JP2000297127A - 耐食frpの成形方法 - Google Patents

耐食frpの成形方法

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JP2000297127A
JP2000297127A JP11107681A JP10768199A JP2000297127A JP 2000297127 A JP2000297127 A JP 2000297127A JP 11107681 A JP11107681 A JP 11107681A JP 10768199 A JP10768199 A JP 10768199A JP 2000297127 A JP2000297127 A JP 2000297127A
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resin
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Tomio Yamamoto
富生 山本
Kazuo Otani
和男 大谷
Kenji Miura
賢治 三浦
Hideki Sendai
英毅 千代
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来試みがなされていなかった組成変更によ
らない不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂の
耐食性能が向上できる耐食FRPの硬化方法の開発。 【解決手段】 (A)イソフタル酸系不飽和ポリエステ
ル樹脂および/または一般式(1) 【化1】 [ただし、Φはパラフェニレン基を、Rは水素原子また
はメチル基を、nは1ないし6の数を示す。]の構造の
オリゴマーおよび/または一般式(2) 【化2】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]の構造のオリゴマーをスチレン系モ
ノマーおよび/または(メタ)アクリル系モノマーで希
釈したビニルエステル樹脂:100重量部;(B)繊維
強化材及び/または充填材:0〜200重量部;(C)
光重合開始剤:0.1〜10重量部を含有する樹脂組成
物に光照射して硬化させる耐食FRPの成形方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の不飽和ポリエス
テル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂を使用し、耐
食が必要とされるタンクなどに使用するFRPの成形及
びタンク、配管、コンクリート槽、床などを腐食環境か
ら保護するFRPライニング、樹脂モルタルライニン
グ、フレークライニングなどに適した耐食FRPの硬化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】防食分野では、耐食FRPがマトリック
スの優れた耐食性、安価、常温硬化で容易に成形が可能
であることから発展してきた。耐食FRPのマトリック
スとして使用されている樹脂にはイソフタル酸系、ビス
フェノール系、ヘツト酸系の各不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂などがあるが、近年、中でも特にビニルエステル樹脂
がその耐食性能の優位性から、不飽和ポリエステル樹脂
で適用できない用途分野で置き換わり、使用が拡大され
てきている。
【0003】ビニルエステル樹脂の耐薬品性は優れてお
り、ビニルエステル樹脂をマトリックスに使用した耐食
FRPでは、一般的にビスフェノール系ビニルエステル
樹脂は、耐酸、耐アルカリ性に優れ、ノボラック系ビニ
ルエステル樹脂は耐酸、耐溶剤性に優れていると言える
が、厳しい条件下での耐酸性、耐アルカリ性やメチルエ
チルケトンやアセトンなどのケトン系の溶剤やメタノー
ルなどのアルコール系の溶剤に対する耐溶剤性はまだ十
分と言える状況ではない。しかし、耐食性能を決定付け
る因子は、硬化した樹脂の耐薬品性であり、選択する樹
脂の種類で耐食層の性能も決まってしまうが、樹脂の改
良による根本的な耐食性能の向上は限界に来ていた。下
地に高性能なプライマーを塗布することなどにより耐食
性能を向上させる方法が特開平4−88065号公報な
どに記載されているが、これも根本的に樹脂そのものの
耐食性能を向上させるというものではない。樹脂の組成
変更はすでに限界に来ており、樹脂の組成変更以外に根
本的に耐食性能を向上させる試みはなされていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑み、従来無意味とされて試みがなされていなかった
組成変更によらない不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエ
ステル樹脂の耐食性能が向上できる耐食FRPの硬化方
法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] (A)イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂
および/または一般式(1)
【0006】一般式(1):
【化6】 [ただし、Φはパラフェニレン基を、Rは水素原子また
はメチル基を、nは1ないし6の数を示す。]の構造の
オリゴマーおよび/または一般式(2)
【0007】一般式(2):
【化7】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]の構造のオリゴマーをスチレン系モ
ノマーおよび/または(メタ)アクリル系モ ノマーで希釈したビニルエステル樹脂 ・・・・・100重量部 (B)繊維強化材及び/または充填材: ・・・0〜200重量部 (C)光重合開始剤: ・・・0.1〜10重量部 を含有する樹脂組成物に光照射して硬化させることを特
徴とする耐食FRPの成形方法、
【0008】[2] 上記[1]に記載の樹脂組成物を
Bステージ化して得たプリプレグに光照射して硬化させ
ることを特徴とする耐食FRPの成形方法、 [3] 光重合開始剤が、紫外光領域から近赤外光領域
の範囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開始剤で
ある上記[1]または[2]に記載の耐食FRPの成形
方法、
【0009】[4] 紫外光領域から近赤外光領域の範
囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、可
視光あるいは近赤外光領域に感光性を有する、一般式
(3)で表される陽イオン色素、
【0010】一般式(3):
【化8】 D+ ・A- ・・・・(3) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
キサジン、チアジン、アリールメタンまたはピリリウム
系色素陽イオンの1種であり、A- は各種陰イオンを示
す。)及び一般式(4)で表される有機ホウ素化合物、
【0011】一般式(4):
【化9】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
す。)である上記[1]ないし[3]のいずれかに記載
の耐食FRPの成形方法、 [5] 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の任意の
領域に感光性を有する光重合開始剤が、紫外光あるいは
可視光領域に感光性を有するアシルホスフィンオキサイ
ド系化合物である請求項1ないし3のいずれか1項に記
載の耐食FRPの成形方法。 [6] 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の任意の
領域に感光性を有する光重合開始剤に、一般式(4)で
表される有機ホウ素化合物及び酸性化合物からなる重合
開始剤または有機ホウ素化合物、酸性化合物及び一般式
(5)で表されるへキサアリ一ルビイミダゾール化合物
からなる重合開始剤を組み合わせる上記[1]ないし
[5]のいずれかに記載の耐食FRPの成形方法、
【0012】一般式(5):
【化10】 [式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
基あるいは置換アリール基を示す。]
【0013】[7] Bステージ化方法が、紫外光領域
から近赤外光領域の範囲内の特定の波長で処理されて、
少なくとも一種の光重合開始剤及びラジカル重合性不飽
和基の一部が残存するように予備重合する方法である上
記[1]ないし[6]のいずれかに記載の耐食FRPの
成形方法、 [8] Bステージ化方法が、金属増粘及び/またはイ
ソシアネート増粘である上記[1]ないし[6]のいず
れかに記載の耐食FRPの成形方法、
【0014】[9] 光硬化の光源が可視光を発生する
光源及び/または太陽光である上記[1]ないし[8]
のいずれかに記載の耐食FRPの成形方法、及び [10] 光硬化に使用する、380〜450nmの波
長領域の光の照度が10mW/cm2 (380〜450
nmの波長領域)以上である上記[9]に記載の耐食F
RPの成形方法、を開発することにより上記の目的を達
成した。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では イソフタル酸系不飽
和ポリエステル樹脂および/または一般式(1)の構造
のオリゴマーおよび/または一般式(2)の構造のオリ
ゴマーをスチレン系モノマーおよび/または(メタ)ア
クリル系モノマーで希釈したビニルエステル樹脂(以
下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶこともある)のうち、
少なくともその一つを使用する。また本発明において
は、FRPの成形加工及び樹脂のライニングは一括して
FRPの成形方法という。本発明に使用するイソフタル
酸系不飽和ポリエステル樹脂は、一般に多価アルコール
と不飽和多塩基酸及びイソフタル酸からなる酸成分との
エステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステ
ル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解した樹
脂である。またビニルエステル樹脂は、一般式(1)の
構造のオリゴマーまたは一般式(2)の構造のオリゴマ
ーをスチレンのような重合性モノマーに溶解した樹脂で
ある。
【0016】イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂の
原料として用いられる不飽和ポリエステルとしては、公
知の方法により製造されたもので良い。具体的にはイソ
フタル酸を主体とする重合性不飽和結合を有していない
多塩基酸とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合
性不飽和多塩基酸またはその無水物を酸成分とし、これ
とエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオ一ル、1,3−ブタンジオ一ル、1,5−ペン
タンジオ一ル、1,6−へキサンジオ一ル、2−メチル
−1,3−プロパンジオ一ル、2,2−ジメチル−1,
3−プロパンジオ一ル、シクロヘキサン−1,4−ジメ
タノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等
の多価アルコールをアルコール成分として反応させて製
造されるものである。
【0017】またビニルエステル樹脂(エポキシアクリ
レート系樹脂)の原料として用いられるビニルエステル
としては、一般式(1)の構造のオリゴマー
【0018】一般式(1):
【化11】 [ただし、Φはパラフェニレン基を、Rは水素原子また
はメチル基を、nは1ないし6の数を示す。]および/
または一般式(2)の構造のオリゴマー
【0019】一般式(2):
【化12】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]からなるポリエステル(メタ)アク
リレート(ビニルエステル)である。
【0020】本発明の樹脂等に用いられる前記不飽和ポ
リエステルあるいは前記ビニルエステルは、不飽和度の
比較的高いものが好ましく、不飽和基当量(不飽和基1
個当たりの分子量)が100〜800程度のものを用い
る。不飽和基当量が100未満のものは合成が困難であ
り、不飽和基当量が800を超えると高硬度の硬化物が
得られにくいのでいずれも好ましくない。
【0021】本発明において使用される前記不飽和ポリ
エステル樹脂あるいは前記ビニルエステル樹脂は、通
常、前記の不飽和ポリエステルあるいはビニルエステル
にスチレンモノマーで代表される不飽和基を有するモノ
マ一(反応性希釈剤)を配合したものであり、該不飽和
基を有するモノマーは複合材料を製造する際に繊維強化
材及びフィラーとの混練性、含浸性を高め、かつ成形製
品の硬度、強度、耐薬品性、耐候性等を向上させるため
に重要であり、耐食性能を向上させるためには特にスチ
レンモノマーが有効である。不飽和基を有するモノマー
の添加量は、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステ
ル100重量部に対して一般に10〜250重量部、好
ましくは20〜100重量部使用される。使用量が10
重量部未満では、高粘度のため作業性、含浸性、耐食性
能が悪化し、250重量部を超える量では、充分な強
度、耐熱性が得られず耐食FRPのマトリックスとして
好ましくない。
【0022】不飽和基を有するモノマーにスチレンモノ
マーを使用した場含、スチレンモノマーの一部または全
部を、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベン
ゼン、特許公報第2851414号公報、特公平6−1
7423号公報に記載のビニルベンジル系モノマーなど
のスチレン系モノマーや、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレートなど他の重合性モノマーを本発明の主旨を
損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能である。
【0023】本発明で使用される繊維強化材は、有機質
または無機質の繊維であり、例えばガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ビニロン繊維等、公知の繊維を使用できる。勿論これら
の繊維を組み合わせて使用することも可能である。使用
量としては、樹脂100重量部に対して0〜200重量
部、好ましくは0〜100重量部である。繊維強化材の
形態としては、サーフェイスマット、チョップドストラ
ンドマット、ロービングクロス、短繊維等公知のものが
使用できる。
【0024】本発明で使用される充填材は、繊維強化材
と共に、或いは繊維強化材無しで充填材単独でも使用で
きる。充填材としては、無機充填材、有機充填材または
ポリマーであり、無機充填材としては、例えばガラスフ
レーク、ガラス粉、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシ
ウム、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリ
ウム、酸化チタン等公知の充填材が使用できる。むろん
これらの無機充填材を組み合わせて使用することもでき
る。無機充填材の使用量は、樹脂100重量部に対して
一般に0〜300重量部、好ましくは0〜200重量部
である。無機充填材の配合量が300重量部よりも多い
場合には樹脂等の粘度が高くなり、含浸性を損なうこ
と、樹脂内に泡が残り易くなることなどの問題が発生
し、また品質も低下することがあるので好ましくない。
【0025】この他、本発明の組成物に配合できる有機
充填材またはポリマーとしては、低収縮材としても効果
のある、例えば公知であるポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニリデンマイクロバルーン、ポリアクリロニトリル
マイクロバルーン等が使用できる。低収縮材として使用
する場合のその使用量は、樹脂100重量部に対して一
般に0〜40重量部、好ましくは0〜30重量部であ
る。低収縮材の使用量が40重量部を越える量では粘度
が高くなりすぎて含浸性を損ない、また品質も低下する
ことがあって好ましくない。
【0026】さらに本発明においては顔料を使用するこ
とができる。その種類の制限は特に無く、有機顔料また
は無機顔料が使用可能である。そのときの配合量とし
て、樹脂等100重量部に対し、好ましくは20重量
部、更に好ましくは10重量部までの量を使用する。
【0027】本発明に使用する紫外光領域から近赤外光
領域の範囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開始
剤とは、公知の紫外線重合開始剤、可視光線重合開始
剤、近赤外線重合開始剤を使用することができる。紫外
線重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンジルケ
タール系、(ビス)アシルホスフィンオキサイド系をは
じめとする公知の重合開始剤を使用することができる
が、短波長の紫外線ではFRP構成での光透過性が低い
ことから、比較的長波長、好ましくは300nm以上の
波長域に感光性を有する(ビス)アシルホスフィンオキ
サイド系等の紫外線重合開始剤を使用することが好まし
い。
【0028】本発明で使用されるアシルホスフィンオキ
サイド化合物は、一般式(6)または(7)で示され
る。
【0029】一般式(6);
【化13】 (式中、R5 〜R7 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニ
ル基を示す。)
【0030】一般式(7);
【化14】 (式中、R8 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニ
ル基、複素環基を示す。)
【0031】これらの開始剤は、従来用いられている紫
外線開始剤よりも長波長領域にも感光性が有り(400
nm以上の可視光領域)、光の透過性に優れる上、光照
射により開裂してアシルラジカルとホスフィノイルラジ
カルを発生するので、従来用いられている紫外線開始剤
よりも重合開始効率が高いとされている。
【0032】本発明で用いられる一般式(6)のビスア
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,6−ジメトキシ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィン
オキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−ト
リメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホ
スフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,
4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナ
フトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフト
イル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフ
トイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジ
メチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチ
ル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド等を挙げることがてきる。
【0033】本発明で用いられる一般式(7)のアシル
ホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィン
オキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイ
ル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6
−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキ
サイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル
−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6
−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,6−ジブロムベンゾイルージフェニルホスフィ
ンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カル
ボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジ
メトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメ
チルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステ
ル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン
酸メチルエステル等を挙げることができる。
【0034】具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:D
arocur1173、チバスペシャルティーケミカル
ズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75
%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1
700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(商品名:イルガキユアー184、チバスペシャルティ
ーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)
製)が75%/25%の割合で混合された商品名イルガ
キュア−1800(チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、50%/50%の割合で混合された商品名
イルガキュア−1850(チバスペシャルティーケミカ
ルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イル
ガキュア−819、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Da
rocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイルージフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)が50%/50%の割合で
混合された商品名Darocur4265などがある。
【0035】可視光領域に感光性を有する可視光重合開
始剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),
548(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料
フォ一ラム要旨集」、1BP18(1994)に記載の
カンファーキノン、ベンジル、トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサント
ン、ビスシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタ
フルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の
他、有機過酸化物触媒/色素系、ジフェニルヨードニウ
ム塩/色素、ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリ
ールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカ
プトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレー
ン/シアニン色素の他、特公昭45−37377号公報
に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生
剤等の公知の複合開始剤系を挙げることができる。
【0036】ヘキサアリールビイミダゾールとしては、
一般式(5)一般式(5):
【化15】 [式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
基あるいは置換アリール基を示す。]
【0037】ヘキサアリールビイミダゾール化合物の具
体例としては、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミ
ダゾール、ビス(2−o−クロロフェニル−4,5−ジ
フェニル)イミダゾール、ビス(2−o,p−ジクロロ
フェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス
(2−o−ブロモフェニル−4,5−ジフェニル)イミ
ダゾールなどが挙げられるが、特にビス(2−o−ブロ
モフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾールが好ま
しい。ヘキサアリールビイミダゾール化合物に関して
は、詳しくは特公昭41−3545号公報に説明があ
る。
【0038】本発明で使用される可視光あるいは近赤外
光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、一般式
(3) 一般式(3):
【化16】 D+ ・A- ・・・・(3) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
キサジン、チアジン、アリールメタン、ピリリウム系色
素陽イオンであり、A- は各種陰イオンを示す。)で表
される陽イオン色素と、一般式(4)
【0039】一般式(4):
【化17】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
す。)で表される有機ホウ素系化合物を組み合わせた光
重合開始剤か好ましい。
【0040】上記一般式(4)におけるR1 、R2 、R
3 及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリ
ル基、複素環基またはハロゲン原子を表すが、ハロゲン
原子以外はそれぞれ置換基を有していてもよい。上記の
アルキル基とは置換または無置換のアルキル基であり、
具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、3−メトキシプロピル基、4−クロロ
ブチル基、2−ジエチルアミノエチル基等が挙げられ
る。アリール基とは置換または無置換のアリール基であ
り、具体的にはフェニル基、トリル基、キシリル基、4
−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル
基、4−メトキシフェニル基、4−ジエチルアミノフェ
ニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル
基、ビフェニル基、ナフチル基、4−メチルナフチル基
などが挙げられる。
【0041】アラルキル基とは置換あるいは無置換のア
ラルキル基であり、具体的にはベンジル基、フェネチル
基、プロピオフェニル基、α−ナフチルメチル基、β−
ナフチルメチル基、p−メトキシベンジル基などが挙げ
られる。アルケニル基とは置換または無置換のアルケニ
ル基であり、具体的にはビニル基、プロペニル基、ブテ
ニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクテニル基、ドデシネル基、プレニル基などが挙げら
れるが、炭素数2〜12のものが好ましい。アルキニル
基とは置換または無置換のアルキニル基であり、具体的
にはブチニル基、ペンチニル基、へキシニル基、オクチ
ニル基等が挙げられるが、炭素数4〜12のものが好ま
しい。
【0042】シリル基とは置換または無置換のシリル基
であり、具体的にはシリル基、トリメチルシリル基、ト
リエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチル
ジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げら
れる。複素環基とは置換または無置換の複素環基であ
り、具体的にはピリジル基、キノリル基、メチルピリジ
ル基、インドリル基、イミダゾリル基、トリアジル基、
チエニル基等が挙げられる。ハロゲン原子とは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等である。一般式(3)の陰
イオン部の具体例としては、n−ブチルトリフェニルボ
レート、n−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデ
シルトリフェニルボレート、secーブチルトリフェニ
ルボレート、tert−ブチルトリフェニルボレート、
ベンジルトリフェニルボレート、n−ブチルトリアニシ
ルボレート、n−ブチルトリ(1−ナフチル)ボレー
ト、n−ブチルトリ(4−メチルナフチル)ボレート、
メチルトリ(1−ナフチル)ボレート、テトラn−ブチ
ルボレート、テトラベンジルボレート、ジn−ブチルジ
フェニルボレート、トリメチルシリルトリフェニルボレ
ート、トリフェニルシリルトリフェニルボレート、トリ
イソブチルフェニルボレート等が挙げられる。
【0043】また一般式(4)における陽イオン[Z
+ ]の例としては、可視光あるいは近赤外光領域に感光
性を有しない4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニ
ウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾニウ
ム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウム陽
イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の金属
陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩等の酸素原子に
陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム、シ
クロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等の
ハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジウム、
クロム、チタン、スズ、アンチモン等の金属化合物の陽
イオン等が挙げられる。
【0044】この有機ホウ素化合物と可視光あるいは近
赤外光領域に感光波長を有するカチオン色素とを組み合
わせることで、感光領域の波長の光照射を受けた色素が
励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色
素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性
不飽和化含物の重合反応が起こる。この重合反応では、
従来の紫外線重合反応などと異なり、発生ラジカルの量
をコントロールしやすく、樹脂中の不飽和基の一部をラ
ジカル重合したところで容易に反応を止めることが出来
る。また、可視光あるいは近赤外光領域の長波長を使用
するため、充填材や顔料などが添加された系でも容易に
反応を進めることができるという特徴を持っている。
【0045】上記陽イオン色素と有機ホウ素系化合物と
の組み合わせの例は、特開平3−111402号公報、
特開平3−179003号公報、特開平4−14690
5号公報、特開平4−261405号公報、特開平4−
261406号公報、特開平5−194619号公報な
どに詳細な記載がある。陽イオン色素の[D+ ]の具体
例を表1及び表2に示す。これらの陽イオン色素の中で
も好ましくはシアニン系、スチリル系陽イオン色素及び
トリアリールメタン系色素か使用される。シアニン系、
スチリル系陽イオン色素は、一般に有機ホウ素系化合物
との電子授受が起こりやすいので本発明の反応を容易に
起こしやすいなどの点で好ましい。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】一般式(3)で表される陽イオン色素のカ
ウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホネ
ートイオン、有機カルボキシレートイオン、パークロレ
ートイオン、ハライドイオン等の任意の陰イオンである
が、一般式(8):一般式(8):
【化18】 (式中、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基または
ハロゲン原子を示す。)で表される4配位ホウ素陰イオ
ンが特に好ましい。上記一般式(8)におけるR11〜R
14は、前記R1 〜R4 と同様に置換基を有してもよい。
【0049】本発明の有機ホウ素化合物と近赤外光ある
いは可視光吸収性陽イオン色素化合物との組成比は、重
量比で1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/
0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の
観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン色素よ
りも多く用いることが好ましい。紫外光領域から近赤外
光領域の範囲内のいずれかに感光性を有する光重合開始
剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、1種類ま
たは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤の添加量かこれより少なすぎる場合は、十
分に表面が乾燥できず、また可視光重合開始剤の添加量
がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、
硬化物の物性低下などが起こる。本発明の光重合開始剤
には有機ホウ素化台物と酸性化合物を組合わせた重合開
始剤、あるいは更にヘキサアリールビイミダゾール化合
物を組み合わせた重合開始剤を併用することが好まし
い。これらの重合開始剤は特開平8−3210号公報、
特開平9−296016号公報などに記載されているも
のである。
【0050】本発明の紫外光領域から近赤外光領域の範
囲内の特定の波長で処理されて、少なくとも一種の光重
合開始剤及びラジカル重合性不飽和基の一部が残存する
ように予備重合するBステージ化方法に使用する光重合
開始剤は、異なる波長領域の紫外光領域から近赤外光領
域の範囲内の任意の領域に感光性を有する2種の光重合
開始剤であり、Bステージ化反応に使用する開始剤とし
ては、特に500nm以上の可視光及び近赤外光領域に
感光する陽イオン色素と有機ホウ素化合物の組み合わせ
が望ましく、詳細は特開平10−67865号公報に記
載がある。Bステージ化に使用する光重合開始剤の添加
量は、樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、
好ましくは0.1〜4重量部である。
【0051】本発明において、可視光とは380〜78
0nm、近赤外光とは、780〜1200nmの波長領
域の光線を指す。本発明の樹脂等の予備重合によるBス
テージ化したプリプレグ製造に使用される光源として
は、光重合開始剤の感光波長域に分光分布を有する光源
であれば良く、例えば近赤外ランプ、ナトリウムラン
プ、ハロゲンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプな
どを使用することができる。またこれらのランプあるい
は長波長領域を出す光源に波長カットフィルターを用い
てBステージ化に必要な波長を選択して照射することも
できる。詳細は特開平10−67865号公報に記載が
ある。
【0052】予備重合によるプリプレグ製造のためのラ
ンプの照射時間としては、光源の有効波長域、出力、照
射距離、組成物の厚さ等が異なるため一概に規定できな
いが、0.01時間以上、好ましくは0.05時間以上
照射すればよい。
【0053】本発明の金属増粘、イソシアネート増粘で
使用する増粘剤としては、例えば公知の酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウムなどのアルカリ土類金属化合物、アルミニウムア
ルコラート或いはヘキサメチレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネート
類があり、樹脂100重量部に対して0.5〜10重量
部を用いる。増粘剤量が0.5重量部未満であるとき
は、実質的に増粘効果が発揮できず、一方10重量部を
超える量を使用すると極度に高粘度になり作業が困難に
なる。このようにして製造されたBステージ化したプリ
プレグは、残存する光重合開始剤により光照射により速
やかに本硬化できる。この本硬化に使用できる光源とし
ては、残存する光重合開始剤の感光波長域に分光分布を
有する光源であればよく、例えば太陽光、メタルハライ
ドランプ、ハロゲンランプ、紫外線ランプなどがある。
【0054】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明の内容を
詳細に説明するが、各例中の「部」は重量基準を示す。 [合成例1] (イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂:UP−1の
合成)攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管、温度計を
付した40リットルの反応容器中に、ネオペンチルグリ
コール40モル、ジエチレングリコール60モル、イソ
フタル酸45モル、フマル酸55モルを仕込み、定法に
従い、200℃で酸価が15となるまで反応させた。反
応後ハイドロキノンを、得られた不飽和ポリエステル1
00部に対して0.015部を添加して160℃に冷却
後、スチレンモノマーを不飽和ポリエステル100部に
対して54部混合してイソフタル酸系不飽和ポリエステ
ル樹脂(UP−1)を得た。
【0055】[合成例2] (ビスフェノールA系ビニルエステル樹脂:VE−1の
合成)攪拌機、還流冷却器、ガス導入管、温度計を付し
た反応装置に、エピコート828(油化シェルKK製エ
ポキシ樹脂:エポキシ当量189)を189部、ビスフ
ェノールAを57部、トリエチルアミン0.3部を仕込
み、窒素雰囲気下で150℃で2時間反応させた。反応
終了後110℃まで冷却し、エポキシ基1当量に対しメ
タクリル酸を43部、トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール0.3部、ハイドロキノン0.03部、スチ
レンモノマーを48部仕込み、空気を吹き込みながら1
10〜130℃で3〜4時間反応させ、酸価が5以下に
なった時点で反応を終了とした。次いでスチレンモノマ
ー144部を加えてビスフェノールA系ビニルエステル
樹脂(VE−1)を得た。
【0056】(合成例3) (フェノールノボラック系ビニルエステル樹脂:VE−
2の合成)攪拌機、還流冷却器、ガス導入管、温度計を
付した反応装置に、DEN438(ダウケミカル社製エ
ポキシ樹脂:エポキシ当量178)を178部、メタク
リル酸を86部、トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール0.3部、ハイドロキノン0.03部、スチレン
モノマーを28部仕込み、空気を吹き込みながら110
〜130℃で3〜4時間反応させ、酸価が5以下になっ
た時点で反応を終了とした。次いでスチレンモノマー8
5部を加え、フェノールノボラック系ビニルエステル樹
脂(VE−2)を得た。
【0057】[実施例1] ビニルエステル樹脂[VE−1]:100部に、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:75%、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイド:25%からなる
紫外光から可視光領域まで感光性を有するビスアシルホ
スフィンオキサイド系重合開始剤[商品名:イルガキュ
ア1800:チバスペシャルティーケミカルズ(株)
製、以下I−1800と略す]:2.5部を添加し光硬
化性樹脂組成物を得た。
【0058】次に、サーフェイスマツト[日東紡績
(株)製サーフェイスマット30P]/#450チョッ
プドストランドマツト[日東紡績(株)製MC−450
N]:3プライ/サーフェイスマットの積層構成でガラ
スコンテントが25wt%になるように積層し、上下を
PETフィルムで被覆したものに、可視光の光源である
250Wメタルハライドランプ[三菱電機(株)製]を
使用し、10cmの距離で照射したところ10分で硬化
し、バーコル硬度(BH):42、曲げ強度:17Kg
f/cm2 、曲げ弾性率:565Kgf/cm2 の積層
板を得た。得られた積層板は、表3に示すような薬液に
それぞれの温度で6ケ月間浸漬し、浸漬前、1ケ月後、
3ケ月後、6ケ月後のJlS K−6911によるバー
コル硬度、曲げ強度、曲げ弾性率、外観変化により耐薬
品性の評価を行った。結果を表3に示す。
【0059】[比較例1]実施例1の光重合開始剤I−
1800の代わりに常温硬化触媒であるパーメックN/
ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を
添加した常温硬化性樹脂組成物を使用し、常温硬化1日
+120℃×2時間の条件で硬化する以外は、全て実施
例lと同じ条件で積層板を作製し、耐薬品性試験を行な
った。結果を表3に示す。積層板の初期強度は、BH:
40、曲げ強度:17Kgf/cm 2 、曲げ弾性率:5
65Kgf/cm2 であった。実施例1の積層板は、比
較例1の過酸化物硬化のものと比ベ、外観良好で強度保
待率も高い値を示した。
【0060】
【表3】
【0061】[実施例2] ビニルエステル樹脂[VE−2]:100部に、紫外光
から可視光領域まで感光性を有するビスアシルホスフィ
ンオキサイド系重合開始剤:ビス(2,4,6−トリメ
チルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド[商品
名、イルガキュア819:チバスペシャルティーケミカ
ルズ(株)製、以下I−819と略す]:1.5部及び
近赤外光重合開始剤:1,1,5,5−テトラキス(p
−ジフェニルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニ
ル・p−トルエンスルホネート[昭和電工(株)製、以
下IRTと略す(近赤外光吸収性陽イオン色素)]:
0.03部、テトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフ
ェニル−n−ブチルボレート[昭和電工(株)製、以下
P3Bと略す。(有機ホウ素化合物)]:0.15部を
添加し光硬化性樹脂組成物を得た。
【0062】次に、サーフェイスマット/#450チョ
ップドストランドマット:3プライ/サーフェイスマッ
トの積層構成でガラスコンテントが25wt%になるよ
うに積層し、上下PETフィルムで被覆したものに、3
80〜1200nmの波長域を含む光源である1KWハ
ロゲンランプ[商品名AL−スボットライトALF−1
0:アールディエス(株)製]に600nm以下カット
フィルターであるSC60[富士フィルム(株)製]を
併用し50cmの距離で光照射したところ10分でBス
テージ状態となりプリプレグシートを得た。このプリプ
レグシートを可視光の光源である250Wメタルハライ
ドランプ[三菱電機(株)製]を使用し、10cmの距
離で照射したところ5分で硬化し、BH:45、曲げ強
度:11Kgf/cm2 、曲げ弾性率:560Kgf/
cm 2 の積層板を得た。得られた積層板は、表4に示す
ような薬液にそれぞれの温度で6ケ月間浸漬し、浸漬
前、1ケ月後、3ケ月後、6ケ月後のJlS K691
1によるバーコル硬度、曲げ強度、曲げ弾性率、外観変
化により耐薬品性の評価を行った。結果を表4に示す。
【0063】[比較例2] ビニルエステル樹脂[VE−2]:100部に常温硬化
触媒てあるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6
%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組
成物を使用し、比較例1と同様の操作で積層板を作製
し、表4に示す耐薬品性試験を行なった。積層板の初期
強度は、BH:42、曲げ強度:11Kgf/cm2
曲げ弾性率:550Kgf/cm2 であった。実施例2
の積層板は、比較例2の過酸化物硬化のものと比べ、外
観良好で強度保持率も高い値を示した。
【0064】[実施例3] ビニルエステル樹脂[VE−1]:100部にジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)ISONATE1
43L[三菱ダウ(株)製]:4部、IRT:0.1重
量部、P3B:0.5重量部、I−819:0.25重
量部を混合し、光硬化性樹脂組成物を得た。次に、サー
フェイスマット/#450チョップドストランドマッ
ト:3プライ/サーフェイスマットの積層構成でガラス
コンテントが25wt%になるように積層し上下をPE
Tフィルムで被覆したものを暗所、40℃で放置したと
ころ24時間でBステージ状態となりプリプレグシート
を得た。このプリプレグシートを1KWハロゲンランプ
AL一スボットライトALF−10を使用し、30cm
の距離で照射したところ10分で硬化し、BH:43、
曲げ強度:20Kgf/cm2 、曲げ弾性率:550K
gf/cm2 の積層板を得た。得られた積層板は、表4
に示すような薬液にそれぞれの温度で6ケ月問浸漬し、
浸漬前、1ケ月後、3ケ月後、6ケ月後のJlS K6
911によるバーコル硬度、曲げ強度、曲げ弾性率、外
観変化により耐薬品性の評価を行った。結果を表4に示
す。
【0065】[比較例3] ビニルエステル樹脂[VE−1]:100部に常温硬化
触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6
%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組
成物を使用し、比較例1と同様の操作で積層板を作製
し、表4に示す耐薬品性試験を行なった。積層板の初期
強度は、BH:40、曲げ強度:21Kgf/cm2
曲げ弾性率:560Kgf/cm2 であった。実施例3
の積層板は、比較例3の過酸化物硬化のものと比べ、外
観良好で強度保持率も高い値を示した。
【0066】[実施例4] イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂[UP−1]:
100部に酸化マグネシウム[商品名:マグミック:協
和化学工業(株)製]:1部、紫外線重合開始剤である
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−
オン[商品名イルガキュア651:チバスペシャルティ
ーケミカルズ(株)製、以下I−651と略す]:1.
5部を混合し、光硬化性樹脂組成物を得た。次に、サー
フェイスマツト/チョツプドストランドマット:3プラ
イ/サーフェイスマットの積層構成でガラスコンテント
が25wt%になるように積層し、上下をPETフィル
ムで被覆したものを暗所、40℃で放置したところ48
時間でBステージ状態となりプリプレグシートを得た。
【0067】このプリプレグシートを紫外線の光源であ
るベルト式1KW高圧水銀灯(1pass=60mJ/
cm2 )でUV照射したところ30passで裏面まで
硬化し、BH:41、曲げ強度:15Kgf/cm2
曲げ弾性率:570Kgf/cm2 の積層板を得た。得
られた積層板は、表4に示すような薬液にそれぞれの温
度で6ケ月間浸漬し、浸漬前、1ケ月後、3ケ月後、6
ケ月後のJlS K6911によるバーコル硬度、曲げ
強度、曲げ弾性率、外観変化により耐薬品性の評価を行
った。結果を表4に示す。
【0068】[比較例4] 不飽和ポリエステル樹脂[UP−1]:100部に常温
硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:
6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂
組成物を使用し、比較例1と同様の操作で積層板を作製
し、表4に示す耐薬品性試験を行なった。積層板の初期
強度は、BH:42、曲げ強度:10Kgf/cm2
曲け弾性率:565Kgf/cm2 であった。実施例4
の積層板は、比較例4の過酸化物硬化のものと比べ、外
観良好で強度保持率も高い値を示した。
【0069】
【表4】
【0070】[実施例5]ビニルエステル樹脂[VE−
1]100部に、I−1800:2.5部を添加し光硬
化性樹脂組成物を得た。次に、厚さ3mmとなるように
ガラス板で作製した枠の中に光硬化性樹脂組成物を流し
込み、可視光の光源である2KWメタルハライドランプ
[商品名:ダイナビーム2:東芝ライテック(株)製]
を使用し、1mの距離で照射したところ10分で硬化し
た。得られた注型板は、5%硝酸、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液に、99℃で1年間浸漬し、曲げ強度の保持率
を測定した。結果を表5に示す。
【0071】[比較例5]実施例5の光重合開始剤I−
1800の代わりに常温硬化触媒であるパーメックN/
ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を
添加した常温硬化性樹脂組成物を使用し、常温硬化1日
+120℃2時間の条件で硬化した以外は、全て実施例
5と同じ条件で注型板を作製し同様の試験を行なった。
結果を表5に示す。実施例5の積層板は、比較例5の過
酸化物硬化のものと比べ高い強度保持率を示し、ライニ
ング用樹脂として、より優れていることを確認した。
【0072】
【表5】
【0073】[実施例6]ガラスフレーク入りライニン
グ用ビスフェノール系ビニルエステル樹脂[商品名:リ
ポキシFC−83:昭和高分子(株)製]:100部
に、I−819:0.5部を添加した後更にガラスフレ
ークを加え、ガラスフレーク含有量が40wt%となる
様にした光硬化性フレークコンパウンドを得た。次に、
下地処理、リポキシR−806DA(328E/ナフテ
ン酸Co=1.5/0.5)によるプライマー処理(常
温硬化)を施した厚さ2mmの鉄板に、光硬化性フレー
クコンパウンドを厚さ500μmとなるように塗布し、
250Wメタルハライドランプを使用し、10cmの距
離で照射したところ、各面10分て硬化した。得られた
試験片を、5%硝酸に60℃で3ケ月間浸漬し、外観の
観察を行なった。結果を表6に示す
【0074】[比較例6]実施例6の光重合開始剤I−
819の代わりに、常温硬化触媒であるパーメック32
8E/ナフテン酸Co=1.5/0.5=1.5/0.
5を添加した常温硬化性樹脂組成物を使用し、常温硬化
1日+120℃×2時間の条件で硬化した以外は、全て
実施例6と同じ条件で注型板を作製し同様の試験を行な
った。結果を表6に示す。実施例6の積層板は、比較例
6の過酸化物で硬化したものよりも優れていることを確
認した。
【0075】
【表6】
【0076】
【発明の効果】本発明の耐食FRP成形方法により得ら
れる成形体あるいはタンク、配管、コンクリート槽、床
などのライニング面は ハンドレイアップ法であっても
あるいはプリプレグにおいても極めて有効であることが
確認された。原因はまだ解明できないが、過酸化物系硬
化触媒を使用したものに比し、本発明の光硬化、特に可
視光硬化したものは耐酸性、耐有機溶媒性が優れている
だけでなく、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂の弱点とされる耐アルカリ性に優れた性能を発揮す
ることは注目すべきことである。本発明のFRP成形方
法は、従来のFRP成形方法と同様に施工し、光照射あ
るいは太陽光に暴露するだけで常温硬化性樹脂として取
り扱うことができるものであり、施工、取扱も容易であ
り極めて優れた成形方法である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月10日(2000.4.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】 [ただし、Φはパラフェニレン基を、Rは水素原子また
はメチル基を、nは1ないし6の数を示す。]の構造の
オリゴマーおよび/または一般式(2)
【化2】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]の構造のオリゴマーをスチレン系モ
ノマーおよび/または(メタ)アクリル系モ ノマーで希釈したビニルエステル樹脂 ・・・・・100重量部 (B)繊維強化材及び/または充填材: ・・・0〜200重量部 (C)光重合開始剤: ・・・0.1〜10重量部 を含有する樹脂組成物に光照射して硬化させることを特
徴とする耐食FRPの成形方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】一般式(2):
【化7】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]の構造のオリゴマーをスチレン系モ
ノマーおよび/または(メタ)アクリル系モ ノマーで希釈したビニルエステル樹脂 ・・・・・100重量部 (B)繊維強化材及び/または充填材: ・・・0〜200重量部 (C)光重合開始剤: ・・・0.1〜10重量部 を含有する樹脂組成物に光照射して硬化させることを特
徴とする耐食FRPの成形方法、
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】一般式(2):
【化12】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
し5の数を示す。]からなるポリエステル(メタ)アク
リレート(ビニルエステル)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/04 CFE C08J 5/24 CFC 5/24 CFC CFE CFE C08K 3/00 C08K 3/00 7/02 7/02 C08L 63/10 C08L 63/10 67/06 67/06 B29C 67/14 W // B29K 33:04 105:06 (72)発明者 三浦 賢治 群馬県伊勢崎市長沼町602−18 (72)発明者 千代 英毅 神奈川県川崎市高津区溝口3−22−40 (72)発明者 鎌田 博稔 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社総合研究所川崎研究室内 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA05 AA07 AA08 AD33 AD39 AE02 AE12 AE15 AF31 AG04 AJ16 AL07 AL17 4F205 AA13 AA18 AA21 AA41 AB04 AB11 AB19 AB25 AC05 AD16 AE10 AG03 AK03 AR20 HA14 HA29 HA33 HA35 HA36 HA39 HA43 HA45 HB02 HC06 HC16 HF01 HF02 HF46 HK05 HK10 HK16 HT03 HT13 HT27 4J002 BB032 BC032 BD102 BE022 BF022 BG062 BG102 CD201 CF062 CF221 CL062 DA017 DE137 DE147 DE237 DG047 DJ017 DJ037 DJ047 DK008 DL007 EA046 EB126 EE038 EE058 EH076 EK008 EN078 EN088 EU028 EU038 EU118 EV308 EV318 EV328 EW148 EY018 EZ008 FA017 FA042 FA047 FA087 FA102 FD012 FD017 FD098 FD148 GH00 GL00 4J011 QA03 QA08 QA09 QA13 QA18 QB12 QB20 QB22 SA02 SA14 SA16 SA20 SA61 SA63 SA64 SA76 SA78 SA83 SA86 SA87 SA88 TA06 TA09 TA10 UA01 UA06 VA06 WA02 WA07 4J027 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AE02 AE03 BA05 BA07 BA17 BA18 BA20 CA01 CA03 CA04 CA05 CA06 CA07 CA12 CA14 CA16 CA18 CA19 CA25 CA26 CA34 CA36 CA37 CA38 CA39 CB10 CC04 CC05 CD02 CD08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)イソフタル酸系不飽和ポリエステ
    ル樹脂および/または一般式(1) 一般式(1): 【化1】 [ただし、Φはパラフェニレン基を、Rは水素原子また
    はメチル基を、nは1ないし6の数を示す。]の構造の
    オリゴマーおよび/または一般式(2) 【化2】 [ただし、Rは水素原子またはメチル基を、nは1ない
    し5の数を示す。]の構造のオリゴマーをスチレン系モ
    ノマーおよび/または(メタ)アクリル系モ ノマーで希釈したビニルエステル樹脂 ・・・・・100重量部 (B)繊維強化材及び/または充填材: ・・・0〜200重量部 (C)光重合開始剤: ・・・0.1〜10重量部 を含有する樹脂組成物に光照射して硬化させることを特
    徴とする耐食FRPの成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂組成物をBステー
    ジ化して得たプリプレグに光照射して硬化させることを
    特徴とする耐食FRPの成形方法。
  3. 【請求項3】 光重合開始剤が、紫外光領域から近赤外
    光領域の範囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開
    始剤である請求項1または2に記載の耐食FRPの成形
    方法。
  4. 【請求項4】 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
    任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、可視光あ
    るいは近赤外光領域に感光性を有する、一般式(3)で
    表される陽イオン色素、一般式(3): 【化3】 D+ ・A- ・・・・(3) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
    有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
    キサジン、チアジン、アリールメタンまたはピリリウム
    系色素陽イオンの1種であり、A- は各種陰イオンを示
    す。)及び一般式(4)で表される有機ホウ素化合物、
    一般式(4): 【化4】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
    3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
    基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
    す。)である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    耐食FRPの成形方法。
  5. 【請求項5】 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
    任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、紫外光あ
    るいは可視光領域に感光性を有するアシルホスフィンオ
    キサイド系化合物である請求項1ないし3のいずれか1
    項に記載の耐食FRPの成形方法。
  6. 【請求項6】 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
    任意の領域に感光性を有する光重合開始剤に、一般式
    (4)で表される有機ホウ素化合物及び酸性化合物から
    なる重合開始剤または有機ホウ素化合物、酸性化合物及
    び一般式(5)で表されるへキサアリ一ルビイミダゾー
    ル化合物からなる重合開始剤を組み合わせる請求項1な
    いし5のいずれか1項に記載の耐食FRPの成形方法。 一般式(5): 【化5】 [式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
    基あるいは置換アリール基を示す。]
  7. 【請求項7】 Bステージ化方法が、紫外光領域から近
    赤外光領域の範囲内の特定の波長で処理されて、少なく
    とも一種の光重合開始剤及びラジカル重合性不飽和基の
    一部が残存するように予備重合する方法である請求項1
    ないし6のいずれか1項に記載の耐食FRPの成形方
    法。
  8. 【請求項8】 Bステージ化方法が、金属増粘及び/ま
    たはイソシアネート増粘である請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の耐食FRPの成形方法。
  9. 【請求項9】 光硬化の光源が可視光を発生する光源及
    び/または太陽光である請求項1ないし8のいずれか1
    項に記載の耐食FRPの成形方法。
  10. 【請求項10】 光硬化に使用する、380〜450n
    mの波長領域の光の照度が10mW/cm2 (380〜
    450nmの波長領域)以上である請求項9に記載の耐
    食FRPの成形方法。
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