JP2001277270A - 型内被覆された樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

型内被覆された樹脂成形品の製造方法

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JP2001277270A
JP2001277270A JP2000094967A JP2000094967A JP2001277270A JP 2001277270 A JP2001277270 A JP 2001277270A JP 2000094967 A JP2000094967 A JP 2000094967A JP 2000094967 A JP2000094967 A JP 2000094967A JP 2001277270 A JP2001277270 A JP 2001277270A
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Japan
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mold
resin
coating material
radical polymerizable
molded article
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JP2000094967A
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English (en)
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Shigeru Oka
茂 岡
Shinichi Goto
伸一 後藤
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 型内被覆材料が取り扱い性に優れ、被覆層が
基材との密着性に優れて表面機能を充分に発揮し、しか
も、製造コストが抑制された型内被覆された樹脂成形品
を簡便に製造する方法及びそれに用いられる熱硬化性型
内被覆材料を提供する。 【解決手段】 ラジカル重合性アクリル系成形材料を金
型内に供給し加熱加圧して硬化させる基材成形工程と、
ラジカル重合性型内被覆材料を基材又は金型に載置する
ことにより金型内に供給し加熱加圧して硬化させる型内
被覆工程とを含む型内被覆された樹脂成形品を製造する
方法であって、該ラジカル重合性型内被覆材料は、ラジ
カル重合性樹脂及び硬化剤と、揺変化剤及び/又は増粘
剤とを含有させた型内被覆材料用樹脂組成物を増粘さ
せ、粘度を100〜20万Pa・s(25℃)とした材
料である型内被覆された樹脂成形品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内被覆された樹
脂成形品の製造方法及びラジカル重合性型内被覆材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】型内被覆された樹脂成形品は、熱硬化性
樹脂や熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物からなる成形材料
を成形する際に、その表面にゲルコート層として被覆層
を金型内で同時に形成させるインモールドコーティング
(IMC)により製造される樹脂成形品である。このよ
うな型内被覆された樹脂成形品は、軽量で高強度であ
り、被覆層により、透明性、光沢、質感(高級外観
性)、表面平滑性等の外観性や、耐溶剤性、汚染回復
性、耐傷つき性等の表面保護性能の他、耐熱水性、耐熱
変色性、耐候性等の性能が向上されたり、加飾が施され
たりして表面機能が付与されていることから、熱硬化性
繊維強化プラスチック成形品(FRP)や人造大理石等
として、洗面化粧台(カウンター)、浴槽(バスタ
ブ)、浴室パネル、流し台(シンク)、浄化槽等の住設
機器、建築用装飾材、船艇、タンク、耐食機器、工業部
材、自動車、電気部品等の各種の用途に好適に用いるこ
とができる。
【0003】このような型内被覆された樹脂成形品を製
造する方法としては、 (1)予め製品面となる型面にゲル
コートを塗布し、硬化させてゲルコート層を形成した
後、その上に基材材料を注入して硬化させる方法、又
は、(2)金型内で基材材料を硬化させて基材を成形した
後、ゲルコートを注入してゲルコート層を形成する方法
が通常行われている。しかしながら、(1)の方法では、
臭気や作業性の点で問題があった。また、(2)の方法で
は、基材成形とゲルコート層形成との一連の工程を同一
装置で行うことができ、表面が美しく、平滑性に優れた
樹脂成形品が得られるものの、注入機、インジェクター
等の製造機器を要し、注入ノズルを備えるための金型の
改造を要するために既存の金型を用いることができない
ことから、製品の品種切り替えに対応しにくく、設備投
資による製造コストがかかる問題があった。
【0004】特開平9−262854号公報には、予め
金型内でSMC(シートモールディングコンパウンド)
又はBMC(バルクモールディングコンパウンド)を加
熱加圧して基材とし、メチルメタクリレートを主体とす
る重合体とメチルメタクリレートを主体とする単量体の
合計100重量部に対して、メチルメタクリレートを主
体とする重合体の含有量が50〜97重量部であるアク
リルコンパウンドを基材と金型の間に配設し、加熱加圧
して成形する樹脂積層体の製造方法が開示されている。
この製造方法により、低収縮性であるアクリルコンパウ
ンドによりゲルコート層を形成することができるととも
に、単量体に由来する臭気を少なくして取り扱い性を改
善することができる。また、既存の金型を用いて製造す
ることができることから、設備投資による製造コストを
抑制することができる。
【0005】しかしながら、この製造方法では、アクリ
ルコンパウンドに無機充填剤等を配合した場合には、基
材とゲルコート層との密着性や、ゲルコート層の透明性
や光沢等が充分ではなくなるため、ゲルコート層により
充分に表面機能を付与することができなかった。また、
ゲルコート層の耐溶剤性を向上させるため、アクリルコ
ンパウンド中の重合体の数平均分子量を増大させた場合
には、アクリルコンパウンドの生産性が低下したり、ア
クリルコンパウンドの取り扱い性を向上させるためにア
クリルコンパウンド中の重合体の含有量を増加させたと
きに基材とゲルコート層との密着性が低下したりするた
め、ゲルコート層の表面機能、基材との密着性及びアク
リルコンパウンドの取り扱い性をバランスよく向上させ
る工夫の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、型内被覆材料が取り扱い性に優れ、被覆層が基材
との密着性に優れて表面機能を充分に発揮し、しかも、
製造コストが抑制された型内被覆された樹脂成形品を簡
便に製造する方法及びそれに用いられるラジカル重合性
型内被覆材料を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラジカル重合
性アクリル系成形材料を金型内に供給し加熱加圧して硬
化させる基材成形工程と、ラジカル重合性型内被覆材料
を基材又は金型に載置することにより金型内に供給し加
熱加圧して硬化させる型内被覆工程とを含む型内被覆さ
れた樹脂成形品を製造する方法であって、上記ラジカル
重合性型内被覆材料は、ラジカル重合性樹脂及び硬化剤
と、揺変化剤及び/又は増粘剤とを含有させた型内被覆
材料用樹脂組成物を増粘させ、粘度を100〜20万P
a・s(25℃)とした材料である型内被覆された樹脂
成形品の製造方法である。
【0008】本発明はまた、上記型内被覆された樹脂被
覆成形品の製造方法に用いられ、金型内に供給される前
のラジカル重合性型内被覆材料であって、ガスバリア性
と離型性とを有する容器及び/又はフィルムによりシー
ルされたラジカル重合性型内被覆材料でもある。
【0009】本発明者らは、型内被覆された樹脂成形品
の製造方法についての問題点を綿密に精査したうえで鋭
意研究を行った結果、型内被覆された樹脂成形品の製造
方法を上述した製造方法とすることにより、型内被覆材
料が取り扱い性に優れ、被覆層が基材との密着性に優れ
て表面機能を充分に発揮し、しかも、製造コストが抑制
された型内被覆された樹脂成形品を簡便に製造する方法
となる劇的な効果が生じる事実に遭遇し、本発明に到達
したものである。以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明の型内被覆された樹脂成形品の製造
方法は、基材成形工程と、型内被覆工程とを含む。上記
基材成形工程は、ラジカル重合性アクリル系成形材料を
金型内に供給し加熱加圧して硬化させる工程である。
【0011】上記ラジカル重合性アクリル系成形材料
は、通常、BMC又はSMCの形態である成形材料であ
る。上記ラジカル重合性アクリル系成形材料は、ラジカ
ル重合性樹脂の他に、硬化剤や、必要に応じて、充填
剤、強化繊維、添加剤等を含んでなる。本発明において
は、ラジカル重合性樹脂として、ラジカル重合性アクリ
ル系樹脂を用いる。このようなラジカル重合性アクリル
系成形材料の配合は、基材に要求される強度等の基本性
能、ラジカル重合性アクリル系成形材料の作業性や成形
性、基材と被覆層との密着性等を考慮して適宜設定すれ
ばよい。
【0012】本発明において好適に適用されるラジカル
重合性アクリル系樹脂は、重合体及び単量体を含んでな
るラジカル重合性を有するアクリル系樹脂であり、硬化
後の基材がラジカル重合性型内被覆材料により膨潤する
ことになるように、必須成分として、熱可塑性重合体及
び単官能単量体を含む樹脂とすることが好ましく、例え
ば、(1)(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリ
ル酸エステルから形成される単量体単位(繰り返し単
位)を有する重合体、並びに、(2)単量体としての(メ
タ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステル
のいずれか又は両方を含んでなる(メタ)アクリルシラ
ップを用いることが好ましい。(メタ)アクリルシラッ
プに、更に必要に応じて単官能単量体を含んでなる樹脂
を用いてもよい。これにより、ラジカル重合性アクリル
系樹脂が硬化した後の重合体が、(メタ)アクリル酸及
び/又は(メタ)アクリル酸エステルから形成される単
量体単位を有する重合体を含むことになる。
【0013】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂として
(メタ)アクリルシラップを含む樹脂を用いることによ
り、硬化後の基材がラジカル重合性型内被覆材料により
膨潤して基材とラジカル重合性型内被覆材料との界面で
の親和性が向上することに起因して、基材と型内被覆材
料により形成される被覆層とが充分に接合して密着性が
向上するため、被覆層の表面機能が充分に発揮されるこ
とになる。尚、ラジカル重合性樹脂を構成する重合体及
び単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよく、樹脂組成物中に同時に配合されても別
々に配合されてもよい。
【0014】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂におい
ては、緻密な3次元硬化物を形成する熱硬化性重合体や
多官能単量体である架橋剤を主体とした樹脂であると、
硬化後の基材がラジカル重合性型内被覆材料により膨潤
しなくなるため、基材と被覆層との密着性が向上しない
おそれがあるが、硬化物が完全な熱可塑性重合体となる
必要はなく、硬化後の基材の表面がラジカル重合性型内
被覆材料により膨潤することになる限り、架橋性を有す
る重合体や、熱硬化性重合体、架橋剤を含んでいてもよ
い。本明細書中において、熱可塑性重合体とは、架橋性
を有しない重合体の他、架橋性を有する重合体をも意味
するが、該架橋性を有する重合体は、緻密な3次元硬化
物を形成する熱硬化性重合体を意味するものではない。
架橋性を有する重合体を含む場合には、熱可塑性重合体
の一部が架橋されることになる。また、単官能単量体と
は、重合性官能基を分子内に1つ有する単量体を意味
し、多官能単量体とは、重合性官能基を分子内に2つ以
上有する単量体を意味する。
【0015】上記熱可塑性重合体は、単官能単量体の1
種又は2種以上と重合開始剤とを用い、必要に応じて、
一部に架橋剤を用いて常法により重合することにより得
ることができる。このような重合においては、ドデシル
メルカプタン等の連鎖移動剤を用いて重合度を調整する
ことができる。また、重合反応が完了する前に、例え
ば、重合系を冷却する等の方法で重合反応の進行を途中
で止めると、熱可塑性重合体、単官能単量体及び重合開
始剤の混合物を一工程で得ることができるため、実操業
上有利である。
【0016】上記熱可塑性重合体において、架橋性を有
する重合体としては、側鎖二重結合を有する重合体等が
挙げられる。このような重合体としては、例えば、(1)
(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性
不飽和単量体を用いて熱可塑性重合体を調製し、次い
で、グリシジル(メタ)アクリレート等のカルボキシル
基と反応しうる官能基と重合性二重結合とを有する化合
物をエステル化反応する方法;(2)ヒドロキシル基を有
する重合性不飽和単量体を用いて熱可塑性重合体を調製
し、次いで、ヒドロキシル基と反応しうる官能基と重合
性二重結合とを有する化合物を反応する方法;(3)上記
(1)及び(2)の方法を併用する方法等によって側鎖二重結
合を熱可塑性重合体に導入した重合体等が挙げられる。
また、このような側鎖二重結合を有する重合体の二重結
合当量、即ち、重合可能な炭素−炭素二重結合1個当た
りの分子量は、500〜30000の範囲内であること
が好ましく、2000〜10000の範囲内であること
がより好ましく、3000〜7000の範囲内であるこ
とが更に好ましい。二重結合当量が500未満である
と、架橋密度が高く緻密な3次元硬化物となり、密着性
が低下する。30000を超えると、基材自体の耐熱性
(熱変色)が悪くなる。尚、二重結合当量とは、「側鎖
二重結合を有する重合体の分子量/該重合体1分子中に
含まれる重合性二重結合の数」で求められる。
【0017】上記熱可塑性重合体の数平均分子量(M
n)としては、基材に要求される基本性能、成形材料の
作業性や成形性等により、成形材料の配合等を考慮して
適宜設定すればよく、特に限定されず、例えば、300
0〜50万であることが好ましい。
【0018】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂におい
て、熱可塑性重合体を形成する単官能単量体や、配合さ
れる単官能単量体としては特に限定されず、例えば、
(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する重合性
不飽和単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート等の各種アルキル(メタ)アクリ
レート;スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビ
ニル基を有する単官能単量体等が挙げられる。これらの
中でも、メチルメタクリレートを主体とすることが好ま
しい。また、架橋剤としては特に限定されず、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能
(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞ
れ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂におい
て、熱可塑性重合体及び単官能単量体の含有割合として
は特に限定されず、例えば、熱可塑性重合体及び単官能
単量体の合計重量が、ラジカル重合性アクリル系樹脂中
70重量%以上となることが好ましい。70重量%未満
であると、熱硬化性重合体や架橋剤の合計重量が30重
量%を超えることとなり、硬化後の基材がラジカル重合
性型内被覆材料により充分に膨潤しなくなって基材と被
覆層との密着性が充分でなくなるおそれがある。より好
ましくは、80重量%以上である。また、重合体と単量
体との含有比率としては特に限定されず、例えば、80
/20〜20/80であることが好ましい。80/20
より単量体の含有比率が少なくなると、成形材料の流動
性、硬化性、作業性等が劣るおそれがある。20/80
より単量体の含有比率が多くなると、ラジカル重合性ア
クリル系成形材料の粘度が低くなり過ぎて取り扱いにく
くなり、また、基材の強度等の基本性能が劣るおそれが
ある。より好ましくは、60/40〜30/70であ
り、更に好ましくは、55/45〜40/60である。
【0020】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂の粘度
としては、成形材料の作業性、流動性、硬化収縮性等を
考慮して、重合体の重合度や、重合体と単量体との含有
比率等を適宜バランスさせて調整すればよく、特に限定
されず、例えば、0.1〜1000Pa・s(25℃)
となるように設定することが好ましい。
【0021】上記ラジカル重合性アクリル系樹脂は、本
発明の効果を奏する限り、ビニルエステル樹脂(エポキ
シアクリレート樹脂)、ウレタンアクリレート樹脂を用
いてもよく、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポ
リウレタン、ポリブタジエン等がラジカル重合性アクリ
ル系樹脂中に添加剤として少量存在していてもよい。ラ
ジカル重合性アクリル系樹脂が二種以上の樹脂を含有し
た混合物となる場合、各々の樹脂の含有量としては特に
限定されない。
【0022】上記ラジカル重合性アクリル系成形材料に
おける硬化剤としては、ラジカル重合性アクリル系樹脂
をラジカル重合させる作用を有する硬化剤であれば特に
限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化
物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等の
重合開始剤等が挙げられる。上記硬化剤の含有割合とし
ては特に限定されず、例えば、ラジカル重合性アクリル
系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部である
ことが好ましい。5重量部を超えると、基材の基本性能
が劣るおそれがある。
【0023】上記ラジカル重合性アクリル系成形材料が
充填剤や強化繊維等の補強材を更に含むことにより、樹
脂と補強材とが複合化され、基材が強度等の基本性能に
優れたものとなる。上記充填剤としては特に限定され
ず、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ク
レー、アルミナ、硫酸バリウム、シリカ粉、ガラス粉、
マイカ、珪酸マグネシウム、珪砂、寒水石等の無機充填
剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。上記充填剤の含有割合として
は、例えば、ラジカル重合性アクリル系樹脂100重量
部に対して100〜400重量部となるようにすること
が好ましい。100重量部未満であると、硬化の際の収
縮率が大きくなり基材にクラック等の成形不良が生じる
おそれがあり、400重量部を超えると、ラジカル重合
性アクリル系成形材料の流動性が劣るため、混練の作業
性が低下するおそれがある。
【0024】上記強化繊維としては特に限定されず、例
えば、チョップストランド、ロービング、マット形状等
のガラス、炭素、有機、金属等からなる繊維等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。上記強化繊維の含有割合としては、例えば、
ラジカル重合性アクリル系成形材料全量に対して、2〜
30重量%となるようにすることが好ましい。2重量%
未満であっても、30重量%を超えても、基材の基本性
能が低下するおそれがある。本明細書中において、成形
材料が強化繊維を含むとは、例えば、樹脂混合溶液中に
強化繊維を混合すること;樹脂混合溶液を強化繊維に含
浸すること等を意味する。
【0025】上記ラジカル重合性アクリル系成形材料
は、更に、ステアリン酸亜鉛、シリコンオイル等の内部
離型剤、酸化マグネシウム等の増粘剤や、コハク酸誘導
体、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、低収縮
化剤、顔料、染料、意匠性粒状物等の成形材料を構成す
ることができる公知の添加剤を含んでもよい。これらは
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。これらの含有割合としては特に限定されず、例え
ば、基材に要求される強度等の基本性能、成形材料の作
業性や成形性等に応じて適宜設定すればよい。
【0026】本発明の基材成形工程においては、通常、
BMC又はSMCの形態であるラジカル重合性アクリル
系成形材料を金型内に供給し加熱加圧して硬化させる。
BMC又はSMCの形態であるラジカル重合性アクリル
系成形材料を得るには、例えば、上述した各成分を混合
し、ニーダーや二軸の連続混練装置等を用いて混練して
BMCの形態に、また、補強繊維以外の上述した各成分
を混合して樹脂混合溶液として、これを補強繊維に含浸
させるSMC製造装置を用いてシート状にすることによ
りSMCの形態にすることができる。尚、ラジカル重合
性アクリル系成形材料は、通常では熟成して調製される
が、熟成されていてもいなくてもよい。
【0027】上記基材成形工程における成形方法として
は特に限定されず、例えば、金型は、分割金型であれば
特に限定されず、所望の大きさ、形状のものを用いるこ
とができる。成形条件は、樹脂成形品の大きさや形状、
成形材料のラジカル重合性等に応じて適宜設定すればよ
く、特に限定されず、通常、金型温度が70〜200
℃、圧力が1〜20MPa、成形時間が1〜10分であ
ることが好ましい。より好ましくは、金型温度が100
〜150℃、圧力が3〜15MPa、成形時間が1〜8
分である。
【0028】本発明におけるラジカル重合性アクリル系
成形材料中のラジカル重合性アクリル系樹脂を緻密に3
次元硬化するラジカル重合性樹脂のみで構成する場合に
は、ラジカル重合性アクリル系成形材料の硬化収縮があ
る程度進んだ段階から硬化終了直前までの短い時間内に
基材の成形を終了してラジカル重合性型内被覆材料を金
型内に供給しなければ、基材と被覆層との密着性が充分
ではなくなることになるが、ラジカル重合性アクリル系
樹脂を熱可塑性重合体及び単官能単量体を含んでなる樹
脂で構成する場合には、硬化した基材表面がラジカル重
合性型内被覆材料により膨潤するため、ラジカル重合性
アクリル系成形材料が硬化終了した時点で基材の成形を
終了してラジカル重合性型内被覆材料を金型内に供給し
ても、基材と被覆層との密着性が充分となる。このよう
にラジカル重合性アクリル系成形材料の硬化収縮が完全
に終了した後にラジカル重合性型内被覆材料を金型内に
供給できることから、基材成形工程において基材にひけ
や波うち等の成形不良が生じた場合に、その後に被覆層
が形成されるため、これらの不良箇所を被覆層により隠
蔽することができることになる。また、箱状成形品の縦
面であっても、基材が完全に硬化していれば型内被覆工
程において充分に加圧することができるため、基材と被
覆層との密着性をより充分なものとすることができるこ
とになる。
【0029】本発明における型内被覆工程は、ラジカル
重合性型内被覆材料を基材又は金型に載置することによ
り金型内に供給し加熱加圧して硬化させる工程である。
上記ラジカル重合性型内被覆材料は、ラジカル重合性樹
脂及び硬化剤と、揺変化剤及び/又は増粘剤とを含有さ
せた型内被覆材料用樹脂組成物を増粘させ、粘度を10
0〜20万Pa・s(25℃)とした材料である。この
ような型内被覆材料を用いることにより、型内被覆され
た樹脂成形品の製造方法が、型内被覆材料が取り扱い性
に優れ、被覆層が基材との密着性に優れて表面機能を充
分に発揮し、しかも、製造コストが抑制された簡便な製
造方法となる。上記粘度が100Pa・s未満である
と、被覆剤が金型より流出し、被覆層の厚さを制御でき
ず、また、縦面を有する成形品では気泡が残りやすくな
る。20万Pa・sを超えると、粘度が高くなり過ぎて
流動性が悪くなる。より好ましくは、500〜18万P
a・sであり、更に好ましくは、800〜15万Pa・
sである。
【0030】本発明が上記効果を奏する理由は、例え
ば、(1)型内被覆材料用樹脂組成物が揺変化剤及び/又
は増粘剤により充分に増粘されてBMCと同様の形態で
あるラジカル重合性型内被覆材料となっているため、計
量性や取り扱い性が向上するとともに、IMCによる型
内被覆された樹脂成形品の製造において設備投資による
製造コストを抑制できること、(2)充填(チャージ)パ
ターンが制御しやすくなるため、泡かみ等の成形不良が
抑制されること、(3)基材が硬化後に単量体等により膨
潤するためラジカル重合性型内被覆材料との親和性を有
すること、(4)型内被覆材料用樹脂組成物中に含有され
た単量体が、ラジカル重合性型内被覆材料を硬化させる
ときに、基材とラジカル重合性型内被覆材料との界面に
おいて基材への親和性を有するため、基材と被覆層との
密着性を向上させる作用を有することになること、(5)
型内被覆材料用樹脂組成物が揺変化剤及び/又は増粘剤
により充分に増粘されるため、ラジカル重合性型内被覆
材料の取り扱い性を確保しつつ、単量体の含有量を多く
設定することができることから、基材と被覆層との密着
性が充分なものとなること、(6)増粘させることで、被
覆剤が金型より流出するのを防ぐことができ、被覆層の
厚みが制御できること、(7)ラジカル重合性型内被覆材
料の取り扱い性を向上するために、ラジカル重合性樹脂
における重合体の分子量を増大させることを回避でき、
型内被覆材料用樹脂組成物の生産性が優れたものとなる
ことから、全体として生産性の優れた製造方法となるこ
と等が挙げられ、これらの相乗的な作用により、被覆層
の表面機能、基材との密着性及びラジカル重合性型内被
覆材料の取り扱い性がバランスよく向上されて被覆層が
表面機能を充分に発揮でき、樹脂成形品が高品位かつ高
品質となるためと考えられる。
【0031】上記型内被覆材料用樹脂組成物は、ラジカ
ル重合性樹脂及び硬化剤と、揺変化剤及び/又は増粘剤
とを含む。このような型内被覆材料用樹脂組成物の配合
は、被覆層に要求される表面機能、ラジカル重合性型内
被覆材料としたときの取り扱い性や硬化性、基材と被覆
層との密着性等を考慮して適宜設定すればよい。本明細
書中において、型内被覆材料用樹脂組成物とは、ラジカ
ル重合性型内被覆材料を構成することになる原料をすべ
て含んだ組成物を意味する。
【0032】上記型内被覆材料用樹脂組成物におけるラ
ジカル重合性樹脂としては特に限定されず、例えば、
(メタ)アクリルシラップ、ビニルエステル樹脂(エポ
キシアクリレート樹脂)、ウレタンアクリレート樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が
挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。本発明において、ラジカル重合性樹脂
は、上述したラジカル重合性アクリル系成形材料に好適
に用いられるラジカル重合性アクリル系樹脂と同様のも
のを用いることもでき、このようなラジカル重合性アク
リル系樹脂を用いることが好ましい。
【0033】上記ラジカル重合性樹脂の中でも、本発明
においては、単量体を含む樹脂が好適に用いられること
になる。これにより、型内被覆工程において基材が膨潤
されやすくなって基材と被覆層との密着性が向上するこ
とになり、また、ラジカル重合性型内被覆材料の粘度を
金型内で流動するように設定しやすくなる。上記単量体
としては特に限定されず、例えば、上述した単官能や多
官能の単量体を用いることができる。このような単量体
を含む樹脂としては、例えば、通常、ビニルモノマーが
配合されている(メタ)アクリルシラップ、ビニルエス
テル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)、ウレタンアク
リレート樹脂や、スチレンモノマーが配合されている不
飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0034】上記ラジカル重合性樹脂はまた、基材とし
て熱可塑性重合体やメチルメタクリレートにより形成さ
れる単量体単位の含有割合がリッチで膨潤しやすい樹脂
成形品が本発明において好適に用いられることを考慮す
れば、(メタ)アクリルシラップやメチルメタクリレー
トを含有する樹脂であることが好ましい。これにより、
基材がラジカル重合性型内被覆材料によってより膨潤し
やすくなり、基材とラジカル重合性型内被覆材料との親
和性が向上するために基材と被覆層との密着性がより充
分なものとなる。
【0035】本発明においては、上記ラジカル重合性型
内被覆材料が、(1)重合体及び単量体のうち少なくとも
1つがカルボキシル基を有するラジカル重合性樹脂と、
酸化マグネシウムを含む増粘剤とを含有させた型内被覆
材料用樹脂組成物を増粘させた材料であっても、(2)重
合体及び単量体のうち少なくとも1つがヒドロキシル基
を有するラジカル重合性樹脂と、イソシアネートを含む
増粘剤とを含有させた型内被覆材料用樹脂組成物を増粘
させた材料であってもよいが、水分により被覆層に泡等
の成形不良が生じないことから、(1)の材料であること
が好ましい。これにより、型内被覆材料用樹脂組成物を
充分に化学増粘させたラジカル重合性型内被覆材料を用
いて型内被覆工程を行うことができることから、本発明
の効果を充分に発揮することができることとなる。
【0036】上記重合体及び単量体のうち少なくとも1
つがカルボキシル基を有するラジカル重合性樹脂とは、
ラジカル重合性樹脂に含有される重合体及び単量体のう
ち少なくとも1つがカルボキシル基を有する樹脂である
が、重合体及び/又は単量体が2種以上含有される場合
には、それらのうち少なくとも1つがカルボキシル基を
有することを意味する。上記重合体及び単量体のうち少
なくとも1つがカルボキシル基を有するラジカル重合性
樹脂の中でも、増粘に寄与するのはカルボキシル基を有
する重合体が主であることから、該重合体を含む樹脂が
より好ましい。つまり、カルボキシル基を有する重合体
を含み、カルボキシル基を有する単量体及び/又はカル
ボキシル基を有しない単量体を含む樹脂であることが好
ましい。このようなラジカル重合性樹脂において、カル
ボキシル基の存在量としては特に限定されず、例えば、
ラジカル重合性樹脂に配合される重合体を構成すること
になる単量体と、ラジカル重合性樹脂に配合される単量
体との合計を100重量%として、カルボキシル基を有
する単量体が0.5〜20重量%の範囲内となることが
好ましく、1〜15重量%の範囲内となることがより好
ましく、1〜10重量%の範囲内となることが更に好ま
しい。0.5重量%未満であると、増粘効果が充分に得
られず、20重量%を超えると、被覆層の耐水性、金型
からの離型性等が低下する。型内被覆材料用樹脂組成物
において、カルボキシル基を有する重合体及び/又はカ
ルボキシル基を有する単量体の含有割合や、酸化マグネ
シウムの含有割合としては、型内被覆材料用樹脂組成物
が上述した粘度範囲に増粘される割合であれば特に限定
されず、例えば、重合体と単量体のいずれがカルボキシ
ル基を有するか又は両方がカルボキシル基を有するか
や、型内被覆材料用樹脂組成物の配合等を考慮して適宜
設定すればよい。
【0037】上記ラジカル重合性樹脂はまた、メチルメ
タクリレートを主体として形成された重合体及び/又は
側鎖二重結合を有する重合体を含むことが好ましい。こ
のような態様としては特に限定されず、例えば、(1)メ
チルメタクリレートを主体として形成された重合体を単
独で含む場合、(2)側鎖二重結合を有する重合体を単独
で含む場合、(3)メチルメタクリレートを主体として形
成された重合体及び側鎖二重結合を有する重合体をとも
に含む場合、(4)メチルメタクリレートを主体として形
成され、かつ、側鎖二重結合を有する重合体を含む場合
等が挙げられる。メチルメタクリレートを主体として形
成された重合体を含むことにより、被覆層が耐候性、透
明性、光沢等の基本性能が優れたものとなる。また、側
鎖二重結合を有する重合体を含むことにより、被覆層が
耐候性、耐溶剤性等の基本性能が優れたものとなる。ま
た、型内被覆材料用樹脂組成物の中に、架橋剤を含んで
いてもよく、その場合には、樹脂中に30重量%未満で
あることが好ましい。より好ましくは、20重量%未満
である。
【0038】上記メチルメタクリレートを主体として形
成された重合体とは、重合体を形成する単量体組成がメ
チルメタクリレートを主体とし、付加的にその他の単量
体を含んでいても含んでいなくてもよい重合体である。
このような重合体としては、例えば、メチルメタクリレ
ートが50重量%以上含まれる単量体混合物から形成さ
れた重合体等が挙げられる。また、上記側鎖二重結合を
有する重合体としては、例えば、上述した熱可塑性重合
体として用いられる側鎖二重結合を有する重合体と同様
な重合体等が挙げられる。これらの重合体の含有量とし
ては特に限定されず、例えば、ラジカル重合性樹脂を構
成する重合体中、メチルメタクリレートを主体として形
成された重合体及び側鎖二重結合を有する重合体がそれ
ぞれ60〜100重量%となることが好ましい。より好
ましくは、80〜100重量%である。
【0039】上記ラジカル重合性樹脂において、含有さ
れる重合体の数平均分子量(Mn)としては、被覆層に
要求される基本性能、被覆材料の作業性や硬化性等によ
り、樹脂組成物の配合等を考慮して適宜設定すればよ
く、特に限定されず、例えば、1000〜20万である
ことが好ましく、耐溶剤性を考慮すると7000〜20
万であることが好ましい。
【0040】上記ラジカル重合性樹脂において、重合体
と単量体との含有比率としては、基材と被覆層との密着
性や、被覆層に要求される基本性能等に応じて適宜設定
すればよく、特に限定されず、例えば、70/30〜1
0/90であることが好ましい。70/30より単量体
の含有比率が少なくなると、型内被覆材料の流動性等が
劣るおそれがあり、また、基材と被覆層との密着性が劣
るおそれがある。10/90より単量体の含有比率が多
くなると、ラジカル重合性樹脂が揺変化剤及び/又は増
粘剤により充分に増粘されないおそれがあり、また、被
覆層の強度等の基本性能が劣るおそれがある。より好ま
しくは、50/50〜20/80であり、更に好ましく
は、40/60〜20/80である。
【0041】上記型内被覆材料用樹脂組成物における硬
化剤としては、ラジカル重合性樹脂をラジカル重合させ
る作用を有する硬化剤であれば特に限定されず、例え
ば、上述したラジカル重合性アクリル系成形材料に用い
られるのと同様のものが挙げられ、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。その含有割合としては
特に限定されず、例えば、ラジカル重合性樹脂100重
量部に対して0.01〜10重量部であることが好まし
い。10重量部を超えると、被覆層の基本性能が劣るお
それがある。より好ましくは、0.01〜5重量部であ
る。
【0042】上記型内被覆材料用樹脂組成物における揺
変化剤としては、ラジカル重合性樹脂に揺変性を付与し
て型内被覆材料用樹脂組成物を増粘させる作用を有する
ものであれば特に限定されず、例えば、シリカ、脂肪酸
アミド、有機ベントナイト等が挙げられ、単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】上記型内被覆材料用樹脂組成物における増
粘剤としては、ラジカル重合性樹脂における官能基と増
粘剤とが化学的に結合することにより樹脂組成物の粘度
が増加する化学増粘させる作用を有するものであれば特
に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物;多官能イ
ソシアネート等のイソシアネート等が挙げられ、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】上記揺変化剤及び/又は増粘剤の含有割合
としては、型内被覆材料用樹脂組成物を上記粘度範囲に
増粘させるものであれば特に限定されず、例えば、ラジ
カル重合性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量
部であることが好ましい。0.1重量部未満であると、
増粘効果がなくなり、10重量部を超えると、粘度が高
くなりすぎ、また耐水性が悪くなる。より好ましくは、
0.5〜9重量部であり、更に好ましくは、1.5〜8
重量部である。
【0045】上記型内被覆材料用樹脂組成物は、更に、
内部剥離剤、コハク酸誘導体、紫外線吸収剤、紫外線安
定剤、酸化防止剤、低収縮化剤、顔料、染料、トナー等
の着色剤の他、抗菌剤、撥水剤、防カビ剤、意匠性粒状
物等の型内被覆材料用樹脂組成物を構成することができ
る添加剤を含んでもよい。これらはそれぞれ単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。顔料としては、
例えば、パール顔料も使用することができ、また、意匠
性粒状物としては、例えば、形状が粒状の他、針状(棒
状)や鱗片状、無定形等であって着色した粒状物を使用
することができる。型内被覆材料用樹脂組成物に顔料、
染料、着色剤等を含有させることにより、成形時に流れ
模様を付与することができ、パール顔料を含有させるこ
とにより、被覆層をパール調に加飾を施すことができ、
また、意匠性粒状物を含有させることにより、御影調や
大理石調等に加飾を施すことができることになる。
【0046】上記型内被覆材料用樹脂組成物を増粘させ
るには、例えば、上述した各成分を混合した型内被覆材
料用樹脂組成物を必要に応じて混練したり熟成したりす
ることにより行うことができる。この場合、型内被覆材
料用樹脂組成物が上記粘度範囲に増粘される限り熟成し
てもしなくてもよいが、熟成を行うときには、樹脂中の
カルボキシル基の量及び、揺変化剤、増粘剤の添加量に
もよるが、例えば、常温では24時間以上熟成すること
により行うことができる。好ましくは、40℃で、10
〜24時間であり、より好ましくは40℃で、16〜2
4時間であり、更に好ましくは40℃で、20〜24時
間である。このように、例えば、粘度が0.1〜30P
a・s(25℃)である型内被覆材料用樹脂組成物か
ら、100〜20万Pa・s(25℃)であるラジカル
重合性型内被覆材料を得ることができる。
【0047】上記ラジカル重合性型内被覆材料の硬化性
としては特に限定されず、例えば、成形時の金型温度が
110〜130℃のときに硬化終了までの成形時間が3
0秒以上となるように設定することが好ましい。成形時
間が30秒未満で硬化が終了するような硬化性である
と、ラジカル重合性型内被覆材料が供給場所から離間し
た金型末端まで行き渡らずに成形欠陥が生じたり、基材
と被覆層との密着性が充分とはならないおそれがある。
尚、ラジカル重合性型内被覆材料の硬化性の調整は、例
えば、ラジカル重合性樹脂中の重合体と単量体との含有
割合や、型内被覆材料用樹脂組成物におけるラジカル重
合性樹脂や硬化剤の含有割合を適宜設定すること等によ
り行うことができる。
【0048】本発明の型内被覆工程において、成形方法
としては特に限定されず、例えば、基材成形工程を終了
した直後に、金型を型開きし、ラジカル重合性型内被覆
材料を基材又は金型上にチャージパターンを決めて配置
した後、金型を型締めして成形することにより行うこと
ができる。尚、金型を型開きしたときに、上側の金型
(上型)に基材が付いている場合には、ラジカル重合性
型内被覆材料を金型上に載置し、下側の金型(下型)に
基材が付いている場合には、ラジカル重合性型内被覆材
料を基材上に載置する。成形条件は、樹脂成形品の大き
さや形状、被覆材料のラジカル重合性や流動性等に応じ
て適宜設定すればよく、特に限定されず、通常、金型温
度が70〜200℃、圧力が1〜18MPa、成形時間
が30秒以上であることが好ましい。より好ましくは、
金型温度が100〜150℃、圧力が1〜13MPaで
ある。
【0049】上記型内被覆工程においてはまた、種々の
色彩に着色した型内被覆材料用樹脂組成物をフィルム上
に塗装して意匠的な図柄を形成したラジカル重合性型内
被覆材料を用いることもでき、これにより、表面に意匠
模様を形成させた型内被覆された樹脂成形品を製造する
こともできる。更に、樹脂成形品が箱状の形状である場
合には、型内被覆工程を行う際に、箱の内部に形成され
た被覆層と、この被覆層に接する金型とが離型しにくい
ことがあるため、金型温度がラジカル重合性樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)に30℃を加えた温度以下となるよ
うにして成形することが好ましい。
【0050】本発明の製造方法で得られる型内被覆され
た樹脂成形品の被覆層の厚みとしては、被覆層に要求さ
れる表面機能等を考慮して適宜設定すればよく、特に限
定されず、例えば、10μm〜5mmとすることが好ま
しい。10μm未満であると、被覆層の表面機能が充分
に発揮されないおそれがあり、5mmを超えると、被覆
層の透明性等が低下して樹脂成形品が高品位かつ高品質
とならないおそれがある。より好ましくは、30μm〜
3mmであり、更に好ましくは、100μm〜1mmで
ある。
【0051】本発明においては、上記型内被覆材料用樹
脂組成物が、ラジカル重合性樹脂100重量部に対して
充填剤を100重量部未満含むことが好ましい。これに
より、基材と被覆層との密着性をより充分なものとする
ことができることとなる。また、型内被覆材料用樹脂組
成物の配合は、被覆層が透明性、光沢、質感(高級外観
性)等の表面機能を充分に発揮して樹脂成形品が高品位
かつ高品質となるように設定されることが好ましく、型
内被覆材料用樹脂組成物の配合を上記のように設定する
ことにより、被覆層が透明又は半透明となって上記表面
機能を充分に発揮して樹脂成形品が高品位かつ高品質と
なることを容易に達成することができることとなる。充
填剤が100重量部以上であると、被覆層における表面
光沢が低下して表面機能が充分に発揮されないおそれが
ある。
【0052】本発明の型内被覆された樹脂成形品の製造
方法に用いられ、金型内に供給される前のラジカル重合
性型内被覆材料であって、ガスバリア性と離型性とを有
する容器及び/又はフィルムによりシールされたラジカ
ル重合性型内被覆材料は、本発明の製造方法において、
ラジカル重合性型内被覆材料の有する作用を充分に発揮
することができ、長期間保管してもその作用を損なうお
それが殆どなく、しかも、単量体等の揮発による臭気が
抑制されて作業環境を向上することができる材料であ
る。このようなラジカル重合性型内被覆材料を用いる場
合には、その作用をより充分なものとするために、金型
内に供給される直前まで、ガスバリア性と離型性とを有
する容器及び/又はフィルムによりシールされているこ
とが好ましい。このようなラジカル重合性型内被覆材料
もまた、本発明の一つである。
【0053】上記ガスバリア性と離型性とを有する容器
及びフィルムとしては、ラジカル重合性型内被覆材料か
ら単量体等の揮発を抑制する作用とラジカル重合性型内
被覆材料を離型する作用とを有する材料で形成されたも
のであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン製容
器、ポリエチレンフィルム、ビニロンフィルム、セロフ
ァンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。ま
た、ガスバリア性を有する材料で形成された容器やフィ
ルムに離型性を有する材料を貼り合わせたものや離型剤
を塗布したもの等を用いてもよい。
【0054】本発明の型内被覆された樹脂成形品の製造
方法は、型内被覆材料が取り扱い性に優れ、被覆層が基
材との密着性に優れ、透明性、光沢、質感(高級外観
性)、表面平滑性、耐候性、耐溶剤性、汚染回復性、耐
傷つき性、加飾機能等の表面機能を充分に発揮し、しか
も、製造コストが抑制された型内被覆された樹脂成形品
を簡便に製造することができる。本発明により製造され
た型内被覆された樹脂成形品は、熱硬化性繊維強化プラ
スチック成形品(FRP)や人造大理石等として、洗面
化粧台(カウンター)、浴槽(バスタブ)、浴室パネ
ル、流し台(シンク)、浄化槽等の住設機器、建築用装
飾材、船艇、タンク、耐食機器、工業部材、自動車、電
気部品等の各種の用途に好適に用いることができる高品
位かつ高品質な樹脂成形品である。
【0055】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。尚、「部」は、「重量部」を示し、「%」
は、「重量%」を示す。
【0056】実施例1〜13 1.アクリルシラップAの製造 温度計、撹拌機、温度調整装置、ガス導入管及び還流冷
却器を備えた容器に、メチルメタクリレート194部及
びメタクリル酸6部と、重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル0.015部、連鎖移動剤としてn−ド
デシルメルカプタン1.0部を仕込み、80℃の窒素雰
囲気下で塊状重合を行った。重合完了前に冷却して、重
合を途中で終了させ、メチルメタクリレートユニットが
97重量%、固形分40%のアクリルシラップAを得
た。このアクリルシラップAの粘度は、25℃で45P
a・sであった。
【0057】2.アクリルシラップBの製造 温度計、撹拌機、温度調整装置、ガス導入管及び還流冷
却器を備えた容器に、メチルメタクリレート194部及
びメタクリル酸6部と、重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル0.03部、n−ドデシルメルカプタン
1.5部を仕込み、80℃の窒素雰囲気下で塊状重合を
行った。重合完了前に冷却して、重合を途中で終了さ
せ、アクリルシラップを得た。このアクリルシラップの
粘度は、25℃で30Pa・sであった。次いで、この
アクリルシラップにハイドロキノン0.04部を投入
し、続いてグリシジルメタクリレート15部と、オクチ
ル酸亜鉛(エステル化触媒)0.1部を加え、空気雰囲
気下でエステル化反応を行い、二重結合が一部導入され
たアクリルシラップBを得た。このアクリルシラップB
のメチルメタクリレートユニットは90.2重量%、固
形分は46%、粘度は25℃で7Pa・sであった。
【0058】3.SMCの製造 アクリルシラップAに、更に、単官能又は多官能モノマ
ーを表1に示したような組成で混合してラジカル重合性
アクリル系樹脂として用いた。また、重合開始剤として
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(「パーヘキサTMH(商
品名)」日本油脂社製)を、増粘剤として酸化マグネシ
ウム(「キョウワマグ20(商品名)」協和化学工業社
製)を、内部離型剤としてステアリン酸亜鉛(「エフコ
・ケムZNS−P(商品名)」旭電化工業社製)を、充
填剤として炭酸カルシウム(「Slite#1200
(商品名)」日東粉化社製)を、低収縮化剤としてポリ
エチレンパウダー(「フローセンUF1.5(商品
名)」住友精化社製)を、強化用ガラス繊維としてガラ
スロービング(「AF−210(商品名)」旭ファイバ
ーグラス社製)を、それぞれ表1に示した配合で用い
た。
【0059】尚、表1中、「熱可塑性ポリマーユニット
量」とは、ラジカル重合性アクリル系樹脂がラジカル重
合した後に熱可塑性ポリマーを形成することになる熱可
塑性ポリマーやモノマーのラジカル重合性アクリル系樹
脂中における量であって、アクリルシラップとメチルメ
タクリレートとスチレンの合計がラジカル重合性アクリ
ル系樹脂中に占める割合(重量%)を示す。また、ガラ
ス繊維の量は、ラジカル重合性アクリル系成形材料に占
める割合(重量%)である。
【0060】表1中のガラス繊維以外の各配合物を撹拌
機で混合して樹脂混合溶液を調製した。この樹脂混合溶
液を、ポリエチレン表面に一定の厚みとなるように塗布
した後、ガラスロービングを長さ1インチにカットした
チョップドストランドを均一に散布した。このガラス繊
維層の上に、予めポリエチレンフィルムに樹脂混合溶液
を一定の厚みとなるように塗布したものを、樹脂混合溶
液の側がガラス繊維層に載るように載置して積層物を得
た。ロールに通して脱泡すると共に、樹脂混合溶液をガ
ラス繊維に含浸させ、得られたコンパウンドをセロファ
ンフィルムに包み、40℃で20時間熟成することによ
りSMCを得た。
【0061】
【表1】
【0062】4.BMCの製造 アクリルシラップBに、更に、単官能又は多官能モノマ
ーを表2に示したような組成で混合してラジカル重合性
アクリル系樹脂として用いた。また、添加剤中、重合開
始剤、増粘剤(MgO)及びステアリン酸亜鉛は、SM
Cのときと同じものを用いた。BMCでは、充填剤とし
て水酸化アルミニウム(「ハイジライトH−320(商
品名)」昭和電工社製)を、紫外線吸収剤として(「T
INUVIN320(商品名)」チバスペシャルティケ
ミカルズ社製)を、強化用ガラス繊維として1/4イン
チのガラスチョップ(「ECS−06B−148(商品
名)」日本電気硝子社製)を、それぞれ表2に示した配
合で用いた。これらの樹脂とガラス繊維以外の添加剤を
双腕型ニーダで45分間混合し、続いてガラス繊維を投
入し、15分間混合して、BMCを得た。
【0063】
【表2】
【0064】5.型内被覆材料の製造 表3に示した成分を容器に投入し、撹拌羽根付きスリー
ワンモータで30分間撹拌混合して型内被覆材料用樹脂
組成物を得た。添加剤中、重合開始剤、増粘剤(Mg
O)、ステアリン酸亜鉛、水酸化アルミニウム及び紫外
線吸収剤は、BMCのときと同じものを用い、揺変化剤
は「アエロジルR200(商品名)」(日本アエロジル
社製)を用いた。その後、表3中のいずれのGCも、ナ
イロンフィルム上に厚さ約2mmに広げ、その上から別
のナイロンフィルムでラミネートして、40℃で20時
間熟成して型内被覆材料を製造した。
【0065】
【表3】
【0066】6.BMCの成形方法 (1)一次成形条件: 金型:リブ・ボス付きパネル金型(1000mm×65
0mm) 金型温度:上(キャビ)型120℃、下(コア)型10
5℃ BMCチャージ量:4.3kg(板厚約3.0mm) 型締め速度:2mm/s(型締め距離50mm) 一次成形圧力:8MPa 金型の変位が一定になり、基材の収縮がなくなった時点
で一次成形を終了し、金型を完全に開いて(上型を上昇
させて)、基材の略中央に型内被覆材料を載置し、再び
昇圧・型締めを行って、被覆材料の硬化(二次成形)を
行った。成形材料が熱膨張後、収縮挙動に転じる時点か
ら型内被覆材料を供給するまでの時間(秒)を「供給タ
イミング」として表4に示した。 (2)二次成形条件: 被覆材料投入量:300ml 二次成形圧力:8MPa 二次成形時間:300秒 得られた成形品の被覆層の厚みは350〜500μmで
あった。
【0067】7.SMCの成形方法 (1)一次成形条件: 金型:リブ・ボス付きパネル金型(1000mm×65
0mm) 金型温度:上(キャビ)型120℃、下(コア)型11
0℃ SMCチャージ量:11kg(板厚約8.0mm) 型締め速度:2mm/s(型締め距離50mm) 一次成形圧力:8MPa BMCの成形の場合と同様にして一次成形終了時点を決
め、基材の略中央に型内被覆材料を載置し、再び型締め
を行って、被覆材料の硬化(二次成形)を行った。尚、
SMCの実験では、供給タイミングは495秒と一定に
した。 (2)二次成形条件: 被覆材料投入量:250ml 二次成形圧力:4MPa 二次成形時間:300秒 得られた成形品の被覆層の厚みは350〜500μmで
あった。
【0068】8.評価方法 (1)密着性 密着性は、基盤目試験と、その他の各試験を行った結果
で総合評価し、下記判断基準で5段階評価した。基盤目
試験は、被覆層にカッターナイフで20mm×20mm
に4mm角の基盤目を刻み入れたときの25個の升目の
剥離状況を観察して、升目の75%以上に剥がれが発生
していない升目を合格として数えた。 悪い:成形品を金型から脱型し、放冷している間に、被
覆層の一部が基材から剥離する。基盤目試験結果が0/
25で、全く密着していない。やや悪い:重量28.1
g、直径19.05mmの鋼球を、70cmの高さから
成形品平面部へ落下させたときに、剥離が発生する。基
盤目試験結果は、0〜9/25である。 良:成形品を4cm角に切り出して、90℃の温水に1
0分間浸漬し、直ちに5℃の冷水中に10分間浸積する
サイクルを10サイクル繰り返しても、被覆層が剥離し
ない。基盤目試験結果は、10〜19/25である。 良好:基盤目試験結果が20〜25/25である。 優秀:基盤目試験結果が25/25であり、剥離部分は
すべて被覆層の凝集破壊である。 (2)表面平滑性及びリブ・ボス部のひけ 表面平滑性、リブ・ボス部のひけの程度については、5
人の検査員の目視評価を平均して示した。評価基準は、
被覆層剥離(評価不能)を除いた、悪い、やや悪い、
良、良好、優秀の5段階である。
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】表4及び表5には、各種BMC及びSMC
を用いて基材を形成した後、型内被覆材料で被覆するこ
とにより型内被覆された樹脂成形品を製造して評価した
結果を示した。本発明実施例は、型内被覆材料の供給タ
イミングにかかわらず、いずれの評価も優秀又は良好で
あり、被覆層が充分に表面機能を発揮して高品位かつ高
品質な樹脂成形品となることがわかった。
【0072】比較例1 アクリルシラップA 90部及びメチルメタクリレート
10部を混合し、得られた溶液に、t−ブチルパーオキ
シピパレート(「カヤエステルP−70(商品名)」化
薬アクゾ社製)0.5部添加した。2枚のガラス板で空
隙が3mmとなるようなセルを作成し、上記シラップを
減圧脱泡後、セル内に注入した。このセルを30℃で保
持した後、室温まで冷却した後、ガラス板を取り、シー
ト状のアクリルコンパウンドを得た。このシート状のア
クリルコンパウンド中の重合体量は、92%であった。
BMC1を成形した後、成形体の上にこのシートを置
き、再度金型を締め、BMCの二次成形条件でシートの
硬化を行った。得られた成形品の被覆層の厚さは、35
0μmであった。密着性の評価を行ったが、「やや悪
い」という結果となった。
【0073】比較例2 表3に示したGC4(樹脂組成物)の配合で増粘剤を添
加しないものを使用し、粘度(25℃)が8Pa・sで
ある型内被覆材料を製造して実施例8と同様の内容で行
った。その結果、成形時、リブ・ボス付きパネル金型か
らのGCの漏れが大きく、また所々に、気泡が発生し
た。膜厚を測定したところ、50μm以下であり、目標
とする350〜500μmの厚みにはならなかった。
【0074】
【発明の効果】本発明の型内被覆された樹脂成形品の製
造方法は、上述の構成よりなるので、型内被覆材料が取
り扱い性に優れ、被覆層が基材との密着性に優れ、透明
性、光沢、質感(高級外観性)、表面平滑性、耐候性、
耐溶剤性、汚染回復性、耐傷つき性、加飾機能等の表面
機能を充分に発揮し、しかも、製造コストが抑制され、
熱硬化性繊維強化プラスチック成形品(FRP)や人造
大理石等として、洗面化粧台(カウンター)、浴槽(バ
スタブ)、浴室パネル、流し台(シンク)、浄化槽等の
住設機器、建築用装飾材、船艇、タンク、耐食機器、工
業部材、自動車、電気部品等の各種の用途に好適に用い
ることができる高品位かつ高品質な型内被覆された樹脂
成形品を簡便に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 33/04 C08L 33/04 57/00 57/00 // B29K 33:00 B29K 33:00 Fターム(参考) 4F006 AA22 AB23 AB24 AB34 AB37 AB42 AB72 AB73 BA01 BA02 BA03 BA09 BA11 BA15 BA16 DA03 4F204 AA36 AD11 AD16 AG03 FA01 FB01 FB13 FF05 FN11 FN15 4J002 BF051 BG021 CD201 CF211 CK051 DE077 DE087 DE107 DE148 DE238 DG048 DJ017 DJ038 DL008 EK006 EP007 FD018 FD146 FD207

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性アクリル系成形材料を金
    型内に供給し加熱加圧して硬化させる基材成形工程と、
    ラジカル重合性型内被覆材料を基材又は金型に載置する
    ことにより金型内に供給し加熱加圧して硬化させる型内
    被覆工程とを含む型内被覆された樹脂成形品を製造する
    方法であって、該ラジカル重合性型内被覆材料は、ラジ
    カル重合性樹脂及び硬化剤と、揺変化剤及び/又は増粘
    剤とを含有させた型内被覆材料用樹脂組成物を増粘さ
    せ、粘度を100〜20万Pa・s(25℃)とした材
    料であることを特徴とする型内被覆された樹脂成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記型内被覆材料用樹脂組成物は、ラジ
    カル重合性樹脂100重量部に対して充填剤を100重
    量部未満含むことを特徴とする請求項1記載の型内被覆
    された樹脂成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記型内被覆材料用樹脂組成物に含有さ
    れるラジカル重合性樹脂は、ラジカル重合性アクリル系
    樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の型内
    被覆された樹脂成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ラジカル重合性型内被覆材料は、重
    合体及び単量体のうち少なくとも1つがカルボキシル基
    を有するラジカル重合性樹脂と、酸化マグネシウムを含
    む増粘剤とを含有させた型内被覆材料用樹脂組成物を増
    粘させた材料であることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の型内被覆された樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の型内被覆
    された樹脂成形品の製造方法に用いられ、金型内に供給
    される前のラジカル重合性型内被覆材料であって、ガス
    バリア性と離型性とを有する容器及び/又はフィルムに
    よりシールされたことを特徴とするラジカル重合性型内
    被覆材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016513741A (ja) * 2013-03-08 2016-05-16 アルケマ フランス 繊維性基材を含浸するための液体(メタ)アクリルシロップ、繊維性基材を含浸するための方法、及びこのプレ含浸基材の重合後に製造された複合材料
WO2022172446A1 (ja) * 2021-02-15 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 重合性組成物、成形体及び複合部材

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