JPH059276A - 樹脂粒子 - Google Patents

樹脂粒子

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JPH059276A
JPH059276A JP8613991A JP8613991A JPH059276A JP H059276 A JPH059276 A JP H059276A JP 8613991 A JP8613991 A JP 8613991A JP 8613991 A JP8613991 A JP 8613991A JP H059276 A JPH059276 A JP H059276A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有毒な燃焼ガスの発生が少なく、に優れる樹
脂粒子の提供。 【構成】 主構成成分として、多価カルボン酸と、0.
5mol %以上、90mol%以下のトリシクロデカン骨格
を有する脂環族ジオ−ルを含む多価アルコ−ルの縮重合
により得られるポリエステル樹脂を用いた樹脂粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、艶消し剤、ブロッキン
グ防止材、クロマトグラフィ−用坦体、薬剤用坦体、粉
体塗料、ギャップ調整材、電子写真用トナ−、化粧品等
として盛んに利用されてきている樹脂粒子に関するもの
であり、特に染料にて着色された場合に良好なる耐光堅
牢度を示すポリエステル系樹脂の粒子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この様な用途に用いられる樹脂粒
子として、「重合造粒法」により作製される樹脂粒子を
例示することができる。重合造粒法は、エマルジョン重
合法、懸濁重合法、シ−ド重合法、分散重合法に大別で
きる。
【0003】エマルジョン重合法は、水中において、界
面活性剤にて安定化された重合性単量体のミセル中で重
合を行い樹脂粒子を得るものである。エマルジョン重合
法においては、シャ−プな粒子径分布を有する粒子を得
ることができる。しかしながら、安定に存在しうるミセ
ルの大きさにより粒径が決定されるためその粒径は約
0.01〜0.5μm程度の範囲に限られ、およそ1μ
m以上の粒径を持つ粒子を得るすることは不可能であ
る。またミセルの安定化のために必須となる界面活性剤
が作製された粒子表面に残存するため、得られた樹脂粒
子の使用範囲が限定されてしまう。
【0004】懸濁重合法は、水と重合性単量体とを機械
的に撹拌することにより得られる懸濁系において重合性
単量体を重合し粒子を得る方法である。懸濁重合法で
は、機械的な撹拌に粒子の大きさが依存するため、均一
な粒子径分布を持つ微細な重合体粒子を得ることは難し
い。懸濁重合法により得られる粒子の粒径範囲はおよそ
10μm以上である。
【0005】シ−ド重合法は、他の方法により得られた
粒子をシ−ド粒子とし、シ−ド粒子を溶剤および重合性
モノマ−にて膨潤させ、膨潤したシ−ド粒子内にて重合
することによりシ−ド粒子を大きく成長させる方法であ
る。シ−ド重合法においては、原理的には、適当なるシ
−ド粒子を選択することにより、シャ−プな粒子径分布
を持った粒子を得ることができ、また粒子の粒径は、シ
−ド粒子と重合性単量体との膨潤率にて制御可能であ
る。シ−ド重合法はエマルジョン重合法により得られた
粒子、すなわちビニル系のポリマ−粒子をシ−ドに用い
る。ビニル系ポリマ−粒子を重合性モノマ−により膨潤
させることは難しい。膨潤率は、シ−ド粒子を構成する
ポリマ−と膨潤に用いるモノマ−との相互作用、およ
び、膨潤した粒子の界面張力等とのバランスにより決定
され、実際にはせいぜい2〜10倍程度が限度となる。
すなわち、膨潤率を極端に大きくすることはできず、
一度に成長させることができる粒径範囲にはおのずと限
界がある。粒子径を10倍にすることは体積を1000
倍にすることに相当するため、シ−ド重合でこれを実現
するためにはシ−ド重合を繰り返す必要がある。2段階
膨潤シ−ド重合法は、シ−ド粒子の膨潤率を大とするた
めに考案された方法である。2段階膨潤シ−ド重合法に
おいては、まずシ−ド粒子をオリゴマ−ないし水難溶性
の低分子量物質(:膨潤剤)等により膨潤させた後に重
合性モノマ−にて膨潤させる。この方法によりシ−ド粒
子の膨潤率を数千倍にまで上げることができる。しかし
ながら2段階膨潤シ−ド重合法により得られた粒子には
膨潤剤が残存するため、これらを除去する工程が必須と
なる。シ−ド重合法、2段階膨潤シ−ド重合法はシャ−
プな粒子径分布を有するミクロンオ−ダ−の樹脂粒子作
製するという意味において優れた方法ではあるが、以上
の問題点がシ−ド重合法を工業的に成立させることを困
難とさせている。
【0006】分散重合法は、重合性モノマ−、開始剤、
安定剤を有機溶媒に溶解し、重合を開始することによ
り、その初期段階において発生したオリゴマ−の凝集物
を粒子核として有機溶媒に不溶なポリマ−の粒子を成長
させる方法である。分散重合法はシャ−プな粒子径分布
を有するミクロンオ−ダ−の樹脂粒子作製するという目
的において優れた方法ではあるが、有機溶媒を媒体に用
いるためにマスプロダクト化が難しく、樹脂粒子の工業
的な生産方法としては成立し得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、エマルジョン重合法および懸濁重合法により得られ
る樹脂粒子は、粒子径範囲が限定され、かつ粒子径分布
はブロ−ドなものとなる。シ−ド重合法および分散重合
法により得られる樹脂粒子は、シャ−プな粒子径分布を
有するものの、非常に高価なものとなる。さらに、以上
述べてきた「重合造粒法」すなわち、エマルジョン重
合、懸濁重合、シ−ド重合、分散重合により作製される
樹脂粒子はその製造方法からも自明であるようにビニル
系ポリマ−の樹脂粒子に限定される。これらビニル系ポ
リマ−の樹脂粒子を染料により着色する場合には原料と
なるビニルモノマ−に染料を溶解したのちに所定の操作
にて樹脂粒子化を行うこととなる。この場合、染料はビ
ニルモノマ−が重合する際のラジカルにより攻撃され、
多くの染料は変退色を生じる。さらに得られた着色粒子
も耐光堅牢度に劣り、紫外線暴露等により変退色を生じ
易いものとなる。あらかじめ粒子化されたビニル系ポリ
マ−の樹脂粒子を水系媒体中で染色する方法も考えられ
なくはないが、この場合には高濃度に着色された樹脂粒
子を得ることが困難であるばかりでなく、染色中に粒子
の凝集融着を生じ、初期の粒子系、粒度分布を保持した
着色粒子を得ることは困難である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み、シャ−プな粒子径分布を有し、かつ任意の粒子
径をもち、さらに染料にて高濃度、高耐光堅牢度に着色
が可能な樹脂粒子を得るべく鋭意研究を重ねた結果、次
なる発明に到達した。すなわち本発明は、0.5mol %
以上90mol %以下の範囲においてトリシクロデカン骨
格を有する脂環族ジオ−ルを含有する多価アルコ−ル
と、多価カルボン酸との縮合により得られるポリエステ
ル樹脂を主構成成分とし、平均粒子径Dが0.2μmか
ら50μmの範囲であり、0.5Dから2.0Dの粒子
径範囲に全体の80重量%以上の粒子が含まれることを
特徴とする樹脂粒子である。
【0009】本発明における多価カルボン酸は、主とし
てジカルボン酸類からなる。ジカルボン酸類としては、
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、1,5−ナフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、p
−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香
酸などの芳香族オキシカルボン酸、等を用いることがで
きる。芳香族ジカルボン酸は多価カルボン酸成分の60
mol %以上もちいることが好ましく、80mol %以上が
さらに好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率がこの範
囲に満たない場合には樹脂のガラス転移温度が低下し、
保存安定性に支障をきたす場合がある。本発明において
好ましく用いられるジカルボン酸類としてはテレフタル
酸、イソフタル酸である。これらは芳香族ジカルボン酸
の内80mol %以上使用されることが好ましい。本発明
においては他のジカルボン酸類としてコハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、
イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸
等を使用することができる。本発明においては必要によ
りトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の
トリおよびテトラカルボン酸を少量含んでも良い。
【0010】本発明においては多価アルコ−ル成分とし
てトリシクロデカン骨格を有する脂環族ジオ−ルを用い
る。該脂環族ジオ−ルとしては下記化1にて示される化
合物、ならびにそれらの誘導体を例示することができ
る。
【化1】 化1の式中R1 、R2 は水酸基、および/または炭素数
1〜8のヒドロキシアルキレン基、および/または炭素
数1〜4のヒドロキシアルキレン基にアルキレンオキシ
ドを1〜10mol 付加した基、を示すものであり、本発
明においては R1 、R2 がともにメチロ−ル基である
トリシクロデカンジメチロ−ルの使用が好ましい。該脂
環族ジオ−ルは多価アルコ−ル成分の0.5mol %以上
90mol %以下の範囲が必須であり、5mol %以上70
mol %以下の範囲が好ましく、10mol %以上50mol
%以下の範囲がさらに好ましい。
【0011】他の多価アルコ−ル成分としては、例え
ば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,
3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,
5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネ
オペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロ
ピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル、スピログリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−
ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイ
ド付加物、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレング
リコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等のジオ−
ル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およ
びプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ル
Aのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサ
イド付加物等々のジオ−ル類、さらに必要により、トリ
メチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリ
ン等のトリオ−ル、ペンタエルスリト−ル等のテトラオ
−ル等、他に、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開
環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−
ル類を用いることができる。
【0012】本発明においてポリエステル樹脂は、単独
あるいは必要により2種以上併用することができる。ま
た、溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エポキシ樹脂
イソシアネ−ト化合物等と混合することもでき、またさ
らに、これらの化合物と一部反応させることもできる。
【0013】本発明におけるポリエステル樹脂を主構成
成分とし、平均粒子径Dが0.2μmから50μmの範
囲であり、0.5Dから2.0Dの粒子径範囲に全体の
80重量%以上の粒子が含まれる樹脂粒子を得る方法と
しては、あらかじめポリエステル樹脂にイオン性基を含
有せしめることによりポリエステル樹脂にミクロ水分散
性を発現させ、該イオン性基含有ポリエステル樹脂を水
系媒体に安定にミクロ分散せしめ、さらに該ミクロ分散
粒子を可塑化させたうえで、ミクロ分散粒子の表面およ
び表面近傍に存在するイオン量を、均一に制御された状
況下にて減少せしめる手段により、ミクロ分散粒子の媒
体中での安定状態を崩し、ミクロ分散粒子を合体せしめ
ることによりポリエステル粒子を得る方法を例示するこ
とができる。ミクロ分散粒子の表面および表面近傍に存
在するイオンはミクロ分散粒子表面近傍に電気二重層を
形成することにより水系媒体中において樹脂の微粒子を
安定化させる働きを持つものである。
【0014】該ミクロ分散粒子の表面、および表面近傍
に存在するイオン量を減少せしめる手段としては、ポリ
エステル樹脂に含有されるイオン性基の、 ・光分解、熱分解、あるいは加水分解等による切り放
し、 ・温度、pH等の走査による解離度の制御、 ・対イオンによるイオン性基の封鎖、 および、 ・電解質の添加による電気二重層の破壊、 等の手段を用いることができる。本発明においては、対
イオン性基を有する反応性単量体を系内に添加し、対イ
オン性基含有単量体を重合せしめることにより形成され
るポリイオンコンプレックスを用いてイオン性基を封鎖
する方法、あるいは、分解触媒などを併用したイオン性
基切り放しによる方法を好ましく用いることができる。
【0015】イオン性基含有ポリエステル樹脂に含まれ
るイオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸
基、硫酸エステル基、リン酸基、もしくはそれらの塩
(水素塩、金属塩、アンモニウム塩)の基等のアニオン
性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン
性基であり、好ましくは、カルボキシル基、カルボン酸
アンモニウム塩基、スルホン酸基、スルホン酸アルカリ
金属塩基等を用いることができる。これらイオン性基は
樹脂に共重合された形態にて含有されることが好まし
く、樹脂に共重合可能なスルホン酸金属塩基含有化合物
としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタ
ル酸等の金属塩をあげることができる。特にイオン性基
を高分子末端に導入する場合にはスルホ安息香酸および
その金属塩等を用いることができる。金属塩としてはL
i、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげら
れ、特に好ましいものはNa塩である。 これらイオン
性基の含有量は、該ポリエステル樹脂に対し、好ましく
は0.005〜0.2当量/1000g、さらに好まし
くは0.01〜0.15当量/1000g、なお好まし
くは0.02〜0.1当量/1000g、である。イオ
ン性基含有量がかかる下限に満たない場合には、ポリエ
ステル樹脂を水系媒体にミクロ分散することが困難にな
る場合がある。またかかる上限を越えた場合にはポリエ
ステル樹脂が水溶解性化する場合がある。また前述した
イオン性基切り放しによる方法を用いた場合にはかかる
イオン性基の含有量は得られた粒子においては初期のポ
リエステル樹脂の含有量より減少する。
【0016】本発明の樹脂粒子の特徴は特に染料により
着色された場合に発現する。用いることのできる染料と
しては、イエロ−着色にはアゾ系、ニトロ系、キノリン
系、キノフタロン系、メチン系染料が、マゼンタ着色に
はアントラキノン系、アゾ系、ロ−ダミン系染料が、シ
アン着色にはアントラキノン系染料が好ましく用いられ
る。染料の形態としては分散染料あるいは油溶性染料を
用いることが好ましい。これらは特に繊維製品の染色用
分散染料として市販されている形態の染料を直接用いて
も良く、またそのような形態で入手できないものは、染
料の原体(コンクケ−キ)、分散剤、水系媒体とをボ−
ルミル、サンドミル、シェ−カ−などにより混合し、染
料のコンクケ−キをさらに微粉砕微分散させた形態のも
のを用いることができる。分散剤としてはナフタリンス
ルホン酸塩の縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、スチ
レンスルホン酸塩とアクリル酸の共重合体などを用いる
ことができる。
【0017】
【実施例1〜4、比較例1】以下に実施例を示し、本発
明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらになんら
限定される物ではない。温度計、撹拌機を備えたオ−ト
クレ−ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 95重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 95重量部、 5−ナトリウムスルホジメチルイソフタレ−ト 6重量部、 トリシクロデカンジメチロ−ル 40重量部、 エチレングリコ−ル 60重量部、 ネオペンチルグリコ−ル 91重量部、および テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部 (本実施例で使用したトリシクロデカンジメチロール
は、3,8−ジメチロールおよびまたは4,9−ジメチ
ロールを主成分とするものである。)を仕込み180〜
230℃で120分間加熱してエステル交換反応を行っ
た。ついで反応系を250℃まで昇温し、系の圧力1〜
10mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合
ポリエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリ
エステル樹脂(A1)の組成、数平均分子量を後記の表
1.に示す。以下、原料と組成を変えて同様に重合を行
い、表1.に示すポリエステル樹脂、実施例(A2)〜
(A4)、比較例1(A5)を得た。表1.における、
TPAはテレフタル酸を、IPAはイソフタル酸を、S
IPは5−ナトリウムスルホイソフタル酸を、SAはセ
バシン酸を、MAはマレイン酸を、TCDはトリシクロ
デカンジメチロールを、EGはエチレングリコ−ルを、
NPGはネオペンチルグリコ−ルを、BPEはビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物を、BPPはビスフ
ェノールAのプロピレンオキシド付加物を、各々表わ
す。
【0018】(樹脂粒子の製造)共重合ポリエステル樹
脂(A1)100重量部、ブチルセロソルブ30重量部
を110℃にて溶解した後80℃の水200部を添加
し、粒子径約0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水
系ミクロ分散体を得た。さらに得られた水系ミクロ分散
体を蒸留用フラスコに入れニ 、留分温度が100℃に達
するまで蒸留し、冷却後に水を加え固形分濃度を38%
とした。温度計、コンデンサ−、撹拌羽根を備えた四つ
口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリエス
テル水系分散体1000重量部、および、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレ−ト8.0重量部を入れ、80℃に
昇温した。次に過硫酸アンモニウム0.2重量部を含む
水溶液150重量部を60分間にわたって滴下した後、
さらに60分間80℃に保った状態で反応を続けた。そ
の結果、共重合ポリエステル水系分散体に存在したサブ
ミクロンオ−ダ−の粒子径の共重合体は合体粒子成長
し、平均粒径5.2μm、直径をDとした場合に0.5
D〜2Dの範囲の粒径を有する粒子の占有率92重量%
のポリエステル樹脂粒子を得た。得られたポリエステル
樹脂粒子に水を添加して25重量%のポリエステル樹脂
粒子水分散体(B1)を得た。以下同様にして共重合ポ
リエステル樹脂(A2)〜(A5)よりポリエステル粒
子水分散体(B2)〜(B5)を得た。
【0019】(染色)染色試験機ミニカラ−[テクサム
技研]に得られたポリエステル粒子水分散体(B1)1
00重量部、分散染料スミカロン・タ−コイズトブル−
S−GL(C.I.DISPERSE BLUE 6
0)[住友化学製]10重量部を仕込み、3℃/分のに
て130℃まで昇温し、130℃にて60分間保持した
後、室温まで水冷、洗浄、脱水の後48時間真空乾燥し
着色ポリエステル粒子(C1)を得た。以下同様にして
ポリエステル粒子水分散体(B2)〜(B5)より着色
粒子(C2)〜(C5)を得た。
【0020】(耐光堅牢度評価)得られた着色粒子5重
量部と直径約70ミクロンのフェライト系球状粒子F−
100[パウダ−テック社製]95重量部とをガラス瓶
に入れ、ストロ−ク30cmにて約200回シェイクし
た。この操作により着色粒子は負極性に帯電したことが
箔検電器により確認された。45度の角度に保持された
アルミ板状に白色紙を固定し、アルミ板に+約1kVの
電圧を印加した。次いで斜めに保持されたアルミ板の上
端側より白色紙上に前記着色粒子とフェライト粒子の混
合物を振りかけた。着色粒子はその静電荷により白色紙
に付着した。着色粒子の付着した紙を130℃のドライ
オ−ブンにいれ、5分間加熱することにより着色粒子を
紙に溶融固着させ試験片とした。紙上の粒子層の厚みを
重量換算により求め、アルミ板への印可電圧を調整する
ことにより、厚みが約5ミクロンとなるように規格化し
た。得られた試験片の色度座標(CIELAB)を色彩
色度計CR−210[ミノルタ社製]を用いて測定、紫
外線暴露試験(フェ−ドメ−タ:カ−ボンア−ク灯照射
20時間、照射環境温度63℃)後に再度測定して色差
ΔEを求めた。結果を後記の表2.に示す。結果はN=
5の平均値を小数点以下を四捨五入して表示した。
【0021】
【比較例2】MA/BPP樹脂粒子(A6) 温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、ビスフェ
ノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物70重量部、無
水マレイン酸19.6重量部、ハイドロキノン0.2重
量部を仕込み、反応系内に窒素ガスを導入し不活性雰囲
気に保ち、0.05重量部のジブチル錫オキサイドを加
え200度にて反応させポリエステル樹脂(A6)を得
た。ポリエステル樹脂(A6)の組成、数平均分子量を
表1.に示す。 得られたポリエステル樹脂をフリ−ザ
−ミルにて平均粒子径8μmまで微粉砕した。得られた
樹脂粉末100重量部と、タモ−ル系分散剤ミグノ−ル
802[一方社油脂工業(株)製]10重量部、ラルリ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部とを38
0重量部の脱イオン水に入れ、超音波洗浄器と撹拌機を
併用して樹脂粉末の水分散体を得た。得られた樹脂粒子
の水分散体を実施例と同様の方法にて染色した。染色後
の樹脂粒子は加熱下に再凝集を生じ樹脂塊と化した。得
られた着色樹脂塊をフリ−ザ−ミルにて再粉砕し、実施
例と同様の方法にて白色紙上に塗布し、紫外線暴露試験
を行った。結果を表2.に示す。
【0022】
【実施例5】実施例1において得られた共重合ポリエス
テル樹脂(A1)を用い、染料として ・スミカロン・ブリリアントブル− S−BL (C.I.DISPERSE BLUE 87)[住友化学製] ・スミカロン・ブリリアント・レッド F−BL (C.I.DISPERSE RED 60)[ 三井東圧染料製] ・ミケトン・ポリエステルレッド SE−BL (C.I.DISPERSE RED 92)[ 三井東圧染料製] ・ミケトン・ポリエステル・レッドヴァイオレット 4
RL (C.I.DISPERSE VIOLET 35)[三井東圧染料製] ・スミカロン・ボルド− SE−BL (C.I.DISPERSE VIOLET 26)[住友化学製] ・ミケトン・ファストイエロ− GL (C.I.DISPERSE YELLOW 33)[三井東圧染料製] ・ミケトン・ポリエステルイエロ− 5GF (C.I.DISPERSE YELLOW 198)[ 三井東圧染料製] を用い、同様に染色し、試験片を作製、紫外線暴露試験
を行った。結果を表3.に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による樹
脂粒子は、染料着色された場合において良好なる耐光堅
牢度を有するものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明においては多価アルコ−ル成分とし
てトリシクロデカン骨格を有する脂環族ジオ−ルを用い
る。該脂環族ジオ−ルとしては下記化1にて示される化
合物、ならびにそれらの誘導体を例示することができ
る。
【化1】 化1の式中R1 、R2 は水酸基、および/または炭素数
1〜8のヒドロキシアルキレン基、および/または炭素
数1〜4のヒドロキシアルキレン基にアルキレンオキシ
ドを1〜10mol 付加した基、を示すものであり、本発
明においては R1 、R2 がともにメチロ−ル基である
トリシクロデカンジメチロ−ルの使用が好ましい。該脂
環族ジオ−ルは多価アルコ−ル成分の0.5mol %以上
90mol %以下の範囲が必須であり、5mol %以上70
mol %以下の範囲が好ましく、10mol %以上50mol
%以下の範囲がさらに好ましい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】0.5mol %以上90mol %以下の範囲に
    おいてトリシクロデカン骨格を有する脂環族ジオ−ルを
    含有する多価アルコ−ルと、多価カルボン酸との縮合に
    より得られるポリエステル樹脂を主構成成分とし、平均
    粒子径Dが0.2μmから50μmの範囲であり、0.
    5Dから2.0Dの粒子径範囲に全体の80重量%以上
    の粒子が含まれることを特徴とする樹脂粒子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0706992A1 (de) * 1994-10-15 1996-04-17 Röhm GmbH Biologisch abbaubare, als Schmierstoff geeignete Oligoester
JP2012067303A (ja) * 2010-04-20 2012-04-05 Nippon Bee Chemical Co Ltd 塗料組成物、接着剤組成物、ポリウレタンフォーム、樹脂粒子、化粧料、艶消し塗料組成物、アクリル系単量体、エネルギー線硬化型塗料及びエネルギー線硬化型接着剤組成物
CN103833993A (zh) * 2012-11-21 2014-06-04 财团法人工业技术研究院 非晶系共聚酯、基材、及光学膜

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