JP2006116748A - 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 構造体上に光硬化により消色又は変色するインジケーター機能を有する光硬化性樹脂組成物層を介してFRP成形体又は光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させる。
【選択図】 なし
Description
これらのビニルエステル樹脂を使用したライニング工法としては、液状樹脂ライニングとシートライニングに大別することができる。液状樹脂ライニングには、FRPライニング、フレークライニングがあり、FRPライニングではガラスマット、サーフェースマット等を使用してハンドレイアップ成形を常温硬化で行い、フレークライニングではガラスフレークを混合した樹脂を塗装して常温で硬化させいる。
一方、シートライニングでは、予めビニルエステル樹脂を使用して作製したFRP板を、ビス止め法、嵌め込み法、接着ライニング等の方法で固定化させている。
近年、シートライニング工法として、耐食性に優れるFRP板をコンクリート等の下水道内面に貼り付け、FRPとコンクリートの隙間に樹脂を注入して硬化させ一体化させるという工法がある。この場合、注入材料としてはエポキシ樹脂が使用されることが多いが、エポキシ樹脂は低温では硬化に時間がかかり、特に冬場の工事に問題点があった。そこで、低温でも硬化の速いラジカル重合系の樹脂を使用して常温硬化させることが考えられるが、短時間で硬化させる常温硬化系の配合にすると、注入させるための可使時間の確保が十分できず、大きな問題となっていた。
すなわち、本発明は、
(1)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた繊維強化樹脂成形体に光照射して、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、前記繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(2)構造体に繊維強化樹脂成形体を貼り付けたのち、構造体と繊維強化樹脂成形体との間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる上記(1)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(3)構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、繊維強化樹脂成形体を貼り付ける上記(1)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(4)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた、硬化により繊維強化樹脂成形体を形成する未硬化の光硬化性プリプレグに光照射して、前記のプリプレグと光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(5)構造体に光硬化性プリプレグを貼り付けたのち、構造体と光硬化性プリプレグとの間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる上記(4)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(6)構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、光硬化性プリプレグを貼り付ける上記(4)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(7)光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光性を有する層である上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(8)光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素と有機ホウ素化合物との組合せからなる光重合開始剤を含み、少なくとも可視光又は近赤外光波長を含む光の照射により硬化する際に消色する上記(7)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(9)光硬化性樹脂組成物層が、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域に感光波長を有する光重合開始剤、及び有機充填材又はポリマーを含み、該光重合開始剤の感光波長領域の光の照射により硬化する際に変色する上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、及び
(10)構造体がコンクリート及び/又は金属である上記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
を提供するものである。
なお、本発明において、「貼り付け」という用語は、単に接して載置する場合や、スペーサ−を配置して隙間を設けて載置する場合をも意味するものとする。
これらの構造体は、FRPと一体化させるための接着性を確保させるため、プライマー処理したものが使用されることが多い。例えば下水管等にもよく使用されるコンクリートであれば、サンダー等で下地処理を施した上にエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂等のプライマー塗工したものが一般的である。
また、このFRPからなる成形体の形状に特に制限はなく、用途に応じて種々の形状のものが用いられるが、一般的にはシート状又は板状体が多く用いられる。
原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。
ビニルエステルの製造に用いるα、β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;大日本インキ化学工業社製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品工業社製)、イソネート143L(商品名;三菱化学社製)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリイソシアネートは一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いるエポキシ基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
で表される化合物などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−100)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−200)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−500)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:A−BPE−4)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:A−BPE−10)などがある。
D+・A- ・・・(2)
(式中、D+は可視光又は近赤外光領域に感光性を有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタン又はピリリウム系色素陽イオンを示し、A-は各種陰イオンを示す。)
で表される陽イオン染料と、一般式(3)
で表されるホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤が好ましい。この光重合開始剤は組み合わせによっては500nm以上の波長の可視光領域に感光性を有するものとなりうる。
この有機ホウ素化合物と可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素とを組み合わせることで、感光領域の波長の光照射を受けた色素が励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性不飽和化合物の重合反応が起こる。この重合反応では、消色を伴うことからラジカル重合による硬化の終了を目視で見極めるには極めて有効である。また、可視光又は近赤外光領域の長波長を使用するため、充填材や顔料などが添加された系でも容易に反応を進めることができるという特徴を持っている。
で表される4配位ホウ素陰イオンが特に好ましい。
本発明における有機ホウ素化合物と可視光又は近赤外光吸収性陽イオン系色素との組成比は、質量基準で、通常1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン系色素よりも多く用いることが好ましい。
前記光重合開始剤の使用量は、ラジカル重合型樹脂100質量部に対して、通常0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜15質量部である。該光重合開始剤の使用量が0.01質量部以上では増粘反応や増粘後の重合が十分に進行し、また20質量部以下では硬化物は良好な強度を有するものになる。
さらに、色の調整のため顔料や染料を配合してもよい。その種類の制限は特になく、公知のものが使用可能である。その際の配合量としては、ラジカル重合型樹脂100質量部に対し、通常多くとも20質量部、好ましくは10質量部までの量である。
さらに本発明では、公知の方法で揺変性を付与してもよく、揺変剤としては、例えばシリカパウダー(エアロジルタイプ)、マイカパウダー、炭酸カルシウムパウダーなどをラジカル重合型樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部程度添加する方法などがある。プリプレグシートの下塗り材として使用する場合は、揺変性を付与したものが使いやすいので有効である。
本発明において、紫外光とは280〜380nm、可視光とは380〜780nm、近赤外光とは、780〜1200nmの波長領域の光線を指す。
FRPやプリプレグの上から光照射するための光源としては、光重合開始剤の感光波長域に分光分布を有する光源であればよく、例えば近赤外ランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを使用することができる。陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組合せの光重合開始剤を添加し、重合反応に伴う消色を生じさせる場合は、500nm以上の波長がでる光源を使用することが肝要である。
あるいは、例えば、下地処理したコンクリート面に、光硬化性樹脂組成物を下塗り材として塗工してその上に光硬化性プリプレグシートを貼り付ける。この際光硬化性樹脂組成物に陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組み合わせからなる光重合開始剤を、必要に応じて紫外光又は可視光重合開始剤と共に添加し、光硬化性プリプレグシートの光重合開始剤及び光硬化性樹脂組成物の光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布を持つ光源を使用し、照射すれば、重合反応に伴う消色が起こり、下塗り材として塗工した光硬化性樹脂組成物とその上の光硬化性プリプレグシートの硬化を確認することができる。なお、この場合、光硬化性プリプレグシートの代わりに、FRPシートを用いることもできる。
また、プリプレグシートを使用する場合、プリプレグシートに陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組合せからなる光重合開始剤を添加しておき、プリプレグシート自体も重合反応で消色できる様にしてもよい。
あるいは、例えば、下地処理したコンクリート面に、光硬化性樹脂組成物を下塗り材として塗工してその上に光硬化性プリプレグシートを貼り付ける。この際光硬化性樹脂組成物に有機充填材又はポリマーと、例えば、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域の光線に感光性を有する光重合開始剤を添加し、該光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布をもつ光源を使用し、照射すると、注入した光硬化性樹脂組成物の重合に伴い、濁りが生じ変色が見られ、下塗り材として塗工した光硬化性樹脂組成物とその上の光硬化性プリプレグシートの硬化を確認することができる。なお、この場合、光硬化性プリプレグシートの代わりに、FRPシートを用いることもできる。
また、プリプレグシートを使用する場合、プリプレグシートに有機充填材又はポリマーを添加して、プリプレグシート自体も重合反応で変色できる様にしてもよい。
本発明の方法における光硬化性樹脂組成物層の厚さについては、例えば、該組成物を構造体とその上に設けられたFRP成形体又は光硬化性プリプレグの隙間に注入する場合には、用途にもよるが、通常1〜20mm程度であり、一方、構造体上に該組成物を塗工して塗膜を形成し、その上にFRP成形体又は光硬化性プリプレグを設ける場合には、用途にもよるが、通常200〜1000g/m2程度である。
実施例1
(1)消色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720」(昭和高分子社製):100質量部に、表1の番号3に示す1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニル−n−ブチルボレート(近赤外光吸収性陽イオン染料、昭和電工社製、以下IRBと略記する。):0.03質量部とテトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート(ホウ素化合物、昭和電工社製、以下P3Bと略記する。):0.15質量部を組み合わせた近赤外光重合開始剤を添加し、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1を得た。
(2)構造体へのFRP板の貼り付け
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
次に、コンクリート歩道板のプライマー処理面3辺に、厚さ2mm、幅1cmのゴムスペーサーを配置し、その上にビニルエステル樹脂「リポキシR−802」(昭和高分子社製)#450チョップドストランドマット3プライからハンドレイアップ成型で作製した厚さ3mmのFRP板を貼り付けてゴムスペーサー部をシールして樹脂注型できるように立てかけた。
(3)光硬化
FRP板とそれを貼り付けたコンクリート歩道板の2mmの隙間に、上記(1)で調製した消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1を流し込んで、FRP板面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで30分間光照射したところ、青色の消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1が消色して硬化したことがFRP板上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.5N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
(1)変色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720」(昭和高分子社製):100質量部に、ポリ酢酸ビニル系低収縮材「リゴラックM−5553」(スチレン希釈、固形分32.5質量%、昭和高分子社製):10質量部を混合し、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2を得た。
(2)構造体へのFRP板の貼り付け
実施例1(2)と全く同様な操作を行い、コンクリート歩道板にFRP板を貼り付けた。
(3)光硬化
FRP板と貼り付けたコンクリート歩道板の2mmの隙間に、上記(1)で調製した変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2を流し込んで、FRP板面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで30分間照射したところ、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2が白く変色して硬化したことがFRP板上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.1N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
(1)消色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ):100質量部に、IRB:0.03質量部とP3B:0.15質量部を組み合わせた近赤外光重合開始剤を添加し、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3を得た。
(2)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(3)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、上記(1)で調製した消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3を450g/m2塗付して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ、青色の消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3が消色して、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3とプリプレグシートが硬化したことがプリプレグシート上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.7N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
(1)変色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ):100質量部に、ポリ酢酸ビニル系低収縮材「リゴラックM−5553」(スチレン希釈、固形分32.5質量%、昭和高分子社製):10質量部を混合し、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4を得た。
(2)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(4)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、上記(1)で調製した変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4を450g/m2塗付して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4が白く変化して、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4とプリプレグシートが硬化したことがプリプレグシート上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.3N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
(1)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(2)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ)を450g/m2塗工して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで光照射を続けたが、実施例3で硬化していることを確認した20分が過ぎても何も変化は見られず、目視では裏面の「LC−720PT」が硬化したかどうかの判断はできなかった。
Claims (10)
- 構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた繊維強化樹脂成形体に光照射して、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、前記繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体に繊維強化樹脂成形体を貼り付けたのち、構造体と繊維強化樹脂成形体との間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、繊維強化樹脂成形体を貼り付ける請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた、硬化により繊維強化樹脂成形体を形成する未硬化の光硬化性プリプレグに光照射して、前記のプリプレグと光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体に光硬化性プリプレグを貼り付けたのち、構造体と光硬化性プリプレグとの間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる請求項4に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、光硬化性プリプレグを貼り付ける請求項4に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光性を有する層である請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素と有機ホウ素化合物との組合せからなる光重合開始剤を含み、少なくとも可視光又は近赤外光波長を含む光の照射により硬化する際に消色する請求項7に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 光硬化性樹脂組成物層が、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域に感光波長を有する光重合開始剤、及び有機充填材又はポリマーを含み、該光重合開始剤の感光波長領域の光の照射により硬化する際に変色する請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
- 構造体がコンクリート及び/又は金属である請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
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