JP2001038756A - 型内被覆された樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

型内被覆された樹脂成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2001038756A
JP2001038756A JP11214053A JP21405399A JP2001038756A JP 2001038756 A JP2001038756 A JP 2001038756A JP 11214053 A JP11214053 A JP 11214053A JP 21405399 A JP21405399 A JP 21405399A JP 2001038756 A JP2001038756 A JP 2001038756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molding material
resin
displacement
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11214053A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Oka
茂 岡
Ryuichi Tanaka
竜一 田中
Kazuya Mine
一弥 峯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP11214053A priority Critical patent/JP2001038756A/ja
Publication of JP2001038756A publication Critical patent/JP2001038756A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆層と良好に密着し、表面平滑性に優れた
樹脂成形品を製造することができ、かつ、成形品の形状
や型内被覆材料の供給時期を選ぶ必要のない製造方法の
提供。 【解決手段】 金型内で樹脂成形材料を加熱加圧成形し
た成形品基体を得ると共に、型内被覆材料を前記金型内
へ供給することによって型内被覆された樹脂成形品を製
造する方法であって、上記樹脂成形材料が、熱可塑性ポ
リマー、単官能モノマーおよび重合開始剤を含有し、上
記成形品基体を、加熱加圧成形中に、上記樹脂成形材料
に重合硬化反応を行わせて硬化させることにより形成す
ると共に、上記樹脂成形材料の硬化度Daが93になっ
た時点またはそれ以降に、上記型内被覆材料を金型内へ
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一金型内で成形
材料の硬化とその表面被覆を行って型内被覆された成形
品を製造する方法に関し、詳細には、主に熱可塑性ポリ
マーからなる成形品基体を、表面平滑性に優れた成形品
にするための実用的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の成形品に
は、その表面にゲルコート層として被覆層が設けられる
ことがある。この被覆層は、表面保護や外観向上の他、
耐熱水性や耐熱変色性、耐候性等を向上させる働きも有
しており、その具体的な形成方法としては、インモール
ドコーティング法とも呼ばれる型内被覆法が知られてい
る。この方法では、成形と被覆が同一装置で一連の工程
で行われるという利点の他、表面が美しく、さらに平滑
性に優れた成形品が得られる。
【0003】しかし、従来の不飽和ポリエステル系成形
材料は、一般的に、型内被覆材料との密着性が悪い。特
に、住宅設備機器などの分野では、表面被覆層と成形品
基体とは高い密着性が要求されることから、成形材料や
型内被覆材料の組成を選択して密着性を改良するという
検討の他に、型内被覆材料の供給時期をコントロールす
る検討が行われている。
【0004】例えば、特許第2722783号では、成
形材料を加熱加圧して半硬化させた段階、すなわち、一
旦上昇した樹脂圧が低下してその低下が止まった段階
で、型内被覆材料を金型へ注入する技術が開示されてい
るが、この最適注入タイミングの制御は、実操業上難し
い。また、この技術では、型内被覆材料注入後にさらに
成形品基体が硬化収縮する。このため、箱状成形品のよ
うに加圧方向と同一方向の面を持つ形状の成形品では、
この面(縦面)にあまり圧力が加えられないため、この
縦面において被覆材料と成形品基体の良好な密着性が得
られなかったり、ピンホールが発生するという問題があ
る。また、リブ部やボス部を持つ成形品は、肉厚が変化
することによって硬化度合いが異なってくるので、硬化
があまり進行していない部位には、注入直後の型内被覆
材料が浸透して不具合が生じるなど、型内被覆された不
飽和ポリエステル系成形品は、その形状に制限があり、
改善が要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決することを目的として、被覆層と良好に
密着して、表面平滑性に優れた樹脂成形品を製造するこ
とができ、かつ、成形品の形状や型内被覆材料の供給時
期を選ぶ必要のない製造方法の提供を課題として掲げ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における型内被覆
された樹脂成形品の製造方法は、金型内で樹脂成形材料
を加熱加圧成形した成形品基体を得ると共に、型内被覆
材料を前記金型内へ供給することによって型内被覆され
た樹脂成形品を製造する方法であって、上記樹脂成形材
料が、熱可塑性ポリマー、単官能モノマーおよび重合開
始剤を含有し、上記成形品基体を、加熱加圧成形中に、
上記樹脂成形材料に重合硬化反応を行わせて硬化させる
ことにより形成すると共に、上記樹脂成形材料の下記式
で定義される硬化度Daが93になった時点またはそれ
以降に、上記型内被覆材料を金型内へ供給するところに
要旨を有するものである。
【0007】
【数2】
【0008】[ただし、上式の硬化度Daは、金型に取
り付けた変位計によって、樹脂成形材料の膨張・収縮量
をY軸方向への移動距離として把握し、X軸を時間軸と
することにより得られる樹脂成形材料の膨張・収縮曲線
において、加熱によって膨張した後、重合硬化による収
縮に転じる時点t0での変位をY0とし、この収縮後、最
終的に変位が一定になったときの変位をY1とし、t0
り後における任意の時点taのときの変位をYaとしたと
きの、taにおける硬化度を表す。]。
【0009】成形品基体を、主として熱可塑性ポリマー
で形成することによって、型内被覆材料の供給可能時期
を、従来技術よりも長くすることができるようになっ
た。特に、成形品基体の硬化収縮が完全に終了した後に
型内被覆材料を供給した場合においても、被覆層と成形
品基体の密着性が良好である。
【0010】樹脂成形材料は、樹脂成形材料の重合後
に、得られる重合体中におけるメチルメタクリレートユ
ニットが45重量%以上となるように、メチルメタクリ
レートユニットを構成成分として含む熱可塑性ポリマー
および/またはメチルメタクリレートモノマーを含むも
のであることが好ましい。従来、耐候性が良好で、発煙
量も少ない材料でありながら、硬化収縮が大きく、成形
品の表面平滑性や寸法安定性があまり良くないとされて
きたアクリル系成形材料であるが、本発明法で製造する
ことにより、表面が平滑で、被覆層との密着性に優れた
成形品とすることが可能となったからである。なお、型
内被覆材料は、ビニル基を有するモノマーと重合開始剤
を含むものであることが好ましい。また、本発明には、
上記製造方法で製造された型内被覆された樹脂成形品も
含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、型内被覆さ
れる成形品基体の構成樹脂として、主として熱可塑性ポ
リマーを用い、シロップ状の樹脂成形材料を加熱によっ
て重合硬化させて成形品基体を形成すると共に、型内被
覆材料を、この成形品基体の硬化度が特定値になった時
点またはそれ以降に、型内へ供給するものである。成形
材料の重合・成形・表面被覆といった一連の工程を同一
金型内へ行うことができると共に、型内被覆材料の供給
を、重合硬化終了前から重合終了後にかけての長い期間
においていつでも行える点で、実操業上極めて有用な発
明である。
【0012】また本発明法では、成形品基体を、従来公
知の完全3次元硬化する熱硬化性樹脂で形成するのでは
なく、熱可塑性ポリマーおよび単官能モノマーを主体と
する材料から形成しているので、型内被覆材料が供給さ
れたとき、成形品基体の表面が型内被覆材料によって膨
潤しやすくなり、このことが、密着性の向上につながる
と考えられる。以下、本発明法を詳細に説明する。
【0013】本発明の製造方法において、型内被覆され
る成形品基体用の樹脂成形材料は、熱可塑性ポリマー、
単官能モノマーおよび重合開始剤を必須成分として含む
ものである。熱可塑性ポリマーと、単官能モノマーの量
比は、作業性、流動性、硬化収縮性を考慮して、適宜バ
ランスを取ることができる。具体的には、樹脂成分とし
て、25℃での粘度が1〜10000ポイズとなるよう
にするとよい。
【0014】熱可塑性ポリマーを構成するモノマーや単
官能モノマーとしては、メチルメタクリレートが最も好
ましいが、その他に、(メタ)アクリル酸等のカルボキ
シル基含有モノマー;メチルアクリレート、エチルアク
リレート等の各種アルキル(メタ)アクリレート;スチ
レン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビニル基を有す
るモノマー等を用いることができる。また、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アク
リレートを一部併用してもよく、成形品基体を構成する
重合体を架橋させることが可能である。
【0015】重合開始剤としては、従来公知のベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、1,1−
ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、ターシャリ
ーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチル
パーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオ
キサイド等の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系開始剤を使用すればよい。一般的には、
重合させるモノマー100重量部に対し、0.01〜5
重量部で使用する。
【0016】熱可塑性ポリマーは、上記モノマーの1種
または2種以上を、上記重合開始剤を用いて、定法で重
合することにより得ることができる。重合時に、ドデシ
ルメルカプタンのような連鎖移動剤を加えておき、重合
度を調節することも可能である。熱可塑性ポリマーを重
合する際、重合反応が完了する前に、例えば系を冷却す
る等の方法で重合反応の進行を途中で止めることによ
り、熱可塑性ポリマーと単官能モノマーおよび重合開始
剤の混合物を一工程で得ることができ、実操業上有利で
ある。
【0017】また、熱可塑性ポリマーの側鎖に二重結合
を導入しておき、成形時の重合反応の際に、熱可塑性ポ
リマーを一部架橋させてもよい。二重結合導入のために
は、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するモ
ノマーを用いて熱可塑性ポリマーを製造し、次いで、カ
ルボキシル基と反応しうる官能基と不飽和二重結合を有
する化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート
等)をエステル化反応によってカルボキシル基部分に結
合させる方法や、カルボキシル基を有するモノマーに変
えて(あるいは共に)、ヒドロキシル基等の官能基を有
するモノマーを用い、その官能基と不飽和二重結合を有
する化合物を反応させる等の方法が採用可能である。
【0018】本発明法では、成形品基体を形成するため
の樹脂成形材料は、熱可塑樹脂および単官能モノマーを
含むことが必須要件であるが、その量は特に限定され
ず、熱可塑性ポリマーと熱硬化性樹脂を併用したり、成
形品基体を構成する重合体を若干量架橋するために、多
官能モノマーを併用してもよい。
【0019】ただし型内被覆材料の密着性を考慮する
と、熱可塑性ポリマーおよび単官能モノマーを、樹脂成
形材料中の全ての重合体(オリゴマー等も含む)成分お
よびモノマー成分中70重量%以上とすることが好まし
い。より好ましくは、80重量%以上である。すなわ
ち、熱硬化性樹脂および多官能モノマーを30重量%未
満(より好ましくは20重量%未満)にすることによっ
て、被覆層との密着性に優れた樹脂成形品を得ることが
できる。なお、以下の説明では、樹脂成形材料中の熱可
塑性ポリマーおよび単官能モノマー、さらに必要に応じ
て用いられる熱硬化性樹脂および多官能モノマーを併せ
て、「樹脂成分」という。
【0020】密着性や成形品としての物性面からは、成
形品基体がメチルメタクリレートユニットを多く含むも
のであることが好ましい。従来、耐候性が良好で、発煙
量も少ない材料でありながら、硬化収縮が大きく、成形
品の表面平滑性や寸法安定性があまり良くないとされて
きたアクリル系成形材料であるが、本発明法で製造する
ことにより、表面が平滑で、被覆層との密着性に優れた
成形品とすることが可能となったからである。メチルメ
タクリレートの量は、成形品基体を構成する重合体中の
量として、メチルメタクリレートユニットが45重量%
以上であると、耐候性に優れ、かつ、被覆層との密着性
に優れた成形品を得ることができるため、好ましい。従
って、樹脂成形材料の熱可塑性ポリマー中の繰り返し単
位としてのメチルメタクリレートユニットと、樹脂成形
材料に単官能モノマーとして添加されるモノマー中のメ
チルメタクリレートとの合計が、上記範囲になるよう
に、樹脂成形材料の組成を適宜選択することが好まし
い。なお、前記したように、密着性の観点からは、樹脂
成分中、熱可塑性ポリマーおよび単官能モノマーを70
重量%以上とすることが好ましいので、メチルメタクリ
レートユニット以外の熱可塑性ポリマーおよび単官能モ
ノマーを併用してもよい。
【0021】樹脂成形材料に配合可能な熱可塑性ポリマ
ー以外の熱硬化性樹脂としては、不飽和二塩基酸(必要
に応じて飽和二塩基酸)と多価アルコール類やアルキレ
ンオキサイドを常法で縮合して得られるアルキッド樹脂
とスチレン等のモノマーを含む不飽和ポリエステル樹脂
や、エポキシ樹脂に対して、エポキシ基と反応性を有す
る官能基と不飽和二重結合とを有する化合物を反応させ
て得られるエポキシアクリレート(ビニルエステル)樹
脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0022】これらの熱硬化性樹脂は、前記したよう
に、型内被覆材料と成形品基体との密着性の点から、樹
脂成分中、30重量%未満とすることが好ましく、20
重量%未満とするとより好ましい。なお、熱硬化性樹脂
中に単官能モノマーが含まれている場合、この単官能モ
ノマーは熱硬化性樹脂重量から除き、単官能モノマーと
して扱うこととする。
【0023】樹脂成形材料は上記樹脂成分を必須成分と
するが、必要に応じて、チョップドストランド、ロービ
ング、マット形状等のガラス・炭素・有機・金属等の強
化繊維を含んでいても良い。これらは、樹脂成形材料全
体のうち、2〜30重量%とすることが好ましい。ま
た、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、クレー、ア
ルミナ、硫酸バリウム、シリカ粉、ガラス粉、マイカ、
珪酸マグネシウム、珪砂、寒水石等の無機充填剤が配合
されていても良い。無機充填剤は、樹脂成分100重量
部に対し100〜400重量部の範囲で使用することが
好ましい。400重量部を超えると混練作業を行いにく
く、100重量部より少ないと硬化の際の収縮量が大き
くなり成形品基体にクラックが入ることがある。ステア
リン酸亜鉛、シリコンオイル等の離型剤、酸化マグネシ
ウム等の増粘剤、その他、紫外線吸収剤、紫外線安定
剤、顔料、染料等の公知の添加剤を配合することもでき
る。
【0024】樹脂成形材料は、ニーダーや二軸の連続混
練装置等を用いてBMCとすることができ、またSMC
製造装置を用いればシート状にすることができる。成形
方法も分割金型を用いるものであれば特に限定されず、
所望形状の金型に上記BMC、SMC等の成形材料を入
れて加熱加圧成形することにより、成形品基体を成形す
ることができる。加熱加圧条件は、成形品の大きさ・形
状、成形材料中のモノマー量等に応じて、適宜設定する
ことができる。
【0025】本発明法では、樹脂成形材料の硬化収縮が
ほぼ終了した時点以降であれば、樹脂成形材料(成形品
基体)が完全に硬化した後でも、型内被覆材料の供給が
可能である。成形品基体を緻密に完全3次元硬化する熱
硬化性樹脂のみで形成した場合には、熱硬化性樹脂の硬
化収縮がある程度進んだ段階から収縮終了直前までの短
い時間に、型内被覆材料を型内へ供給しなければ、被覆
層と成形品基体が良好に密着しない。しかし、本発明法
では、成形品基体を熱可塑性ポリマーリッチな樹脂で構
成したので、重合硬化完了後においても、成形品基体の
表面が型内被覆材料によって若干膨潤し、このことが両
者の密着性向上に好影響を及ぼす。従って、被覆材料を
樹脂成形材料の重合硬化がほぼもしくは完全に終了した
時点で型内に供給しても、何ら不都合は起こり得ない。
【0026】逆に、樹脂成形材料の重合による収縮が、
ほぼもしくは完全に終了した後に被覆材料を型内に供給
するので、成形品基体の「ひけ」部分や波打ち等の形状
不良部分、すなわちこれらの不良部分と金型の間に被覆
材料が入り込んで被覆層を形成するために、これらの不
良部分を隠蔽することができるというメリットを有す
る。また、箱状成形品の縦面であっても、成形品基体は
既にほぼもしくは完全に硬化しているので、充分加圧す
ることができ、被覆層との密着不良は起こり得ない。
【0027】ここで、樹脂成形材料の重合硬化反応がほ
ぼ終了する時点とは、樹脂成形材料の下記式で定義され
る硬化度Daが93になった時点を指す。
【0028】
【数3】
【0029】[ただし、上式の硬化度Daは、金型に取
り付けた変位計によって、樹脂成形材料の膨張・収縮量
をY軸方向への移動距離として把握し、X軸を時間軸と
することにより得られる樹脂成形材料の膨張・収縮曲線
において、加熱によって膨張した後、重合硬化による収
縮に転じる時点t0での変位をY0とし、この収縮後、最
終的に変位が一定になったときの変位をY1とし、t0
り後における任意の時点taのときの変位をYaとしたと
きの、taにおける硬化度を表す。]。
【0030】図1により、硬化度をさらに詳細に説明す
る。図1は、樹脂成形材料が加熱された金型中で重合硬
化する際のモデル的な膨張・収縮曲線を示し、図のY軸
は、可動型金型に取り付けた変位計による変位を、横軸
は、型締め後の時間(加熱加圧成形開始からの経過時
間)を示している。樹脂成形材料を、加熱されている金
型へ注入して型締めすると、樹脂成形材料が加温されて
熱膨張を示す。通常、重合反応によって成形材料は収縮
するが、重合の初期段階では熱膨張量が収縮量より上回
るため、図1に示すように、硬化収縮曲線は、型締め
後、一旦、プラスの方向へ変位する。しかし、重合反応
が進行して硬化による収縮が熱膨張を上回るようになる
と、マイナス方向への変位が始まり、膨張・収縮曲線
は、変曲点を示す。このときの変位をY0、時間をt0
する。一方、硬化による収縮は、重合反応の終了によっ
て完了するため、膨張・収縮曲線は、漸減した後、収束
する。膨張・収縮曲線が収束した時点t1における変位
をY1とする。なお、t1は、変位がY1であるいずれの
時点であってもよい。
【0031】上記膨張・収縮曲線において、時間t0
り後である任意の時間taにおける変位をYaとすると
き、硬化度Daは、上式に示したように、収縮が収束し
て変位が一定になったときの変位Y1と最大膨張時の変
位Y0との変位差Y0−Y1に対する変位差Y0−Yaの百
分率として定義される。すなわち、膨張が最大になった
ときから、硬化収縮が完了するまでの収縮量を100と
して、各時点での硬化度合いをその百分率で表している
のである。
【0032】本発明法においては、硬化度Daが93に
なった時点またはそれ以降に、上記型内被覆材料を金型
内へ供給することが必須要件である。前記したように、
樹脂成形材料の硬化収縮が完了した後(図1のt1
降)に型内被覆材料を金型へ供給しても構わないが、生
産効率上は、型締め後のなるべく早い段階で、型内被覆
材料を供給することが好ましい。しかし、あまりに早く
型内被覆材料を供給すると、すなわち、硬化度Daが9
3より小さいうちに供給すると、供給直後の型内被覆材
料が成形品きたいよう樹脂成形材料の未硬化部分に浸透
して内面に潜り込み、硬化が遅いリブ・ボス部などは表
面性状が劣ったものとなるため、好ましくない。また、
箱状成形品のように加圧方向と同一方向の面を持つ形状
の成形品では、この面(縦面)にあまり圧力を加えるこ
とができないため、型内被覆材料を供給した後にさらに
成形品基体が硬化収縮すると、この縦面において被覆層
と成形品基体の密着性が劣るものとなったり、ピンホー
ルが発生する。これらの観点から本発明法では、樹脂成
形材料(成形品基体)の硬化度Daが93になった時点
以降に型内被覆材料を供給するように規定した。硬化度
aが97になった時点以降に供給することがより好ま
しい。
【0033】金型への型内被覆材料の供給手段は特に限
定されず、上下金型を密閉したまま、型内に注入する方
法、上下金型の嵌合を若干緩めて被覆材料を流入し、再
び型締めする方法、上下金型を完全に開放してから被覆
材料を適当位置に裁置し、型締めする方法等、適宜選択
すればよい。
【0034】型内被覆材料としては、ビニル基を有する
モノマーと重合開始剤を含むものであれば、特に限定さ
れない。すなわち、加熱により重合硬化して被覆層を形
成することができるものであれば良く、ビニル基を有す
るモノマーとしては、前記単官能モノマーあるいは多官
能モノマーとして例示したものがいずれも使用可能であ
る。また、重合開始剤も前記例示したものを使用でき
る。
【0035】被覆材料が型内で流動するためにはある程
度の粘度を有することが好ましく、ポリマーと上記モノ
マーが混合されている被覆材料を利用するとよい。例え
ば、通常スチレンモノマーが配合されている不飽和ポリ
エステル樹脂や、エポキシアクリレート(ビニルエステ
ル)やアクリレート系ポリマーにビニル基を有するモノ
マーを混合したもの等を使用することができる。必要に
応じて、抗菌剤、撥水剤や、ステアリン酸亜鉛、シリコ
ンオイル等の離型剤、酸化マグネシウム等の増粘剤、そ
の他、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、顔料、染料等の公
知の添加剤を配合することができる。
【0036】成形品基体との密着性と、型内被覆材料の
流動性を考慮すると、被覆材料の硬化に要する時間が、
金型温度110〜130℃程度で30秒以上になるよう
に被覆材料を構成することが好ましい。30秒未満で硬
化が完了するような材料では、被覆材料の供給場所から
離間した金型末端まで材料が行き渡らずに成形欠陥が生
じたり、密着性が悪いことがあるからである。
【0037】型内被覆材料は、金型内へ液状で注入する
以外に、シート状またはバルク状として、成形品基体
上、または、金型上へ裁置することにより供給すること
もできる。このとき、例えば、種々の色彩に着色した被
覆材料を何種類か用意して、公知の塗装手段でフィルム
基材の上に意匠的な図柄を形成しておけば、型内被覆に
よって成形品表面に意匠的な模様を形成することも可能
である。
【0038】なお、箱状成形品基体を型内被覆する際に
は、箱の内部の被覆層と、この被覆層に密着した金型が
離型しにくいことがあるので、金型温度を、被覆層構成
樹脂のTg+30℃以下に抑えて硬化させることが望ま
しい。
【0039】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお実施例および比較
例において「部」とあるのは全て重量部、「%」とある
のは特に断らない限り「重量%」である。
【0040】1.アクリルシラップAの製造 温度計、撹拌機、温度調整装置、ガス導入管および還流
冷却器を備えた容器に、メチルメタクリレート194部
およびメタクリル酸6部と、重合開始剤としてアゾイソ
ブチロニトリル0.015部、連鎖移動剤としてn−ド
デシルメルカプタン1.0部を仕込み、80℃の窒素雰
囲気下で塊状重合を行った。重合完了前に冷却して、重
合を途中で終了させ、メチルメタクリレートユニットが
97重量%、固形分40%のアクリルシラップAを得
た。このアクリルシラップAの粘度は、25℃で450
ポイズであった。
【0041】2.アクリルシラップBの製造 温度計、撹拌機、温度調整装置、ガス導入管および還流
冷却器を備えた容器に、メチルメタクリレート194部
およびメタクリル酸6部と、重合開始剤としてアゾイソ
ブチロニトリル0.03部、n−ドデシルメルカプタン
1.5部を仕込み、80℃の窒素雰囲気下で塊状重合を
行った。重合完了前に冷却して、重合を途中で終了さ
せ、アクリルシラップを得た。このアクリルシラップの
粘度は、25℃で30ポイズであった。
【0042】次いで、このアクリルシラップにハイドロ
キノン0.04部を投入し、続いてグリシジルメタクリ
レート15部と、オクチル酸亜鉛(エステル化触媒)
0.1部を加え、空気雰囲気下でエステル化反応を行
い、二重結合が一部導入されたアクリルシラップBを得
た。このアクリルシラップBのメチルメタクリレートユ
ニットは90.2重量%、固形分は46%、粘度は25
℃で70ポイズであった。
【0043】3.不飽和ポリエステル樹脂の製造 反応釜に、無水マレイン酸0.9モル、テトラヒドロ無
水フタル酸0.1モル、プロピレングリコール0.55
モルおよびネオペンチルグリコール0.5モルを仕込
み、210℃の窒素雰囲気下で縮重合反応を行った。得
られたアルキッドにハイドロキノン200ppmとスチ
レンモノマーを加え、スチレンモノマー含量が40%の
不飽和ポリエステル樹脂を得た。この不飽和ポリエステ
ル樹脂の粘度は、25℃で7.5ポイズであった。
【0044】4.ビニルエステル樹脂の製造 エポキシ樹脂(「アラルダイトGY−250」;チバガ
イギー社製;エポキシ当量183)をスチレンモノマー
含量が30%となるようにスチレンモノマーと混合し、
エポキシ当量に対して1.05モルのメタクリル酸と、
トリエチルアミン(エステル化触媒)2000ppmと
ハイドロキノン300ppmを添加して、空気雰囲気下
で反応させビニルエステル樹脂を得た。粘度は、25℃
で2ポイズであった。
【0045】5.SMCの製造 アクリルシラップA、ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ポリメチルメタクリレート(ビーズ状「SUMIPE
X LG-6」;住友化学工業社製)、メチルメタクリレート
およびスチレンを、表1に示したような組成で用いて樹
脂成分とした。また、樹脂材料用の重合開始剤として
1,1−ビス(t−へキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(「パーヘキサTMH」日
本油脂社製)を、増粘剤として酸化マグネシウム(「キ
ョウワマグ20」協和化学工業社製)を、離型剤として
ステアリン酸亜鉛(「エフコ・ケムZNS-P」旭電化工業
社製)を、充填剤として炭酸カルシウム(「Slite#120
0」日東粉化社製)を、低収縮化剤としてポリエチレン
パウダー(「フローセンUF1.5」住友精化社製)を、強
化用ガラス繊維としてガラスロービング(「AF−21
0」旭ファイバーグラス社製)を、それぞれ表1に示し
た配合で用いた。
【0046】なお表1中、「MMAユニット量」とは、
樹脂成分中のメチルメタクリレートユニット(樹脂成分
中の熱可塑性ポリマー中の繰り返し単位としてのメチル
メタクリレートユニットと、単官能モノマーとして添加
されるモノマー中のメチルメタクリレートとの合計量)
の重量%を示す。また、「熱可塑性ポリマーユニット
量」とは、樹脂成分中の熱可塑性ポリマーと単官能モノ
マーから構成されるユニットの量であって、本実施例で
は、アクリルシラップとポリメチルメタクリレートとメ
チルメタクリレートとスチレン(ポリエステル樹脂中の
スチレンも含む)の合計が重合体構成成分中に占める割
合(重量%)を示す。ガラス繊維量は、樹脂成形材料全
体に占める割合(重量%)である。
【0047】これらの樹脂成分とガラス繊維以外の添加
剤を撹拌機で混合してSMC用コンパウンドを調製し
た。このコンパウンドを、ポリエチレンフィルム表面に
一定の厚みとなるように塗布した後、ガラスロービング
を長さ1インチにカットしたチョップドストランドを均
一に散布した。このガラス繊維層の上に、予めポリエチ
レンフィルムにコンパウンドを一定の厚みとなるように
塗布したものを、コンパウンド側がガラス繊維層に載る
ように載置して積層物を得た。ロールに通して脱泡する
と共に、ガラス繊維を樹脂成分に含浸させ、得られたS
MCをセロファンフィルムに包み、40℃で20時間熟
成した。
【0048】6.BMCの製造 アクリルシラップB、ポリエステル樹脂、ポリメチルメ
タクリレート「SUMIPEX LG-6」およびエチレングリコー
ルジメタクリレートを、表2に示したような組成で用い
て樹脂成分とした。また、添加剤中、重合開始剤、酸化
マグネシウム、ステアリン酸亜鉛は、SMCのときと同
じものを用いた。BMCでは、充填剤として水酸化アル
ミニウム(「ハイジライトH-320」昭和電工社製)を、
紫外線吸収剤として(「TINUVIN320」チバガイギー社
製)を、強化用ガラス繊維として1/4インチのガラス
チョップ(「ECS-06B-148」日本電気硝子社製)を、そ
れぞれ表2に示した配合で用いた。
【0049】これらの樹脂成分とガラス繊維以外の添加
剤を双腕型ニーダで45分間混合し、続いてガラス繊維
を投入し、15分間混合して、BMCを得た。
【0050】7.型内被覆材料の製造 表3に示した成分を容器に投入し、撹拌羽根付きスリー
ワンモータで30分間撹拌混合して被覆材料を製造し
た。添加剤中、重合開始剤、増粘剤(MgO)、ステア
リン酸亜鉛、水酸化アルミニウムおよび紫外線吸収剤
は、BMCのときと同じものを用い、揺変化剤はアエロ
ジル(「R812」日本アエロジル社製)を、抗菌剤は
「イオンピュアKK」(石塚硝子社製)を用いた。な
お、表3中のGC6は、被覆材料をナイロンフィルム上
に厚さ約2mmに広げ、その上から別のナイロンフィル
ムでラミネートして、40℃で20時間熟成して得られ
た被覆用シートであり、実施例11において、500m
m×800mmにカットしてSMCの型内被覆に用い
た。
【0051】8.SMCの成形方法 ・一次成形条件: 金型:リブ・ボス付きパネル金型(1000mm×65
0mm) 金型温度:上(キャビ)型120℃、下(コア)型10
5℃ SMCチャージ量:4.3kg(板厚約3.0mm) 型締め速度:2mm/s(型締め距離50mm) 一次成形圧力:80kg/cm2(8MPa):520
トン 一次成形終了後、金型を完全に開いて(上型を上昇させ
て)、成形品基体の略中央に型内被覆材料を載置し、再
び型締めを行って、被覆剤の硬化(二次成形)を行っ
た。この被覆剤を載置する段階での成形品基体の硬化度
aと(予め同条件で硬化させて調べておく)、被覆剤
を載置するタイミング、すなわち、図1における時間t
0からの経過時間(秒)を「供給タイミング」として表
4〜5に併記した。 ・二次成形条件: 被覆剤投入量:300ml 二次成形圧力:80kg/cm2(8MPa):520
トン 二次成形時間:300秒 得られた成形品の被覆層の厚みは350〜500μmで
あった。なお、実施例11では、被覆層の厚みは1.5
mmであった。
【0052】9.BMCの成形方法 ・一次成形条件: 金型:リブ・ボス付きパネル金型(1000mm×65
0mm) 金型温度:上(キャビ)型120℃、下(コア)型11
0℃ BMCチャージ量:11kg(板厚約8.0mm) 型締め速度:2mm/s(型締め距離50mm) 一次成形圧力:80kg/cm2(8MPa):520
トン 一次成形終了後、加圧力を0トンにして注入機から被覆
材料を注入ノズルから注入し、再び昇圧・型締めを行っ
て、被覆剤の硬化(二次成形)を行った。この被覆剤を
注入する段階での成形品基体の硬化度Daと(予め同条
件で硬化させて調べておく)、供給タイミングを表6に
示した。なお、BMCの実験では、供給タイミングは4
95秒と一定にした。 ・二次成形条件: 被覆剤投入量:250ml 二次成形圧力:40kg/cm2(4MPa):260
トン 二次成形時間:300秒 得られた成形品の被覆層の厚みは350〜500μmで
あった。
【0053】10.評価方法 [密着性]密着性は、碁盤目試験と、その他の各試験を
行った結果で総合評価し、下記判断基準で5段階評価し
た。碁盤目試験は、被覆層にカッターナイフで20mm
×20mmに4mm角の碁盤目を刻み入れた時の25個
の升目の剥離状況を観察して、升目の75%以上に剥が
れが発生していない升目を合格として数えた。 ・悪い:成形品を金型から脱型し、放冷している間に、
被覆層の一部が成形品基体から剥離する。碁盤目試験結
果が0/25で、全く密着していない。 ・やや悪い:重量28.1g、直径19.05mmの鋼
球を、70cmの高さから成形品平面部へ落下させた時
に、剥離が発生する。碁盤目試験結果は、0〜9/25
である。 ・良:成形品を4cm角に切り出して、90℃の温水に
10分間浸漬し、直ちに5℃の冷水中に10分間浸積す
るサイクルを10サイクル繰り返しても、被覆層が剥離
しない。碁盤目試験結果は、10〜19/25である。 ・良好:碁盤目試験結果が20〜25/25である。 ・優秀:碁盤目試験結果が25/25であり、剥離部分
はすべて被覆層の凝集破壊である。
【0054】[表面平滑性]および[リブ・ボス部のひ
け] 表面平滑性、リブ・ボス部のひけの程度については、5
人の検査員の目視評価を平均して示した。評価基準は、
被覆層剥離(評価不能)を除いた、悪い、やや悪い、
良、良好、優秀の5段階である。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】表4および表5には、各種SMCを用いて
成形品基体を形成し、被覆材料を供給するタイミングを
変化させた結果を示した。本発明実施例は、型内被覆材
料を供給するときの硬化度Daが93以上であり、か
つ、樹脂成分中のMMA量が、本発明の好ましい範囲で
ある45重量%以上のものであり、いずれも良好な特性
を示した。
【0062】しかし、硬化度Daが93以上であっても
樹脂成分中のMMA量が本発明の好ましい範囲(45重
量%以上)を下回る比較例1,2,3は、MMA量が減
少する(1→2→3)のに伴い、特性低下が見られた。
また、硬化度Daが変わるように供給タイミングを変更
した比較例3〜6を比較すると、硬化度Daが小さくな
る(3→4→5→6)につれて密着性はよくなるが、表
面平滑性やリブ・ボス部に不良が生じた。被覆材料を注
入した後に、さらに成形品基体が硬化収縮したり、成形
品基体のリブ・ボス部に被覆材料がもぐり込んだためで
ある。また、比較例7は、MMAユニット等の量が本発
明の好ましい範囲を満足しているが、硬化度Daが93
に至っていないため、被覆材料注入後も成形品基体の硬
化収縮が起こり、表面平滑性が劣ったものである。表6
に示したBMCを用いた実験結果では、MMAユニット
量および熱可塑性ポリマーユニットの量が少ない比較例
は、硬化度Daが98であっても、特性が劣っていた。
【0063】
【発明の効果】本発明法は、型内被覆される成形品基体
の硬化度を目安として、型内被覆材料を供給するタイミ
ングを規定するものである。本発明法によれば、成形材
料の重合・成形・表面被覆といった一連の工程を同一金
型内で行うことができると共に、型内被覆材料の供給を
重合硬化がほぼ完了した時点以降、いつでも行うことが
できるため、工程管理が容易であり、製造効率の向上に
効果的である。さらに、アクリル系成形材料を本発明法
に適用することにより、耐候性に優れ、かつ、表面平滑
性や寸法安定性が良好であり、被覆層と成形品基体の密
着性にも優れた樹脂成形品を提供することができるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂成形材料が重合硬化する際の膨張・収縮挙
動を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 290/04 C08F 290/04 B29K 33:00 B29L 31:00 C08L 33:06 (72)発明者 峯 一弥 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F006 AA22 AB16 AB23 AB24 BA02 DA03 DA04 4F204 AA21 AA41 AB25 AD11 AG28 AH46 AP20 FA01 FB01 FB12 FG09 FN13 FN15 4J011 GA05 GB07 PA34 PA68 PA69 PA88 PB30 PC01 PC09 PC11 4J027 AA01 AA02 BA07 CB03 CC02 CD02 4J100 AB02P AB04P AG04P AL03P AL62Q AL63Q CA01 CA04 FA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内で樹脂成形材料を加熱加圧成形し
    て成形品基体を得ると共に、型内被覆材料を前記金型内
    へ供給することによって前記成形品基体表面に被覆層が
    型内被覆された樹脂成形品を製造する方法であって、 上記樹脂成形材料が、熱可塑性ポリマー、単官能モノマ
    ーおよび重合開始剤を含有し、 上記成形品基体を、加熱加圧成形中に、上記樹脂成形材
    料に重合硬化反応を行わせて硬化させることにより形成
    すると共に、 上記樹脂成形材料の下記式で定義される硬化度Daが9
    3になった時点またはそれ以降に、上記型内被覆材料を
    金型内へ供給することを特徴とする型内被覆された樹脂
    成形品の製造方法。 【数1】 [ただし、上式の硬化度Daは、金型に取り付けた変位
    計によって、樹脂成形材料の膨張・収縮量をY軸方向へ
    の移動距離として把握し、X軸を時間軸とすることによ
    り得られる樹脂成形材料の膨張・収縮曲線において、加
    熱によって膨張した後、重合硬化による収縮に転じる時
    点t0での変位をY0とし、この収縮後、最終的に変位が
    一定になったときの変位をY1とし、t0より後における
    任意の時点taのときの変位をYaとしたときの、ta
    おける硬化度を表す。]
  2. 【請求項2】 上記樹脂成形材料が、樹脂成形材料の重
    合後に、得られる重合体中におけるメチルメタクリレー
    トユニットが45重量%以上となるように、メチルメタ
    クリレートユニットを構成成分として含む熱可塑性ポリ
    マーおよび/またはメチルメタクリレートモノマーを含
    むものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 型内被覆材料が、ビニル基を有するモノ
    マーと重合開始剤を含むものである請求項1または2に
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方
    法で成形されたことを特徴とする型内被覆された樹脂成
    形品。
JP11214053A 1999-07-28 1999-07-28 型内被覆された樹脂成形品の製造方法 Withdrawn JP2001038756A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11214053A JP2001038756A (ja) 1999-07-28 1999-07-28 型内被覆された樹脂成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11214053A JP2001038756A (ja) 1999-07-28 1999-07-28 型内被覆された樹脂成形品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001038756A true JP2001038756A (ja) 2001-02-13

Family

ID=16649492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11214053A Withdrawn JP2001038756A (ja) 1999-07-28 1999-07-28 型内被覆された樹脂成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001038756A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010235731A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd アクリル系重合体とその製造方法ならびにアクリル樹脂組成物、位相差フィルムおよび画像表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010235731A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd アクリル系重合体とその製造方法ならびにアクリル樹脂組成物、位相差フィルムおよび画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4414173A (en) In-mold coating
US5359002A (en) Epoxy polyacrylate with OH or amide-containing monomer
JP3473911B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び該組成物の成形方法
US4239808A (en) In-mold coating of sheet molding compound moldings
KR950004573B1 (ko) 빨리 경화할 수 있는 금형내 코팅 조성물
US4534888A (en) In-mold coating
GB2156835A (en) In-mould coating composition
JP2013209510A (ja) 繊維強化樹脂成形体被覆組成物、該被覆組成物を塗装して得られる繊維強化樹脂成形体及び該繊維強化樹脂成形体の製造方法
US20060281838A1 (en) Non-provisional patent application
US4508785A (en) In-mold coating
JP2005528504A (ja) 熱可塑性物質基体用のインモールドプライマーコーティング
JP2001038756A (ja) 型内被覆された樹脂成形品の製造方法
JPS6144747A (ja) 人造大理石の製造方法
JP2001038755A (ja) 型内被覆された樹脂成形品
JP2001294634A (ja) 型内被覆用組成物、型内被覆された樹脂成形品および該樹脂成形品の製造方法
JP2011162748A (ja) バルクモールディングコンパウンド、並びにランプリフレクター及びその製造方法
JPH09183122A (ja) シートモールディングコンパウンドの製造方法
JP2001277270A (ja) 型内被覆された樹脂成形品の製造方法
JPH07223231A (ja) 型内被覆成形品の製造方法
JPS5838090B2 (ja) シ−ト成形コンパウンド成形品の金型内被覆
JP2001322138A (ja) 型内被覆された樹脂成形品の製造方法
JPH09176331A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂高強度シートモールディングコンパウンド及びその成形方法
JP2003175515A (ja) 補強方法
JPH09174698A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂シートモールディングコンパウンドの成形方法及び成形品
JP2001300955A (ja) 型内被覆された樹脂成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040609

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003