JP7052938B2 - プリプレグ、及び、成型品 - Google Patents

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Description

本発明は、作業性及び成型性に優れる成型品が得られるプリプレグ、及び、その成型品に関する。
炭素繊維やガラス繊維等の強化繊維にて強化した繊維強化樹脂複合材料は、軽量でありながら、耐熱性や機械強度に優れる特徴が注目され、自動車や航空機の筐体或いは各種部材をはじめ、様々な構造体用途での利用が拡大している。この繊維強化樹脂複合材料の成型方法としては、例えば、強化繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと呼ばれる中間材料(未硬化物あるいは半硬化物)を用いて、オートクレーブ成型、プレス成型により、硬化、成型させる方法が用いられる。
プリプレグ用の樹脂としては、通常、常温での安定性と加熱等による硬化性を兼ね備えた樹脂であることが必要であるため、一般にはエポキシ樹脂組成物を始めとする熱硬化性樹脂が多用されてきた。しかしながら、エポキシ樹脂を用いたプリプレグは、常温で硬化が進行してしまうため、冷蔵保管を必要とする問題がある。
この問題を解決するため、高い生産性と常温での安定性を実現できるラジカル重合性樹脂組成物の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
ラジカル重合性樹脂組成物は、一般的に有機過酸化物と重合禁止剤との組み合わせにより、プリプレグのゲルタイムの安定化を図っている(特許文献2参照)。
特開2006-152161号公報 特許第6532840号公報
なお、ラジカル重合においては、空気中に含まれる酸素もラジカル重合時の重合禁止剤として働いてしまうため、プリプレグの保管時において、プリプレグ中に酸素溶解が進行すると、当初設計したプリプレグのゲルタイムが遅延し、設計通りに硬化反応が進行せず、未硬化や硬化時の膨れ等の硬化不良が起因する成型不良が引き起こされる問題が生じる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、プリプレグの常温保存後の硬化反応の進行遅延を抑制しつつ、プリプレグの加熱時に、適切に硬化反応を進行させることができ、成型不良の発生を抑えることができ、作業性に優れるプリプレグ、及び、その成型品を提供することにある。
本発明者は、少なくとも、ラジカル重合性樹脂、及び、重合開始剤を含有するラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材とを有するプリプレグの両面に、特定のフィルムで被覆されるプリプレグによれば、常温保存後において、硬化反応の進行遅延を抑制でき、プリプレグの硬化反応(加熱)時には適切に硬化反応を進行させることができ、成型不良の発生を抑制し、作業性に優れる成型品を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも、ラジカル重合性樹脂、及び、重合開始剤を含有するラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材と、を有するプリプレグであって、
前記プリプレグの両面に、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムが被覆されていることを特徴とするプリプレグに関する。
本発明のプリプレグは、前記フィルムの厚さが、5~150μmであることが好ましい。
本発明のプリプレグは、前記プリプレグの厚さが、500μm以下であることが好ましい。
本発明のプリプレグは、前記プリプレグ中の前記繊維基材の含有率が、30質量%以上であることが好ましい。
本発明のプリプレグは、前記プリプレグの製造6週間後、及び、製造2週間後の140℃におけるゲルタイムの差が、10秒未満であることであることが好ましい。
本発明の成型品は、前記プリプレグの硬化物であることに関する。
本発明のプリプレグは、常温保存後の硬化反応の進行遅延を抑制でき、プリプレグの加熱時には適切に硬化反応を進行させることができ、成型不良の発生を抑制し、作業性に優れる成型品を得られ、有用である。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、少なくとも、ラジカル重合性樹脂、及び、重合開始剤を含有するラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材と、を有するプリプレグであって、前記プリプレグの両面に、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムが被覆されていることを特徴とする。前記ラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材とを有するプリプレグの両面に特定のフィルムで被覆されるプリプレグによれば、常温保存後において、硬化反応の進行遅延を抑制でき、プリプレグの硬化反応(加熱)時には適切に硬化反応を進行させることができ、成型不良の発生を抑制し、作業性に優れ、好ましい。
<ラジカル重合性樹脂組成物>
本発明のプリプレグは、少なくとも、ラジカル重合性樹脂、及び、重合開始剤を含有するラジカル重合性樹脂組成物を有することを特徴とする。前記ラジカル重合性樹脂を使用することで、強度や耐熱性が良好となり、好ましい。前記ラジカル重合性樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリマーや不飽和ポリエステルポリマーを使用することができ、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン変性エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられるが、硬化性等がより向上することから、ウレタン変性エポキシ(メタ)アクリレート、及び、ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。これらのラジカル重合性樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて得ることができる。1分子当たりの平均水酸基数1.8~2.6とするための手法の例としては、エポキシ樹脂の平均エポキシ基数と平均水酸基数と、(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸無水物の反応時のモル数の設定により制御できる。
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、オキゾドリドン変性エポキシ樹脂、これらの樹脂の臭素化エポキシ樹脂等のフェノールのグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1-エポシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン等の脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル-p-オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、トリグリシジル-p一アミノフェノール、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン、1,3-ジグリシジル-5,5-ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、より機械強度及び耐熱性に優れる成型品が得られることから、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂又はオキゾドリドン変性エポキシ樹脂がより好ましく、更に、機械強度等に優れる硬化物が得られることからビスフェノール型エポキシ樹脂又はオキゾドリドン変性エポキシ樹脂がより好ましい。エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、150から400までが耐熱性、硬化性の観点から好ましい。なお、これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記したエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応は、好ましくは、60~140℃において、エステル化触媒を用いて行われる。また、重合禁止剤等を使用することもできる。
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、ポリイソシアネートと、ポリオールと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応により得られたものが好ましい。
前記ポリイソシアネートは、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体、及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートから選ばれる1種以上のポリイソシアネートであるが、成型品の耐熱性がより向上することから、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含むことが好ましい
前記ウレタン(メタ)アクリレートのイソシアネート原料としては、前記ポリイソシアネート以外のその他のポリイソシアネートを併用することができる。その他のポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートのヌレート変性体、ビュレット変性体、ウレタンイミン変性体、ジエチレングリコールやジプロピレングリコール等の数平均分子量1,000以下のポリオールで変性したポリオール変性体、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート変性体、ビュレット変性体、アダクト体、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートなどを用いることができる。
前記ポリイソシアネートは、前記ウレタン(メタ)アクリレートのイソシアネート原料中、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアルキレンポリオール等を使用することができる。これらのポリオールは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、これらのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、プリプレグ用樹脂組成物中、5~50質量%の範囲であることが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、イソシアネート化合物のイソシアネート基(NCO)と水酸基を有する化合物の水酸基(OH)とのモル比(NCO/OH)は、0.7~1.5が好ましく、0.8~1.3がより好ましく、0.8~1.0がさらに好ましい。
前記ラジカル性樹脂組成物に含有される重合開始剤としては、特に制限されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、レドックス開始剤などが挙げられ、中でも、常温(23℃)での安定性の観点から、有機過酸化物が好ましい。
前記有機過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーオキシエステル化合物、ハイドロパーオキサイド化合物、ケトンパーオキサイド化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカーボネート化合物、パーオキシケタール等が挙げられ、成型条件に応じて適宜選択できる。これらの重合開始剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
また、これら有機過酸化物の中でも、プリプレグの常温でのライフが長く、また加熱により短時間で硬化が進行することから、10時間半減期を得るための温度が70~100℃であることが好ましい。このような有機過酸化物としては、例えば、1,6-ビス(t-ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシジエチルアセテート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジーtert-ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、t-アミルパーオキシトリメチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等が挙げられる。
前記重合開始剤の含有量としては、硬化特性と保存安定性が共に優れることから、前記ラジカル重合性樹脂や後述する熱硬化性樹脂等の樹脂成分の総量に対して、0.3~3質量%の範囲が好ましい。
また、前記ラジカル性樹脂組成物には、硬化性等がより向上することから、エチレン性不飽和単量体を含有することができる。
前記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチルアクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
これらエチレン性不飽和単量体の中でも、作業環境時の臭気及び危険物の取り扱い上、成型品の機械強度及び耐熱性から、分子量150~250の単官能(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレートがより好ましく、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
前記ラジカル重合性樹脂組成物には、前記ラジカル重合性樹脂、前記重合開始剤などに加えて、その他の成分を使用してもよく、例えば、前記ラジカル重合性樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂成分、重合禁止剤、硬化促進剤、充填剤、低収縮剤、離型剤、増粘剤、減粘剤、顔料、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、抗菌剤、紫外線安定剤、補強材、光硬化剤等を含有することができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。また、これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂およびこれらを共重合等により変性させたものが挙げられる。また、これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、p-t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物が挙げられる。またアミン類として、N,N-ジメチルアミノ-p-ベンズアルデヒド、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N-エチル-m-トルイジン、トリエタノールアミン、m-トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記充填剤としては、無機化合物、有機化合物があり、成型品の強度、弾性率、衝撃強度、疲労耐久性等の物性を調整するために使用できる。
前記無機化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト石灰石、石こう、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン、鉄粉等が挙げられる。
前記有機化合物としては、セルロース、キチン等の天然多糖類粉末や、合成樹脂粉末等があり、合成樹脂粉末としては、硬質樹脂、軟質ゴム、エラストマーまたは重合体(共重合体)などから構成される有機物の粉体やコアシェル型などの多層構造を有する粒子を使用できる。具体的には、ブタジエンゴムおよび/またはアクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等からなる粒子、ポリイミド樹脂粉末、フッ素樹脂粉末、フェノール樹脂粉末などが挙げられる。これらの充填剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記離型剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。好ましくは、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナバワックス等が挙げられる。これらの離型剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等の金属酸化物や金属水酸化物など、アクリル樹脂系微粒子などが挙げられ、本発明のプリプレグの取り扱い性によって適宜選択できる。これらの増粘剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
<繊維基材>
本発明のプリプレグは、前記ラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材とを有するプリプレグであって、前記プリプレグの両面に、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムが被覆されていることを特徴とする。前記繊維基材としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維等の有機繊維などが挙げられるが、より高強度、高弾性の成型品が得られることから、炭素繊維又はガラス繊維が好ましく、炭素繊維がより好ましい。これらの繊維基材は単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
前記炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、レーヨン系などの各種のものが使用できるが、これらの中でも、容易に高強度の炭素繊維が得られることから、ポリアクリロニトリル系のものが好ましい。
前記繊維基材の形状としては、特に制限はないが、例えば、強化繊維フィラメントを収束させた強化繊維トウや、強化繊維トウを一方向に引き揃えた一方向材、製織した織物又は短く裁断した強化繊維からなる不織布等が挙げられるが、強化繊維として一方向材を用い、積層させ成型することで高い機械物性が得られるため好ましい。また、前記繊維基材の表面処理剤についても、特に制限されない。
前記織物の場合は、平織、綾織、朱子織、若しくはノン・クリンプト・ファブリックに代表される、繊維束を一方向に引き揃えたシートや角度を変えて積層したようなシートをほぐれないようにステッチしたステッチングシート等が挙げられる。
前記繊維基材(強化繊維)の目付け(繊維1m当たりの重さ)としては、特に制限されるないが、例えば、10~650g/mが好ましく、50~500g/mがより好ましく、50~300g/mが更に好ましい。10g/m以上の目付けになると繊維幅のムラが少なく、機械物性が良好になるので好ましい。650g/m以下の目付けであれば、樹脂の含浸が良好になるので好ましい。
<フィルム>
本発明のプリプレグは、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムが被覆されていることを特徴とする。前記範囲の酸素透過度を有するフィルムを、前記ラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材とを有するプリプレグの両面に被覆することで、得られるプリプレグの常温での保存(保管)時において、プリプレグ中に酸素の溶解が進行することを抑制し、当初設計したプリプレグのゲルタイムの遅延防止(ゲルタイムの安定性)や、プリプレグを用いた成型品を作製する際に、設計通りに硬化反応を進行させることができ、未硬化や硬化時の膨れ等の硬化不良が起因する成型不良が引き起こされる問題を抑制でき、有用である。なお、本発明における「フィルム」とは、一般的に使用されるフィルムやシート、テープ、ラベルなど、得られるプリプレグのサイズや用途に応じて適用されるものであり、前記フィルムとして、プラスチックフィルムや紙、セロファンなどを含むことを意味する。
前記フィルムとしては、前記酸素透過度を有するフィルムであれば、特に制限されないが、例えば、上記紙や上記セロファン、更に、上記プラスチックフィルムとして、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ナイロンフィルム(ナイロン66、ナイロン6等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、及び、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムなどを使用することができる。中でも好ましい上記プラスチックフィルムとして、ポリエステルムフィルム、更に、紙、セロファン、ポリエチレンフィルム、及び、ポリプロピレンフィルムのいずれかに上記プラスチックフィルムをコートしたフィルム、上記プラスチックフィルムにシリカやアルミナなどをコートしたフィルムなどが挙げられる。これらフィルムとしては、特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、または、セロファンにポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルム、ポリプロピレンフィルムにポリ塩化ビニリデンをコートしたフィルム、ポリエステルフィルムにシリカやアルミナなどをコートしたフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、酸素透過度が低く、透明性、強度等の観点から、有用である。
また、前記フィルムとしては、離型処理がなされたフィルムであることが、フィルムの剥離作業性の点から好ましい。前記離型処理としては、シリコン系離型コート、非シリコン系離型コートなどが挙げられる。
前記酸素透過度としては、200(ml/m・24h・atm)以下であり、好ましくは、0.1~175(ml/m・24h・atm)であり、より好ましくは、0.5~150(ml/m・24h・atm)であり、更に好ましくは、1~125(ml/m・24h・atm)である。前記酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下であることにより、プリプレグ中に含まれる酸素の溶解進行が抑えられたり、プリプレグの保存中に、空気中の酸素の侵入を抑制でき、酸素が重合禁止剤として働くことを防止でき、保存後のゲルタイムの遅延を抑制(ゲルタイムの安定性)でき、有用となる。
前記フィルムの厚さとしては、5~150μmであることが好ましく、10~100μmがより好ましく、15~50μmが更に好ましい。前記範囲であると、作業性や強度の観点から好ましく、特に、前記フィルムの厚さと、前記酸素透過度との関係により、フィルムの厚さが薄く、一方で、酸素透過度が低いフィルムを使用することで、作業性と酸素透過の抑制に寄与でき、好ましい態様となる。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、前記ラジカル重合性樹脂組成物を反応させて用いることで、未硬化あるいは半硬化のプリプレグと呼ばれる状態を形成することができる。プリプレグの状態で製品を流通させた後、最終硬化をおこなって硬化物(成型品)を形成してもよい。また、前記プリプレグを用いて、積層体を形成する場合は、プリプレグを作製した後プリプレグやその他の層を積層してから最終硬化を行うことで、各層が密着した積層体を形成することができる。なお、前記プリプレグとは、熱硬化性プリプレグや、電子線硬化性プリプレグ等とすることが可能であるが、作業性やコストの観点から、熱硬化性プリプレグとすることが好ましい。
本発明のプリプレグ中の繊維基材の含有率が、30質量%以上であることが好ましく、35~80質量%がより好ましく、40~70質量%が更に好ましい。30質量%以上にすることで、得られる成型品の機械強度がより向上する。なお、本発明における「プリプレグ中の繊維基材の含有率」とは、両面に被覆されているフィルムを剥離した状態のプリプレグ中の、繊維基材と樹脂組成物の合計質量中の繊維基材の含有割合を指す。
本発明のプリプレグの製造方法は、特に制限されず、従来公知の方法により製造することができ、例えば、ウェット法、ホットメルト法、ハンドレイアップ法などを使用できる。その中で、ハンドレイアップ法を用いる場合、プラネタリーミキサー、ニーダーなどの公知の混合機を用いて、ラジカル重合性樹脂や重合開始剤等を混合したラジカル重合性樹脂組成物(樹脂溶液)を、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルム上に、ドクターナイフ、フローコーター等によって塗布(好ましくは、10~650μmの厚さになるように)した後、ハンドレイアップ法により、前記繊維基材を含浸させ、さらに、上面から前記酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムで挟み込み(被覆し)、これを常温(23℃)~70℃で、5分~48時間加熱してエージングし、原料を反応させ、プリプレグを得ることができる。
前記プリプレグの厚さとしては、500μm以下であることが好ましく、より好ましくは、20~500μmであり、更に好ましくは、50~400μmであり、特に好ましくは、100~300μmである。500μm以下とすることで、樹脂の含浸が良好となり、20μm以上とすることで、プリプレグを積層して使用する際の取り扱いが容易となり好ましい。
前記プリプレグは、熱硬化性プリプレグが好ましく、生産性やハンドリング性等がより向上することから、140℃におけるゲルタイムが、10秒~90秒の範囲が好ましく、15秒~60秒の範囲がより好ましい。なお、本発明におけるプリプレグのゲルタイムは、JASO M 406-87に規定される硬化特性試験に準拠した方法で測定した。
<成型品>
本発明の成型品は、前記プリプレグの硬化物であることに関する。得られた成型品は、繊維基材とラジカル重合性樹脂組成物から形成され、前記プリプレグの両面に被覆される前記フィルムを剥離したものが用いられる。上記で得られたプリプレグから成型品を得る方法としては、特に制限されず、従来公知の方法により製造することができるが、例えば、プリプレグの両面から前記フィルムを剥離し、プリプレグを8~16枚積層した後、予め110~160℃に加熱した金型に投入し、圧縮成型機にて型締めを行い、プリプレグを賦型させ、0.1MPa~10MPaの成型圧力を保持することによって、プリプレグを硬化させ、その後、成型品を取り出し成型品を得る方法が用いられる。この場合、シェアエッジを有する金型内で、金型温度120~160℃にて、成型品の厚さ1mm当たり1分間~4分間という規定の時間、1MPa~8MPaの成型圧力を保持し、加熱圧縮成型する製造方法が好ましい。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げて、より詳細に説明する。
(プリプレグ用樹脂組成物(1)の調製)
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)との混合物(東ソー株式会社製「ミリオネート MR-200」)50質量部と、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)50質量部と2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)66質量部と、ニューポールBPE-20(三洋化成株式会社製:ビスフェノールAのEO付加物、水酸基当量;164g/eq)25質量部と、ニューポールBPE-40(三洋化成株式会社製:ビスフェノールAのEO付加物、水酸基当量;204g/eq)31質量部と、重合開始剤(化薬アクゾ株式会社製「トリゴノックス122-C80」、有機過酸化物)3質量部とを混合し、プリプレグ用樹脂組成物(1)を得た。
(実施例1)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ25μmの離型処理をしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(製品名:PETセパレーター、ニッパ社製フィルム、酸素透過度:80ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃で24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(1)を作製した。このプリプレグ(1)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+6秒であった。
(実施例2)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ38μmの離型処理をしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(製品名:PETセパレーター、ニッパ社製フィルム、酸素透過度:52ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(2)を作製した。このプリプレグ(2)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+6秒であった。
(実施例3)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ22μmのセロファン・ポリ塩化ビニリデン・塩化ビニル酢酸ビニル共重合体複層フィルム(A)(製品名:セルシKM-G#300、ダイセルバリューコーティング製フィルム、酸素透過度:10ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(3)を作製した。このプリプレグ(3)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+4秒であった。
(実施例4)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ12μmの離型処理をしたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(製品名:SUNLIKY離型フィルム、東京化工社製フィルム、酸素透過度:167ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(1)を作製した。このプリプレグ(1)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+7秒であった。
(比較例1)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ22μmのナイロン6・ポリプロピレン・ポリエチレン系樹脂複層フィルム(B)(製品名:DIFAREN 100B、キャストフィルムジャパン株式会社製フィルム、酸素透過度:2100ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(4)を作製した。このプリプレグ(4)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+14秒であった。
(比較例2)
プリプレグ用樹脂組成物(1)を、厚さ20μmの離型処理をした未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:無延伸ポリプロピレンフィルム、フタムラ化学社製フィルム、酸素透過度:4800ml/m・24h・atm)の片面に塗布した後、ハンドレイアップ法により炭素繊維(FOMOSA TAFFETA社製「EC3C」)を炭素繊維含有量が50質量%となるように含浸させ、同じフィルムを反対面に被覆した後、45℃24時間の条件にて、エージングさせることでプリプレグ(4)を作製した。このプリプレグ(4)における炭素繊維を除く原料中のモル比(NCO/OH)は0.94であった。また、得られたプリプレグの厚さは0.25mm(250μm)であった。製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差は、+19秒であった。
[成型品の作製]
上記実施例及び比較例で得られたプリプレグの両面からフィルムを剥がし、前記フィルムを剥がしたプリプレグを12枚積層し、200mm×100mmの金型を用いて、金型温度145℃、型閉圧力4MPaの条件で3分間加熱加圧成型することにより、成型品を得た。
[水酸基当量]
樹脂の水酸基当量の測定は、JIS K0070(1992)に規定される中和滴定法に準拠した方法で測定した値を用いた。
[フィルム及びプリプレグの厚さ測定]
ミツトヨ社製のダイヤルシックネスゲージにて、測定した。
[フィルムの酸素透過度測定]
フィルムの酸素透過度は、JIS K7126に規定されるフィルム及びシート-ガス透過度試験方法で測定した値を用いた。
[ゲルタイムの安定性評価]
上記得られた製造から2週間後、及び、6週間後のプリプレグの両面からフィルムを剥がし、フィルムを剥がしたプリプレグのゲルタイム(140℃)は、JASO M 406-87に規定される硬化特性試験に準拠した方法で、製造から2週間後、及び、6週間後において測定した。なお、評価用サンプルは、製造直後から、常温(23℃×55%RH)で保管し、5cm×5cmに切り出したサンプルを24枚積層して、積層したプリプレグを用いて、評価用サンプルとし、ゲルタイム(秒)を測定した。
ゲルタイムの差としては、10秒未満であれば、実用上問題はない。
ゲルタイム差(秒)=[(6週間後のゲルタイム)-(2週間後のゲルタイム)]
◎:製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差が5秒未満
○:製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差が5秒以上10秒未満
△:製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差が10秒以上15秒未満
×:製造から6週間後と2週間後のゲルタイムの差が15秒以上
[成型性の評価]
上記で得られた成型品の表面を下記の基準に従い、目視にて、評価した。
○:膨れ、及び、未硬化部分無し
×:膨れ、及び/または、未硬化部分あり
上記で得られたプリプレグ、及び、前記プリプレグを用いて得られた成型品の評価結果を表1に示した。
Figure 0007052938000001
上記表1より、実施例1~4で得られたプリプレグは、ゲルタイム差が短く、ゲルタイムの安定性に優れ、前記プリプレグを用いて得られる成型品は膨れや未硬化部分もなく、作業性及び成型性に優れることが確認できた。特に実施例3では、酸素透過度が極めて低く抑えられているため、ゲルタイム差が4秒と差が小さく、長期常温保存した場合であっても、プリプレグ中の酸素の溶解進行を抑制でき、また、空気中の酸素による影響を抑制でき、実用上、極めて有用であることが確認できた。
一方、比較例1及び2においては、プリプレグの作製に使用したフィルムの酸素透過度が高く、ゲルタイム差が長くなり、ゲルタイムの安定性に劣る傾向にあり、成型性に劣ることが確認された。
本発明のプリプレグは、常温保存後の硬化反応の進行遅延を抑制でき、プリプレグの加熱時には適切に硬化反応を進行させることができ、成型不良の発生を抑制し、作業性に優れる成型品を得られることから、自動車部材、鉄道車両部材、航空宇宙機部材、船舶部材、住宅設備部材、スポーツ部材、軽車両部材、建築土木部材、OA機器等の筐体等に好適に使用可能であり、特に自動車部材、住宅設備部材、スポーツ部材等に好適に使用可能である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、ラジカル重合性樹脂、及び、重合開始剤を含有するラジカル重合性樹脂組成物と、繊維基材と、を有するプリプレグであって、
    前記重合開始剤が有機過酸化物であり、
    前記プリプレグの両面に、酸素透過度が200(ml/m・24h・atm)以下のフィルムが被覆されていることを特徴とするプリプレグ。


  2. 前記フィルムの厚さが、5~150μmであることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記プリプレグの厚さが、500μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 前記プリプレグ中の前記繊維基材の含有率が、30質量%以上であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記プリプレグの製造6週間後、及び、製造2週間後の140℃におけるゲルタイムの差が、10秒未満であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のプリプレグの硬化物であることを特徴とする成型品。
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