の直鎖型アルキレングリコール
を主成分とするジオール成分と、(c)3価以上の多価
カルボン酸成分および/または多価アルコール成分の少
なくとも1種からなり、上記テレフタル酸および炭素数
2〜8の直鎖型アルキレングリコールが全モノマー成分
に対して50モル%以上、上記(c)成分が全酸成分に
対して3モル%以下からなるポリエステル樹脂であっ
て、特定の融点、軟化温度および酸価を有するポリエス
テル樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法や静電印刷法等において、静電荷像または磁気潜像の
現像に用いる乾式トナーとして有用なポリエステル樹脂
に関し、より詳しくは、高い高温オフセット開始温度と
広い定着領域を有し、耐ブロッキング性の良好なトナー
用ポリエステル樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像より恒久的な顕像を得る方法に
おいては、光導電性感光体または静電記録体上に形成さ
れた静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナー
によって現像した後、定着される。磁気潜像の場合は、
磁気ドラム上の潜像を磁性体を含むトナーによって現像
した後、定着される。定着は、光導電性感光体または静
電記録体上に現像によって得られたトナー像を直接融着
させるか、紙やフィルム上にトナー像を転写した後、こ
れを転写シート上に融着させることによって行われる。
トナー像の融着は、溶剤蒸気との接触、加圧および加熱
によって行われ、加熱方式には、電気オーブンによる無
接触加熱方式と加圧ローラーによる圧着加熱方式がある
が、定着工程の高速化が要請される最近では主として後
者が用いられている。
【0003】乾式現像方式で使用されるトナーには、1
成分系トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、まず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他必要な
添加剤を溶融混練して十分に分散させた後、粗粉砕し、
次いで微粉砕して、所定の粒度範囲に分級して製造され
る。1成分系トナーは、上記の2成分系のトナーの各成
分の他に磁性鉄粉を添加して同様に製造される。
【0004】樹脂は、トナー配合中の主成分であるた
め、トナーに要求される性能の大部分を支配する。この
ためトナー用樹脂には、トナー製造においては溶融混練
工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉砕性の良い事
などが要求され、またトナーの使用においては定着性、
オフセット性、ブロッキング性および電気的性質が良い
ことなど多用な性能が要求される。トナーの製造に用い
られる樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル系樹脂等が公知であ
るが、圧着加熱定着方式用は主にスチレンと(メタ)ア
クリル酸エステルの共重合体が用いられてきた。しかし
より低温で定着が可能であることや定着されたトナー像
の耐塩ビ可塑剤性が優れていることより、ポリエステル
樹脂が注目されている。
【0005】ポリエステル樹脂は、2価のカルボン酸ま
たはその低級アルキルエステルとジオールを直接エステ
ル化するか、エステル交換を行った後に、縮合反応を行
って製造されるが、トナー用ポリエステル樹脂において
は、定着工程における耐オフセット性を付与するため、
上記の他に3価以上のカルボン酸やアルコールを共縮合
して弱い架橋構造を持たせる事が提案されている。
【0006】しかしながら、3価以上の多価カルボン酸
や多価アルコールを用いて弱い架橋構造を持たせる方法
では、分子量分布の広がりに限りが有り、ポリエステル
が本来持っている定着性に優れ、また、低分子量の重合
体を得やすいという性質が充分に生かされていない。高
い定着性に高いオフセット性を付与する方法として、分
子量分布を広げるため多価カルボン酸や多価アルコール
を多量に使用する方法が提案されているが、この方法は
工業的に製造が困難であり、製造できたとしても安定的
に一定の物性を得るのは困難であり、製造コストも高く
なる。また、分子量分布を広げる他の方法として、架橋
高分子ポリマーと低分子ポリマーをブレンドする方法も
提案されているが、均一混合が非常に困難である為、ト
ナーにした場合、飛散性の悪化、帯電特性の悪化につな
がる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、従来のポリエステル樹脂に比べ
て高い高温オフセット開始温度と広い定着領域を有し、
耐ブロッキング性の良好なトナー用ポリエステル樹脂を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を進めた結果、酸成分およびアル
コール成分に特定量の特定成分を使用するとともに特定
の多価カルボン酸成分および/または多価アルコール成
分を重合体成分として特定量含み、特定の物性を有する
ポリエステル樹脂がその目的を達成できることを見い出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(a)テ
レフル酸成分を主成分として含む酸成分と、(b)炭素
数2〜8の直鎖型アルキレングリコールを主成分とする
ジオール成分と、(c)3価以上の多価カルボン酸成分
および/または多価アルコール成分の少なくとも1種か
らなり、上記テレフタル酸および炭素数2〜8の直鎖型
アルキレングリコールが全モノマー成分に対して50モ
ル%以上、上記(c)成分が全酸成分に対して3モル%
以下からなるポリエステル樹脂であって、融点が200
℃以下、軟化温度が150℃以下、酸価が20mgKO
H/g以下であることを特徴とするトナー用ポリエステ
ル樹脂にある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
最大の特徴は、ポリエステル樹脂に分岐構造と結晶構造
を持たせて弾性を付与し、高温オフセット開始温度を高
めた点にある。これによって本発明の目的とする広い定
着領域を有し、耐ブロッキング性の良好なトナー用樹脂
を得ることができる。
【0010】本発明において(a)成分として用いられ
るテレフタル酸とは、テレフタル酸またはその低級アル
キルエステルから選ばれるものである。テレフタル酸の
低級アルキルエステルの例としては、例えばテレフタル
酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブ
チル等が挙げられるが、コストや使用面からテレフタル
酸ジメチルが好ましい。上記のテレフタル酸またはその
低級アルキルエステルは、得られる樹脂のガラス転移点
(以下、単にTgと略記する。)を上げ、耐ブロッキン
グ性の向上に寄与し、それの持つ疎水性のために耐湿性
にも効果があり、1種または2種以上を併用して使用さ
れる。
【0011】また、本発明において(b)成分として用
いられる炭素数2〜8の直鎖型アルキレングリコールの
例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ
る。これらの中でもエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオールは結晶性に寄与
し、結晶化のコントロールをするのに効果がある。上記
の(b)成分は、1種または2種以上を併用して使用さ
れる。
【0012】本発明における(a)成分と(b)成分の
含有量は、全モノマー成分に対して50モル%以上、好
ましくは60モル%以上である。これは、(a)成分と
(b)成分の含有量が、全モノマー成分に対して50モ
ル%未満であると、ポリエステル樹脂のTgが低下しト
ナーとしての耐ブロッキング性が低下したり、ポリエス
テル樹脂の反応性が低下したり、トナーとしての定着性
が低下するためである。すなわち、ポリエステル樹脂を
構成する酸成分としてテレフタル酸を主成分とすること
によって、ポリエステル樹脂のTgを向上させトナーの
耐ブロッキング性を向上でき、現像工程内の融着熱での
トナーの軟化を防止できる。また、ポリエステル樹脂を
構成するジオール成分として炭素数2〜8の直鎖型アル
キレングリコールを主成分とすることによって、ポリエ
ステル樹脂の反応性を高めるとともに、ポリエステル樹
脂に可撓性を付与し、トナーの定着性を向上させること
ができる。
【0013】また、本発明において(c)成分として用
いられる3価以上の多価カルボン酸および/または多価
アルコールは、3価以上の多価カルボン酸および多価ア
ルコールから選ばれるものである。3価以上の多価カル
ボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、
1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,
7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレ
ントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン
酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸および
これらの酸無水物等を挙げることができる。また、3価
以上の多価アルコールの例としては、ソルビトール、
1,2,3,6−ヘキサンテトラロール、1,4−ソル
ビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトール、庶糖、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリ
セロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル
−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロ
キシメチルベンゼン等が挙げられる。上記(c)成分は
1種または2種以上を併用して用いられ、樹脂のTgを
高める効果があるとともに、ポリマーに分岐構造を形成
させ、それが結晶部分とともに高温オフセット開始温度
を高める効果をもたらす。しかし(c)成分を多量に含
有させるとコストが上がり、また耐ブロッキング性の悪
化をまねくことがあるため、全酸成分に対して、3モル
%以下、好ましくは2.5モル%以下、さらに好ましく
は0.5〜2.5モル%の範囲で含有される。
【0014】本発明において、上記モノマー以外のモノ
マーは、その必要性能に応じて本発明の目的を阻害しな
い範囲で、組み替えて使用することができる。一般に、
ポリエステルの原料として公知のモノマーは、本発明の
効果を保つ範囲で、使用してさしつかえない。例えば、
イソフタル酸、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀
酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸およびこれらの
モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステル
等が挙げられ、特にイソフタル酸およびこのジメチルエ
ステル等が耐ブロッキング性およびコストの点で好まし
い。これらのカルボン酸およびその低級エステルは、ト
ナーの定着性および耐ブロッキング性に影響を与える。
芳香族系のイソフタル酸を用いると耐ブロッキング性は
向上するが、定着性は低下する。逆に脂肪族系のセバシ
ン酸やアジピン酸は、定着性は向上するが、Tgの低下
をもたらすため耐ブロッキング性の低下につながる。脂
肪族酸の場合、長鎖のモノマー程この傾向は強い。した
がって、樹脂の要求性能に応じて本発明の目的を阻害し
ない範囲、全酸成分に対して30モル%以下の範囲で含
有させることができる。
【0015】また、併用できるジオールの例としては、
脂肪族および芳香族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオ
ールの例として、前述した炭素数2〜8の直鎖型ジオー
ル以外のプロパンジオール、ブタンジオール、ポリエチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビ
スフェノールA等が挙げられ、定着性の点からブタンジ
オールが好ましい。また、芳香族ジオールの例として、
ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポ
リオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−
(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロ
ピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等が挙げられ、1種または2種以上を
併用して用いられる。芳香族ジオールは、Tgを上げる
効果があるため、耐ブロッキング性が良好となる。ま
た、ジオールのなかでも、芳香族ジオールと、シクロヘ
キサンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環式
ジオールは、反応性を調節できるとともに耐摩耗性を向
上させる効果がある。
【0016】以上の構成からなる本発明のトナー用ポリ
エステル樹脂は、融点が200℃以下、好ましくは19
0℃以下、軟化温度が150℃以下、好ましくは140
℃以下、より好ましくは130℃以下、酸価が20mg
KOH/g以下、好ましくは18mgKOH/g以下、
より好ましくは15mgKOH/g以下であることが重
要である。
【0017】これは、 (1)融点が200℃を超える樹脂を用いたトナーは、
溶融混練時に樹脂の分解反応が起り物性が低下するよう
になる。 (2)軟化温度が150℃を超える樹脂を用いたトナー
は、高い高温オフセット開始温度を得ることができる
が、低温定着温度が上昇し、広い定着領域が得られなく
なる。 (3)酸価が20mgKOH/gを超える樹脂を用いた
トナーは、水分を吸収しやすく帯電量が湿度に大きく依
存するようになる。等の理由によるためである。
【0018】本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造
においては、上記の重合成分(a)〜(c)を反応釜に
仕込み、加熱昇温して、エステル化反応、またはエステ
ル交換反応を行う。この時、必要に応じて硫酸、チタン
ブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸マグネシウ
ム、酢酸マンガン等の通常のエステル化反応またはエス
テル交換反応で使用されるエステル化触媒またはエステ
ル交換触媒を使用することができる。次いで、常法に従
って該反応で生じた水またはアルコールを除去する。そ
の後引き続き重合反応を実施するが、このとき150m
mHg以下の真空下でジオール成分を留出除去させなが
ら重合を行う。
【0019】また、重合に際しては通常公知の重合触
媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシ
ド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモ
ン、二酸化ゲルマニウム等を用いることができる。ま
た、重合温度、触媒量については特に限定されるもので
はなく、必要に応じて任意に設定すれば良い。
【0020】本発明のトナー用ポリエステル樹脂におい
ては、必要によりシリカ等の無機粉末を加えて耐ブロッ
キング性を改良することができる。このシリカ粉末の添
加はバインダー樹脂のTgが低い場合、その効果は特に
顕著である。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。なお、実施例および比較例における性
能評価は以下の方法を用いて行った。
【0022】(1)融点(℃)およびTg(℃) (株)島津製作所製、示差走査熱量計を用い、昇温5℃
/分で測定した時のチャートとベースラインとTg近傍
の吸熱カーブの接線の交点の温度をTg(℃)とし、2
50℃より−5℃/分で測定した発熱カーブのピークを
融点(℃)とした。
【0023】(2)軟化温度(℃) (株)島津製作所製、フローテスター(CFT−50
0)を用いて、ノズル1.0mmφ×10mmL、荷重
30kgf、昇温3℃/分、サンプル量1.0gの条件
下でサンプルが半分流出した時の温度を軟化温度(℃)
とした。
【0024】(3)組成分析 樹脂をヒドラジンで加水分解し、液体クロマトグラフィ
ーで定量した。
【0025】(4)定着試験(定着領域の測定) 紙の上にトナーを均一にふりかけ(初期濃度ID=1.
0±0.3)、温度可変式の定着ローラーに通す。次
に、定着部分のテープ剥離をし、濃度減衰率を求める。
ローラーの温度を下げていった時、定着率が90%を超
えた温度を最低定着温度とした。また、さらに温度を上
げていった時、トナーが熱ローラーに付着し始めた温度
を高温オフセット開始温度とした。最低定着温度と高温
オフセット開始温度の間を定着領域とした。定着ローラ
ーのスピードは100mm/分に設定し、ニップ幅は
8.0mmに設定して評価した。
【0026】(5)耐ブロッキング性 50mlのガラス製サンプル瓶中にトナー5gを入れ、
50℃の恒温槽中に50時間放置した後、室温まで冷却
し、その凝集度を観察した。その凝集度は、次のような
方法によって評価した。なお本発明においては、凝集度
A,B,Cのものは使用可能と判断した。 A:サンプル瓶を逆さにしただけでトナーが落ちる。 B:サンプル瓶を逆さにし、軽く振っただけでトナーが
落ちる。 C:サンプル瓶を逆さにし、軽くたたくとトナーが落ち
る。 D:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてやるとト
ナーが落ちる。 E:サンプル瓶を逆さにし、強い振動を与えてもトナー
は落ちない。
【0027】また、実施例および比較例で用いた略記号
は、次のものを表わす。 ジオールA:ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン ジオールB:ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
【0028】実施例1 表1に示す量のテレフタル酸、無水トリメリット酸、エ
チレングリコールおよびジオールAを蒸留塔を備えた反
応容器に投入した。さらに、反応容器に触媒であるジブ
チルスズオキシドを全酸成分に対して0.03重量部添
加し、内温を260℃、撹拌回転数200rpmに保
ち、常圧下で5時間エステル化反応させた。その後、反
応系内を30分かけて1.0mmHgまで減圧し、内温
260℃に保持してエチレングリコールを留出せしめな
がら縮合反応を2時間行って、淡黄色透明の樹脂R−1
を得た。表1に得られた樹脂R−1の組成分析結果およ
び樹脂物性値を示す。
【0029】
【表1】
【0030】次に得られた樹脂R−1 92重量部に対
して、カーボンブラック(三菱化成(株)製、#40)
5重量部、PPワックス(三洋化成(株)製、ビスコー
ル550−P)2重量部、荷電制御剤(オリエント化学
工業(株)製、ボントロンS−34)1重量部をヘンシ
ェルミキサーでプレミキシングし、次いで栗本鉄工
(株)製インターナルミキサーを用いて175℃、13
0rpmの条件で溶融混練を行った。溶融混練物を室温
迄冷却後、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミル
を用いて22μm以下まで粉砕した。その後、日本ニュ
ーマチック社の風力分級機を用い、粒径を5〜22μm
にしてトナーT−1を得た。このトナーT−1について
定着試験および耐ブロッキング性試験を行った。その試
験結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】トナーT−1は、高い高温オフセット開始
温度と広い定着領域を有し、耐ブロッキング性も良好で
あった。
【0033】実施例2〜4 重合仕込み組成を表3のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−2〜R−4を得た。樹脂R
−2〜R−4の組成分析結果および樹脂物性値を表3に
示す。
【0034】
【表3】
【0035】次に、上記樹脂R−2〜R−4を用いて、
実施例1と同様の操作を行い、トナーT−2〜T−4を
得た。ただし、溶融混練温度を樹脂の融点より15℃高
い温度で行った。この得られたトナーT−2〜T−4に
ついて定着試験および耐ブロッキング性試験を行った。
その試験結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】樹脂T−1〜T−4は高い高温オフセット
開始温度と広い定着領域を有し、耐ブロッキング性も良
好であった。
【0038】比較例1〜5 重合仕込み組成を表5のようにする以外は、実施例1と
同様の操作を行い、樹脂R−5〜R−9を得た。樹脂R
−5〜R−9の組成分析結果および樹脂物性値を表5に
示す。
【0039】
【表5】
【0040】次に、上記樹脂R−5〜R−9を用いて、
実施例2〜4と同様の操作を行い、トナーT−5〜T−
9を得た。この得られたトナーT−5〜T−9について
定着試験および耐ブロッキング性試験を行った。その試
験結果を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】トナーT−5は樹脂R−5の融点が存在せ
ず、また高温オフセットが低い温度で発生したため、定
着領域がなかった。トナーT−6は樹脂R−6の融点が
高いために、溶融混練を250℃以上で行ったところ、
溶融混練中に分解物が多量に生成し、悪臭が発生した。
トナーT−7は樹脂R−7において80℃近傍に融点が
認められたが、Tgが低いためにトナーの耐ブロッキン
グ性が悪かった。トナーT−8は樹脂R−8の軟化温度
が190℃と高いため、高温オフセットを見られなかっ
たが、定着性が悪く温度を200℃まで上昇させない
と、定着率90%はクリヤーできなかった。また、18
0℃以下では、コールドオフセットが発生した。トナー
T−9は熱特性は良好であるが、樹脂R−9の酸価が3
5mgKOH/gと高いために、電気特性、特に帯電の
湿度依存が大きかった。
【0043】
【発明の効果】以上述べてきた如くの構成からなる本発
明のトナー用ポリエステル樹脂は、分岐構造と結晶構造
を有するために高いオフセット開始温度と広い定着領域
を有し、また、耐ブロッキング性も良好であり、電子写
真法、静電記録法や静電印刷法等において静電荷像また
は磁気潜像の現像に用いる乾式トナー用樹脂として極め
て有用である。
フロントページの続き (72)発明者 田尻 象運 愛知県豊橋市牛川通四丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)テレフル酸を主成分として含む酸
    成分と、(b)炭素数2〜8の直鎖型アルキレングリコ
    ールを主成分とするジオール成分と、(c)3価以上の
    多価カルボン酸成分および/または多価アルコール成分
    の少なくとも1種からなり、上記テレフタル酸および炭
    素数2〜8の直鎖型アルキレングリコールが全モノマー
    成分に対して50モル%以上、上記(c)成分が全酸成
    分に対して3モル%以下からなるポリエステル樹脂であ
    って、融点が200℃以下、軟化温度が150℃以下、
    酸価が20mgKOH/g以下であることを特徴とする
    トナー用ポリエステル樹脂。
JP6190167A 1994-07-21 1994-07-21 トナー用ポリエステル樹脂 Pending JPH0836274A (ja)

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Cited By (5)

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