JPH11228649A - 光硬化性防水材及び防水被覆工法 - Google Patents

光硬化性防水材及び防水被覆工法

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JPH11228649A
JPH11228649A JP10046170A JP4617098A JPH11228649A JP H11228649 A JPH11228649 A JP H11228649A JP 10046170 A JP10046170 A JP 10046170A JP 4617098 A JP4617098 A JP 4617098A JP H11228649 A JPH11228649 A JP H11228649A
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JP
Japan
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resin
photocurable
waterproofing material
light
oxide
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JP10046170A
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English (en)
Inventor
Kazuo Otani
和男 大谷
Tomio Yamamoto
富生 山本
Hideki Sendai
英毅 千代
Toshihiko Kadota
俊彦 門田
Shuichi Sugita
修一 杉田
Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
Takeo Watanabe
岳男 渡辺
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で施工及び樹脂硬化が可能であり、か
つ直接過酸化物触媒を取り扱うことによる危険性、過酸
化物触媒添加操作の煩雑さ、可使時間調整の問題点を解
決した防水材組成物及びそれを用いた防水被覆工法の提
供。 【解決手段】 プライマー塗布、不陸調整、ライニング
層形成またはトップコート層形成のすべての工程または
その一部の工程に(A)重合性不飽和化合物100重量
部、及び(B)可視光重合開始剤0.01〜20重量部
を含有することを特徴とする光硬化性防水材を用い、光
照射することにより硬化させることを特徴とする防水被
覆工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築・土木分野に
おける構築物の防水材組成物に関するものであり、また
その光硬化性防水材を施工した後、光照射による光硬化
反応を利用することによる短時間FRP(繊維強化プラ
スチック)防水被覆工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】屋上、ベランダ、駐車場、廊下、プール
などの土木建築物のコンクリートやモルタルなどの上に
防水被覆体として使用する防水材に求められる特性とし
ては、土木建築物の振動や落下物の衝撃に耐え、下地コ
ンクリートやモルタルの亀裂に十分追随し、耐アルカリ
性を有し、下地との高い接着性を有することが必要とさ
れている。従来、コンクリートやモルタルのライニング
材としてアスファルトやウレタン樹脂が用いられていた
が十分でなく、近年では柔軟性を有する不飽和ポリエス
テル樹脂やビニルエステル樹脂と繊維強化材を組み合わ
せたFRP工法が良く用いられている。このFRP工法
に用いられる熱硬化性樹脂は、近年特に進歩し、特開平
8−319328号公報、特開平1−201362号公
報、特開平8−311805号公報、特開平5−295
862号公報、特開平1−96079号公報、特開平4
−253717号公報、特開平4−142323号公報
などに記載されているように、可撓性と耐薬品性を併せ
持つタイプ、低温での伸び率の大きいタイプ、空気乾燥
性付与タイプなどの提案がある。
【0003】しかし、不飽和ポリエステル樹脂やビニル
エステル樹脂を用いてライニング施工をする場合、通常
過酸化物触媒による常温硬化が行われ、完全に硬化する
まで長時間を必要とする。硬化に時間がかかり過ぎると
作業効率が低下するばかりか、揮発性を有する反応性モ
ノマー(スチレンモノマーなど)が揮発するため、樹脂
組成物の配合比率の変化による樹脂性能の低下、樹脂量
の損失のみならず、臭気の発生、作業現場の大気汚染を
招き、引火などの危険性がある。また触媒として過酸化
物触媒を使用するには現場で過酸化物触媒をスポイトな
どで計り、樹脂に混合するといった煩雑な操作を必要と
し、また樹脂自体も温度によりゲル化時間が大きく変化
し、触媒量の加減が難しく、可使時間の調整に失敗する
トラブルも避けられなかった。
【0004】これらの欠点を解決するひとつの手段とし
て、樹脂中の揮発性モノマーをスチレンなどに代え他の
高沸点化合物に置き換えるなどして現場の大気汚染や臭
気対策をする試みもなされているが、不飽和ポリエステ
ル樹脂やビニルエステル樹脂系の過酸化物触媒による常
温硬化系では、完全に硬化するまで長時間を必要とする
問題や、現場で直接過酸化物触媒を取り扱うことによる
危険性、過酸化物触媒添加操作の煩雑さ、可使時間の調
整といった問題は解決されていなかった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現
状に鑑み、短時間で施工及び樹脂硬化が可能であり、か
つ直接過酸化物触媒を取り扱うことによる危険性、過酸
化物触媒添加操作の煩雑さ、可使時間の調整が難しいと
いった問題点を解決する防水材組成物の開発及びそれを
用いた防水被覆工法を開発することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)
(A)重合性不飽和化合物100重量部、及び(B)可
視光重合開始剤0.01〜20重量部を含有することを
特徴とする光硬化性防水材、(2) 重合性不飽和化合
物が不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウ
レタンアクリレート樹脂及びアクリル樹脂から選択され
る1種である上記(1)に記載の光硬化性防水材、
(3) 可視光重合開始剤がアシルフォスフィンオキサ
イド系化合物である(1)に記載の光硬化性防水材、
(4) 光硬化性防水材がプライマー用、パテ用、FR
Pライニング用またはトップコート用の防水材である上
記(1)〜(3)のいずれかに記載の光硬化性防水材、
【0007】(5) プライマー塗布、不陸調整、ライ
ニング層形成またはトップコート層形成のすべての工程
またはその一部の工程に上記(1)〜(4)のいずれか
に記載の光硬化性防水材を用い、光照射することにより
硬化させることを特徴とする防水被覆工法、(6) ウ
レタンプライマーを塗布して乾燥後、上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の光硬化性防水材を、不陸調
整、ライニング層形成及びトップコート層形成のすべて
の工程またはその一部の工程に使用し、光照射すること
により硬化させて行うことを特徴とする防水被覆工法、
(7) 光照射の光源が可視光領域の波長の光を発する
光源である上記(5)または(6)に記載の防水被覆工
法、及び(8) 可視光領域の波長の光を発する光源が
太陽光および/または自然光である上記(7)記載の防
水被覆工法、を開発することにより上記の目的を達成し
た。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用される主な熱硬化性
樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂及びアクリル樹脂
(以下、これらの樹脂を樹脂等と呼ぶこともある)のう
ち、少なくともその一つを使用する。本発明に使用する
不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多
塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル
化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)を、ス
チレンのような重合性モノマーに溶解したもので、「ポ
リエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、19
88年発行)または「塗料用語辞典(色材協会編、19
93年発行)などに記載されている樹脂である。またビ
ニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂とも呼
ばれ、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有する化合
物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカル
ボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生
成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニルエステ
ル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したも
ので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新
聞社、1988年発行)あるいは「塗料用語辞典」(色
材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂
である。
【0009】不飽和ポリエステル樹脂の原料として用い
られる不飽和ポリエステルとしては、公知の方法により
製造されたもので良い。具体的にはフタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン
酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない飽
和多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン酸、
イタコン酸等の活性不飽和結合を有している不飽和多塩
基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールをアルコール成分として反応させて製造されるも
のである。
【0010】またビニルエステル樹脂(エポキシアクリ
レート系樹脂)のビニルエステルとしては、公知の方法
により製造されるものであり、エポキシ樹脂に不飽和一
塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応さ
せて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、あるいは
飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジカルボン酸と多
価アルコールから得られる末端カルボキシル基の飽和ポ
リエステルまたは不飽和ポリエステルに、α、β−不飽
和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反
応させて得られる飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエ
ステルのポリエステル(メタ)アクリレートである。原
料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラッ
ク型ポリグリシジルエーテル類などが挙げられる。
【0011】末端カルボキシルポリエステルに用いる飽
和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していない
ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン
酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活性
不飽和基を有するジカルボン酸、例えばフマル酸、無水
マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが
挙げられる。ビニルエステルの製造に用いられるα,β
−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合
物としてはグリシジルメタクリレートが代表例として挙
げられる。
【0012】樹脂等に用いられる不飽和ポリエステルあ
るいはビニルエステルは、不飽和度の比較的高いものが
好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たりの分子
量)が100〜800程度のものを用いる。不飽和基当
量100未満のものは合成が困難であり、不飽和基当量
が800を越えると高硬度の硬化物が得られない。
【0013】本発明において使用される不飽和ポリエス
テル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、前記の不飽和
ポリエステルあるいはビニルエステルなどに、スチレン
モノマーに代表される不飽和基を有するモノマーを配合
したものであり、本発明の樹脂等に配合される不飽和基
を有するモノマーは、複合材料を製造する際に繊維強化
材及びフィラーとの混練性、含浸性を高めかつ成形製品
の硬度、強度、耐薬品性、耐水性等を向上させるために
重要であり、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステ
ル100重量部に対して10〜250重量部、好ましく
は20〜100重量部使用される。使用量が10重量部
未満では、高粘度のため成形困難となり、250重量部
を超える量では高硬度の製品が得られず、耐熱性が不足
し、FRP材料として好ましくない。
【0014】スチレンモノマーの一部または全部を、ク
ロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなど
のスチレン系モノマーや、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を
有する重合性モノマーなど他の重合性モノマーを本発明
の主旨を損なわぬ範囲で代替し、使用することも可能で
ある。
【0015】更に重合性不飽和化合物として用いられる
ウレタンアクリレートとは、ポリイソシアネートを、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
アクリルポリオール及びヒドロキシアルキルアクリレー
トなどのポリオールと反応させて得られる公知のオリゴ
マー樹脂である。
【0016】また本発明の重合性不飽和化合物として用
いられるアクリル樹脂とは、少なくとも1種のアクリル
酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルに可溶
な重合体または共重合体を溶解させた公知のものであ
り、(メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−イソ−ブ
チル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどがあり、それ
らに可溶な重合体または共重合体としては上記(メタ)
アクリル酸エステルモノマーの重合体または共重合体な
どが挙げられる。
【0017】本発明において可視光とは380〜780
nmの波長領域の光線を示し、本発明で使用される可視
光重合開始剤とは、可視光領域に感光性を有する化合物
を指す。可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤
としては、例えば山岡など「表面」、27(7)、54
8(1989)、佐藤など「第3回ポリマー材料フォー
ラム要旨集」、IBP18(1994)に記載の、カン
ファーキノン、ベンジルトリメチルベンゾイルジフェニ
ルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサントン、ジ
シクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロ
フェニル)などの単独の可視光重合開始剤の他、有機過
酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、イ
ミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾー
ル化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾ
ール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素
など、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサア
リールビイミダゾール/ラジカル発生剤などの公知の複
合開始剤系などを挙げることができる。
【0018】本発明で使用されるアシルホスフィンオキ
サイドは、一般式(1)または(2)で示される。 一般式(1);
【化1】 (式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基
を示す) 一般式(2);
【化2】 (式中、R4 〜R6 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、複素環基を示す) これらの開始剤は、従来用いられているUV開始剤より
も長波長領域に感光性があり(400nm以上の可視光
領域)、光の透過性に優れる上、光照射により開裂して
アシルラジカルとホスフィノイルラジカルを発生するの
で、従来用いられているUV開始剤よりも重合開始効率
が高いとされている。
【0019】本発明で用いられる一般式(1)のビスア
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,4−ジメトキシ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−デシルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオ
キサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリ
メトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホス
フィンオキサイド、
【0020】ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−ト
リメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)
−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビ
ス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフト
イル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナ
フトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフ
トイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メト
キシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル
−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2−クロル−1−ナフトイル)−2,5−
ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6
−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペ
ンチルホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0021】本発明で用いられる一般式(2)のアシル
ホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィン
オキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイ
ル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6
−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキ
サイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル
−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6
−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィ
ンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カル
ボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジ
メトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメ
チルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステ
ル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン
酸エチルエステル等を挙げることができる。
【0022】具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名Da
rocur1173:チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)を75%
/25%(重量比)の割合で混合された商品名イルガキ
ュア1700(チバスペシャリティーケミカルズ(株)
製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケ
トン(商品名イルガキュア184:チバスペシャリティ
ーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフ
ィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製)を75%/25%の割合で混合した商品名イ
ルガキュア1800(チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製)、50%/50%の割合で混合した商品名イ
ルガキュア1850(チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名イルガキ
ュア819)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジ
フェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、 BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:
Darocur1173、チバスペシャリティーケミカ
ルズ(株)製)とLucirin TPOを50%/5
0%(重量比)の割合で混合された商品名Darocu
r4265等がある。
【0023】可視光領域光重合開始剤の使用量は、一般
に樹脂など100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜15重量部である。光重合開
始剤の使用量が0.01重量部未満では重合が不十分に
なり易く、また20重量部を越える量では経済的に不利
な上、硬化物の物性低下などが起こる。本発明では光重
合開始剤を添加した樹脂の硬化時間の調節や表面乾燥性
の確保のために、キノン類などの公知のラジカル重合禁
止剤や3級アミン類を添加してもよい。
【0024】本発明で使用するプライマー用、パテ用、
FRPライニング用、トップコート用材料は、コンクリ
ートやモルタルの表面の劣化層の研磨・除去、ひび割れ
補修などを行う下地処理工程後のプライマー塗布、不陸
調整、ライニング層形成、トップコート層形成の工程に
使用する材料である。プライマー塗布は下地とライニン
グ層との付着強度を確保するための工程であり、不陸調
整とはコンクリートやモルタルなどの下地の不陸部分に
塗りつけて平坦にする工程であり、「基準・樹脂ライニ
ング」(樹脂ライニング工業会編、昭和63年発行)に
記載の工程が含まれる。本発明で使用するパテ組成物は
重合性不飽和化合物に充填材、可視光重合開始剤を配合
したもので不陸調整剤として使用する。ライニング層形
成は、繊維強化材に可視光重合開始剤を配合した重合性
不飽和化合物を含浸し、積層する工程であり、トップコ
ート層形成は最終仕上げ工程である。本発明のFRPラ
イニング用組成物に使用される繊維強化材は、有機およ
び/または無機繊維であり、例えばガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、
ビニロン繊維、ポリアミド繊維、金属繊維、セラミック
繊維など公知のものが使用される。むろんこれらの繊維
を2種以上組み合わせて使用してもよい。これらの強化
材の中で本発明には特にガラス繊維や有機繊維が望まし
く、施工性などを考慮するとマット状のものが好適であ
る。
【0025】本発明のパテ組成物に使用される充填材
は、無機質フィラー、有機質フィラー、またはポリマー
である。無機質フィラーとしては、例えば水酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、
シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、セメントなどの公
知のものが使用される。むろんこれらの無機質フィラー
を組み合わせて使用することもでき、その使用量は重合
性不飽和化合物100重量部に対して50〜300重量
部、好ましくは100〜200重量部である、無機充填
材が300重量部より多い場合、粘度が高くなり作業性
が低下し、泡が残りやすく強度が低下する。また無機充
填材が50重量部よりも少ない場合、作業性が良好なパ
テ組成物ができない。
【0026】本発明のプライマーでは、必要に応じてコ
ンクリートへの浸透性を高めるため、親水性親油性バラ
ンス(HLB)を調節するための非イオン型の界面活性
剤を添加してもよい。添加量は重合性不飽和化合物10
0重量部に対し、0.1〜5重量部であり、非イオン型
界面活性剤としてはアルキルフェニルエーテル型、アル
キルエステル型、アルキルアミン型、ソルビタン誘導体
などがある。また特開昭55−62970号公報に記載
されている界面活性剤を例示することができる。
【0027】更に本発明では、必要に応じて湿潤したコ
ンクリート面での弾き防止、接着性向上のため公知の方
法で揺変性を付与してもよく、あるいはシランカップリ
ング剤を添加してもよい。揺変性付与については、例え
ば揺変剤としてシリカパウダー(エアロジルタイプ)、
マイカパウダー、炭酸カルシウムパウダーなどを重合性
不飽和化合物100重量部に対し0.1〜50重量部添
加する方法などがあり、シランカップリング剤について
は、必要に応じモレキュラーシーブなどの吸湿剤を併用
し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなど
を0.1〜20重量部添加するなどの方法がある。また
本発明のプライマー用組成物では、コンクリート内部の
水蒸気圧によるプライマーの膨れを解決するため、必要
に応じセメントや数mm以下の有機あるいは無機の短繊
維を添加することも良く、例えば特開平6−27137
3号公報、特開昭57−10656号公報に記載のもの
を添加してもよい。
【0028】本発明において、可視光とは380〜78
0nmの波長領域の光線を示す。本発明のFRPライニ
ング用、プライマー用、パテ用及びトップコート用防水
材組成物は、380〜780nmの可視光を照射するこ
とによって短時間で硬化することができる。本発明の成
形方法に使用される光源としては、380〜780nm
の波長領域の光を出す光源であれば良く、例えばメタル
ハライドランプ、キセノンランプ、近赤外光ランプ、ナ
トリウムランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、陽光ラン
プ、太陽光などを使用することができる。また、各種の
ランプを組み合わせて使用することもできる。屋外の作
業では特に太陽光が有効である。また、より早い硬化速
度を得るためにはエネルギー準位の高い短波長の光が有
効である。ランプの照射時間としては、光源の有効波長
域、出力、照射距離、組成物の厚さ、充填材の配合量な
どにより異なるため一概に規定できないが、0.01時
間以上、好ましくは0.05時間以上照射すれば良い。
【0029】本発明の光硬化性防水材及びその防水被覆
工法においては、可視光重合開始剤を添加した光硬化性
タイプであるため、安全な可視光照射のみで完全硬化で
きるため、トラブルなく安全に作業性を向上することが
できる。また反応性モノマーの揮発や、可使時間の問題
が解決でき、硬化することが可能であり、経済性にも優
れている。本発明によれば、防水被覆工法の全工程を光
硬化にもできるし、その一部を光硬化にすることも可能
である。
【0030】
【実施例】以下に示す実施例、比較例により、本発明の
内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重
量基準を示す。 (実施例1)不飽和ポリエステル樹脂[商品名:リゴラ
ックFK−2000:昭和高分子(株)製]:100部
に、紫外光から可視光領域まで感光性を有するビスアシ
ルフォスフィンオキサイド系重合開始剤(商品名:イル
ガキュア1800:チバスペシャリティーケミカルズ
(株)製、以下I−1800と略す):1.0部を添加
した光硬化性樹脂組成物をガラス繊維#450チョップ
ドストランドマット(旭ファイバーグラス(株)製)3
0cm×30cm、1ply(厚さ約1mm)ガラスコ
ンテントが30%となるように含浸し、上下をビニロン
フィルムで被覆した。以上の工程で作製したFRPライ
ニング層積層物をビニロンフィルムで被覆した上に、3
80nm以下カットフィルターであるフィルターSC3
8(富士フィルム(株)製)で被覆し、直射日光下に1
0分間放置して光硬化させた後、直ちに積層物を室内に
移して30分以内に、JIS K−6911における機
械的強度を測定したところ、過酸化物による常温硬化2
4時間後の強度レベル以上に達していた。結果は表1に
示す。
【0031】(比較例1)実施例1と同じ樹脂に、常温
硬化触媒であるパーメックN(日本油脂(株)製)/ナ
フテン酸コバルト(Co:6%)=1.0部/0.5部
を添加し、ガラス繊維#450チョップドストランド
(旭ファイバーグラス(株)製)30cm×30cm、
1plyにガラスコンテントが30%になるように含浸
し、23℃で常温硬化させた。樹脂のゲル化時間は45
分であった。樹脂のゲル化1時間後、5時間後及び24
時間後の、JIS K−6911における機械的強度を
30分以内に測定した。1時間後の試験片作成は樹脂の
硬化不足のため切断面の欠け、崩れが発生し正常な試験
片は採取できなかった。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2) (プライマー塗布)ビニルエステル樹脂[商品名リポキ
シR−802:昭和高分子(株)製]:100部に紫外
光から可視光領域まで感光性を有するアシルフォスフィ
ンオキサイド系化合物系重合開始剤I−1800:1.
0部を混合し光硬化性プライマーとした。光硬化性樹脂
組成物を30cm×30cm×6cmのコンクリート舗
道板の上面(30cm×30cm)にハケで0.2kg
/m2 の厚さに塗布し、30分暗所に放置し、プライマ
ー組成物をコンクリート内部に浸透させた後、実施例1
で用いたカットフィルターSC38で被覆し、直射日光
下に5分間放置すると表面のタックがなくなり硬化し
た。 (不陸調整)次に、不陸調整のためにI−1800:
1.0部を添加して光硬化型としたリポキシパテFMW
(昭和高分子(株)製)を薄く塗布してカットフィルタ
ーSC38で被覆した後直射日光下に5分間放置すると
表面のタックがなくなり、硬化した。 (FRPライニング)次に不陸調整した塗布面に、ノン
スチレン型ビニルエステル樹脂[リポキシNSR−11
2:昭和高分子(株)製]:100部にI−1800:
1.0部を添加して光硬化性FRPライニング用樹脂と
したものとガラス繊維#450チョップドストランドマ
ット2ply(厚さ約2mm)を使用し、ハンドレイア
ップ成形でガラスコンテントが30%となるように積層
しカットフィルターSC38で被覆した後、直射日光下
で10分間放置すると完全硬化した。作業中スチレン臭
は少なく短時間作業であった。 (接着性テスト)光硬化性防水材の性能を確認するた
め、ADHESION TESTER elcomet
erを使用して、接着面積4.9cm2 における接着強
度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材
破壊でコンクリートを5〜10mm程度剥離させてい
た。接着性は良好であり、優れた防水被覆工法であるこ
とを確認した。結果を表2に示す。
【0034】(実施例3) (プライマー塗布)1液型ウレタンプライマー[商品
名:UM−50P、昭和高分子(株)製]を30cm×
30cm×6cmのコンクリート舗道板の上面(30c
m×30cm)に刷毛で塗布し、常温で放置すると1時
間で乾燥した。 (FRPライニング)次に乾燥した上記プライマー塗布
面上にリゴラックFK−2000:100部にあらかじ
めI−1800:1.0部を添加した光硬化性FRPラ
イニング用樹脂としたものをガラス繊維#450チョッ
プドストランドマット2ply(厚さ約2mm)を使用
しハンドレイアップ成形でガラスコンテントが30%と
なるように積層し、可視光領域の波長の光源である2K
Wメタルハライドランプ[商品名:ダイナビーム2、東
芝ライテック(株)製]を使用して1mの距離で10分
間光照射すると完全に硬化した。光照射5分後には積層
物表面からのスチレン揮散による臭気はなかった。 (接着性テスト)光硬化性防水材の性能を確認するた
め、ADHESION TESTER elcomet
erを使用して、接着面積4.9cm2 における接着強
度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材
破壊でコンクリートを5〜10mm程度剥離させてい
た。接着性は良好であり、優れた防水被覆工法であるこ
とを確認した。結果を表2に示した。
【0035】(比較例2) (プライマー塗布)1液型ウレタンプライマー[商品
名:UM−50P、昭和高分子(株)製]を30cm×
30cm×6cmのコンクリート舗道板の上面(30c
m×30cm)に刷毛で塗布し、常温で放置すると1時
間で乾燥した。 (FRPライニング)次に乾燥した上記プライマー面上
にリゴラックFK−2000:100部に、常温硬化触
媒であるパーメックN/ナフテン酸コバルト(Co:6
%)=1.0部/0.5部を添加して常温硬化性FRP
ライニング用樹脂としたものに、ガラス繊維#450チ
ョップドストランド2plyを使用し、ハンドレイアッ
プ成形でガラスコンテントが30%となるように積層
し、常温で24時間放置して硬化させた。樹脂のゲル化
時間は45分であった。積層終了後積層物表面からのス
チレン揮散による臭気が感じられなくなるまでには約4
時間を要した。 (接着性テスト)光硬化性防水材の性能を確認するた
め、ADHESION TESTER elcomet
erを使用して、接着面積4.9cm2 における接着強
度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材
破壊でコンクリートを5〜10mm程度剥離させてい
た。結果を表2に示す。
【0036】(実施例4)実施例2で行ったプライマー
塗布、不陸調整、FRPライニング工程の後にアクリル
樹脂[商品名:アクリシラップDR−500、三菱レイ
ヨン(株)製]:100部にI−1800:1.0部を
添加し光硬化性トップコートとしたものを0.2Kg/
2 の割合で塗布し、カットフィルターSC38で被覆
した後直射日光下で10分間放置すると完全に硬化し
た。 (接着性テスト)光硬化性防水材の性能を確認するた
め、ADHESION TESTER elcomet
erを使用して、接着面積4.9cm2 における接着強
度及びその破壊状況を調べたところ、コンクリート母材
破壊でコンクリートを5〜10mm程度剥離させてい
た。トップコートの接着性も良好であり、優れた防水被
覆工法であることを確認した。結果を表2に示す。
【0037】(実施例5) [屋上防水施工実験] (前準備)100m2 の平坦なコンクリートの屋上に下
地処理後テントを設営し、直射日光が当たらないように
した。 (プライマー塗布)ビニルエステル樹脂:リポキシR−
802:100部に、I−1800:0.5部を混合し
た光硬化性プライマーを0.2Kg/m2 の厚さに15
分かけて刷毛で塗布し、テントで直射日光を遮ったまま
更に5分間放置すると間接光による光反応で表面のタッ
クがなくなり硬化した。 (不陸調整)次に樹脂100部にI−1800:0.5
部を添加して光硬化型としたリポキシパテFMW(昭和
高分子(株)製)を使用して不陸調整を行った。パテ使
用箇所はテントで直射日光を遮ったままの状態で、パテ
塗布後15分で間接光による光反応で表面のタックがな
くなり硬化した。
【0038】(FRPライニング)ノンスチレン型ビニ
ルエステル樹脂:リポキシNSR−112にI−180
0:0.5部を添加した光硬化性FRPライニング用樹
脂を、まず0.4Kg/m2 の厚さに15分かけてロー
ラーで下塗りし、その上に更に幅1040mmのガラス
繊維#450チョップドストランドマット[ECM45
0−198Y−CT−N/C(セントラルグラスファイ
バー(株)製]1plyを10cm程度ラップさせなが
ら貼り、同樹脂組成物0.8Kg/m2 をローラーで塗
布した後、脱泡ローラーで脱泡し、鉄ローラーで平滑に
した。以上の作業を45分間で終了し、半分の面積分の
テントを除去して日向の部分と日陰の部分を設けたとこ
ろ、日向の部分は10分間で完全硬化し、日陰の部分は
40分で完全硬化した。作業中のスチレン臭は日向部分
では5分後、日陰部分では20分後からほとんど感じら
れなかった。 (トップコート塗装)再びテントを全面に張り、全面日
陰とした後、アクリル樹脂(アクリシラップ(DR−5
00):100部にI−1800:0.5部を添加し光
硬化性トップコートとしたものを15分間かけて0.2
Kg/m2 に塗布し、全面のテントを外したところ直射
日光下で10分で完全硬化した。
【0039】(接着性テスト)光硬化性防水材の性能を
確認するため、トップコート層硬化30分後に、ADH
ESION TESTER elcometerを使用
して、接着面積4.9cm2 で接着強度及びその破壊状
況を調べたところ、コンクリート母材破壊で、コンクリ
ートを5〜10mm程度剥離させた。接着強度も25k
gf/cm2 と良好であった。スチレン臭も少ない優れ
た防水被覆工法であることを確認した。
【0040】
【表2】 1)C :コンクリート母材破壊
【0041】
【発明の効果】本発明の光硬化性防水材は、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂またはアクリル樹脂に可視光重合開始剤を配合
することにより製造することができ、このため現場にお
いて過酸化物触媒を取り扱う危険性、煩雑さを解消し、
かつ過酸化物触媒につきまとう可使時間の調整などの問
題が解消され、遮光しておくことにより安定に貯蔵で
き、またこの硬化に際しては、光源としては安全性の高
い可視光領域を使用して、常温であっても短時間で硬化
でき、その場合に反応性モノマーなどの揮散による樹脂
組成の変化や悪臭などの環境汚染を大幅に改善でき、短
時間で表面のタックがなくなるだけでなく、硬化時間も
短時間で十分であり、接着強度及び剥離強度も従来方法
による過酸化物触媒を使用し、長時間硬化させた硬化物
と比較して勝るとも劣らない高い接着を容易に得ること
ができる極めて優れた光硬化性防水材である。また本発
明の防水被覆工法は、本発明の光硬化性防水材を使用す
ることにより、上記の利点を保持しながら短時間での防
水被覆が可能となったものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門田 俊彦 群馬県伊勢崎市山王町2019−32 (72)発明者 杉田 修一 東京都港区芝大門一丁目13番9号 昭和電 工株式会社内 (72)発明者 鎌田 博稔 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内 (72)発明者 渡辺 岳男 千葉県千葉市緑区大野台一丁目1番1号 昭和電工株式会社総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重合性不飽和化合物: ・・・1
    00重量部、及び(B)可視光重合開始剤:
    ・・・0.01〜20重量部を含有することを特徴
    とする光硬化性防水材。
  2. 【請求項2】 重合性不飽和化合物が不飽和ポリエステ
    ル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹
    脂及びアクリル樹脂から選択される1種である請求項1
    に記載の光硬化性防水材。
  3. 【請求項3】 可視光重合開始剤がアシルフォスフィン
    オキサイド系化合物である請求項1に記載の光硬化性防
    水材。
  4. 【請求項4】 光硬化性防水材がプライマー用、パテ
    用、FRPライニング用またはトップコート用の防水材
    である請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性防水
    材。
  5. 【請求項5】 プライマー塗布、不陸調整、ライニング
    層形成またはトップコート層形成のすべての工程または
    その一部の工程に請求項1〜4のいずれかに記載の光硬
    化性防水材を用い、光照射することにより硬化させるこ
    とを特徴とする防水被覆工法。
  6. 【請求項6】 ウレタンプライマーを塗布して乾燥後、
    請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性防水材を、不
    陸調整、ライニング層形成及びトップコート層形成のす
    べての工程またはその一部の工程に使用し、光照射する
    ことにより硬化させて行うことを特徴とする防水被覆工
    法。
  7. 【請求項7】 光照射の光源が可視光領域の波長の光を
    発する光源である請求項5または6に記載の防水被覆工
    法。
  8. 【請求項8】 可視光領域の波長の光を発する光源が太
    陽光および/または自然光である請求項7記載の防水被
    覆工法。
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