JPH0977836A - 光硬化性複合材料組成物 - Google Patents

光硬化性複合材料組成物

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JPH0977836A
JPH0977836A JP26234795A JP26234795A JPH0977836A JP H0977836 A JPH0977836 A JP H0977836A JP 26234795 A JP26234795 A JP 26234795A JP 26234795 A JP26234795 A JP 26234795A JP H0977836 A JPH0977836 A JP H0977836A
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富生 山本
Kazuo Otani
和男 大谷
Haruo Yoshida
晴雄 吉田
Norio Shinohara
典男 篠原
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性モノマーの揮発や可使時間についての
問題が解決でき、繊維、フィラーなどを充填した10m
m程度の厚さの樹脂組成物においても硬化速度が速く、
かつ硬化度表裏の硬化度の差が少ない光硬化性複合材料
組成物の提供。 【解決手段】 (A)不飽和ポリエステル樹脂及び/ま
たはビニルエステル樹脂、(B)繊維強化材及び/また
は充填材及び(C)近赤外光領域に感光性を有する光重
合開始剤またはこれと可視光領域に感光性を有する光重
合開始剤を含む重合開始剤を含有する光硬化性複合材料
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間かつ常温で
硬化が可能な光硬化性複合材料組成物に関する。さらに
詳しくは、可使時間が長く、反応性モノマーの揮散量が
少なく、また短時間で表面乾燥性が良好であることを特
徴とする各種成形用光硬化性複合材料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】複合材料組成物に使用される熱硬化性樹
脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂などがあり、良好な機械的物性を有するが、貯蔵中
あるいは熱硬化性樹脂であるため重合に際し、高温に加
熱されるため樹脂中に含まれるかなりの量の揮発性を有
する反応性モノマー(スチレンモノマーなど)が、複合
材の重合終了までに揮発し、樹脂組成物の配合比率の変
化による性能の低下、樹脂量の損失と作業現場の大気汚
染を招く。また重合は過酸化物触媒系を用いて常温硬化
が行われるが、この場合には可使時間に制約がある点等
が問題となっている。
【0003】これらの欠点を解決する手段としては、樹
脂中にワックスまたは変性ワックスなどの添加剤を添加
する方法の提案がある。この方法によれば反応性モノマ
ーの揮発の問題は緩和ないし克服できるが、可使時間の
制約などの問題については解決できない。H.Shre
iber,Plastverarbeiter,33
(4),404(1982)、D.Scholz,14
th.Reinf.Plast.Congr,p.71
(1984)などの紫外線硬化の例に見られるように、
紫外線を照射して速硬化することにより、反応性モノマ
ーの揮発の問題や可使時間の制約などの問題を解決する
という方法の提案もある。しかし樹脂にガラス繊維、無
機質フィラー、顔料などの充填材を充填した場合、ある
いは成形品が厚く、1mm以上の厚膜となった場合など
樹脂や充填材に光を吸収されるときは、内部まで十分に
硬化させることができなかったり、反りが発生したりす
る欠点がある。
【0004】一方、特開平2−97503号公報では、
従来の熱硬化法の欠点である硬化時間の長さ、硬化不
良、表裏の硬化速度の違いによる反りの発生を可視光線
を用いることにより解決する技術が開示されており、ガ
ラス繊維含有樹脂系でも可能としているが、可視光線に
不透明なガラス繊維以外の繊維やフィラーあるいは顔料
添加系については、未だ不十分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑み、反応性モノマーの揮発の問題や可使時間につい
ての問題が解決でき、繊維、フィラー、顔料などを充填
した10mm程度の厚さの樹脂組成物においても硬化速
度が速く、かつ硬化度が表裏とも高く、表裏の硬化度の
差が少ない光硬化性複合材料組成物の開発を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)不飽
和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエステル樹脂、
(B)繊維強化材及び/または充填材及び(C)近赤外
光領域に感光性を有する光重合開始剤を含む光重合開始
剤を含有する光硬化性複合材料組成物、 光重合開始剤が、近赤外光領域に感光性を有する光重
合開始剤及び可視光領域に感光性を有するる光重合開始
剤が重量比で0.1/5〜5/0.1の比率で配合され
ている記載の光硬化性複合材料組成物、 近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤が、一般
式(1)で示される近赤外光領域に吸収を有する陽イオ
ン染料 D+ ・A- ・・・(1) (式中、D+ は近赤外光領域に感光性を有するメチン、
ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チア
ジン、アリールメタン、ピリリウム系色素陽イオンであ
り、A- は各種陰イオンを示す。)及び一般式(2)で
示されるホウ素系化合物
【化3】 (式中、Z+ は近赤外光領域に感光性を有しない任意の
陽イオンを示し、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ
独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲ
ン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラル
キル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置
換シリル基を示す。)の組み合わせであるまたは記
載の光硬化性複合材料組成物、 一般式(1)の陽イオン染料の陰イオンが、一般式
(3)で示される4配位ホウ素陰イオン
【化4】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル
基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
リル基を示す。)であるないしのいずれかに記載の
光硬化性複合材料組成物、及び (A)不飽和ポリエステル樹脂及び/またはビニルエ
ステル樹脂 (B)繊維強化材及び/または充填材 (C)近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤を含
む光重合開始剤 を含有する光硬化性複合材料組成物を420〜1200
nmの波長を含む光で重合を行った後、その表面を42
0nm未満の波長の光を含む光の照射及び/または加熱
を行う光硬化性複合材料組成物の硬化方法を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光硬化性複合材料組成物
に使用される不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエ
ステル樹脂(以下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶことも
ある)のうち、その原料として用いられる不飽和ポリエ
ステルとしては、公知の方法により製造されるものでよ
く、具体的には無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸等の活性不飽
和結合を有していない飽和多塩基酸またはその無水物と
フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸等
の活性不飽和結合を有している不飽和多塩基酸またはそ
の無水物、さらに必要に応じて安息香酸、アビエチン
酸、ジシクロペンタジエンマレートのごときモノカルボ
ン酸を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコール
成分として反応させて製造されるものである。
【0008】またビニルエステルとしては、公知の方法
により製造されるものであり、エポキシ樹脂にアクリル
酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキシ
(メタ)アクリレート、あるいは飽和ジカルボン酸及び
/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコールから得ら
れる末端カルボキシル基のポリエステルにα、β−不飽
和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反
応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートで
ある。原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、
ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられ
る。
【0009】飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基
を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピ
ン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸
としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例
えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸等が挙げられる。 多価アルコール成分としては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物等の多価アルコールが挙げられる。α、β−不飽和カ
ルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物として
は、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられ
る。
【0010】樹脂等に用いる不飽和ポリエステルあるい
はビニルエステルは、不飽和度の高いものが好ましく、
不飽和基当量(不飽和基1個当りの分子量)が100〜
800程度のものを用いる。不飽和基当量が100未満
のものは合成ができず、不飽和基当量が800を超える
と高硬度の硬化物が得られない。
【0011】本発明において使用される不飽和ポリエス
テル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、前記の不飽和
ポリエステルあるいはビニルエステルにスチレンモノマ
ーを配合したものである。本発明の樹脂等に配合される
スチレンモノマーは、手積み成形用複合材料組成物を製
造する際に繊維強化材及び充填材との混練性、含浸性を
高め、かつ成形製品の硬度、強度、耐薬品性、耐水性等
を向上させるために重要であり、不飽和ポリエステルま
たはビニルエステル100重量部に対して10〜250
重量部、好ましくは20〜100重量部使用される。使
用量が10重量部未満では、高粘度のため手積み成形が
困難となり、250重量部を超える量では、高硬度の製
品が得られず、耐熱性が不足し、FRP材料として好ま
しくない。この場合スチレンモノマーの一部を、クロル
スチレン、メチルメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート等の他の重合性モノマーを本発明の主
旨を損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能であ
る。
【0012】本発明で使用される繊維強化材は、有機及
び/または無機繊維であり、例えばガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ビニロン繊維等の公知のものが使用される。むろんこれ
らの繊維を組合せて使用してもよく、その使用量は樹脂
等100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは
20〜100重量部である。本発明で使用される充填材
は、無機充填材、有機充填材またはポリマーであり、無
機充填材としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、ガラス粉、シリカ、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、酸化チタン等の公知のものが使用される。むろ
んこれらの無機充填材を組合せて使用することもでき、
その使用量は樹脂等100重量部に対して0〜300重
量部、好ましくは0〜200重量部である。無機充填材
が300重量部より多い場合は、粘度が高すぎて含浸性
が低下し、泡が残り易く、また成形時の流動性に乏しく
なり、型に密着させることが困難となり、また品質も低
下する。
【0013】この他、本発明で使用される有機充填材ま
たはポリマーとしては、低収縮化剤としても効果のあ
る、公知の例えばポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリ
デンマイクロバルーン、ポリアクリロニトリルマイクロ
バルーン等が使用でき、低収縮剤として使用する場合の
その使用量は樹脂等100重量部に対して0〜40重量
部、好ましくは0〜30重量部である。低収縮化剤の使
用量が40重量部を超える量では、粘度が高くなりすぎ
て、成形性が低下すると共に、硬化物の表面の平滑性、
耐熱性が低下する。
【0014】本発明では必要によっては増粘剤を使用し
ても良く、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、アルミ
ニウムアルコラート或はヘキサメチレンジイソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート等のイソシアナ
ート類を樹脂等100重量部に対して0.5〜10重量
部を用いる。増粘剤量が0.5重量部未満である時は実
質的に増粘効果が発揮できず、一方10重量部を越える
量を使用すると極度に高粘度になり成形が困難になる。
【0015】本発明では、必要に応じて顔料を使用して
もよい。使用される顔料としては特に制限されないが、
例えば有機顔料及び無機顔料を挙げることができ、その
使用量は重合硬化性を考慮すると樹脂等100重量部に
対して0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部であ
る。本発明で使用される近赤外光領域に感光性を有する
光重合開始剤としては、一般式(1) D+ ・A- ・・・(1) (式中、D+ は近赤外光領域に感光性を有するメチン、
ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チア
ジン、アリールメタン、ピリリウム系色素陽イオンであ
り、A- は各種陰イオンを示す。)で表わされる近赤外
光領域に吸収をもつ陽イオン染料と、一般式(2)
【化5】 (式中、Z+ は近赤外光領域に感光性を有しない任意の
陽イオンを示し、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ
独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲ
ン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラル
キル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置
換シリル基を示す。)で表わされるホウ素系化合物を組
合せた光重合開始剤が好ましい。
【0016】陽イオン「Z+ 」の例としては、近赤外光
領域に感光性を有しない4級アンモニウム陽イオン、4
級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、
ジアゾニウム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、ホス
ホニウム陽イオン、(オキソ)スルホニウム陽イオン、
ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カル
シウム等の金属陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩
等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、
トロピリウム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、
ヨードニウム等のハロゲニウム陽イオン、砒素、コバル
ト、パラジウム、クロム、チタン、スズ、アンチモン等
の金属化合物の陽イオン等が挙げられる。このホウ素化
合物は陽イオン染料の色を消色するために組み合わせて
使用するものであり、陰イオンが同じであっても陽イオ
ンは(D+ )と異なるものを使用することが必要であ
る。
【0017】上記陽イオン染料とホウ素系化合物との組
合せの例は、特開平3−111402号公報、特開平3
−179003号公報、特開平4−146905号公
報、特開平4−261405号公報、特開平4−261
406号公報、特開平5−194619号公報などに詳
細な記載がある。陽イオン染料の「D+ 」の具体例を表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】一般式(1)で表わされる陽イオン染料の
カウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホ
ネートイオン、有機カルボキシレートイオン、パークロ
レートイオン、ハライドイオン等の任意のイオンである
が、一般式(3)
【化6】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル
基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
リル基を示す。)で表わされる4配位ホウ素陰イオンが
特に好ましい。
【0020】上記一般式(1)の陽イオン染料と一般式
(2)のホウ素系化合物を併用することで光によって分
解反応が起こり、陽イオン染料の色が消色するとともに
重合が開始され、比較的波長が長い近赤外光の高い光透
過性のために、従来の紫外領域の光では硬化が困難であ
った肉厚の成形品あるいは強化繊維、充填材などの入っ
た複合材を光硬化することができる。光重合開始剤とし
て使用する陽イオン染料の色は消色反応により無色化さ
れ、消色反応は不可逆反応であるので陽イオン染料の色
が硬化物の色相を損なうことがない。一般式(1)で示
される陽イオン染料と一般式(2)で示されるほう素系
化合物の比率は任意であるが、10/1〜1/50(重
量比)の範囲が特に好ましい。硬化反応及び色素の消色
反応を効率的に行わせるためにはホウ素系化合物をやや
多く使用することが好ましく、1/1〜1/50(重量
比)の範囲が特に好ましい。
【0021】さらに可視光領域に感光性を有する可視光
重合開始剤としては、例えば、山岡ら,「表面」,27
(7),548(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリ
マー材料フォーラム要旨集」、1BP18(1994)
に記載のカンファーキノン、ベンジル、トリメチルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、メチルチオキ
サントン、ビスペンタジフェニルチタニウム−ジ(ペン
タフルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の
他、有機過酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩
/色素系、ビイミダゾール/ケト化合物、メルカプトベ
ンズチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シ
アニン色素の他、特公昭45−37377号公報に記載
のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の
公知の複合開始剤系を挙げることができる。
【0022】前述の近赤外光重合開始剤の組合せと同
様、可視光領域に感光性を有する光重合開始剤において
も、可視光吸収陽イオン染料とホウ素系化合物との組合
せを光重合開始剤として用いることもできる。その際に
用い得る可視光吸収陽イオン染料の例としては、陽イオ
ン染料の陽イオン部分として有効な成分の構造を表2に
挙げることができる。なおこの場合の陰イオンは、近赤
外光領域に感光性を有する光重合開始剤と同様p−トル
エンスルホネートイオン、有機カルボキシレートイオ
ン、パークロレートイオン、ハライドイオン等の任意の
イオンであってよい。好ましくは4配位ホウ素陰イオン
の化合物である。
【0023】
【表2】
【0024】近赤外光重合開始剤と可視光重合開始剤と
併用する場合、その組成比は、重量比で0.1/5〜5
/0.1、好ましくは、0.5/5〜5/1である。近
赤外光重合開始剤と可視光重合開始剤の比が0.1/5
未満では、内部の硬化が不十分である。一方、前記比が
5/0.1を超える量では、近赤外光重合開始剤の絶対
量が不足するため、表面の硬化が不十分になる。これら
の近赤外光開始剤と可視光重合開始剤を含む光重合開始
剤組成物の使用量は、樹脂等100重量部に対して0.
01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重量部で
ある。光重合開始剤組成物の使用量が0.01重量部未
満では、重合が不十分になり易く、また20重量部を超
える量では硬化物の強度が不足する。
【0025】本発明の近赤外光とは、700〜1200
nmの波長領域を指し、可視光とは390〜700nm
の波長領域を指す。本発明の成形方法に使用される光源
としては、390〜1200nmの波長領域の光を出す
光源であればよく、例えば近赤外光ランプ、ナトリウム
ランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、日光等を使用するこ
とができる。また、短波長領域の光を透過しにくいカー
ボン繊維、アラミド繊維等の繊維強化材や顔料などを使
用した場合は、420〜1200nmの波長の光の照射
が有効であるが、ここで使用する光源としては、上記ラ
ンプに420nm未満の波長をカットするフィルターを
併用してもよく、あるいは赤外線ランプ等がある。また
硬化度、表面乾燥性のアップのためにさらに照射する4
20nm未満の光源としては、例えばハロゲンランプ、
高圧水銀灯、蛍光灯、太陽光、可視光を使用することが
できる。また、420nm未満の波長の光を照射する替
わりに、加熱による後硬化を行ってもよい。
【0026】照射時間としては、光源の有効波長領域、
出力、照射距離、成形材料の厚さ等が異なるため、一概
に規定できないが、0.01時間以上、好ましくは0.
2時間以上照射すればよい。また、光照射後の後硬化の
加熱の条件としては、40〜120℃で30分〜1時間
放置すれば十分である。
【0027】本発明における光硬化性複合材料組成物
は、従来の有機過酸化物や紫外線開始剤を用いた不飽和
ポリエステル樹脂系またはビニルエステル樹脂系複合材
料組成物の分野に対しても代替使用可能である。
【0028】従来の紫外線開始剤を含む樹脂組成物にお
いては、紫外線が短波長光であるため顔料等の影響を強
く受け、その影となる部分は反応を開始しないため顔料
の種類及び添加量の制限があった。また加熱硬化型の樹
脂組成物は低温分解性の有機過酸化物を配合する必要性
があるところから貯蔵安定性に問題があった。これに対
し本発明の光硬化性複合材料組成物は、従来の紫外線硬
化型または加熱硬化型の複合材料と異なり、近赤外の波
長領域で活性可能な光重合開始剤組成物あるいはこれに
可視光重合開始剤と近赤外光重合開始剤を組合せた重合
開始剤組成物である。
【0029】本発明においては、重合開始剤として比較
的長波長領域に吸収帯を有する近赤外光重合開始剤を使
用することにより、有機及び/または無機繊維強化材あ
るいはこれに必要に応じて無機充填材や顔料等を併用し
ても、複合材料組成物に対する光の透過性が優れるた
め、厚みのある複合材料組成物から厚みのある硬化物を
得ることが可能であり、使用する光の安全性、経済性に
も優れている。
【0030】
【実施例】以下に示す合成例、製造例、実施例、比較例
により、本発明の内容を詳細に説明するが、各例中の
「部」、「%」は重量基準を示す。 実施例1 不飽和基当量、約270のビニルエステル樹脂、商品名
リポキシH−630(昭和高分子(株)製)100部に
光重合開始剤1,1,5,5−テトラキス(p−ジフェ
ニルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリ
フェニル−n−ブチルボレート(昭和電工(株)製、以
下IRBと略す。:近赤外光吸収性陽イオン染料)0.
1部、テトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル
−n−ブチルボレート(昭和電工(株)製、以下P3B
と略す。ホウ素化合物)0.5部、2,2’−ビス(0
−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェ
ニル−1,2’−ビイミダゾール(和光純薬(株)
製)、以下B1mと略す。)0.5部、2−メルカプト
ベンゾチアゾール(和光純薬(株)製)、以下MBTと
略す。)0.5部[B1m/MBTの組み合わせ=可視
光領域に感光性を有する光重合開始剤]を混合したもの
100部に、炭酸カルシウム、商品名ソフトン1200
(備北粉化工業(株)製)50部、商品名リゴラックカ
ラーRC843グレー(昭和高分子(株)製)0.2部
を混合したものを使用し、ガラス繊維を#30サーフェ
イスマット/#450チョップドストランドマット3p
ly/#30サーフェイスマットの構成で厚さ3mmに
積層し、マイラーフィルムを被覆して赤外線ランプ商品
名ビオライトRH−523(松下電気産業(株)製)1
00Wを使用して15cmの距離で照射したところ15
分で硬化した。そこで15分、30分照射後のJIS
K−6911によるバーコール硬度の測定をバーコール
硬度計934−1型で行い、また曲げ強度の測定も行
い、その結果を表3に示した。
【0031】比較例1 不飽和基当量、約270のビニルエステル樹脂、商品名
リポキシH−630(昭和高分子(株)製)100部に
紫外線重合開始剤、商品名Darocur1−173
(日本チバガイギー(株)製)1部を添加したもの10
0部に、炭酸カルシウム、商品名ソフトン1200(備
北粉化工業(株)製)50部、リゴラックカラーRC8
43グレー(昭和高分子(株)製)0.2部を混合した
ものを使用し、ガラス繊維を#30サーフェイスマット
/#450チョップドストランドマット3ply/#3
0サーフェイスマットの構成で厚さ3mmに積層し、マ
イラーフィルムを被覆して赤外線ランプの代わりに2K
Wの超高圧水冷式水銀灯(ハイドロキュア2000、
(株)オーク製作所製)を使用して30cmの距離で照
射したが、15分以上照射しても硬化は表面のみで裏面
までは硬化できなかった。
【0032】比較例2 ビニルエステル樹脂、商品名リポキシH−630(昭和
高分子(株)製)100部に過酸化物触媒、商品名パー
メックN(日本油脂(株)製)1.5部とナフテン酸コ
バルト(Co:6%)0.5部を添加し、炭酸カルシウ
ム、商品名ソフトン1200(備北粉化工業(株)製)
50部、リゴラックカラーRC843グレー(昭和高分
子(株)製)0.2部を混合したものを使用し、ガラス
繊維を#30サーフェイスマット/#450チョップド
ストランドマット3ply/#30サーフェイスマット
の構成で厚さ3mmに積層し、常温で24時間硬化した
ものについてJIS K−6911によるバーコール硬
度の測定をバーコール硬度計934−1型で行い、また
曲げ強度の測定も行ったが、バーコール硬度、曲げ強度
共に十分に発現しなかった。そこで、それをさらに12
0℃で2時間硬化したものについてもバーコール硬度の
測定を行い、また曲げ強度の測定も行ったところ、バー
コール硬度、曲げ強度はやっと実施例1のレベルに到達
した。その結果を表3に示した。
【0033】実施例2 不飽和基当量、約350の不飽和ポリエステル樹脂、商
品名リゴラック2141(昭和高分子(株)製)に光重
合開始剤IRB0.1部、P3B0.5部、BIm0.
5部,MBT0.5部を混合したものでケプラー繊維ク
ロス(T−500)6plyで厚さ2mmに積層し、マ
イラーフィルムを被覆して390〜1200nmの波長
域を含むの光源である商品名ALスポットライト、AL
F−10、1KW(アールディエス(株)製)に420
nm以下カットフィルター商品名SC42(富士フィル
ム(株)製)を併用し、15cmの距離で照射したとこ
ろ12分で硬化した。そこで12分照射後のバーコール
硬度の測定を行い、また曲げ強度の測定も行ったとこ
ろ、バーコール硬度、曲げ強度は実用レベルであった。
その結果を表4に示した。
【0034】実施例3 実施例2をさらに室内可視光下に3日放置後のバーコー
ル硬度の測定を行い、また曲げ強度の測定も行ったとこ
ろバーコール硬度、曲げ強度のアップが見られた。その
結果を表4に示した。
【0035】実施例4 実施例2で得られた硬化物を、さらに420nm以下の
波長も含む商品名ALスポットライト、ALF−10、
1KW(アールディエス(株)製)で15分照射後のバ
ーコール硬度の測定を行い、また曲げ強度の測定も行っ
たところ、バーコール硬度、曲げ強度のさらなるアップ
が見られた。その結果を表4に示した。
【0036】実施例5 実施例2で得られた硬化物を、さらに120℃2時間ア
フターキュアしてバーコール硬度の測定を行い、また曲
げ強度の測定も行ったところ、バーコール硬度、曲げ強
度のさらなるアップが見られた。その結果を表4に示し
た。
【0037】比較例3 不飽和ポリエステル樹脂、商品名リゴラック2141
(昭和高分子(株)製)に紫外線重合開始剤、商品名D
arocur1−173(日本チバガイギー(株)製)
1部を添加したものでケプラー繊維クロス4plyで厚
さ2mmに積層し、マイラーフィルムを被覆して2KW
の超高圧水冷式水銀灯(ハイドロキュア2000、
(株)オーク製作所製)を使用して30cmの距離で照
射したが、15分以上照射しても硬化は表面のみで裏面
までは硬化できなかった。
【0038】実施例6 不飽和基当量、約340の不飽和ポリエステル樹脂、商
品名リゴラック1557(昭和高分子(株)製)に光重
合開始剤IRB0.1部、P3B0.5部、BIm0.
5部,MBT0.5部を混合したもの100部に炭酸カ
ルシウム、商品名ソフトン1200(備北粉化工業
(株)製)50部、リゴラックカラーRC843グレー
(昭和高分子(株)製)0.2部を混合したものを使用
し、ガラス繊維を#30サーフェイスマット/#450
チョップドストランドマット3ply/#30サーフェ
イスマットの構成で30cm×30cm×厚さ3mmに
積層し、硬化前の積層板の重量を測定した。重量測定
後、直ちにフィルムを被覆せず390〜1200nmの
波長域を含む光源である商品名ALスポットライト、A
LF−10、1KW(アールディエス(株)製)を使用
して、15cmの距離で照射したところ15分で硬化
(表面も乾燥)した。そして硬化後の積層板の重量も測
定して揮発分の量を計算し、バーコール硬度の測定した
ところ、バーコール硬度は十分なレベルにありスチレン
の揮散も少なく作業環境の改善に有効であった。その結
果を表5に示した。
【0039】比較例4 不飽和ポリエステル樹脂、商品名リゴラック1557
(昭和高分子(株)製)に過酸化物触媒、商品名パーメ
ックN(日本油脂(株)製)1.5部とナフテン酸コバ
ルト(Co:6%)0.5部を添加したもの100部に
炭酸カルシウム、商品名ソフトン1200(備北粉化工
業(株)製)50部、リゴラックカラーRC843グレ
ー(昭和高分子(株)製)0.2部を混合したものを使
用し、ガラス繊維を#30サーフェイスマット/#45
0チョップドストランドマット3ply/#30サーフ
ェイスマットの構成で30cm×30cm×厚さ3mm
に積層し、硬化前の積層板の重量を測定した。重量測定
後、フィルムを被覆せず常温で24時間硬化後の積層板
の重量も測定して揮発分の量を計算し、バーコール硬度
の測定をしたところ、バーコール硬度の発現は低く、ス
チレンの揮散も多かった。その結果を表5に示した。
【0040】実施例7 不飽和基当量、約520のビニルエステル樹脂、商品名
リポキシRF−330(昭和高分子(株)製)に光重合
開始剤IRB0.05部、P3B0.5部、BIm0.
3部,MBT0.3部、水酸化アルミニウム、商品名ハ
イジライトH−34(昭和電工(株)製)を200部混
合したものを30cm角2枚のガラス板の間に厚さ3m
mに注型後、ALスポットライトを25cmの距離で1
5分照射し脱型後、翌日バーコール硬度、曲げ強度、反
りの有無を測定した結果、バーコール硬度、曲げ強度と
も高く、反りも認められなかった。その結果を表6に示
した。
【0041】実施例8 ビニルエステル樹脂、商品名リポキシRF−330(昭
和高分子(株)製)に光重合開始剤IRB0.05部、
P3B0.5部、水酸化アルミニウム、商品名ハイジラ
イトH−34(昭和電工(株)製)を200部混合した
ものを30cm角2枚のガラス板の間に厚さ3mmに注
型後、ALスポットライトを25cmの距離で15分照
射し脱型後、翌日バーコール硬度、曲げ強度、反りの有
無を測定した結果、バーコール硬度、曲げ強度とも高
く、反りも認められなかった。その結果を表6に示し
た。
【0042】比較例5 ビニルエステル樹脂、商品名リポキシRF−330(昭
和高分子(株)製)に光重合開始剤、BIm0.3部,
MBT0.3部、水酸化アルミニウム、商品名ハイジラ
イトH−34(昭和電工(株)製)を200部混合した
ものを30cm角2枚のガラス板の間に厚さ3mmに注
型後、可視光線を1mの距離で5時間照射し脱型後、翌
日バーコール硬度、曲げ強度、反りの有無を測定した結
果、硬化が不十分なために測定不能であった。
【0043】
【発明の効果】良好な複合材料樹脂組成物として、不飽
和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の複合材料
組成物が知られているが、主に過酸化物系触媒を配合し
た熱硬化性樹脂組成物であるため、硬化に際しての反応
性モノマーの揮散や、長期貯蔵が不可能であるばかりで
なく、可使時間に制約があったりしてこれらの改善を必
要としていた。この改良法として紫外線硬化性の樹脂組
成物の提案がなされて問題点のいくつかを改善したが、
紫外線の透過性が乏しいところから成形品としての厚さ
に制限があり、また複合材として配合される繊維強化材
及び/または充填材の配合、さらには着色顔料等の配合
にも制限があってこれらの改良が求められていた。
【0044】本発明は、これらの複合材料樹脂組成物と
して、近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤を用
いた光硬化性複合材料組成物、さらには近赤外光領域に
感光性を有する光重合開始剤と可視光領域に感光性を有
する光重合開始剤を併用することにより紫外線硬化性の
樹脂組成物で問題とされていた厚物成形品或は繊維強化
材及び/または充填材を配合した樹脂組成物であって
も、光の長波長の透過性を利用することによりこれらの
点を大幅に改良した光硬化性複合材料組成物である。
【0045】本発明の光硬化性複合材料組成物は、常温
において短時間で硬化が可能であり、また可使時間が長
いため取り扱いは容易であるにもかかわらず短時間で表
面の乾燥ができ、かつ内面の硬化も十分に可能であり、
この硬化に際しても反応性モノマーの揮散は大幅に減少
させることができ、得られた成形品は良好な機械的性質
を有しており、優れた光硬化性複合材料組成物である。
【表1】
【表1】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 典男 群馬県伊勢崎市堀口町110 (72)発明者 杉田 修一 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1昭和電 工株式会社総合研究所内 (72)発明者 鎌田 博稔 千葉県千葉市緑区大野台1−1−1昭和電 工株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)不飽和ポリエステル樹脂及び/ま
    たはビニルエステル樹脂 (B)繊維強化材及び/または充填材 (C)近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤を含
    む光重合開始剤 を含有することを特徴とする光硬化性複合材料組成物。
  2. 【請求項2】 光重合開始剤が、近赤外光領域に感光性
    を有する光重合開始剤及び可視光領域に感光性を有する
    光重合開始剤が重量比で0.1/5〜5/0.1の比率
    で配合されている請求項1記載の光硬化性複合材料組成
    物。
  3. 【請求項3】 近赤外光領域に感光性を有する光重合開
    始剤が、一般式(1)で示される近赤外光領域に吸収を
    有する陽イオン染料 D+ ・A- ・・・(1) (式中、D+ は近赤外光領域に感光性を有するメチン、
    ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チア
    ジン、アリールメタン、ピリリウム系色素陽イオンであ
    り、A- は各種陰イオンを示す。)及び一般式(2)で
    示されるホウ素系化合物 【化1】 (式中、Z+ は近赤外光領域に感光性を有しない任意の
    陽イオンを示し、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ
    独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
    ケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲ
    ン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラル
    キル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置
    換シリル基を示す。)の組合せである請求項1または2
    記載の光硬化性複合材料組成物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)の陽イオン染料の陰イオン
    が、一般式(3)で示される4配位ホウ素陰イオン 【化2】 (式中、R5 、R6 、R7 及びR8 はそれぞれ独立して
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原
    子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アラルキル
    基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換シ
    リル基を示す。)である請求項1ないし3項のいずれか
    1項に記載の光硬化性複合材料組成物。
  5. 【請求項5】 (A)不飽和ポリエステル樹脂及び/ま
    たはビニルエステル樹脂 (B)繊維強化材及び/または充填材 (C)近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤を含
    む光重合開始剤 を含有する光硬化性複合材料組成物を420〜1200
    nmの波長を含む光で重合を行った後、その表面を42
    0nm未満の波長の光を含む光の照射及び/または加熱
    を行うことを特徴とする光硬化性複合材料組成物の硬化
    方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1149833A (ja) * 1997-08-05 1999-02-23 Showa Highpolymer Co Ltd コンクリート構築物用パテ組成物及びその硬化方法
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