JP6252019B2 - ラジカル重合性樹脂組成物及び土木建築材料 - Google Patents

ラジカル重合性樹脂組成物及び土木建築材料 Download PDF

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Description

本発明は、表面乾燥性及び耐汚染性に優れる塗膜を与えるラジカル重合性樹脂組成物に関する。
道路舗装等の土木建築業界では、工期短縮や施工時の臭気の改善に対応するため、不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等のラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性単量体を含有するラジカル重合性樹脂組成物が広く利用されている(例えば、特許文献1を参照。)。
前記ラジカル重合性樹脂組成物は、優れた引張強度やスプレー適正を有するものの、塗膜の表面乾燥性や耐汚染性についてはより一層の改善が求められている。これは、前記ラジカル重合性樹脂組成物に含有されるラジカル重合性樹脂の反応性の低さに起因していると考えられ、未反応のラジカル重合性樹脂が塗膜表面に偏析し、塗膜の表面乾燥性及び耐汚染性の低下につながっているものと推測される。
特開2011-231231
特開2011−231231号公報
本発明が解決しようとする課題は、表面乾燥性及び耐汚染性に優れる塗膜を与えるラジカル重合性樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく研究を進める中で、ラジカル重合性樹脂及びラジカル重合性単量体に添加する添加剤に着目し、鋭意研究を進めた。
その結果、水酸基及び不飽和基を有するラジカル重合性樹脂並びにラジカル重合性単量体に対し、シクロデキストリン及び/又はその誘導体を添加することによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水酸基及び不飽和基を有するラジカル重合性樹脂(A)、ラジカル重合性単量体(B)、並びに、シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)を含有することを特徴とするラジカル重合性樹脂組成物、及びそれを用いて得られた土木建築材料を提供するものである。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、表面乾燥性及び耐汚染性に優れる塗膜を与えることができる。従って、本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、工場、倉庫、クリーンルーム等の床材;舗装材、防水材、塗料、プライマー、壁面コーティング材、道路マーキング材、注入材、シール材、注型品、積層品、接着剤、ライニング材、波平板等の土木建築材料などの製造に好適に使用することができる。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、水酸基及び不飽和基を有するラジカル重合性樹脂(A)、ラジカル重合性単量体(B)、並びに、シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)を必須成分として含有するものである。
前記ラジカル重合性樹脂(A)における不飽和基は、ラジカル重合を行うためのものである。また、前記ラジカル重合性樹脂組成物における水酸基は、シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)が有する水酸基と水素結合を形成し、ラジカル重合性樹脂(A)を塗膜内部に沈降させやすくするものであり、優れた表面乾燥性及び耐汚染性を付与する上で必須のものである。
前記ラジカル重合性樹脂(A)としては、具体的には、例えば、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、水酸基を有するウレタン(メタ)アクリレート等を用いることができる。これらの樹脂は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記不飽和ポリエステルとしては、例えば、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸と多価アルコールとを従来公知の方法で反応させて得られるものを用いることができる。
前記α,β−不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記α,β−不飽和二塩基酸以外に用いることができる二塩基酸としては、飽和二塩基酸を用いることができ、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を用いることができる。これらの多価アルコールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール型エポキシ化合物又はビスフェノール型エポキシ化合物とノボラック型エポキシ化合物とを混合したエポキシ化合物と、不飽和一塩基酸とを従来公知の方法で反応して得られるものを用いることができる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフェノールFとの反応により得られる1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフェノールFとを反応させて得られるジメチルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポキ化合物等を用いることができる。これらのエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ノボラックタイプ型エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポキシ化合物等を用いることができる。これらのエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記不飽和一塩基酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブテンマレート、ソルビン酸、モノ(2−エチルヘキシル)マレート等を用いることができる。これらの不飽和一塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルを用いることができる。前記飽和ポリエステルは、飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させたものであり、また、前記不飽和ポリエステルとは、α,β−不飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させたものであり、いずれも末端に(メタ)アクリロイル基を有するものである。
前記飽和二塩基酸、α,β−不飽和二塩基酸及び多価アルコールは、前記不飽和ポリエステルの合成に用いるものと同様のものを用いることができる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートの製造方法としては、飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルとグリシジル(メタ)アクリレートと公知の方法により反応する方法が挙げられる。
前記水酸基を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物及び多価アルコールを従来公知の方法で反応させて得られるものを用いることができる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、カプロラクトンポリオール、ブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、メチレンジフェニルジシソシアネートのホルマリン縮合体、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体等の芳香族系ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル化合物」とは、アクリル化合物とメタクリル化合物の一方又は両方をいう。
前記多価アルコールは、前記不飽和ポリエステルの製造に用いるものと同様のものを用いることができる。
前記ラジカル重合性樹脂(A)の数平均分子量としては、塗膜の引張物性、耐汚染性及び表面乾燥性をより一層向上できる点から、500〜10,000の範囲であることが好ましく、800〜5,000の範囲がより好ましく、1,000〜3,000の範囲が更に好ましい。なお、前記ラジカル重合性樹脂(A)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
前記ラジカル重合性単量体(B)としては、例えば、メチル、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル単量体;ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の沸点が100℃以上の(メタ)アクリル単量体等を用いることできる。これらの単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低臭性をより一層向上できる点から、沸点が100℃以上の(メタ)アクリル単量体を用いることが好ましい。
前記ラジカル重合性樹脂(A)と前記ラジカル重合性単量体(B)との質量比[(A)/(B)]としては、塗膜の引張物性、表面乾燥性、耐汚染性の点から、10/90〜90/10の範囲であることが好ましく、30/70〜80/20の範囲がより好ましい。
前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)は、反応性の低い前記ラジカル重合性樹脂(A)を塗膜内部に沈降させやすくするものであり、塗膜に優れた表面乾燥性及び耐汚染性を付与する上で必須の成分である。
前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)としては、例えば、シクロデキストリン;アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン等のシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したものなどを用いることができる。また、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格としては、6個のグルコース単位からなるα−シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ−シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ−シクロデキストリンのいずれも用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ラジカル重合性樹脂(A)及び前記ラジカル重合性単量体(B)との相溶性をより一層向上できる点から、シクロデキストリン誘導体を用いることが好ましく、アルキル化シクロデキストリンを用いることがより好ましい。
前記シクロデキストリン誘導体における他の官能基の置換度としては、前記ラジカル重合性樹脂(A)及び前記ラジカル重合性単量体(B)との相溶性の点から、0.3〜14個/グルコースの範囲であることが好ましく、0.5〜8個/グルコースの範囲であることがより好ましい。
前記アルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、メチル−α−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、メチル−γ−シクロデキストリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アセチル化シクロデキストリンとしては、例えば、モノアセチル−α−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン、モノアセチル−γ−シクロデキストリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ヒドロキシアルキル化シクロデキストリンとしては、例えば、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)の含有量としては、前記ラジカル重合性樹脂(A)及び前記ラジカル重合性単量体(B)との相溶性、引張物性、表面乾燥性及び耐汚染性をより一層向上できる点から、前記ラジカル重合性樹脂(A)及び前記ラジカル重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、0.5〜20質量部の範囲であることが好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物は、前記ラジカル重合性樹脂(A)、前記ラジカル重合性単量体(B)、並びに、前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤は、例えば、硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤、顔料、チキソ性付与剤、酸化防止剤、溶剤、充填剤、補強材、骨材、難燃剤、石油ワックス等を用いることができる。
前記硬化剤としては、常温での表面乾燥性の点から有機過酸化物を用いることが好ましく、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等を用いることができる。これらの硬化剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤は、前記硬化剤の有機過酸化物をレドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を容易にする作用のある物質であり、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等のコバルト有機酸塩、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸、バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジンのエチレンオキサイド付加物、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン;N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン化合物などを用いることができる。これらの硬化促進剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[合成例1]ウレタンメタクリレート(A−1)の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000のポリプロピレングリコールを500質量部、トリレンジイソシアネートを174質量部仕込み、窒素気流下80℃で4時間反応させた。イソシアネート基当量が600とほぼ理論値となったのを確認して、50℃まで冷却した。次いで、空気気流下でハイドロキノン0.07質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを66質量部、エチレングリコールを62質量部加え、90℃で5時間反応させた。イソシアネート%が0.1%以下となった時点でターシャリーブチルカテコールを0.07質量部加え、数平均分子量;1506のウレタンメタクリレート(A−1)を得た。
[合成例2]エポキシメタクリレート(A−2)の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ化合物(DIC株式会社製「エピクロン850」)を1,850質量部、メタクリル酸を860質量部、ハイドロキノンを1.36質量部、トリエチルアミンを10.8質量部仕込み、120まで昇温させ10時間させて、酸価3.5mgKOH/gのエポキシメタクリレート(A−2)を得た。
[合成例3]ウレタンメタクリレート(A−3)の合成
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び還流冷却器を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量1,000のポリプロピレングリコールを500質量部、トリレンジイソシアネートを174質量部仕込み、窒素気流下80℃で4時間反応させた。イソシアネート基当量が600とほぼ理論値となったのを確認して、50℃まで冷却した。次いで、空気気流下でハイドロキノン0.07質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを131質量部加え、90℃で5時間反応させた。イソシアネート%が0.1%以下となった時点でターシャリーブチルカテコールを0.07質量部加え、数平均分子量;1584のウレタンメタクリレート(A−3)を得た。
[実施例1]ラジカル重合性樹脂組成物の調製
合成例1で得られたウレタンメタクリレート(A−1)を30質量部、合成例2で得られたエポキシメタクリレート(A−2)を10質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートを60質量部、「メチル−β−シクロデキストリン」(純正化学株式会社製)を5質量部を混合、撹拌してラジカル重合性樹脂組成物を得た。
[実施例2〜3、比較例1〜3]
用いるラジカル重合性樹脂(A)の種類及び量、ラジカル重合性単量体(B)及びシクロデキストリン(C)の量を表1に変更した以外は、実施例1と同様にしてラジカル重合性樹脂組成物を得た。
[表面乾燥性の評価方法]
表面乾燥性は、ゲルタイム(GT)及びタックフリータイム(TF)の比[TF(分)/GT(分)]により以下のように評価した。
<ゲルタイム(GT)>
実施例及び比較例で得られたラジカル重合性樹脂組成物50質量部を25℃に調製した後、40質量%ベンゾイルパーオキサイド溶液を2質量部添加し混合し試験片とした。これを25℃の恒温槽に浸漬させ、この時点を基点をして、ゲルが発生して糸切れ状態になるまでの時間(分)を測定しゲルタイムとした。
<タックフリータイム(TF)>
前記試験片を25℃、湿度50%の環境試験室内にて、ガラス板上に厚さ0.25mmとなるように、アプリケーターで塗布した。この時点を基点として、塗膜の表面状態を指触で確認し、指に樹脂が付かなくなるまでの時間(分)を測定しタックフリータイムとした。
<表面乾燥性の評価>
「A」;2未満
「B」;2以上3未満
「C」;3以上
[耐汚染性の評価方法]
前記<タックフリータイム(TF)>の評価において、タックフリータイムを測定直後、及びタックフリー測定後30分毎に、塗膜にゴム栓を擦り付け、擦り付けたものが消しゴムで落とせるようになる時点を測定し、耐汚染性を以下のように評価した。
「A」;TF測定後に汚れを消しゴムで落とせる。
「B」;TF測定後2時間以内に汚れを消しゴムで落とせる。
「C」;TF測定後2時間経過後4時間経過前までに汚れを消しゴムで落とせる。
「D」;TF測定後4時間経過しても汚れを消しゴムで落とせない。
Figure 0006252019
本発明のラジカル重合性樹脂組成物である実施例1〜3は、表面乾燥性及び耐汚染性に優れる塗膜を与えることが分かった。
一方、比較例1はシクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)を含有しない態様であるが、塗膜の表面乾燥性及び耐汚染性が不良であった。
比較例2及び3は、ラジカル重合性樹脂(A)として水酸基を有しないものを用いた態様であるが、表面乾燥性が不良であり、耐汚染性も満足するものではなかった。

Claims (3)

  1. 水酸基及び不飽和基を有するラジカル重合性樹脂(A)、ラジカル重合性単量体(B)、並びに、シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)を含有するラジカル重合性樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性樹脂(A)が、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、水酸基を有するウ
    レタン(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の樹脂であり、前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)が、アルキル化シクロデキストリンであることを特徴とするラジカル重合性樹脂組成物。
  2. 前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体(C)の含有量が、前記ラジカル重合性樹脂(A)及び前記ラジカル重合性単量体(B)の合計100質量部に対して、0.5〜20質量部の範囲である請求項1記載のラジカル重合性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のラジカル重合性樹脂組成物を用いて得られたことを特徴とする土木建築材料。
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