JPH084266A - 防水性舗装構造物およびその施工法 - Google Patents

防水性舗装構造物およびその施工法

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JPH084266A
JPH084266A JP13339194A JP13339194A JPH084266A JP H084266 A JPH084266 A JP H084266A JP 13339194 A JP13339194 A JP 13339194A JP 13339194 A JP13339194 A JP 13339194A JP H084266 A JPH084266 A JP H084266A
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glycol
urethane
methacrylic acid
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JP13339194A
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English (en)
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Shizuo Shimooka
静夫 下岡
Taneo Okamoto
種男 岡本
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Kanebo NSC KK
Original Assignee
Kanebo NSC KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】浮きや亀裂等の損傷が発生せず、耐衝撃性,耐
摩耗性,耐薬品性,耐ガソリン性,耐候性等の特性に優
れた軽量の防水性舗装構造物を提供する。 【構成】下地基板1に対し、ウレタン弾性層3,ウレタ
ンプライマー層4,重合性塗膜層5が、順次積層形成さ
れた防水性舗装構造物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体駐車場の床,工場
の床,倉庫の床,スロープ,競技場等のスタンド,ベラ
ンダ,廊下等の防水性を必要とする下地基盤に形成され
る防水性舗装構造物およびその施工法に関するものであ
る。
【0002】上記立体駐車場の床等は、下の階に雨水等
が漏らないように防水処理が施される。この防水処理
は、上記床等の下地基盤の上にプライマー層を介して、
ゴムや合成樹脂等からなる防水層を形成することにより
行われる。この防水層としては、防水性,施工性等の見
地からウレタン弾性層が賞用されている。この防水層に
より、下の階への雨水等の漏出が遮断されるようにな
る。しかし、駐車場等の床は、車両の通行等により、常
に、大きな荷重や衝撃等を受けるため、一定期間が経過
すると、上記防水層に剥離,クラック,摩耗等が生じ、
防水性が損なわれるという問題が発生する。そこで、上
記防水層の層上にさらに保護層を形成した防水性舗装構
造物が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記防水性舗装構造物
の保護層として、従来から、セメントモルタルやアスフ
ァルト合材を打設して形成された保護層、ガラスマット
等により補強された合成樹脂製の保護層、塗料を塗工し
て形成される塗膜型保護層が使用されている。しかし、
これらの保護層は、以下のような問題を有する。
【0004】すなわち、上記セメントモルタル等を打設
して形成された保護層は、重量が大きいため、立体駐車
場等の建造物を耐重量構造とする必要があり、コストが
高くなるという問題がある。さらに、上記保護層が、防
水層と完全に密着しないため、車両の通行等による振動
や、気温変化による各層の膨張,収縮等により、保護層
の浮きや割れが発生するという問題もある。
【0005】また、上記ガラスマット等により補強され
た合成樹脂製の保護層は、防水層の層上に、ポリエステ
ル樹脂等を含浸したガラスマットを敷設し、上記樹脂を
硬化させることにより形成される。この合成樹脂製の保
護層は、ガラスマット等により補強されているため、強
度に優れるが、以下の欠点を有する。すなわち、ガラス
マットが必要不可欠であるため、保護層をシームレスに
することが困難である。保護層をシームレスにするため
には、ガラスマットを積層する必要があり、これにとも
なう新たな合成樹脂の含浸工程や研磨工程を必要とし、
施工性が著しく悪くなる。また、ガラスマットを用いず
にポリエステル樹脂等だけで保護層を形成すると、強度
が低下するばかりでなく、ポリエステル樹脂等の硬化時
に発生する強い収縮応力のため、保護層が防水層から剥
がれるという問題もある。
【0006】そして、上記塗膜型保護層は、アクリルウ
レタン樹脂やフッ素樹脂等を主成分とした塗料を塗工し
て形成される保護層である。この塗膜型保護層は、軽量
で施工性が良いため、最もよく用いられている保護層で
ある。しかし、この塗膜型保護層は、厚みが薄く、また
膜自身の強度も弱いため、耐摩耗性に劣るという問題が
ある。
【0007】さらに、上記3種類の従来の保護層に共通
する問題として、耐薬品性,耐ガソリン性,耐候性が悪
いため、薬品工場等の床に対して用いた場合、短期間で
劣化するという問題がある。また、これらの保護層は、
柔軟性も悪いため、衝撃を受けると割れや剥がれが発生
しやすいという問題がある。そして、このような保護層
および防水層からなる従来の防水性舗装構造物は、下地
基盤に対する追従性が悪いため、下地基盤のクラック発
生や熱膨張等により、防水層に破断や亀裂が発生すると
いう問題もある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、各層の浮きや亀裂等の損傷が発生せず、耐衝撃
性,耐摩耗性,耐薬品性,耐ガソリン性,耐候性等の特
性に優れた軽量の防水性舗装構造物およびその施工法の
提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の防水性舗装構造物およびその施工法は、下
地基盤に対し、下記の(A)〜(C)層が順次積層形成
されている防水性舗装構造物を第1の要旨とする。 (A)ウレタン弾性層。 (B)ウレタンプライマー層。 (C)重合性塗膜層。
【0010】そして、下地基盤に対し、下記の(D)〜
(F)の塗剤を順次塗工して硬化させる防水性舗装構造
物の施工法を第2の要旨とする。 (D)ウレタン塗剤。 (E)ウレタンプライマー。 (F)重合性塗膜形成剤。
【0011】
【作用】上記課題を解決するために、本発明者等は、軽
量で施工性に優れた塗膜型保護層の適用を中心に一連の
研究を重ねた。その結果、塗膜型保護層として、重合性
塗膜層を用いれば、得られる防水性舗装構造物が軽量と
なり、また耐摩耗性,耐薬品性,耐ガソリン性,耐候性
等の特性が優れるようになることを突き止めた。また、
この重合性塗膜層を、防水層となるウレタン弾性層の層
上に、ウレタンプライマー層を介して形成すれば、各層
の密着性が優れるようになり、得られる防水性舗装構造
物の耐衝撃性が向上し、割れや剥がれ等の損傷の発生が
抑制されることを突き止めた。そして、この防水性舗装
構造物は、多層構造となるため、下地基盤に対する追従
性が優れるようになり、下地基盤にクラック等が発生し
ても、この防水性舗装構造物に破断等が生じなくなるこ
とも突き止めた。さらに、この防水性舗装構造物は、各
層形成用の塗剤を順次塗工し、これらを硬化することに
より作製できるため、施工が容易になることを見出し、
上記知見と併せて本発明に到達した。本発明により、軽
量で高性能の防水性舗装構造物を容易に形成することが
可能となる。
【0012】つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0013】本発明の防水性舗装構造物は、下地基盤に
対し、必要に応じてプライマー層を介して、ウレタン弾
性層(A層),ウレタンプライマー層(B層),重合性
塗膜層(C層)を順次積層形成したものである。
【0014】上記プライマー層は、下地基盤と、防水性
舗装構造物との密着性を向上させる目的で形成されるも
のである。このプライマー層の形成には、舗装材等にお
いて従来から使用されているプライマーを用いて形成さ
れる。このプライマーとしては、反応性ポリウレタン,
反応性エポキシ樹脂,アクリル酸エステル共重合体,ス
チレン−ブタジエンゴム,エチレン酢酸ビニル共重合
体,ポリアミド,ポリエステル等のエマルジョンまたは
ラテックス溶液等があげられる。このなかで反応性ポリ
ウレタンや反応性エポキシ樹脂等が好ましく、特に好ま
しくは反応性ポリウレタンのプライマーである。これら
のプライマーは、単独であるいは2種類以上併用され
る。
【0015】上記A層であるウレタン弾性層は、防水性
舗装構造物の防水層となるものであり、ウレタン塗剤
(D)を用いて形成される。このウレタン塗剤(D)と
しては、特に制限するものではなく、一般に、防水材,
床材,舗装材等に用いられるウレタン塗剤を用いること
ができる。このなかでも、主剤と硬化剤とからなる2液
型ウレタン塗剤を用いることが好ましい。すなわち、こ
の2液硬化型ウレタン塗剤を用いて形成されたウレタン
弾性層は、優れた防水性や弾性を有するからである。具
体例としては、「最新ポリウレタンの合成・配合と機能
化・用途展開(技術情報協会発行,1989年)」の第
484頁〜499頁に記載のものがあげられる。
【0016】上記ウレタンプライマー層(B層)は、防
水層(ウレタン弾性層)と保護層(重合性塗膜層)との
密着性を向上させる目的で形成されるものである。この
ウレタンプライマー層の形成には、ウレタンプライマー
(E)が使用される。このウレタンプライマーとして
は、特に制限するものではなく、舗装業界で使用されて
いるウレタンプレポリマー型のプライマーはすべて使用
できるが、上記ウレタン弾性層および重合性塗膜層との
接着性に優れる湿気硬化型ウレタンプライマーを使用す
ることが好ましい。特に好ましくは、イソシアネート基
を有するモノマーとポリオールとの重合付加で得られる
ウレタンプレポリマー型のウレタンプライマーである。
具体例としては、「最新ポリウレタンの合成・配合と機
能化・用途展開(技術情報協会発行,1989年)」の
第368頁〜370頁に記載のものがあげられる。
【0017】つぎに、上記重合性塗膜層(C層)は、重
合性塗膜形成剤(F)を用いて形成される。この重合性
塗膜形成剤(F)としては、特に制限するものではな
く、例えば、特公平1−36508号公報、特開平4−
202410号公報、特開平5−78545号公報に開
示のアクリル系シラップ組成物を使用することができ
る。しかし、本発明の防水性舗装構造物の形成において
は、以下に示す重合性塗膜形成剤(Fx)および重合性
塗膜形成剤(Fy)の少なくとも一方の重合性塗膜形成
剤を使用することが好ましい。これら重合性塗膜形成剤
(Fx,Fy)は、上記と同様のアクリル系シラップ組
成物であるが、これらを用いて得られる重合性塗膜層
(C層)は、上記アクリル系シラップ組成物を用いて得
られる重合性塗膜層よりも、さらに耐摩耗性,耐薬品
性,耐ガソリン性等の特性が優れるようになる。
【0018】まず、重合性塗膜形成剤(Fx)について
説明する。
【0019】上記重合性塗膜形成剤(Fx)は、下記の
(a)〜(f)成分を含有するものである。 (a)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
アルキルエステルの少なくとも一つ。 (b)上記(a)に可溶性のアクリル系重合体。 (c)上記(a)に可溶性の可塑剤または下記の(イ)
〜(チ)からなる群から選択された少なくとも一つ。 (イ)アルコキシアルキレングリコールアクリル酸エス
テル (ロ)アルコキシポリアルキレングリコールアクリル酸
エステル (ハ)アルコキシアルキレングリコールメタクリル酸エ
ステル (ニ)アルコキシポリアルキレングリコールメタクリル
酸エステル (ホ)アルキルフェノキシアルキレングリコールアクリ
ル酸エステル (ヘ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールア
クリル酸エステル (ト)アルキルフェノキシアルキレングリコールメタク
リル酸エステル (チ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールメ
タクリル酸エステル (d)2個以上の重合性二重結合を有するモノマー。 (e)融点が40℃以上のパラフィンワックス。 (f)重合禁止剤。
【0020】上記(a)成分は、アクリル酸アルキルエ
ステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの一方、あ
るいはこれら双方を含むものでる。
【0021】上記アクリル酸アルキルエステルとして
は、例えば、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,ア
クリル酸プロピル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸
イソブチル,アクリル酸t−ブチル,アクリル酸シクロ
ヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸
ノニル,アクリル酸ラウリル等のアクリル酸アルキルエ
ステルや、アクリル酸2−ヒドロキシエチル,アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステルがあげられる。
【0022】上記メタクリル酸アルキルエステルとして
は、例えば、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸n−ブチル,
メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸t−ブチル,メ
タクリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘ
キシル,メタクリル酸ノニル,メタクリル酸ラウリル等
のメタクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルがあげ
られる。
【0023】上記アクリル酸アルキルエステルおよびメ
タクリル酸アルキルエステルは、単独であるいは2種類
以上併用することができる。2種類以上併用する場合、
アクリル酸2−エチルヘキシル〔ガラス転移温度(T
g)=−70℃〕のようなガラス転移温度の低い成分を
単独で使用すると、得られる重合性塗膜層の硬化性が悪
くなるため、メタクリル酸メチル(Tg=104℃)の
ようなガラス転移温度が高い成分と併用することが好ま
しい。これらアクリル酸アルキルエステルおよびメタク
リル酸アルキルエステルの好ましい使用態様(組合わ
せ)としては、(a)成分全体に対し、ホモポリマーの
ガラス転移温度(Tg)が80℃以上のモノマーが30
〜80重量%(以下「%」と略す)、ホモポリマーのガ
ラス転移温度(Tg)が0℃以下のモノマー15〜70
%の組合わせである。具体的には、ホモポリマーのガラ
ス転移温度(Tg)が80℃以上のモノマーとして、例
えば、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸t−ブチル
と同じガラス転移温度(Tg)が0℃以下のモノマーと
して、例えば、アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチ
ルヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタク
リル酸ラウリルとの混合物(組合わせ)が、塗膜に適度
な強度と柔軟性を与えることから好ましい。
【0024】そして、この(a)成分の配合割合は、通
常、上記(a)〜(c)成分全体の30〜90%の範囲
に設定され、好ましくは51〜85%、特に好ましくは
60〜75%の範囲である。すなわち、30%未満であ
ると、重合性塗膜形成剤の粘性が高くなりすぎて、塗工
作業に支障をきたす傾向がみられ、逆に、90%を超え
ると重合性塗膜形成剤の硬化性が悪くなる傾向がみられ
るからである。
【0025】つぎに、上記アクリル系重合体(b)成分
は、上記アクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸ア
ルキルエステルの(a)成分に可溶性のものである。こ
のアクリル系重合体は、重合性塗膜形成剤(Fx)の粘
度調整,硬化時間の短縮化,形成される重合性塗膜層の
強度と柔軟性のバランス調整による耐久性の向上を目的
として配合されるものである。上記アクリル系重合体と
しては、アクリル系やメタクリル系のモノマーを重合し
たものがあげられる。例えば、上記アクリル酸アルキル
エステル(a)成分の説明であげたモノマーや、メタク
リル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−
ブチル,メタクリル酸i−ブチル,メタクリル酸t−ブ
チル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸
ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステルのモノマー
を重合させた重合体があげられる。好ましくは、メタク
リル酸メチルの重合体や、メタクリル酸メチルと重合体
としたときのガラス転移温度が低いモノマー(例えば、
アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−
ブチル,アクリル酸i−ブチル,アクリル酸2−エチル
ヘキシル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸2−
エチルヘキシル,メタクリル酸ラウリル)との共重合体
があげられる。すなわち、これらのアクリル系重合体を
使用すると、重合性塗膜形成剤の粘性が適度の範囲とな
って、塗工作業が向上したり、得られる重合性塗膜の強
度や柔軟性のバランスがとれて耐久性が向上するように
なるからである。
【0026】そして、このアクリル系重合体(b)成分
の配合割合は、通常、上記(a)〜(c)成分全体の1
0〜40%の範囲に設定され、好ましくは10〜24
%、特に好ましくは15〜24%の範囲である。すなわ
ち、10%未満であると、重合性塗膜形成剤の硬化性が
悪くなる傾向がみられ、逆に40%を超えると重合性塗
膜形成剤の粘性が高くなりすぎて塗工作業等に支障をき
たす傾向がみられるからである。
【0027】上記(c)成分は、上記(a)に可溶性の
可塑剤または下記の(イ)〜(チ)からなる群から選択
された少なくとも一つである。この(c)成分は、重合
性塗膜形成剤を用いて形成される重合性塗膜に可塑性を
付与し、下地基盤の動き(熱膨張等)に対する追従性の
向上を主な目的として配合されるものである。
【0028】(イ)アルコキシアルキレングリコールア
クリル酸エステル (ロ)アルコキシポリアルキレングリコールアクリル酸
エステル (ハ)アルコキシアルキレングリコールメタクリル酸エ
ステル (ニ)アルコキシポリアルキレングリコールメタクリル
酸エステル (ホ)アルキルフェノキシアルキレングリコールアクリ
ル酸エステル (ヘ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールア
クリル酸エステル (ト)アルキルフェノキシアルキレングリコールメタク
リル酸エステル (チ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールメ
タクリル酸エステル
【0029】上記可塑剤としては、例えば、ジブチルフ
タレート,ジアリルフタレート,ジヘブチルフタレー
ト,ジn−オクチルフタレート,ジn−エチルヘキシル
フタレート,オクチルデシルフタレート,ジn−デシル
フタレート,ジイソデシルフタレート,ブチルベンジル
フタレート等のフタル酸エステル類や、ジ2−エチルヘ
キシルアジペート,オクチルデシルアジペート,ジ2−
エチルヘキシルセバケート,ジブチルセバケート,ジ2
−エチルヘキシルアゼレート,ポリプロピレングリコー
ル,塩素化パラフィンや、アジピン酸系,アゼライン酸
系,セバチン酸系,フタル酸系のポリエステル系高分子
可塑剤や、エポキシ化油,エポキシ化脂肪酸,エステル
等のエポキシ系高分子可塑剤があげられる。このなかで
も、プロピレングリコール,塩素化パラフィン,ジアリ
ルフタレートが好ましく、特に好ましくはジアリルフタ
レートである。また、これらは単独であるいは2種類以
上併用される。
【0030】また、上記可塑剤以外の上記(イ)〜
(チ)は、硬化生成物(重合性塗膜層)に可撓性を付与
するために使用されるものである。具体例としては、メ
トキシテトラエチレングリコールメタクリレート,エト
キシトリエチレングリコールメタクリレート,ノニルフ
ェノキシトリエチレングリコルアクリレート,エトキシ
ジエチレングリコールアクリレート,n−ブトキシエチ
ルメタクリレート,2−フェノキシエチルメタクリレー
ト,フェノキシテトラエチレングリコールアクリレー
ト,ノニルフェノキシテトラエチレングリコールアクリ
レート,ノニル2−エチルエトキシジエチレングリコー
ルアクリレート,ブトキシジエチレングリコールアクリ
レート等があげられる。これらは、単独で、あるいは2
種類以上併用することが可能である。
【0031】そして、上記(c)成分の上記可塑剤また
は上記(イ)〜(チ)からなる群から選択された少なく
とも一つのなかで、ノニルフェノキシテトラエチレング
リコールアクリレートを使用することが好ましい。
【0032】また、上記(c)成分の配合割合は、一般
に、上記(a)〜(c)成分全体の0.5〜30%の範
囲に設定され、好ましくは、1〜25%、特に好ましく
は2〜10%の範囲である。すなわち、0.5%未満で
あると、形成される重合性塗膜の可塑性が不充分とな
り、下地基盤への追従性が悪くなる傾向がみられ、逆に
30%を超えると重合性塗膜の耐汚れ性が悪くなる傾向
がみられるからである。
【0033】つぎに、上記2個以上の重合性二重結合を
有するモノマー(d)成分は、重合性塗膜形成剤の硬化
に際して、上記(a),(C)成分を架橋させ、得られ
る重合性塗膜の耐久性を向上させる目的で配合されるも
のである。また、この(d)成分の配合により、重合性
塗膜の耐薬品性,耐汚れ性も向上するようになる。この
ような重合性二重結合を有するモノマーとしては、エチ
レングリコールジアクリレート、1,2−プロピレング
リコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート等のアルカンジオールジ−アクリレートや、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジプリピレンプロピレ
ングリコール−ジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、テトラエチレングリコール−ジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の
ポリオキシアルキレン−グリコールジアクリレートや、
ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルフ
タレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート、アリルアクリレート、ジアリルフマレート
等があげられる。また、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等のアルカ
ンジオールジ−メタクリレートや、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジプリピレンプロピレングリコー
ル−ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラエチレングリコール−ジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等のポ
リオキシアルキレン−グリコールジメタクリレートや、
アリルメタクリレート等があげられる。このなかでも、
エチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレ
ングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレートが好ましく、特に好ましくは、エチ
レングリコールジアクリレートである。また、これらは
単独であるいは2種類以上併用される。
【0034】また、上記2個以上の重合性二重結合を有
するモノマー(d)成分の配合割合は、一般に、上記
(a)〜(c)成分合計100重量部(以下「部」と略
す)に対し、20部以下に設定され、好ましくは、0.
1〜10部、特に好ましくは1〜5部の範囲である。す
なわち、20部を超えると重合性塗膜の柔軟性が低下す
る傾向がみられるからである。
【0035】つぎに、上記融点が40℃以上のパラフィ
ンワックス(e)成分は、重合性塗層形成の際の、空気
遮断作用,重合性塗膜層の表面への光沢の付与,重合性
塗膜層の耐汚れ性の付与等を目的として配合されるもの
である。この融点が40℃以上のパラフィンワックス
(e)成分としては、例えば、パラフィンワックス、ポ
リエチレンワックス、ステアリン酸、1,2−ヒドロキ
システアリン酸等の高級脂肪酸があげられる。このなで
も、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
【0036】上記融点が40℃以上のパラフィンワック
ス(e)成分の配合割合は、一般に、上記(a)〜
(c)成分合計100部に対し、0.1〜5部の範囲に
設定され、好ましくは、0.1〜3部、特に好ましくは
0.2〜2部の範囲である。すなわち、0.2部未満で
あると、重合性塗膜形成剤の硬化性が低下する傾向がみ
られ、逆に2部を超えると重合性塗膜層の外観不良や重
ね塗り時の接着阻害の発生の傾向がみられるからであ
る。
【0037】つぎに、上記重合禁止剤(f)成分は、重
合性塗膜形成剤(Fx)の貯蔵安定性や硬化速度の調整
のために用いられるものである。この重合禁止剤(f)
成分としては、例えば、ハイドロキノン、モノメトキシ
−ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、2−t−ブチル−p−クレゾールがあげられ
る。このなかで、添加量の制御が容易な、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−p−ク
レゾールを用いることが好ましい。
【0038】上記重合禁止剤(f)成分の配合割合は、
一般に、重合性塗膜形成剤(Fx)全体の0.001〜
0.005%の範囲に設定され、好ましくは、0.00
2〜0.004%、特に好ましくは、0.002〜0.
003%の範囲である。すなわち、0.001%未満で
あると、重合禁止の効果が得られなくなるおそれがあ
り、逆に0.005%を超えると重合性塗膜形成剤(F
x)の硬化反応を阻害するおそれがあるからである。
【0039】さらに、本発明に用いる重合性塗膜形成剤
(Fx)には、上記(a)〜(f)成分に加えて、硬化
性向上の目的で硬化剤と硬化促進剤とからなるレドック
ス系触媒を配合することができる。また、得られる重合
性塗膜層の耐候性等の向上の目的で紫外線吸収剤等の添
加剤も配合することができる。
【0040】つぎに、もう一方の重合性塗膜形成剤であ
る重合性塗膜形成剤(Fy)について説明する。
【0041】上記重合性塗膜形成剤(Fy)は、下記の
(g)〜(j)成分を含有するものである。 (g)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
アルキルエステルの少なくとも一つ。 (h)ビニルエステル樹脂。 (i)パラフィンワックスおよび空乾性不飽和樹脂の少
なくとも一つ。 (j)重合禁止剤。
【0042】上記(g)成分は、前述の重合性塗膜形成
剤(Fx)の(a)成分と同様のものを使用することが
できる。また、その配合割合は、一般に、重合性塗膜形
成剤(Fy)全体の2〜80%の範囲に設定され、好ま
しくは、5〜70%、特に好ましくは10〜60%の範
囲である。すなわち、2%未満であると、重合性塗膜形
成剤の粘性が高くなり、塗工作業に支障をきたす傾向が
みられ、逆に80%を超えると重合性塗膜層形成の際の
硬化性がおとる傾向がみられるからである。
【0043】つぎに、上記ビニルエステル樹脂(h)と
しては、以下の2種類の樹脂をあげることができる。 (1) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を有するエポキシアクリレー
ト (2) 分子末端にアクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアクリ
レート
【0044】上記(1)の分子末端にアクリレート基お
よびメタクリレート基の少なくとも一つの基を有するエ
ポキシアクリレートは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸
とをエステル化触媒の存在下で反応させて得られるエポ
キシビニルエステルである。上記エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独またはビ
スフェノールタイプのエポキシ樹脂とノボラックタイプ
のエポキシ樹脂とを混合した樹脂が使用される。このエ
ポキシ樹脂としては、平均エポキシ当量が、150〜4
50のものを使用することが好ましい。
【0045】上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂
としては、例えば、以下の3種類のエポキシ樹脂があげ
られる。 エピクロルヒドリンとビスフェノールAもしくはビ
スフェノールFとの反応により得られる、1分子中に2
個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル型のエ
ポキシ樹脂。 メチルエピクロルヒドリンとビスフェノールAもし
くはビスフェノールFとの反応により得られるジメチル
グリシジルエーテル型のエポキシ樹脂。 ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物と
エピクロルヒドリンもしくはメタエピクロルヒドリンと
を反応させて得られるエポキシ樹脂。
【0046】上記ノボラックタイプのエポキシ樹脂とし
ては、フェノールノボラックまたはクレゾールノボラッ
クとエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られるエポキシ樹脂、臭素化フェノ
ールノボラックまたは臭素化クレゾールノボラックとエ
ピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとの
反応により得られるエポキシ樹脂があげられる。これら
のエポキシ樹脂は、硬化収縮の低減,耐熱性,耐薬品性
に優れるため、目的,用途により、ビスフェノールタイ
プのエポキシ樹脂と適量で混合して用いられる。また、
この混合割合は、適宜選択して設定することができる。
【0047】上記不飽和一塩基酸としては、例えば、ア
クリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,モノメチルマレ
ート,モノプロピルマレート,ソルビン酸,モノ(2−
エチルヘキシル)マレートがあげられる。これら不飽和
一塩基酸は、単独であるいは2種類以上併用できる。
【0048】上記不飽和一塩基酸のなかで、経済性や物
性等の見地から、アクリル酸,メタクリル酸が好まし
い。また、上記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応
は、通常、温度60〜140℃、好ましくは80〜12
0℃で、一般に使用される触媒(例えば、「ビニルエス
テル樹脂」の第16頁に記載の触媒;化学工業日報社,
1993年6月初版)存在下で行うことが望ましい。ま
た、この反応により得られるエポキシアクリレートにお
いて、数平均分子量は、900〜2500、好ましく
は、1200〜2300の範囲に調節する。すなわち、
数平均分子量が、900未満であると、得られる樹脂硬
化物の物性が低下するおそれがあり、逆に、2500を
超えると硬化時間が長くなって作業性の低下を来すおそ
れがあるからである。
【0049】つぎに、他のビニルエステル樹脂である上
記(2)の分子末端にアクリレート基およびメタクリレ
ート基の少なくとも一つの基を有するポリエステルアク
リレートとしては、アクリレート基およびメタクリレー
ト基の少なくとも一つの基を1分子中に有する飽和ある
いは不飽和のポリエステルがあげられる。また、このポ
リエステルと、アクリル酸エステルモノマーやメタクリ
ル酸エステルモノマーの重合性不飽和モノマーとの混合
液があげられる。好ましくは、分子の両末端にカルボキ
シル基を有する飽和または不飽和ポリエステルに不飽和
グリシジル化合物を反応させて得られる分子両末端にア
クリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一つ
の基を有するポリエステルアクリレートである。
【0050】上記飽和あるいは不飽和ポリエステルは、
グリコール成分あるいはトリオール成分と、二塩基酸あ
るいは三塩基酸とのエステル反応により得られるもので
ある。なお、必要に応じて、モノエポキサイド化合物,
エポキシ化合物,イソシアネート化合物等を併用しても
よい。
【0051】上記グリコール成分としては、以下のグリ
コール類があげられる。 エチレングリコール,プロピレングリコール,ブチ
レングリコール等のアルキレングリコール類。 ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,
ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類。 ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノ
ールS等の2価フェノールと、エチレンオキサイドやプ
ロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドとの付加
反応生成物。
【0052】上記トリオールとしては、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,
2,6−ヘキサントリオール等があげられる。
【0053】そして、二塩基酸には酸無水物も含まれ、
このような二塩基酸あるいは酸無水物としては、i−フ
タル酸,o−フタル酸,テトラヒドロ無水フタル酸,ヘ
キサヒドロ無水フタル酸,テトラクロルフタル酸,マロ
ン酸,コハク酸,アジピン酸,マレイン酸,無水マレイ
ン酸等があげられる。
【0054】上記三塩基酸としては、トリメット酸、ア
コニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カルボキシ−
3−メチル−1,2,3,6ヘキサヒドロフタル酸等が
あげられる。
【0055】そして、これらグリコールおよびトリオー
ルと、二塩基酸および三塩基酸との好ましい組み合わせ
としては、グリコールと二塩基酸、グリコールと三塩基
酸、トリオールと二塩基酸、トリオールと三塩基酸、グ
リコールおよびトリオールと二塩基酸および三塩基酸の
組合わせである。この組合わせにより得られるポリエス
テルアクリレートは、可撓性,強靱性,耐薬品性の利点
を有する。このなかでも、グリコールおよびトリオール
と二塩基酸との組合わせが、特に好ましい。
【0056】このようなビニルエステル樹脂(h)成分
の配合割合は、一般に、重合性塗膜形成剤(Fy)全体
の25〜75%の範囲に設定され、好ましくは、30〜
70%、特に好ましくは40〜60%の範囲である。す
なわち、25%未満であると、重合性塗膜層形成の際の
硬化性が劣る傾向がみられ、逆に75%を超えると重合
性塗膜形成剤の粘性が高くなり、塗工作業に支障をきた
す傾向がみられるからである。
【0057】上記パラフィンワックスおよび空乾性不飽
和樹脂の少なくとも一つ(i)成分は、重合性塗膜形成
剤(Fy)の硬化を促進させるために使用するものであ
る。したがって、重合性塗膜形成剤(Fy)には、パラ
フィンワックスおよび空乾性不飽和樹脂のいずれか一方
を必ず配合する必要がある。また、パラフィンワックス
および空乾性不飽和樹脂を同時に使用してもよい。
【0058】上記パラフィンワックスは、前述の重合性
塗膜形成剤(Fx)であげたパラフィンワックスと同様
のものを用いることができる。
【0059】また、上記空乾性不飽和樹脂は、空気存在
下での重合性塗膜形成剤(Fy)の硬化反応を促進させ
る目的で配合されるものである。
【0060】上記空乾性不飽和樹脂は、例えば、不飽和
ポリエステル樹脂に空乾性成分を導入することにより得
ることができる。
【0061】上記不飽和ポリエステル樹脂としては、前
述のビニルエステル樹脂(h)成分であげた樹脂等を使
用することができる。そして、上記不飽和ポリエステル
樹脂に空乾性成分を導入する方法は、例えば、以下の
(1)〜(4)の4つの方法があげられる。
【0062】(1) 上記不飽和ポリエステル樹脂の調
製材料として、グリコール成分とともに、アリルエーテ
ル基を含有する化合物を併用する。 (2) 上記不飽和ポリエステル樹脂の調製材料とし
て、酸成分とともに、環状脂肪族不飽和多塩基酸および
その誘導体を含有する化合物を併用する。 (3) 上記不飽和ポリエステル樹脂の調製材料の一つ
として、ジシクロペンタジエンを含有する化合物を用い
る。 (4) 上記不飽和ポリエステル樹脂の調製材料の一つ
として、乾性油およびエポキシ反応性希釈剤を併用す
る。
【0063】上記(1)の方法で用いられる、アリルエ
ーテル基は、下記の式で表されるものである。
【0064】−O−CH2 −CH=CH2
【0065】そして、上記アリルエーテル基を含有する
化合物としては、例えば、エチレングリコールモノアリ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレング
リコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコール
モノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノア
リルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエ
ーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテ
ル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、
ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレン
グリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパ
ンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリ
ルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリ
ンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリル
エーテル、ペンタエリストールトリアリルエーテル等の
多価アルコール類のアリルエーテル化合物や、アリルグ
リシジルエーテル等のオキシラン環を有するアリルエー
テル化合物があげられる。このなかでも、空気酸化機能
および経済性の見地から、トリメチロールプロパンアリ
ルエーテル,アリルグリシジルエーテル,グリセリンジ
アリルエーテル,トリエチレングリコールモノアリルエ
ーテル,トリメチロールプロパンモノアリルエーテル,
トリメチロールプロパンジアリルエーテル,アリルグリ
シジルエーテルが好ましく、特に好ましくは、トリメチ
ロールプロパンジアリルエーテル,アリルグリシジルエ
ーテルである。そして、上記アリルエーテル化合物は、
単独であるいは2種類以上併用される。
【0066】上記アリルエーテル化合物とともに使用さ
れるグリコール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノー
ルA、エチレングリコールカーボネート等があげられ
る。このなかでも、工業的に量産される汎用品が好まし
く、特に好ましくは、ビスフェノールA、1,4−ブタ
ンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリ
コールである。上記グリコール成分は、単独であるいは
2種類以上併用される。また、この他にも、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も用いるこ
とができる。そして、ポリエチレンテレフタレート等の
重縮合物も、上記不飽和ポリエステル樹脂等の調製材料
であるグリコール成分および酸成分の一部として使用す
ることができる。
【0067】上記(2)の方法で用いられる環状脂肪族
不飽和多塩基酸およびその誘導体を含有する化合物とし
ては、テトラヒドロ無水フタル酸,エンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無水フタル
酸,α−テルヒネン−無水マレイン酸付加物,ロジン,
エステルガム等があげられる。このなかで、物性,耐候
性の見地からテトラヒドロ無水フタル酸,エンドメチレ
レンテトラヒドロ無水フタル酸,メチルテトラヒドロ無
水フタル酸が好ましく、特に好ましくはテトラヒドロ無
水フタル酸である。そして、上記環状脂肪族不飽和多塩
基酸等は、単独であるいは2種類以上併用される。
【0068】上記環状脂肪族不飽和多塩基酸等とともに
用いる酸としては、先のビニルエステル樹脂(g)成分
の箇所で述べたもの等があげられるが、具体的には、以
下にあげる酸が使用される。すなわち、α、β−不飽和
二塩基酸またはその酸無水物としては、マレイン酸,無
水マレイン酸,フマル酸,イタコン酸,シトラコン酸,
クロルマレイン酸や、これらの酸あるいは酸無水物のエ
ステル等があげられる。また、芳香族飽和二塩基酸また
はその酸無水物としては、フタル酸,無水フタル酸,イ
ソフタル酸,テレフタル酸,ニトロフタル酸,ハロゲン
化無水フタル酸や、これらの酸あるいは酸無水物のエス
テル等があげられる。そして、脂肪族あるいは脂肪族飽
和二塩基酸としては、シュウ酸,マロン酸,コハク酸,
アジピン酸,セバシン酸,アセライン酸,グルタル酸,
ヘキサヒドナ無水フタル酸や、これらの酸のエステル等
があげられる。このなかで、物性および経済的な見地か
ら、無水マレイン酸,マレイン酸,無水フタル酸,フタ
ル酸,アジピン酸,フマル酸が好ましく、特に好ましく
は、無水マレイン酸,無水フタル酸である。これらの酸
および酸無水物等は、単独であるいは2種類以上併用さ
れる。
【0069】上記(3)の方法で用いられるジシクロペ
ンタジエンを含有する化合物は、特に制限するものでは
ないが、例えば、ヒドロキシ化ジシクロペンタジエンが
あげられる。
【0070】上記(4)の方法で用いられる乾性油とし
ては、アマニ油,大豆油,綿実油,落花生油,やし油等
や、これらの脂肪油とグリセリン等の多価アルコールと
の反応物があげられる。このなかでも、その効果の優劣
から、シクロペンタジエン化油あるいはシクロペンタジ
エンとの反応物が好ましい。上記乾性油は、単独である
いは2種類以上併用される。
【0071】また、上記(4)の方法で、乾性油ととも
に用いられるエポキシ反応性希釈剤としては、モノエポ
キシ化合物,ポリエポキシ化合物等があげられる。そし
て、モノエポキシ化合物の具体例としては、アリルグリ
シジルエーテル,n−ブチルグリシジルエーテル,フェ
ニルグリシジルエーテル,グリシジルメタアクリル酸エ
ステル等があげられる。そして、ポリエポキシ化合物の
具体例としては、ジグリシジルエーテル等があげられ
る。このなかでも、その効果の優劣から、モノエポキシ
化合物が好ましく、特に好ましくはグリシジルメタクリ
レート,フェニルグリシジルエーテル,アリルグリシジ
ルエーテルである。また、上記エポキシ反応性希釈剤
は、単独であるいは2種類以上併用される。
【0072】上記パラフィンワックスおよび空乾性不飽
和樹脂の配合割合は、以下のとおりである。すなわち、
パラフィンワックス単独で使用する場合は、一般に、重
合性塗膜形成剤(Fy)全体の0.1〜5%,好ましく
は0.15〜3%,特に好ましくは、0.2〜2%の範
囲である。また、空乾性不飽和樹脂単独で用いる場合
は、一般に、重合性塗膜形成剤(Fy)全体の0.1〜
20%,好ましくは0.2〜15%,特に好ましくは
0.3〜10%の範囲である。また、パラフィンワック
スおよび空乾性不飽和樹脂を併用する場合、この合計配
合割合は、一般に、重合性塗膜形成剤(Fy)全体の
0.1〜80%の範囲に設定され、好ましくは、1〜8
0%、特に好ましくは1.5〜50%の範囲である。す
なわち、0.1%未満であると、重合性塗膜層形成の際
の硬化性がおとる傾向がみられ、逆に80%を超えると
重合性塗膜形成剤の粘性が高くなったり、得られる重合
性塗膜層が外観不良となる傾向がみられるからである。
また、パラフィンワックスおよび空乾性不飽和樹脂を併
用する場合の、両者の配合比(重量比)は、一般にパラ
フィンワックス/空乾性不飽和樹脂=1/100〜1/
5,好ましくは、パラフィンワックス/空乾性不飽和樹
脂=1/80〜1/5,特に好ましくは、パラフィンワ
ックス/空乾性不飽和樹脂=1/50〜1/5の範囲で
ある。
【0073】つぎに、上記重合禁止剤(j)成分は、重
合性塗膜形成剤(Fy)の貯蔵安定性や硬化速度の調整
のために用いられるものである。この重合禁止剤(j)
成分としては、ハイドロキノン、モノメトキシ−ハイド
ロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
2−t−ブチル−p−クレゾールがあげられる。このな
かで、添加量の制御が容易な、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、2−t−ブチル−p−クレゾールを
用いることが好ましい。
【0074】そして、上記重合禁止剤(j)成分の配合
割合は、一般に、重合性塗膜形成剤(Fy)全体の0.
001〜0.005%の範囲に設定され、好ましくは、
0.002〜0.004%、特に好ましくは0.002
〜0.003%の範囲である。すなわち、0.001%
未満であると、重合禁止の効果が得られなくなるおそれ
があり、逆に0.005%を超えると重合性塗膜形成剤
(Fy)の硬化反応を阻害するおそれがあるからであ
る。
【0075】さらに、本発明に用いる重合性塗膜形成剤
(Fy)には、上記(g)〜(j)成分に加えて、硬化
性向上の目的で硬化剤と硬化促進剤とからなるレドック
ス系触媒を配合することができる。また、得られる重合
性塗膜層の耐候性等の向上の目的で紫外線吸収剤等の添
加剤も配合することができる。
【0076】つぎに、本発明の防水性舗装構造物の施工
法について説明する。本発明の防水性舗装構造物は、以
上説明してきた塗剤、すなわち、ウレタン塗剤(D)、
ウレタンプライマー(E)、重合性塗膜形成剤(F)、
および必要に応じてプライマーを用い、例えば、以下の
ようにして作製することができる。
【0077】すなわち、まず、必要に応じて、下地基盤
にプライマーを塗工する。このプライマーの塗工は、ロ
ーラー刷毛等を用いて行うことができる。また、プライ
マーの塗工割合は、形成されるプライマー層の厚みによ
って決定されるが、一般に、下地基盤面積当たり0.1
〜0.5kg/m2 、好ましくは0.2〜0.4kg/
2 の割合である。
【0078】そして、上記塗工されたプライマーが硬化
しない間に、このプライマーの上にウレタン塗剤(D)
をローラー刷毛等により塗工し、上記塗工されたプライ
マーおよびウレタン塗剤(D)を硬化させてプライマー
層およびウレタン弾性層(A層)を形成する。上記ウレ
タン塗剤(D)の塗工割合は、形成されるウレタン弾性
層(A層)の厚みによって決定されるが、一般に、下地
基盤面積当たり1〜10kg/m2 、好ましくは3〜1
0kg/m2 の割合である。なお、上記プライマー層を
介さず、下地基盤に直接ウレタン塗剤(D)を塗工して
もよい。しかし、得られる防水性舗装構造物の下地基盤
への密着性の見地から、プライマー層を介してウレタン
塗剤を塗工するのが好ましい。
【0079】つぎに、上記ウレタン弾性層(A層)の層
上に、ウレタンプライマー(E)をローラー刷毛等によ
り塗工する。このウレタンプライマー(E)の塗工割合
は、形成されるウレタンプライマー層(B層)の厚みに
よって決定されるが、一般に、下地基盤面積当たり0.
05〜0.7kg/m2 、好ましくは0.1〜0.3k
g/m2 の割合である。
【0080】そして、上記塗工されたウレタンプライマ
ー(E)が硬化しない間に、このウレタンプライマー
(E)の上に重合性塗膜形成剤(F)をローラー刷毛等
により塗工する。ついで、上記塗工されたウレタンプラ
イマー(E)および重合性塗膜形成剤(F)を硬化させ
てウレタンプライマー層(B層)および重合性塗膜層
(C層)を形成する。上記重合性塗膜形成剤(F)の塗
工割合は、形成される重合性塗膜層(C層)の厚みによ
って決定されるが、一般に、下地基盤面積当たり0.2
〜7kg/m2 、好ましくは0.5〜3kg/m2 の割
合である。
【0081】このようにして、図1に示すような防水性
舗装構造物を作製することができる。図において、1は
下地基盤を示し、2はプライマー層を示し、3はウレタ
ン弾性層(A層)を示し、4はウレタンプライマー層
(B層)を示し、5は重合性塗膜層(C層)を示す。ま
た、各層の厚みは、防水性舗装構造物の施工場所の種類
等のより適宜決定されるが、それぞれ、プライマー層
0.1〜0.5mm,ウレタン弾性層(A層)0.2〜
5mm,ウレタンプライマー層(B層)0.05〜0.
3mm,重合性塗膜層(C層)0.2〜5mmの範囲、
好ましくは、プライマー層0.2〜0.3mm,ウレタ
ン弾性層(A層)3〜10mm,ウレタンプライマー層
(B層)0.05〜0.2mm,重合性塗膜層(C層)
0.5〜3mmの範囲である。そして、防水性舗装構造
物全体としての厚みも、防水性舗装構造物の施工場所の
種類等のより適宜決定されるが、一般に、3〜15m
m,好ましくは5〜10mmの範囲である。
【0082】上記防水性舗装構造物において、上記ウレ
タン弾性層(A層)を、性能が異なる2種類以上のウレ
タン弾性層を積層形成して多層のウレタン弾性層として
もよい。このようにすることにより、防水層となるウレ
タン弾性層の強度が向上するようになり、強い荷重や応
力等が加わっても、破断や亀裂等の損傷発生が抑制され
るようになる。また、上記重合性塗膜層(C層)も、性
能が異なる2種類以上の重合性塗膜層を積層形成して多
層の重合性塗膜層としてもよい。このようにすると、上
記ウレタン弾性層と同様に、重合性塗膜層の強度等の特
性が向上するようになるからである。
【0083】また、図2に示すように、防水性舗装構造
物にノンスリップ性等を付与する目的で、上記重合性塗
膜層(C層)5の表層部に骨材層6を形成してもよい。
すなわち、塗工された重合性塗膜形成剤(F)の上に骨
材を散布した後、これを硬化させることにより、骨材層
6を形成することが可能である。この骨材としては、粉
砕石,砂,砂利,硅砂等があげられる。そして、この骨
材の脱落防止の目的で、骨材層6の上にさらに重合性塗
膜剤を塗布して重合性塗膜層を形成してもよい。上記重
合性塗膜層の形成時に、着色剤を配合すれば、得られる
防水性舗装構造物の美観性が向上するようになる。
【0084】そして、本発明の防水性舗装構造物におい
て、強度の向上,ひび割れ防止,その他の機能付加の目
的で、各種繊維布を使用することができる。この繊維布
は、付加しようとする機能に応じて適宜選択されるが、
例えば、ビニロン,ポリエステル等の合成繊維、ガラス
繊維、カーボン繊維があげられる。このなかでも、合成
繊維やガラス繊維が好ましい。また、繊維の形態も、特
に制限するものではないが、例えば、平織り,朱子織
り,不織布,マット状があげられる。このなかでも、施
工性や柔軟保持性の観点から不織布および平織りが好ま
しい。そして、本発明の防水性舗装構造物においての上
記繊維布の使用態様も、特に制限するものではなく、層
を選択して部分的に使用してもよいし、全部の層に使用
してもよい。また、これらの繊維布を用いた本発明の防
水性舗装構造物の施行法も、特に制限するものではな
く、例えば、先に述べたガラスマット補強合成樹脂製の
保護層と同様の方法で施工することができる。
【0085】
【発明の効果】以上のように、本発明の防水性舗装構造
物は、防水層となるウレタン弾性層の層上に、ウレタン
プライマー層を介して重合性塗膜層を形成したものであ
る。すなわち、上記ウレタンプライマー層の作用によ
り、ウレタン弾性層と重合性塗膜層の密着性が優れるよ
うになる。この結果、得られる防水性舗装構造物の耐衝
撃性が向上し、割れや剥がれ等の損傷の発生が抑制され
るようになる。また、本発明の防水性舗装構造物は、多
層構造であるため、下地基盤に対する追従性が優れるよ
うになり、下地基盤にクラック等が発生しても、防水性
舗装構造物に破断等が生じなくなる。そして、上記重合
性塗膜層は、軽量であるため、得られる防水性舗装構造
物も軽量となる。さらに、上記重合性塗膜層は、耐摩耗
性,耐薬品性,耐ガソリン性,耐候性等に優れるため、
得られる防水性舗装構造物も耐摩耗性,耐薬品性,耐ガ
ソリン性,耐候性等の各種特性に優れるようになる。こ
のように、本発明の防水性舗装構造物は、軽量で、各種
特性および耐久性に優れている。したがって、本発明の
防水性舗装構造物は、軽量性が要求され、かつ大きな荷
重や強い衝撃が常に加わる立体駐車場の床や、薬品やガ
ソリン等を常時使用する工場の床等の苛酷な条件の下地
基盤の防水処理に最適である。また、本発明の防水性舗
装構造物の施工法は、各層形成用塗剤を順次塗工し、こ
れらを硬化するという簡単で作業性に優れた施工法であ
る。したがって、本発明の防水性舗装構造物の施工法に
より、軽量で高性能の防水性舗装構造物を容易に形成す
ることが可能となる。
【0086】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0087】
【実施例1】JIS R 5201に準ずる厚み5cm
の標準モルタルの上に、一液ウレタンプライマーを0.
2kg/m2 の割合で、ローラー刷毛を用いて塗工し
た。この上に、強度35kg/cm2 ,伸度700%
(JIS A 6201に準拠、以下同じ),硬度58
(JIS K 6301に準拠、以下同じ)の性質を有
する2液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記
プライマーおよびウレタン塗剤が硬化した後、一液ウレ
タンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、ローラー
刷毛を用いて塗工した。そして、30分後に、重合性塗
膜形成剤であるアクリル系シロップ組成物(ディオバH
TP460,大日本インキ社製)に過酸化ベンゾイル
(純度50%)を6%の割合で混合し、この混合物を上
記一液ウレタンプライマーの上に1kg/m2 の割合で
塗工し、さらに、この上に硅砂5号を1kg/m2 の割
合で散布した。そして、一液ウレタンプライマーおよび
アクリル系シロップ組成物を硬化させて、総厚み5mm
の防水性舗装構造物を作製した。なお、未接着の硅砂
は、回収した。
【0088】
【実施例2】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記プライ
マーおよびウレタン塗剤が硬化した後、強度80kg/
cm2 ,伸度400%,硬度85の性能を有する2液型
ウレタン塗剤を厚み2mmで塗工した。このウレタン塗
剤硬化後、一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2
の割合で、ローラー刷毛を用いて塗工した。そして、3
0分後に、実施例1と同じアクリル系シロップ組成物に
過酸化ベンゾイル(純度50%)を6%の割合で混合
し、この混合物を上記一液ウレタンプライマーの上に1
kg/m 2 の割合で塗工し、さらに、この上に硅砂5号
を1kg/m2 の割合で散布した。そして、一液ウレタ
ンプライマーおよびアクリル系シロップ組成物を硬化さ
せて、総厚み6mmの防水性舗装構造物を作製した。な
お、未接着の硅砂は、回収した。
【0089】
【実施例3】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記プライ
マーおよびウレタン塗剤が硬化した後、強度80kg/
cm2 ,伸度400%,硬度85の性能を有する2液型
ウレタン塗剤を厚み2mmで塗工した。このウレタン塗
剤硬化後、一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2
の割合で、ローラー刷毛を用いて塗工した。そして、3
0分後に、実施例1と同じアクリル系シロップ組成物に
過酸化ベンゾイル(純度50%)を6%の割合で混合
し、この混合物を上記一液ウレタンプライマーの上に1
kg/m 2 の割合で塗工し、さらに、この上に硅砂5号
を1kg/m2 の割合で散布した。そして、一液ウレタ
ンプライマーおよびアクリル系シロップ組成物の硬化
後、未接着の硅砂を回収し、さらに、上記と同様のアク
リル系シロップ組成物に過酸化ベンゾイル(純度50
%)を6%の割合で混合し、この混合物を硅砂を散布し
たアクリル系シロップ組成物の上に0.5kg/m2
割合で塗工し、これを硬化させて、総厚み6mmの防水
性舗装構造物を作製した。
【0090】
【実施例4】アクリル系シラップ組成物として、アクリ
ルシラップDR460(三菱レーヨン社製)を用いた他
は、実施例1と同様にして、標準モルタル板の上に、総
厚み5mmの防水性舗装構造物を作製した。なお、上記
アクリルシラップは、前述の説明において、重合性塗膜
形成剤(Fx)に相当するものである。
【0091】
【比較例1】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。そしてこれ
を硬化させて、総厚み3mmの防水性舗装構造物を作製
した。
【0092】
【比較例2】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記プライ
マーおよびウレタン塗剤が硬化した後、2液型アクリル
ウレタン塗剤を0.2kg/m2 の割合で、ローラー刷
毛を用いて塗工した。そして、これを硬化させて、総厚
み3mmの防水性舗装構造物を作製した。
【0093】
【比較例3】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記プライ
マーおよびウレタン塗剤が硬化した後、ウレタン弾性層
の上に、セメントおよび砂からなるモルタル(重量配合
比:セメント/水/砂=1/2/1)を20mm厚みで
打設した。そして、これを硬化させて、総厚み25mm
の防水性舗装構造物を作製した。
【0094】
【比較例4】実施例1と同様の標準モルタル板の上に、
一液ウレタンプライマーを0.2kg/m2 の割合で、
ローラー刷毛を用いて塗工した。この上に、強度35k
g/cm2 ,伸度700%,硬度58の性質を有する2
液型ウレタン塗剤を3mm厚みで塗工した。上記プライ
マーおよびウレタン塗剤が硬化した後、強度80kg/
cm2 ,伸度400%,硬度85の性能を有する2液型
ウレタン塗剤を厚み2mmで塗工した。このウレタン塗
剤硬化後、2液型アクリルウレタン塗剤を0.2kg/
2 の割合で、ローラー刷毛を用いて塗工した。そし
て、これを硬化させて、総厚み5mmの防水性舗装構造
物を作製した。
【0095】このようにして作製した、実施例1〜4
品,比較例1〜4品の防水性舗装構造物について、落球
衝撃試験,破断伸び試験,破壊荷重試験,耐候性試験,
耐摩耗性試験,接着性試験,耐薬品および耐ガソリン試
験の各種試験を行った。その結果を、下記の表1に示
す。なお、上記各種試験は、以下に示す方法に従い行っ
た。
【0096】〔落球試験〕2kgの鋼球を1mの高さか
ら防水性舗装構造物へ落下させた。そして、防水性舗装
構造物の割れ,剥離,破断等の損傷の有無を評価した。
この評価は、割れ等の損傷が全く確認できなかったもの
を○、僅かに損傷が確認できたものを△、損傷が確認で
きたものを×で表した。
【0097】〔破断伸び試験〕下地基盤としてスレート
板(10cm×2.5cm)の上に、上記実施例1〜
3、および比較例1〜4と同様にして防水性舗装構造物
を形成したものを試験サンプルとした。そして、上記ス
レート板の裏側中心部(防水性舗装構造物を形成してい
ない側)にクラックを発生させた。ついで、この試験サ
ンプルの長手方向両端を、テンシロンUTM−II型引
張試験機で、50mm/分の速さで引張り、破断発生ま
での伸びを測定した。
【0098】〔破壊荷重試験〕上記破断伸び試験におい
て、破断発生までの最大荷重を測定した。
【0099】〔耐候性試験〕防水性舗装構造物を屋外
(大阪府箕面市内)に1年間水平暴露した。そして、防
水性舗装構造物表面の白亜化,変色,表面劣化等の発生
を観察し、評価した。この評価は、防水性舗装構造物表
面が、全く変化しなかったものを○、白亜化,変色,表
面劣化等の表面変化を僅かに確認できたものを△、白亜
化,変色,表面劣化等の表面変化をはっきりと確認でき
たものを×で表した。
【0100】〔耐摩耗性試験〕JIS K 7204に
準じ、荷重1kg,摩耗輪H−22,回転数500回転
の条件での摩耗量を測定した。
【0101】〔接着性試験〕建研式一軸接着試験機を用
いて、4cm角数の鉄製アタッチメントを防水性舗装構
造物の表面に接着させ、これを防水性舗装構造物表面に
対し垂直方向に引っ張った時の接着力を測定した。
【0102】〔耐薬品および耐ガソリン試験〕薬品とし
て5%硝酸溶液およびガソリンを用い、これらを防水性
舗装構造物の表面に滴下して、この表面の変化を観察
し、評価した。この評価は、防水性舗装構造物表面が、
全く変化しなかったものを○、変色,褪色,表面劣化等
の表面変化を僅かに確認できたものを△、変色,褪色,
表面劣化等の表面変化をはっきりと確認できたものを×
で表した。
【0103】
【表1】
【0104】上記表1の結果から、実施例1〜4品の防
水性舗装構造物は、各種特性の全てに優れていることが
わかる。とくに、防水層として2種類のウレタン弾性層
を積層した実施例2品の防水性舗装構造物は、破断伸び
に著しく優れていた。また、防水層として2種類のウレ
タン弾性層を積層し、さらに保護層として2種類の重合
性塗膜層を積層した実施例3品の防水性舗装構造物は、
破断伸びおよび破壊荷重が著しく優れていた。これに対
し、保護層が無い比較例1品の防水性舗装構造物は、耐
候性および耐摩耗性が著しく悪く、従来のアクリルウレ
タン系の保護層を有する比較例2品の防水性舗装構造物
は、耐摩耗性が著しく悪かった。また、保護層がセメン
トモルタルの比較例3品の防水性舗装構造物は、落球試
験が著しく悪く、保護層が従来の2液型アクリルウレタ
ン系の比較例4品の防水性舗装構造物は、耐摩耗性が悪
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水性舗装構造物の一実施例の断面図
である。
【図2】本発明の防水性舗装構造物のその他の実施例の
断面図である。
【符号の説明】
1 下地基盤 3 ウレタン弾性層 4 ウレタンプライマー層 5 重合性塗膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04D 5/10 D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地基盤に対し、下記の(A)〜(C)
    層が順次積層形成されていることを特徴とする防水性舗
    装構造物。 (A)ウレタン弾性層。 (B)ウレタンプライマー層。 (C)重合性塗膜層。
  2. 【請求項2】 上記(C)層である重合性塗膜層が、下
    記の(a)〜(f)成分を含有する重合性塗膜形成剤か
    ら形成される請求項1記載の防水性舗装構造物。 (a)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
    アルキルエステルの少なくとも一つ。 (b)上記(a)に可溶性のアクリル系重合体。 (c)上記(a)に可溶性の可塑剤または下記の(イ)
    〜(チ)からなる群から選択された少なくとも一つ。 (イ)アルコキシアルキレングリコールアクリル酸エス
    テル (ロ)アルコキシポリアルキレングリコールアクリル酸
    エステル (ハ)アルコキシアルキレングリコールメタクリル酸エ
    ステル (ニ)アルコキシポリアルキレングリコールメタクリル
    酸エステル (ホ)アルキルフェノキシアルキレングリコールアクリ
    ル酸エステル (ヘ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールア
    クリル酸エステル (ト)アルキルフェノキシアルキレングリコールメタク
    リル酸エステル (チ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールメ
    タクリル酸エステル (d)2個以上の重合性二重結合を有するモノマー。 (e)融点が40℃以上のパラフィンワックス。 (f)重合禁止剤。
  3. 【請求項3】 上記(C)層である重合性塗膜層が、下
    記の(g)〜(j)成分を含有する重合性塗膜形成剤か
    ら形成される請求項1記載の防水性舗装構造物。 (g)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
    アルキルエステルの少なくとも一つ。 (h)ビニルエステル樹脂。 (i)パラフィンワックスおよび空乾性不飽和樹脂の少
    なくとも一つ。 (j)重合禁止剤。
  4. 【請求項4】 下地基盤に対し、下記の(D)〜(F)
    の塗剤を順次塗工して硬化させることを特徴とする防水
    性舗装構造物の施工法。 (D)ウレタン塗剤。 (E)ウレタンプライマー。 (F)重合性塗膜形成剤。
  5. 【請求項5】 上記(F)の塗剤である重合性塗膜形成
    剤が、下記の(a)〜(f)成分を含有する請求項4記
    載の防水性舗装構造物の施工法。 (a)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
    アルキルエステルの少なくとも一つ。 (b)上記(a)に可溶性のアクリル系重合体。 (c)上記(a)に可溶性の可塑剤または下記の(イ)
    〜(チ)からなる群から選択された少なくとも一つ。 (イ)アルコキシアルキレングリコールアクリル酸エス
    テル (ロ)アルコキシポリアルキレングリコールアクリル酸
    エステル (ハ)アルコキシアルキレングリコールメタクリル酸エ
    ステル (ニ)アルコキシポリアルキレングリコールメタクリル
    酸エステル (ホ)アルキルフェノキシアルキレングリコールアクリ
    ル酸エステル (ヘ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールア
    クリル酸エステル (ト)アルキルフェノキシアルキレングリコールメタク
    リル酸エステル (チ)アルキルフェノキシポリアルキレングリコールメ
    タクリル酸エステル (d)2個以上の重合性二重結合を有するモノマー。 (e)融点が40℃以上のパラフィンワックス。 (f)重合禁止剤。
  6. 【請求項6】 上記(F)の塗剤である重合性塗膜形成
    剤が、下記の(g)〜(j)成分を含有する請求項4記
    載の防水性舗装構造物の施工法。 (g)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
    アルキルエステルの少なくとも一つ。 (h)ビニルエステル樹脂。 (i)パラフィンワックスおよび空乾性不飽和樹脂の少
    なくとも一つ。 (j)重合禁止剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228649A (ja) * 1998-02-12 1999-08-24 Showa Highpolymer Co Ltd 光硬化性防水材及び防水被覆工法
KR100686452B1 (ko) * 2006-02-14 2007-02-26 니오가드(주) 주차장 방수바닥재 구조 및 그 시공방법
JP2015139984A (ja) * 2014-01-30 2015-08-03 小島プレス工業株式会社 木質化粧板の製造方法
KR101828018B1 (ko) * 2017-11-29 2018-02-12 (주)씨앤비 교면 방수용 접착재 조성물과 방수재 조성물 및 이를 이용한 교면 방수공법

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