JP7288167B2 - エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂、エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂並びに製造方法 - Google Patents
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Description
エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α)とモノエポキシ(メタ)アクリレート化合物(β)とを必須の反応原料として反応させて得られる、エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂であって、
前記ポリアミドイミド樹脂(α)が、酸基又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(A)と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を必須成分とするヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の酸無水物基開環条件での酸価が20~150mgKOH/gの範囲であること、を特徴とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂に関する。
前記ポリアミドイミド樹脂(α)が、酸基又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(A)と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を必須成分とするヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、を特徴とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の製造方法に関する。
エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α)とモノエポキシ(メタ)アクリレート化合物(β)とを必須の反応原料として反応させて、エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂を製造する工程を有すること、
前記ポリアミドイミド樹脂(α)が、酸基又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(A)と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を必須成分とするヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、を特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法に関する。
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)が、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B1)及びジヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B2)を含むことを特徴とするエチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂に関する。
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)が、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B1)及びジヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B2)を含むことを特徴とするエチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂の製造方法に関する。
本発明のエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂は、エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α)とモノエポキシ(メタ)アクリレート化合物(β)とを必須の反応原料として反応させて得られる、エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂であって、
前記ポリアミドイミド樹脂(α)が、酸基又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(A)と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を必須成分とするヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の酸無水物基開環条件での酸価が20~150mgKOH/gの範囲であること、を特徴とする。
カラム :東ソー株式会社製 TFKguardcolumnhxl-L、TFKgel(G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、G4000HXL)
検出器 :RI(示差屈折計)及びUV(254nm)
測定条件:カラム温度 40℃
溶媒 THF
流束 1.0ml/min
標準 :ポリスチレン標準試料にて検量線作成
試料 :樹脂固形分換算で0.1質量%のTHF溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量:200μl)
(1)酸無水物開環条件
ポリアミドイミド樹脂を、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に基づき酸価を求めた。
(2)酸無水物非開環条件
ポリアミドイミド樹脂の酸無水物基に対して過剰量のn-ブタノールを反応させた後、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に基づき酸価を求めた。なお、酸無水物基とn-ブタノールの反応は、117℃にて行うものとする。酸無水物の消失は赤外スペクトルにて、酸無水物基の特性吸収である1860cm-1が完全に消滅したことで確認した。
カラム :東ソー株式会社製 TFKguardcolumnhxl-L、TFKgel(G1000HXL、G2000HXL、G3000HXL、G4000HXL)
検出器 :RI(示差屈折計)及びUV(254nm)
測定条件:カラム温度 40℃
溶媒 THF
流束 1.0ml/min
標準 :ポリスチレン標準試料にて検量線作成
試料 :樹脂固形分換算で0.1質量%のTHF溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量:200μl)
(1-1)エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α1)の製造
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1102.8g、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)197.6g及びシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物506.9gを加えた。2時間かけて140℃まで昇温させ、同温度で更に2時間反応させた。赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認した。次いで、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)197.6gを加えて反応を継続し、赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認した。更に、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)197.6gを加えて反応を継続し、赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認し、アミドイミド樹脂中間体(A1)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A1)の固形分酸価は190mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A1)の固形分酸価は206mgKOH/gであった。
得られたポリアミドイミド樹脂(α1)の溶液に3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート339g(1.64mol)を加え、120℃にて3時間反応させて目的とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂(1)(以下、PAI(1)と略記する)を得た。酸無水物基非開環条件で測定したPAI(1)の固形分酸価は70mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したPAI(1)の固形分酸価は70mgKOH/gであった。また、(メタ)アクリロイル基当量は固形分換算で475g/当量、質量平均分子量(Mw)は5,095、数平均分子量(Mn)は2,998、分散度(Mw/Mn)は1.76、二級水酸基量は1.27mmol/gであった。
(2-1)エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α2)の製造
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1422.7g、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)753.2g及びシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物644.2gを加えた。2時間かけて140℃まで昇温させた後、同温度で反応を継続し、赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認して、アミドイミド樹脂中間体(A2)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A2)の固形分酸価は197mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A2)の固形分酸価は212mgKOH/gであった。
得られたエチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α2)の溶液に3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート414.0g(2.00mol)を加え、120℃にて3時間反応させて目的とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂(2)(以下、「PAI(2)」と略記する)を得た。酸無水物基非開環条件で測定したPAI(2)の固形分酸価は68mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したPAI(2)の固形分酸価は69mgKOH/gであった。また、(メタ)アクリロイル基当量は固形分換算で531g/当量、質量平均分子量(Mw)は8,772、数平均分子量(Mn)は4,321、分散度(Mw/Mn)は2.03、二級水酸基量は1.39mmol/gであった。
(3-1)エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α3)の製造
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにPGMAc(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)218.9g、IPDI3N(イソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート:NCO%=17.2)38.6g(0.05mol)及びシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物99g(0.5mol)を加え、140℃まで2時間掛けて昇温した。反応は、発泡とともに進行した。この温度で2時間反応させた。系内は淡黄色の液体となり、赤外スペクトルにて特性吸収を測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことが確認された。更に、IPDI3Nを38.6g(0.05mol)加え、反応を継続させた。赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことを確認した後、更にIPDI3Nを38.6g(0.05mol)加え、反応を継続させた。赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことを確認して、アミドイミド樹脂中間体(A3)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A3)の固形分酸価は201mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A3)の固形分酸価は225mgKOH/gであった。
得られた前記ポリアミドイミド樹脂(α3)の溶液に3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート65.2g(0.32mol)を加え、120℃にて3時間反応させて目的とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基不飽和基含有ポリアミドイミド樹脂(3)(以下、PAI(3)と略記する)を得た。酸無水物基非開環条件で測定したPAI(3)の固形分酸価は65mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したPAI(3)の固形分酸価は66mgKOH/gであった。また、(メタ)アクリロイル基当量は固形分換算で581g/当量、質量平均分子量(Mw)は11,392、数平均分子量(Mn)は5,996、分散度(Mw/Mn)は1.90、二級水酸基量は1.22mmol/gであった。
(4-1)エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(4)の製造
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにPGMAc(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)218.9g、IPDI3N(イソホロンジイソシアネートから合成されたイソシアヌレート型トリイソシアネート:NCO%=17.2)38.6g(0.05mol)及びシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物99g(0.5mol)を加え、140℃まで2時間掛けて昇温した。反応は、発泡とともに進行した。この温度で2時間反応させた。系内は淡黄色の液体となり、赤外スペクトルにて特性吸収を測定した結果、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことが確認された。更に、IPDI3Nを38.6g(0.05mol)加え、反応を継続させた。赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことを確認した後、更にIPDI3Nを38.6g(0.05mol)加え、反応を継続させた。赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm-1が完全に消滅したことを確認して、アミドイミド樹脂中間体(A4)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A4)の固形分酸価は201mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(A4)の固形分酸価は225mgKOH/gであった。
得られた前記ポリアミドイミド樹脂(α4)の溶液にグリシジルメタクリレート42.6g(0.3mol)を加え、120℃にて3時間反応させて目的とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂(4)(以下、PAI(4)と略記する)を得た。酸無水物基非開環条件で測定したPAI(4)の固形分酸価は68mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したPAI(4)の固形分酸価は68mgKOH/gであった。また、(メタ)アクリロイル基当量は固形分換算で381g/当量、質量平均分子量(Mw)は9,888、数平均分子量(Mn)は5,345、分散度(Mw/Mn)は1.85、二級水酸基量は1.50mmol/gであった。
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート276.4g、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)146.4g及び無水トリメリット酸121.0gを加えた。2時間かけて140℃まで昇温させた後、同温度で反応を継続し、赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認して、アミドイミド樹脂中間体(c-A1)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(c-A1)の固形分酸価は212mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(c-A1)の固形分酸価は243mgKOH/gであった。
次に、トリフェニルフォスフィン0.4g、グリシジルメタクリレート102.0gを仕込み、120℃で10時間反応させた。その後、「アロニックスM-315」(東亜合成化学工業株式会社)391gを加え、酸基及びエチレン性不飽和基含有ポリアミドイミド樹脂(c1)(以下、PAI(c1)という)の溶液を得た。酸無水物基非開環条件で測定したPAI(c1)の固形分酸価は2.0mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したPAI(c1)の固形分酸価は2.0mgKOH/gであった。また、(メタ)アクリロイル基当量は固形分換算で207g/当量、質量平均分子量(Mw)は10,600、数平均分子量(Mn)は4,000、分散度(Mw/Mn)は2.65、二級水酸基量は0.05mmol/gであった。
撹拌装置、温度計、コンデンサーを付けたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1422.7g、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)753.2g及びシクロヘキサン-1,3,4-トリカルボン酸-3,4-無水物644.2gを加えた。2時間かけて140℃まで昇温させた後、同温度で反応を継続し、赤外スペクトルにてイソシアネート基の特性吸収である2270cm-1の吸収が完全に消滅したことを確認して、アミドイミド樹脂中間体(c-A2)溶液を得た。赤外スペクトルにて1780cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収を確認した。酸無水物基非開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(c-A2)の固形分酸価は197mgKOH/gであり、酸無水物基開環条件で測定したアミドイミド樹脂中間体(c-A2)の固形分酸価は212mgKOH/gであった。
下記要領で硬化性樹脂組成物を調製し、各種評価試験を行った。結果を表1に示す。
・硬化性樹脂組成物の調製
合成例1~4および比較合成例1、2で得られたPAI(1)~(4)、(c1)、(c2)100質量部、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)24質量部、光重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア907」)5質量部、有機溶剤(希釈剤)としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート13質量部を配合して硬化性樹脂組成物を得た。
ガラス基材の上に硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて1000mJ/cm2の紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化物をガラス基材から剥離し、硬化物を得た。
硬化物から6mm×40mmの試験片を切り出し、粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、引張り法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度(Tg)として耐熱性を評価した。結果を表2に示した。
・硬化性樹脂組成物の調製
合成例1~4および比較合成例1、2で得られたPAI(1)~(4)、(c1)、(c2)100質量部、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)12質量部、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-730-A」)10質量部、東亞合成株式会社製「ルミキュアDPA-600T」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとをモル比40/60で含有する組成物)10質量部、光重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア907」)5質量部、有機溶剤(希釈剤)としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート6質量部、顔料としてフタロシアニングリーン0.65質量部を配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物を得た。
ガラス基材の上に硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、コダック社製のステップタブレットNo.2を介し、メタルハライドランプを用いて500mJ/cm2の紫外線を照射した。これを1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で180秒現像し、残存した段数で評価した。その結果を表2に示した。残存段数が多いほど感度が高い。
現像性評価
樹脂をガラス基板上に乾燥後に膜厚20μmになるように塗装を行った。塗装板を90℃の乾燥機で15分乾燥させて、塗膜を得た。次いで、塗装板を25℃の1%Na2CO3水溶液に浸漬し、塗膜が消失するまでの時間を測定した。時間が短いほどアルカリ現像性に優れる。
ガラス基材の上に硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃での乾燥時間が異なるサンプルを乾燥時間30分から60分まで10分刻みで作成した。これらを1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で180秒現像し、残渣が残らなかったサンプルの80℃での乾燥時間を乾燥管理幅として評価した。その結果を表2に示した。乾燥管理幅が長いほど可使時間が長く、取扱い性及びアルカリ現像性に優れる。
ガラス基材の上に硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分間乾燥させた直後の塗膜について指触時の乾燥性(タック)性を下記の基準で評価し、その結果を表2に示した。
△ : タック若干あり
× : タック性あり
Claims (9)
- エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂(α)とモノエポキシ(メタ)アクリレート化合物(β)とを必須の反応原料として反応させて得られる、エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂であって、
前記ポリアミドイミド樹脂(α)が、酸基又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂(A)と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物を必須成分とするヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記アミドイミド樹脂(A)が、ポリイソシアネート化合物(a1)と脂環式ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)とを必須の反応原料として反応させて得られるものであること、
前記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B)が、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B1)及びジヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物(B2)を含むものであること、
エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の酸無水物基開環条件での酸価が20~150mgKOH/gの範囲であること、を特徴とするエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂。 - 前記ポリイソシアネート化合物(a1)が脂肪族又は脂環式ジイソシアネート化合物或いはその変性体を必須の成分とする請求項1記載のエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂。
- 前記ポリカルボン酸又はその酸無水物(a2)が、脂環式トリカルボン酸無水物を必須の成分とするものである請求項1又は2記載のエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂。
- エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂の分散度が1.0~2.5の範囲である請求項1~3のいずれか一項記載のエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂。
- 請求項1~4の何れか一つに記載のエチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂と、光重合開始剤とを含有する硬化性樹脂組成物。
- 絶縁材料である、請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
- ソルダーレジスト用樹脂材料である、請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項5~7のいずれか一項記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項7記載のソルダーレジスト用樹脂材料を用いてなるレジスト部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018209708A JP7288167B2 (ja) | 2018-11-07 | 2018-11-07 | エチレン性不飽和基、酸基および二級水酸基含有ポリアミドイミド樹脂、エチレン性不飽和基および酸基含有ポリアミドイミド樹脂並びに製造方法 |
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