JPH10316728A - 硬化性組成物及びその硬化方法 - Google Patents
硬化性組成物及びその硬化方法Info
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- JPH10316728A JPH10316728A JP12892897A JP12892897A JPH10316728A JP H10316728 A JPH10316728 A JP H10316728A JP 12892897 A JP12892897 A JP 12892897A JP 12892897 A JP12892897 A JP 12892897A JP H10316728 A JPH10316728 A JP H10316728A
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィラー、繊維強化材などの添加材の種類、
量などによる硬化性の変化が少なく、深さ方向の硬化性
が良好でかつ組成物の安定性に優れた硬化性組成物の提
供。 【解決手段】 重合性不飽和化合物の少なくとも1成分
として、ビニルエステル樹脂を用い、更に光重合開始剤
として、紫外光重合開始剤と有機ホウ素化合物とを組み
合わせて用いること。
量などによる硬化性の変化が少なく、深さ方向の硬化性
が良好でかつ組成物の安定性に優れた硬化性組成物の提
供。 【解決手段】 重合性不飽和化合物の少なくとも1成分
として、ビニルエステル樹脂を用い、更に光重合開始剤
として、紫外光重合開始剤と有機ホウ素化合物とを組み
合わせて用いること。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性組成物及びそ
の硬化方法に関する。更に詳しくは、安全かつ簡便な方
法で、従来の光硬化では困難であった光透過性の低い、
厚みの大きい材料あるいは繊維強化材あるいはフィラー
等の入った材料でも短時間での硬化が可能な、硬化性組
成物及びその硬化方法に関する。
の硬化方法に関する。更に詳しくは、安全かつ簡便な方
法で、従来の光硬化では困難であった光透過性の低い、
厚みの大きい材料あるいは繊維強化材あるいはフィラー
等の入った材料でも短時間での硬化が可能な、硬化性組
成物及びその硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗料、印刷インキ、接着剤、FR
P、パテ材などの各種成形体をはじめとする硬化物を製
造するにあたって、加熱による硬化反応が広く用いられ
てきた。それは、加熱によってウレタン結合、エステル
結合、メラミン結合、シロキサン結合などの架橋反応を
起こさせたり、加熱により分解してラジカルを発生する
過酸化物、アゾ化合物などを用いて重合性不飽和化合物
をラジカル重合させたりするものであり、原料入手の容
易さ、経済性、硬化物の物性が優れている等の観点から
汎用的に利用されている。しかし、熱硬化反応は一般に
100℃以上の高温で行われ、また揮発性の溶剤を用い
ることから省エネルギー、省資源、環境保護などの観点
から低温、短時間でかつ溶剤低減可能な硬化系が望まれ
ている。
P、パテ材などの各種成形体をはじめとする硬化物を製
造するにあたって、加熱による硬化反応が広く用いられ
てきた。それは、加熱によってウレタン結合、エステル
結合、メラミン結合、シロキサン結合などの架橋反応を
起こさせたり、加熱により分解してラジカルを発生する
過酸化物、アゾ化合物などを用いて重合性不飽和化合物
をラジカル重合させたりするものであり、原料入手の容
易さ、経済性、硬化物の物性が優れている等の観点から
汎用的に利用されている。しかし、熱硬化反応は一般に
100℃以上の高温で行われ、また揮発性の溶剤を用い
ることから省エネルギー、省資源、環境保護などの観点
から低温、短時間でかつ溶剤低減可能な硬化系が望まれ
ている。
【0003】また、上記反応を室温あるいは100℃以
下の比較的低温で行わせる硬化系も使用されているが、
その場合は組成物の安定性を勘案すると一液での保存、
流通は事実上困難であり、硬化反応を行わせる直前に作
業者が二液を混合する必要があるので作業が煩雑であ
り、また配合比のミス、入れ忘れ等のトラブルの原因と
なっていた。更に組成物を一旦混合してしまうと、比較
的速やかに硬化反応が開始されるために作業を短時間で
終了させる必要があるので丹念な表面仕上げを行う時間
が制限される上、使い残した混合組成物は廃棄せざるを
得ないという問題をも抱えていた。
下の比較的低温で行わせる硬化系も使用されているが、
その場合は組成物の安定性を勘案すると一液での保存、
流通は事実上困難であり、硬化反応を行わせる直前に作
業者が二液を混合する必要があるので作業が煩雑であ
り、また配合比のミス、入れ忘れ等のトラブルの原因と
なっていた。更に組成物を一旦混合してしまうと、比較
的速やかに硬化反応が開始されるために作業を短時間で
終了させる必要があるので丹念な表面仕上げを行う時間
が制限される上、使い残した混合組成物は廃棄せざるを
得ないという問題をも抱えていた。
【0004】これらの課題を解決する方法として、低温
かつ短時間で硬化反応を行わせることの出来る、紫外
光、可視光等の光硬化を利用する方法が提案されている
(例えば、H.Shreiber, Plastverarbeiter 33(4)
404 1982、特開平2−97503号)。光硬化
反応を利用すると、光照射を行うまでは組成物は安定で
あるので、一液での保存、流通が可能でありかつ作業性
も大幅に改善される。また反応性の希釈剤を用いること
が出来るので無溶剤型の硬化系を設定することが可能で
あり、環境保全型の硬化システムとして期待されてい
る。しかし、強化繊維や無機質フィラー等が大量に入っ
ていたり、成形品の厚みが大きい場合、紫外光あるいは
可視光では内部あるいは裏面の硬化が困難であるという
問題点があった。
かつ短時間で硬化反応を行わせることの出来る、紫外
光、可視光等の光硬化を利用する方法が提案されている
(例えば、H.Shreiber, Plastverarbeiter 33(4)
404 1982、特開平2−97503号)。光硬化
反応を利用すると、光照射を行うまでは組成物は安定で
あるので、一液での保存、流通が可能でありかつ作業性
も大幅に改善される。また反応性の希釈剤を用いること
が出来るので無溶剤型の硬化系を設定することが可能で
あり、環境保全型の硬化システムとして期待されてい
る。しかし、強化繊維や無機質フィラー等が大量に入っ
ていたり、成形品の厚みが大きい場合、紫外光あるいは
可視光では内部あるいは裏面の硬化が困難であるという
問題点があった。
【0005】本発明者らは上記問題を解決する方法とし
て、可視光よりも更に長波長の光を吸収して光硬化を行
わせることが出来る光重合開始剤として、近赤外光吸収
色素と、有機ホウ素化合物とを組み合わせた系を、提案
してきている(例えば特開平5−194619号、特開
平6−75374号)。そこでは光透過性に優れ、従来
困難であった厚みの大きい材料や遮蔽性の高い顔料等を
含有した塗料などのコーティング材料をも光硬化が可能
な、安全性に優れた重合開始システムが提案されている
ものの、近赤外光吸収色素の経済性、組成物の安定性、
あるいは長波長の近赤外光といえども光透過性には限界
があり、フィラー、繊維強化材などが大量に入っていた
り、遮蔽性顔料が入っている硬化系を、1cm以上の深
さまで硬化させることは困難であるなどの問題があっ
た。
て、可視光よりも更に長波長の光を吸収して光硬化を行
わせることが出来る光重合開始剤として、近赤外光吸収
色素と、有機ホウ素化合物とを組み合わせた系を、提案
してきている(例えば特開平5−194619号、特開
平6−75374号)。そこでは光透過性に優れ、従来
困難であった厚みの大きい材料や遮蔽性の高い顔料等を
含有した塗料などのコーティング材料をも光硬化が可能
な、安全性に優れた重合開始システムが提案されている
ものの、近赤外光吸収色素の経済性、組成物の安定性、
あるいは長波長の近赤外光といえども光透過性には限界
があり、フィラー、繊維強化材などが大量に入っていた
り、遮蔽性顔料が入っている硬化系を、1cm以上の深
さまで硬化させることは困難であるなどの問題があっ
た。
【0006】また有機ホウ素化合物を重合開始剤に応用
した例としては、有機ホウ素化合物と酸性化合物とを組
み合わせた開始剤系(例えば特開平6−329712
号、特開平8−3210号)が知られているが、有機ホ
ウ素化合物と酸性化合物の反応を制御することが困難で
あり、安定性の高い硬化性組成物を得ることが必ずしも
容易でなかった。
した例としては、有機ホウ素化合物と酸性化合物とを組
み合わせた開始剤系(例えば特開平6−329712
号、特開平8−3210号)が知られているが、有機ホ
ウ素化合物と酸性化合物の反応を制御することが困難で
あり、安定性の高い硬化性組成物を得ることが必ずしも
容易でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑み、フィラー、繊維強化材などの添加材の種類、量
などによる硬化性の変化が少なく、深さ方向の硬化性が
良好でかつ組成物の安定性に優れた、新規な硬化性組成
物及びその硬化方法を提供することを目的とする。
に鑑み、フィラー、繊維強化材などの添加材の種類、量
などによる硬化性の変化が少なく、深さ方向の硬化性が
良好でかつ組成物の安定性に優れた、新規な硬化性組成
物及びその硬化方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
を解決すべく検討を重ねた結果、 (A)ビニルエステル樹脂を含有する重合性不飽和化合
物 (B)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物 (C)紫外光重合開始剤を含有することを特徴とする、
硬化性組成物、及び上記硬化性組成物を光照射及び/ま
たは加熱を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方
法を開発することにより上記の目的を達成した。
を解決すべく検討を重ねた結果、 (A)ビニルエステル樹脂を含有する重合性不飽和化合
物 (B)下記一般式(1)で表される有機ホウ素化合物 (C)紫外光重合開始剤を含有することを特徴とする、
硬化性組成物、及び上記硬化性組成物を光照射及び/ま
たは加熱を行うことを特徴とする硬化性組成物の硬化方
法を開発することにより上記の目的を達成した。
【0009】一般式(1);
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロ
ゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
キニル基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを
示す)
アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロ
ゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
キニル基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを
示す)
【0010】本発明の特徴としては、重合性不飽和化合
物の少なくとも1成分として、ビニルエステル樹脂を用
い、更に光重合開始剤として、紫外光重合開始剤と有機
ホウ素化合物とを組み合わせて用いることである。
物の少なくとも1成分として、ビニルエステル樹脂を用
い、更に光重合開始剤として、紫外光重合開始剤と有機
ホウ素化合物とを組み合わせて用いることである。
【0011】紫外光重合開始剤は、従来多くの化合物が
知られているが、本発明で用いられるものは、分解反応
により重合開始ラジカル種が発生する化合物であり、そ
れらの中でも特に一般式(2)で表されるアセトフェノ
ン系化合物、一般式(3)で表されるビスアシルホスフ
ィンオキサイド系化合物、一般式(4)で表されるアシ
ルホスフィンオキサイド系化合物の少なくとも1種を用
いることが好ましい。
知られているが、本発明で用いられるものは、分解反応
により重合開始ラジカル種が発生する化合物であり、そ
れらの中でも特に一般式(2)で表されるアセトフェノ
ン系化合物、一般式(3)で表されるビスアシルホスフ
ィンオキサイド系化合物、一般式(4)で表されるアシ
ルホスフィンオキサイド系化合物の少なくとも1種を用
いることが好ましい。
【0012】一般式(2);
【化6】 (式中、Arはアリール基あるいは置換アリール基を示
し、Xは、アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハ
ロゲン置換アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、モ
ルホリン置換アルキル基、カルボアルコキシ基、ベンジ
ル基、ヒドロキシ置換ベンジル基、アルコキシ置換ベン
ジル基を示す。)
し、Xは、アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハ
ロゲン置換アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、モ
ルホリン置換アルキル基、カルボアルコキシ基、ベンジ
ル基、ヒドロキシ置換ベンジル基、アルコキシ置換ベン
ジル基を示す。)
【0013】一般式(3);
【化7】 (式中、R5 〜R7 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
【0014】一般式(4);
【化8】 (式中、R8 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す)
【0015】上に述べた、従来知られているアセトフェ
ノン系あるいは(ビス)アシルホスフィン系光重合開始
剤の機能は、200〜400nm前後の紫外光照射で光
励起反応により分解して光重合開始するというものであ
り、紫外光は有機化合物あるいはフィラー、繊維強化材
等に対する光透過性が低く、硬化性組成物の厚さ方向の
硬化は困難であることが一般に知られている。
ノン系あるいは(ビス)アシルホスフィン系光重合開始
剤の機能は、200〜400nm前後の紫外光照射で光
励起反応により分解して光重合開始するというものであ
り、紫外光は有機化合物あるいはフィラー、繊維強化材
等に対する光透過性が低く、硬化性組成物の厚さ方向の
硬化は困難であることが一般に知られている。
【0016】先に述べたように、有機ホウ素化合物と色
素あるいは有機ホウ素化合物と酸性化合物とを組み合わ
せた重合開始剤系は知られているが、有機ホウ素化合物
と紫外光重合開始剤とを組み合わせて、相乗的に良好な
重合開始能を示す開始剤系は全く知られていなかった。
素あるいは有機ホウ素化合物と酸性化合物とを組み合わ
せた重合開始剤系は知られているが、有機ホウ素化合物
と紫外光重合開始剤とを組み合わせて、相乗的に良好な
重合開始能を示す開始剤系は全く知られていなかった。
【0017】本発明者らは従来の技術の問題点を解決す
べく鋭意検討を重ねた結果、重合性不飽和化合物として
ビニルエステル樹脂を用い、更に重合開始剤として有機
ホウ素化合物と紫外光重合開始剤を組み合わせて用いた
場合、驚くべきことにそれぞれ単一成分での機能からは
想像されない、特異的な重合性を示すことを見い出し、
本発明を完成するに至った。
べく鋭意検討を重ねた結果、重合性不飽和化合物として
ビニルエステル樹脂を用い、更に重合開始剤として有機
ホウ素化合物と紫外光重合開始剤を組み合わせて用いた
場合、驚くべきことにそれぞれ単一成分での機能からは
想像されない、特異的な重合性を示すことを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0018】すなわち、ビニルエステル樹脂を含有する
重合性不飽和化合物を用い、一般式(1)で表される有
機ホウ素化合物と紫外光重合開始剤とを組み合わせるこ
とで、光照射あるいは加熱することによって特異的に深
さ方向の硬化性に優れた硬化性組成物およびその硬化方
法が提供される。
重合性不飽和化合物を用い、一般式(1)で表される有
機ホウ素化合物と紫外光重合開始剤とを組み合わせるこ
とで、光照射あるいは加熱することによって特異的に深
さ方向の硬化性に優れた硬化性組成物およびその硬化方
法が提供される。
【0019】本発明の反応機構は明確になっていない
が、ビニルエステル樹脂中の成分と本発明の有機ホウ素
化合物が、光照射あるいは加熱によって相互作用を起こ
し、本発明の紫外光重合開始剤の分解を促進すること
で、硬化性組成物の硬化反応を効率よく起こすものと推
定される。
が、ビニルエステル樹脂中の成分と本発明の有機ホウ素
化合物が、光照射あるいは加熱によって相互作用を起こ
し、本発明の紫外光重合開始剤の分解を促進すること
で、硬化性組成物の硬化反応を効率よく起こすものと推
定される。
【0020】本発明に使用する有機ホウ素系重合開始剤
は一般式(1)で表される化合物であるが、陽イオンZ
+ の例としては、4級アンモニウム陽イオン、4級ピリ
ジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾ
ニウム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウ
ム陽イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等
の金属陽イオン、フラビニウム、ピラニウム等の酸素原
子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウ
ム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウ
ム等のハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジ
ウム、クロム、チタン、スズアンチモン等の金属化合物
の陽イオンなどが挙げられる。
は一般式(1)で表される化合物であるが、陽イオンZ
+ の例としては、4級アンモニウム陽イオン、4級ピリ
ジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾ
ニウム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウ
ム陽イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等
の金属陽イオン、フラビニウム、ピラニウム等の酸素原
子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウ
ム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウ
ム等のハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジ
ウム、クロム、チタン、スズアンチモン等の金属化合物
の陽イオンなどが挙げられる。
【0021】また上記有機ホウ素化合物と組み合わせて
用いられる紫外光開始剤は、一般に知られているもので
よいが、好ましくは一般式(2)で表されるアセトフェ
ノン系化合物、一般式(3)で表されるビスアシルホス
フィンオキサイド系化合物、一般式(4)で表されるア
シルホスフィンオキサイド系化合物の少なくとも1種で
ある。
用いられる紫外光開始剤は、一般に知られているもので
よいが、好ましくは一般式(2)で表されるアセトフェ
ノン系化合物、一般式(3)で表されるビスアシルホス
フィンオキサイド系化合物、一般式(4)で表されるア
シルホスフィンオキサイド系化合物の少なくとも1種で
ある。
【0022】アセトフェノン系紫外光重合開始剤の具体
例としては、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノン、p−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン、p−ドデシル−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフェノン、2,2’−ジアルコキシア
セトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−
ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、p−チオメ
チルフェニル−2−モルホリノプロピルケトン、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
ホリノプロパン−1等が挙げられる。
例としては、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェ
ノン、p−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン、p−ドデシル−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロピオフェノン、2,2’−ジアルコキシア
セトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−
ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、p−チオメ
チルフェニル−2−モルホリノプロピルケトン、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
ホリノプロパン−1等が挙げられる。
【0023】また、本発明に用いられる(ビス)アシル
ホスフィンオキサイド系化合物は、従来のUV開始剤よ
りも長波長領域(400nm以上の可視光領域)にも感
光性があり、光の透過性に優れる上、光照射により開裂
してアシルラジカルとホスフィノイルラジカルを発生す
るので、従来の紫外光開始剤よりも重合開始効率が高い
光重合開始剤として知られている。
ホスフィンオキサイド系化合物は、従来のUV開始剤よ
りも長波長領域(400nm以上の可視光領域)にも感
光性があり、光の透過性に優れる上、光照射により開裂
してアシルラジカルとホスフィノイルラジカルを発生す
るので、従来の紫外光開始剤よりも重合開始効率が高い
光重合開始剤として知られている。
【0024】本発明で用いられる一般式(3)のビスア
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメ
チルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。また
一般式(2)のアシルホスフィンオキサイド化合物の具
体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメ
チルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。また
一般式(2)のアシルホスフィンオキサイド化合物の具
体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0025】これらの紫外光開始剤は単独で用いること
も可能であるが2種以上を混合して用いることが好まし
い。特にアセトフェノン系開始剤と、(ビス)アシルホ
スフィンオキサイド系開始剤とを併用することが好まし
い。すなわち、アセトフェノン系開始剤のみをホウ素系
化合物と組み合わせて使用した場合、開始剤の感光領域
が比較的短波長にあるため、感光領域の光を照射しても
光透過性の低い繊維強化材、フィラーなどの充填剤が大
量に入った硬化系等の場合、開始剤の分解に十分な光が
開始剤に到達せず、従来知られている光分解による重合
開始反応は余り期待できない。しかも紫外光線は皮膚、
眼などへの刺激、発ガン性、オゾン発生など、安全面で
の懸念もある。それに対し、(ビス)アシルホスフィン
オキサイド系開始剤を併用することで、400nm前後
の比較的長波長でかつ安全性の高い照射光を光反応に利
用できるので、組成物の感光性が増大し、(ビス)アシ
ルホスフィン系化合物によって開始される光重合反応及
びその重合熱が組成物全体の硬化反応を促進する。
も可能であるが2種以上を混合して用いることが好まし
い。特にアセトフェノン系開始剤と、(ビス)アシルホ
スフィンオキサイド系開始剤とを併用することが好まし
い。すなわち、アセトフェノン系開始剤のみをホウ素系
化合物と組み合わせて使用した場合、開始剤の感光領域
が比較的短波長にあるため、感光領域の光を照射しても
光透過性の低い繊維強化材、フィラーなどの充填剤が大
量に入った硬化系等の場合、開始剤の分解に十分な光が
開始剤に到達せず、従来知られている光分解による重合
開始反応は余り期待できない。しかも紫外光線は皮膚、
眼などへの刺激、発ガン性、オゾン発生など、安全面で
の懸念もある。それに対し、(ビス)アシルホスフィン
オキサイド系開始剤を併用することで、400nm前後
の比較的長波長でかつ安全性の高い照射光を光反応に利
用できるので、組成物の感光性が増大し、(ビス)アシ
ルホスフィン系化合物によって開始される光重合反応及
びその重合熱が組成物全体の硬化反応を促進する。
【0026】これらの開始剤は、重合性不飽和化合物総
量100重量部に対して0.01〜50.0重量部の比
率で添加される。好ましくは0.1〜20.0重量部で
ある。さらに好ましくは1.0〜10.0重量部であ
る。これらの開始剤の添加量が、重合性不飽和化合物総
量100重量部に対して0.01重量部より少ない場合
には、硬化が十分に進行しない可能性がある。また多く
用いても硬化速度、硬化物の物性などにむしろ悪影響を
及ぼす可能性がある上、経済的にも好ましくない。
量100重量部に対して0.01〜50.0重量部の比
率で添加される。好ましくは0.1〜20.0重量部で
ある。さらに好ましくは1.0〜10.0重量部であ
る。これらの開始剤の添加量が、重合性不飽和化合物総
量100重量部に対して0.01重量部より少ない場合
には、硬化が十分に進行しない可能性がある。また多く
用いても硬化速度、硬化物の物性などにむしろ悪影響を
及ぼす可能性がある上、経済的にも好ましくない。
【0027】有機ホウ素化合物とUV光重合開始剤との
組成比は重量比で0.1/5〜1/0.1、好ましくは
0.5/5〜4/0.5である。また、本発明の有機ホ
ウ素化合物と紫外光重合開始剤との組成比は重量比で
0.1/5〜1/0、好ましくは0.5/5〜5/0.
5である。さらに、これらの紫外光重合開始剤の他に、
可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤を含有さ
せることも出来る。
組成比は重量比で0.1/5〜1/0.1、好ましくは
0.5/5〜4/0.5である。また、本発明の有機ホ
ウ素化合物と紫外光重合開始剤との組成比は重量比で
0.1/5〜1/0、好ましくは0.5/5〜5/0.
5である。さらに、これらの紫外光重合開始剤の他に、
可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤を含有さ
せることも出来る。
【0028】更に本発明の硬化性組成物の硬化性能を向
上させるために、酸性化合物を添加することが出来る。
すなわち従来本発明者らが提案している、有機ホウ素化
合物と酸性化合物とを接触させることにより、有機ホウ
素化合物が分解し、発生するラジカルによって硬化性組
成物の硬化を促進することが出来る。
上させるために、酸性化合物を添加することが出来る。
すなわち従来本発明者らが提案している、有機ホウ素化
合物と酸性化合物とを接触させることにより、有機ホウ
素化合物が分解し、発生するラジカルによって硬化性組
成物の硬化を促進することが出来る。
【0029】その際用いる酸性化合物は、所望の硬化速
度を得るためにその酸強度、量等に応じて適宜選択する
ことが出来る。
度を得るためにその酸強度、量等に応じて適宜選択する
ことが出来る。
【0030】本発明に用いる酸性化合物の具体例は、例
えば特開平6−329712号、特開平8−3210号
等に詳細に記載されている。
えば特開平6−329712号、特開平8−3210号
等に詳細に記載されている。
【0031】一方、本発明の組成物に用いる重合性不飽
和化合物としては、ビニルエステル樹脂が必須成分とし
て用いられる。本発明の組成物においてビニルエステル
樹脂が、他の重合性不飽和化合物と比較して特異的に重
合性に優れていることは従来知られていなかった。
和化合物としては、ビニルエステル樹脂が必須成分とし
て用いられる。本発明の組成物においてビニルエステル
樹脂が、他の重合性不飽和化合物と比較して特異的に重
合性に優れていることは従来知られていなかった。
【0032】上記ビニルエステル樹脂は、公知の方法に
より製造されるものであり、エポキシ樹脂に(メタ)ア
クリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリ
レート、あるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和
ジカルボン酸と多価アルコールから得られる末端カルボ
キシル基のポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エ
ステル基を含有するエポキシ化合物を反応させて得られ
るポリエステル(メタ)アクリレートである。ビニルエ
ステル樹脂の原料であるエポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノール−A−ジグリシジルエーテル及びその高分子量
同族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙
げられる。
より製造されるものであり、エポキシ樹脂に(メタ)ア
クリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリ
レート、あるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和
ジカルボン酸と多価アルコールから得られる末端カルボ
キシル基のポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エ
ステル基を含有するエポキシ化合物を反応させて得られ
るポリエステル(メタ)アクリレートである。ビニルエ
ステル樹脂の原料であるエポキシ樹脂としては、ビスフ
ェノール−A−ジグリシジルエーテル及びその高分子量
同族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙
げられる。
【0033】また、原料の飽和ジカルボン酸としては、
活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和
ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカ
ルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水フマル
酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール成分と
しては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステ
ル基を含有するエポキシ化合物としては、グリシジルメ
タクリレートが代表例として挙げられる。
活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和
ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカ
ルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水フマル
酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール成分と
しては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステ
ル基を含有するエポキシ化合物としては、グリシジルメ
タクリレートが代表例として挙げられる。
【0034】また、本発明に用いるその他の重合性不飽
和化合物としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエス
テル(メタ)アクリル酸を縮合させた樹脂、エチレン性
不飽和基含有ポリウレタン樹脂、含リンビニルエステル
樹脂、エチレン性不飽和基含有アクリル樹脂、エチレン
性不飽和基含有シリコン樹脂、エチレン性不飽和基含有
メラミン樹脂などがあげられる。
和化合物としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエス
テル(メタ)アクリル酸を縮合させた樹脂、エチレン性
不飽和基含有ポリウレタン樹脂、含リンビニルエステル
樹脂、エチレン性不飽和基含有アクリル樹脂、エチレン
性不飽和基含有シリコン樹脂、エチレン性不飽和基含有
メラミン樹脂などがあげられる。
【0035】不飽和ポリエステル樹脂は、公知の方法に
より製造されるものでよく、具体的には無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
アジピン酸、セバチン酸等の活性不飽和結合を有してい
ない飽和多塩基酸またはその無水物とフマル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、イタコン酸等の活性不飽和結合
を有している不飽和多塩基酸またはその無水物、さらに
必要に応じて安息香酸、アビエチン酸、ジシクロペンタ
ジエンマレートのごときモノカルボン酸を酸成分とし、
これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアル
コール成分として反応させて製造されるものである。
より製造されるものでよく、具体的には無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、
アジピン酸、セバチン酸等の活性不飽和結合を有してい
ない飽和多塩基酸またはその無水物とフマル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、イタコン酸等の活性不飽和結合
を有している不飽和多塩基酸またはその無水物、さらに
必要に応じて安息香酸、アビエチン酸、ジシクロペンタ
ジエンマレートのごときモノカルボン酸を酸成分とし、
これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAの
プロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアル
コール成分として反応させて製造されるものである。
【0036】上記不飽和ポリエステルあるいはビニルエ
ステル樹脂は、不飽和度の高いものが好ましく、不飽和
基当量(不飽和基1個当たりの分子量)が100〜80
0程度のものが好ましい。不飽和基当量が100未満の
ものは合成が不可能であり、不飽和基当量が800以上
だと、反応性基の密度が小さすぎて硬化反応が遅かった
り、高硬度の硬化物が得られない。
ステル樹脂は、不飽和度の高いものが好ましく、不飽和
基当量(不飽和基1個当たりの分子量)が100〜80
0程度のものが好ましい。不飽和基当量が100未満の
ものは合成が不可能であり、不飽和基当量が800以上
だと、反応性基の密度が小さすぎて硬化反応が遅かった
り、高硬度の硬化物が得られない。
【0037】また本発明の重合性不飽和化合物として、
エチレン性不飽和基を有するウレタン樹脂、即ち一般に
ウレタンアクリレート樹脂として知られているオリゴマ
ーも好んで用いられる。例えばヘキサメチレンジイソシ
アネートの両末端にペンタエリスリトールトリアクリレ
ートあるいはグリセリンジメタクリレートを縮合させた
樹脂、トリレンジイソシアネートフェニルグリシジルエ
ーテルアクリレートあるいはグリセリンジメタクリレー
トを縮合させた樹脂などが挙げられる。
エチレン性不飽和基を有するウレタン樹脂、即ち一般に
ウレタンアクリレート樹脂として知られているオリゴマ
ーも好んで用いられる。例えばヘキサメチレンジイソシ
アネートの両末端にペンタエリスリトールトリアクリレ
ートあるいはグリセリンジメタクリレートを縮合させた
樹脂、トリレンジイソシアネートフェニルグリシジルエ
ーテルアクリレートあるいはグリセリンジメタクリレー
トを縮合させた樹脂などが挙げられる。
【0038】また多価アルコールとエチレンオキシドと
の付加物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反
応せしめた生成物;前記の多価アルコールとプロピレン
オキシドとの付加物にアクリル酸および/またはメタク
リル酸を反応せしめた生成物;前記の多価アルコールと
ε−カプロラクトンとの付加物にアクリル酸および/ま
たはメタクリル酸を反応せしめた生成物等のオリゴマー
類も本発明の重合性不飽和化合物に包含される。本発明
の重合性不飽和化合物としては、上記化合物の他に特開
平4−362935号、特開平6−75374号明細書
等に記載された化合物等を挙げることができる。
の付加物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反
応せしめた生成物;前記の多価アルコールとプロピレン
オキシドとの付加物にアクリル酸および/またはメタク
リル酸を反応せしめた生成物;前記の多価アルコールと
ε−カプロラクトンとの付加物にアクリル酸および/ま
たはメタクリル酸を反応せしめた生成物等のオリゴマー
類も本発明の重合性不飽和化合物に包含される。本発明
の重合性不飽和化合物としては、上記化合物の他に特開
平4−362935号、特開平6−75374号明細書
等に記載された化合物等を挙げることができる。
【0039】また、本発明における組成物には、一般に
スチレンモノマーやメチルメタクリレート等の反応性希
釈剤を配合する事も可能である。上記反応性希釈剤は、
複合材料組成物を製造する際に、繊維強化材との含浸性
を高め、かつ成形製品の硬度、強度、耐薬品性、耐水性
等を調製するために重要であり、本発明の樹脂100部
に対して0〜250重量部、好ましくは20〜100重
量部使用される。使用量が、250部を越える量では、
溶剤等に対する耐薬品性が極端に悪くなってしまう。
スチレンモノマーやメチルメタクリレート等の反応性希
釈剤を配合する事も可能である。上記反応性希釈剤は、
複合材料組成物を製造する際に、繊維強化材との含浸性
を高め、かつ成形製品の硬度、強度、耐薬品性、耐水性
等を調製するために重要であり、本発明の樹脂100部
に対して0〜250重量部、好ましくは20〜100重
量部使用される。使用量が、250部を越える量では、
溶剤等に対する耐薬品性が極端に悪くなってしまう。
【0040】反応性希釈剤として使用されるモノマーの
具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、
メチルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等のN−置
換アクリルアミドが等が挙げられる。
具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、
メチルメタクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
テニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルア
クリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等のN−置
換アクリルアミドが等が挙げられる。
【0041】また、必要に応じて各種硬化性(メタ)ア
クリル化合物を配合することが出来る。硬化性アクリル
化合物の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートと少なくとも2つ以上イソシアネート
基を有する化合物との反応でできるウレタンアクリレー
ト等が含まれる。
クリル化合物を配合することが出来る。硬化性アクリル
化合物の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレートやヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートと少なくとも2つ以上イソシアネート
基を有する化合物との反応でできるウレタンアクリレー
ト等が含まれる。
【0042】これらの反応性希釈剤の中で、作業時の臭
気、揮発による損失、環境汚染等を考慮すると、沸点1
00℃以上、好ましくは150℃以上の希釈剤を用いる
ことが好ましい。
気、揮発による損失、環境汚染等を考慮すると、沸点1
00℃以上、好ましくは150℃以上の希釈剤を用いる
ことが好ましい。
【0043】本発明の硬化性組成物には繊維強化材、フ
ィラー等を添加することが出来る。これらの充填材を加
えることによって、硬化物の色、光透過性、硬さ、強
度、研磨性等を調整、改善することが出来、また硬化時
における樹脂の硬化収縮応力を緩和する機能を果たすこ
とも出来る。
ィラー等を添加することが出来る。これらの充填材を加
えることによって、硬化物の色、光透過性、硬さ、強
度、研磨性等を調整、改善することが出来、また硬化時
における樹脂の硬化収縮応力を緩和する機能を果たすこ
とも出来る。
【0044】繊維強化材の例としては有機及び/または
無機繊維が挙げられ、例えばガラス繊維、炭素繊維、ア
ラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロ
ン繊維等の公知のものが使用される。むろんこれらの繊
維を二種以上組み合わせて使用してもよい。
無機繊維が挙げられ、例えばガラス繊維、炭素繊維、ア
ラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロ
ン繊維等の公知のものが使用される。むろんこれらの繊
維を二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0045】本発明に用いる繊維強化材の使用量は重合
性不飽和化合物100重量部に対して0〜300重量
部、好ましくは0〜200重量部である。
性不飽和化合物100重量部に対して0〜300重量
部、好ましくは0〜200重量部である。
【0046】また本発明で使用されるフィラーは、無機
質フィラー、有機質フィラーまたはポリマーであり、無
機質フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、ガラス粉、シリカ、水酸化アルミニウム、
硫酸バリウム、酸化チタン等の公知のものが使用され
る。むろん、これらの無機質フィラーを組み合わせて使
用することもでき、その使用量は、重合性不飽和化合物
100重量部に対して0〜300重量部、好ましくは、
0〜200重量部である。無機充填材が300重量部よ
り多い場合、粘度が高すぎて含浸性が低下し、泡が残り
易く、また成形時の流動性に乏しくなり、型に密着させ
ることが困難となり、また品質も低下する。この他、本
発明で使用される有機質フィラーまたはポリマーとして
は、低収縮剤としても効果のある公知の化合物、例えば
ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバル
ーン、ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が添加
できる。低収縮化剤として添加する場合の、その使用量
は重合性不飽和化合物100重量部に対して0〜40重
量部、好ましくは0〜30重量部である。低収縮化剤の
使用量が40重量部を越える量では、粘度が高くなりす
ぎて、成形性が低下すると共に、硬化物の表面の平滑
性、耐熱性が低下する。
質フィラー、有機質フィラーまたはポリマーであり、無
機質フィラーとしては、例えば炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、ガラス粉、シリカ、水酸化アルミニウム、
硫酸バリウム、酸化チタン等の公知のものが使用され
る。むろん、これらの無機質フィラーを組み合わせて使
用することもでき、その使用量は、重合性不飽和化合物
100重量部に対して0〜300重量部、好ましくは、
0〜200重量部である。無機充填材が300重量部よ
り多い場合、粘度が高すぎて含浸性が低下し、泡が残り
易く、また成形時の流動性に乏しくなり、型に密着させ
ることが困難となり、また品質も低下する。この他、本
発明で使用される有機質フィラーまたはポリマーとして
は、低収縮剤としても効果のある公知の化合物、例えば
ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバル
ーン、ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が添加
できる。低収縮化剤として添加する場合の、その使用量
は重合性不飽和化合物100重量部に対して0〜40重
量部、好ましくは0〜30重量部である。低収縮化剤の
使用量が40重量部を越える量では、粘度が高くなりす
ぎて、成形性が低下すると共に、硬化物の表面の平滑
性、耐熱性が低下する。
【0047】さらに、本発明では、必要に応じて顔料を
使用してもよい。使用される顔料としては特に制限され
ないが、例えば有機顔料及び無機顔料を挙げることがで
き、その使用量は重合硬化性を考慮すると、重合性不飽
和化合物100重量部に対して0〜20重量部、好まし
くは0〜10重量部である。
使用してもよい。使用される顔料としては特に制限され
ないが、例えば有機顔料及び無機顔料を挙げることがで
き、その使用量は重合硬化性を考慮すると、重合性不飽
和化合物100重量部に対して0〜20重量部、好まし
くは0〜10重量部である。
【0048】本発明の組成物を硬化する方法としては、
加熱による方法も可能であるが、設備の簡便さ、安全
性、効率等を勘案すると光照射による方法が好ましい。
照射する光線は、組成物の感光領域に分光分布を持つ光
線及び/または熱エネルギーの強い近赤外光、赤外光が
好ましい。一般に光照射源の分光分布は連続的であるの
で、例えば可視光領域の光線を照射する際には近傍の紫
外光あるいは(近)赤外光も同時に照射されることが多
いが、本質的に問題はない。また作業者の安全性、オゾ
ン発生などの環境保全対策を考えると、UV光を含まな
い可視光線、近赤外光線が特に好ましい。
加熱による方法も可能であるが、設備の簡便さ、安全
性、効率等を勘案すると光照射による方法が好ましい。
照射する光線は、組成物の感光領域に分光分布を持つ光
線及び/または熱エネルギーの強い近赤外光、赤外光が
好ましい。一般に光照射源の分光分布は連続的であるの
で、例えば可視光領域の光線を照射する際には近傍の紫
外光あるいは(近)赤外光も同時に照射されることが多
いが、本質的に問題はない。また作業者の安全性、オゾ
ン発生などの環境保全対策を考えると、UV光を含まな
い可視光線、近赤外光線が特に好ましい。
【0049】本発明に用いられる光源の具体例として
は、近赤外光ランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンラン
プ、蛍光灯、白熱灯、陽光ランプ、メタルハライドラン
プ、太陽光などを用いることが出来る。
は、近赤外光ランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンラン
プ、蛍光灯、白熱灯、陽光ランプ、メタルハライドラン
プ、太陽光などを用いることが出来る。
【0050】光照射時間としては、光源の有効な波長領
域、出力、照射距離、成形材料の厚さ等が異なるため、
一概に規定できないが、1分間以上、好ましくは3分以
上照射すればよい。また光照射時あるいは照射後に加熱
を行い、硬化反応を促進させてもよい。
域、出力、照射距離、成形材料の厚さ等が異なるため、
一概に規定できないが、1分間以上、好ましくは3分以
上照射すればよい。また光照射時あるいは照射後に加熱
を行い、硬化反応を促進させてもよい。
【0051】従来の紫外光開始剤を含む硬化性組成物に
おいては、硬化反応を行わせるために紫外光照射が必須
であり、紫外光が皮膚、目などへの刺激性、発ガンの危
険性、オゾン発生などの安全面での問題点の他に、短波
長光であるため有機材料組成物、繊維強化材及び/また
はフィラー等の影響を強く受け、深さ方向の硬化が不十
分となるという問題点があった。また加熱硬化型の複合
材料組成物は常温での速硬化が要求されるところから低
温分解性の有機過酸化物を配合するため貯蔵安定性に問
題があった。
おいては、硬化反応を行わせるために紫外光照射が必須
であり、紫外光が皮膚、目などへの刺激性、発ガンの危
険性、オゾン発生などの安全面での問題点の他に、短波
長光であるため有機材料組成物、繊維強化材及び/また
はフィラー等の影響を強く受け、深さ方向の硬化が不十
分となるという問題点があった。また加熱硬化型の複合
材料組成物は常温での速硬化が要求されるところから低
温分解性の有機過酸化物を配合するため貯蔵安定性に問
題があった。
【0052】これに対し本発明の硬化性複合材料組成物
及びその硬化方法は、従来の紫外線や有機過酸化物を使
用する方法とは異なり、推定であるが有機ホウ素化合物
とUV開始剤との反応によるラジカル発生を応用した硬
化方法であり、UV開始剤を用いるにも関わらず、必ず
しもUV開始剤の感光波長である、安全性・経済性に問
題のある紫外光を用いなくとも本発明の目的が達成され
る点に大きな特徴がある。
及びその硬化方法は、従来の紫外線や有機過酸化物を使
用する方法とは異なり、推定であるが有機ホウ素化合物
とUV開始剤との反応によるラジカル発生を応用した硬
化方法であり、UV開始剤を用いるにも関わらず、必ず
しもUV開始剤の感光波長である、安全性・経済性に問
題のある紫外光を用いなくとも本発明の目的が達成され
る点に大きな特徴がある。
【0053】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、これに限定されるものではない。
【0054】(実施例1)下記の構造を有するビニルエ
ステル樹脂50部、
ステル樹脂50部、
【化9】 有機ホウ素化合物:テトラ−n−ブチルアンモニウム・
トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、P3Bと略
す)0.1部、紫外光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン(チバガイギー社製:商品名ダロキ
ュア1173)1.0部、タルク50部を混合、硬化性
組成物を得た。上記組成物を深さ2cmのアルミ製カッ
プに入れ、出力1.5KWのハロゲンランプを25cm
の距離から30分間照射した。JIS K−6911に
よるバーコール硬度を、軟質用硬度計を用いて測定する
と、表面75、裏面73であり、いずれも実用的に十分
硬化していたが、表面にややタックがあった。
トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、P3Bと略
す)0.1部、紫外光開始剤2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロピオフェノン(チバガイギー社製:商品名ダロキ
ュア1173)1.0部、タルク50部を混合、硬化性
組成物を得た。上記組成物を深さ2cmのアルミ製カッ
プに入れ、出力1.5KWのハロゲンランプを25cm
の距離から30分間照射した。JIS K−6911に
よるバーコール硬度を、軟質用硬度計を用いて測定する
と、表面75、裏面73であり、いずれも実用的に十分
硬化していたが、表面にややタックがあった。
【0055】(実施例2)実施例1の組成物に、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイド0.7部を更に添
加する以外は実施例1と全く同様に硬化性組成物を作製
した。実施例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照
射時間30分で表面硬度75、裏面硬度72であり、十
分硬化していた。また表面タックもなくなり、実施例1
よりも更に良好な結果であった。
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイド0.7部を更に添
加する以外は実施例1と全く同様に硬化性組成物を作製
した。実施例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照
射時間30分で表面硬度75、裏面硬度72であり、十
分硬化していた。また表面タックもなくなり、実施例1
よりも更に良好な結果であった。
【0056】(実施例3)有機ホウ素化合物を、テトラ
−n−ブチルアンモニウム・トリ(p−t−ブチルフェ
ニル)−n−ブチルボレートに変える以外は実施例2と
全く同様に硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に
光硬化試験を行ったところ、照射時間30分で表面硬度
73、裏面硬度72であり、十分硬化していた。また表
面タックもなかった。
−n−ブチルアンモニウム・トリ(p−t−ブチルフェ
ニル)−n−ブチルボレートに変える以外は実施例2と
全く同様に硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に
光硬化試験を行ったところ、照射時間30分で表面硬度
73、裏面硬度72であり、十分硬化していた。また表
面タックもなかった。
【0057】(実施例4)紫外光重合開始剤を、2,2
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−オン(チバ
ガイギー社製:商品名イルガキュア651)に変える以
外は実施例1と全く同様に硬化性組成物を作製した。実
施例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間3
0分で表面硬度73、裏面硬度65であり、裏面の硬度
が表面よりやや低いものの実用的には十分硬化してい
た。
−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−オン(チバ
ガイギー社製:商品名イルガキュア651)に変える以
外は実施例1と全く同様に硬化性組成物を作製した。実
施例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間3
0分で表面硬度73、裏面硬度65であり、裏面の硬度
が表面よりやや低いものの実用的には十分硬化してい
た。
【0058】(実施例5)紫外光重合開始剤を、2−メ
チル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
ホリノプロパノン−1(チバガイギー社製:商品名イル
ガキュア907)に変える以外は実施例1と全く同様に
硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験
を行ったところ、照射時間30分で表面硬度75、裏面
硬度60であり、裏面の硬度が表面よりやや低いものの
実用的には十分硬化していた。
チル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モル
ホリノプロパノン−1(チバガイギー社製:商品名イル
ガキュア907)に変える以外は実施例1と全く同様に
硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験
を行ったところ、照射時間30分で表面硬度75、裏面
硬度60であり、裏面の硬度が表面よりやや低いものの
実用的には十分硬化していた。
【0059】(実施例6)紫外光重合開始剤を、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイドに変える以外は実施例1と全く同様に硬化性組
成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行った
ところ、照射時間30分で表面硬度75、裏面硬度68
であり、十分硬化していた。
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイドに変える以外は実施例1と全く同様に硬化性組
成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行った
ところ、照射時間30分で表面硬度75、裏面硬度68
であり、十分硬化していた。
【0060】(比較例1)紫外光開始剤2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノンを添加しない以外は実施
例1と全く同様に硬化性組成物を作製した。実施例1と
同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間30分でも
表面はある程度硬化するものの、タックがある上、内部
は未硬化であった。
−2−メチルプロピオフェノンを添加しない以外は実施
例1と全く同様に硬化性組成物を作製した。実施例1と
同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間30分でも
表面はある程度硬化するものの、タックがある上、内部
は未硬化であった。
【0061】(比較例2)有機ホウ素化合物P3Bを添
加しない以外は、実施例2と全く同様に硬化性組成物を
作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行ったとこ
ろ、照射時間30分で表面の1、2mm程度は硬化した
ものの、内部は硬化しなかった。
加しない以外は、実施例2と全く同様に硬化性組成物を
作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行ったとこ
ろ、照射時間30分で表面の1、2mm程度は硬化した
ものの、内部は硬化しなかった。
【0062】(実施例7)硬化性不飽和化合物を、ビニ
ルエステル樹脂(商品名エベクリル3702 ダイセル
UCB社製25部、フェノキシエチルアクリレート25
部の混合物に変える以外は、実施例2と全く同様に硬化
性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行
ったところ、照射時間30分で表面硬度67、裏面硬度
66であり、十分硬化していた。
ルエステル樹脂(商品名エベクリル3702 ダイセル
UCB社製25部、フェノキシエチルアクリレート25
部の混合物に変える以外は、実施例2と全く同様に硬化
性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試験を行
ったところ、照射時間30分で表面硬度67、裏面硬度
66であり、十分硬化していた。
【0063】(比較例3)重合性不飽和化合物を、ウレ
タンアクリレート樹脂(商品名:UAー306T共栄社
化学製)35部、スチレン15部の混合物に変える以外
は実施例2と全く同様に硬化性組成物を作製した。実施
例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間30
分で表面は硬化したものの、内部及び裏面は硬化しなか
った。
タンアクリレート樹脂(商品名:UAー306T共栄社
化学製)35部、スチレン15部の混合物に変える以外
は実施例2と全く同様に硬化性組成物を作製した。実施
例1と同様に光硬化試験を行ったところ、照射時間30
分で表面は硬化したものの、内部及び裏面は硬化しなか
った。
【0064】(比較例4)重合性不飽和化合物を、ポリ
エステルアクリレート樹脂(商品名:M−8030 東
亜合成社製)50部に変える以外は実施例2と全く同様
に硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試
験を行ったところ、照射時間30分で表面は硬化したも
のの、内部及び裏面は硬化しなかった。
エステルアクリレート樹脂(商品名:M−8030 東
亜合成社製)50部に変える以外は実施例2と全く同様
に硬化性組成物を作製した。実施例1と同様に光硬化試
験を行ったところ、照射時間30分で表面は硬化したも
のの、内部及び裏面は硬化しなかった。
【0065】(実施例8)実施例2の硬化性組成物を深
さ2cmのアルミ製カップに入れ、100℃で30分加
熱した。室温まで自然冷却させた後、実施例と同じ方法
で硬度を測定したところ、表面硬度72、裏面硬度73
であり、十分硬化していた。
さ2cmのアルミ製カップに入れ、100℃で30分加
熱した。室温まで自然冷却させた後、実施例と同じ方法
で硬度を測定したところ、表面硬度72、裏面硬度73
であり、十分硬化していた。
【0066】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物及びその硬化方法
は、従来の紫外線や有機過酸化物を利用する方法とは異
なり、ビニルエステル樹脂を含有する重合性不飽和化合
物と、有機ホウ素化合物と紫外光開始剤との組み合わせ
からなる重合開始剤を配合して硬化性組成物となし、光
照射及び/または加熱により組成物を硬化させる方法で
あり、硬化すべき組成物が比較的厚かったり、あるいは
繊維強化材及び/またはフィラーなど、光透過を阻害す
る構成の組成物であっても、安全かつ簡便な方法で速や
かに複合材料組成物を硬化させることができる。特に本
発明の硬化性組成物により、従来の光硬化性組成物の問
題であった、繊維強化材やフィラーなどの光透過を阻害
する構成要素を含む組成物の硬化が困難なこと、安全性
に問題のある紫外光を用いること、加熱硬化性組成物の
問題であった、低温分解性の過酸化物等の熱重合開始剤
を配合することから生じる貯蔵安定性が悪いことなどを
同時に解決することが出来た。
は、従来の紫外線や有機過酸化物を利用する方法とは異
なり、ビニルエステル樹脂を含有する重合性不飽和化合
物と、有機ホウ素化合物と紫外光開始剤との組み合わせ
からなる重合開始剤を配合して硬化性組成物となし、光
照射及び/または加熱により組成物を硬化させる方法で
あり、硬化すべき組成物が比較的厚かったり、あるいは
繊維強化材及び/またはフィラーなど、光透過を阻害す
る構成の組成物であっても、安全かつ簡便な方法で速や
かに複合材料組成物を硬化させることができる。特に本
発明の硬化性組成物により、従来の光硬化性組成物の問
題であった、繊維強化材やフィラーなどの光透過を阻害
する構成要素を含む組成物の硬化が困難なこと、安全性
に問題のある紫外光を用いること、加熱硬化性組成物の
問題であった、低温分解性の過酸化物等の熱重合開始剤
を配合することから生じる貯蔵安定性が悪いことなどを
同時に解決することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/00 304 C08J 7/00 304 7/04 CER 7/04 CER
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)ビニルエステル樹脂を含有する重
合性不飽和化合物 (B)一般式(1)で表される有機ホウ素化合物 (C)紫外光重合開始剤を含有することを特徴とする、
硬化性組成物。 一般式(1); 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロ
ゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アリ
ル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アル
キニル基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを
示す) - 【請求項2】 紫外光重合開始剤が、一般式(2)で表
されるアセトフェノン系化合物、一般式(3)で表され
るビスアシルホスフィンオキサイド化合物または一般式
(4)で表されるアシルホスフィンオキサイド化合物
の、いずれか少なくとも1種を含有することを特徴とす
る、請求項1記載の硬化性組成物。 一般式(2); 【化2】 (式中、Arはアリール基あるいは置換アリール基を示
し、Xは、アルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハ
ロゲン置換アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、モ
ルホリン置換アルキル基、カルボアルコキシ基、ベンジ
ル基、ヒドロキシ置換ベンジル基、アルコキシ置換ベン
ジル基を示す。) 一般式(3); 【化3】 (式中、R5 〜R7 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す) 一般式(4); 【化4】 (式中、R8 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アリル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、複素環基、置換アルキル基、置換アリール
基、置換アリル基、置換アラルキル基、置換アルケニル
基、置換アルキニル基または置換複素環基を示す) - 【請求項3】 紫外光重合開始剤が、一般式(2)で表
されるアセトフェノン系化合物と、一般式(3)で表さ
れるビスアシルホスフィンオキサイド化合物及び/また
は一般式(4)で表されるアシルホスフィンオキサイド
化合物の組み合わせであることを特徴とする、請求項1
または2記載の硬化性組成物。 - 【請求項4】 繊維強化材及び/またはフィラーを含有
することを特徴とする請求項1〜3記載の硬化性組成
物。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載の硬化性組成物を、所
望の形状に塗布、含浸、あるいは成形した後、光照射及
び/または加熱により硬化させることを特徴とする硬化
性組成物の硬化方法。 - 【請求項6】 照射光が、可視光または近赤外光など
の、紫外光領域の波長を含まない光である、請求項5記
載の硬化性組成物の硬化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12892897A JPH10316728A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 硬化性組成物及びその硬化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12892897A JPH10316728A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 硬化性組成物及びその硬化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316728A true JPH10316728A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=14996868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12892897A Pending JPH10316728A (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 硬化性組成物及びその硬化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10316728A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226419A (ja) * | 1999-12-09 | 2001-08-21 | Showa Highpolymer Co Ltd | 注型硬化物の製造方法 |
JP2002059433A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-26 | Showa Highpolymer Co Ltd | 化粧板の成形方法 |
JP2008056832A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Toagosei Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型組成物 |
JP2017222813A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | リケンテクノス株式会社 | 抗菌性ハードコート、及びその製造方法 |
JP2017222771A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-21 | リケンテクノス株式会社 | 抗菌性ハードコート、及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-05-19 JP JP12892897A patent/JPH10316728A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001226419A (ja) * | 1999-12-09 | 2001-08-21 | Showa Highpolymer Co Ltd | 注型硬化物の製造方法 |
JP2002059433A (ja) * | 2000-08-22 | 2002-02-26 | Showa Highpolymer Co Ltd | 化粧板の成形方法 |
JP4567854B2 (ja) * | 2000-08-22 | 2010-10-20 | 昭和高分子株式会社 | 化粧板の成形方法 |
JP2008056832A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Toagosei Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型組成物 |
JP2017222771A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-21 | リケンテクノス株式会社 | 抗菌性ハードコート、及びその製造方法 |
JP2017222813A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | リケンテクノス株式会社 | 抗菌性ハードコート、及びその製造方法 |
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