JP2570898B2 - 防水材組成物、それを用いる防水被覆構造体及び防水被覆工法 - Google Patents

防水材組成物、それを用いる防水被覆構造体及び防水被覆工法

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JP2570898B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コンクリートやモルタルの構造物、金属駆
体を用いた構造物等土木建築物に用いられる亀裂追従
性、耐水性、酸素ガス透過性、遮塩性、駆体との一体
性、耐ブリスター性に優れる土木建築用防水材料組成
物、それを用いる被覆構造体及び防水被覆工法に関する
ものである。
〔従来の技術〕
土木建築物のコンクリート層や金属駆体を基体としそ
の上に防水用被覆体を設けた防水被覆塗膜型構造体とし
ては、特公昭52−25877号公報に記載されているよう
に、柔軟性のあるウレタン変性不飽和ポリエステル樹脂
と繊維補強材を組み合わせたFRP材を防水用被覆体とし
たFRP被覆構造体、あるいは特開昭63−27654号公報に記
載されているように、特殊な繊維補強材を用いたFRP防
水工法等、FRPを防水材料として用いるケースが増加し
ている。
一方屋根防水材の欠陥は膨れと破断である。ウレタン
やシートの様な柔軟な防水材の場合は膨れが問題になり
やすく、FRPの様な剛性材の場合、駆体追従性不足によ
る破断が生じ易い。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記FRP被覆構造体は、FRPに使用した熱硬化性樹脂の
性能により、耐水性、耐熱性、遮塩性、耐擦傷性、耐候
性、ガスバリヤー性等に優れるが、繊維補強材を混入し
ているため、材料の伸び率が非常に小さくなる欠点があ
る。このため、コンクリートやモルタルなどの建造物に
おいては、乾燥収縮や地盤沈下、地震などにより低速度
及び高速度の伸縮運動が繰り返し起こると、その表面に
亀裂が生じる。そして、このような亀裂は漏水の原因と
なることから、これら建造物には再度防水施工を行う必
要が生じるといった問題がある。
一般にこのような防水施工を行う場合、適用される防
水材としては、建造物素地面において低速及び高速の伸
縮運動や亀裂が生じた場合でも、形成された防水層自体
は容易に亀裂や剥離を生じないように、伸縮性、接着
性、さらには耐久性のすぐれたものであることが要求さ
れる。従って、土木建築用防水材としては、アスファル
ト防水、シート防水、ウレタン塗膜防水等柔軟タイプが
一般的に使用されている。又、近年FRP防水工法では、
不飽和ポリエステル用樹脂の柔軟なものを用いることで
駆体追従性を向上させる試みがなされている。
しかし、該樹脂の柔軟化は、伸び率のいい反面、他の
化学的性質及び物理的性質に劣るものとなる。例えば防
水材として最も重要な性質である耐水性や、構造物を塩
害により守るための遮塩性能、コンクリートの中性化を
防止する炭酸ガスバリヤー性能、その他に耐候性、耐擦
傷性等に問題が生じる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、重合性モノマー架橋型樹脂を柔軟化す
ることなく、性能をそのまま活かし、かつ亀裂追従性に
優れた土木建築用防水材組成物を開発するために種々研
究した結果、特定の物性をクリアーする重合性モノマー
架橋型樹脂を防水材に用いれば良いことを見い出し、本
発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、下記(イ)、(ロ)、(ハ)を含有
する繊維強化熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴と
する防水材組成物、 (イ)不飽和ポリエステル(ウレタン変性不飽和ポリエ
ステルを含まない)、ビニルエステル樹脂から選択され
るもので、2重結合力価400〜1200未満の樹脂で、JIS−
K−7113で規定する引張試験での応力と歪との曲線で示
される吸収エネルギーが、10000以上で、JIS−K−7113
で規定する引張試験に於て、引張り強さが100kg/cm2
上、引張伸び率 20%以上、硬度(ショアーD、ASTM06
76−55T)68以上の物性を有する重合性モノマー架橋型
熱硬化性樹脂、 (ロ)重合性モノマー (ハ)繊維補強材 更に、この防水材組成物を構造体の防水層とする土木
建築物の防水被覆構造体及びこの防水材組成物を構造体
の防水層とする土木建築物の防水被覆工法を提供するも
のである。
本発明で使用する重合性モノマー架橋型熱硬化性樹脂
(イ)は、JIS−K−7113で規定する引張り試験に於
て、引張り強さが100kg/cm2以上、引張り伸び率20%以
上、(硬度ショアD、ASTM0676−55T)68以上の物性を
有するものであることが必須であり、硬化反応がラジカ
ル重合である樹脂で、例えば不飽和ポリエステル樹脂、
ビニルエステル樹脂が挙げられ、好ましくは2重結合力
価400〜1200未満のものである。
該熱硬化性樹脂(イ)の引張り強さが100kg/cm2より
小さいと駆体亀裂追従性に劣り、引張り伸び率が20%よ
り小さいと駆体亀裂追従性に劣るものとなり、更に硬度
(ショアD)が68より小さいと耐水性、遮塩性に劣るも
のとなるので好ましくない。
更に本発明の樹脂(イ)は、JIS−K−7113引張り試
験での応力と歪との曲線で示される吸収エネルギー(R
s)が、10000以上であることが好ましく、特に20000以
上のものである。
こうした不飽和ポリエステル樹脂としては、ポリライ
トFW−281、FG−208(大日本インキ化学工業(株)製
品)、ビニルエステル樹脂としては、ディックライトUE
−1150等が挙げられる。
上記不飽和ポリエステル樹脂としては、α,β−不飽
和二塩基酸又はその酸無水物と、芳香族飽和二塩基酸又
はその酸無水物と、グリコール類の重縮合によって製造
され、場合によって酸成分として脂肪族あるいは脂環族
飽和二塩基酸を併用して製造された不飽和ポリエステル
が挙げられる。
また、上記ビニルエステル樹脂としては、前記、ポリ
エステル、不飽和ポリエステルの末端をアクリル酸等で
ビニル変性したアクリルビニルエステル樹脂、もしくは
エポキシ骨格(エポキシ樹脂)の末端をビニル変性した
エポキシビニルエステル樹脂が挙げられ、それぞれ重合
性モノマー(ロ)と混合された混合液を成分に有する熱
硬化性樹脂組成物が得られる。この樹脂40−75重量部に
重合性モノマー(ロ)としてα,β−不飽和単量体25〜
60重量部を混合した混合液を成分に有する熱硬化性樹脂
組成物が得られる。
上記のα,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物とし
ては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及びこれ
らのエステル等があり、芳香族飽和二塩基酸又はその酸
無水物としてはテレフタル酸イソフタル酸及びその他芳
香族飽和二塩基酸又は脂肪族或いは脂環族飽和二塩基酸
その酸無水物を併用してもよい。例えば芳香族飽和二塩
基酸又は脂肪族としては無水フタル酸、ニトロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれ
らのエステル等があり、脂肪族或いは脂環族飽和二塩基
酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒ
ドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、それ
ぞれ単独或いは併用して使用される。
グリコール類としては、例えばポリエチレングリコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェ
ノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ
−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等
が挙げられ、単独或いは併用して使用されるが、そのほ
かにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸
化物も同様に使用できる。また、グリコール類と酸成分
の一部としてポリエチレンテレフタレート等の重縮合物
も使用できる。さらにグリコールと酸より合成される不
飽和アルキッド樹脂の末端カルボキシル基とグリシジル
基を有する反応性モノマーを反応させて得られる樹脂も
使用できる。グリシジル基を有する反応性セノマーの代
表的なものとしてグリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート等がある。
上記した重合性モノマー架橋型熱硬化性樹脂のエポキ
シビニルエステル樹脂とは、さらに詳細には、ビスフェ
ノールタイプのエポキシ樹脂単独又はビスフェノールタ
イプのエポキシとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを
混合した樹脂であって、好ましくはその平均エポキシ当
量が150から450の範囲にあるエポキシ樹脂と不飽和一塩
基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られるエ
ポキシビニルエステルをいう。
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂と
して代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビ
スフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応によ
り得られる実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエ
ピクロルヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェ
ノールFとの反応により得られるジメチルグリシジルエ
ーテル型のエポキシ樹脂あるいはビスフェノールAのア
ルキレンオキシド付加物とエピクロルヒドリン若しく
は、メチルエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ
樹脂などである。また、上記ノボラックタイプのエポキ
シ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック
又はクレゾールノボラックと、エピクロルヒドリン又は
メチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポ
キシ樹脂などがある。
上記不飽和一塩基酸として代表的なものには、アクリ
ル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノメチル
マレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレー
ト、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マ
レートなどがある。なお、これらの不飽和一塩基酸は単
独でも、2種以上混合しても用いられる。
上記エポキシ樹脂と不飽和一塩基との反応は、60〜14
0℃、好ましくは80〜120℃の温度においてエステルか触
媒を用いて行われる。エステル化触媒としては、トリエ
チルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン若しくはジアザビシクロオクタンなどの如
き三級アミン、;あるいはジエチルアミン塩酸塩、ジメ
チル酢酸塩若しくはジメチルアミン硫酸塩などの如き公
知の触媒がそのまま使用できる。
また、これらに併用される重合性モノマー(ロ)の濃
度は、特に制限を設けるものではないが、作業性や含浸
性及び硬化物の性能上からは10〜60重量%が好ましい。
重合性モノマー(ロ)としては、スチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロ
ルスチレン、ビニルナフタレン、エチルビニルエーテ
ル、メチルビニルケトン、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、メチルメタアクリレート、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等のビニル化合物およびジア
リルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシ
ネート、トリアリルシアヌレート等のアリル化合物など
の不飽和ポリエステルと架橋可能なビニルモノマーある
いはビニルオリゴマー等が挙げられ、単独あるいは併用
で使用されるが、一般的にはスチレンが使用される。
上記不飽和ポリエステル樹脂、エポキシビニルエステ
ル樹脂を製造する際には、ゲル化を防止する目的や、生
成樹脂の保存安定性あるいは硬化性の調整の目的で重合
禁止剤を使用することが推奨される。ここで、使用され
る上記重合禁止剤として代表的なものを挙げれば、ハイ
ドロキノン、p−t−ブチルカテコール若しくはモノ−
t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;hハ
イドロキノンモノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチ
ル−p−クレゾールなどのフェノール類;p−ベンゾキノ
ン、ナフトキノン若しくはp−トルキノンなどのキノン
類;ナフテン酸銅の如き銅塩などがある。
上記重合性モノマー(ロ)と、重合性モノマー架橋型
熱硬化性樹脂(イ)の合計に占める重合性モノマーの割
合は30〜60重量%が好ましく、これら(イ)、(ロ)の
混合物の好ましい粘度は、0.5〜5ポイズの範囲であ
る。粘度が高い場合には後述する他の成分との混練が難
しくなり、低い場合には配合成分の分離を生じ易くな
る。
本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤、硬
化促進剤のほかに、増粘剤、低収縮剤等を添加してもよ
いが、特に硬化促進剤、硬化剤を含有することは好まし
い。硬化剤には、有機過酸化物が挙げられる。具体的に
はジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、
ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド
系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、
アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等の公知
のものが使用され、混練条件、養生温度等で適宜選択さ
れる。
その添加量は通常使用されている量であり、好ましく
は重合性モノマー架橋型熱硬化性樹脂組成物100重量部
に対して0.01〜4重量部である。上記硬化剤は組合わせ
て使用されても良い。
また、硬化促進剤、すなわち硬化剤の有機過酸化物を
レドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を
容易にする作用のある物質は、例えばコバルト系、バナ
ジウム系、マンガ系等の金属石鹸類、第3級アミン類、
第4級アンモニウム塩、メルカプタン類等がある。
本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物には、硬化収縮を
低減する目的で低収縮剤を添加することができる。低収
縮剤としては、熱可塑性樹脂で、具体例としては、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタ
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート
などのアクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエス
テル類、スチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの単量
体の単独重合体又は共重合体類、前記ビニル単量体の少
なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イソビニル
メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、
ヒドロキシルアルキルアクリレート又はメタクリレー
ト、アクリニトリル、メタクリルロニトリル、アクリル
酸、メタクリル酸、セチルステアリルメタクリレートよ
りなる単量体の少なくとも1種の共重合体などのほか、
セルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテ
ートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、
飽和ポリエステル等を挙げることができる。その添加量
は熱硬化性樹脂100重量部に対して0〜50重量部が好ま
しく、0〜35重量部が特に好ましい。
本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物には、上記添加剤
以外に充填剤、骨剤、顔料、染料等の着色剤等を添加し
ても良い。
本発明で使用される繊維補強材(ハ)としては、例え
ば、ガラス繊維、アミド、アラミド、ビニロン、ポリエ
ステル、フェノール等の有機繊維、カーボン繊維、金属
繊維、セラミック繊維或いはこれらを組合わせて用いら
れる。施工性、経済性を考慮した場合、好ましいのはガ
ラス繊維、有機繊維で、特にガラス繊維である。また、
繊維の形態は、平織り、朱子織り、不織布、マット状等
があるが、施工法、厚み保持等によりマット状が好まし
い。また、ガラスロービングを20〜100mmにカットして
チョップドストランドにして使用することも可能であ
る。上記(イ)〜(ハ)成分の全体に占める割合として
(ハ)成分は、1〜40重量%が好ましい。
本発明の防水被覆構造体は、防水材組成物を用いて土
木建築物の基体に次の様にして施工される。すなわち、
基体の上にまず、プライマと称されるものを塗布する工
程、プライマーとしては、ウレタン系、エポキシ系、ポ
リエステル系等種々のものがあり、施工性、基体状況等
より適宜選択される。
プライマー乾燥後、本発明の防水材組成物を被覆施工
する。その施工法は、ハンドレーアップやスプレーアッ
プ等で行えば良い。
本組成物は、目的用途によってこの上に種々の材料と
組合せて利用される。防水材として用いられる場合、こ
の片の上に耐候性に優れるフッ素、アクリル、ウレタ
ン、アクリルシリコン等公知慣用の上塗り塗料が塗布さ
れる。また表面を走行用として使う場合は壁砂等を散布
して、すべり止め施工をする場合もある。
本発明で基体とは、例えばセメントコンクリート、ア
スファルトコンクリート、ALC板、PC板、FRP、プラスチ
ック、木質物、金属などの単独あるいは組み合わせて構
成されたもので、その形状はいずれのものでも良く、土
木建築物の表面であれば球面、曲面、円柱面、平面、垂
直面、斜面、天井面等のいずれでも良い。コンクリー
ト、金属等の堅固な基体は、必要に応じて下地処理、プ
ライマー処理等を行うと良い。
この様にして得られる本発明の構造体は、これを用い
た土木建築物の防水被覆構造体はFRPの耐久性に保持し
ながら、駆体亀裂追従性にも優れた構造体である。この
ような性質を利用して、建築物の屋根、屋上、開放廊
下、ベランダ、外壁、地下外壁、室内及び水槽類の防水
材及びメンブレン防水構造体として適する。特に屋外防
水では、人や車がその上に乗っても十分耐久性を保持で
きるので、垂歩行防水や駐車場等に利用できる。
(実施例) 以下に、本発明を実施例で説明するが、文中「部」、
「%」は重量基準であるものとる。
実施例1〜3、比較例1〜4 表1に示す、本発明で規定する物性を有するポリライ
トFW−281(大日本インキ化学工業(株)、不飽和ポリ
エステル樹脂)、ディックライトUE−1150(同社、ビニ
ルエステル樹脂)、ポリライトFG−208(同社、不飽和
ポリエステル樹脂)を実施例1〜3として、下記試験を
行い結果を表−1に示した。
又、同様に、本発明からはずれるポリライトFG−10
4、ポリライトFG−504、ディックライトUE−5210、ディ
ックウレタン(JIS2種ウレタン防水材)を比較例1〜4
として、同様に試験結果を表−1に示した。
試験法 1.注型板の物性試験 (1) 物性は、JIS−K−7113引張り試験法に準拠し
て測定する。N=5本 (2) 吸収エネルギー(レジエンス)算出法 応力(σ)と伸び(ε)との積分値で表わされる。
RS=レジリエンス 但し RS計測法 (株)ピアス製パーソナル画像解析システムLA−500
にて計測。
2.酸素ガス透過性 ASTM D−3985−81 3.耐水性試験 100×100×3mmの樹脂注型板を、100℃温水中に浸漬
し、注型板にクラクが発生するまでの時間。
4.しゃ塩性 (社)日本道路協会道路橋の塩害対策指針(案)。
同解説。試験法に準拠。
5.一軸引張接着試験 一軸引張接着試験をJISコンクリート歩道版(300mm×
300mm×70mm)3上に被覆体を設け、20℃、相対湿度65
%の雰囲気下に1週間放置し、切り込みを入れて40mm×
40mmの鋼製治具をエポキシ系樹脂剤を用いて接着した。
接着剤が硬化した後、山本扛重機(株)製油圧式接着試
験機を用い、20℃で載荷速度約1kgf/cm2/秒で試験し
た。
引張り接着強度の計算方法は次の通りである。
6. クラック追従性試験 基板にスレートを用いこれに被覆体を設けた試験体を
作製し、島津 ートグラフ(IS−5000)(島津製作所)
を用いて荷重〜伸び曲線を測定した。評価は基板上に設
けた被覆体2が破断もしくは基板と剥離するときの荷重
と伸びで行った。
疲労試験 試験体を用い、建築工事標準仕様書・同解説JASS8防
水工事(1986)の疲労試験条件(表)に従って測定し
た。試験機は(株)鷺宮製作所製の「油圧サーボ建築仕
上げ材疲労試験機」を用いた。
ポリライト:大日本インキ化学工業(株)製品 不飽和ポリエステル樹脂 ディックライト:大日本インキ化学工業(株)製品 ビニルエステル樹脂 表−1に示す様にFRP用樹脂の種類、すなわち引張り
伸び率〜引張り強度の関係(吸収エネルギーの大きさ)
樹脂の硬度で防水層の追従性能と破断形状が異なること
がわかる。
すなわち比較例−1は、汎用樹脂で引張り強さは高い
が、引張り伸び率は小さい。この追従試験は表−1の様
に破断形状は、防水層と下地の剥離であるが追従性能は
小さい。実施例のものは引張り強さと引張り伸び率との
バランスがとれ、硬度の高い熱硬化性樹脂で、吸収エネ
ルギーが大きいものである。これら応力−歪曲線図型
は、表−1の様に特異な型を示し、防水層は破断せずに
徐々に剥離していくものである。即ち、下地より剥離す
ることで、下地より発生する応力を分散し亀裂より逃し
ているものと推測される。これは理論的には剥離が次々
と広がり屋根防水層全体が下地よりはがれることにな
る。しかし実際は、コンクリートの発生クラック等の大
きさは、0.1〜0.5mm程度でこれを吸収出来るFRPの大き
さであれば良いので、仮りにFRPの伸びを1%とすると1
0〜50mm程の剥離となり、実用的には問題ない。ウレタ
ンやシートのような柔軟型防水材では、剛性が小さい為
に、逆にこの程度の剥離が膨れにつながるが、FRPは剛
性が大きいので膨れにつながらないで、高い防水性を示
すものと考えられる。
比較例−4の樹脂は引張り伸び率は非常に大きいが引
張り強さは低いものである。この追従性試験は塗膜ウレ
タン等と同様に下地クラック部の真上で破断する。これ
は防水材として不適当である。
(作用効果) 本発明は、引張り強さ、引張り伸び率、硬度(ショア
ーD)の特定値を有する熱硬化性樹脂組成物を用いるこ
とにより、亀裂追従性、防水性、遮塩性、O2ガス透過性
に優れる防水材、それを用いる防水被覆構造体及び防水
被覆工法を提供できる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(イ)、(ロ)、(ハ)を含有する繊
    維強化熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする防
    水材組成物。 (イ)不飽和ポリエステル(ウレタン変性不飽和ポリエ
    ステルを含まない)、ビニルエステル樹脂から選択され
    るもので、 2重結合力価400〜1200未満の樹脂で、 JIS−K−7113で規定する引張試験での応力と歪との曲
    線で示される吸収エネルギーが、10000以上で、 JIS−K−7113で規定する引張試験に於て、引張り強さ
    が100kg/cm2以上、引張伸び率 20%以上、 硬度(ショアーD、ASTM0676−55T)68以上の物性を有
    する重合性モノマー架橋型熱硬化性樹脂、 (ロ)重合性モノマー (ハ)繊維補強材
  2. 【請求項2】請求項1記載の防水材組成物を構造体の防
    水層とする土木建築物の防水被覆構造体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の防水材組成物を構造体の防
    水層とする土木建築物の防水被覆工法。
JP2266067A 1990-10-03 1990-10-03 防水材組成物、それを用いる防水被覆構造体及び防水被覆工法 Expired - Lifetime JP2570898B2 (ja)

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