JPH10316940A - 放射線硬化可能な水性被覆材料、被覆した表面の製造方法および被覆材料の使用 - Google Patents

放射線硬化可能な水性被覆材料、被覆した表面の製造方法および被覆材料の使用

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JPH10316940A
JPH10316940A JP10122173A JP12217398A JPH10316940A JP H10316940 A JPH10316940 A JP H10316940A JP 10122173 A JP10122173 A JP 10122173A JP 12217398 A JP12217398 A JP 12217398A JP H10316940 A JPH10316940 A JP H10316940A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線硬化可能な水性被覆材料を提供する。 【解決手段】 前記被覆材料は、成分a)放射線により
重合可能な、少なくとも1つのα,β−エチレン性不飽
和二重結合を有する、水に分散可能な少なくとも1つの
ポリマーP、成分b)放射線により重合可能な、少なく
とも1つのα,β−エチレン性不飽和二重結合を有す
る、ポリマーPとは異なり、水溶性かまたは水で希釈可
能な、少なくとも1つの放射線硬化可能な化合物S、成
分c)光開始剤、成分d)充填剤、成分e)ほかの添加
剤、および成分f)水を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1つの
水に分散可能のポリマー、または前記ポリマーを基礎と
する水性ポリマー分散液、および少なくとも1つの、前
記ポリマーとは異なり、水溶性かまたは水で希釈可能
な、他の放射線硬化可能な化合物を含有する放射線硬化
可能な水性被覆材料に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばポリエステルおよびポリエーテル
アクリレートおよびメタクリレートを基礎とする放射線
硬化可能な塗料は大きな技術的重要性を獲得し、広い範
囲で使用される。前記塗料は、その架橋可能性により、
特に放射線硬化可能な被覆材料、例えば紫外線または電
子線により急速に硬化可能な塗料組成物の製造に適して
いる。これは吸着不可能の基体、例えばガラス、プラス
チックおよび金属、および吸着可能の基体、例えば木
材、紙および皮革を被覆するために使用される。溶剤排
出による環境の負荷を回避し、相当する法律の規定を満
足するために、水性ポリマー分散液を基礎とする放射線
硬化可能な塗料組成物が圧倒的に使用される。重合収縮
により水を基礎とする塗料の吸着不可能の基体への付
着、および種々の吸着可能の基体への付着は多くの場合
にきわめて劣っているので、この表面を相当する下塗り
剤(プライマー)を用いて前処理しなければならない。
その際前記環境の観点から有利には、同様に水を基礎と
する下塗り剤を使用する。
【0003】ドイツ特許出願公開第4114518号明
細書には、水で希釈可能な、ホルムアルデヒドの少な
い、メラミン−ホルムアルデヒド縮合生成物またはメラ
ミン−尿素−ホルムアルデヒド縮合生成物を基礎とす
る、木材および匹敵する支持体材料に対する硬質の、抵
抗力のある表面を製造するための下塗り剤が記載されて
いる。この下塗り剤および引き続き塗布される上塗り層
を加熱して乾燥する。
【0004】ドイツ特許出願公開第3740139号明
細書には、木材に水性塗料を下塗りする方法が記載さ
れ、その際木材中で良好に固定され、上塗塗料と安全な
結合を生じる充填力のある下塗り剤を得るために、可塑
剤を含有する合成樹脂を使用する。
【0005】米国特許第4782109号明細書には、
二相樹脂の溶液を基礎とする染料が記載され、その際内
側層は顔料およびラテックスを含有し、外側層は水に溶
解したアミン溶解性樹脂を含有する。適当なアミン溶解
性樹脂は、例えばスチレンアクリル樹脂、ポリビニルア
セテートコポリマー、アクリルコポリマーおよびスチレ
ン−ブタジエンコポリマーである。この染料組成物は、
特に金属および木材のプライマーとして適している。
【0006】ドイツ特許出願公開第2108365号明
細書には、塗料および補強用接着剤の製造に用いられ
る、アルキド樹脂で変性された分散液が記載されてい
る。これを用いて種々の下地、例えば木材、コンクリー
トおよび煉瓦に弾力性の塗料被覆物を製造することがで
きる。この分散液は、良好な付着により、下塗り剤の製
造に適している。
【0007】欧州特許出願公開第0496205号明細
書には、実質的にA)水で希釈可能な有機ポリオール成
分の水溶液または分散液およびB)成分A)中に乳化さ
れて存在するポリイソシアネート成分からなる、水性結
合剤組合せ物が記載されている。その際ポリオール成分
は少なくとも1つの、ウレタン基、カルボキシレート基
およびヒドロキシル基を有するポリエステル樹脂からな
る。この明細書の実施例においては固体含量最大47.
6重量%を有する成分A)が使用される。この結合剤の
組合せ物は塗料および被覆材料を製造するために、無機
建築材料を被覆するために、木材および紙等を塗装し、
封止するために適している。
【0008】ドイツ特許出願公開第3502944号明
細書には、ビニルポリマーの分散液および水溶性亜鉛−
アミン錯体を含有する木材塗装用水性下塗り剤が記載さ
れている。この下塗り剤は透明な、光に強い皮膜を生
じ、木材内容物質の色落ちおよびこれに起因する斑点の
形成を阻止する。
【0009】欧州特許出願公開第0583728号明細
書には、ポリイソシアネート成分およびポリエステル樹
脂を含有する、水で希釈可能な二成分被覆材料が記載さ
れている。その際エステル形成誘導体はジカルボン酸、
二官能性のスルホノモノマーまたはホスホノモノマー、
グリコール、高官能性のカルボキシル基および/または
ヒドロキシル基含有化合物および一官能性カルボン酸か
ら選択される。この材料は、特に下塗り剤、充填剤、上
塗り剤および単層の塗料を製造するために適している。
【0010】特開平01−304935号公報には、ポ
リビニルアルコールおよび/ポリアクリルアミドを基礎
とする難燃性塗料用水性プライマーが記載されている。
【0011】特開昭55−039239号公報には、脂
肪族ジアミン、不飽和酸のグリシジルエステルおよびラ
ジカル開始剤からなる木材用プライマーが記載されてい
る。
【0012】更に木材用下塗り剤として、水性分散液、
例えばスチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−ア
クリレートエマルション、ビニルアセテート/アクリル
コポリマーラテックスおよびアルキド樹脂エマルション
を基礎とする下塗り剤は公知である。Ind.Vern
ici 1981、35巻、No.11、7〜13には
プライマーとして水性アクリレートエマルションが記載
されている。
【0013】Journal of Coatings Technology 51
巻、No.654、1979年7月、45〜51頁には
種々のラテックスプライマーが記載されている。
【0014】すでに記載された水性下塗り剤はそれ自体
放射線硬化可能でなく、放射線硬化可能な塗料用下塗り
剤としての可能な使用はどの文献にも記載されていな
い。
【0015】ドイツ特許出願公開第3616434号明
細書には、紫外線を用いて下塗り剤を硬化することによ
り、木材を下塗りする方法が記載されている。その際ま
ず付着基材として、有機溶剤、例えば酢酸エチル中のポ
リイソシアネートを予め塗布し、溶剤を蒸発後、UV下
塗り剤、一般的な常用のアクリレートプレポリマー、例
えばポリエステルアクリレート、ポリエポキシアクリレ
ートおよびポリウレタンアクリレートを塗布し、紫外線
により硬化する。研磨後、この下塗り剤に、木材塗装で
常用の上塗り剤を塗布する。この方法は、必要なイソシ
アネートの予備塗布のために技術的に経費がかかる。更
に使用される有機溶剤を蒸発させ、これは同様に技術的
に費用のかかる排気処理を必要とする。
【0016】米国特許第4171387号明細書には、
例えば木材からなる被覆された基体の製造方法が記載さ
れ、この場合に基体にまず固体含量25〜35重量%を
有するウレタン結合剤を塗布し、乾燥し、引き続きこの
結合剤に紫外線で硬化可能なポリアクリレート樹脂組成
物を塗布し、紫外線照射により硬化する。その際有機溶
剤、例えばメチルエチルケトンおよびトルエンからなる
混合物中のウレタン樹脂を塗布し、加熱して乾燥する。
【0017】東ドイツ特許第252983号明細書に
は、内容物質が塗料、例えば不飽和ポリエステルの硬化
を阻止する、木材に塗布するための尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂からなる分離層が記載されている。
【0018】東ドイツ特許第160660号明細書には
UV塗料用の下塗り剤が記載されている。目的は最終生
成物の物理的−機械的特性の改良、下地塗料の安定性の
向上および光化学的硬化の促進である。
【0019】すでに記載された文献には、放射線硬化可
能な上塗り剤用のポリマー分散液を基礎とする放射線硬
化可能な下塗り剤は全く記載されていない。
【0020】ドイツ特許出願公開第3235610号明
細書には、(メタ)アクリロイル基含有プレポリマーお
よび常用の助剤を基礎とする、放射線硬化可能な下塗り
剤が記載されている。この下塗り剤は有機および/また
は無機繊維の含量により特徴付けられる。この下塗り剤
は、特に木材コンクリート成形体、例えば木材コンクリ
ートプレートを連続的に被覆するために適している。
【0021】ドイツ特許出願公開第1621820号明
細書には、塗料およびほかの上塗り層のための木材およ
び木材に類似する物質を下塗りする方法が記載され、こ
の場合に無機充填剤、例えば二酸化ケイ素を10〜60
%含有する光で硬化する合成樹脂を使用する。この刊行
物には、紫外線で硬化するいずれの合成樹脂を使用する
のか記載されていない。
【0022】特開昭52−033929号公報には、ポ
リアクリレート(メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートおよメタクリル酸か
らなる)、ヘキサンジオールジメタクリレート、グリシ
ジルメタクリレートおよびヒドロキシエチルアクリレー
トからなる混合物から形成される、紫外線または電子線
で硬化可能な木材プライマーが記載されている。プライ
マーを木材に塗布し、不飽和ポリエステルからなる上塗
り剤を被覆し、電子線により硬化する。
【0023】Lakokras. Mater.IKH.Primen (1978)
(6)67 には、光開始剤と混合し、紫外線により架
橋する、不飽和ポリエステルを基礎とするプライマーが
記載されている。
【0024】Derevoobrab.Prom st.(1979)(7) 6
には、プライマーとして不飽和ポリエステルが記載さ
れ、これを木材に塗布し、紫外線により硬化し、引き続
き不飽和ポリエステルを上塗りし、これを同様に紫外線
により硬化する。
【0025】欧州特許出願公開第0012339号明細
書には、 A)水20〜80重量%、 B)少なくとも1種の、重合可能なC=C二重結合を有
し、A)に分散されるプレポリマー80〜20重量%、
および付加的に C)少なくとも1種の分散助剤、B)に対して0.1〜
30重量%、 D)少なくとも1種の光開始剤、B)に対して0〜20
重量%、 を含有する、放射線硬化可能な水性結合剤分散液が記載
されている。
【0026】適当な成分B)は、重合可能なC=C二重
結合を有するポリエステル、例えばポリエステルアクリ
レート、重合可能なC=C二重結合を有するポリエーテ
ル、例えばエチレン性不飽和アルコールで全部または一
部分エーテル化された、遊離ヒドロキシル基を有するポ
リエーテル、末端位のヒドロキシル基を有するポリエポ
キシドおよびα,β−エチレン性不飽和カルボン酸から
なるエステル、ポリウレタン(メタ)アクリレートおよ
びα,β−エチレン性不飽和アシル基をアクリレートコ
ポリマーに導入することにより得られる、重合可能な二
重結合を有するポリマーである。この放射線硬化可能
な、水性結合剤分散液は、皮革、紙または木材のような
非金属性有機基体の被覆に十分に適している。高い固体
含量を有する水性被覆剤が記載されているにもかかわら
ず、水性結合剤分散液に関する実施例に記載された固体
含量は最大で65重量%である。放射線硬化可能な上塗
り剤用の下塗り剤としての放射線硬化可能な、水性結合
剤分散液の可能な使用に関する示唆は見出されない。
【0027】欧州特許出願公開第0704469号明細
書には、少なくとも1つの共重合可能な不飽和の基を有
する、放射線硬化可能な、水性ポリウレタン分散液およ
び吸着不可能の基体、例えば金属、プラスチック、ガラ
スおよび多孔性基体、例えば皮革、紙および木材用の被
覆剤としてのその使用が記載されている。使用されるポ
リウレタンのほかに、更に他の放射線硬化可能な化合物
を含有してもよいことは記載されていない。分散液中の
ポリウレタンの含量は5〜70重量%と記載されている
が、実施例においては最大で40重量%の固体含量を有
する分散液が記載されているにすぎない。更に放射線硬
化可能な水性上塗り剤用の下塗り剤としての水性分散液
の可能な使用に関する示唆は見出されない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、放射
線硬化可能な塗料のプライマーとしての放射線硬化可能
な水性被覆材料を提供することである。この被覆材料
は、金属のような吸着不可能の基体および皮革、紙、木
材および木材材料のような吸着可能な基体に対する放射
線硬化可能な塗料の付着を改良すべきである。有利には
この下塗り剤は、基体に塗布後、良好な乾燥を可能にす
るために、可能な限り高い固体含量を有するべきであ
る。
【0029】
【課題を解決するための手段】意想外にも、前記課題
は、少なくとも1つの、水に分散可能なポリマーまたは
前記ポリマーを基礎とする水性ポリマー分散液および少
なくとも1つの、前記ポリマーと異なるほかの水溶性か
または水で希釈可能な、放射線硬化可能な化合物を含有
する、放射線硬化可能な水性被覆材料により解決される
ことが判明した。更に、意想外にも、この被覆材料が、
吸着可能な基体を被覆する場合に、その塗布重量に依存
してすでに少なくとも65重量%の固体含量から、一般
に放射線硬化の前に被覆物の物理的乾燥を省略できるこ
とが判明した。
【0030】本発明の対象は、 成分a)放射線により重合可能な、少なくとも1つの
α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する、水に分散
可能な、少なくとも1つのポリマーP5.0〜90.0重
量%、 成分b)放射線により重合可能な、少なくとも1つの
α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する、ポリマー
Pとは異なり、水溶性かまたは被覆材料の全重量に対し
て少なくとも10重量%の水で希釈可能な、少なくとも
1つの放射線硬化可能な化合物S0.1〜90重量%、 成分c)光開始剤0〜20重量%、 成分d)充填剤0〜60重量%、 成分e)ほかの添加剤0〜20重量%、 成分f)水、合わせて100重量% を含有する、放射線硬化可能な水性被覆材料である。
【0031】成分a):本発明による、放射線硬化可能
な水性被覆材料は、成分a)として、少なくとも1つの
水に分散可能なポリマーPを5.0〜90重量%、有利
には15〜85重量%、特に25〜75重量%含有す
る。
【0032】放射線により重合可能な、少なくとも1つ
のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有する、適当
な、水に分散可能なポリマーPは、α,β−エチレン性
不飽和モノカルボン酸のエステルおよびα,β−エチレ
ン性不飽和ジカルボン酸の半エステルとヒドロキシル基
含有重縮合物Pkとのエステルである。適当な、α,β
−エチレン性不飽和モノカルボン酸は、脂肪族のC3
〜C6−カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸およびこれらの混合物である。適当な芳
香族のα,β−不飽和カルボン酸はケイ皮酸である。適
当なα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸の半エステ
ルは、例えばC1〜C20ー、有利にはC1〜C8−モノア
ルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタ
ノール、t−ブタノール、2−エチルヘキサノール等を
有する、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸の半エ
ステルである。
【0033】分子当たり少なくとも2個の遊離ヒドロキ
シル基を有する適当な重縮合物Pkは、例えば常用の、
場合によりエーテル基を有するポリエステルまたは場合
によりエステル基を有するポリエーテルである。適当な
ヒドロキシル基を有するポリエステルは、例えば常法に
より、二価または多価カルボン酸を二価または多価アル
コールでエステル化することにより製造することができ
る。ポリエステルの製造方法は当業者に周知である。一
般にはヒドロキシル基を有するポリエステルを製造する
エステル化のためのカルボン酸成分として、二価から四
価までの脂肪族および/または芳香族のC3〜C36−カ
ルボン酸、そのエステルおよび無水物を使用する。これ
には、例えばコハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、グ
ルタル酸無水物、アジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、
アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸無水物、トリメリト酸、トリ
メリト酸無水物、ピロメリト酸およびピロメリト酸無水
物が該当する。ポリエステルを製造する出発物質として
適当な二価または多価アルコールは、例えば二価から六
価までのアルコール、例えばジオール、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,
5−ペンタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジ
オール、ジメチロールシクロヘキサン、トリオール、例
えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、トリメチロールブタン、テトラオール、例
えばペンタエリスリット、ジトリメチロールプロパン、
ヘキソール、例えばエリスリットおよびソルビットであ
る。ほかの適当なポリエステルオールはポリカプロラク
トンジオールおよびトリオールである。
【0034】ほかの適当なヒドロキシル基を有する重縮
合物Pkは、すでに記載された二価または多価アルコー
ルのアルコキシラートである。これには、例えばエトキ
シル化、プロポキシル化、および混合したエトキシル化
およびプロポキシル化された二価から六価までのアルコ
ールおよびポリエステルオールが該当する。その際アル
コキシル化度は一般に1〜300、有利には2〜150
である。
【0035】ほかの適当な重縮合物Pkは、ポリアルキ
レングリコールまたは環式エーテルの重付加ポリマー、
例えばポリテトラヒドロフランである。ポリアルキレン
グリコールの例は、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールおよびポリエピクロロヒドリンであ
る。
【0036】ほかの適当な重縮合物Pkは、すでに記載
されたモノマー、オリゴマーまたはポリマー成分の少な
くとも1つを重合して含有しているコポリマーである。
これには、例えば末端のカルボキシル基またはヒドロキ
シル基を有する、すでに記載された二価または多価のカ
ルボン酸およびアルコールのポリエステルおよびポリエ
ーテルオール、例えばすでに記載されたアルコキシラー
ト、ポリアルキレングリコールおよび環式エーテルのポ
リマーが該当する。
【0037】本発明による、成分a)として使用される
ポリマーPを製造するために、すでに記載されたα,β
−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸
半エステルを前記の重縮合物Pkを用いて常法によりエ
ステル化することができる。その際、エステル化反応の
際に形成される反応水の除去は、例えば脱水剤により、
抽出により、または共沸蒸留により行うことができる。
エステル化は、一般に触媒、例えば強酸、例えば硫酸、
水不含の塩化水素、スルホン酸、例えばトルエンスルホ
ン酸および酸性イオン交換体の存在下で行う。早過ぎる
重合を阻止するために、エステル化を、有利には本発明
により使用されるポリマーPの熱重合を阻止するために
適当である重合抑制剤の存在下で行う。
【0038】ほかの適当な成分a)はα,β−エチレン
性不飽和のアルコールとすでに記載された重縮合物Pk
とのエーテルである。これは、α,β−エチレン性不飽
和のアルコール成分として、例えばアリルアルコール、
メタリルアルコール、クロチルアルコール、桂皮アルコ
ールおよびこれらの混合物を含有する。成分a)として
適当なポリマーPを製造するエーテル化は一般的な、当
業者に周知の方法により行う。
【0039】ほかの適当な成分a)は、α,β−エチレ
ン性二重結合を有するエポキシ樹脂誘導体である。ポリ
マーPとして適当なエポキシ樹脂誘導体は、すでに記載
されたα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸および
ジカルボン酸半エステルと、分子当たり平均して少なく
とも2個のエポキシ基を有するオリゴマーまたはポリマ
ー成分との反応生成物である。これには、例えばすでに
記載された多価アルコールのポリグリシジルエーテル、
縮合したフェノールのポリグリシジルエーテル、例えば
ビスフェノールA、すでに記載された多価カルボン酸の
グリシジルエステル、その他のグリシジル化合物、例え
ばトリグリシジルイソシアヌレート、およびエポキシ化
した天然または合成の油、およびこれらの混合物が該当
する。カルボン酸とエポキシドを反応する方法は当業者
に周知である。
【0040】ほかの適当な成分a)は、α,β−エチレ
ン性不飽和二重結合を有するポリウレタン誘導体であ
る。これは、例えばイソシアネート末端化されたポリウ
レタンを、すでに記載されたα,β−エチレン性不飽和
モノカルボン酸のヒドロキシル基含有エステル、例えば
(メタ)アクリル酸エステル、例えばヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート
等と反応することにより得られる。イソシアネート末端
化されたポリウレタンは、脂肪族および/または芳香族
のジソシアネートおよびポリイソシアネートおよびその
二量体または三量体を、活性水素原子を有する化合物、
例えばすでに記載された多価アルコール、多官能性アミ
ンおよび/またはアミノアルコールと反応することによ
り得られる。アミンおよび/またはアミノアルコールを
使用する場合には、尿素基を有するポリウレタンが生じ
る。イソシアネート末端化されたポリウレタンとほかの
末端化されたポリウレタンの比はエダクトのモル量の比
により調節する。
【0041】本発明の方法に特に適した、水に分散可能
な、放射線硬化可能なポリウレタンおよびその分散液は
欧州特許出願公開第0704469号明細書に記載さ
れ、これは本願明細書にすべての範囲で参照できる。前
記明細書には、実質的に、(1)有機ポリイソシアネー
ト、(2)ポリエステルポリオール、(3)場合によ
り、(2)と異なるポリオール、(4)少なくとも1つ
の、イソシアネートに対して反応性の基および少なくと
も1つの、カルボキシル基またはカルボキシレート基を
有する化合物、(5)少なくとも1つの、イソシアネー
トに対して反応性の基および少なくとも1つの共重合可
能な不飽和の基を有する化合物、(6)場合により、少
なくとも1つのイソシアネートに対して反応性の基を有
し、(1)〜(5)と異なる化合物、から構成される、
水に分散可能な、放射線硬化可能なポリウレタンが記載
されている。
【0042】ポリイソシアネート(1)として、例えば
直鎖または分枝鎖状のC4〜C14−アルキレンジイソシ
アネート、全部で6〜12個の炭素原子を有する脂環式
ジイソシアネート、全部で8〜14個の炭素原子を有す
る芳香族ジイソシアネート、イソシアヌレート基を有す
るポリイソシアネート、ウレトジオンジイソシアネー
ト、ビウレト基を有するポリイソシアネート、ウレタン
基および/またはアロファネート基を有するポリイソシ
アネート、オキサジアジントリオン基を有するポリイソ
シアネート、ウレトンイミン変性ポリイソシアネートま
たはこれらの混合物が該当する。
【0043】ジイソシアネートとして、例えばテトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(1,6−ジイソシアネートヘキサン)、オクタメ
チレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシア
ネートまたはテトラメチルヘキサンジイソシアネート、
脂環式ジイソシアネート、例えば1,4−、1,3−ま
たは1,2−ジイソシアネートシクロヘキサン、4,
4′−ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1−
イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−(イソ
シアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシ
アネート)または2,4−または2,6−ジイソシアネ
ート−1−メチルシクロヘキサンまたは芳香族ジイソシ
アネート、例えば2,4−ジイソシアネートトルエン、
2,6−ジイソシアネートトルエン、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベ
ンゼン、4,4′−および2,4′−ジイソシアネート
ジフェニルメタン、p−キシリレンジイソシアネートお
よびイソプロペニルジメチルトルイレンジイソシアネー
トが挙げられる。
【0044】イソシアヌレート基を有するポリイソシア
ネートは、特にジイソシアネートの環式三量体である、
単一のトリス−イソシアネート−イソシアヌレート、ま
たはその高級な、1個以上のイソシアヌレート環を有す
る同族体である。
【0045】ウレトジオンジイソシアネートは、有利に
はジイソシアネートの環式二量化生成物である。ウレト
ジオンジイソシアネートは、例えば単独成分として、ま
たはほかのポリイソシアネート、特に前記のイソシアヌ
レート基を有するポリイソシアネートとの混合物として
使用することができる。適当なビウレト基を有するポリ
イソシアネートは、有利にはNCO含量18〜22重量
%および平均NCO官能価3〜4.5を有する。
【0046】ウレタン基および/またはアロファネート
基を有するポリイソシアネートは、例えばジイソシアネ
ートの過剰の量を、単純な、多価アルコール、例えばト
リメチロールプロパン、グリセリン、1,2−ジヒドロ
キシプロパンまたはこれらの混合物と反応することによ
り得ることができる。このウレタン基および/またはア
ロファネート基を有するポリイソシアネートは一般にN
CO含量12〜20重量%および平均NCO官能価2.
5〜3を有する。
【0047】オキサジアジントリオン基を有するポリイ
ソシアネートはジイソシアネートおよび二酸化炭素から
製造することができる。
【0048】ポリエステルポリオール(2)は、特にポ
リエステルジオールである。適当なポリエステルポリオ
ールはすでに成分Pkとして記載されたものである。
【0049】ほかのポリオール(3)は、例えば、連鎖
延長剤または架橋剤として使用される、特に500g/
モル未満の分子量を有する、低分子ジオールまたはトリ
オールである。
【0050】ほかの構成成分(4)として、少なくとも
1つの、有利には1個または2個の、イソシアネート基
に対して反応性の基、例えばヒドロキシル基、第一級ま
たは第二級アミノ基および少なくとも1つの、カルボキ
シル基またはカルボキシレート基を有する化合物を使用
する。
【0051】例えばヒドロキシカルボン酸、例えばジヒ
ドロキシカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸、スル
ホン酸含有カルボン酸、例えば5−スルホイソフタル
酸、またはアミノカルボン酸が挙げられる。アミノカル
ボン酸が有利であり、特にジアミノカルボン酸が有利で
ある。アルキレンジアミンとアクリル酸のモル比が有利
には約1:1であるC2〜C6−アルキレンジアミン、有
利にはC2−アルキレンジアミンへのアクリル酸のアダ
クト(PUD塩)がきわめて有利である。
【0052】構成成分(4)により、ポリウレタン自体
が分散可能であり、すなわち水に分散する際に、この場
合に一般に保護コロイドまたは乳化剤のような分散助剤
が必要でない。
【0053】カルボキシル基は、水に分散する前または
その時に、例えば無機および/または有機塩基、例えば
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
金属炭酸水素塩、アンモニアまたは第一級アミン、第二
級アミンまたは有利には第三級アミン、例えばトリエチ
ルアミンにより中和する。
【0054】少なくとも1つの共重合可能な不飽和の基
および少なくとも1つの、有利には1つの、イソシアネ
ートに対して反応性の基を有する構成成分(5)とし
て、例えばアクリル酸またはメタクリル酸とポリオール
とのエステルが該当し、この場合に少なくとも1つのヒ
ドロキシル基がエステル化されずに残る。C1〜C12
ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートが特に有利
であり、この場合にアルキル鎖は線状または分枝鎖状で
あってもよい。
【0055】場合により使用されるべき構成成分(6)
は、例えば少なくとも2個の第一級アミノ基、2個の第
二級アミノ基または1個の第一級アミノ基および1個の
第二級アミノ基を有し、有利には32〜500g/モル
の分子量範囲の、少なくとも二官能性のアミン連鎖延長
剤または架橋剤である。
【0056】このための例は、ジアミン、例えばジアミ
ノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミ
ノヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPD
A)、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノ
ールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物またはトリ
アミン、例えばジエチレントリアミンまたは1,8−ジ
アミノ−4−アミノメチルオクタンである。
【0057】ほかの適当な成分a)は、α,β−エチレ
ン性不飽和の二重結合を有する化合物、例えばすでに記
載されたα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸と反
応することができる、遊離ヒドロキシル基、カルボキシ
ル基および/またはエポキシ基を有するポリマーからな
る、α,β−エチレン性二重結合を有するポリマーPで
ある。これにより、α,β−エチレン性不飽和アシル基
を有するポリマーが得られる。
【0058】特に有利な成分a)は欧州特許出願公開第
0012339号明細書に記載され、本願明細書にすべ
ての範囲で参照できる。
【0059】ポリマーPはポリマー粉末としてまたはポ
リマー分散液Pdとして添加することができる。
【0060】適当なポリマー分散液Pdは、モノマーの
重合を直接液相で行う(懸濁重合または乳化重合)一次
分散液または予め製造したポリマーをほかの工程で分散
する二次分散液である。
【0061】本発明により使用されるポリマーPの二次
分散液Pdを製造するために、ポリマーを固体としてま
たは溶液として、不活性の有機溶剤中で水相と混合する
ことができる。有利にはポリマーPを溶液として、不活
性の有機溶剤または溶剤混合物中で使用する。その際ポ
リマーPの合成の際に直接生じる溶液を使用することが
できる。適当な有機溶剤は、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アル
コール、例えばn−プロパノール、イソプロパノール、
n−ブタノール、イソブタノール、エステル、例えば酢
酸エチルおよび酢酸ブチル、芳香族炭化水素、例えばト
ルエンおよびキシレンであり、その際不活性の、水と混
和可能な溶剤、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、
メチルエチルケトンおよびアルコールが有利である。
【0062】ポリマーPまたはこの溶液を、分散液Pd
を製造するために、適当な、例えば分散液の所望の固体
含量に相当する量の水および場合により少なくとも1種
の分散剤および場合によりほかの添加剤と混合する。混
合および場合により有機溶剤を蒸留により分離するため
の適当な装置は当業者に周知である。
【0063】ポリマー分散液Pdへの少なくとも1種の
分散助剤の添加は、使用されるポリマーPに依存する。
欧州特許出願公開第0704469号明細書から、それ
自体分散可能に作用する構成成分を含有する、水に分散
可能な、放射線硬化可能なポリウレタンは公知である。
従って、このポリウレタンを使用する際に、一般に分散
助剤、例えば保護コロイドまたは乳化剤を省くことがで
きる。
【0064】すでに記載されたポリウレタンとしてほか
のポリマーPを使用する場合は、水性ポリマー分散液P
dに、乳化剤および/または保護コロイドをポリマーP
の量に対して一般に約0.05〜20重量%、有利には
0.1〜15重量%の量で添加することができる。
【0065】適当な乳化剤は、当業者に周知の、一般に
水性乳化重合の際に分散剤として使用される乳化剤であ
り、例えばHouben−Weyl,Methoden
der organischen Chemie,X
IV/1巻,Makromolekulare Sto
ff,Georg −Thieme−Verlag,S
tuttgart,1961,411−420頁に記載
されている。アニオン性、カチオン性および非イオン性
乳化剤が適している。有利には相対的分子量が保護コロ
イドと異なり、一般に3500ドルトン未満である乳化
剤を使用する。
【0066】使用可能な非イオン性乳化剤は、芳香脂肪
族または脂肪族の非イオン性乳化剤、例えばエトキシル
化モノ−、ジ−およびトリアルキルフェノール(EO
度:3〜50、アルキル基:C4〜C10)、長鎖アルコ
ールのエトキシレート(EO度:3〜50、アルキル
基:C8〜C36)およびポリエチレンオキシド/ポリプ
ロピレンオキシド−ブロックコポリマーである。長鎖ア
ルカノールのエトキシレート(アルキル基:C10
22、平均エトキシル化度10〜50)が有利であり、
このうち線状のC12〜C18−アルキル基および平均エト
キシル化度10〜50を有するものおよびエトキシル化
モノアルキルフェノールが特に有利である。
【0067】適当なアニオン性乳化剤は、例えばアルキ
ルスルフェート(アルキル基:C8〜C22)、エトキシ
ル化アルコール(EO度:2〜50、アルキル基:C12
〜C 18)およびエトキシル化アルキルフェノール(EO
度3〜50、アルキル基C4〜C9)の硫酸半エステル、
アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)および
アルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C9
18)のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。
更に適当な乳化剤は、Houben weyl,Met
hoden der organischen Che
mie,XIV/1巻,Makromolekular
e Stoffe,Georg − Thieme − V
erlag,Stuttgart,1961,192−
208頁に記載されている。アニオン性乳化剤として、
同様にビス(フェニルスルホン酸)エーテルまたはその
アルカリ金属塩またはアンモニウム塩が適しており、こ
れらは1つまたは2つの芳香環にC4〜C24−アルキル
基を有する。これらの化合物は、例えば米国特許第42
69749号明細書から一般に知られており、例えばダ
ウファックス(Dowfax)(登録商標)2A1(D
ow Chemical 社 )として市販されている。
【0068】適当なカチオン性乳化剤は、有利には第四
級アンモニウムハロゲン化物、例えばトリメチルセチル
アンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウ
ムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリ
ド、またはN−C6〜C20−アルキルピリジン、N−C6
〜C20−アルキルモルホリンもしくはN−C6〜C20
アルキルイミダゾールの第四級化合物、例えばN−ラウ
リルピリジニウムクロリドである。
【0069】適当な保護コロイドは、例えばポリビニル
アルコールおよび一部けん化したポリビニルアセテー
ト、ポリビニルプロピオネート、ポリアクリレート、ポ
リビニルピロリドン、すでに記載された、ポリマーを形
成する2種以上のモノマーからなるコポリマー、セルロ
ースおよびセルロース誘導体、例えばメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、デンプンおよびデンプン誘導体、例えばシア
ノアルキルエーテルデンプン、ヒドロキシアルキルエー
テルデンプンおよびカルボキシメチルデンプン、タンパ
ク質およびタンパク質分解生成物、例えばゼラチンおよ
びゼラチン誘導体等である。保護コロイドの詳しい説明
は、Houben−Weyl,Methoden de
r Organischen Chemie,XIV/
1巻,Makromolekulare Stoff
e,Georg − Thieme − Verlag,S
tuttgart,1961,411−420頁に記載
されている。
【0070】ポリマー分散液Pdのほかの適当な添加剤
は、本発明による被覆材料の以下に記載される成分
c)、d)およびe)であり、これらは水性ポリマー分
散液Pdを使用する際にすでに分散液に決められた量で
添加することができる。
【0071】分散助剤および/または添加剤は、単独で
または混合物として、有機相、水相または有機相および
水相の混合物に添加することができる。
【0072】分散液Pdを製造するために、ポリマーP
を有機溶剤中で使用する場合は、ポリマーを水相および
場合によりすでに記載された添加剤と混合後、蒸留によ
り分離することができる。蒸留は常圧または減圧下で行
うことができる。その際使用される有機溶剤に応じて、
水の一部を共沸混合物として一緒に除去することができ
る。引き続き、場合により蒸留に続いて、分散液の所望
の固体含量を達成するために、水の添加が必要である。
有機溶剤をほぼ完全に除去し、その際残留溶剤含量は、
水性被覆材料の全量に対して一般に0.1重量%未満で
ある。
【0073】成分b):本発明による水性の、放射線硬
化可能な被覆材料は、成分b)として、α,β−エチレ
ン性不飽和の、放射線硬化可能な二重結合を有する、少
なくとも1種の、Pとは異なる、水溶性かまたは水で希
釈可能な、放射線硬化可能な化合物Sを0.1〜90重
量%、有利には10〜85重量%含有する。
【0074】適当な化合物Sは、脂肪族および芳香族の
エポキシドアクリレートおよびエポキシドメタクリレー
トであり、その際有利には脂肪族化合物を使用する。こ
れには、例えばポリマーPとしてすでに記載されたアク
リル酸またはメタクリル酸と脂肪族グリシジルエーテル
との反応生成物が該当する。グリシジルエーテルとし
て、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンタンジ
オールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等を使用
するのが有利であり、グリロナイト(Griloni
t)(登録商標)RV (EMS社)として市販されて
いる。
【0075】ほかの適当な化合物Sは、ポリエーテルア
クリレートおよびポリエーテルメタクリレート、ポリエ
ステルアクリレートおよびポリエステルメタクリレー
ト、ポリウレタンアクリレートおよびポリウレタンメタ
クリレートである。この種の適当な化合物は、相当す
る、成分a)として記載されるポリマーPである。その
際アクリル酸またはメタクリル酸と重縮合物Pkとして
記載されたポリエステルオールおよびポリエーテルオー
ルとの反応生成物が有利である。欧州特許出願公開第1
26341号明細書および欧州特許出願公開第2793
03号明細書に記載される放射線硬化可能なアクリレー
トが特に有利であり、これを本願明細書に全部の範囲で
参照できる。その際ポリエーテルオールとして、有利に
はアルコキシル化した、特にエトキシル化および/また
はプロポキシル化した一官能性、二官能性、三官能性ま
たは多官能性アルコールを使用する。
【0076】ほかの適当な化合物Sは、メラミンアクリ
レートおよびメタクリレートである。これは、例えば樹
脂の遊離メチロール基をアクリル酸またはメタクリル酸
でエステル化することにより、またはエーテル化メラミ
ン化合物をヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートでエーテル化することにより得ら
れる。
【0077】ほかの適当な化合物Sは、不飽和の基を有
する一般的な増粘剤である。これにはすでに記載された
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの組み込みに
よりα,β−エチレン性不飽和二重結合を有するポリウ
レタン増粘剤が該当する。これには更に、酸基またはヒ
ドロキシル基を有するポリマーとエポキシド含有(メ
タ)アクリレート、例えばグリシジル(メタ)アクリレ
ートとのポリマー類似反応により、またはヒドロキシル
基含有ポリマーを、(メタ)アクリル酸とエステル化す
るか、または(メタ)アクリル酸無水物と反応すること
により、またはNCO末端化された(メタ)アクリレー
ト、例えばメタクリロイルイソシアネート、イソシアネ
ートエチル(メタ)アクリレート等と反応することによ
り得られるポリアクリレート増粘剤が該当する。これに
は更に、(メタ)アクリル酸無水物と反応することによ
り、または(メタ)アクリル酸でエステル化することに
より、二重結合を有する基で変性された、ポリビニルア
ルコールが該当する。これには、最後に、コモノマーと
して無水マレイン酸を含有するコポリマーが該当し、こ
の場合にポリマーは、すでに記載されたヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシビニルエー
テル、例えばブタンジオールモノビニルエーテル、シク
ロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等を用いる
無水物の開環により二重結合で変性されている。
【0078】化合物Sは本発明による水性の放射線硬化
可能な被覆材料に、被覆材料が50〜95重量%の範囲
の固体含量を得るような量で添加する。
【0079】有利な実施態様により、被覆材料は、 I)ポリマーPがα,β−エチレン性不飽和モノカルボ
ン酸とヒドロキシル基含有重縮合物Pkとのエステルで
あり、化合物Sがエポキシドアクリレート、エポキシド
メタクリレート、ポリエーテルアクリレートまたはポリ
エーテルメタクリレートであるか、または II)ポリマーPがα,β−エチレン性二重結合を有す
るポリウレタン誘導体であり、化合物Sが放射線により
重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合を有する
ポリウレタン増粘剤であるか、、または III)ポリマーPがα,β−エチレン性二重結合を有
するポリウレタン誘導体であり、化合物Sが放射線によ
り重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合を有す
る、アクリレートを基礎とする増粘剤であるか、または IV)ポリマーPがα,β−エチレン性不飽和モノカル
ボン酸とヒドロキシル基含有重縮合物Pkとのエステル
であり、化合物Sがメラミンアクリレートまたはメラミ
ンメタクリレートである。
【0080】成分c):本発明による被覆材料は、放射
線硬化するために、エネルギーの多い電子線または紫外
線にさらすことができる。紫外線による硬化を実施する
場合は、被覆材料に成分c)として光開始剤を0.05
〜20重量%、有利には0.05〜10重量%、特に0.
1〜5重量%添加する。
【0081】適当な光開始剤は、P.K.T.Oldring Che
mistry and Technology of UV andEB Formulation for
Coatings Inks and Paints SITA Technology London 19
91Volume 3 Photoinitiators for Free Radical and Ca
tionic Polymerisationに記載されている。
【0082】これには、例えばベンゾフェノン、アルキ
ルベンゾフェノン、例えば4−メチルベンゾフェノン、
ハロゲノメチル化ベンゾフェノン、ミヒラーケトン
(4,4′−ビスジメチルアミン−ベンゾフェノン)、
ハロゲン化ベンゾフェノン、例えば4−クロロベンゾフ
ェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、アントラ
キノン、アントロン(9,10−ジヒドロ−アントラセ
ノン)、ベンゾイン、イソブチルベンゾインエーテル、
ベンジルおよびベンジル誘導体、例えばベンジルジメチ
ルケタール、ホスフィンオキシド、またはホスフィンス
ルフィド、例えばビスアシルホスフィンオキシド、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キシド等が該当する。
【0083】必要により、本発明の被覆材料は、付加的
に協力剤、有利には第三級アミンを含有することができ
る。適当な協力剤は、例えばトリエチルアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、アミノアクリレート、例えばアミン
変性ポリエーテルアクリレート、例えばBASF社のラ
ロマー(Laromer)(登録商標)LR8956、
LR8889、LR8869、LR8894、PO83
FおよびPO84F、およびこれらの混合物である。協
力剤は、純粋の第三級アミンの場合は、一般に被覆材料
の全量に対して5重量%までの量で、アミノアクリレー
トの場合は、含有されるアミノ基の数に相当する当量で
使用する。
【0084】成分d):被覆材料は、更に、充填剤を約
0〜60重量%、有利には約5〜50重量%含有するこ
とができる。適当な充填剤は、例えば四塩化珪素の加水
分解により得られるシリケート(Aerosil(登録
商標)Degussa社)、ケイソウ土、タルク、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム等である。
【0085】成分e):被覆材料は、更にほかの添加剤
を0〜20重量%含有することができる。適当なほかの
添加剤は、すでに成分a)の水性ポリマー分散液Pdの
ところで記載された乳化剤および保護コロイドである。
【0086】被覆材料が含有することができるほかの添
加剤は、常用の、当業者に周知の添加剤、例えば艶消し
剤、顔料、流展助剤、泡止め剤等である。これは一般的
な方法を使用して製造した分散液に混入することができ
る。
【0087】本発明による被覆材料は、有利には少なく
とも50重量%、有利には少なくとも65重量%、特に
少なくとも70重量%、および特に有利には少なくとも
75重量%の固体含量を有する。一般に被覆材料は、9
5重量%以下の固体含量を有する。
【0088】技術水準から公知の放射線硬化可能な被覆
材料は、基体に塗布後、紫外線または電子線で照射する
前に、一般に物理的に乾燥していなければならない。こ
のために、被覆材料を、一般に100℃までの温度で3
0分まで予熱し、引き続き短時間紫外線またはエネルギ
ーの多い電子線にさらす。本発明の被覆材料において
は、吸着可能の基体の場合に、有利には塗布重量に依存
して、約65重量%の固体含量から、有利には約75重
量%の固体含量から、物理的乾燥を省くことができる。
この場合は、被覆材料を基体に塗布後、照射によりゲル
化するかまたは場合により完全に硬化し、その後常用の
放射線硬化可能な塗料構造を被覆し、硬化することがで
きる。被覆材料を、所望の場合はゲル化および硬化せず
に、直接上塗りすることができる。その際被覆材料を、
一般的な方法、例えば噴霧、注型または圧延により、表
面に塗布することができる。
【0089】本発明による、水性の、放射線硬化可能な
被覆材料の製造は、すでに記載された個々の成分を一般
的な方法により分散することにより行う。このために、
成分a)、b)、c)、d)およびe)を単独でまたは
混合物として、固体でまたは溶解してもしくは予め分散
して相当する量の水に混合し、例えば撹拌して分散する
ことができる。水性ポリマー分散液Pdを使用する場合
は、個々のまたは複数の成分をこの分散液に添加し、引
き続き所望の場合は水を加えて求める固体含量まで希釈
することができる。本発明による被覆材料を製造するた
めの適当な方法および装置は当業者に周知である。
【0090】本発明の分散液は有機溶剤をほとんど含ま
ず、高い保存安定性を有する。これは水性および非水性
の分散液を基礎とする塗料のような、すべての常用の、
放射線硬化可能な塗料用被覆材料として十分に適してい
る。その際被覆材料を用いて吸着不可能の基体、例えば
プラスチック、織物合成繊維、ガラス、有利には金属を
被覆することができる。有利には本発明による被覆材料
は、吸着可能な基体、例えば紙、皮革、織物、木材およ
び木材加工材料、例えば木質繊維板の被覆に適してい
る。その際有利には、下塗り剤のない塗料および常用の
被覆材料が良好に付着しない、種々の熱帯性木材、例え
ばチーク、メーアバウム(Meerbaum)、マホガニー等に
おいても、良好な被覆が達成される。
【0091】
【実施例】本発明を以下の実施例により詳細に説明す
る。本発明は実施例に限定されない。
【0092】例 例1 50%ポリエステルアクリレートエマルション(Lar
omer(登録商標)LR8895、BASF社)33
部に、脂肪族エポキシドアクリレート(Laromer
(登録商標)LR8765、BASF社)67部を分散
して入れ、ベンゾフェノンおよび1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトンの重量比1:1からなる光開始
剤混合物(Irgacure(登録商標)500、Ci
ba社の光開始剤)1%と混合した。安定な溶液が得ら
れた。固体含量は約83%であった。この被覆材料をプ
ライマーとして層厚約10g/m2でブナ表面に圧延
し、放射器(120W/cm)を用いてゲル化した。そ
の後、アミン変性ポリエーテルアクリレートおよびほか
のポリエーテルアクリレートを基礎とする、常用の放射
線硬化可能な下塗り剤をローラーを用いて塗布し、ゲル
化し、かつ硬化した。表面を研磨後、市販の紫外線硬化
可能な上塗り剤を塗布し、最終硬化した。塗料表面の付
着特性を表1に記載した。
【0093】例2 50%ポリエステルアクリレートエマルション(Lar
omer LR8895、BASF社)80部に、ポリ
エーテルアクリレート(Laromer LR896
7、BASF社)19部を分散して入れ、ベンゾフェノ
ンおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
の重量比1:1からなる光開始剤混合物1%(Irga
cure 500、Ciba社の光開始剤)を混合し
た。安定なエマルションが得られた。固体含量は60%
であった。この被覆材料を層厚約5〜8g/m2でブナ
表面に圧延し、放射器(120W/cm)を用いてゲル
化した。その後例1と同様に下塗り剤および上塗り剤か
らなる標準構造体を塗布した。
【0094】例3 ポリエステルアクリレートの50%エマルション(La
romer PE55W、BASF社)40部を、メラ
ミンアクリレート(Laromer LR8794、B
ASF社)60部と均一に混合し、4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピル)ケトン(Irgacure2959、Cib
a社の光開始剤)2%を添加後、ローラーを用いてブナ
表面に、層厚10g/m2で塗布し、放射器(120W
/cm、IST社)を用いてゲル化した。その後例1と
同様に下塗り剤および上塗り剤からなる標準構造体を塗
布した。
【0095】比較例 例1および3による塗料構造体を、プライマーで予め処
理していないブナ木材表面に塗布した。
【0096】放射線硬化可能な表面を評価するために、
ISO2409、DIN53151によりクロスカット
試験値を測定した。結果を表1に記載した。
【0097】 表1例No 1 2 3 比較例 0〜1 0〜1 0〜1 4 表1に示される結果から、本発明による放射線硬化可能
なプライマーで処理した表面は、塗料を塗布する前に処
理しなかった表面より明らかに良好なクロスカット試験
値を有した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドムント カイル ドイツ連邦共和国 ホイヒェルハイム ホ ッホハイマー エック 5アー (72)発明者 マティアス ロカイ ドイツ連邦共和国 エンケンバッハ−アル ゼンボルン ライニンガーシュトラーセ 86 (72)発明者 エーリヒ ベック ドイツ連邦共和国 ラーデンブルク シラ ーシュトラーセ 1 (72)発明者 クラウス メンツェル ドイツ連邦共和国 メークリンゲン クリ ストフシュトラーセ 5

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分a)放射線により重合可能な、少な
    くとも1つのα,β−エチレン性不飽和二重結合を有す
    る、水に分散可能な、少なくとも1つのポリマーP5.
    0〜90.0重量%、 成分b)放射線により重合可能な、少なくとも1つの
    α,β−エチレン性不飽和二重結合を有する、ポリマー
    Pとは異なり、水溶性かまたは被覆材料の全重量に対し
    て少なくとも10重量%の水で希釈可能な、少なくとも
    1つの放射線硬化可能な化合物S0.1〜90重量%、 成分c)光開始剤0〜20重量%、 成分d)充填剤0〜60重量%、 成分e)ほかの添加剤0〜20重量%、 成分f)水、合わせて100重量% を含有する放射線硬化可能な水性被覆材料。
  2. 【請求項2】 ポリマーPが、α,β−エチレン性不飽
    和のモノカルボン酸とヒドロキシル基含有重縮合物Pk
    とのエステル、α,β−エチレン性不飽和のジカルボン
    酸半エステルと重縮合物Pkとのエステル、α,β−エ
    チレン性不飽和のアルコールと重縮合物Pkとのエーテ
    ル、α,β−エチレン性二重結合を有するエポキシ樹脂
    誘導体、α,β−エチレン性二重結合を有するポリウレ
    タン誘導体、およびα,β−エチレン性二重結合と一緒
    にアシル基を含有する繰り返し単位を有するポリマーお
    よびこれらの混合物から選択されている、請求項1記載
    の被覆材料。
  3. 【請求項3】 重縮合物Pkが、エーテル基を有してい
    てもよいポリエステル、エステル基を有していてもよい
    ポリエーテル、2価または多価アルコールのアルコキシ
    ラート、ポリアルキレングリコール、環式エーテルの重
    付加ポリマー、およびこれらの混合物およびコポリマー
    から選択されている、請求項2記載の被覆材料。
  4. 【請求項4】 化合物Sが被覆材料の全重量に対して少
    なくとも15重量%の水で希釈可能である、請求項1か
    ら3までのいずれか1項記載の被覆材料。
  5. 【請求項5】 化合物Sが、エポキシドアクリレート、
    エポキシドメタクリレート、ポリエーテルアクリレー
    ト、ポリエーテルメタクリレート、ポリエステルアクリ
    レート、ポリエステルメタクリレート、ポリウレタンア
    クリレート、ポリウレタンメタクリレート、メラミンア
    クリレート、メラミンメタクリレート、増粘剤およびこ
    れらの混合物から選択されている、請求項1から4まで
    のいずれか1項記載の被覆材料。
  6. 【請求項6】I)ポリマーPがα,β−エチレン性不飽
    和のモノカルボン酸とヒドロキシル基含有重縮合物Pk
    とのエステルであり、かつ化合物Sが、エポキシドアク
    リレート、エポキシドメタクリレート、ポリエーテルア
    クリレートまたはポリエーテルメタクリレートである
    か、または II)ポリマーPがα,β−エチレン性二重結合を有す
    るポリウレタン誘導体であり、かつ化合物Sが放射線に
    より重合可能な、α,β−エチレン性不飽和二重結合を
    有するポリウレタン増粘剤であるか、または III)ポリマーPがα,β−エチレン性二重結合を有
    するポリウレタン誘導体であり、かつ化合物Sが放射線
    により重合可能な、α,β−エチレン性不飽和二重結合
    を有するアクリレートを基礎とする増粘剤であるか、ま
    たは IV)ポリマーPがα,β−エチレン性不飽和のモノカ
    ルボン酸とヒドロキシル基含有重縮合物Pkとのエステ
    ルであり、かつ化合物Sがメラミンアクリレートまたは
    メラミンメタクリレートである、請求項1から5までの
    いずれか1項記載の被覆材料。
  7. 【請求項7】 被覆した表面を製造する方法において、 i)請求項1から6までのいずれか1項記載の被覆材料
    を表面上に塗布し、 ii)塗布した被覆材料を紫外線または電子線を照射す
    ることにより硬化し、 iii)被覆した表面上に、少なくとも1つの、他の放
    射線硬化可能な塗料を塗布し、かつ硬化することを特徴
    とする、被覆した表面を製造する方法。
  8. 【請求項8】 工程i)で表面上に塗布後、照射前に下
    塗り剤を付加的に乾燥しない、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 プライマーとしての請求項1から6まで
    のいずれか1項記載の被覆材料の使用。
  10. 【請求項10】 吸着不可能の表面のためのプライマー
    または吸着可能の基体のためのプライマーとしての請求
    項9記載の使用。
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