JP3212948B2 - トナーバインダー - Google Patents

トナーバインダー

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JP3212948B2
JP3212948B2 JP21649798A JP21649798A JP3212948B2 JP 3212948 B2 JP3212948 B2 JP 3212948B2 JP 21649798 A JP21649798 A JP 21649798A JP 21649798 A JP21649798 A JP 21649798A JP 3212948 B2 JP3212948 B2 JP 3212948B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記
録、静電印刷などに用いられる乾式トナー用のトナーバ
インダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真などに用いられる乾式ト
ナーとしては、スチレンアクリル樹脂、ポリエステルな
どのトナーバインダーを着色剤などと共に溶融混練し、
微粉砕したものが用いられている。これらの乾式トナー
は、フェライト粉などのキャリアまたは帯電付与部材と
摩擦帯電させ、これを感光体上に形成された静電潜像に
現像される。次いで紙などに転写した後、熱ロールを用
いて加熱溶融することで定着することが行われている。
その際、十分な画像濃度で現像されるためには適正な帯
電量を有することが必要である。また、いかなる温湿度
においてもその帯電量の差が小さいこと(環境安定性)
が求められている。さらに、定着面では省エネルギー
化、複写機等の装置の小型化の観点から、従来よりいっ
そう高い熱ロール温度でもトナーが熱ロールに融着しな
く(耐ホットオフセット性)、かつ熱ロール温度が低く
てもトナーが定着できること(低温定着性)が求められ
ている。近年、低温定着性と耐ホットオフセット性に優
れていることからポリエステル系のトナーバインダーが
着目されている。しかしながら、ポリエステル系トナー
バインダーを用いたトナーは帯電の環境安定性が不十分
な問題がある。さらに、磁性粉を含有する磁性トナーで
は帯電量が低く十分な画像濃度が得られない問題が生じ
ている。とりわけプリンターなどに用いられる小型の現
像装置ではこの帯電量不足の問題が顕著である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ポリエステル系ト
ナーバインダーの帯電量、環境安定性の問題を解決する
ものとして、帯電特性で優位なスチレンアクリル樹脂を
ポリエステルに複合化する方法(たとえば特開昭62−
195682号公報、特開平2−881号公報、特開平
4−142301号公報など)が提案されている。しか
し、これらに開示されているものは、従来のポリエステ
ルよりも帯電量、環境安定性は改善されているものの、
単にポリエステルとスチレンアクリル樹脂の中間的特性
を有しているにすぎず、スチレンアクリル樹脂よりも帯
電特性が劣る。さらに低温定着性、耐ホットオフセット
性に関してもポリエステルの特徴が半減している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低温定着
性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、かつ、帯
電量が適正で環境安定性に優れた、乾式トナーを与える
トナーバインダーを開発すべく鋭意検討した結果、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、ポリエステル
(A)からなるトナーバインダーにおいて、(A)がジ
オール(1)、ジカルボン酸(3)とともに3価以上の
ポリオール(2)および/または3価以上のポリカルボ
ン酸(4)を用いてなり(2)と(3)とのモル比が8
0/20〜20/80であり、(A)の測定周波数10
0kHzにおける誘電正接(tanδ)が8×10-3
下であることを特徴とするトナーバインダーである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
のトナーバインダーを構成するポリエステル(A)の誘
電正接(tanδ)は測定周波数100kHzにおい
て、通常8×10-3以下であり、好ましくは7×10-3
〜1×10-4、さらに好ましくは6×10-3〜5×10
-4、特に好ましくは5×10-3〜1×10-3である。t
anδが8×10-3を越えると、帯電量が不足するとと
もに、環境安定性が悪化する。誘電正接は、例えば、樹
脂をラボプラストミルを用いて130℃、70rpmで
30分間溶融混練し、次いで20μm以下に粉砕した
後、圧縮成型し、市販の誘電体損測定装置を用いること
で測定できる。
【0006】(A)のガラス転移点(Tg)は、通常−
30℃以上であり、好ましくは0〜80℃、さらに好ま
しくは、25〜75℃、特に好ましくは35〜75℃で
ある。(A)単独でトナーバインダーとして用いる場合
は、耐熱保存性の観点から35℃以上が好ましいが、3
5℃未満でも後述する他の樹脂(B)と複合化した樹脂
(α)とすることで使用できる。複合化する場合でも、
(A)のTgが−30℃以上であるほうが耐熱保存性の
観点から好ましい。
【0007】ポリエステル(A)としては、非晶性ポリ
エステル(A1)および結晶性ポリエステル(A2)が
挙げられる。これらのうち(A1)が粉体流動性、耐熱
保存性に優れることから好ましい。(A)としては、ポ
リオールとポリカルボン酸の重縮合物などが挙げられ
る。ポリオールとしては、ジオール(1)および3価以
上のポリオール(2)が、ポリカルボン酸としては、ジ
カルボン酸(3)および3価以上のポリカルボン酸
(4)が挙げられる。本発明においては、ジオール
(1)、ジカルボン酸(3)とともに3価以上のポリオ
ール(2)および/または3価以上のポリカルボン酸
(4)を用いた非線状のポリエステルが好ましく、
(1)、(2)、(3)、(4)の4成分からなるポリ
エステルが特に好ましい。(2)と(4)の両方を用い
ることで耐ホットオフセット性がより向上する。
【0008】ジオール(1)としては、アルキレングリ
コール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオ
ールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールな
ど);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノー
ル、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノー
ルFなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式
ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチ
レンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなど)付加
物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサ
イドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、炭素数6以上のアルキレングリコール、ビ
スフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、脂環式
ジオールであり、特に好ましいものはビスフェノール類
のプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレ
ンオキサイド、α−オレフィンオキサイド付加物、炭素
数8以上のアルキレングリコール、水素添加ビスフェノ
ールA、水素添加ビスフェノールF、およびこれらの併
用である。3価以上のポリオール(2)としては、3〜
8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフ
ェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック
樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックな
ど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド
付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付
加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、
3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコールおよび
ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物であり、
特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキサ
イド付加物である。
【0009】ジカルボン酸(3)としては、アルキレン
ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカ
ルボン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク
酸、オクタデセニルコハク酸、ダイマー酸など);アル
ケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸な
ど);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙
げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数6〜5
0のアルキレンジカルボン酸、炭素数6〜50のアルケ
ニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボ
ン酸およびこれらの併用であり、さらに好ましいもの
は、炭素数7〜50のアルキレンジカルボン酸、および
これらと炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の併用で
あり、特に好ましいものは、炭素数16〜50のアルケ
ニルコハク酸、およびこれらと炭素数8〜20の芳香族
ジカルボン酸の併用である。3価以上のポリカルボン酸
(4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン
酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、不飽和カ
ルボン酸のビニル重合物(スチレン/マレイン酸共重合
物、スチレン/アクリル酸共重合物、α−オレフィン/
マレイン酸共重合物、スチレン/フマル酸共重合物な
ど)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、
炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好
ましいものはトリメリット酸である。なお、ジカルボン
酸(3)または3価以上のポリカルボン酸(4)として
は、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル
(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエス
テルなど)を用いてもよい。
【0010】また、(1)、(2)、(3)、(4)と
ともにヒドロキシカルボン酸(5)を共重合することも
できる。ヒドロキシカルボン酸(5)としては、ヒドロ
キシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられ
る。
【0011】ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水
酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]
/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは
1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1
〜1/1.3である。3価以上のポリオール(2)およ
び3価以上のポリカルボン酸(4)の比率は、(2)と
(4)のモル数の和が(1)〜(4)のモル数の合計に
対して、通常0〜40モル%、好ましくは3〜25モル
%、さらに好ましくは、5〜20モル%である。(2)
と(3)とのモル比は、通常0/100〜100/0、
好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましく
は、70/30〜30/70である。
【0012】(A)の水酸基価は、通常70mgKOH/g以
下、好ましくは40mgKOH/g以下、さらに好ましくは3
0mgKOH/g以下である。水酸基価が小さいほうが環境安
定性および帯電量が向上する点で好ましい。(A)の酸
価は、通常0〜50mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH
/g、さらに好ましくは8〜30mgKOH/g、特に好ましく
は8〜25mgKOH/gである。酸価が小さいほうが環境安
定性が向上するが、適度の酸価を有しているほうが帯電
の立ち上がりが向上する点で好ましい。
【0013】本発明のトナーバインダーとしては、前記
ポリエステル(A)の単独でもよいが、(A)と他の樹
脂(B)を複合化した樹脂(α)を用いることもでき
る。(A)よりもtanδが小さい(B)を複合化する
ことで、帯電量、環境安定性がより向上する点で好まし
い。(B)のtanδは、通常5×10-3以下であり、
好ましくは2×10-3以下、さらに好ましくは1.5×
10-3〜1×10-5、特に好ましくは1×10-3〜5×
10-4である。(B)のTgは通常30〜150℃、好
ましくは45〜100℃、さらに好ましくは50〜95
℃である。(B)も(A)と同様に結晶性の樹脂よりも
非晶性の樹脂であるほうが、粉体流動性、耐熱保存性の
観点から好ましい。
【0014】他の樹脂(B)としては、付加縮合樹脂、
ビニル系樹脂、重付加樹脂、重縮合樹脂が挙げられる。
これらのうちビニル系樹脂および付加縮合樹脂が好まし
く、ビニル系樹脂が特に好ましい。付加縮合樹脂として
は、キシレン樹脂、フェノールノボラック、クレゾール
ノボラックなどが挙げられ、これらの中で好ましいもの
はキシレン樹脂である。ビニル系樹脂としては、スチレ
ン系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリシクロ
アルケン、ポリアルケニルシクロアルカン、ハロゲン化
ビニル樹脂などが挙げられる。これらのうち好ましいも
のはスチレン系樹脂である。スチレン系樹脂としては、
スチレン類の重合体(B1)、スチレン類とジエン類の
共重合体(B2)、スチレン類とアルキル(メタ)アク
リレートの共重合体(B3)などが挙げられる。これら
のうち好ましものは、(B1)、(B2)、スチレン類
とC8〜C24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アク
リレートの共重合体およびそれらの併用である。(B
1)を構成するスチレン類としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、
p−アセトキシスチレンなどが挙げられる。これらのう
ち好ましいものは、スチレンおよびスチレンと他のスチ
レン類の併用であり、特に好ましいものはスチレンであ
る。
【0015】(B2)を構成するスチレン類としては、
上記(B1)と同様なものが挙げられ、好ましいものも
同様である。ジエン類としては、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、ヘキサジエンおよびオクタジエンな
どが挙げられる。これらのうち好ましいものは、ブタジ
エン、イソプレンおよびクロロプレンであり、特に好ま
しいものは、ブタジエンおよびイソプレンである。(B
2)においてはスチレン類、ジエン類とともにその他の
単量体を少量共重合することもできる。共重合可能なそ
の他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート
[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレートなど]、置換ア
ルキル(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレートなど]、不飽和カルボン酸類およびその無水物
[(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸およびその無水物など]、不飽和ジカルボン酸アル
キルエステル類[マレイン酸モノメチル、マレイン酸モ
ノブチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸モノメチル
など]、不飽和ニトリル類[(メタ)アクリロニトリル
など]、ビニルエステル類[酢酸ビニルなど]、ビニル
エーテル類[ブチルビニルエーテルなど]、α−オレフ
ィン[ヘキセン、オクテン、ドデセンなど]などが挙げ
られる。これらのうち好ましいものは、アルキル(メ
タ)アクリレート、不飽和カルボン酸類およびその無水
物、不飽和ジカルボン酸アルキルエステル類、不飽和ニ
トリル類であり、さらに好ましくは、C8〜C24のアルキ
ル基を有する長鎖アルキル(メタ)アクリレート、不飽
和カルボン酸類およびその無水物、不飽和ジカルボン酸
アルキルエステル類である。不飽和カルボン酸類および
その無水物、不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステル
類のようなカルボン酸含有の単量体は、多量に共重合す
るとtanδが大きくなるが、少量の共重合は、顔料分
散性が向上する点で好ましい。スチレン類、ジエン類と
共重合可能な他の単量体の共重合比は、通常、スチレン
類が60〜99重量%、ジエン類が1〜40重量%、そ
の他の単量体が0〜10重量%であり、好ましくは、ス
チレン類が70〜95重量%、ジエン類が5〜30重量
%、その他の単量体が0〜5重量%である。
【0016】(B3)を構成するスチレン類としては、
上記(B1)と同様なものが挙げられ、好ましいものも
同様である。アルキル(メタ)アクリレートとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メ
タ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち好ま
しいものは、C8〜C24のアルキル基を有する長鎖アルキ
ル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましいもの
は、C12〜C22のアルキル基を有する長鎖アルキル(メ
タ)アクリレートであり、特に好ましいものは、ラウリ
ル(メタ)アクリレートおよびステアリル(メタ)アク
リレートである。(B3)においては、スチレン類、ア
ルキル(メタ)アクリレートとともにその他の単量体を
共重合することもできる。共重合可能なその他の単量体
としては、上記(B2)と同様なもの、およびジエン類
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ジエン
類、不飽和カルボン酸類およびその無水物、不飽和ジカ
ルボン酸アルキルエステル類、不飽和ニトリル類であ
り、さらに好ましくはジエン類、不飽和カルボン酸類お
よびその無水物、不飽和ジカルボン酸アルキルエステル
類である。不飽和カルボン酸類およびその無水物、不飽
和ジカルボン酸モノアルキルエステル類のようなカルボ
ン酸含有の単量体は、多量に共重合するとtanδが大
きくなるが、少量の共重合は、顔料分散性が向上する点
で好ましい。スチレン類、アルキル(メタ)アクリレー
トと共重合可能な他の単量体の共重合比は、通常、スチ
レン類が70〜99重量%、アルキル(メタ)アクリレ
ートが1〜30重量%、その他の単量体が0〜10重量
%であり、好ましくは、スチレン類が80〜95重量
%、アルキル(メタ)アクリレートが5〜20重量%、
その他の単量体が0〜5重量%である。
【0017】ポリエステル(A)とその他の樹脂(B)
の重量比は、通常10/90〜100/0であり、好ま
しくは10/90〜90/10、さらに好ましくは25
/75〜80/20である。ポリエステルの比率が多い
ほうが低温定着性、耐ホットオフセット性に優れ、その
他の樹脂の比率が多いほうが環境安定性、帯電量が向上
する。
【0018】本発明の(α)は、(A)と(B)の混合
物でもよいが、(A)と(B)を化学結合させることも
できる。(A)と(B)の少なくとも一部が化学結合し
た樹脂のほうがtanδが小さくなり、環境安定性、帯
電量がより向上する点で好ましい。(A)と(B)が化
学結合した樹脂としては、ブロック共重合体およびグラ
フト共重合体が挙げられる。
【0019】本発明のトナーバインダーの分子量は、G
PCにおいて分子量1000〜20000に極大値を有
していることが好ましく、さらに好ましくは極大値が2
000〜19000、特に好ましくは極大値が3000
〜15000である。1000以上とすることで耐熱保
存性および粉体流動性が向上し、20000以下とする
ことで粉砕性が向上する。また、THF不溶分を5〜6
0重量%含有していることが好ましく、さらに好ましく
は、15〜50%、特に好ましくは20〜45%であ
る。THF不溶分を含有させることで耐ホットオフセッ
ト性が向上する。
【0020】本発明のトナーバインダーの具体例として
は、以下のものなどが挙げられる。 水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/ドデセニルコハク酸/ア
ジピン酸重縮合物 ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
/水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/ドデセニルコハク酸/無
水トリメリット酸重縮合物 水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/アジピン酸/セバシン酸
重縮合物 ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
/水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/ドデセニルコハク酸/無
水トリメリット酸重縮合物とスチレン重合体とスチレン
/ブタジエン共重合体の混合物 ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
/フェノールノボラックのプロピレンオキサイド付加物
/ドデセニルコハク酸/無水マレイン酸/無水トリメリ
ット酸重縮合物にスチレンをグラフト重合したもの ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
/水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/ドデセニルコハク酸/無
水マレイン酸/無水トリメリット酸重縮合物にスチレン
をグラフト重合したものとスチレン/ステアリルメタア
クリレート共重合体の混合物 水素添加ビスフェノールA/セバシン酸/無水トリメ
リット酸重縮合物とスチレン/グリシジルメタアクリレ
ート共重合物の反応物 水素添加ビスフェノールA/フェノールノボラックの
プロピレンオキサイド付加物/ドデセニルコハク酸/
(スチレン/マレイン酸モノブチル共重合体)の重縮合
【0021】本発明のトナーバインダーの製造方法を例
示する。ポリエステル(A)は、ポリカルボン酸とポリ
オールとを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチン
オキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150
〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反
応末期の反応速度を向上させるために減圧にすることも
有効である。ビニル系樹脂は、構成モノマーを公知のラ
ジカル開始剤により共重合して得られる。ラジカル開始
剤としては、アゾ系開始剤(アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスバレロニトリルなど)およびパーオキサイ
ド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーベンゾエート、ジt−ブチルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレートなど)
などが挙げられる。重合方法としては、溶液重合、バル
ク重合、懸濁重合、乳化重合など公知の重合方法が使用
できる。溶液重合の際に用いる溶剤としては、芳香族溶
剤(トルエン、キシレンなど);ケトン系溶剤(アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノンなど);ハロゲン系溶剤(ジクロロエタ
ンなど);およびアミド系溶剤(ジメチルホルムアミド
など)などが使用できる。溶剤を用いた場合は、重合
後、常圧および減圧下に溶剤を溜去する。懸濁重合によ
って得る場合は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムな
どの無機系の分散剤またはポリビニルアルコール、メチ
ル化セルロースなどの有機系分散剤を用いて水中で重合
することができる。重合温度は、使用するラジカル開始
剤およびトナーバインダーの分子量によって選択される
が、通常5〜200℃、好ましくは50〜170℃であ
る。重合時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜2
4時間である。複合化した樹脂(α)の製造方法は、
(A)と(B)の混合物の場合には、存在下重合法、溶
液混合法、溶融混合法、粉体混合法などいずれの方法も
使用できる。存在下重合法では、(A)または(B)の
存在下に他方の単量体を重合することで得られる。溶液
混合法では、別々に重合した(A)と(B)を上記ビニ
ル樹脂の溶液重合に使用可能な溶剤と同様な溶剤に溶解
後、溶剤を溜去することで得られる。溶融混合法では、
バッチ式、連続式のいずれもが適用でき、連続式の場合
は、押出機などを用いて100〜230℃で混練するこ
とで得られる。バッチ式の場合は、反応槽中などで15
0〜230℃で混合する。粉体混合法では、ナウターミ
キサ、ヘンシェルミキサーなどを用いて、各々の成分の
粉体を混合することで得られる。(A)と(B)が化学
結合した樹脂は、以下の公知の方法などで製造すること
ができる。 ポリエステル中にフマル酸などを用いることにより二
重結合を導入しておき、このポリエステルとビニル系樹
脂の構成モノマーを共重合する方法。 カルボキシル基または水酸基を有するビニル系樹脂
(無水マレイン酸、アクリル酸、ヒドロキシメタアクリ
レートなどを共重合することで得られる)とポリエステ
ルの構成単量体を重縮合する方法。 ポリエステルの水酸基、カルボキシル基と、それらと
反応可能な官能基(酸無水物基、エポキシ基、イソシア
ネート基など)を有するビニル系樹脂をポリマー反応さ
せる方法。
【0022】本発明のトナーバインダーは、着色剤およ
び必要により離型剤、荷電制御剤などの種々の添加剤等
を混合し、乾式トナーとして用いられる。着色剤として
は公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができ
る。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラック
SM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピ
グメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガ
シンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッ
ド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッ
ド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル
バイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメ
ントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニング
リーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾ
ールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄
黒などが挙げられる。トナー中の着色剤の含有量は、染
料または顔料を使用する場合は、通常2〜15重量%で
あり、磁性粉を使用する場合は、通常20〜70重量%
である。
【0023】離型剤としては公知のものが使用でき、例
えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パ
ラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボ
ニル基含有ワックス(カルナバワックス、モンタンワッ
クス、ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。ト
ナー中の離型剤の含有量は通常0〜10重量%であり、
好ましくは1〜7重量%である。荷電制御剤としては、
公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウ
ム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金
属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリ
マー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポ
リマーなどが挙げられる。トナー中の荷電制御剤の含有
量は通常0〜5重量%である。さらに、流動化剤を使用
することもできる。流動化剤としては、コロイダルシリ
カ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉
末など公知のものを用いることができる。
【0024】乾式トナーの製造法としては、公知の混練
粉砕法などが挙げられる。上記トナー成分を乾式ブレン
ドした後、溶融混練され、その後、ジェットミルなどを
用いて微粉砕し、さらに風力分級し、粒径が通常2〜2
0μmの粒子として得られる。
【0025】本発明のトナーバインダーを用いた乾式ト
ナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、
フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹
脂、シリコーン樹脂など)により表面をコーティングし
たフェライトなどのキャリアー粒子と混合されて電気的
潜像の現像剤として用いられる。また、キャリア粒子の
かわりに帯電ブレードなどの部材と摩擦し、電気的潜像
を形成することもできる。次いで、公知の熱ロール定着
方法などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムな
ど)に定着して記録材料とされる。
【0026】以下実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部
は重量部を示す。
【実施例】
【0027】実施例および比較例で得られたトナーバイ
ンダーの性質の測定法を次に示す。 1.酸価および水酸基価 JIS K0070に規定の方法。 なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶分がある場合は、
以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。 混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル
MODEL30R150 混練条件 : 130℃、70rpmにて30分 2.ガラス転移点(Tg) ASTM D3418−82に規定の方法(DSC
法)。 装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC
/580 3.分子量 THF可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定。GPCによる分子量測定の条件は
以下の通りである。 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK GEL GMH6 2本 (東洋曹達製) 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液 溶液注入量: 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成
した。 4.テトラヒドロフラン(THF)不溶分 試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間攪拌還
流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別
し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上
の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶分を算出す
る。 5.誘電正接(tanδ)の測定 装置 : 安藤電気(株)製 TR−1100型誘電体損測定装置 電極 : 安藤電気(株)製 SE−43型 粉体電極 なお、以下の方法で溶融混練後、20μm以下に粉砕し
たものを試料として用いた。 混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL30R150 混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
【0028】実施例1 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物1
64部、水素添加ビスフェノールA339部、フェノー
ルノボラック樹脂(核体数約5個)のプロピレンオキサ
イド5モル付加物40部、ドデセニルコハク酸無水物4
90部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧
下220℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHg
の減圧で5時間反応した。次いで、これに無水トリメリ
ット酸55部を加えて10〜15mmHgの減圧で反応
させて、メルトインデックス(180℃、2160g)
が0.5g/10minとなった時点で反応槽から取り出し、
本発明のトナーバインダー(1)を得た。トナーバイン
ダー(1)のTHF不溶分は42%、ピーク分子量は7
800、ガラス転移点(Tg)は59℃、tanδは
4.6×10-3であった。
【0029】実施例2 (ポリエステルの合成)実施例1と同様にして、ビスフ
ェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物506
部、水素添加ビスフェノールAを87部、フェノールノ
ボラック樹脂(核体数約5個)のプロピレンオキサイド
5モル付加物15部、無水マレイン酸29.5部、ドデ
セニルコハク酸無水物394部をジブチルチンオキサイ
ド2部を触媒として220℃で反応させた。次いで18
0℃まで冷却し、これに無水トリメリット酸28部を加
えて180℃常圧で2時間反応させでポリエステル(A
1)を得た。ポリエステル(A1)のTgは43℃、t
anδは4.9×10-3であった。 (トナーバインダーの合成)温度計および攪拌機の付い
たオートクレーブ反応槽中にキシレン320部を入れ、
窒素置換後、ポリエステル(A1)500部、スチレン
500部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド5部の
混合液を170℃で2時間で滴下し、重合した。次いで
200℃にて減圧乾燥して、本発明のトナーバインダー
(2)を得た。トナーバインダー(2)のTHF不溶分
は38%、ピーク分子量は11000、Tgは60℃、
tanδは1.9×10-3であった。ポリエステル(A
1)の代わりにキシレン500部を用いて同様にスチレ
ンを重合した。得られたポリスチレンのTgは78℃、
tanδは1.1×10-4であった。
【0030】実施例3 (スチレン系樹脂の合成)温度計および攪拌機の付いた
オートクレーブ反応槽中に、水2000部、ポリビニル
アルコール3部を入れ充分溶解した後、これにスチレン
850部、ブタジエン150部の混合モノマーおよびジ
−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート2
部を加え、窒素置換後、85℃で10時間、その後95
℃で3時間懸濁重合させた。冷却後、反応物をろ別、水
洗し、50℃で乾燥してスチレン系樹脂(B1)を得
た。スチレン系樹脂(B1)のTgは54℃、tanδ
は1.0×10-4であった。 (ポリエステルの合成)実施例1と同様にして、水素添
加ビスフェノールAを501部、セバシン酸127部、
無水マレイン酸10.4部、ドデセニルコハク酸無水物
371部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として2
20℃で反応させでポリエステル(A2)を得た。ポリ
エステル(A2)のTgは57℃、tanδは5.8×
10-3であった。 (トナーバインダーの合成)温度計および攪拌機の付い
たオートクレーブ反応槽中にキシレン250部を入れ、
窒素置換後、ポリエステル(A2)400部、スチレン
400部、およびジ−t−ブチルパーオキサイド12部
の混合液を170℃で2時間で滴下し、重合した。次い
で、スチレン系樹脂(B1)200部およびキシレン7
50部を加え、溶解分散した後、200℃にて減圧乾燥
して、本発明のトナーバインダー(3)を得た。トナー
バインダー(2)のTHF不溶分は23%、ピーク分子
量は7100、Tgは63℃、tanδは2.3×10
-3であった。
【0031】比較例1 冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物3
48部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付
加物320部、テレフタル酸166部、フマル酸62.
5部、無水ドデセニルコハク酸54部、ハイドロキノン
0.1部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常
圧下230℃で12時間反応し、さらに10〜15mm
Hgの減圧で3時間反応した。次いで、無水トリメリッ
ト酸64部を加えて10〜15mmHgの減圧で反応さ
せて、酸価が20となった時点で反応槽から取り出し、
ポリエステル(A3)を得た。(A3)のTHF不溶分
は32%、ピーク分子量は6200であり、Tgは59
℃、tanδは1.2×10-2であった。ポリエステル
(A3)を比較トナーバインダー(1)とする。
【0032】比較例2 (スチレン系樹脂の合成)モノマーをスチレン720
部、ブチルアクリレート280部に変える以外は実施例
3のスチレン系樹脂(B1)と同様に重合し、樹脂(B
2−1)を得た。温度計および攪拌機の付いたオートク
レーブ反応槽中にキシレン450部を入れ、窒素置換
後、スチレン870部、ブチルアクリレート130部の
混合モノマー、およびジ−t−ブチルパーオキサイド1
5部、キシレン120部の混合液を170℃で3時間で
滴下し、重合した。次いで脱溶剤して樹脂(B2−2)
を得た。樹脂(B2−1)300部と樹脂(B2−2)
700部をキシレン1000部に加え、還流下に溶解さ
せた。次いで180℃にて減圧乾燥してスチレン系樹脂
(B2)を得た。(B2)のTgは61℃、tanδは
1.9×10-3であった。 (トナーバインダーの合成)ポリエステル(A3)50
0部とスチレン系樹脂(B2)500部を粉体混合した
後、二軸混練機((株)池貝製 PCM−30)で混練
し、比較トナーバインダー(2)を得た。比較トナーバ
インダー(2)のtanδは6.1×10-3であった。
【0033】評価例1〜3および比較評価例1、2 本発明のトナーバインダー(1)〜(3)および比較ト
ナーバインダー(1)(2)100部に対して、磁性粉
(戸田工業(株)製 EPT−1000)100部、低分
子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製 ビスコール
550P)4部、荷電制御剤T−77(保土谷化学
(製))0.8部を加え下記の方法でトナー化した。ま
ず、ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製 FM1
0B)を用いて予備混合した後、二軸混練機((株)池貝
製 PCM−30)で混練した。ついで超音速ジェット
粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業(株)製)
を用いて微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチッ
ク工業(株)製 MDS−I)で分級し、粒径d50が8
μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部
にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロ
ジル製)1部をサンプルミルにて混合して、トナー
(1)〜(3)比較トナー(1)、(2)を得た。評価
結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナーNo 画像濃度(N/N) 画像濃度(H/H) MFT HOT −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− トナー(1) 1.52 1.24 120℃ 230℃ トナー(2) 1.55 1.37 125℃ 230℃ トナー(3) 1.54 1.31 125℃ 220℃ 比較トナー(1) 0.82 0.64 125℃ 200℃ 比較トナー(2) 1.28 0.85 130℃ 190℃ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [評価方法] 画像濃度 市販レーザープリンター(LBP−210;キヤノン
製)を用いて黒ベタ画像を印字し、その画像濃度をマク
ベス濃度計を用いて測定した。現像を常温常湿(23
℃、50%RH)でおこなったものを画像濃度(N/N)、高
温高湿(35℃、85%RH)でおこなったものを画像濃
度(H/H)とする。 最低定着温度(MFT) 市販レーザープリンター(LBP−210;キヤノン
製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(SF
8400A;シャープ製)の定着ユニットを改造し、紙
送り速度が160mm/sec、定着温度が可変の定着機を用い
て評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の
残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低
定着温度とした。 ホットオフセット発生温度(HOT) 上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオ
フセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発
生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温
度とした。
【0035】
【発明の効果】本発明のトナーバインダーは以下の効果
を奏する。 1.乾式トナーにした場合に帯電量が適正で、かつ環境
安定性に優れる。とりわけ、磁性トナーにした場合の帯
電量が高く、画像濃度が高い。 2.低温定着性と耐ホットオフセット性のいずれにも優
れる。 3.耐久性に優れ、長期複写後も画像の劣化が少ない。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−124681(JP,A) 特開 平10−171164(JP,A) 特開 平7−191496(JP,A) 特開 昭63−8676(JP,A) 特開 平3−213879(JP,A) 特開 平6−118700(JP,A) 特開 平8−254852(JP,A) 特開 平8−334930(JP,A) 特開 平3−219262(JP,A) 特開 平2−167563(JP,A) 特開 平2−881(JP,A) 特開 平2−29664(JP,A) 特開 平4−204457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル(A)からなるトナーバイ
    ンダーにおいて、(A)がジオール(1)、ジカルボン
    酸(3)とともに3価以上のポリオール(2)および/
    または3価以上のポリカルボン酸(4)を用いてなり
    (2)と(3)とのモル比が80/20〜20/80で
    あり、(A)の測定周波数100kHzにおける誘電正
    接(tanδ)が8×10-3以下であることを特徴とす
    るトナーバインダー。
  2. 【請求項2】 該(1)がノボラック樹脂のアルキレン
    オキサイド付加物である請求項1記載のトナーバインダ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のポリエステル
    (A)と、誘電正接(tanδ)が5×10-3以下であ
    る他の樹脂(B)を複合化した樹脂(α)からなるトナ
    ーバインダー。
  4. 【請求項4】 該(α)が、該(A)と該(B)の少な
    くとも一部が化学結合した樹脂である請求項3記載のト
    ナーバインダー。
  5. 【請求項5】 該(B)が、Tgが30〜150℃の非
    晶質の樹脂である請求項3または4記載のトナーバイン
    ダー。
  6. 【請求項6】 (α)中の(A)の含有量が、10〜9
    0重量%である請求項3〜5のいずれか記載のトナーバ
    インダー。
  7. 【請求項7】 該(B)が、ビニル系樹脂である請求項
    3〜6のいずれか記載のトナーバインダー。
  8. 【請求項8】 該ビニル系樹脂が、スチレン系樹脂であ
    る請求項7記載のトナーバインダー。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載のトナーバ
    インダーを含有してなる乾式トナー。
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