WO2022172446A1 - 重合性組成物、成形体及び複合部材 - Google Patents

重合性組成物、成形体及び複合部材 Download PDF

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof

Abstract

本開示は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体を作製できる重合性組成物、及び傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体を、提供する。重合性組成物は、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有する。重合性化合物(A)は、溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内である成分(a)を、重合性化合物(A)に対して50モル%以上100モル%以下の割合で含有する。成分(a)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)を含有する。

Description

重合性組成物、成形体及び複合部材
 本開示は、重合性組成物、成形体及び複合部材に関し、詳しくは不飽和カルボン酸を含む重合性組成物、この重合性組成物から作製される成形体及びこの成形体を備える複合部材に関する。
 特許文献1には、基材層上に、生じた傷を加熱により自己修復する自己修復層を備える積層体が開示されている。積層体は、硬化した活性エネルギー線硬化性樹脂と、これに分散している熱可塑性樹脂とを含み、加熱により熱可塑性樹脂が軟化して傷を埋めることで自己修復が発現するとされている。
特表2006-506471号公報
 本開示の課題は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体を作製できる重合性組成物、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体、及びこの成形体を備える複合部材を、提供することである。
 本開示の一態様に係る重合性組成物は、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有する。前記重合性化合物(A)は、溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内である成分(a)を、前記重合性化合物(A)に対して50モル%以上100モル%以下の割合で含有する。前記成分(a)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)を含有する。
 本開示の一態様に係る成形体は、前記重合性組成物の硬化物を含む。
 本開示の別の一態様に係る成形体は、重合性化合物(A)を含有する重合性組成物の硬化物を含み、刺激が与えられることで第一の状態から、前記第一の状態よりも貯蔵弾性率の低い第二の状態へ変化し、かつ前記刺激が除かれることで前記第二の状態から前記第一の状態へ変化する。前記第一の状態での前記成形体の貯蔵弾性率は1GPa以上である。前記第二の状態での前記成形体の貯蔵弾性率は10MPa以下である。
 本開示の一態様に係る複合部材は、黒色の部材と、前記部材を覆う前記成形体とを備える。
実施例1についての、成形体の、貯蔵弾性率-温度の関係曲線を示すグラフである。 実施例3及び4についての、成形体の、貯蔵弾性率-温度の関係曲線を示すグラフである。 組成物中の金属イオンの割合と成形体のガラス転移温度との関係を示すグラフである。 組成物中の金属イオンの割合が異なる試料についての、IRスペクトルのチャートである。
 発明者の調査によると、特許文献1(特表2006-506471号公報)に開示されているように自己修復層において硬化した活性エネルギー線硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を分散させると、自己修復層の硬度を高めるのは難しい。また、この場合、自己修復層に付けられた傷が深いと、修復するのが難しくなる。
 そこで、発明者は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体を作製できる重合性組成物、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる成形体、及びこの成形体を備える複合部材を、提供すべく、研究開発を進めた結果、本開示の完成に至った。
 以下、本開示の実施形態について説明する。なお本開示は下記の実施形態に限られない。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎず、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
 本開示の第一の実施形態に係る重合性組成物(以下、組成物(X)ともいう)について説明する。
 組成物(X)は、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有する。重合性化合物(A)は、溶解度パラメータの値の範囲(レンジ)が2.0以内である成分(a)を、50モル%以上100モル%以下の割合で含有する。成分(a)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)を含有する。
 この組成物(X)から、組成物(X)の硬化物を含む成形体を作製できる。詳しくは、例えば組成物(X)を適宜の形状に成形し、重合性化合物(A)を重合させることで硬化させると、成形体を作製できる。
 組成物(X)から作製された成形体は、刺激が与えられることで第一の状態から第二の状態へ変化でき、かつ刺激が除かれることで第二の状態から第一の状態へ変化できる。第一の状態と第二の状態との各々は、成形体の貯蔵弾性率によって規定される成形体の状態であり、第二の状態では第一の状態よりも成形体の貯蔵弾性率が低い。第一の状態にある成形体の貯蔵弾性率がより高く、そのため成形体に力が加えられても容易には変形しない。一方、第二の状態にある成形体の貯蔵弾性率がより低く、そのため成形体に力を加えられると容易に塑性変形する。このため、成形体が第一の状態において傷付けられても、成形体に刺激を与えて第二の状態に変化させれば、成形体を容易に変形させて成形体を修復することができる。成形体から刺激を除けば成形体は再び第一の状態になり、変形しにくくなるため、修復された状態が維持される。第一の状態から第二の状態に変化すると、成形体の貯蔵弾性率は低下する。
 第一の実施形態では、成形体が第一の状態から第二の状態に変化する場合、及び第二の状態から第一の状態に変化する場合の、貯蔵弾性率の変化量が大きくなりやすい。言い換えると、第一の状態と第二の状態との間の硬度の差が大きくなりやすい。これにより、第一の状態では成形体は高い硬度を有しやすく、第二の状態では成形体は塑性変形しやすくなって、例えば成形体に大きく深い傷が付けられていても成形体が修復されやすい。例えば深さ100μm程度の傷が付けられても成形体が修復されやすくなる。
 第一の実施形態では、第一の状態の貯蔵弾性率が1GPa以上であり、かつ第二の状態の貯蔵弾性率が10MPa以下であることも、実現されやすい。この場合、第一の状態では成形体は高い硬度及び強度を有しやすく、成形体の鉛筆硬度が3H以上であることを実現することも可能である。また、第二の状態では成形体は特に塑性変形しやすく、そのため第一の実施形態では大きく深い傷が付けられても成形体が修復されやすい。
 なお、成形体は第一の状態から第二の状態へ直接変化してもよく、第一の状態から、第一の状態でも第二の状態でもない状態(遷移状態)を経て第二の状態に変化してもよい。同様に、成形体は第二の状態から第一の状態へ直接変化してもよく、第二の状態から、遷移状態を経て第一の状態に変化してもよい。
 刺激とは、成形体を第一の状態から第二の状態へ変化させるために要する負荷である。刺激は、例えば熱、圧力、液体、及びガスなどからなる群から選択される少なくとも一種を含む。すなわち、刺激を与えることは、例えば熱を加えること、圧力を加えること、液体へ曝露すること、及びガスへ曝露することなどからなる群から選択される少なくとも一種を含む。液体は、不飽和カルボン酸(a1)と親和性を有することが好ましく、例えば水である。ガスも、不飽和カルボン酸(a1)と親和性を有することが好ましく、例えば水蒸気である。
 より具体的には、例えば第一の状態にある成形体に熱を加えて温度を上昇させることで、成形体を第二の状態に変化させることができ、熱を与えるのをやめて成形体の温度を低下させることで成形体を第一の状態に変化させることができる。また、例えば第一の状態にある成形体を熱水に浸すことで熱を加えかつ水に曝露することで、成形体を第二の状態に変化させることができ、成形体を熱水から取り出すことで成形体を第一の状態に変化させることができる。また、第一の状態にある成形体に加熱した水蒸気を吹き付けることで成形体を加熱しかつ水蒸気に曝露することで、成形体を第二の状態に変化させることができ、水蒸気の吹きつけをやめることで成形体を第一の状態に変化させることができる。
 成形体の上記の特性は、次の理由により発現すると推察される。
 成分(a)を含む組成物(X)が重合して構成される重合体は、不飽和カルボン酸(a1)に由来するカルボキシル基とカルボキシレート基との少なくとも一方を有する。以下、カルボキシル基及びカルボキシレート基を、配位性官能基と総称する。配位性官能基が金属イオン(B)に配位しうる。金属イオン(B)に複数の配位性官能基が配位することで、成形体中に金属イオン(B)を介した架橋構造が形成される。
 さらに、組成物(X)が、溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内である成分(a)を、50モル%以上100モル%以下の割合で含有し、この成分(a)が少なくとも不飽和カルボン酸(a)を含有することで、組成物(X)中での不飽和カルボン酸(a1)の分散性は高い。このため組成物(X)から作製される成形体中には不飽和カルボン酸(a1)に由来する配位性官能基が良好に分散しうる。このため、金属イオン(B)を介した架橋構造が、成形体中に良好に分散して存在しうる。
 このため成形体は強固な構造を有することができ、第一の状態での貯蔵弾性率が1GPa以上であることも実現しうる。
 成形体に刺激が与えられると、金属イオン(B)と配位性官能基とが解離しやすくなる。言い換えると、刺激とは、金属イオン(B)と配位性官能基とを解離しやすくするための負荷である。そのため、成形体を構成する分子鎖が移動しやすくなり、成形体が塑性変形しやすくなる。これにより、第二の状態での貯蔵弾性率が10MPa以下であることも実現しうる。
 例えば刺激が熱と圧力とのうち少なくとも一方を含む場合には、刺激によって分子振動が増大することで、金属イオン(B)と配位性官能基とが解離しやすくなると考えられる。また、刺激が液体とガスとのうち少なくとも一方を含む場合には、成形体が液体又はガスによって膨潤し、配位性官能基と液体又はガスの分子との間で相互作用が生じることで、金属イオン(B)と配位性官能基とが解離しやすくなると考えられる。
 なお、上記の機序に関する理論は、合理的に導かれたものであるが、本実施形態は上記理論に拘束されるものではない。
 組成物(X)の組成について、更に詳しく説明する。
 組成物(X)は、上述のとおり、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有する。重合性化合物(A)は、成分(a)を含有し、成分(a)は不飽和カルボン酸(a1)を含む。
 不飽和カルボン酸(a1)は、一分子中に一つの重合性不飽和基を有することが好ましい。この場合、第二の状態での貯蔵弾性率が10MPa以下であることが特に実現しやすい。不飽和カルボン酸(a1)は、メタクリル酸(溶解度パラメータ10.73)とアクリル酸(溶解度パラメータ11.08)とのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、第一の状態の高い貯蔵弾性率と第二の状態の低い貯蔵弾性率とが特に実現されやすい。なお、不飽和カルボン酸(a1)が含みうる化合物は前記のみには制限されない。
 成分(a)は、不飽和カルボン酸(a1)のみを含有してもよいが、不飽和カルボン酸(a1)以外の化合物を含有してもよい。成分(a)中の不飽和カルボン酸(a1)以外の化合物の割合を調整することによって、成形体中の架橋構造の数密度を調整でき、これにより成形体の第一の状態での貯蔵弾性率及び第二の状態での貯蔵弾性率を調整できる。また、不飽和カルボン酸(a1)以外の化合物によって、成形体の種々の物性を調整することもできる。例えば成分(a)は、不飽和カルボン酸エステル(a2)を更に含有してもよい。不飽和カルボン酸エステル(a2)は不飽和カルボン酸(a1)と近い溶解度パラメータを有することができ、そのため成分(a)の溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内であることが実現されやすい。また、不飽和カルボン酸エステル(a2)は成形体の疎水性を高めることができ、このため成形体に耐水性を付与しやすくなる。
 成分(a)が不飽和カルボン酸エステル(a2)を含有する場合、不飽和カルボン酸エステル(a2)は、一分子中に一つの重合性不飽和基を有することが好ましい。この場合、第二の状態での貯蔵弾性率が10MPa以下であることが特に実現しやすい。不飽和カルボン酸(a1)がアクリル酸とメタクリル酸とのうち少なくとも一方を含有し、かつ不飽和カルボン酸エステル(a2)がアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのうち少なくとも一方を含有することが、好ましい。この場合、第一の状態での高い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。これは、成分(a)の重合体の主鎖骨格が剛直になりやすいためであると推察される。
 不飽和カルボン酸エステル(a2)は、例えばメタクリル酸メチル(溶解度パラメータ9.5)、メタクリル酸エチル(溶解度パラメータ9.0)、メタクリル酸ブチル(溶解度パラメータ8.8)、アクリル酸メチル(溶解度パラメータ10)、アクリル酸エチル(溶解度パラメータ9.5)、アクリル酸プロピル(溶解度パラメータ9.0)、及びアクリル酸ブチル(溶解度パラメータ9.0)などからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。不飽和カルボン酸エステル(a2)は、特にメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有することが好ましい。この場合、第一の状態の高い貯蔵弾性率と第二の状態の低い貯蔵弾性率とが特に実現されやすい。なお、不飽和カルボン酸エステル(a2)が含みうる化合物は前記のみには制限されない。
 成分(a)が不飽和カルボン酸(a1)と不飽和カルボン酸エステル(a2)とを含有する場合、不飽和カルボン酸(a1)と不飽和カルボン酸エステル(a2)との合計に対する不飽和カルボン酸エステル(a2)の割合が50モル%以上99モル%以下であることが好ましい。この場合、この割合が50モル%以上であると、成形体は特に高い耐水性を有しやすい。この割合が99モル%以下であると、第一の状態での高い貯蔵弾性率と第二の状態での低い貯蔵弾性率とが実現されやすい。この割合は70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましく、85モル%以上であれば特に好ましい。またこの割合は95モル%以下であればより好ましく、90モル%以下であれば特に好ましい。なお、第一の状態での貯蔵弾性率の向上と第二の状態での貯蔵弾性率の低下とを重視する場合には、不飽和カルボン酸エステル(a2)の割合は50モル%以下であってもよい。
 上述のとおり、重合性化合物(A)に対する成分(a)の割合は50モル%以上である。そのため、成形体の第一の状態での高い貯蔵弾性率と第二の状態での低い貯蔵弾性率とが実現されやすい。この割合は80モル%以上であることがより好ましく、95モル%以上であれば更に好ましい。重合性化合物(A)が成分(a)のみを含有することも好ましい。
 重合性化合物(A)が成分(a)以外の成分(以下、成分(b)という)を含有する場合、この成分(b)は、例えば上記の成分(a)に含まれる不飽和カルボン酸(a1)以外のアクリル酸、成分(a)に含まれる不飽和カルボン酸エステル(a2)以外の不飽和カルボン酸エステル、及び前記以外の不飽和化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。例えば成分(b)は、スチレン(溶解度パラメータ8.7)、メタクリル酸ラウリル(溶解度パラメータ8.2)、メタクリル酸ステアリル(溶解度パラメータ7.8)、エチレン(溶解度パラメータ8.0)、エチレンテレフタレート(溶解度10.7)、イソプレン(溶解度パラメータ8.2)などからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。
 上述のとおり、成分(a)の溶解度パラメータの値の範囲は2.0以内であり、かつ成分(a)は不飽和カルボン酸(a1)を少なくとも含む。すなわち、成分(a)が複数種の化合物を含有する場合は、成分(a)中の最大の溶解度パラメータを有する化合物と、最小の溶解度パラメータを有する化合物との間の溶解度パラメータの差の絶対値は、2.0以下である。なお、成分(a)は、単一の化合物のみを含有してもよく、同一の溶解度パラメータを有する複数種の化合物のみを含有してもよい。これらの場合、成分(a)の溶解度パラメータの範囲は0である。重合性化合物(A)中の化合物のうち、成分(a)に含まれる化合物は、成分(a)の割合が最大になるように選択される。このため、重合性化合物(A)が複数種の化合物を含有する場合、各化合物が成分(a)と成分(b)とのうちいずれに含まれるかは、各化合物の溶解度パラメータ及び重合性化合物(A)に対する割合によって決まる。そのため、成分(a)が含みうる化合物は上記説明のみには制限されず、また成分(b)が含みうる化合物も上記説明のみには制限されない。すなわち、同じ化合物であっても、成分(a)に含まれる場合もあれば、成分(b)に含まれる場合もある。例えば仮に、重合性化合物(A)が、不飽和カルボン酸である化合物α、化合物αよりも溶解度パラメータが1.5大きい不飽和カルボン酸エステルである化合物β、及び化合物αよりも溶解度パラメータが1.5小さい不飽和カルボン酸エステルである化合物γのみを含有する場合を想定する。この場合、重合性化合物(A)に対して、化合物αの割合が30質量%、化合物βの割合が69質量%、化合物γの割合が1質量%であれば、成分(a)の割合が最大になるように成分(a)に含まれる化合物が選択されると、成分(a)は化合物α及び化合物βを含有し、かつ成分(b)は化合物γを含有する。この場合、不飽和カルボン酸(a1)は化合物αからなり、かつ不飽和カルボン酸エステル(a2)は化合物βからなる。この場合の成分(a)の溶解度パラメータの値の範囲は1.5であり、成分(a)の割合は99質量%である。また、化合物αの割合が30質量%、化合物βの割合が1質量%、化合物γの割合が69質量%であれば、成分(a)の割合が最大になるように成分(a)に含まれる化合物が選択されると、成分(a)が化合物α及び化合物γを含有し、かつ成分(b)が化合物βを含有する。この場合、不飽和カルボン酸(a1)は化合物αからなり、かつ不飽和カルボン酸エステル(a2)は化合物γからなる。この場合の成分(a)の溶解度パラメータの値の範囲は1.5であり、成分(a)の割合は99質量%である。化合物βの割合と化合物γの割合とが同じである場合には、成分(a)が化合物α及び化合物βを含有しかつ成分(b)が化合物γを含有するとみなしてもよいし、成分(a)が化合物α及び化合物γを含有しかつ成分(b)が化合物βを含有するとみなしてもよい。
 金属イオン(B)は、不飽和カルボン酸(a1)に由来する配位性官能基が配位できるのであれば、特に制限はない。金属イオン(B)がHSAB則による硬い酸又は中間の酸に分類されることが好ましい。この場合、第一の状態における高い貯蔵弾性率が実現されやすい。これは、不飽和カルボン酸(a1)のカルボキシル基が電離して生じるカルボキシレート基が硬い塩基であることから、金属イオン(B)が硬い酸又は中間の酸である場合にはカルボキシレート基と金属イオン(B)との親和性が良好であり、配位結合が形成されやすいためであると、考えられる。金属イオン(B)が硬い酸に分類されることが特に好ましい。この場合、第一の状態における高い貯蔵弾性率がより実現されやすい。
 金属イオン(B)は、特にアルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンとからなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、第一の状態における高い貯蔵弾性率と第二の状態における低い貯蔵弾性率とが特に実現されやすい。金属イオン(B)がアルカリ金属イオンを含有する場合は低い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。第一の状態における高い貯蔵弾性率が実現されやすいのは、アルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンはイオン半径が比較的大きいため、配位性官能基が配位しやすく、そのため架橋構造が形成されやすいからであると推察される。また、第二の状態における低い貯蔵弾性率が実現されやすいのは、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン、特にアルカリ金属イオンは、高温で吸水しやすいことから、刺激が熱と水又は水蒸気とを含む場合に配位結合の解離が生じ易くなるからであると推察される。
 具体的には、金属イオン(B)は、ナトリウムイオンと亜鉛イオンとのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。金属イオン(B)が、硬い酸に分類されかつアルカリ金属であるナトリウムイオンを含有すれば、特に好ましい。
 不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合は、例えば1モル%以上100モル%以下である。不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合が、1モル%以上10モル%以下であることが好ましい。この場合、第二の状態での低い貯蔵弾性率が特に実現されやすくなり、第二の状態で特に成形体が修復されやすくなる。不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合が、10モル%超100モル%以下であることも好ましい。この場合、第一の状態での高い貯蔵弾性率が特に実現されやすく、第一の状態で成形体が高い硬度を有しやすくなり、かつ成形体が耐薬品性を有しうる。
 配位性官能基に対する金属イオン(B)の割合は、配位性官能基と金属イオン(B)とで形成される安定な配位構造における配位性官能基に対する金属イオン(B)の割合に近いことが好ましい。この場合、架橋構造の数密度が特に高くなり、第一の状態における高い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。
 例えば金属イオン(B)がナトリウムイオンである場合、ナトリウムに一つのカルボキシレート基と二つのカルボキシル基とが配位することで安定した配位構造(六配位構造)が形成される。そのため不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合は33モル%に近いことが好ましく、例えば5モル%以上40モル%以下であることが好ましい。なお、金属イオン(B)が多い場合は、修復性を有する成形体を得ることはできるが、配位構造を構成しない金属イオンが生じやすくなることから、例えば後述する金属イオン(B)を含む化合物が組成物(X)及び成形体に十分には溶けにくくなる。そのため、組成物(X)及び成形体が不均一になりやすくなる。
 金属イオン(B)が亜鉛イオンである場合には、一つの亜鉛イオンに二つのカルボキシレート基が配位することで安定した配位構造(四配位構造)が形成されるが、実際には一つの亜鉛イオンに二つのカルボキシレート基と一つのカルボキシル基とが配位した六配位構造も混在する。そのため不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合は35モル%に近いことが好ましく、例えば5モル%以上40モル%以下であることが好ましい。
 組成物(X)中では、不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部は、金属イオン(B)で中和されていることが好ましい。すなわち、不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部は、金属イオン(B)と塩を形成していることが好ましい。この場合、第一の状態における高い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。これは、成形体中で配位性官能基と金属イオン(B)とによる安定な配位構造が特に形成されやすいためであると推察される。
 組成物(X)は、重合開始剤を含有してもよい。重合開始剤は、例えば光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤とのうち少なくとも一方を含有する。光ラジカル重合開始剤は、例えばアルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を含有できる。熱ラジカル重合開始剤は、例えば有機過酸化物系のラジカル重合開始剤を含有できる。
 組成物(X)は、上記以外の添加剤を含有してもよい。例えば組成物(X)は、着色材、可塑剤、抗菌剤、難燃剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線保護剤、帯電防止剤、フィラー等を含有してもよい。
 組成物(X)の調製方法について説明する。上記の組成物(X)の成分を混合することによって、組成物(X)を調製できる。
 組成物(X)を調製するに当たり、まず不飽和カルボン酸(a1)と金属イオン(B)とを混合することで不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部を金属イオン(B)の少なくとも一部で中和し、続いて、残りの成分を配合してもよい。不飽和カルボン酸(a1)を中和するに当たっては、例えば不飽和カルボン酸(a1)と金属イオン(B)を含む化合物とを混合する。金属イオン(B)を含む化合物の例は、金属イオン(B)と飽和脂肪酸との塩、金属イオンの水酸化物、金属イオンの炭酸塩、及び金属イオンの炭酸水素塩等を含む。飽和脂肪酸の例は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、及びステアリン酸等を含む。また、組成物(X)中に、不飽和カルボン酸(a1)と金属イオン(B)との塩(例えばメタクリル酸ナトリウムなど)を配合することで、組成物(X)中で不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部を金属イオン(B)の少なくとも一部で中和してもよい。
 組成物(X)から成形体を作製する場合には、上述のとおり、例えば組成物(X)を適宜の形状に成形し、重合性化合物(A)を重合させることで硬化させる。組成物(X)を成形するに当たっては、金型を用いて成形体を適宜の形状に成形してもよく、塗布することで膜状に成形してもよい。重合性化合物(A)を重合させるにあたっては、組成物(X)中の重合開始剤の種類に応じた方法で重合させる。重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である場合には組成物(X)に光を照射し、熱ラジカル重合開始剤である場合には組成物(X)を加熱することで、重合性化合物(A)を重合させる。重合性化合物(A)を重合させるための具体的な条件は、重合性化合物(A)中の成分の種類に応じて適宜決定される。
 組成物(X)から作製される成形体の光沢度が入射角60°で10GU以上1000GU以下であってもよい。光沢度は、JIS K5600-4-7により規定される。光沢度を測定するための測定装置として、例えば堀場製作所製のグロスチェッカー(型番IG-331)を用いることができる。成形体の光沢度が高いと、成形体に傷がついた場合に光沢度が低下して外観が劣化しやすいが、上述のとおり成形体に傷がついても成形体が修復されやすいため、成形体の高い光沢度を回復させやすく、そのため成形体の外観が良好に保たれやすい。言い換えると、組成物(X)から光沢度が入射角60°で10GU以上1000GU以下の成形体を作製すれば成形体の外観が良好に保たれやすいため、組成物(X)は光沢度が入射角60°で10GU以上1000GU以下の成形体を作製するために好適である。
 組成物(X)から作製される成形体の、CIE1976L***色空間(CIELAB)によるL*が0以上20以下であってもよい。L*はJIS Z8781-4により規定される。成形体のL*が0以上20以下である場合も、成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、上述のとおり成形体に傷がついても成形体が修復されやすいため、成形体の外観が良好に保たれやすい。言い換えると、組成物(X)のL*が0以上20以下の成形体を作製すれば成形体の外観が良好に保たれやすいため、組成物(X)はL*が0以上20以下の成形体を作製するために好適である。成形体のL*を調整するためには、例えば組成物(X)に黒色の着色材を配合すればよい。黒色の着色材は、例えばカーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラックといった炭素系黒色顔料、酸化鉄、銅とクロムの複合酸化物といった酸化物系黒色顔料などからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。
 なお、組成物(X)から作製される成形体の有しうる光沢度及び色は上記に限られず、成形体は適宜の光沢度及び適宜の色を有してよい。
 本開示の第二の実施形態に係る成形体について説明する。
 第二の実施形態に係る成形体は、重合性化合物(A)を含有する重合性組成物の硬化物を含む。成形体は、刺激が与えられることで第一の状態から第二の状態へ変化し、かつ刺激が除かれることで第二の状態から第一の状態へ変化する。すなわち、成形体は、第一の状態と第二の状態との間で可逆的に変化しうる。第一の状態での貯蔵弾性率は1GPa以上であり、第二の状態での貯蔵弾性率は10MPa以下である。
 第一の状態では、成形体は、高い硬度と強度を有することができ、力が加えられても容易には変形しない。一方、第二の状態では力を加えられると容易に塑性変形する。このため、成形体が第一の状態において傷付けられても、成形体に刺激を与えて第二の状態に変化させれば、成形体を容易に変形させて成形体を修復することができる。成形体から刺激を除けば成形体は再び第一の状態になり、変形しにくくなるため、修復された状態が維持される。
 なお、成形体は第一の状態から第二の状態へ直接変化してもよく、第一の状態から、第一の状態でも第二の状態でもない状態(遷移状態)を経て第二の状態に変化してもよい。同様に、成形体は第二の状態から第一の状態へ直接変化してもよく、第二の状態から、遷移状態を経て第一の状態に変化してもよい。遷移状態とは、成形体の貯蔵弾性率が第一の状態よりも低く、かつ第二の状態よりも高い状態である。
 刺激とは、成形体を第一の状態から第二の状態へ変化させるために要する負荷である。刺激は、例えば熱、圧力、液体、ガス及び光などからなる群から選択される少なくとも一種を含む。すなわち、刺激を与えることは、例えば熱を加えること、圧力を加えること、液体へ曝露すること、ガスへ曝露すること及び光を照射することなどからなる群から選択される少なくとも一種を含む。刺激の種類は、成形体の組成に依存する。
 上記のとおり第一の状態での貯蔵弾性率は1GPa以上である。このため、第一の状態にある成形体は特に高い硬度と強度とを有することができ、成形体の鉛筆硬度が3H以上であることも実現可能である。この貯蔵弾性率は2GPa以上であればより好ましく、2.5GPa以上であれば更に好ましい。また、この貯蔵弾性率は例えば100GPa以下であるが、これに制限されず、貯蔵弾性率はこれよりも高くてもよい。
 上記のとおり第二の状態での貯蔵弾性率は10MPa以下である。このため、第二の状態にある成形体は特に塑性変形しやすくなり、そのため成形体に深く大きい傷がつけられても成形体が修復されやすい。貯蔵弾性率は5MPa以下であればより好ましく、3MPa以下であれば更に好ましい。また、貯蔵弾性率は例えば1MPa以上であるが、これに制限されず、貯蔵弾性率はこれよりも低くてもよい。
 成形体は、標準状態で刺激を受けていない状態では第一の状態にあることが好ましい。標準状態とは、大気雰囲気、温度25℃、湿度65%、1気圧の条件でのことである。標準状態から温度が-20℃以上50℃以下の範囲内で変動しても、成形体は第一の状態にあることが好ましい。すなわち、第一の状態での貯蔵弾性率が1GPa以上である場合には、標準状態では成形体の貯蔵弾性率が1GPa以上であることが好ましい。この場合、成形体が使用される環境下において、成形体が第一の状態に維持されやすく、すなわち成形体が高い硬度を有しやすい。標準状態において成形体の貯蔵弾性率は2GPa以上であればより好ましく、2.5GPa以上であれば更に好ましい。
 刺激が熱を含む場合には、第一の状態にある成形体を25℃から加熱して昇温させた場合に成形体が第一の状態から第二の状態に変化する温度は、100℃から200℃の範囲内にあることが好ましい。成形体が第一の状態から第二の状態に変化する温度とは、第一の状態から直接又は遷移状態を経て、第二の状態に到達した時点の温度である。すなわち、第二の状態での貯蔵弾性率が10MPa以下である場合には、成形体を25℃から加熱して昇温させた場合に、成形体の貯蔵弾性率が低下して10MPaに達する温度は、100℃から200℃の範囲内にあることが好ましい。この場合、成形体が使用される環境下において、成形体の貯蔵弾性率が過度に低下しにくく、成形体が高い硬度を維持しやすい。また、成形体を第二の状態に変化させるために加熱するに当たって、成形体を過度に高温にする必要がなく、そのため成形体の修復の作業がしやすくなる。
 第二の実施形態に係る成形体は、例えば第一の実施形態に係る組成物(X)から作製されうる。上述のとおり、第一の実施形態に係る組成物(X)から作製される成形体は、刺激が与えられることで第一の状態から第二の状態へ変化し、かつ刺激が除かれることで第二の状態から前記第一の状態へ変化できる。また、組成物(X)から作製される成形体では、第一の状態での貯蔵弾性率が1GPa以上であること、及び第二の状態での貯蔵弾性率が10MPa以下であることも、実現可能である。
 第二の実施形態に係る成形体は、刺激が与えられることで第一の状態から第二の状態へ変化し、かつ刺激が除かれることで第二の状態から前記第一の状態へ変化できるならば、第一の実施形態に係る組成物(X)から作製されなくてもよい。例えば、重合性化合物(A)を重合させることで得られた重合体と、金属イオン(B)の化合物とを、溶融混練してから成形することで、組成物(X)から製造される場合と同様の化学構造及び物性を有する成形体を作製することもできる。また、成形体は、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とから作製されるものに限られない。例えば成形体を構成する樹脂マトリックス中に、刺激が与えられることによって解離しやすく、かつ刺激が除かれることによって再結合しやすい化学結合(以下、動的結合という)を有する場合、この成形体が第二の実施形態に係る成形体となりうる。動的結合の例としては、金属配位結合、静電相互作用、水素結合、ドナーアクセプター相互作用、ホストゲスト相互作用、π-π相互作用、イミン結合、アシル結合、ジスルフィド結合、ディールスアルダー結合、エステル結合及びボロン酸エステル結合等が挙げられる。
 第一の実施形態における配位性官能基と金属イオン(B)との配位結合は、動的結合の一種である。成形体を構成する樹脂マトリックスが動的結合を有すると、動的結合の種類に応じた刺激が与えられた場合に成形体が第一の状態から第二の状態へ変化し、刺激が除かれた場合に成形体が第二の状態から第一の状態へと変化しうる。第一の状態において成形体が十分に高い貯蔵弾性率を有し、かつ第二の状態において成形体が十分に低い貯蔵弾性率を有するためには、成形体中における動的結合の数密度が高く、かつ動的結合が成形体の全体にわたって分散して存在することが好ましい。
 第二の実施形態に係る成形体の光沢度が入射角60°で10GU以上1000GU以下であってもよい。成形体の光沢度が入射角60°で10GU以上1000GU以下であると、成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、上述のとおり成形体に傷がついても成形体が修復されやすいため、成形体の外観が良好に保たれやすい。
 組成物(X)から作製される成形体の黒色度がCIELABでL*が0以上20以下であってもよい。成形体の黒色度がCIELABでL*が0以上20以下である場合も、成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、上述のとおり成形体に傷がついても成形体が修復されやすいため、成形体の外観が良好に保たれやすい。成形体の黒色度を調整するためには、成形体に黒色の着色材を含有させればよい。黒色の着色材は、例えば第一の実施形態に関して既に説明したものと同様でよい。
 なお、第二の実施形態に係る成形体の有しうる光沢度及び色は上記に限られず、成形体は適宜の光沢度及び適宜の色を有してよい。
 本開示の第三の実施形態に係る複合部材について説明する。
 複合部材は、黒色の部材と、黒色の部材を覆う成形体とを備える。成形体は、第一の実施形態に係る組成物(X)から作製された成形体、又は第二の実施形態に係る成形体である。複合部材は、観察者が成形体を介して黒色の部材の色が視認できるように構成されている。
 具体的には、例えば成形体は、光透過性を有する。さらに、複合部材において、黒色の部材と成形体とは直接接していてもよく、直接接していなくてもよい。黒色の部材と成形体とが直接接していない場合には、黒色の部材と成形体との間には、空隙と光透過性を有する部材とのうち、少なくとも一方が介在することで、観察者が、成形体を介して黒色の部材の色が視認できることが好ましい。
 第三の実施形態によると、観察者が成形体を介して黒色の部材の色が視認できると、成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、上述のとおり成形体に傷がついても成形体が修復されやすいため、複合部材の外観が良好に保たれやすい。
 第一の実施形態に係る組成物(X)から作製された成形体、第二の実施形態に係る成形体、及び第三の実施形態に係る複合部材は、種々の用途に適用可能である。例えばこれらは、建材、自動車用部品、電気製品の筐体、宇宙用部品などの製品に適用されうる。この場合、製品に傷がついても、製品が修復されやすくできる。建材には、床材、水廻り部材といった住宅用内装部材が含まれうる。
 以下、本開示に係る実施形態の具体的な実施例について説明する。なお、本開示に係る実施形態は、下記の実施例のみには制限されない。
 1.組成物の調製
 表1及び2に示す原料を混合することで、組成物を調製した。金属イオンの化合物(酢酸ナトリウム、酢酸亜鉛又はメタクリル酸ナトリウム)を配合する場合には、まず金属イオンの化合物と不飽和カルボン酸(メタクリル酸及びアクリル酸)とを混合してから、残りの成分を配合した。なお、表1及び2に示す熱ラジカル重合開始剤は、ペルオキシ二炭酸ビス(4-t-ブチル2シクロヘキサン-1-イル)である。
 なお、表1及び2中の「モル比((a2):(a1):(B))」は、組成物における成分(a)に含まれる不飽和カルボン酸エステル及び不飽和カルボン酸、並びに金属イオンの、モル比である。
 2.成形体の作製
 二枚のステンレス板を間隔をあけて配置し、ステンレス板の間の隙間をシリコンゴムで囲むことで、ステンレス板の間に板状の空間を形成した。この空間内に組成物を充填し、この状態で組成物を70℃で2時間加熱した後、更に90℃で1時間加熱した。これにより組成物を硬化させて、80mm×70mm×2mmの寸法の成形体を作製した。
 なお、不飽和カルボン酸を配合しなかった比較例2では、酢酸ナトリウムが溶けきらず、成形体が著しく不均一になってしまったため、下記の評価試験は行わなかった。
 3.貯蔵弾性率の測定
 大気雰囲気中、大気圧下、湿度65%の条件下での、成形体の貯蔵弾性率を測定した。測定にあたっては、測定装置として粘弾性測定装置(DMS6220、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、測定モードは曲げ(両持ち梁)、測定温度範囲は25℃から200℃まで、昇温速度は10℃/分の条件で、測定した。これにより、貯蔵弾性率と温度との関係曲線を得た。実施例1についての結果を図1に、実施例2についての結果を図2中のAに、実施例3についての結果を図2中のBに、それぞれ示す。
 この関係曲線から、25℃(標準状態)での貯蔵弾性率と、160℃での貯蔵弾性率とを読み取った。また、昇温時に貯蔵弾性率が10MPaに到達する温度を読み取った。その結果を表1及び2に示す。なお、比較例3では、160℃になっても貯蔵弾性率は44MPaまでしか低下せず、10MPaには到達しなかった。
 4.硬度測定
 標準状態での成形体の鉛筆硬度を、JIS K5600に基づいて測定した。その結果を表1及び2に示す。
 5.修復性1
 標準状態において成形体の表面にカッターナイフで長さ30mmの傷を付けてから、成形体をハンドプレスで、200℃に加熱しながら約3.92MPa(40kgf/cm2)のプレス圧を10分間加えた。続いて、成形体の表面を目視で観察した。その結果、傷が認められなくなった場合を「A」、傷が認められる場合を「B」と評価した。その結果を表1及び2に示す。
 6.修復性2
 標準状態において成形体の表面にカッターナイフで長さ30mmの傷を付けてから、成形体をアイロンで、180℃に加熱しながら約0.0196MPa(0.2kgf/cm2)のプレス圧を1分間加えた。続いて、成形体の表面を目視で観察した。その結果、傷が認められなくなった場合を「A」、傷が認められる場合を「B」と評価した。その結果を表1及び2に示す。
 7.修復性3
 成形体の表面の初期の光沢度を測定した。その結果、いずれの実施例及び比較例においても、光沢度は10GU以上であった。
 続いて、成形体の表面上で三矢社製の紙やすり#100を手動で10往復させながら擦りつけてから、表面の光沢度を測定した。その結果、いずれの実施例及び比較例においても、光沢度は10GU未満であった。
 続いて、成形体をハンドプレスで、200℃に加熱しながら約3.92MPa(40kgf/cm2)のプレス圧を10分間加えてから、表面の光沢度を測定した。その結果、光沢度が10GU以上である場合を「A」、光沢度が10GU未満である場合を「B」と、評価した。その結果を表1及び2に示す。
 8.耐薬品性
 成形体を25℃のアセトン中に3時間浸漬した。これにより生じた成形体の重量減少率が10質量%以下である場合を「A」、10質量%超20質量%以下である場合を「B」、20質量%超である場合を「C」と、評価した。その結果を表1及び2に示す。
 9.耐水性
 成形体を80℃の熱水に96時間浸漬した。この処理による成形体の重量増加率が5質量%未満の場合を「A」、5質量%以上10質量%未満の場合を「B」、10質量%以上である場合を「C」と、評価した。その結果を表1及び2に示す。
 10.ガラス転移温度
 成形体の動的粘弾性測定を行った。粘弾性測定装置(DMS6220、日立ハイテクノロジーズ社製)を用い、測定モードは曲げ(両持ち梁)、測定温度範囲は25℃から200℃まで、昇温速度は10℃/分の条件で、測定した。これにより得られたtanδと温度との関係曲線におけるピーク位置の温度をガラス転移温度とみなした。その結果を表1及び2に示す。なお、比較例1では25℃から200℃までの間にガラス転移温度は認められず、ガラス転移温度は25℃未満であると判断される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 11.金属イオンの割合と、ガラス転移温度及びIRピークとの関係
 実施例3を基準にして、組成物中のナトリウムイオンの割合を変化させた場合の、成形体のガラス転移温度の変化を調査した。ガラス転移温度の測定にあたり、成形体の示差走査熱量分析(DSC)を行った。測定装置として示差走査熱量測定装置(DSC3500、ネッチ社製)を用い、測定条件は30℃から230℃まで、昇温速度は5℃/分とした。これにより得られたDSC曲線から、ガラス転移温度を特定した。
 この結果を図3に示す。図3の縦軸はガラス転移温度を、横軸の数値は不飽和カルボン酸に対するナトリウムイオンの割合(モル%)を、それぞれ示す。
 図3に示すように、ナトリウムイオンの割合が30モル%程度になるまでは、ナトリウムイオンの割合が高くなるほど、ガラス転移温度が上昇した。これは、ナトリウムイオンの割合が高くなることで、成形体中の配位構造の数密度が高くなり、成形体がより剛直になったためであると推察される。ナトリウムイオンの割合が更に高くなると、ガラス転移温度は変化しにくくなった。これは、ナトリウムイオンと配位性官能基とが安定した配位構造を構成するための比率を超えてナトリウムイオンが多くなったために、ナトリウムイオンを増やしても配位構造の数密度が増大しなくなったためであると推察される。
 また、成形体の赤外吸光分析(IR)を行った。その結果を図4に示す。図4中のA、B、C及びDは、それぞれ組成物中の不飽和カルボン酸エステルと不飽和カルボン酸の総物質量に対するナトリウムイオンの割合が0モル%、2モル%、4モル%及び5モル%である場合のIRスペクトルを示す。この結果によると、IRスペクトルにおける、1580cm-1辺りにあるカルボキシレート基とナトリウムイオンとのイオン結合に対応する吸収ピークは、ナトリウムイオンの割合が30モル%程度になるまでは、ナトリウムイオンの割合が高くなるほど増大した。
 これらの結果から、成形体中には、金属イオンと配位性官能基とによる架橋構造が形成され、架橋構造の数密度は金属イオンの割合に依存すると、判断できる。
 上記の実施形態及び実施例から明らかなように、本開示の第一の態様に係る重合性組成物は、重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有する。重合性化合物(A)は、溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内である成分(a)を、重合性化合物(A)に対して50モル%以上100モル%以下の割合で含有する。成分(a)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)を含有する。
 第一の態様によると、重合性組成物から成形体を作製でき、成形体は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる。
 本開示の第二の態様に係る重合性組成物は、第一の態様において、成分(a)は、不飽和カルボン酸エステル(a2)を更に含有する。
 第二の態様によると、不飽和カルボン酸エステル(a2)は成形体の疎水性を高めることができ、このため成形体に耐水性を付与しやすくなる。
 本開示の第三の態様に係る重合性組成物は、第二の態様において、不飽和カルボン酸(a1)と不飽和カルボン酸エステル(a2)との合計に対する不飽和カルボン酸エステル(a2)の割合は50モル%以上99モル%以下である。
 第三の態様によると、成形体は特に高い耐水性を有しやすく、かつ第一の状態での高い貯蔵弾性率と第二の状態での低い貯蔵弾性率とが実現されやすい。
 本開示の第四の態様に係る重合性組成物は、第二又は第三の態様において、不飽和カルボン酸(a1)はアクリル酸とメタクリル酸とのうち少なくとも一方を含有し、不飽和カルボン酸エステル(a2)はアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのうち少なくとも一方を含有する。
 第四の態様によると、第一の状態での高い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。
 本開示の第五の態様に係る重合性組成物は、第一から第四のいずれか一の態様において、不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部は、金属イオン(B)で中和されている。
 第五の態様によると、第一の状態における高い貯蔵弾性率が特に実現されやすい。
 本開示の第六の態様に係る重合性組成物は、第一から第五のいずれか一の態様において、不飽和カルボン酸(a1)に対する金属イオン(B)の割合は1モル%以上100モル%以下である。
 第六の態様によると、第一の状態での高い貯蔵弾性率と第二の状態での低い貯蔵弾性率とが実現されやすい。
 本開示の第七の態様に係る重合性組成物は、第一から第六のいずれか一の態様において、金属イオン(B)は、アルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンとからなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
 第七の態様によると、第一の状態における高い貯蔵弾性率と第二の状態における低い貯蔵弾性率とが特に実現されやすい。
 本開示の第八の態様に係る成形体は、第一から第七のいずれか一の態様に係る重合性組成物の硬化物を含む。
 第八の態様によると、成形体は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる。
 本開示の第九の態様に係る成形体は、第八の態様において、刺激が与えられることで第一の状態から、第一の状態よりも貯蔵弾性率の低い第二の状態へ変化し、かつ刺激が除かれることで第二の状態から第一の状態へ変化する。第一の状態での成形体の貯蔵弾性率は1GPa以上であり、第二の状態での成形体の貯蔵弾性率は10MPa以下である。
 第九の態様によると、第一の状態では成形体は高い硬度及び強度を有しやすく、かつ第二の状態では成形体は特に塑性変形しやすく、そのため大きく深い傷がついても修復されやすい。
 本開示の第十の態様に係る成形体は、重合性化合物(A)を含有する重合性組成物の硬化物を含み、刺激が与えられることで第一の状態から、第一の状態よりも貯蔵弾性率の低い第二の状態へ変化し、かつ刺激が除かれることで第二の状態から第一の状態へ変化する。第一の状態での成形体の貯蔵弾性率は1GPa以上であり、第二の状態での成形体の貯蔵弾性率は10MPa以下である。
 第十の態様によると、成形体は、傷がついても修復されやすく、かつ高い硬度を有しうる。
 本開示の第十一の態様に係る成形体は、第九又は第十の態様において、刺激は、熱、圧力、液体、ガス及び光からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
 第十一の態様によると、刺激を利用して、成形体を容易に修復しうる。
 本開示の第十二の態様に係る成形体は、第十一の態様において、刺激は熱を含み、第一の状態にある成形体を25℃から加熱して昇温させた場合に成形体が第二の状態に変化する温度は、100℃から200℃の範囲内にある。
 第十二の態様によると、成形体が使用される環境下において、成形体の貯蔵弾性率が過度に低下しにくく、成形体が高い硬度を維持しやすい。さらに、成形体を第二の状態に変化させるために加熱するに当たって、成形体を過度に高温にする必要がなく、そのため成形体の修復の作業がしやすくなる。
 本開示の第十三の態様に係る成形体は、第八から第十二のいずれか一の態様において、入射角60°での光沢度が10GU以上1000GU以下である。
 第十三の態様によると、成形体に傷がついても修復されやすいため、傷によって成形体の光沢度が低下しても、光沢度を回復させやすい。
 本開示の第十四の態様に係る成形体は、第八から第十三のいずれか一の態様において、CIELABによるL*が0以上20以下である。
 第十四の態様によると、成形体が黒色であると成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、成形体に傷がついても修復されやすいため、成形体の外観が良好に保たれやすい。
 本開示の第十五の態様に係る複合部材は、黒色の部材と、部材を覆う第八から第十四のいずれか一の態様に係る成形体とを備える。
 第十五の態様によると、成形体を透過して黒色の部材の色が視認されると、成形体に傷がついた場合に傷が特に目立ちやすくなるが、成形体に傷がついても修復されやすいため、成形体の外観が良好に保たれやすい。

Claims (15)

  1. 重合性化合物(A)と金属イオン(B)とを含有し、
    前記重合性化合物(A)は、溶解度パラメータの値の範囲が2.0以内である成分(a)を、前記重合性化合物(A)に対して50モル%以上100モル%以下の割合で含有し、
    前記成分(a)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)を含有する、
    重合性組成物。
  2. 前記成分(a)は、不飽和カルボン酸エステル(a2)を更に含有する、
    請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記不飽和カルボン酸(a1)と前記不飽和カルボン酸エステル(a2)との合計に対する前記不飽和カルボン酸エステル(a2)の割合は50モル%以上99モル%以下である、
    請求項2に記載の重合性組成物。
  4. 前記不飽和カルボン酸(a1)はアクリル酸とメタクリル酸とのうち少なくとも一方を含有し、前記不飽和カルボン酸エステル(a2)はアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのうち少なくとも一方を含有する、
    請求項2又は3に記載の重合性組成物。
  5. 前記不飽和カルボン酸(a1)の少なくとも一部は、前記金属イオン(B)で中和されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  6. 前記不飽和カルボン酸(a1)に対する前記金属イオン(B)の割合は1モル%以上100モル%以下である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  7. 前記金属イオン(B)は、アルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンとからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の重合性組成物の硬化物を含む、
    成形体。
  9. 刺激が与えられることで第一の状態から、前記第一の状態よりも貯蔵弾性率の低い第二の状態へ変化し、かつ前記刺激が除かれることで前記第二の状態から前記第一の状態へ変化し、
    前記第一の状態での貯蔵弾性率は1GPa以上であり、
    前記第二の状態での貯蔵弾性率は10MPa以下である、
    請求項8に記載の成形体。
  10. 重合性化合物(A)を含有する重合性組成物の硬化物を含み、
    刺激が与えられることで第一の状態から、前記第一の状態よりも貯蔵弾性率の低い第二の状態へ変化し、かつ前記刺激が除かれることで前記第二の状態から前記第一の状態へ変化し、
    前記第一の状態での貯蔵弾性率は1GPa以上であり、
    前記第二の状態での貯蔵弾性率は10MPa以下である、
    成形体。
  11. 前記刺激は、熱、圧力、液体、ガス及び光からなる群から選択される少なくとも一種を含む、
    請求項9又は10に記載の成形体。
  12. 前記刺激は熱を含み、
    前記第一の状態にある前記成形体を25℃から加熱して昇温させた場合に前記成形体が前記第二の状態に変化する温度は、100℃から200℃の範囲内にある、
    請求項11に記載の成形体。
  13. 入射角60°での光沢度が10GU以上1000GU以下である、
    請求項8から12のいずれか一項に記載の成形体。
  14. CIELABによるL*が0以上20以下である、
    請求項8から13のいずれか一項に記載の成形体。
  15. 黒色の部材と、前記部材を覆う請求項8から14のいずれか一項に記載の成形体とを備える、
    複合部材。

     
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