JP2024005579A - ラジカル重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度であり、可使時間が長く、低温での硬化性にも優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られるラジカル重合性組成物を提供する。【解決手段】両末端に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び重合禁止剤(C)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)が空気乾燥性付与基を有するものであり、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、前記重合禁止剤(C)の含有量が0.2~5質量部であることを特徴とするラジカル重合性組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、ラジカル重合性組成物に関する。
昨今、増加する交通荷重や凍結防止剤の散布によって、高速道路をはじめとする道路橋床版の早期劣化が顕著となってきている。この早期劣化のメカニズムとしては、アスファルト舗装と鉄筋コンクリート床版に生じたひび割れを通じて、雨水、凍結防止剤などが構造物に侵入し鉄筋を腐食させ、構造物の耐久性を低下させていることが考えられている。
そこで、これらの道路構造物の長寿命化を目的として、表層、基層、路盤、路床の4層で構成する構造物の各層の高耐久性化が検討されており、前記路盤の高耐久性手法としては、強靭性に優れる樹脂と骨材とを混合した樹脂モルタル層の利用が提案されている。
樹脂材料には、低温条件下においても短時間で施工を完了できる速硬化性が要求され、例えば、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂とエチレン性不飽和二重結合を有する単量体とを含有する樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この樹脂組成物は可使時間が短く、現場施工において使用するためには、作業性に問題があった。
特許第4710365号
本発明が解決しようとする課題は、低粘度であり、可使時間が長く、低温条件下での硬化性にも優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られるラジカル重合性組成物を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリル単量体、及び重合禁止剤を特定の質量比で含有するラジカル重合性組成物が、低粘度であり、可使時間が長く、低温条件下での硬化性にも優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び重合禁止剤(C)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)が空気乾燥性付与基を有するものであり、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、前記重合禁止剤(C)の含有量が0.2~5質量部であることを特徴とするラジカル重合性組成物を提供するものである。
本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、低温条件下での硬化性にも優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることからモルタル用バインダー等の土木建築材料用途に好適に用いることができる。
本発明のラジカル重合性組成物は、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び重合禁止剤(C)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)が空気乾燥性付与基を有するものであり、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、前記重合禁止剤(C)の含有量が0.2~5質量部であるものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリルロイル基」とは、アクリロイル基とメタクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル単量体」とは、アクリル単量体とメタクリル単量体の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル化合物」とは、アクリル化合物とメタクリル化合物の一方又は両方をいう。
前記(メタ)アクリレート樹脂(A)としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。これらの(メタ)アクリレート樹脂(A)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリレート樹脂(A)の有する空気乾燥性付与基は、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造時に空気乾燥性付与基を有する化合物を、エステル化反応及び/又はウレタン化反応させることにより、樹脂骨格に導入することができる
前記空気乾燥性付与基を有する化合物としては、例えば、環状不飽和脂肪族多塩基酸及びその誘導体を含む化合物、α位水素を有するアリルエーテル基を含む化合物、多価アルコールと乾性油とのエステル交換反応で得られるアルコリシス化合物、水酸基を有するジシクロペンタジエニル基を含む化合物等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記α位水素を有するアリルエーテル基を含む化合物としては、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2-ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3-ブチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価アルコールのアリルエーテル化合物;アリルグリシジルエーテル等のオキシラン環を有するアリルエーテル化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記アルコリシス化合物を製造する際に用いる前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等の3価のアルコールや、ペンタエリスリトール等の4価のアルコールなどを用いることができる。これらのアルコールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、前記アルコリシス化合物を製造する際に用いる前記乾性油としては、例えば、アマニ油、大豆油、綿実油、落花生油、やし油等を用いることができる。これらの乾性油は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有するジシクロペンタジエニル基を含む化合物としては、例えば、ジシクロぺンテニルオキシメタノール、ジシクロペンテニルオキシエタノール、ジシクロペンテニルオキシプロパノール等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルを用いることができる。前記飽和ポリエステルは、前記空気乾燥性付与基を有する化合物と飽和二塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させたものであり、また、前記不飽和ポリエステルとは、前記空気乾燥性付与基を有する化合物とα,β-不飽和二塩基酸と多価アルコールとをエステル化反応させたものであり、いずれも末端に(メタ)アクリロイル基を有するものである。
前記飽和二塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12-ドデカン2酸,2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記α,β-不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を用いることができる。これらの二塩基酸は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコ-ル、ジエチレングリコ-ル、トリエチレングリコ-ル、ポリエチレングリコ-ル、プロピレングリコ-ル、ジプロピレングリコ-ル、ポリプロピレングリコ-ル、2-メチル-1,3-プロパンジオ-ル、1,3-ブタンジオ-ル、ネオペンチルグリコ-ル、水素化ビスフェノ-ルA、1,4-ブタンジオ-ル、ビスフェノ-ルAのアルキレンオキサイド付加物、1,2,3,4-テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ-ルプロパン、1,3-プロパンジオ-ル、1,2-シクロヘキサングリコ-ル、1,3-シクロヘキサングリコ-ル、1,4-シクロヘキサングリコ-ル、1,4-シクロヘキサンジメタノ-ル、パラキシレングリコ-ル、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオ-ル、2,6-デカリングリコ-ル、2,7-デカリングリコ-ル等を用いることができる。これらの多価アルコールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートの製造方法としては、前記飽和ポリエステル又は前記不飽和ポリエステルとグリシジル(メタ)アクリレートと公知の方法により反応する方法が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、前記空気乾燥性付与基を有する化合物、ポリオール、ポリイソシアネート、及び、水酸基又はイソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物をウレタン化反応させて得られるものを用いることができる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、カプロラクトンポリオール、ブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、メチレンジフェニルジシソシアネートのホルマリン縮合体、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体等の芳香族系ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレートなどを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート基を有する(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、1,1-ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリレート樹脂(A)中の空気乾燥性付与基の濃度は、可使時間、硬化性、及び塗膜柔軟性のバランスがより向上することから、0.1~5mmol/gが好ましく、0.1~3mmol/gがより好ましい。
また、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)の(メタ)アクリロイル基当量としては、低粘度、可使時間、硬化性、及び塗膜柔軟性のバランスがより向上することから、200~8,000g/eqが好ましく、250~4,000g/eqがより好ましい。ここで、前記(メタ)アクリロイル基当量は、数平均分子量から計算により求められる値である。
前記(メタ)アクリレート樹脂(A)の数平均分子量は、低粘度、可使時間、硬化性、及び塗膜柔軟性のバランスをより向上できることから、400~16,000が好ましく、500~8,000がより好ましい。
本発明における平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
前記(メタ)アクリル単量体(B)としては、樹脂粘度を希釈し得るものであれば特に限定されないが、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する(メタ)アクリル単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリル単量体;3-メトキシブチル(メタ)アクリレート)、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシブチル(メタ)アクリレート、オキシエチレンの付加モル数が1~15の範囲のメトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート等のエーテル基を有する(メタ)アクリル単量体;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル単量体;ベンジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリル単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の窒素原子を有する(メタ)アクリル単量体などを用いることができる。これらの中でも、硬化性に優れることから、分子量300以下の(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。また、これらの(メタ)アクリル単量体は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル単量体(B)の使用量は、低粘度で、硬化性に優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることから、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)100質量部に対して、30~300質量部が好ましく、50~200質量部がより好ましい。
前記重合禁止剤(C)としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、4-t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げられるが、可使時間及び硬化性のバランスがより向上することから、ジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。なお、これらの重合禁止剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記重合禁止剤(C)の含有量は、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.2~5質量部であるが、可使時間及び硬化性のバランスがより向上することから、0.4~3質量部がより好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)、前記(メタ)アクリル単量体(B)、及び前記重合禁止剤(C)を含有するものであるが、必要に応じてその他の添加剤等を含有していてもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、有機過酸化物、硬化促進剤、石油ワックス、顔料、チキソ性付与剤、酸化防止剤、溶剤、充填剤、補強材、骨材、難燃剤等を用いることができるが、硬化性がより優れることから、有機過酸化物及び硬化促進剤を用いることが好ましい。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物等を用いることができるが、これらの中でも、塗膜硬化性の優位性から、ジアシルパーオキサイド化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物を用いることが好ましく、ジアシルパーオキサイド化合物、ハイドロパーオキサイド化合物を用いることがより好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ジアシルパーオキサイド化合物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化トルイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル等を用いることができるが、これらの中でも、過酸化ベンゾイルを用いることが好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記ハイドロパーオキサイド化合物としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができるが、これらの中でも、塗膜硬化性の優位性から、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを用いることが好ましく、クメンハイドロパーオキサイドを用いることがより好ましい。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記有機過酸化物の使用量としては、常温硬化性の点から、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。
前記硬化促進剤は、前記有機過酸化物をレドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を容易にする作用のある物質であることが好ましく、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等の有機酸のコバルト塩;オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の有機酸塩;バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物;アニリン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4-(N-メチル-N-ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N-エチル-m-トルイジン、トリエタノールアミン、m-トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N-置換アニリン、N,N-置換-p-トルイジン、4-(N,N-置換アミノ)ベンズアルデヒド、p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-p-トルイジンのエチレンオキサイド付加物、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシプロピル)-p-トルイジン、N-エチル-m-トルイジン等のアミン化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。塗膜硬化性に優位なことから、有機酸のコバルト塩、アミン化合物を用いることが好ましく、これらを併用することがより好ましい。有機酸のコバルト塩としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトが好ましく、アミン化合物としては、トルイジン化合物が好ましい。
前記硬化促進剤の使用量としては、常温硬化性の点から、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、0.001~5質量部であることが好ましく、0.01~3質量部であることがより好ましい。
本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、硬化性に優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることから、モルタル用バインダー等の土木建築材料用途に好適に用いることができる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、平均分子量は、下記のGPC測定条件で測定したものである。
[GPC測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度4mg/mLのテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
(合成例1:ポリエステルメタアクリレート(1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコールを400質量部、無水フタル酸を200質量部、3-メチルテトラヒドロフタル酸を660質量部、ジブチル錫オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。150℃まで冷却し、グリシジルメタクリレートを60質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量5,000、酸価が0.1のポリエステルメタアクリレート(1)を得た。
(合成例2:ポリエステルメタアクリレート(2)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコールを400質量部、無水フタル酸を590質量部、ジブチル錫オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、アリルグリシジルエーテルを50質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量4900、酸価が0.1のポリエステルメタアクリレート(2)を得た。
(合成例3:ウレタンメタアクリレート(1)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、空気導入口及び環流冷却器を備えた反応容器に数平均分子量1000のポリプロピレングリコール500質量部とトリレンジイソシアネート172質量部を仕込み、窒素気流下80℃で2時間反応させた。イソシアネート当量が600とほぼ理論当量値となったので、50℃まで冷却した。空気気流下、ハイドロキノン0.07質量部を加え、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMAと略す)67質量部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルを135質量部、を加え、90℃で4時間反応させた。イソシアネート基含有率(NCO%)が0.1%以下となった時点で、ターシャリーブチルカテコール0.07質量部添加し、数平均分子量1582のウレタンメタアクリレート(1)を得た。
(合成例4:エポキシアクリレート(1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ樹脂(DIC株式会社製「エピクロン850」)1850質量部、アクリル酸860質量部、ハイドロキノン1.36質量部およびトリエチルアミン10.8質量部を仕込み、120℃まで昇温させ、同時間で10時間反応させ、数平均分子量512、酸価3.5のエポキシアクリレート(1)を得た。
(合成例5:ポリエステルメタアクリレート(R1)の合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた反応容器に、ジエチレングリコールを400質量部、無水フタル酸を590質量部、ジブチル鎮オキサイドを0.3質量部、メチルハイドロキノンを0.1質量部仕込み、220℃で4時間反応させた。130℃まで冷却し、グリシジルメタアクリレートを60質量部仕込み、130℃条件下で4時間反応させ、数平均分子量4900、酸価が0.1のポリエステルメタアクリレート(R1)を得た。
(実施例1:ラジカル重合性組成物(1)の調製及び評価)
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた遮光容器に、合成例1で得たポリエステルメタアクリレート(1)50質量部、メチルメタクリレート(MMA)40質量部、2-エチルヘキシルメタクリレート(2-EHA)10質量部を混合溶解させて得た樹脂組成物100質量部に対して、オクチル酸コバルト(DIC株式会社製「DICNATE208V」)0.5質量部、p-トルイジンのエチレンオキサイド2モル付加物(PTD-2EO)0.4質量部、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.7質量部、及び有機過酸化物(日油株式会社製「ナイパーNS」、過酸化ベンゾイル)2質量部を添加調合し、ラジカル重合性組成物(1)を得た。
[作業性(粘度)の評価]
合成例1で得たポリエステルメタアクリレート(1)50質量部、メチルメタクリレート40質量部、2-エチルヘキシルメタクリレート10質量部を混合溶解させて得た樹脂組成物を、JISK6901:2008の「5.5.1ブルックフィールド形粘度計法を用いる場合」に準拠して、表7のタイプi、BM粘度計により25℃における粘度を測定し、下記基準により評価した。
○:250mPa・s未満
×:250mPa・s以上
[作業性(可使時間)の評価]
上記で得たラジカル重合性組成物(1)について、5℃及び23℃条件下で樹脂が流動性を失う迄に要した時間を測定し、下記の基準により評価した。
○:30分以上
×:30分未満
[塗膜硬化性の評価]
上記で得たラジカル重合性組成物(1)をスレート板上に0.2kg/mの量で刷毛にて塗り広げた。5℃及び23℃条件下で乾燥させ、指触にてタックフリーとなる時間(分)を測定し、下記の基準により評価した。
〇:60分未満
×:60分以上
[柔軟性の評価]
上記で得たラジカル重合性組成物(1)を使用し、JIS A 6021に準拠して作製した試験体を用い、次の測定条件で引張物性を測定した。
なお、引張強度が、10N/mm以上の場合を○とし、10N/mm未満の場合を×とした。
また、引張伸び率が、100%以上の場合を○とし、100%未満の場合を×とした。
使用機器:株式会社島津製作所製「オートグラフ AG-I」
試験速度(H,S):500mm/min
標線間:20mm
測定温度:23℃
(実施例2~4:ラジカル重合性組成物(2)~(4)の調製及び評価)
組成物の配合を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ラジカル重合性組成物(2)~(4)を調製し、各物性を評価した。
(比較例1~2:ラジカル重合性組成物(R1)~(R2)の調製及び評価)
組成物の配合を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、ラジカル重合性組成物(R1)~(R2)を調製し、各物性を評価した。
上記で得たラジカル重合性組成物(1)~(4)及び(R1)~(R2)の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 2024005579000001
表中の略号は下記の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
2-EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
DCPDOEMA:ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
実施例1~4の本発明のラジカル重合性組成物は、低粘度であり、可使時間が長く、硬化性に優れ、柔軟性に優れる塗膜が得られることが確認された。
比較例1は、(メタ)アクリレート樹脂(A)が空気乾燥性付与基を有しない例であるが、塗膜硬化性が不十分であることが確認された。
比較例2は、(メタ)アクリレート樹脂(A)及び(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対する重合禁止剤(C)の含有量が、本発明の下限である0.2質量部未満である例であるが、可使時間が不十分であることが確認された。

Claims (3)

  1. 両末端に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート樹脂(A)、(メタ)アクリル単量体(B)、及び重合禁止剤(C)を含有するラジカル重合性組成物であって、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)が空気乾燥性付与基を有するものであり、前記(メタ)アクリレート樹脂(A)及び前記(メタ)アクリル単量体(B)の合計100質量部に対して、前記重合禁止剤(C)の含有量が0.2~5質量部であることを特徴とするラジカル重合性組成物。
  2. 前記(メタ)アクリレート樹脂(A)が、ポリエステル(メタ)アクリレート、及びウレタン(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上の(メタ)アクリレート樹脂である請求項1記載のラジカル重合性組成物。
  3. 前記(メタ)アクリレート樹脂(A)中の前記空気乾燥性付与基の濃度が、0.1~5mmol/gである請求項1記載のラジカル重合性組成物。
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