JP4066009B2 - プライマー用樹脂組成物及び塗装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、硬化性樹脂組成物に関し、土木建設・建築分野において、特に、天井、床、壁面、躯体等の構造物基盤上のプライマーとして有用な樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート、アスファルト、木質材などの基盤上に高分子塗装材を塗装するに当たり、溶剤希釈型の一液性湿気硬化型ウレタンプライマーを基盤に直接塗布するか、セメントモルタル、ラテックスセメントモルタルやエマルジョンセメントモルタルなどの表面処理層に塗布して硬化させる方法が周知である。
【0003】
しかしながら、コンクリート表面に直接塗布する場合には、コンクリート表面が湿潤状態や、エフロを多発した状態ではプライマーの含浸性が悪く塗装材の接着不良を引き起こし、低温時にはプライマーの乾燥時間が非常に長くなるという問題がある。また、セメントモルタル、ラテックスセメントモルタルやエマルジョンセメントモルタルなどの表面処理層に塗布する場合には、硬化に時間が掛かり塗装直後に降雨を浴びると流失し、硬化不良を起こす欠点や、強度発現に時間がかかり特に冬場の様に低温時には硬化不良を引き起こす欠点などがあり、加えて硬化した表面処理層と塗装体、特にアスファルト舗装体との接着界面部分で感熱強度差が大きく施工後夏場の蓄熱により剥離現象を生じる欠点などがある。
【0004】
更に、砥の粉等による目止め処理を行う木質材の場合には、目止め処理した砥の粉部分で一液性湿気硬化型ウレタンプライマーが発泡現象を生じ剥離を生じ、使用プライマーが溶剤系のため溶剤揮散による施工周囲への悪臭が飛散し、玄関口、便所、室内等の密閉系では溶剤中毒の発生などの欠点がある。
【0005】
尚、(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体を含有する重合性樹脂組成をプライマーとして硬質基盤上に塗装する場合、通常の空気中では硬化阻害を引き起こし塗装表面が乾燥しない大きな問題があり、表面硬化性を確保するためワックスを添加する処方が取られているが、かかる表面に塗装材を塗装する場合には表面部分のワックスを除去しなければならない不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に下地基盤の表面処理後の養生時間を長く採る必要が無く、ワックスを添加しないために硬化表面のワックス除去の必要が無く、塗装材との接着性に優れ、乾燥時間が短く、施工効率を大幅に向上させ得るプライマーを提供し、また剥離現象を生じない塗装体をも提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、(A)飽和または不飽和ポリエステルのカルボキシル基と不飽和グリシジル化合物のエポキシ基とを付加反応せしめた分子内に活性水素基を有し、かつ末端に(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及びエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応して得られる分子内に活性水素基及び(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート(a−2)、(B)常温で液状である(メタ)アクリロイル基含有エチレン性不飽和単量体および(C)ポリイソシアネート化合物を含有してなるプライマー用樹脂組成物および基盤上に上記樹脂組成物を塗布し硬化させ、次いで高分子塗装材を塗装してなる塗装体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において使用する、分子内部に活性水素基を有し、かつ分子末端に(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)としては、好ましくは飽和または不飽和ポリエステルのカルボキシル基と不飽和グリシジル化合物のエポキシ基とを付加反応せしめた飽和又は不飽和ポリエステル(メタ)アクリレートと指称されるものの単独もしくは混合物からなり、好ましくは分子量500以上で、二重結合力価が250以上を有してなるものであり、重合性不飽和モノマーを併用して使用するのが望ましい。
【0009】
尚、併用され得る重合性不飽和モノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラプロムフタレート等のアリルモノマー類;アクリルニトリル、グリシジルメタクリレート、n−メチロールアクリルアミド−ブチルエーテル、n−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド等の他のモノマーも併用することができる。しかし、臭気や環境汚染を考慮すると、後述するエチレン性不飽和単量体(B)が25mmHgの減圧時に沸点100℃以上で、且つ常温で液状である(メタ)アクリロイル基含有化合物が好ましい。
【0010】
即ち、ポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)とは、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含有する飽和もしくは不飽和ポリエステルの単独もしくはそれと重合性不飽和モノマーとの混合溶液をいう。重合性不飽和モノマーを併用する場合、該ポリエステル(メタ)アクリレートの含有量は30〜60重量%が好適である。尚、該ポリエステル(メタ)アクリレートの構成成分であるポリエステルは、グリコール成分、必要によりトリオール成分と二塩基酸、必要により三塩基酸成分とのエステル反応により得られるものである。その際、必要により、モノエポキシ化合物やポリエポキシ化合物を併用してもよい。
【0011】
上記ポリエステルの原料となるグリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等に代表されるアルキレングリコール類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等に代表されるポリアルキレングリコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA等に代表される2価フェノールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加反応生成物などがある。
トリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオールなどがある。テトラオール単位としてはペンタエリスリトール、ジグリセロール、1,2,3,4−ブタンテトラオールなどがある。
【0012】
二塩基酸(無水物)としては、O−フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロルフタル酸、テトラブロモフタル酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,1,2−ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハイミッタ酸、ヘット酸などがあり、3塩基酸単位としては、トリメリット酸、アコニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カルボキシ−3−メチル−1,2,3,6−ヘキサヒドロフタル酸などがあり、4塩基酸単位としてはピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などがある。
【0013】
モノエポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、スチレンオキサイド、フェニルダリシジルエーテルなどが挙げられる。また、ポリエポキシ化合物としては、いわゆるジエポキシ化合物を好適に使用することができ、例えば日刊工業新聞社発行プラスチック材料講座1「エポキシ樹脂」(昭和11年5月10日発行、縞本邦之編著)第19頁〜第48頁に記載されたエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0014】
上記ポリエステル(メタ)アクリレートの製法としては、例えばグリコール、必要により3価アルコールと(メタ)アクリル酸及び二塩基酸、必要により3価以上の多塩基酸とのエステル化反応による方法が一般的であるが、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を有する化合物と二塩基酸、必要により3価以上の多塩基酸とのエステル化による製造方法でもよい。
【0015】
上記ポリエステル(メタ)アクリレートの構成成分となる不飽和ポリエステルとは、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物と芳香族飽和二塩基酸またはその酸無水物と、グリコール類の重縮合によって製造され、場合によって酸成分として脂肪族あるいは脂肪族飽和二塩基酸を併用して製造されるものが挙げられる。
【0016】
上記のα,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等である。
芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、脂肪族或いは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、それぞれ単独或いは併用して使用される。
【0017】
グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA,エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、単独或いは併用して使用されるが、そのほかにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の付加物も同様に使用できる。また、グリコール類と酸成分の一部として水酸基又はカルボキシル基を有するポリエチレンテレフタレート等の重縮合物も使用できる。
【0018】
不飽和グリジジル化合物としては、アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和一塩基酸のグリシジルエステル、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等があり、グリシジルアクリレートが好ましい。
【0019】
本発明でのポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)の数平均分子量は、好ましくは1000〜3000、特に好ましくは1500〜2800である。その分子量が1000〜3000であれば、得られる硬化物の粘着性がなくなり、強度物性も高く、また硬化時間が短く生産性に優れる。
【0020】
本発明において使用し得る、分子内に活性水素基及び(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート(a−2)とは、ポリエポキシ化合物のエポキシ基を不飽和一塩基酸のカルボキシル基と当量比で1対2となるよう反応せしめて得られる不飽和エポキシ化合物と称されるものの単独もしくは混合物からなるものである
【0021】
即ち、該エポキシ(メタ)アクリレート(a−2)とは、好ましくはビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独又はビスフェノールタイプのエポキシ樹脂とノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹脂が選択され、その平均エポキシ当量が好ましくは150から450の範囲にあるエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られるものである。
【0022】
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂として代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応により得られるジメチルグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂あるいはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン若しくは、メタルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂などである。また、上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂などがある。
【0023】
上記不飽和一塩基酸として代表的なものには、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブテンマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどがある。なお、これらの不飽和−塩基酸は単独でも、2種以上混合しても用いられる。かかる不飽和一塩基酸としては(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0024】
上記エポキシ樹脂と不飽和−塩基酸との反応は、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは80〜120℃の温度においてエステル化触媒を用いて行われる。
【0025】
エステル化触媒としては、たとえばトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン若しくはジアザビシクロオクタンなどの如き三級アミン、;あるいはジエチルアミン塩酸塩などの如き公知の触媒がそのまま使用できる。
【0026】
本発明でのエポキシ(メタ)アクリレート(a−2)の数平均分子量は、好ましくは900〜2500、特に好ましくは1300〜2200である。かかる分子量が900〜2500であると、得られる硬化物の粘着性がなく、強度物性も高く、また硬化時間が短く生産性も高い。
【0027】
本発明で用いられる(A)成分であるポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及びエポキシ(メタ)アクリレート(a−2)には、空気硬化性(空乾性)を付与する目的で空乾性付与型重合体を添加することができる。
【0028】
かかる空乾性付与型重合体とは、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂等に空乾性成分を導入することにより得られるものである。
不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂等に必須成分として空乾性成分を導入する方法としては、次のものが挙げられる。
(1)グリコール成分として-0-CH2-CH=CH2 で示されるアリルエーテル基を含有する化合物を併用することにより分子内に導入する。
(2)酸成分に環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体を含有する化合物を併用することにより分子内に導入する。
(3)ジシクロペンタジエンを含有する化合物を併用することにより分子内に導入する。
(4)乾性油やエポキシ反応性希釈剤を併用して反応せしめることにより導入する。
【0029】
上記アリルエーテル基含有化合物としては、公知のものがいずれも使用できるが、その代表的なものとしては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどの多価アルコール類のアリルエーテル化合物、アリルグリシジルエーテルなどの如きオキシラン環を有するアリルエーテル化合物などが挙げられる。
【0030】
空乾性付与型重合体としての不飽和ポリエステルやビニルエステル樹脂のグリコール成分として他に併用するものとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブチンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA,水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、単独あるいは併用される。その他のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。また、グリコール類と酸成分の一部としてポリエチレンテレフタレート等の重縮合物も使用できる。
【0031】
また、上記環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体からなる化合物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、α−テルヒネン−無水マレイン酸付加物、ロジン、エステルガム等がある。
【0032】
また、これらと単独あるいは混合して使用するα、β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれらのエステル等があり、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アセライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、それぞれ単独あるいは併用される。 さらにグリコールと酸より合成される不飽和アルキッド樹脂の末端カルボキシル基とグリシジル基を有する反応性モノマーを反応させて得られる樹脂も使用できる。グリシジル基を有する反応性モノマーの代表的なものとしてグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等がある。
【0033】
シス−3−メチル−4−シクロヘキセン−シス−1,2−ジカルボン酸とその無水物(β−PMAAと略記する。)も使用でき、これらはトランス−ピペリレンとマレイン酸無水物との付加物あるいはこの付加物の中の酸無水基が開環したものである。ジシクロペンタンジエンを含有する化合物の代表的なものとしては、ヒドロキシ化ジシクロペンタンジエン等が挙げられる。
【0034】
乾性油としては、アマニ油、大豆油、綿実油、落花生油、やし油など、あるいはこれらの脂肪油とグリセリンなどの多価アルコールとの反応物等がある。
【0035】
また、エポキシ反応性希釈剤としては、モノエポキシ化合物、ポリエポキシ化合物等がある。前者としてはアリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタアクリル酸エステル、カージュラE等があり、後者としてはユノックス206、エピコート812、DGE、BDO等がある。
【0036】
本発明での(A)成分には、主成分である、分子内に活性水素基を有し、かつ末端に(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及び前記エポキシ(メタ)アクリレート(a−2)の他に、硬化収縮を低減する目的で低収縮剤を添加することができる。かかる低収縮剤としては、熱可塑性樹脂が望ましく、具体的には、メチルメタクリレートエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエスル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの単量体の単独重合体又は共重合体類、前記ビニル単量体の少なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イソビニルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリレート又はメタクリレート、アクリニトリル、メタクリルロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、セチルステアリルメタクリレートよりなる単量体の少なくとも1種の共重合体などのほかセルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、飽和ポリエステル等を挙げることができる。
【0037】
前記ポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及び前記エポキシ(メタ)アクリレート(a−2)を製造する際には、ゲル化を防止する目的や、生成樹脂の保存安定性あるいは硬化性の調整の目的で重合禁止剤を使用することが推奨される。ここで、使用される上記重合禁止剤として代表的なものを挙げれば、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール類:p−ベンゾキノン、ナフトキノン若しくはp−トルキノンなどのキノン類;ナフテン酸銅の如き銅塩などがある。
【0038】
本発明に係わる、前記ポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及び前記エポキシ(メタ)アクリレート(a−2)からなる(A)成分には、硬化剤、硬化促進剤、増粘剤、低収縮剤、ワックス等を添加してもよいが、特に硬化剤や硬化促進剤を含有することは乾燥性の面で好ましい。
【0039】
かかる硬化剤には、有機過酸化物が挙げられる。具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知のものが単独もしくは2種以上で使用され、混練条件、養生温度等で適宜選択される。その添加量は通常使用されている量であり、好ましくは(A)成分のポリエステルアクリレート(a−1)及び不飽和エポキシ化合物(a−2)100重量部に対して0.01〜4重量部である。
【0040】
また、硬化促進剤、すなわち硬化剤の有機過酸化物をレドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を容易にする作用のある物質としては、例えばコバルト系、バナジウム系、マンガン系等の金属石鹸類、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩、メルカプタン類等がある。
【0041】
本発明でのエチレン性不飽和単量体(B)とは、上記(A)成分と架橋反応可能な不飽和モノマーあるいは不飽和オリゴマー等が挙げられ、スチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート等のアリルモノマー類;(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体等が挙げられる。これらの1種若しくは2種以上を用いることができる。
【0042】
(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸アクリル酸2−ハイドロキシエチル、アクリル酸2−ハイドロキシプロピル、アクリル酸β−エトキシエチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、シクロヘキシルアクリレート、2―シアノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシメチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2ヒドロ気シー3−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドルフリフラルアクリレート、イソ・ボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸2−ハイドロキシエチル、メタアクリル酸2−ハイドロキシプロピル、フェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、ノニルフェノキシプロピルアクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリカプロラクトンアクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート、アクリロイルオキシサクシネート、アクリルニトリル、グリシジルメタクリレート、n−メチロールアクリルアミド−ブチルエーテル、n−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド、などが挙げられる。
【0043】
また、樹脂硬化物の表面乾燥性を向上させるジシクロペンタンジエン、シリシクロデカン、トリアジンの各誘導体、例えばジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアクリレート等も挙げられる。
【0044】
本発明に於けるエチレン性不飽和単量体(B)としては、塗装材との接着性に優れ、乾燥時間が短く、施工性に優れる組成物をもたらすことができ、しかも施工時に悪臭の揮散がない25mmHgの減圧時に沸点100℃以上、好ましくは120℃以上のものが好適である。特に沸点120℃以上の(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体を使用すると、上記(A)成分との共重合性がよく、硬化時間が短くなり、しかも悪臭の揮散がないというメリットがある。かかる(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、とりわけフェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチルメタクリレートが入手の簡便さからもっとも好適である。
【0045】
本発明の(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体には、多官能不飽和モノマーとして、一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物も使用できる。かかるモノマーとしては、硬化物表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐摺動性、耐薬品性等を向上される目的で好ましく使用され、好ましくは、多官能の(メタ)アクリル酸エステルモノマーであり、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ−(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、ジシクロペンテニルメタアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアクリレート等が挙げられる。むろん架橋反応時の共重合性は少し劣るが、これ以外のビニルモノマーを併用してもよい。例えば、スチレン、酢酸ビニル、ビニルトルエン、αメチルスチレン、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテトラプロムフタレート等のアリルモノマー類;アクリルニトリル、グリシジルメタクリレート、n−メチロールアクリルアミド−ブチルエーテル、n−メチロールアクリルアミド、アクリルアミド等の硬質モノマー類が挙げられ単独で、又は2種以上の併用で用いられる。
【0046】
本発明の(メタ)アクリロイル基を含有するエチレン性不飽和単量体(B)の使用量は(A)成分との合計に於いて40〜70重量%が好適である。
【0047】
本発明に使用する(C)ポリイソシアネート化合物とは、ポリウレタン業界で公知の多価イソシアネート化合物を好適に使用することができ、例えば日刊工業新聞社発行プラスチック材料講座2「ポリウレタン樹脂」(昭和44年6月30日発行、岩田敬治著)第46頁、第175〜178頁記載の多価イソシアナート化合物で、有機ポリイソシアネ−トとして、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ−ト(TDIと略す)、65/35−TDI、80/20−TDI、4,4´ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDIと略す)、ジアニシジンジイソシアネ−ト、トリデンジイソシアネ−ト、メタキシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、水添化MDI、水添化TDIなどの如き芳香族ジイソシアネート類、脂環族ジイソシアネート類の中より選ばれた有機ポリイソシアネート化合物、もしくは、これらの単独あるいはこれらの混合物よりなるものと、分子末端に2個以上の水酸基を有する化合物で、例えば、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリアミドポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリカプロラクトンポリエステルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類、ポリペンタジエンポリオール類、ひまし油系ポリオール、低分子量ジオール類、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ズルシトールなどより選ばれたものであり、好ましくは、ポリエーテルポリオール類、ポリブタジエンポリオール類で、好ましくは分子量200〜10000程度のものでジオールとトリオールを組み合わせて反応して得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用することが出来る。かかるウレタンプレポリマーとしては、有機ポリイソシアネート化合物の単独あるいはこれらの混合物よりなるものと、分子末端に2個以上の水酸基を有する化合物とをNCO/OHの当量比1.5〜60.0、より好ましくは1.5〜50.0で反応させたもので、遊離イソシアネート基含有率が2〜30重量%、好ましくは6〜25重量%のものが好ましい。特に有機ポリイソシアネ−ト化合物としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびそのウレタンプレポリマーが低臭気性を有するもとして好適に使用出来る。
【0048】
ポリイソシアネート化合物(C)の使用量は(A)と(B)の合計100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。
【0049】
本発明の樹脂組成物は、種々の用途に使用できるが、特に土木建設・建築分野において、天井、床、壁面、躯体等の構造物基盤上のプライマーとして有用である。かかる基盤としては、構造物の、天井、床、壁面、躯体等のセメントコンクリート、モルタル、PC板、ALC板、アスファルト舗装体、木、金属等が好適である。
【0050】
本発明の樹脂組成物をプライマーとして使用する場合、用途によって異なるものの基盤上に好ましくは50〜300g/m程度で使用されるのが適当である。
【0051】
本発明の樹脂組成物が基盤上にプライマーとして塗布され、硬化された場合、その上に種々の塗装材が更に被覆される。その際の塗装材としては、一般塗料工業、建築工業、自動車工業、電気製品工業等で使用されているアクリル樹脂塗装材、ウレタン樹脂塗装材、アルキッド樹脂塗装材、塩化ビニル樹脂塗装材、エポキシ樹脂塗装材等の高分子塗装材より選定されるものであれば任意に単独でもしくは組み合わせて好適に使用出来る。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明を実施例と比較例で詳細に説明するが、文中「部」、「%」は特に断わりのない限り重量基準である。
【0053】
評価項目として、低温での接着剤組成物及び接着層皮膜の硬化状態をみるために1.硬化特性測定法、2.表面乾燥性試験法、3.耐水性試験を実施した。
【0054】
合成例―1〔エポキシ(メタ)アクリレートの調製〕
温度計、撹拌機および冷却器を具備した三ツ口フラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量が470なる「エピクロン1050」〔大日本インキ化学工業(株)製のエポキシ樹脂〕の4600g(エポキシ基10個相当分)、メタクリル酸の860g(カルボキシル基10個相当分)、ハイドロキノンの1.36gおよびトリエチルアミンの10.8gを仕込んで120℃まで昇温させ、同温度で10時間反応を続けた処、酸価が3.4で、二重結合力価540でかつ色数が2なる液状エポキシ(メタ)アクリレートを得た。
【0055】
合成例―2〔飽和ポリエステルアクリレートの調製〕
ジエチレングリコール3モル、トリエチレングリコール7モル、オルソフタル酸10モル、トルハイドロキノン50ppmを200〜20℃で加熱縮合し、酸価27になった時点で140℃まで冷却した。次にグリシジルメタクリレート2モルを仕込み140℃で9時間反応して二重結合力価1479の飽和ポリエステルアクリレートを得た。
【0056】
合成例―3〔空乾性付与型不飽和ポリエステルの調製〕
β−PMAA2.0モル、フマル酸2.5モル、ジエチレンリコール5.25モルを公知の条件で加熱脱水縮合させて二重結合力価453、酸価17の不飽和ポリエステルを得た。
【0057】
合成例―4〔ウレタンプレポリマーの調製〕
温度計、撹拌機および冷却器を具備した三ツ口フラスコにポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製商品名ミリオネートMR−200)800重量部、分子量4800のポリオキシプロピレントリオール(旭硝子(株)商品名エクセノール820)200重量部を秤量し、80℃、3時間反応させて遊離NCO%が24.7%、粘度900mPa・secのウレタンプレポリマーを得た。
【0058】
実験の手順、及び結果について説明する。
<試験方法>
【0059】
1.硬化特性測定法
200ccのポリエチレン製カップに樹脂組成物100重量部を秤量し、130°Fワックス0.05重量部を溶解させた後、BPOペースト(50%)2重量部、ジメチル・パラトルイジン0.3重量部を添加混合して20℃の恒温糟内でゲル化するまでの時間を測定した。
【0060】
2.表面乾燥性試験法
樹脂組成物を20℃の恒温温湿室内でスレート板上に0.064mmの3MILアプリケーターを用いて塗装し、表面乾燥性について指触試験を実施した。評価方法は脱脂綿約2〜3cm2を塗膜表面に押しつけても、脱脂綿が粘着によって塗膜表面に残らなくなるまでの時間を測定した。
【0061】
3.耐水性試験法
乾燥試験で得られたスレート板試験片を50℃温水中に5日間浸漬し、塗膜表面の変色度、表面形状変化、溶出有無等を測定した。
【0062】
実施例1〜4
前記合成例で得られた各樹脂を用い、温度約70℃で表−1に示す配合で溶解させて表−1の樹脂組成物を得た。樹脂組成物100PHRに対し、BPOペースト(50%)3PHR、ジメチル・パラトルイジン0.3PHRを200mlポリカップに採取し、BPOペースト(50%)2PHR、ジメチル・パラトルイジン0.1PHRを添加し硬化試験、乾燥性試験、耐水性試験に供した。その試験結果は表―1に記載した。
【0063】
比較例1〜3
実施例1〜4に使用した樹脂を用い、モノマー組成、ポリイソシアネート化合物を変更して実施例と同様に溶解させて表―2〜4の樹脂を得た。
この樹脂を実施例1〜4と同様に樹脂100PHR に対し、BPOペースト(50%)3PHR 、ジメチル・パラトルイジン0.3PHR、を200mlポリカップに採取し、BPOペースト(50%)2PHR、ジメチル・パラトルイジン0.1PHRを添加し硬化試験、乾燥性試験、耐水性試験に供した。試験結果は表―2に記載の通り
【0064】
【表1】
表―1 実施例の配合及び試験結果
Figure 0004066009
【0065】
【表2】
表―2 比較例の配合及び試験結果
Figure 0004066009
【0066】
試験の結果、実施例1〜4の結果は表―1から分かるように、硬化特性及び表面乾燥性とも優れ、作業性に優れることを示している。また耐水性も温水に影響されずに良好な状態である。
【0067】
比較例−1は合成例―1の樹脂に硬化性の高いモノマーを用いたものだが、臭気が特に強く密閉場所の塗布作業には困難であり、硬化表面もべたつきを有し、耐水試験で塗膜が白化することが分かる。
【0068】
比較例―2は合成例―2の単独系に反応性の高いモノマーを使用したものだが臭気、耐水性は解決されなかった。
【0069】
比較例―3は臭気が強く、表面乾燥性に劣り耐水性については溶出するものであった。
【0070】
以上の結果から、比較例のものは、表面にベタツキやタックが残り、耐水性試験では白化が見られた。他方、本発明のものは、ワックスを添加することなく表面のベタツキやタックも生じないものとなり、耐水性試験に於いても白化や溶出を生じない、格段に優れたものであることがわかる。
【0071】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、表面のベタツキやタックも生じないものとなり、耐水性試験に於いても白化せず表面のベタツキやタックも生じないものとなり、格段に優れたものである。

Claims (5)

  1. (A)飽和または不飽和ポリエステルのカルボキシル基と不飽和グリシジル化合物のエポキシ基とを付加反応せしめた分子内に活性水素基を有し、かつ末端に(メタ)アクリレート基を有するポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)及びエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応して得られる分子内に活性水素基及び(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート(a−2)、(B)常温で液状である(メタ)アクリロイル基含有エチレン性不飽和単量体および(C)ポリイソシアネート化合物を含有してなるプライマー用樹脂組成物。
  2. 前記ポリエステル(メタ)アクリレート(a−1)/前記エポキシ(メタ)アクリレート(a−2)の重量比率が80〜20/20〜80である請求項1記載のプライマー用樹脂組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート化合物(C)が、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート化合物からなる末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである請求項1または2記載のプライマー用樹脂組成物。
  4. 前記エチレン性不飽和単量体(B)が、フェノキシアルキルメタクリレートである請求項1〜のいずれか記載のプライマー樹脂組成物。
  5. 基盤上に請求項1〜のいずれか記載のプライマー用樹脂組成物を塗布し硬化させ、次いで高分子塗装材を塗装してなる塗装体。
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