JP2023005502A - コンクリート用プライマー - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性に優れる塗膜が得られるコンクリート用プライマーを提供することである。【解決手段】両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有することを特徴とするコンクリート用プライマーを用いる。前記粘着付与剤(D)の含有量が、1~50質量%であるコンクリート用プライマーを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート用プライマーに関する。
昨今、増加する交通荷重や凍結防止剤の散布によって、高速道路をはじめとする道路橋床版の早期劣化が顕著となってきている。この早期劣化のメカニズムとしては、アスファルト舗装と鉄筋コンクリート床版に生じたひび割れを通じて、雨水、凍結防止剤などが構造物に侵入し鉄筋を腐食させ、構造物の耐久性を低下させていることが考えられている。
そこで、コンクリートとアスファルトとの間に施設される防水層を含めた防水システムが検討されているが、このような材料としては、空気乾燥性不飽和樹脂、ラジカル重合性単量体、並びに、シクロデキストリン及び/又はその誘導体を含有するラジカル重合性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この材料は湿潤面接着性等に優れるものの、アスファルトへの付着に問題があった。そこで、硬化性、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性に優れる塗膜が得られる材料が求められていた。
特許第6066027号
本発明が解決しようとする課題は、硬化性、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性に優れる塗膜が得られるコンクリート用プライマーを提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有するコンクリート用プライマーが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有することを特徴とするコンクリート用プライマーを提供するものである。
本発明のコンクリート用プライマーは、硬化性、湿潤面接着性及び耐アスファルト接着性に優れる塗膜が得られることから、各種コンクリートのプライマーとして、好適に用いることができる。
本発明のコンクリート用プライマーは、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有するものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル単量体」とは、アクリル単量体とメタクリル単量体の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリルロイル」とは、アクリロイルとメタクリロイルの一方又は両方をいう。
前記両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ化合物又はビスフェノール型エポキシ化合物とノボラック型エポキシ化合物とを混合したエポキシ化合物と、不飽和一塩基酸とを従来公知の方法で反応して得られるものを用いることができる。
前記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフェノールFとの反応により得られる1分子中に2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物、メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールA又はビスフェノールFとを反応させて得られるジメチルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポキシ化合物等を用いることができる。これらのエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ノボラックタイプ型エポキシ化合物としては、例えば、フェノールノボラック又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポキシ化合物等を用いることができる。これらのエポキシ化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記不飽和一塩基酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブテンマレート、ソルビン酸、モノ(2-エチルヘキシル)マレート等を用いることができる。これらの不飽和一塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルを用いることができる。前記飽和ポリエステルは、飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させたものであり、また、前記不飽和ポリエステルとは、α,β-不飽和二塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させたものであり、いずれも末端に(メタ)アクリロイル基を有するものである。
前記飽和二塩基酸、α,β-不飽和二塩基酸及び多価アルコールは、後述する不飽和ポリエステル(B)の合成に用いるものと同様のものを用いることができる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートの製造方法としては、飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルとグリシジル(メタ)アクリレートとを公知の方法により反応する方法が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリオール、ポリイソシアネート、及び、水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物を従来公知の方法で反応させて得られるものを用いることができる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カプロラクトンポリオール、ブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、メチレンジフェニルジシソシアネートのホルマリン縮合体、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体等の芳香族系ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1-ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記樹脂(A)の数平均分子量としては、作業性と硬化性をより向上できることから500~4,000が好ましい。
コンクリート用プライマー中の前記樹脂(A)の含有量としては、硬化性をより向上できることから、20~60質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体(C)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-シアノエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を用いることできる。これらの単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
コンクリート用プライマー中の前記(メタ)アクリル単量体(C)の含有量は、低粘度でより優れた硬化性を発現できることから、10~70質量%が好ましく、20~60質量%がより好ましく、30~50質量%がさらに好ましい。
前記シクロデキストリン誘導体(C)としては、例えば、シクロデキストリン;アルキル化シクロデキストリン、アセチル化シクロデキストリン、ヒドロキシアルキル化シクロデキストリン等のシクロデキストリンのグルコース単位の水酸基の水素原子を他の官能基で置換したものなどを用いることができる。また、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体におけるシクロデキストリン骨格としては、6個のグルコース単位からなるα-シクロデキストリン、7個のグルコース単位からなるβ-シクロデキストリン、8個のグルコース単位からなるγ-シクロデキストリンのいずれも用いることができる。これらのシクロデキストリン誘導体(C)は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、樹脂への溶解性に優れることから、メチル化βシクロデキストリンが好ましい。
コンクリート用プライマー中の前記シクロデキストリン誘導体(C)の含有量は、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性がより向上することから、0.1~5質量%が好ましく、0.2~3質量%がより好ましい。
前記粘着付与剤(D)としては、例えば、石油樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。
コンクリート用プライマー中の前記粘着付与剤(D)の含有量は、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性がより向上することから、1~50質量%が好ましく、3~40質量%がより好ましい。
本発明のコンクリート用プライマーは、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有するものであるが、必要に応じてその他の添加剤等を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、重合開始剤、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定剤、溶媒、防錆剤、増感剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、粘着付与剤、帯電防止剤、難燃剤、硬化剤、硬化促進剤、顔料、充填剤、補強材、骨材、石油ワックス等が挙げられる。
本発明のコンクリート用プライマーは、例えば、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート、モルタルコンクリート、レジンコンクリート、透水コンクリート、ALC(Autoclaved Lightweight Aerated Concrete)板等のコンクリートのプライマーとして用いることができる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、酸価はJIS-K-6901に準拠して測定したものであり、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
(合成例1:両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量であるエピクロン850(DIC株式会社製)1850質量部、アクリル酸860質量部、ハイドロキノン1.36質量部およびトリエチルアミン10.8質量部を仕込み、120℃まで昇温させ、同時間で10時間反応させ、分子量512、酸価3.5のエポキシアクリレートとして、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-1)を得た。
(合成例2:両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-2)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにネオペンチルグリコール250質量部、プロピレングリコール100質量部、アジピン酸390質量部、無水マレイン酸100質量部を仕込み、エステル化触媒としてモノブチル錫オキサイド0.5質量部を添加し、205℃で11時間反応させた。その後、140℃まで冷却し、次いでグリシジルメタクリレート25質量部を投入し、10時間反応させ、数平均分子量4,150のポリエステル(メタ)アクリレートとして、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-2)を得た。
(合成例3:両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-3)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた反応容器に数平均分子量1000のポリプロピレングリコール500質量部とトリレンジイソシアネート172質量部を仕込み、窒素気流下80℃で2時間反応させた。NCO当量が600とほぼ理論当量値となったので、50℃まで冷却した。空気気流下、ハイドロキノン0.07質量部を加え、2-ヒドロキシエチルメタクリレート135質量部を加え、90℃で4時間反応させた。NCO%が0.1%以下となった時点で、ターシャリーブチルカテコール0.07質量部添加し、数平均分子量1,580のウレタンメタクリレートとして、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-3)を得た。
(実施例1:コンクリート用プライマー(1)の調製及び評価)
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた遮光容器に、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-1)20質量部、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-2)10質量部、両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A-3)10質量部、メチル化βシクロデキストリン0.5質量部および石油樹脂(東ソー株式会社製「ペトロタック90」;以下「粘着付与剤(D-1)」と略記する。)5質量部をメチルメタクリレート15質量部、2-エチルヘキシルアクリレート25質量部にて希釈溶解させ、ラジカル重合性樹脂組成物を得た。このラジカル重合性樹脂組成物100質量部に硬化促進剤として6%オクチル酸コバルト0.5質量部、パラトルイジン-2-ヒドロキシエチル0.4質量部を添加調合しコンクリート用プライマー(1)を得た。
[評価用試料の調製]
上記で得たコンクリート用プライマー(1)100質量部に有機過酸化物(日油株式会社製「ナイパーNS」)を2質量部加えることにより、評価用試料(1)を得た。
[硬化性の評価]
上記で得た評価用試料(1)を、スレート板上に、0.2kg/mの量で刷毛にて塗り広げ、23℃の条件下、指触にてタックフリーとなる時間を測定し、下記の基準により硬化性を評価した。
〇:90分未満
×:90分以上
[湿潤面接着性の評価]
上記で得た評価用試料(1)を、1日水浸した後取出して水滴を拭き取った舗装板の上に、0.2kg/mの量で刷毛にて塗り広げた。その塗膜を1日養生した後、建研式引張試験機(サンコーテクノ株式会社製「テクノスターRT-3000LD」)を使用して、垂直に引張り、剥離強度を測定し、以下の基準により湿潤面接着性を評価した。
〇1.0N/mm以上
×1.0N/mm未満
[アスファルトへの接着性の評価]
上記で得た評価用試料(1)をJISコンクリート舗道板(300×300×60mm)に対し、プライマーを刷毛で0.20kg/m塗布した。塗膜乾燥後、200 ℃に加熱した改質アスファルトII型を1.0kg/m塗布した。硬化した塗膜にエポキシ樹脂系接着剤で治具を取り付け、建研式引張試験機(サンコーテクノ株式会社製「テクノスターRT-3000LD」)を使用して、垂直に引張り、剥離強度を測定し、以下の基準により湿潤面接着性を評価した。
〇1.0N/mm以上
×1.0N/mm未満
(実施例2:コンクリート用プライマー(2)の調製及び評価)
実施例1で用いた粘着付与剤(D-1)を、石油樹脂(東ソー株式会社製「ペトロタック100V」)に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(2)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
(実施例3:コンクリート用プライマー(3)の調製及び評価)
実施例1で用いた粘着付与剤(D-1)を、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製「YSレジンPX1250」)に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(3)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
(実施例4:コンクリート用プライマー(4)の調製及び評価)
実施例1で用いた粘着付与剤(D-1)を、スチレン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製「YSレジンSX100」)に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(4)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
(実施例5:コンクリート用プライマー(5)の調製及び評価)
実施例1で用いた粘着付与剤(D-1)5質量部を、30質量部に変更した以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(5)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
(比較例1:コンクリート用プライマー(R1)の調製及び評価)
実施例1で用いたメチル化βシクロデキストリンを用いなかった以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(R1)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
(比較例2:コンクリート用プライマー(R2)の調製及び評価)
実施例1で用いた粘着付与剤(D-1)を用いなかった以外は、実施例1と同様に、コンクリート用プライマー(R2)及び評価用試料を調製後、各物性を評価した。
上記で得られたコンクリート用プライマー(1)~(5)、及び(R1)~(R2)の評価結果を表1及び2に示す。
Figure 2023005502000001
Figure 2023005502000002
実施例1~5の本発明のコンクリート用プライマーは、硬化性、湿潤面接着性及びアスファルトへの接着性に優れる塗膜が得られることが確認された。
比較例1は、シクロデキストリン誘導体(C)を含有しない例であるが、湿潤面接着性が不十分であった。
比較例2は、粘着付与剤(D)を含有しない例であるが、得られる塗膜のアスファルトへの接着性が不十分であった。

Claims (4)

  1. 両末端に重合性不飽和基を有する樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、シクロデキストリン誘導体(C)、及び粘着付与剤(D)を含有することを特徴とするコンクリート用プライマー。
  2. 前記粘着付与剤(D)の含有量が、1~50質量%である請求項1記載のコンクリート用プライマー。
  3. 前記樹脂(A)が、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1以上の樹脂である請求項1記載のコンクリート用プライマー。
  4. 前記粘着付与剤が、石油樹脂、テルペン樹脂、及びスチレン樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂である請求項1~3いずれか1記載のコンクリート用プライマー。
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