JP4567854B2 - 化粧板の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然木の木目模様などの種々の模様を施した化粧板の成形方法に関し、詳しくはフローコーター法、 フィルム法、 ロールコーター法、 刷毛塗り法、 スプレー法等で熱硬化性樹脂を塗布して硬化する化粧板の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂を用いた化粧板は、 安価、 常温で容易に成形が可能、 常圧あるいは接触圧で成形が可能なことから、一般的に紙貼り合板上に化粧紙を貼り付けると共にフローコーター法、 フィルム法、 ロールコーター法、 刷毛塗り法等でそれらの熱硬化性樹脂を塗布して硬化することにより成形されている。
【0003】
この中でフローコーター法、 ロールコーター法、 刷毛塗り法等の開放系で塗布・硬化させる方法では、常温硬化のため硬化までに時間がかかるためにその間にゴミ等の異物が混入し、外観を重視される成形品である化粧板としての商品価値を著しく低下させる場合がある。また開放系での塗布・硬化の場合は、空気中の酸素により樹脂の硬化が阻害されるためパラフィンワックス等を添加しているが、硬化時の環境によってパラフィンワックスの浮きムラが生じて硬化ムラが発生するというトラブルが避けられない。
一方、フィルム法による閉鎖系では開放系での問題点である異物の混入、空気接触面の硬化阻害が防止できるが、表面の光沢、艶が求められる化粧板の場合、環境温度、フィルムを剥がす時間の違いにより硬化度が一定しないため、表面の光沢、艶が異なり、均一な製品が得られにくい。
更に開放系、閉鎖系に問わず従来の常温硬化法では、硬化に時間がかかるため合板に塗布後硬化が完了するまでの間に合板内部より気泡が発生し、ピンホールとなる場合がある。
この常温硬化法における欠点を解決する方法として、樹脂に紫外線重合開始剤を添加し、紫外線を照射することにより短時間に硬化させる方法も知られているが、顔料等の充填材を充填した場合、透過性の低い紫外線による光照射では内部まで十分に硬化させることができない欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はこうした現状に鑑み、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂を用いて化粧板を成形する際に、開放系では硬化までにかかる時間が長いこと、ワックスの浮きむらが発生することなどの問題を解決し、フィルム法では表面の光沢、艶が安定して得られ、更には内部まで短時間で硬化できる化粧板の成形方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の光重合剤を用いることにより、上記目的を達成できることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。即ち本発明は、(A)不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂100重量部と(B)可視光領域から近赤外光領域の範囲内のいずれかに感光性を有する光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する組成物を塗布した面上に更に化粧板成形用の賦型フィルムを被覆した面に光照射して硬化させることを特徴とする化粧板の成形方法である。なお、本発明において、可視光とは380〜780nm、近赤外光とは780〜1200nmの波長領域の光線を指す。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の化粧板の成形方法において、(A)成分として不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂(以下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶこともある)のうち、少なくともその一つを使用する。
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物である不飽和ポリエステルを、スチレンのような重合性モノマーに溶解したものであり、またビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物であるビニルエステルを、スチレンのような重合性モノマーに溶解したものであって、何れも「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)や「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。
【0007】
不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる不飽和ポリエステルには、公知の方法により製造されたものが使用される。具体的にはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分として反応させて製造されるものである。
【0008】
またビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート系樹脂)の原料として用いられるビニルエステルにも、公知の方法により製造されるものが使用され、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、あるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとから得られる末端カルボキシル基を有する飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルにエポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルを反応させて得られる飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルのポリエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0009】
ビニルエステル樹脂の原料のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いる、末端カルボキシル基を有するポリエステル(ビニルエステル原料)に用いる飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いる、エポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
【0010】
本発明において使用される不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、通常、前記の不飽和ポリエステルあるいはビニルエステルにスチレンモノマーで代表される不飽和基を有するモノマー(反応性希釈剤)を配合したものであり、本発明の樹脂等に配合される不飽和基を有するモノマーは、樹脂粘度を調整したり成形製品の硬度、強度、外観等を向上させるために重要であり、粘度調整のし易さ、 コスト面からスチレンモノマーが有効である。不飽和基を有するモノマーの添加量は、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステル100重量部に対して10〜250重量部、好ましくは20〜100重量部使用される。使用量が10重量部未満では、高粘度のため作業性悪化し、250重量部を超える量では、充分な強度が得られず化粧板用樹脂として好ましくない。
不飽和基を有するモノマーにスチレンモノマーを使用した場合、スチレンモノマーの一部または全部を、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマーや、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど他の重合性モノマ−を本発明の主旨を損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能である。
【0011】
本発明においては顔料を使用することができる。その種類の制限は特に無く、有機顔料または無機顔料が使用可能である。そのときの配合量として、樹脂等100重量部に対し、多くとも20重量部、好ましくは10重量部までの量を使用することができる。
【0012】
本発明で(B)成分として使用する可視光領域から近赤外光領域の範囲内のいずれかに感光性を有する光重合開始剤には、公知の可視線重合開始剤、近赤外線重合開始剤を使用することができる。
可視光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),548頁(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料フォーラム要旨集」、1B,18頁(1994)に記載のカンファーキノン、ベンジル、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、メチルチオキサントン、ビスペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の他、有機過酸化物触媒/色素系、ジフェニルヨ−ドニウム塩/色素、ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素の他、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合光重合開始剤系を挙げることができる。
【0013】
同じく、可視光領域に感光性を有する光重合開始剤として、(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物が好適に使用される。この(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物は、一般式(4)
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、R5 、R6 及びR7 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基を示す)
で示されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物、及び
一般式(5)
【0016】
【化4】
【0017】
(式中、R8 、R9 及びR10はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基を示す)
で示されるアシルホスフィンオキサイド化合物である。
【0018】
これらの(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物からなる光重合開始剤は可視光領域にも感光性が有り、光の透過性に優れる上、光照射により開裂してアシルラジカルとホスフィノイルラジカルを発生するので、従来用いられているUV開始剤よりも重合開始効率が高いとされている。
【0019】
一般式(4)のビスアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,2−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0020】
一般式(5)のアシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、等を挙げることができる。
【0021】
これらの(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物を含む光重合開始剤の市販品としては、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン(商品名:イルガキュア−184、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュアー1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);50%/50%の割合で混合された商品名イルガキュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン( 商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)を50%/50%の割合で混合された商品名Darocur4265などがある。
以上の(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物を含む光重合開始剤は、1種またはこれらを組合わせて使用しても良い。
【0022】
また、(A)成分の光重合開始剤として、一般式(1)
D+ ・ A- (1)
(式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタン、ピリリウム系色素陽イオンであり、A- は各種陰イオンを示す。)
で表される陽イオン色素と、
一般式(2)
【0023】
【化5】
【0024】
(式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アシル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換シリル基または置換複素環基を示す。)
で表される有機ホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤も好ましく使用しうる。
【0025】
一般式(2)で「Z+ 」で示される陽イオンの例としては、4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾニウム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウム陽イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の金属陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等のハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジウム、クロム、チタン、スズ、アンチモン等の金属化合物の陽イオン等が挙げられる。
【0026】
このように有機ホウ素化合物と可視光あるいは近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン色素とを組み合わせることで、感光領域の波長の光照射を受けた色素が励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性不飽和化合物の重合反応が起こる。
この重合反応では、従来の紫外線重合反応などと異なり、発生ラジカルをコントロールしやすく、樹脂中の不飽和基の一部をラジカル重合したところで容易に止めることが出来る。また、可視光あるいは近赤外光領域の長波長を使用するため、充填材や顔料など添加された系でも容易に反応を進めることができるという特徴を持っている。
【0027】
上記の陽イオン色素とホウ素系化合物との組み合わせの例は、特開平3−111402号公報、特開平3−179003号公報、特開平4−146905号公報、特開平4−261405号公報、特開平4−261406号公報、特開平5−194619号公報などに詳細な記載がある。
陽イオン色素の「D+」の具体例を表1及び表2に示す。これらの陽イオン色素の中でも好ましくはシアニン系、スチリル系陽イオン色素及びトリアリールメタン系色素が使用される。シアニン系、スチリル系陽イオン色素は、一般に有機ホウ素系化合物との電子授受が起こりやすいので本発明の光硬化反応を容易に起こしやすいなどの点で好ましい。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
一般式(1)で表される陽イオン色素のカウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホネートイオン、有機カルボキシレートイオン、パークロレートイオン、ハライドイオン等の任意の陰イオンであるが、次の一般式(6)
【0033】
【化6】
【0034】
(式中、R11,R12,R13及びR14はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アシル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シリル基または置換複素環基を示す。)
で表される4配位ホウ素陰イオンが特に好ましい。
【0035】
一般式(2)で表わされる有機ホウ素化合物と一般式(1)で表わされる陽イオン色素との組成比は、重量で1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン色素よりも多く用いることが好ましい
【0036】
(B)成分の光重合開始剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、1種類または2種類以上を組み合わせて使用することもできる。光重合開始剤の添加量がこれより少い場合は十分に表面が乾燥できず、これより多い場合は経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
【0037】
本発明では(C)成分の光重合開始剤に更に、前記の一般式(2)で表される有機ホウ素化合物及び酸性化合物からなる重合開始剤、または該有機ホウ素化合物、酸性化合物及び一般式(3)
【0038】
【化7】
【0039】
(式中、L1 、L2 およびL3 は、それぞれ独立にアリール基あるいは置換アリール基を示す。)
で表されるヘキサアリールビイミダゾール化合物からなる重合開始剤を組み合わせることが好ましい。
【0040】
このように組み合わせて使用される酸性化合物としては、たとえば一般にブレンステッド酸として知られている無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸など、あるいは有機酸である酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、アジピン酸、(メタ)アクリル酸、安息香酸、フタル酸類などのカルボン酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類等が挙げられる。またフェノール、アルコール類などの水酸基含有化合物、各種チオール類などのメルカプト基を有する化合物、及びルイス酸として知られる電子対を受け取って共有結合を作り得る物質、例えば塩化アルミニウム、塩化第二スズ、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素などを用いることが出来る。これらの酸については、例えばモリソン・ボイド著「有機化学」第3版43頁に詳細な記載されている。
またこれ以外にも酸性イオン交換樹脂、カーボンブラック、アルミナなど固体表面に酸性の活性点を有する物質、あるいは塩化水素、亜硫酸ガスなどの酸性気体化合物も用いることが出来る。
これらの酸性化合物の中で、(無水)マレイン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸などの重合性不飽和基を有する酸性化合物あるいはそれらの官能基を有するオリゴマーあるいはポリマー類などが好んで用いられる。
【0041】
また、そのもの自体は酸性物質ではなく、加熱、空気中の水分、酸素などの作用により分解あるいは反応して酸性化合物を発生する化合物も潜在性酸性化合物として本発明の酸性化合物に該当する。また光照射により分解して酸性化合物を発生する物質も知られており、例えば光カチオン重合開始剤と呼ばれている化合物も潜在性酸性化合物として本発明の酸性化合物に該当する。光カチオン重合開始剤は、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合物、ヨードニウム化合物金属錯体化合物など様々な化合物が知られており、「機能材料」1985年10月号5項、「UV・EB硬化技術の応用と市場」シーエムシー社1989年発行78頁などに詳細に記載されている。
【0042】
これらの潜在性酸性化合物と呼ぶべき化合物の中では、入手の容易性、経済性、組成物中の安定性、操作性などを勘案すると光あるいは熱によって酸を発生する化合物が望ましい。さらに好ましくは熱酸発生化合物であり特に加熱により分解して酸を発生する有機スルホニウム化合物が好適である。有機スルホニウム化合物は一般に3個の置換基(アルキル基、アリール基など)を有するスルホニウム陽イオン部分と対イオンである陰イオンとのイオン対から構成されるが、化合物の安定性、酸性化合物の発生能、発生する酸性化合物の酸強度などの観点からスルホニウム塩の置換基の、少なくとも1個が(置換)フェニル基、(置換)ナフチル基などのアリール基であることが望ましい。例えばトリフェニルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウムなどの陽イオン部分を持つスルホニウム化合物が挙げられる。
光重合開始剤を配合した樹脂組成物の可使時間が十分に必要とされる場合などには、有機ホウ素化合物と酸性化合物が開始剤配合時に接触することは好ましくないので、潜在性酸性化合物すなわち熱あるいは光などの刺激によって酸性化合物を発生する化合物を用いることが望ましい。
【0043】
更に、有機ホウ素化合物と酸性化合物にヘキサアリールビイミダゾール化合物を組み合わせて光照射すると、硬化がより促進され著しい効果がみられるので、これらを組み合わせて使用することが好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物として具体的には、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、ビス(2−o−クロロフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス(2−o,p−ジクロロフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス(2−o−ブロモフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール等が挙げられる。ヘキサアリ−ルビイミダゾ−ル化合物に関して、詳しくは特公昭41−3545号公報に記載されている。
【0044】
(B)成分の光重合開始剤に組み合わせる場合の、有機ホウ素化合物及び(潜在性)酸性化合物、または有機ホウ素化合物、(潜在性)酸性化合物及びヘキサアリールビイミダゾールの使用量は、樹脂等の種類、塗布する厚み等によって最適値が異なるが、一般には樹脂等100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部である。この使用量が0.01重量部未満では重合が不十分になり易く、また20重量部を超える量では経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
樹脂等が酸性化合物をあらかじめ含有する場合においては、不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂に含まれる(無水)マレイン酸、フマル酸、あるいはそれらのハーフエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、末端にそれらカルボン酸のカルボキシル基を有するオリゴマー、あるいはポリマーであってもよく、また樹脂等に任意の酸性化合物を添加した形のものであっても良い。
この場合、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂としての酸価が0.1〜100mgKOH/g、好ましくは5〜50mgKOH/gである。
【0045】
有機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物との組成比は、重量比で0.1/5〜5/0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5である。有機ホウ素化合物の使用比率が範囲より大きい(従って(潜在性)酸性化合物の使用比率が範囲より小さい)場合は、可使時間が短かく物性低下を招き、逆に有機ホウ素化合物の使用比率が範囲より小さい(従って(潜在性)酸性化合物の使用比率が範囲より大きい)場合も、可使時間が短かく物性低下を招く。
また、更に速硬化にするため有機ホウ素化合物と(潜在性)酸性化合物にヘキサアリールビイミダゾールを組み合わせる場合、有機ホウ素化合物/ヘキサアリールビイミダゾール比は、重量比で0.1/5〜5/0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5である。ヘキサアリールビイミダゾールがこの比率よりも少ない場合はその効果が現れず、多い場合は経済的に不利な上、可視光下での使用できる時間(可使時間)が短くなり、硬化物の物性低下などが起こる。
【0046】
本発明では(C)成分の光重合開始剤に更に、有機過酸化物触媒、または有機過酸化物触媒及び還元剤からなる重合開始剤を組合わせることが好ましい。
この際に使用される有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものであり、またアゾ化合物も有効である。具体例としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドが挙げられ、更にアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどのアゾ化合物の重合開始剤も使用することができる。
【0047】
有機過酸化物触媒及び還元剤からなる組み合わせとしては、公知であるケトンパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ハイドロパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ジアシルパーオキサイドと還元剤の組み合わせが挙げられ、還元剤としての具体例としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等のコバルト塩、五酸化バナジウム等のバナジウム化合物、ジメチルアニリン等のアミン類等が挙げられる。中でもポットライフ等の点でパーオキシエステルとコバルト塩の組み合わせが特に有効である。
【0048】
有機過酸化物触媒、または有機過酸化物と還元剤とを組合わせた重合開始剤の使用量は、可使時間の設定によっても異なるが、一般には樹脂等100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部である。この使用量が0.01重量部未満では、重合が不十分になり易く、また20重量部を超える量では経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
【0049】
本発明では(A)成分の樹脂等と(B)成分の光重合開始剤を含有する組成物を塗布した面、或いは該組成物に上記の光重合開始剤を組み合わせた組成物をビニロンフィルム等に塗布した面、或いは塗布した面上に更に化粧板成形用の賦型フィルムを被覆した面に光照射して硬化させることにより化粧板を成形する。
光照射して硬化させるための光源に使用できるランプとしては380〜1200nmの波長領域の光を指す光源であればよく、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀灯、陽光ランプ、近赤外線ランプ、ナトリウムランプ、太陽光などを用いることができ、可視光ランプが好適に用いられる。
硬化のための光照射時間は、光源の有効波長域、出力、照射距離、組成物の厚さ等に応じて適宜選択され、一概に規定できないが、0.01時間以上、好ましくは0.05時間以上である。
本発明の方法により樹脂等と光重合開始剤を含有する組成物、或いは更に重合開始剤を組み合わせた組成物を塗布して光硬化することにより、短時間で硬化し、ワックスの浮きむらが無く、光沢の優れた化粧板が得られる。
【0050】
【実施例】
次に実施例および比較例により、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
なお、各例中の「部」は重量基準を示す。
【0051】
実施例1
不飽和ポリエステル樹脂(昭和高分子(株)製・商品名:リゴラック2260)100部に、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:25%、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド:75%から成るビスアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製・商品名:イルガキュア1800、以下I−1800と略す)2.5部を添加し光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、 紙貼り合板の上に光硬化性樹脂を置き、 艶ありビニロンフィルムを被せてゴムローラーで均一に展ばしたものに、 可視光の光源である250Wメタルハライドランプ(三菱電機(株)製)を使用し、10cmの距離で光照射したところ30秒でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。光照射1分後にフィルムを剥離した化粧板の状態は、艶があり曇りも無く良好であった。結果を第3表に示す。
【0052】
比較例1
リゴラック2260:100重量部に、常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組成物を得た。
次に、 紙貼り合板の上に常温硬化性樹脂を置き、 艶ありビニロンフィルムを被せてゴムローラーで均一に展ばし、常温で放置したところ30分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。放置1時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りが多い状態であった。結果を第3表に示す。
【0053】
実施例2
ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製・商品名:リポキシH−630)100部に、第1表の3に示す1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニル−n−ブチルボレート(昭和電工(株)製近赤外光吸収性陽イオン色素:以下IRBと略す。)0.1部とテトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート(昭和電工(株)製有機ホウ素化合物、以下P3Bと略す。)0.5部を組み合わせた近赤外光重合開始剤を添加し光硬化性樹脂組成物を得た。
この光硬化性樹脂使用し、実施例1と同様の操作で艶ありビニロンフィルムを被せてゴムローラーで均一に展ばし、近赤外光波長域を含む光源であるAL−スポットライト(ALF−10)1KW(アールディエス(株)製)を使用して、20cmの距離で照射したところ3分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。光照射5分後にフィルムを剥離した化粧板の状態は、艶があり曇りも無く良好であった。結果を第3表に示す。
【0054】
比較例2
リポキシH−630:100部に常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組成物を使用し、比較例1と同様の操作を行なったところ、比較例1と同様に常温放置30分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。放置1時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りが多い状態であった。結果を第3表に示す。
【0055】
実施例3
ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株) 社製・商品名:リポキシR−806)100部に黒色顔料(昭和高分子(株) 社製・商品名:リゴラックカラーRC−81)8部、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製・商品名:イルガキュア819、以下I−819と略す)1.5部、P3B:0.5部と、光/熱潜在性酸発生剤(スルホニウム化合物)(日本曹達(株)製・商品名:CI−2624)1.0部、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール0.5部を混合し、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、実施例1と同様の操作、同一条件で光照射したところ1分でフィルムの剥離が可能なレベル まで硬化した。光照射2分後にフィルムを剥離した化粧板の状態は、艶があり曇りも無く良好であった。結果を第3表に示す。
【0056】
比較例3
リポキシR−806:100部に常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加し、 た常温硬化性樹脂組成物を使用し、比較例1と同様の操作を行なったところ、比較例1と同様に常温放置30分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。放置1時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りが多い状態であった。結果を第3表に示す。
【0057】
実施例4
リゴラック2260:100部に白色顔料(昭和高分子(株) 社製・商品名:リゴラックカラーRC−10)15部、I−819:1.5部、 パーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を混合し、光硬化性/常温硬化性併用樹脂組成物を得た。
次に、実施例1と同様の操作、同一条件で光照射したところ1分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。光照射2分後にフィルムを剥離した化粧板の状態は、艶があり曇りも無く良好であった。結果を第3表に示す。
【0058】
比較例4
リゴラック2260:100部に常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組成物を使用し、比較例1と同様の操作を行なったところ比較例1と同様に常温放置30分でフィルムの剥離が可能なレベルまで硬化した。放置1時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りが多い状態であった。結果を第3表に示す。
【0059】
比較例5
リゴラック2260:100部に常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組成物を得た。
次に、 紙貼り合板の上に常温硬化性樹脂を置き、 艶ありビニロンフィルムを被せてゴムローラーで 均一に展ばし、放置2時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りが多い状態であった。結果を第3表に示す。
【0060】
比較例6
リゴラック2260:100部に常温硬化触媒であるパーメックN/ナフテン酸Co(Co:6%)=1.0部/0.5部を添加した常温硬化性樹脂組成物を得た。
次に、 紙貼り合板の上に常温硬化性樹脂を置き、 艶ありビニロンフィルムを被せてゴムローラーで均一に展ばし、放置4時間後にフィルムを剥離した化粧板の状態は曇りは減ったが、依然曇りは完全には取れない状態であった。結果を第3表に示す。
【0061】
参考例
リゴラック2260:100部に、リゴラックカラーRC−10:15部、I−819:1.5部を混合し、光硬化性樹脂組成物を得た。次に、 紙貼り合板の上に光硬化性樹脂を刷毛塗り法で塗布し、表面開放系で可視光の光源である250Wメタルハライドランプ(三菱電機(株)製)を使用し、10cmの距離で光照射したところ1分で内部まで硬化した。開放系でも短時間硬化でき化粧板塗装表面状態も良好であることを確認した。
【0062】
比較例7
リゴラック2260:100部に、リゴラックカラーRC−10:15部、I−819:1.5部、紫外線重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製・商品名:イルガキュア651)1.5部を混合し、光硬化性樹脂組成物を得た。
次に、 紙貼り合板の上に光硬化性樹脂を刷毛塗り法で塗布し、表面開放系で紫外線の光源である1KW高圧水銀灯を使用し、10cmの距離で光照射したところ30秒で表面は硬化したが、その後いくら照射を続けても内部まで硬化できなかった。
【0063】
【表5】
【0064】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明の成形方法によれば、硬化時間が短くてピンホールの発生が無く、艶があり曇りもない良好な塗膜の化粧板を得ることができる。
本発明の方法によりこのような高品質の化粧板が安定して得られることから、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (6)
- (A)不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂100重量部と(B)可視光領域から近赤外光領域の範囲内のいずれかに感光性を有する光重合開始剤0.1〜10重量部を含有する組成物を塗布した面上に更に化粧板成形用の賦型フィルムを被覆した面に光照射して硬化させることを特徴とする化粧板の成形方法。
- (B)成分の光重合開始剤が、(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物である請求項1に記載の化粧板の成形方法。
- (B)成分の光重合開始剤が、一般式(1)
D+ ・ A- (1)
(式中、D+ は可視光領域あるいは近赤外光領域に感光性を有する少なくともメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタンまたはピリリウム系色素陽イオンの1種であり、A- は各種陰イオンを示す。)
で表される陽イオン色素と、
一般式(2)
で表される有機ホウ素化合物を組み合わせたものである請求項1に記載の化粧板の成形方法。 - (B)成分の光重合開始剤に、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアシルパーオキサイド類の群から選ばれる1種または2種以上の有機過酸化物触媒からなる重合開始剤、または該有機過酸化物触媒と還元剤からなる重合開始剤を組合わせることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧板の成形方法。
- 光照射して硬化させるための光源が可視光ランプである請求項1ないし5のいずれかに記載の化粧板の成形方法。
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