JP2017193599A - シートモールディングコンパウンド、その製造方法及び成形品 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド、その製造方法及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、炭素繊維との密着性及び成形時の生産性に優れるとともに、得られる成形品の機械的強度が優れるシートモールディングコンパウンドを提供すること。【解決手段】ビニルエステル樹脂組成物と、二官能以上の(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと、炭素繊維と、硬化剤とを含むシートモールディングコンパウンドであって、該二官能以上の(メタ)アクリレートが、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、1〜14質量部含まれることを特徴とするシートモールディングコンパウンドである。【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維を補強材として用いたシートモールディングコンパウンド(以下、SMCと略すことがある)、その製造方法及びそれを成形して得られる成形品に関する。
炭素繊維を補強材として用いた強化プラスチック(以下、CFRPと略すことがある)は、低比重、高強度、高弾性率などの優れた特性があることから、航空機、自動車、スポーツ用品などの分野に使用されている。近年、環境問題への対応として、特に自動車分野での燃費低減を目的とした軽量化の要求が高まっており、CFRPのこの分野での採用が多くなると期待されている。
CFRPのマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などがあり、この中でも、炭素繊維との接着性の点からエポキシ樹脂が多く用いられている。しかしながら、エポキシ樹脂は一般に常温で粘度が高く、取扱いが困難であることと、硬化に時間を要するといった課題を有している。
一方、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂は、常温での粘度が比較的低くて取扱い性に優れ、硬化も速いことから生産性に優れているものの、エポキシ樹脂に比べて炭素繊維との接着性に劣るために、炭素繊維のもつ特性を十分に発揮させることができない。
これらの課題を解決するため、ビニルエステル樹脂に増粘剤としてポリイソシアネート化合物を配合させることで、炭素繊維との接着性に優れ、しかも強度の高いCFRPが得られることが開示されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、ビニルエステル樹脂は架橋密度が小さく、成形品のガラス転移温度が低いために、耐熱性が低い。自動車部品などでは軽量化のため、成形品の厚みを極力小さくすることが求められ、耐熱性が低いと高温成形時及び脱型時に成形品が変形したり、クラックが発生するなどの恐れがある。
一方、不飽和ポリエステル樹脂にポリイソシアネート化合物を配合させる方法が開示されている(特許文献2を参照)。不飽和ポリエステル樹脂はビニルエステル樹脂と比較して耐熱性に優れており、上記問題は解決される。しかしながら、不飽和ポリエステル樹脂はポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応し得る末端水酸基の濃度(水酸基価)が低い。このためウレタン結合による機械的強度の増加の効果が得られ難い。さらには、ウレタン結合の形成による増粘への効果も小さく、得られたシートにはべたつきがあり、作業性が低下するとともに、成形時に樹脂分のみが分離しやすいという課題がある。
特公昭63−11136号公報 特許第4955294号公報
従って、本発明は、耐熱性、炭素繊維との密着性及び成形時の生産性に優れるとともに、得られる成形品の機械的強度が優れるシートモールディングコンパウンドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビニルエステル樹脂組成物と、特定量の二官能以上の(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと、炭素繊維とを配合することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下[1]〜[8]で示される。
[1]ビニルエステル樹脂組成物と、二官能以上の(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと、炭素繊維と、硬化剤とを含むシートモールディングコンパウンドであって、該二官能以上の(メタ)アクリレートが、該ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、1〜14質量部含まれることを特徴とするシートモールディングコンパウンド。
[2]前記ビニルエステル樹脂組成物に含まれるビニルエステル樹脂が、ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂及びノボラック型ビニルエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする[1]に記載のシートモールディングコンパウンド。
[3]前記二官能以上の(メタ)アクリレートが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のシートモールディングコンパウンド。
[4]前記ポリイソシアネートが、前記ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、3〜10質量部含まれることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンド。
[5]前記炭素繊維が、前記シートモールディングコンパウンドの総量に対して、30〜70質量%含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
[6]ビニルエステル樹脂組成物と、ポリイソシアネートと、該ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して1〜14質量部の二官能以上の(メタ)アクリレートと、硬化剤とを混合した後、炭素繊維を加えてシート化する工程を含むことを特徴とするシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[7][1]〜[5]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドを硬化した成形体。
[8]航空機用部品又は自動車用部品に使用される[7]に記載の成形体。
本発明によれば、耐熱性、炭素繊維との密着性及び成形時の生産性に優れるとともに、得られる成形品の機械的強度が優れるシートモールディングコンパウンドを提供することができる。
本発明に係るシートモールディングコンパウンドは、ビニルエステル樹脂組成物、二官能以上の(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート、炭素繊維及び硬化剤を必須成分として含有するものである。
本発明で用いられるビニルエステル樹脂組成物は、エポキシ基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基含有カルボキシル化合物との反応によって得られるビニルエステル樹脂を、後述する二官能以上の(メタ)アクリレート以外の重合性モノマーに溶解させて得られる。かかるビニルエステル樹脂は、例えば、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)又は「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)等に記載されている。
ビニルエステル樹脂は、特に限定されることはなく、公知の方法により製造されるものである。具体的には、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートである。
エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族系グリシジルエーテル類が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、ビニルエステル樹脂としてビスフェノールA型ビニルエステル樹脂を用いると、得られる成形品の靭性が向上し、また、ビニルエステル樹脂としてノボラック型ビニルエステル樹脂を用いると、耐熱性がより向上するので好ましい。従って、ビニルエステル樹脂組成物は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
重合性モノマーは、ビニルエステル樹脂と重合可能な重合性二重結合を有しているものであれば適宜なものを用いることができる。重合性モノマーの例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルトルエン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートプレポリマー、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル等が挙げられる。
ビニルエステル樹脂組成物中の重合性モノマーの含有量は、30〜60質量%であることが好ましく、35〜55質量%がより好ましく、40〜55質量%が最も好ましい。重合性モノマーの含有量が30質量%以上であると、ビニルエステル樹脂組成物の粘度が適切になり、成形時の流動性が良好となる。一方、重合性モノマーの含有量が60質量%以下であると、得られる成形品の外観が良好となる。
二官能以上の(メタ)アクリレートとは、官能基である(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する化合物のことである。官能基を二つ以上有する(メタ)アクリレートの中でも、架橋密度を大きくし、ガラス転移温度をより高くする観点から(メタ)アクリロイルオキシ基を三つ以上有するものが好ましい。二官能以上の(メタ)アクリレートの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等の二官能の(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能の(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の四官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの二官能以上の(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、架橋密度を大きくし、ガラス転移温度をより高くする観点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタアクリレート及びアクリレートから選択される少なくとも1種を意味する。「(メタ)アクリル酸」についても同様である。
二官能以上の(メタ)アクリレートの含有量は、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、1〜14質量部であることが必要であり、2〜10質量部であることが好ましく、3〜7質量部であることがより好ましい。二官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が1質量部以上であれば、得られる成形品のガラス転移温度が高くなり、十分な耐熱性が得られる。一方、二官能以上の(メタ)アクリレートの含有量が14質量部以下であれば、炭素繊維以外の原料の混合物の適度な粘度が得られて、シートモールディングコンパウンド製造時に、シート側面部から炭素繊維以外の原料の混合物がもれる(樹脂もれ)等の不具合が生じないので好ましい。
ポリイソシアネートは、一分子中に少なくとも二つのイソシアナト基を有するものであれば特に限定されない。ポリイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリエンジイソシアネート(TMXDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネートの含有量は、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、3〜15質量部であることが好ましく、5〜12質量部であることがより好ましく、5〜
10質量部であることが最も好ましい。ポリイソシアネートの含有量が3質量部以上であると、増粘が適度に進行するのでシートモールディングコンパウンドの取扱い性が向上する。一方、ポリイソシアネートの含有量が15質量部以下であると、増粘が進行し過ぎることがなく、成形時の流動性が確保される。
炭素繊維は、特に限定されるものではないが、ポリアクリロニトリル系炭素繊維であって、連続炭素繊維の引張り強度が4000MPa以上、引張り弾性率が200GPa以上であることが好ましい。
炭素繊維は、0.5〜2インチ(12.7〜50.8mm)の長さにカットしたものを用いることが好ましく、0.5インチ〜1.5インチ(12.7〜38.1mm)の長さにカットしたものを用いることがより好ましく、0.5〜1インチ(12.7〜25.4mm)にカットしたものを用いることが最も好ましい。炭素繊維の長さが0.5インチ以上であれば、成形品の強度が十分となる。一方、炭素繊維の長さが2インチ以下であれば、成形時の流動性が良好となる。
炭素繊維の含有量は、成形品に要求される強度により異なるが、シートモールディングコンパウンドの総量に対して、30〜70質量%であることが好ましく、35〜65質量%であることがより好ましく、40〜55質量%であることが最も好ましい。炭素繊維の含有量が30質量%以上であると、成形品の強度が十分となる。一方、炭素繊維の含有量が70質量%以下であると、成形時の流動性が良好となる。
硬化剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、1,1,ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5,トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。硬化剤は、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、5質量部以下の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明に係るシートモールディングコンパウンドには、本発明の効果を損なわない範囲で、無機充填材、低収縮化剤、重合禁止剤、着色剤等を添加してもよい。
無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、石こう、硫酸バリウム、クレー、タルク等の無機粉末が挙げられる。これらの無機充填材は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。無機充填材は、シートモールディングコンパウンドの総量に対して、20質量%以下の範囲で添加することができる。
低収縮化剤としては、シートモールディングコンパウンドにおいて一般に使用されているものを使用することができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、ポリカプロラクトン等が挙げられる。これらの低収縮化剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。低収縮剤は、ビニルエステル樹脂組成物に対して、50質量%以下の範囲で添加することができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。重合禁止剤は、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、0.3質量部以下の範囲で添加することができる。重合禁止剤は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルトルエン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートプレポリマー、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル等の重合性モノマーに、溶解させて用いることができる。
着色剤は、成形品を着色する必要のある場合に用いるものであり、シートモールディングコンパウンドにおいて通常使用されている各種の無機顔料や有機顔料を使用することができる。着色剤は、成形品の着色度合いによって適宜その使用量を調整すればよいが、ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、20質量部以下の範囲で添加することができる。
本発明に係るシートモールディングコンパウンドは、通常のSMC製造装置を用いて、通常の方法により製造することができる。本発明に係るシートモールディングコンパウンドは、炭素繊維以外の上述した原料を混合した後、炭素繊維を加えてシート化することにより製造することができる。より具体的には、炭素繊維以外の上述した原料をミキサー等で混合した後、この混合物を、上下に設置されたキャリアフィルムに均一な厚さになるように塗布し、このキャリアフィルムで所定の長さにカットされた炭素繊維を挟み込み、次いで、全体を含浸ロールの間に通して、圧力を加えて炭素繊維を混合物に含浸させた後、シート化する(ロール状に巻き取るか又はつづら折りに畳む)。得られたシートモールディングコンパウンドは、その後、室温〜60℃の温度に加温して熟成することが好ましい。熟成させることで、フィルムの剥離が容易になると共に、フィルムを剥がした後にべたつきの無いシートを得ることができる。キャリアフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を用いることができる。
このようにして得られた本発明に係るシートモールディングコンパウンドは、硬化(主に圧縮成形による成形)されて、広範囲な成形品とすることができる。本発明に係るシートモールディングコンパウンドを硬化した成形品は、機械的強度に優れるので、航空機用部品及び自動車用部品に好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。炭素繊維以外の原料を混合した後、この混合物を、SMC製造装置を用いて、炭素繊維の含有量がシートモールディングコンパウンドの総量に対して50質量%、単位面積当たりのシートモールディングコンパウンドの重量が約2kg/mとなるような条件で、表1に示す組成の実施例1〜4及び比較例1〜3のシートモールディングコンパウンドの作製を試みた。ラインスピードは2m/分、キャリアフィルムとしてはポリプロピレンフィルムを用いた。得られたシートモールディングコンパウンドは40℃で24時間熟成させた。
なお、ここで使用した原料は、以下のものである。
<ビニルエステル樹脂組成物A>
昭和電工株式会社製リポキシ(登録商標)R−804相当品。ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂をスチレンで溶解させたもの。スチレン含有量40質量%。
<ビニルエステル樹脂組成物B>
昭和電工株式会社製リポキシ(登録商標)H−600相当品。ノボラック型ビニルエステル樹脂をスチレンで溶解させたもの。スチレン含有量40質量%。
<不飽和ポリエステル樹脂組成物>
マレイン酸/ジプロピレングリコール/プロピレングリコール=100モル/30モル/70モルの配合比で得られた縮合物をスチレンで溶解させたもの。スチレン含有量40質量%。
<二官能以上の(メタ)アクリレート>
トリメチロールプロパントリアクリレート。
<ポリイソシアネート>
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート。
<炭素繊維>
東レ株式会社製T700−12K相当品。1インチ長にカットしたもの。
<内部離型剤>
ステアリン酸亜鉛。
<無機充填材>
昭和電工株式会社製ハイジライト(登録商標)H−42。水酸化アルミニウム。
<重合禁止剤>
p−ベンゾキノンをメチルメタクリレートに5質量%の濃度で溶解させたもの。
<硬化剤>
t−ブチルパーオキシベンゾエート。
Figure 2017193599
実施例1〜4及び比較例1〜3のシートモールディングコンパウンドについて、シートの取り扱い性、製造の可否、ガラス転移温度、成形品の変形及び機械的強度を下記の方法に従って評価した。評価結果を表1に示す。
(1)シートの取り扱い性
フィルムをシートから剥離させ易く且つフィルムを剥がした後のシート上にべたつきが無い場合を、シートの取り扱い性良好(○)と判断し、フィルムをシートから剥離させ難かったか、或いはフィルムを剥がした後のシート上にべたつきが有った場合を、シートの取り扱い性不良(×)と判断した。
(2)製造の可否
シートモールディングコンパウンド製造時(炭素繊維以外の原料の混合物を塗布する工程及び含浸工程)にシート端部から樹脂もれが発生しなかった場合を、製造可(○)と判断し、樹脂もれが発生した場合を、製造不可(×)と判断した。
(3)成形品のガラス転移温度
以下に示す条件で得られた平板より、長さ50mm、幅5mm、厚さ2mmの試験片を切り出した。
成形品形状:320mm×220mmの寸法の平板
成形品厚み:2mm
金型温度:130℃(上型)/130℃(下型)
成形圧力:10MPa
成形時間:180秒
得られた試験片を用いて、GABO社製動的粘弾性装置“EPLEXOR”により、動的粘弾性試験における損失係数(tanδ)の極大点よりガラス転移温度を求めた。試験条件は以下の通りとした。
試験モード:引張り
昇温速度:2℃/分
測定周波数:1Hz
(4)成形品の変形
以下に示す条件により得られた平板成形品を、平らな定盤に置き、定盤と平板成形品との隙間より変形の度合いを評価した。定盤と平板との隙間を隙間ゲージで8点測定したときの合計の値が、3mm未満である場合を○と判断し、3mm以上8mm未満である場合を△と判断し、8mm以上である場合を×と判断した。
成形品形状:320mm×220mmの寸法の平板
成形品厚み:2mm
金型温度:130℃(上型)/130℃(下型)
成形圧力:10MPa
成形時間:180秒
(5)成形品の機械的強度
以下に示す条件で得られた平板より、長さ100mm、幅15mm、厚さ2mmの試験片を切り出した。
成形品形状:320mm×220mmの寸法の平板
成形品厚み:2mm
金型温度:130℃(上型)/130℃(下型)
成形圧力:10MPa
成形時間:180秒
得られた試験片を、株式会社島津製作所製“オートグラフAG−Xpuls”を用いて、JIS K 7074に準じ、以下に示す条件にて、23℃及び120℃における曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
試験速度:5mm/分
支点間距離:80mm
また、測定した曲げ強さ及び曲げ弾性率より、23℃での測定値に対する120℃での測定値の割合、すなわち、120℃強度保持率(%)及び120℃曲げ弾性率保持率(%)を求めた。
表1の実施例1〜4に示すように、本発明によるシートモールディングコンパウンドは、耐熱性、シートの取り扱い性、機械的強度に優れた成形品が得られた。
二官能以上の(メタ)アクリレートを添加しなかった比較例1では、成形品の変形が大きくなり、120℃強度保持率及び120℃曲げ弾性率保持率も実施例1〜4に比べて低下した。
ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して二官能以上の(メタ)アクリレートを15質量部添加した比較例2では、炭素繊維以外の原料の混合物の粘度が低下し、含浸工程においてシート側面部から樹脂もれが発生した。
ビニルエステル樹脂に替えて不飽和ポリエステル樹脂を用いた比較例3では、フィルムを剥がした後のシートにべたつきが大きく、シートの取り扱い性が不良であった。

Claims (8)

  1. ビニルエステル樹脂組成物と、二官能以上の(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネートと、炭素繊維と、硬化剤とを含むシートモールディングコンパウンドであって、
    該二官能以上の(メタ)アクリレートが、該ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、1〜14質量部含まれることを特徴とするシートモールディングコンパウンド。
  2. 前記ビニルエステル樹脂組成物に含まれるビニルエステル樹脂が、ビスフェノールA型ビニルエステル樹脂及びノボラック型ビニルエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載のシートモールディングコンパウンド。
  3. 前記二官能以上の(メタ)アクリレートが、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンド。
  4. 前記ポリイソシアネートが、前記ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して、3〜15質量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  5. 前記炭素繊維が、前記シートモールディングコンパウンドの総量に対して、30〜70質量%含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  6. ビニルエステル樹脂組成物と、ポリイソシアネートと、該ビニルエステル樹脂組成物100質量部に対して1〜14質量部の二官能以上の(メタ)アクリレートと、硬化剤とを混合した後、炭素繊維を加えてシート化する工程を含むことを特徴とするシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドを硬化した成形体。
  8. 航空機用部品又は自動車用部品に使用される請求項7に記載の成形体。
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