JP2001106941A - 金属用プライマー組成物及びその硬化方法 - Google Patents

金属用プライマー組成物及びその硬化方法

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JP2001106941A
JP2001106941A JP28196699A JP28196699A JP2001106941A JP 2001106941 A JP2001106941 A JP 2001106941A JP 28196699 A JP28196699 A JP 28196699A JP 28196699 A JP28196699 A JP 28196699A JP 2001106941 A JP2001106941 A JP 2001106941A
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JP28196699A
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Kenji Miura
賢治 三浦
Tomio Yamamoto
富生 山本
Kazuo Otani
和男 大谷
Hideki Sendai
英毅 千代
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Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で硬化が可能であり、また現場で過酸
化物触媒などの危険物を取り扱うことによる危険や可使
時間のトラブルがなく、鉄、ステンレス等の金属に良好
な接着力を示す金属用プライマー組成物及びその硬化方
法の提供。 【解決手段】 (A)不飽和ポリエステル樹脂、ビニル
エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂から選択され
る1種以上を含有するラジカル重合性不飽和化合物10
0重量部及び(B)酸性化合物:1〜20重量部及び
(C)紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の任意の領
域に感光性を有する光重合開始剤:0.01〜10重量
部または更に(D)揺変剤:0.1〜20重量部を含有
することを特徴とする金属用プライマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築・土木分野等
の建築物、構造物等における鉄、ステンレス等の金属部
(タンク、鉄柱、鉄床等)上にライニング或いはコーテ
ィングする際に使用する金属用プライマー組成物及びそ
の硬化方法に関するものである。更に、本金属用プライ
マー組成物は、紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
波長の光照射により硬化を行なうものであり、安全で短
時間の施工が可能な金属用プライマー組成物及びその硬
化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物、構築物等における鉄、ステンレ
ス等の金属部(タンク、鉄柱、鉄床等)上に、不飽和ポ
リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂ま
たはエポキシ樹脂等を用いてライニング施工或いはコー
ティングなどをする場合、プライマー組成物として不飽
和ポリエステル樹脂系プライマー、ビニルエステル樹脂
系プライマー、ウレタン樹脂系プライマーまたはエポキ
シ樹脂系プライマー等が使用される。不飽和ポリエステ
ル樹脂系やビニルエステル樹脂系などの過酸化物触媒に
よる常温硬化物系やエポキシ樹脂の硬化物系は、施工後
完全に硬化するまで長時間を要する。このように硬化に
時間がかかり過ぎると、作業性が低下するばかりでな
く、揮発性を有する反応性モノマー(スチレンモノマー
など)が揮発するため作業環境の大気汚染を招きあるい
は樹脂組成物の配合比率の変化によるプライマー性能の
低下、樹脂量の損失と引火などの危険性を招くなどの問
題があった。しかもこのような常温硬化系組成物は、現
場で樹脂に硬化剤を混合しなければならないため、可使
時間の調整でトラブルが発生したり、過酸化物を取り扱
うため危険が伴うなどの問題があった。
【0003】ウレタン樹脂系プライマーも一般的に溶剤
タイプであることから、溶剤の揮発による作業環境施汚
染や引火等の危険性があった。また、施工面が高温にな
るとプライマーの発泡現象等により充分な接着強度が得
られなかったり、プライマーとライニング材との塗り重
ねタイミングが難しい等の問題があった。これらの欠点
を解決する手段として、プライマー組成物の低粘度化の
ために混合している溶剤や樹脂系に用いる揮発性モノマ
ーに代えて、他の高沸点化合物に置き換えるなどして現
場の環境汚染や硬化性の改善が試みられているが、不飽
和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂系の過酸化物
触媒による常温硬化系やエポキシ樹脂の硬化系の完全硬
化するまでの時間が長時間要するという問題点、現場で
過酸化物触媒を取り扱うことによる危険や可使時間のト
ラブルといった問題点は解決できないでいる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現
状にかんがみ、短時間で硬化が可能であり、また現場で
過酸化物触媒などの危険物を取り扱うことによる危険や
可使時間のトラブルがなく、鉄、ステンレス等の金属に
良好な接着力を示す金属用プライマー組成物及びその硬
化方法を開発することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] (A)ラジカル重合性不飽和化合物100重量
部及び(B)酸性化合物:1〜20重量部及び(C)光
重合開始剤:0.01〜10重量部を含有することを特
徴とする金属用プライマー組成物、 [2] (A)ラジカル重合性不飽和化合物100重量
部及び(B)酸性化合物:1〜20重量部及び(C)光
重合開始剤:0.01〜10重量部及び(D)揺変剤:
0.1〜20重量部を含有することを特徴とする金属用
プライマー組成物、 [3] ラジカル重合性不飽和化合物が不飽和ポリエス
テル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート
樹脂から選択される1種以上を含有することを特徴とす
る上記[1]または[2]に記載の金属用プライマー組
成物、 [4] 酸性化合物が不飽和一塩基酸であることを特徴
とする上記[1]ないし[3]のいずれかに記載の金属
用プライマー組成物、
【0006】[5] 光重合開始剤が、紫外光領域から
近赤外光領域の範囲内の任意の領域に感光性を有する光
重合開始剤である上記[1]ないし[4]のいずれかに
記載の金属用プライマー組成物、 [6] 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の任意の
領域に感光性を有する光重合開始剤が、可視光あるいは
近赤外光領域に感光性を有する、一般式(1)で表され
る陽イオン色素、一般式(1):
【化3】 D+ ・A- ・・・・(1) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
キサジン、チアジン、アリールメタンまたはピリリウム
系色素陽イオンの1種であり、A- は各種陰イオンを示
す。)及び一般式(2)で表される有機ホウ素化合物、
一般式(2):
【化4】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
す。)である上記[1]ないし[5]のいずれかに記載
の金属用プライマー組成物、
【0007】[7] 紫外光領域から近赤外光領域の範
囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、紫
外光あるいは可視光領域に感光性を有するアシルホスフ
ィンオキサイド系化合物である上記[1]ないし[6]
のいずれかに記載の金属用プライマー組成物、 [8] 揺変剤が微粒子シリカ粉であることを特徴とす
る上記[1]ないし[8]のいずれかに記載の金属用プ
ライマー組成物、
【0008】[9] 上記1ないし8のいずれか1項に
記載のプライマー組成物に、光照射して硬化させること
を特徴とする金属用プライマー組成物の硬化方法、及び [10] 光照射の光源が、紫外光領域から近赤外光領
域の範囲内の任意の波長を光を発する光源である可視光
および/または近赤外光領域の波長の光を発する光源で
ある上記[9]に記載の金属用プライマー組成物の硬化
方法、を開発することにより上記の目的を解決した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の金属用プライマー組成物
に使用される樹脂類としては、不飽和ポリエステル樹
脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂
(以下、これらの樹脂を樹脂等と呼ぶこともある)のう
ち少なくともその一つを使用する。本発明に使用する不
飽和ポリエステル樹脂としては、多価アルコールと不飽
和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエス
テル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)
を、スチレンのような重合性モノマーに溶解したもの
で、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞
社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協
会編、1993年発行)などに記載されている樹脂であ
る。
【0010】またビニルエステル樹脂としては、エポキ
シアクリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基
(エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重
合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキ
シル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を
持った化合物(ビニルエステル)を、スチレンのような
重合性モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂
ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)ま
たは「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)
などに記載されている樹脂である。
【0011】上記の不飽和ポリエステル樹脂の原料とし
て用いられる不飽和ポリエステルとしては、公知の方法
により製造されたもので良い。具体的にはフタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ア
ジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有してい
ない多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン
酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無
水物を酸成分とし、これとエチレングリコ−ル、プロピ
レングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレン
グリコ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタン
ジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ−ル、シクロ
ヘキサン−1,4−ジメタノ−ル、ビスフェノ−ルAの
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルAのプロピ
レンオキサイド付加物等の多価アルコ−ルをアルコ−ル
成分として反応させて製造されるものである。
【0012】またビニルエステル樹脂(エポキシアクリ
レート系樹脂)の原料として用いられるビニルエステル
は公知の方法により製造されるものであり、エポキシ
樹脂に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタク
リル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレ
−トあるいは飽和ジカルボン酸及び/または不飽和ジ
カルボン酸と多価アルコ−ルから得られる末端カルボキ
シル基の飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルに
エポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステル
基を反応させて得られる飽和ポリエステルまたは不飽
和ポリエステルのポリエステル(メタ)アクリレ−トで
ある。
【0013】の原料としてのエポキシ樹脂としては、
ビスフェノ−ルAジグリシジルエ−テル及びその高分子
量同族体、ノボラック型ポリグリシジルエ−テル類等が
挙げられる。の末端カルボキシルポリエステルに用い
る飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有してい
ないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバ
チン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、
活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げ
られる。多価アルコ−ル成分としては、例えばエチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジエチレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、1,2−ブタンジオ−
ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−
ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−1,3−
プロパンジオ−ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオ−ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ−ル、
ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールが挙げられる。のポリエステル(メタ)アクリ
レ−トの製造に用いるエポキシ基を有するα、β−不飽
和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレ
−トが代表例として挙げられる。
【0014】樹脂等に用いられる不飽和ポリエステルあ
るいはビニルエステルは、不飽和度の比較的高いものが
好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たりの分子
量)が100〜800程度のものを用いる。不飽和基当
量が100未満のものは合成ができない。しかし不飽和
基当量が800を超えると高硬度の硬化物が得られな
い。
【0015】本発明において使用される不飽和ポリエス
テル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、通常前記の不
飽和ポリエステルあるいはビニルエステルにスチレンモ
ノマ−を配合したものであり、本発明の樹脂等に配合さ
れるスチレンモノマ−は樹脂の粘度を下げ、硬度、強
度、耐薬品性、耐水性等を向上させるために重要であ
り、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステル100
重量部に対して10〜250重量部、好ましくは20〜
100重量部使用される。使用量が10重量部未満で
は、高粘度のため作業性、含浸性が悪化し、250重量
部を超える量では、充分な塗膜硬度が得られず、耐薬品
性、耐水性等が不足し、プライマーとして好ましくな
い。
【0016】この場合、スチレンモノマ−の一部または
全部を、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベ
ンゼンなどのスチレン系モノマーや、メチル(メタ)ア
クリレ−ト、エチル(メタ)アクリレート、エチレング
リコ−ルジ(メタ)アクリレ−トなど他の重合性モノマ
−を本発明の主旨を損なわぬ範囲で代替し、使用するこ
とも可能である。
【0017】更にラジカル重合性不飽和化合物として用
いられるウレタンアクリレートとしては、ポリイソシア
ネートをポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ール、ポリアクリルポリオール及びヒドロキシアルキル
アクリレートなどのポリオールと反応させて得られる公
知のオリゴマー樹脂である。
【0018】本発明において使用される酸性化合物とし
ては不飽和一塩基酸が望ましく、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ジシクロペンタジエ
ンと多価カルボン酸化合物(例えば、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハー
フエステル等がある。また、本発明で使用される不飽和
一塩基酸の一部を酢酸、プロピオン酸等の飽和一塩基酸
やその他の酸性化合物に置き換えても良い。
【0019】本発明で使用される酸性化合物の使用量
は、一般的に樹脂等100重量部に対して1〜20重量
部、好ましくは、5〜15重量部である。酸性化合物の
使用量が1重量部未満ではプライマーとしての接着が不
十分になり易く、20重量部を超える量では硬化阻害が
起こり、接着力低下などが起こる。
【0020】本発明に使用する紫外光領域から近赤外光
領域の範囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開始
剤とは、公知の紫外線重合開始剤、可視光線重合開始
剤、近赤外線重合開始剤を使用することができる。紫外
線重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンジルケ
タール系、(ビス)アシルホスフィンオキサイド系をは
じめとする公知の重合開始剤を使用することができる。
特に(ビス)アシルホスフィンオキサイド系等の紫外線
重合開始剤は、紫外線のみでなく可視光領域にまで感光
性を有することで比較的長波長領域でも有効でありプラ
イマー層が比較的厚い部分に対しても好ましい重合開始
剤である。
【0021】本発明で使用されるアシルホスフィンオキ
サイド化合物は、一般式(3)または(4)で示され
る。 一般式(3);
【化5】 (式中、R5 〜R7 はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニ
ル基を示す。)
【0022】一般式(4);
【化6】 (式中、R8 〜R10はそれぞれ独立してアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、アルケニル基またはアルキニ
ル基、複素環基を示す。)これらの開始剤は、従来用い
られている紫外線開始剤よりも長波長領域にも感光性が
有り(400nm以上の可視光領域)、光の透過性に優
れる上、光照射により開裂してアシルラジカルとホスフ
ィノイルラジカルを発生するので、従来用いられている
紫外線開始剤よりも重合開始効率が高いとされている。
【0023】本発明で用いられる一般式(3)のビスア
シルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、ビ
ス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−
2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,6−ジメトキシ
フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロ
ルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィン
オキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−ト
リメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホ
スフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,
4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナ
フトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフト
イル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフ
トイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイ
ド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジ
メチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチ
ル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド等を挙げることがてきる。
【0024】本発明で用いられる一般式(4)のアシル
ホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィン
オキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイ
ル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6
−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキ
サイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル
−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6
−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,6−ジブロムベンゾイルージフェニルホスフィ
ンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カル
ボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジ
メトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホス
フィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメ
チルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステ
ル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン
酸メチルエステル等を挙げることができる。
【0025】具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:D
arocur1173、チバスペシャルティーケミカル
ズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75
%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1
700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(商品名:イルガキユアー184、チバスペシャルティ
ーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)
製)が75%/25%の割合で混合された商品名イルガ
キュア−1800(チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、50%/50%の割合で混合された商品名
イルガキュア−1850(チバスペシャルティーケミカ
ルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イル
ガキュア−819、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Da
rocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイルージフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)が50%/50%の割合で
混合された商品名Darocur4265などがある。
【0026】可視光領域に感光性を有する可視光重合開
始剤としては、例えば山岡ら、「表面」,27(7),
548(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料
フォ一ラム要旨集」、1BP18(1994)に記載の
カンファーキノン、ベンジル、トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサント
ン、ビスシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタ
フルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の
他、有機過酸化物触媒/色素系、ジフェニルヨードニウ
ム塩/色素、ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリ
ールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカ
プトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレー
ン/シアニン色素の他、特公昭45−37377号公報
に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生
剤等の公知の複合開始剤系を挙げることができる。
【0027】ヘキサアリールビイミダゾールとしては、
一般式(5) 一般式(5):
【化7】 [式中、L1 、L2 及びL3 はそれぞれ独立にアリール
基あるいは置換アリール基を示す。]
【0028】ヘキサアリールビイミダゾール化合物の具
体例としては、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミ
ダゾール、ビス(2−o−クロロフェニル−4,5−ジ
フェニル)イミダゾール、ビス(2−o,p−ジクロロ
フェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス
(2−o−ブロモフェニル−4,5−ジフェニル)イミ
ダゾールなどが挙げられるが、特にビス(2−o−ブロ
モフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾールが好ま
しい。ヘキサアリールビイミダゾール化合物に関して
は、詳しくは特公昭41−3545号公報に説明があ
る。
【0029】本発明で使用される可視光あるいは近赤外
光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、一般式
(1) 一般式(1):
【化8】 D+ ・A- ・・・・・・(1) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
キサジン、チアジン、アリールメタン、ピリリウム系色
素陽イオンであり、A- は各種陰イオンを示す。)で表
される陽イオン色素と、一般式(2)
【0030】一般式(2):
【化9】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
す。)で表される有機ホウ素系化合物を組み合わせた光
重合開始剤か好ましい。
【0031】上記一般式(2)におけるR1 、R2 、R
3 及びR4 は、それぞれ独立してアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリ
ル基、複素環基またはハロゲン原子を表すが、ハロゲン
原子以外はそれぞれ置換基を有していてもよい。上記の
アルキル基とは置換または無置換のアルキル基であり、
具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、3−メトキシプロピル基、4−クロロ
ブチル基、2−ジエチルアミノエチル基等が挙げられ
る。アリール基とは置換または無置換のアリール基であ
り、具体的にはフェニル基、トリル基、キシリル基、4
−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル
基、4−メトキシフェニル基、4−ジエチルアミノフェ
ニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル
基、ビフェニル基、ナフチル基、4−メチルナフチル基
などが挙げられる。
【0032】アラルキル基とは置換あるいは無置換のア
ラルキル基であり、具体的にはベンジル基、フェネチル
基、プロピオフェニル基、α−ナフチルメチル基、β−
ナフチルメチル基、p−メトキシベンジル基などが挙げ
られる。アルケニル基とは置換または無置換のアルケニ
ル基であり、具体的にはビニル基、プロペニル基、ブテ
ニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクテニル基、ドデシネル基、プレニル基などが挙げら
れるが、炭素数2〜12のものが好ましい。アルキニル
基とは置換または無置換のアルキニル基であり、具体的
にはブチニル基、ペンチニル基、へキシニル基、オクチ
ニル基等が挙げられるが、炭素数4〜12のものが好ま
しい。
【0033】シリル基とは置換または無置換のシリル基
であり、具体的にはシリル基、トリメチルシリル基、ト
リエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチル
ジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げら
れる。複素環基とは置換または無置換の複素環基であ
り、具体的にはピリジル基、キノリル基、メチルピリジ
ル基、インドリル基、イミダゾリル基、トリアジル基、
チエニル基等が挙げられる。ハロゲン原子とは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等である。一般式(2)の陰
イオン部の具体例としては、n−ブチルトリフェニルボ
レート、n−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデ
シルトリフェニルボレート、secーブチルトリフェニ
ルボレート、tert−ブチルトリフェニルボレート、
ベンジルトリフェニルボレート、n−ブチルトリアニシ
ルボレート、n−ブチルトリ(1−ナフチル)ボレー
ト、n−ブチルトリ(4−メチルナフチル)ボレート、
メチルトリ(1−ナフチル)ボレート、テトラn−ブチ
ルボレート、テトラベンジルボレート、ジn−ブチルジ
フェニルボレート、トリメチルシリルトリフェニルボレ
ート、トリフェニルシリルトリフェニルボレート、トリ
イソブチルフェニルボレート等が挙げられる。
【0034】また一般式(2)における陽イオン[Z
+ ]の例としては、可視光あるいは近赤外光領域に感光
性を有しない4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニ
ウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾニウ
ム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウム陽
イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の金属
陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩等の酸素原子に
陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム、シ
クロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等の
ハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジウム、
クロム、チタン、スズ、アンチモン等の金属化合物の陽
イオン等が挙げられる。
【0035】この有機ホウ素化合物と可視光あるいは近
赤外光領域に感光波長を有するカチオン色素とを組み合
わせることで、感光領域の波長の光照射を受けた色素が
励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色
素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性
不飽和化含物の重合反応が起こる。上記陽イオン色素と
有機ホウ素系化合物との組み合わせの例は、特開平3−
111402号公報、特開平3−179003号公報、
特開平4−146905号公報、特開平4−26140
5号公報、特開平4−261406号公報、特開平5−
194619号公報などに詳細な記載がある。陽イオン
色素の[D+ ]の具体例を表1及び表2に示す。これら
の陽イオン色素の中でも好ましくはシアニン系、スチリ
ル系陽イオン色素及びトリアリールメタン系色素か使用
される。シアニン系、スチリル系陽イオン色素は、一般
に有機ホウ素系化合物との電子授受が起こりやすいので
本発明の反応を容易に起こしやすいなどの点で好まし
い。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】一般式(1)で表される陽イオン色素のカ
ウンターアニオンであるA- は、p−トルエンスルホネ
ートイオン、有機カルボキシレートイオン、パークロレ
ートイオン、ハライドイオン等の任意の陰イオンである
が、一般式(6)一般式(6):
【化10】 (式中、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して
アルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基または
ハロゲン原子を示す。)で表される4配位ホウ素陰イオ
ンが特に好ましい。上記一般式(10)におけるR11
14は、前記R1 〜R4 と同様に置換基を有してもよ
い。
【0039】本発明の有機ホウ素化合物と近赤外光ある
いは可視光吸収性陽イオン色素化合物との組成比は、重
量比で1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/
0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の
観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン色素よ
りも多く用いることが好ましい。紫外光領域から近赤外
光領域の範囲内のいずれかに感光性を有する光重合開始
剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜5重量部であり、1種類ま
たは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤の添加量かこれより少なすぎる場合は、十
分に表面が乾燥できず、また可視光重合開始剤の添加量
がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、
硬化物の物性低下などが起こる。本発明では光重合開始
剤を添加した樹脂の硬化時間の調節や表面乾燥性の確保
のために、キノン類などの公知のラジカル重合禁止剤や
3級アミン類を添加してもよい。
【0040】本発明で用いられる揺変剤としては、公知
のものが使用できる。例えば無機系ではシリカパウダー
(アエロジルタイプ)、マイカパウダー、炭酸カルシウ
ムパウダー、短繊維アスベストなどがあり、有機系では
水素化ひまし油などがある。好ましくはシリカパウダー
系揺変剤である。また、揺変助剤等を併用して使用して
も良い。本発明で用いられる揺変剤の使用量は、一般的
に樹脂等100重量部に対して0.1〜20重量部、好
ましくは0.5〜15重量部である。揺変剤の使用量が
0.1未満では十分な揺変性が得られず、20重量部以
上では樹脂等の硬化が不十分になりやすく、接着を阻害
する恐れがある。
【0041】さらに本発明では、接着性向上のためにプ
ライマー組成物にシランカップリング剤を配合しても良
い。シランカップリング剤を使用する時は、必要に応じ
てモレキュラーシーブなどの吸湿剤を併用しても良い。
シランカップリング剤としては3−メタクリロキシプロ
ピル−トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シランなどを0.1〜20重量部添加
する方法などがある。また本発明では、必要に応じて無
機質フィラー、有機質フィラーや、数ミリ以下の無機、
有機の短繊維を硬化に影響のない程度添加しても良い。
このようなフィラーについて特開平6−271373
号、特開昭57−10656号公報などに詳細な記載が
ある。
【0042】本発明において、紫外光とは280〜38
0nm、可視光とは380〜780nm、近赤外光とは
780〜1200nmの波長領域の光線を指す。使用さ
れるランプ(光源)としてはこの波長領域の光を出すラ
ンプ(光源)であれば良く、高圧水銀ランプ、超高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水
銀灯、陽光ランプ、近赤外ランプ、ナトリウムランプ、
ハロゲンランプ、太陽光などを使用することができる。
またより早い硬化速度を得るためにはエネルギー順位の
高い短波長の領域の光が有効であり、光の透過性が必要
なプライマー組成物の厚さが厚い場合などにおいては3
80nm以上の波長の光源の光が有効であり、メタルハ
ライドランプ、ハロゲンランプ、近赤外ランプなどが有
効である。ランプの照射時間としては、光源の有効波
長、出力、照射距離、プライマー組成物の厚さ、充填物
の量により異なるため一概に規定できないが、0.01
時間以上、好ましくは0.05時間以上にすれば良い。
【0043】
【実施例】以下に示す実施例、比較例により、本発明の
内容を詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」は重
量基準を示す。 (実施例1) (プライマーの調製)ビニルエステル樹脂[ 商品名リポ
キシR−802:昭和高分子(株)製]:100部、ア
クリル酸[ 大阪有機化学工業(株)製] :6部からなる
混合物の100部に、紫外光から可視光領域まで感光性
を有するイルガキュア819[ チバスペシャルティーケ
ミカルズ製] :1.5部を混合したものをプライマー1
とした。 (プライマーの塗布及び硬化条件)下地処理がアセトン
脱脂のみと、アセトン脱脂およびサンドブラスター[ 不
二製作所製、ケイ砂5号使用] による処理の二種類を施
した300mm×300mm×5mmのステンレス板
(SUS304)の上面(150mm×150mm)
に、プライマー1を刷毛で100g/m2 の厚さに塗布
し、可視光の光源である250Wメタルハライドランプ
(以下ランプ1とする。)を使用して300mmの距離
で10分間光照射を行うと、表面のタックがなくなり硬
化した。
【0044】(FRPライニング)硬化したプライマー
1の上に、常温硬化剤であるパーメックN[ 日本油脂
(株)製] (促進剤)とナフテン酸コバルト(コバルト
=6%)[ 東栄化工(株)製] =1.2部/0.5部の
混合物を添加したビニルエステル樹脂[ 商品名リポキシ
R−806:昭和高分子(株)] でガラスコンテントが
25wt%になるように配合したチョップドストランド
マット[ 日東紡績(株)] を3プライ積層し、一日放置
して硬化させた。 (接着テスト)プライマー1の性能を、研建式により断
面積16cm2 で接着強度を評価した。破壊状態は下地
処理がアセトン脱脂のみとアセトン脱脂およびサンドブ
ラスターによる処理の両者において積層内部の凝集破壊
であり、プライマーとしての十分な性能を確認した。接
着強度を表3に示す。
【0045】(実施例2) (プライマーの調製)不飽和ポリエステル樹脂[ 商品名
リゴラック1557:昭和高分子(株)製]:100
部、アクリル酸:3部からなる混合物の100部に、揺
変付与剤AEROSIL200[ 日本アエロジル(株)
製] :4部及び揺変助剤BYK R605[ ビックケミ
ージャパン(株)製] :1.6部、紫外光から可視光領
域まで感光性を有するイルガキュア819: 1.5部、
紫外光に感光性を有するイルガキュア651:0.5部
を添加したものをプライマーとした。 (プライマーの塗布及び硬化条件)下地処理がアセトン
脱脂のみと、アセトン脱脂およびサンドブラスター[ 不
二製作所製、ケイ砂5号使用] による処理の二種類を施
した300mm×300mm×5mmの鉄板の上面(1
50mm×150mm)にプライマーを刷毛で100g
/m2 塗布し、紫外線の光源である1KW高圧水銀ラン
プを使用して100mmの距離で1min間光照射を行
うと、表面のタックがなくなり硬化した。
【0046】(FRPライニング) 実施例1と同様の操作を行った。 (接着テスト)実施例1と同様の操作を行い、接着強度
を評価した。破壊状態は、下地処理がアセトン脱脂のみ
とアセトン脱脂およびサンドブラスターによる処理の両
者において積層内部の凝集破壊であり、プライマーとし
ての十分な性能を確認した。接着強度を表3に示す。
【0047】(実施例3) (プライマーの調製)ウレタンアクリレート樹脂[ 商品
名リポキシFM−1600:昭和高分子(株)製] :1
00部、メタクリル酸((株)クラレ製):10部から
なる混合物の100部に、揺変付与剤AEROSIL2
00[ 日本アエロジル(株)製] :4部、揺変助剤BY
K R605[ ビックケミージャパン(株)製] :1.
6部及び紫外光から可視光領域まで感光性を有するイル
ガキュア819: 2.0部、近赤外光重合開始剤:1,
1,5,5−テトラキス(p−ジフェニルアミノフェニ
ル)−2,4−ペンタジエニル・p−トルエンスルホネ
ート[昭和電工(株)製、以下IRTと略す(近赤外光
吸収性陽イオン色素)]:0.03部、テトラ−n−ブ
チルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート
[昭和電工(株)製、以下「P3B」と略す。(有機ホ
ウ素化合物)]:0.15部を添加したものをプライマ
ーとした。 (プライマーの塗布及び硬化条件)下地処理がアセトン
脱脂のみと、アセトン脱脂およびサンドブラスター[ 不
二製作所製、ケイ砂5号使用] による処理の二種類を施
した300mm×300mm×5mmのステンレス板
(SUS304)の上面(150mm×150mm)に
プライマーを刷毛で150g/m2 塗布し、ランプ1及
び1KWハロゲンランプを使用して300mmの距離で
10min 間光照射を行うと、表面のタックがなくなり硬
化した。
【0048】(FRPライニング)実施例1と同様の操
作を行った。 (接着テスト)実施例1と同様の操作を行い、接着強度
を評価した。破壊状態は、下地処理がアセトン脱脂のみ
とアセトン脱脂およびサンドブラスターによる処理の両
者において積層内部の凝集破壊であり、プライマーとし
ての十分な性能を確認した。接着強度を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】(比較例1) (プライマーの調製)ビニルエステル樹脂[ 商品名リポ
キシR−802:昭和高分子(株)製] :100部、ア
クリル酸:6部からなる混合物の100部に、常温硬化
剤であるパーメックN[日本油脂(株)製] /促進剤で
あるナフテン酸コバルト(コバルト=6%)[東栄化工
(株)製] =1.2部/0.5部を添加したものを常温
硬化型プライマーとした。 (プライマーの塗布及び硬化条件)下地処理がアセトン
脱脂のみと、アセトン脱脂およびサンドブラスター[不
二製作所製、ケイ砂5号使用] による処理の二種類を施
した300mm×300mm×5mmのステンレス板
(SUS304)の上面(150mm×150mm)に
プライマーを刷毛で100g/m2 塗布し、放置したと
ころ、表面のタックがなくなり硬化するまでに約6Hr
sを要した。
【0051】(FRPライニング)実施例1と同様の操
作を行った。 (接着テスト)実施例1と同様の操作を行い、接着強度
を評価した。破壊状態は、下地処理がアセトン脱脂のみ
では、ほとんどが基材とプライマー間の界面剥離であ
り、アセトン脱脂およびサンドブラスターによる処理で
は、約50%ほどは積層内部の凝集破壊であったが、残
りはプライマーと基材間の界面剥離であった。接着強度
を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明は、可視光領域に感光性のある光
重合開始剤をビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂に配合した金属用プラ
イマー組成物であり、プライマー塗布後に可視光領域の
光を発する光源で光照射する事により、短時間で硬化可
能で、しかも過酸化物を使用する危険性及び1液である
ため計量ミスがなくなり、十分な接着強度を有するプラ
イマー及びその硬化方法を開発する事が出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AB02 AB06 AB07 AB08 AB10 AB15 AB16 AB17 AB18 AB22 AB23 AB24 AB25 AB29 AE02 AE03 AE07 AG02 AG03 AG04 AG22 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA18 BA20 CA34 CB10 CC04 CC05 CD08 4J038 FA061 FA251 FA261 FA281 HA446 JA29 JA33 JA36 JB01 JB11 JB32 JC26 JC37 KA03 MA15 NA12 NA23 PA07 PA17 PB05 PC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ラジカル重合性不飽和化合物10
    0重量部及び(B)酸性化合物:1〜20重量部及び
    (C)光重合開始剤:0.01〜10重量部を含有する
    ことを特徴とする金属用プライマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ラジカル重合性不飽和化合物10
    0重量部及び(B)酸性化合物:1〜20重量部及び
    (C)光重合開始剤:0.01〜10重量部及び(D)
    揺変剤:0.1〜20重量部を含有することを特徴とす
    る金属用プライマー組成物。
  3. 【請求項3】 ラジカル重合性不飽和化合物が不飽和ポ
    リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリ
    レート樹脂から選択される1種以上を含有することを特
    徴とする請求項1または2に記載の金属用プライマー組
    成物。
  4. 【請求項4】 酸性化合物が不飽和一塩基酸であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    金属用プライマー組成物。
  5. 【請求項5】 光重合開始剤が、紫外光領域から近赤外
    光領域の範囲内の任意の領域に感光性を有する光重合開
    始剤である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の金
    属用プライマー組成物。
  6. 【請求項6】 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
    任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、可視光あ
    るいは近赤外光領域に感光性を有する、一般式(1)で
    表される陽イオン色素、一般式(1): 【化1】 D+ ・A- ・・・・・・(1) (式中、D+ は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を
    有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オ
    キサジン、チアジン、アリールメタンまたはピリリウム
    系色素陽イオンの1種であり、A- は各種陰イオンを示
    す。)及び一般式(2)で表される有機ホウ素化合物、 一般式(2): 【化2】 (式中、Z+ は任意の陽イオンを示し、R1 、R2 、R
    3 及びR4 はそれぞれ独立してアルキル基、アリール
    基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
    ル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示
    す。)である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の
    金属用プライマー組成物。
  7. 【請求項7】 紫外光領域から近赤外光領域の範囲内の
    任意の領域に感光性を有する光重合開始剤が、紫外光あ
    るいは可視光領域に感光性を有するアシルホスフィンオ
    キサイド系化合物である請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載の金属用プライマー組成物。
  8. 【請求項8】 揺変剤が微粒子シリカ粉であることを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の金属
    用プライマー組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    のプライマー組成物に、光照射して硬化させることを特
    徴とする金属用プライマー組成物の硬化方法。
  10. 【請求項10】 光照射の光源が、紫外光領域から近赤
    外光領域の範囲内の任意の波長の光を発する光源である
    請求項9に記載の金属用プライマー組成物の硬化方法。
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