JP2006116748A - 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006116748A
JP2006116748A JP2004304665A JP2004304665A JP2006116748A JP 2006116748 A JP2006116748 A JP 2006116748A JP 2004304665 A JP2004304665 A JP 2004304665A JP 2004304665 A JP2004304665 A JP 2004304665A JP 2006116748 A JP2006116748 A JP 2006116748A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
molded body
photocurable
composition layer
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004304665A
Other languages
English (en)
Inventor
Daigo Ito
大悟 伊藤
Tomio Yamamoto
富生 山本
Kazuo Otani
和男 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP2004304665A priority Critical patent/JP2006116748A/ja
Publication of JP2006116748A publication Critical patent/JP2006116748A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】 構造体上に光硬化性樹脂組成物層を介してFRP成形体又は光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを硬化させることにより、構造体とERP成形体を一体化させるに際し、前記光硬化を目視で確実に判断し得るFRP成形体付き構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 構造体上に光硬化により消色又は変色するインジケーター機能を有する光硬化性樹脂組成物層を介してFRP成形体又は光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、コンクリートや金属などからなる構造体上に、光硬化により消色又は変色する光硬化性樹脂組成物層を介して、繊維強化樹脂(以下、FRPと称することがある。)成形体又はその前駆体である光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを光硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させるに際し、前記光硬化を目視で確実に判断し得るFRP成形体付き構造体の製造方法に関するものである。
防食分野では、耐食FRPがマトリックスの優れた耐食性、安価、常温硬化で容易に成形が可能であることから発展してきた。耐食FRPのマトリックスとして使用されている樹脂にはイソフタル酸系、ビスフェノール系、ヘット酸系の各不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などがあるが、中でも特にビニルエステル樹脂がその耐食性能の優位性から、不飽和ポリエステル樹脂で適用できない用途分野で置き換わり、使用が拡大されてきている。
これらのビニルエステル樹脂を使用したライニング工法としては、液状樹脂ライニングとシートライニングに大別することができる。液状樹脂ライニングには、FRPライニング、フレークライニングがあり、FRPライニングではガラスマット、サーフェースマット等を使用してハンドレイアップ成形を常温硬化で行い、フレークライニングではガラスフレークを混合した樹脂を塗装して常温で硬化させいる。
一方、シートライニングでは、予めビニルエステル樹脂を使用して作製したFRP板を、ビス止め法、嵌め込み法、接着ライニング等の方法で固定化させている。
ところで、下水道施設関連の用途においては、日本下水道事業団の防食技術指針があり、昭和62年、平成3年、平成5年、平成9年、平成14年と改訂が行われ、最近では硫黄侵入深さ試験が義務づけられ、耐硫酸性に優れるビニルエステル樹脂が有利になっている。また、耐用年数が確保できる工法が重要視されていることから、塗布型ライニング工法とシートライニング工法の完全独立化が進み、耐用年数の確保という視点から、日本下水道事業団の防食技術指針のD2種であるシートライニング工法が注目されている。
近年、シートライニング工法として、耐食性に優れるFRP板をコンクリート等の下水道内面に貼り付け、FRPとコンクリートの隙間に樹脂を注入して硬化させ一体化させるという工法がある。この場合、注入材料としてはエポキシ樹脂が使用されることが多いが、エポキシ樹脂は低温では硬化に時間がかかり、特に冬場の工事に問題点があった。そこで、低温でも硬化の速いラジカル重合系の樹脂を使用して常温硬化させることが考えられるが、短時間で硬化させる常温硬化系の配合にすると、注入させるための可使時間の確保が十分できず、大きな問題となっていた。
また、これらの問題点を解決するための手段として、FRP板が透明であれば光硬化性樹脂を注入して光照射して硬化させるという方法もあるが、光硬化の場合、硬化するまでの照度と光照射の時間を予め実験で求め、その照度で所定時間照射する方法しかなかった。この方法でも照度と時間の管理さえできれば問題ないが、現場ではより確実に硬化を行うため、目視で硬化が判断できる方法が求められていた。また、この要求は、例えば特許文献1や特許文献2などに開示されている光硬化性プリプレグシートを貼り付けて光硬化させるライニング工法においても同様で、時間管理以外に目視で硬化が判断できる方法が求められていた。
特許第3479202号公報 特開2004−181934号公報
本発明は、このような状況下で、構造体上に光硬化性樹脂組成物層を介して、FRP成形体又はその前駆体である光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを光硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させるに際し、前記光硬化を目視で確実に判断し得るFRP成形体付き構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、光硬化性樹脂組成物層に、光硬化する際に消色又は変色するインジケーター機能を付与することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた繊維強化樹脂成形体に光照射して、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、前記繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(2)構造体に繊維強化樹脂成形体を貼り付けたのち、構造体と繊維強化樹脂成形体との間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる上記(1)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(3)構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、繊維強化樹脂成形体を貼り付ける上記(1)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(4)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた、硬化により繊維強化樹脂成形体を形成する未硬化の光硬化性プリプレグに光照射して、前記のプリプレグと光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(5)構造体に光硬化性プリプレグを貼り付けたのち、構造体と光硬化性プリプレグとの間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる上記(4)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(6)構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、光硬化性プリプレグを貼り付ける上記(4)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(7)光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光性を有する層である上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(8)光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素と有機ホウ素化合物との組合せからなる光重合開始剤を含み、少なくとも可視光又は近赤外光波長を含む光の照射により硬化する際に消色する上記(7)項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
(9)光硬化性樹脂組成物層が、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域に感光波長を有する光重合開始剤、及び有機充填材又はポリマーを含み、該光重合開始剤の感光波長領域の光の照射により硬化する際に変色する上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、及び
(10)構造体がコンクリート及び/又は金属である上記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法、
を提供するものである。
なお、本発明において、「貼り付け」という用語は、単に接して載置する場合や、スペーサ−を配置して隙間を設けて載置する場合をも意味するものとする。
本発明によれば、コンクリートや金属などからなる構造体上に、光硬化により消色又は変色するインジケーター機能を有する光硬化性樹脂組成物層を介して、FRP成形体又はその前駆体である光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを光硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させるに際し、前記光硬化を目視で確実に判断し得るFRP成形体付き構造体の製造方法を提供することができる。
本発明のFRP成形体付き構造体の製造方法には、(1)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられたFRP成形体に光照射して、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、前記FRP成形体と構造体を一体化させる方法、及び(2)構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた、硬化によりFRP成形体を形成する未硬化の光硬化性プリプレグに光照射して、前記のプリプレグと光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、FRP成形体と構造体を一体化させる方法、の2つの態様がある。
本発明の方法において使用される構造体は、FRPシートなどのFRP成形体を貼り付けるための構造体であって特に制限はなく、用途にもよるが、例えばコンクリート、金属、陶器などから構成される構造体、好ましくはコンクリート及び/又は金属から構成される構造体を挙げることができる。
これらの構造体は、FRPと一体化させるための接着性を確保させるため、プライマー処理したものが使用されることが多い。例えば下水管等にもよく使用されるコンクリートであれば、サンダー等で下地処理を施した上にエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂等のプライマー塗工したものが一般的である。
本発明の方法において使用されるFRPとしては、光が透過するものであればよく、特に制限されず、従来使用されている公知の光透過性FRPの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、有機及び/又は無機繊維、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アミド繊維、金属繊維、セラミック繊維などのクロス、マット、不織布などの公知の繊維状強化材と、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂の組み合わせで作られるFRP等であり、光透過性さえ得られればフィラー等が充填されていてもよい。また、特に耐食性が要求される用途ではビニルエステル樹脂を使用したFRPが使用される。
また、このFRPからなる成形体の形状に特に制限はなく、用途に応じて種々の形状のものが用いられるが、一般的にはシート状又は板状体が多く用いられる。
本発明で使用される光硬化性樹脂組成物とは、紫外光、可視光、近赤外光の領域内で感光性を有する樹脂組成物であって、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂などの公知のラジカル重合型樹脂に、少なくとも紫外光、可視光、近赤外光の領域内のいずれかに感光性を有する光重合開始剤を添加してなる樹脂組成物である。
まず、ラジカル重合型の樹脂について説明する。不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂のうち、その原料として用いられる不飽和ポリエステルとしては、公知の方法により製造されるものでよく、具体的には無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない飽和多塩基酸又はその無水物とフマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸等の活性不飽和結合を有している不飽和多塩基酸又はその無水物を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分として反応させて製造されるものである。
またビニルエステルとしては、公知の方法により製造されるものであり、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸例えばアクリル酸又はメタクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、あるいは飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和ジカルボン酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基の飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルにα、β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を成分として得られる飽和ポリエステル又は不飽和ポリエステルからなるポリエステル(メタ)アクリレートである。
原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が挙げられる。
末端カルボキシルポリエステルに用いる飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。
ビニルエステルの製造に用いるα、β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
本発明に使用されるウレタン(メタ)アクリレートは特に限定されるものではなく、例えばポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、更に水酸基含有(メタ)アクリル化合物及び必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることができるラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーである。また、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、更にポリイソシアネートを反応させても良い。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;大日本インキ化学工業社製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品工業社製)、イソネート143L(商品名;三菱化学社製)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリイソシアネートは一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料に用いられるポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的にはグリセリン−エチレンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリセリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−エチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトール−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリヒドロキシ化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる多価アルコール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4' −ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら多価アルコール類は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として必要に応じて用いられる水酸基含有アリル化合物としては、具体的には、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエスリトールトリアリルエーテル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に使用されるポリエステル(メタ)アクリレートとは、(1)飽和多塩基酸及び/又は不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反応して得られる(メタ)アクリレート、(2)飽和多塩基酸及び/又は不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに水酸基含有アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリレート、(3)飽和多塩基酸及び/又は不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端水酸基のポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレートである。
ポリエステル(メタ)アクリレートの原料としては用いられる飽和多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸又はその無水物とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸又はその無水物が挙げられる。さらに多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いるエポキシ基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
本発明において使用されるラジカル重合型の樹脂は、前記の不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートにスチレンモノマーや(メタ)アクリル酸メチル等のラジカル重合性不飽和単量体を配合したものである。スチレンモノマー、(メタ)アクリル酸メチル以外のラジカル重合性不飽和単量体の具体例としては、スチレンのα−,o−,m−,p−アルキル,ニトロ,シアノ,アミド,エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン類、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントリル、(メタ)アクリル酸アントロニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロn−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド類、(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物、シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル類、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマレイミド化合物類、N−(メタ)アクリロイルフタルイミドなどが挙げられる。
また、本発明では分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用してもよく、公知のものが使用できる。その具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど各種多価アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル、あるいは一般式(1)
Figure 2006116748
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Phはフェニレン基を示し、m及びnは、それぞれ1以上の整数であるが、その合計が2〜30の整数である。)
で表される化合物などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−100)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−200)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:BPE−500)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:A−BPE−4)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業社製:A−BPE−10)などがある。
当該光硬化性樹脂組成物に配合される前記ラジカル重合性不飽和単量体は組成物の粘度を下げ、硬度、強度、耐候性、耐水性、耐摩耗性等を向上させるために重要であり、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート100質量部に対して、通常10〜250質量部、好ましくは20〜100質量部使用される。この使用量が10質量部以上であれば、得られる組成物は適切な粘度を有し、作業性が良好であり、また250質量部以下であれば、十分な強度を有し、収縮率も小さい。
当該光硬化性樹脂組成物において使用される光重合開始剤は、紫外光、可視光、近赤外光のいずれかに感光性を有するものが使用できる。紫外線重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンジルケタール系、(ビス)アシルホスフィンオキサイド系をはじめとする公知の重合開始剤を使用することができるが、短波長の紫外線ではFRP構成での光透過性が低いことから、比較的長波長、好ましくは300nm以上の波長域に感光性を有する紫外線重合開始剤を使用することが好ましい。
可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤としては、例えば山岡等、「表面」、27(7)、548(1989)、佐藤等、「第3回ポリマー材料フォーラム要旨集」、IBP18(1994)に記載の、カンファーキノン、ベンジルトリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサントン、ジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)等の単独の可視光重合開始剤の他、有機過酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素系、イミダゾール/ケト化合物系、ヘキサアリールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物系、メルカプトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩系、金属アレーン/シアニン色素系など特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤系等の公知の複合開始剤系などを挙げることができる。この中で、特に色素と組み合わせたもので硬化とともに消色したり色相が変化するものが硬化を確認できる点で望ましい。
また、紫外光から可視光領域まで感光性を有する開始剤として、アシルホスフィンオキサイド化合物が有効である。その具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,2−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル等を挙げることができる。
具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ社製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ社製)とが質量比75/25の割合で混合された商品名イルガキュアー1700(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン(商品名:イルガキュアー184、チバスペシャルティーケミカルズ社製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ社製)とが質量比75/25の割合で混合された商品名イルガキュアー1800(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、質量比50/50の割合で混合された商品名イルガキュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ社製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF社製)とが質量比50/50の割合で混合された商品名Darocur4265(チバスペシャルティーケミカルズ社製)などがある。可視光開始剤としては380〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であればよく、それらを組み合わせて使用してもよい。
当該光硬化性樹脂組成物に使用される可視光又は近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、一般式(2)
+・A- ・・・(2)
(式中、D+は可視光又は近赤外光領域に感光性を有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタン又はピリリウム系色素陽イオンを示し、A-は各種陰イオンを示す。)
で表される陽イオン染料と、一般式(3)
Figure 2006116748
(式中、Z+は任意の陽イオンを示し、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アシル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換シリル基又は置換複素環基を示す。)
で表されるホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤が好ましい。この光重合開始剤は組み合わせによっては500nm以上の波長の可視光領域に感光性を有するものとなりうる。
また一般式(3)における陽イオン「Z+」の例としては、可視光又は近赤外光領域に感光性を有しない4級アンモニウム陽イオン、4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ジアゾニウム陽イオン、テトラゾリウム陽イオン、スルホニウム陽イオン、オキソスルホニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム等の金属陽イオン、フラビリウム、ピラニウム塩等の酸素原子上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピリウム、シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウム等のハロゲニウム陽イオン、砒素、コバルト、パラジウム、クロム、チタン、スズ、アンチモン等の金属化合物の陽イオン等が挙げられる。
この有機ホウ素化合物と可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素とを組み合わせることで、感光領域の波長の光照射を受けた色素が励起され、有機ホウ素化合物と電子授受を行うことで色素が消色すると共にラジカルが発生し、共存する重合性不飽和化合物の重合反応が起こる。この重合反応では、消色を伴うことからラジカル重合による硬化の終了を目視で見極めるには極めて有効である。また、可視光又は近赤外光領域の長波長を使用するため、充填材や顔料などが添加された系でも容易に反応を進めることができるという特徴を持っている。
上記陽イオン染料とホウ素系化合物との組み合わせの例は、特開平3−111402号公報、特開平3−179003号公報、特開平4−146905号公報、特開平4−261405号公報、特開平4−261406号公報、特開平5−194619号公報などに詳細な記載がある。陽イオン染料の「D+」の具体例を表1〜表4に示す。これらの陽イオン染料の中でも好ましくはシアニン系、スチリル系陽イオン染料及びトリアリールメタン系染料が使用される。シアニン系、スチリル系陽イオン染料は、一般に有機ホウ素系化合物との電子授受が起こりやすいので本発明の反応を容易に起こしやすいなどの点で好ましい。
Figure 2006116748
Figure 2006116748
Figure 2006116748
Figure 2006116748
一般式(2)で表される陽イオン染料のカウンターアニオンであるA-は、p−トルエンスルホネートイオン、有機カルボキシレートイオン、パークロレートイオン、ハライドイオン等の任意の陰イオンであるが、一般式(4)
Figure 2006116748
(式中、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アシル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基又は置換シリル基または置換複素環基を示す。)
で表される4配位ホウ素陰イオンが特に好ましい。
本発明における有機ホウ素化合物と可視光又は近赤外光吸収性陽イオン系色素との組成比は、質量基準で、通常1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン系色素よりも多く用いることが好ましい。
前記光重合開始剤の使用量は、ラジカル重合型樹脂100質量部に対して、通常0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜15質量部である。該光重合開始剤の使用量が0.01質量部以上では増粘反応や増粘後の重合が十分に進行し、また20質量部以下では硬化物は良好な強度を有するものになる。
当該光硬化性樹脂組成物においては、有機充填材又はポリマーを配合することができる。この有機充填材又はポリマーとしては、その種類の制限は特になく、公知のものが使用可能であるが、低収縮材としても効果のある、例えば公知のポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバルーン、ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等を添加してもよい。有機充填材又はポリマーを使用すると、硬化時に白濁して光硬化性樹脂組成物を変色させることができる。この方法でも光硬化の終了を目視で見極めるには有効である。特に、低収縮材として効果のある有機充填材又はポリマーを使用する場合が効果的である。有機充填材又はポリマーの使用量は、ラジカル重合型樹脂100質量部に対して0〜200質量部、好ましくは0〜50質量部である。
さらに、色の調整のため顔料や染料を配合してもよい。その種類の制限は特になく、公知のものが使用可能である。その際の配合量としては、ラジカル重合型樹脂100質量部に対し、通常多くとも20質量部、好ましくは10質量部までの量である。
当該光硬化性樹脂組成物には無機充填材を配合してもよい。無機充填材としては、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、セメントなどの公知のものが使用されるが、光硬化性樹脂組成物に難燃性を付与する場合は、水酸化アルミニウムが有効である。むろん、これらの無機質フィラーを組み合わせて使用することもでき、その使用量はラジカル重合型樹脂100質量部に対して、通常0〜200質量部、好ましくは0〜100質量部である。無機充填材が200質量部より多い場合、粘度が高すぎて作業性が低下し、泡が残りやすく強度が低下する。
さらに本発明では、公知の方法で揺変性を付与してもよく、揺変剤としては、例えばシリカパウダー(エアロジルタイプ)、マイカパウダー、炭酸カルシウムパウダーなどをラジカル重合型樹脂100質量部に対して0.1〜50質量部程度添加する方法などがある。プリプレグシートの下塗り材として使用する場合は、揺変性を付与したものが使いやすいので有効である。
本発明の方法においてFRP成形体の代わりに使用される光硬化性プリプレグは、光硬化によりFRPを形成し得るものであって、公知のものを用いることができる。光硬化性プリプレグシートの作製においては、前述の光硬化性樹脂組成物を繊維状強化材に含浸させたものを増粘させるが、具体的な増粘方法としては、(1)金属酸化物を樹脂組成物に添加して加熱して増粘させる方法、(2)イソシアネート化合物を樹脂組成物に添加して組成物中の水酸基と反応させることで増粘させる方法、(3)ポリマーを添加して膨潤させて増粘させる方法(特開平11−043596号公報)、(4)近赤外線ラジカル重合のみを選択的に行い制御する方法(特許3479202号公報)等がある。これらのどの方法で作られたものでも使用でき、具体的な商品としては、紫外線硬化型としてサンコーテクノ社製サンパッチシート、旭化成ジオテック社製AFRシート、鉄建建設社製タフシートがあり、可視光硬化型としては昭和高分子社製リポキシLCSシリーズがある。
本発明の方法においては、構造体上に、前述の光硬化性樹脂組成物層を介して、FRP成形体又はその前駆体である光硬化性プリプレグを設け、これに光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを硬化させることにより、構造体とFRP成形体を一体化させるが、この際光照射には、紫外光、可視光、近赤外光領域の光線のいずれかが用いられる。
本発明において、紫外光とは280〜380nm、可視光とは380〜780nm、近赤外光とは、780〜1200nmの波長領域の光線を指す。
FRPやプリプレグの上から光照射するための光源としては、光重合開始剤の感光波長域に分光分布を有する光源であればよく、例えば近赤外ランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯などを使用することができる。陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組合せの光重合開始剤を添加し、重合反応に伴う消色を生じさせる場合は、500nm以上の波長がでる光源を使用することが肝要である。
本発明において、光硬化性樹脂組成物層の消色により硬化を確認する方法について説明する。例えば、FRPシートを下地処理したコンクリート面に貼り付けた後、光硬化性樹脂組成物をコンクリート面とFRPシートの隙間に注入してFRPシート上から光照射する。この際光硬化性樹脂組成物に陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組合せからなる光重合開始剤を、必要に応じて紫外光又は可視光重合開始剤と共に添加し、光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布を持つ光源を使用し、照射すれば、重合反応に伴う消色が起こり、注入した光硬化性樹脂組成物の硬化を確認することができる。なお、この場合、FRPシートの代わりに光硬化性プリプレグシートを用いることもできる。
あるいは、例えば、下地処理したコンクリート面に、光硬化性樹脂組成物を下塗り材として塗工してその上に光硬化性プリプレグシートを貼り付ける。この際光硬化性樹脂組成物に陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組み合わせからなる光重合開始剤を、必要に応じて紫外光又は可視光重合開始剤と共に添加し、光硬化性プリプレグシートの光重合開始剤及び光硬化性樹脂組成物の光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布を持つ光源を使用し、照射すれば、重合反応に伴う消色が起こり、下塗り材として塗工した光硬化性樹脂組成物とその上の光硬化性プリプレグシートの硬化を確認することができる。なお、この場合、光硬化性プリプレグシートの代わりに、FRPシートを用いることもできる。
また、プリプレグシートを使用する場合、プリプレグシートに陽イオン系色素と有機ホウ素系化合物との組合せからなる光重合開始剤を添加しておき、プリプレグシート自体も重合反応で消色できる様にしてもよい。
次に、本発明において、光硬化性樹脂組成物層の変色により硬化を確認する方法について説明する。例えばFRPシートを下地処理したコンクリート面に貼り付けた後、光硬化性樹脂組成物をコンクリート面とFRPシートの隙間に注入してFRPシート上から光照射する。この際光硬化性樹脂組成物に有機充填材又はポリマーと、例えば、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域の光線に感光性を有する光重合開始剤を添加し、光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布をもつ光源を使用し、照射すると、注入した光硬化性樹脂組成物の重合に伴い、濁りが生じ変色が見られ、硬化を確認することができる。なお、この場合、FRPシートの代わりに、光硬化性プリプレグシートを用いることもできる。
あるいは、例えば、下地処理したコンクリート面に、光硬化性樹脂組成物を下塗り材として塗工してその上に光硬化性プリプレグシートを貼り付ける。この際光硬化性樹脂組成物に有機充填材又はポリマーと、例えば、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域の光線に感光性を有する光重合開始剤を添加し、該光重合開始剤の感光波長に相当する波長の光の分光分布をもつ光源を使用し、照射すると、注入した光硬化性樹脂組成物の重合に伴い、濁りが生じ変色が見られ、下塗り材として塗工した光硬化性樹脂組成物とその上の光硬化性プリプレグシートの硬化を確認することができる。なお、この場合、光硬化性プリプレグシートの代わりに、FRPシートを用いることもできる。
また、プリプレグシートを使用する場合、プリプレグシートに有機充填材又はポリマーを添加して、プリプレグシート自体も重合反応で変色できる様にしてもよい。
本発明の方法における光硬化性樹脂組成物層の厚さについては、例えば、該組成物を構造体とその上に設けられたFRP成形体又は光硬化性プリプレグの隙間に注入する場合には、用途にもよるが、通常1〜20mm程度であり、一方、構造体上に該組成物を塗工して塗膜を形成し、その上にFRP成形体又は光硬化性プリプレグを設ける場合には、用途にもよるが、通常200〜1000g/m2程度である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1)消色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720」(昭和高分子社製):100質量部に、表1の番号3に示す1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニル−n−ブチルボレート(近赤外光吸収性陽イオン染料、昭和電工社製、以下IRBと略記する。):0.03質量部とテトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート(ホウ素化合物、昭和電工社製、以下P3Bと略記する。):0.15質量部を組み合わせた近赤外光重合開始剤を添加し、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1を得た。
(2)構造体へのFRP板の貼り付け
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
次に、コンクリート歩道板のプライマー処理面3辺に、厚さ2mm、幅1cmのゴムスペーサーを配置し、その上にビニルエステル樹脂「リポキシR−802」(昭和高分子社製)#450チョップドストランドマット3プライからハンドレイアップ成型で作製した厚さ3mmのFRP板を貼り付けてゴムスペーサー部をシールして樹脂注型できるように立てかけた。
(3)光硬化
FRP板とそれを貼り付けたコンクリート歩道板の2mmの隙間に、上記(1)で調製した消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1を流し込んで、FRP板面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで30分間光照射したところ、青色の消色タイプ光硬化性樹脂組成物−1が消色して硬化したことがFRP板上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.5N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
実施例2
(1)変色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720」(昭和高分子社製):100質量部に、ポリ酢酸ビニル系低収縮材「リゴラックM−5553」(スチレン希釈、固形分32.5質量%、昭和高分子社製):10質量部を混合し、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2を得た。
(2)構造体へのFRP板の貼り付け
実施例1(2)と全く同様な操作を行い、コンクリート歩道板にFRP板を貼り付けた。
(3)光硬化
FRP板と貼り付けたコンクリート歩道板の2mmの隙間に、上記(1)で調製した変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2を流し込んで、FRP板面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで30分間照射したところ、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−2が白く変色して硬化したことがFRP板上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.1N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
実施例3
(1)消色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ):100質量部に、IRB:0.03質量部とP3B:0.15質量部を組み合わせた近赤外光重合開始剤を添加し、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3を得た。
(2)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(3)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、上記(1)で調製した消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3を450g/m2塗付して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ、青色の消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3が消色して、消色タイプ光硬化性樹脂組成物−3とプリプレグシートが硬化したことがプリプレグシート上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.7N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
実施例4
(1)変色タイプ光硬化性樹脂組成物の調製
可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ):100質量部に、ポリ酢酸ビニル系低収縮材「リゴラックM−5553」(スチレン希釈、固形分32.5質量%、昭和高分子社製):10質量部を混合し、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4を得た。
(2)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(4)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、上記(1)で調製した変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4を450g/m2塗付して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4が白く変化して、変色タイプ光硬化性樹脂組成物−4とプリプレグシートが硬化したことがプリプレグシート上から確認された。
さらに光照射後、建研式コンクリート付着強度を測定したところ、3.3N/mm2(100%コンクリート母材破壊)で一体化していることが確認された。
比較例1
(1)構造体の調整
30cm×30cmのコンクリート歩道板表面をサンダ−で処理し、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720P」(昭和高分子社製)を250g/m2塗工して、紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで20分間光照射したところ硬化した。
(2)光硬化
コンクリート歩道板のプライマ−処理面に、可視光硬化性プライマ−用ビニルエステル樹脂「リポキシLC−720PT」(昭和高分子社製、揺変性付与タイプ)を450g/m2塗工して、その上に可視光硬化性プリプレグシート「リポキシLCS−150M」(昭和高分子社製、ガラスマット1プライタイプ)の裏面のフィルムを剥がして貼り付けた。
次にプリプレグシート面から紫外光から近赤外光までの領域の波長分光分布をもつ250Wメタルハライドランプを使用して、照射距離50cmで光照射を続けたが、実施例3で硬化していることを確認した20分が過ぎても何も変化は見られず、目視では裏面の「LC−720PT」が硬化したかどうかの判断はできなかった。
本発明のFRP成形体付き構造体の製造方法は、コンクリートや金属などからなる構造体上に、光硬化により消色又は変色するインジケーター機能を有する光硬化性樹脂組成物層を介して、FRP成形体又はその前駆体である光硬化性プリプレグを設け、光照射して前記光硬化性樹脂組成物層又はこの層と光硬化性プリプレグを硬化させることにより構造体とFRP成形体を一体化させる方法であって、前記光硬化を目視で確実に判断することができる。

Claims (10)

  1. 構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた繊維強化樹脂成形体に光照射して、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、前記繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  2. 構造体に繊維強化樹脂成形体を貼り付けたのち、構造体と繊維強化樹脂成形体との間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  3. 構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、繊維強化樹脂成形体を貼り付ける請求項1に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  4. 構造体上に、光硬化性樹脂組成物層を介して設けられた、硬化により繊維強化樹脂成形体を形成する未硬化の光硬化性プリプレグに光照射して、前記のプリプレグと光硬化性樹脂組成物層を硬化させることにより、繊維強化樹脂成形体と構造体を一体化させる方法であって、前記光硬化性樹脂組成物層が、光硬化する際に消色又は変色することを特徴とする繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  5. 構造体に光硬化性プリプレグを貼り付けたのち、構造体と光硬化性プリプレグとの間に光硬化性樹脂組成物を流し込み、光硬化性樹脂組成物層を形成させる請求項4に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  6. 構造体上に光硬化性樹脂組成物を塗工して光硬化性樹脂組成物層を形成したのち、光硬化性プリプレグを貼り付ける請求項4に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  7. 光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光性を有する層である請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  8. 光硬化性樹脂組成物層が、可視光又は近赤外光領域に感光波長を有する陽イオン系色素と有機ホウ素化合物との組合せからなる光重合開始剤を含み、少なくとも可視光又は近赤外光波長を含む光の照射により硬化する際に消色する請求項7に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  9. 光硬化性樹脂組成物層が、紫外光から近赤外光までのいずれかの領域に感光波長を有する光重合開始剤、及び有機充填材又はポリマーを含み、該光重合開始剤の感光波長領域の光の照射により硬化する際に変色する請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。
  10. 構造体がコンクリート及び/又は金属である請求項1〜9のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法。

JP2004304665A 2004-10-19 2004-10-19 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法 Pending JP2006116748A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004304665A JP2006116748A (ja) 2004-10-19 2004-10-19 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004304665A JP2006116748A (ja) 2004-10-19 2004-10-19 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006116748A true JP2006116748A (ja) 2006-05-11

Family

ID=36535099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004304665A Pending JP2006116748A (ja) 2004-10-19 2004-10-19 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006116748A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016210165A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 大日本印刷株式会社 積層体の製造方法及びそれに用いる接着部材

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120227A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Three Bond Co Ltd 紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物
JPH11270147A (ja) * 1998-01-20 1999-10-05 Mitsubishi Chemical Corp 構造物の補強方法
JP2001106941A (ja) * 1999-10-01 2001-04-17 Showa Highpolymer Co Ltd 金属用プライマー組成物及びその硬化方法
JP2001226419A (ja) * 1999-12-09 2001-08-21 Showa Highpolymer Co Ltd 注型硬化物の製造方法
JP2001335612A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Showa Highpolymer Co Ltd 管状成形体内面の被覆または補修用硬化性材料及びその被覆方法
JP2004018719A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Showa Highpolymer Co Ltd コンクリート剥落防止用硬化性材料及びコンクリート剥落防止方法
JP2004181934A (ja) * 2002-10-10 2004-07-02 Showa Highpolymer Co Ltd Frpライニング方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120227A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Three Bond Co Ltd 紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物
JPH11270147A (ja) * 1998-01-20 1999-10-05 Mitsubishi Chemical Corp 構造物の補強方法
JP2001106941A (ja) * 1999-10-01 2001-04-17 Showa Highpolymer Co Ltd 金属用プライマー組成物及びその硬化方法
JP2001226419A (ja) * 1999-12-09 2001-08-21 Showa Highpolymer Co Ltd 注型硬化物の製造方法
JP2001335612A (ja) * 2000-05-29 2001-12-04 Showa Highpolymer Co Ltd 管状成形体内面の被覆または補修用硬化性材料及びその被覆方法
JP2004018719A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Showa Highpolymer Co Ltd コンクリート剥落防止用硬化性材料及びコンクリート剥落防止方法
JP2004181934A (ja) * 2002-10-10 2004-07-02 Showa Highpolymer Co Ltd Frpライニング方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016210165A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 大日本印刷株式会社 積層体の製造方法及びそれに用いる接着部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5512069B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
JP4246448B2 (ja) コンクリート剥落防止用硬化性材料及びコンクリート剥落防止方法
JPH11210981A (ja) 管状成形体内面の被覆または補修用光硬化性材料及びその被覆方法
EP1762581A1 (en) Curable resin composition, lining material and tube-shaped lining material
JP3479202B2 (ja) 光硬化性プリプレグ組成物及びその製造方法
JP4884732B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
KR101141967B1 (ko) 고강도 신속 광경화 시트 조성물 및 이를 포함하는 광경화 시트재
JP5017789B2 (ja) 土木建築用光硬化性パテ組成物
JP2006045404A (ja) 硬化性樹脂組成物、プリプレグおよびその製造方法
JP2004181934A (ja) Frpライニング方法
JP4342684B2 (ja) 水反応性光硬化性ウレタン樹脂組成物,frpライニング用樹脂組成物,プライマー樹脂組成物及びそれらの硬化方法
JP2006274723A (ja) コンクリート用光硬化性プライマー組成物
JP2001294687A (ja) 硬化性プリプレグ組成物,その製造方法及び硬化方法
JP2001139643A (ja) 排水性道路舗装の補強用硬化性樹脂組成物及びその硬化方法
JP2006116748A (ja) 繊維強化樹脂成形体付き構造体の製造方法
JPH11263857A (ja) 光硬化性防水用プリプレグシート、プリプレグシートの製造方法、製造装置及び防水被覆工法
JP2005097523A (ja) ビニルエステルとその樹脂、硬化性樹脂組成物及びその施工方法並びに構造体
EP0922727B1 (en) Photocurable prepreg sheet for waterproofing
JP2001335612A (ja) 管状成形体内面の被覆または補修用硬化性材料及びその被覆方法
JP6238461B2 (ja) 管状成形体内面の補修用硬化性材料及び補修方法
JP4465259B2 (ja) 管状ライニング材
JP3644608B2 (ja) 光硬化性複合材料組成物
JP2007077217A (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
JP2005008717A (ja) 硬化性樹脂組成物及びその施工方法、構造体
JP2004293161A (ja) 床の被覆工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100819

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110201

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110202