JP4465259B2 - 管状ライニング材 - Google Patents
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Description
硬化性樹脂組成物が、(A)芳香族系エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物からなるエポキシ(メタ)アクリレート30〜60質量%、(B)エチレンオキサイド付加モル数が2〜20のエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート10〜30質量%及び(C)アルコール残基として環内に炭素間二重結合又は窒素原子を1個有する環状炭化水素基を含む基を有する単官能性(メタ)アクリレート系モノマー20〜40質量%を含み[但し、(A)、(B)及び(C)のそれぞれの質量%は(A)、(B)及び(C)の合計に対する値である]、且つ
上記(C)アルコール残基として環内に炭素間二重結合又は窒素原子を1個有する環状炭化水素基を含む基を有する単官能性(メタ)アクリレート系モノマーが、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレート及びペンタメチルピペリジルアクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする管状ライニング材により管路内面に密着、硬化することで上記課題を解決することを見出だした。また、上記単官能性(メタ)アクリレート系モノマーは、硬化性、付着強度安定性、重量変化率安定性が優れている。
上記硬化性樹脂組成物が、さらに鱗片状無機充填材を含むコンクリート被覆組成物;
さらにまた、コンクリート被覆組成物から形成された保護層を少なくとも1層を含む土木建築構造体にもある。
ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
芳香族系エポキシメタアクリレート(A)、エチレンオキサイド2.6モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)及びジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)を用いた硬化性樹脂組成物の配合
攪拌機、コンデンサー、温度計、空気導入管を備えた2リツトルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828)を510g仕込み、攪拌下に毎分10リットルの乾燥空気を吹き込みながら130℃まで昇温した。昇温後、ハイドロキノン(重合禁止剤)0.3g、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド2gを添加し、メタクリル酸172gを2時間かけて滴下した。滴下終了後3時間経過したところから、1時間毎に酸価の測定を開始し、10mgKOH/g以下になったことを確認した後、100℃まで冷却した。これにエチレンオキサイド2.6モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業社;BPE−200)272g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート410gを加えて溶解後、室温まで冷却し、樹脂組成物を得た。
実施例1の製造で得た芳香族系エポキシメタクリレート(A)50gに、エチレンオキサイド6モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)(新中村化学工業社 BPE−300)20g、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)30gを加えて溶解後、室温まで冷却し、硬化性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物100質量部に無機骨材材料(組成比;5号珪砂120質量部、6号珪砂180質量部、7号珪砂40質量部、60質量部)400質量部及び6%ナフテン酸コバルト1.5質量部、ジメチルアニリン0.5質量部、過酸化ベンゾイル2.5質量部を添加し配合物を得た。この配合物について、圧縮強度及び曲げ強度測定用供試体は40×40×160mmのモールドに上記配合物を流し込むことにより作成した。引張強度は2.5cmφの棒状モールドに流し込み作製した。
実施例1で得た硬化性樹脂組成物100質量部に鱗片状無機質充填材ガラスフレークRCF−160(日本板硝子株式会社製)30質量部を添加し、良く混合した後、さらに第1表の6%ナフテン酸コバルト1.5質量部、ジメチルアニリン0.5質量部、過酸化ベンゾイル2.5質量部を添加し配合物を得た。この配合物を、金型中に流し込み、25℃で72時間硬化させてから離型し、厚さ3mmの樹脂硬化物を得た。この硬化物について、曲げ強さ(弾性率)、引張強さ(弾性率、伸び率)を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1の製造で得た芳香族系エポキシメタクリレート(A)45gに、エチレンオキサイド10モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)(新中村化学工業社 BPE−500)25g、ペンタメチルピペリジルメタクリレート(C)30gを加えて溶解後、室温まで冷却し、硬化性樹脂組成物を得た。
下記に示す製造により得た芳香族系エポキシアクリレート(A)、エチレンオキサイド4.0モル付加エトキシビスフェノールAジメタクリレート(B)及びジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(C)を含む下記の配合の硬化性樹脂組成物を作製した。
攪拌機、コンデンサー、温度計、空気導入管を備えた2リツトルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828)を510g仕込み、攪拌下に毎分10リットルの乾燥空気を吹き込みながら130℃まで昇温した。昇温後、ハイドロキノン(重合禁止剤)0.3g、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド2gを添加し、アクリル酸144gを2時間かけて滴下した。滴下終了後3時間経過したところから、1時間毎に酸価の測定を開始し、10mgKOH/g以下になったことを確認した後、100℃まで冷却しエポキシアクリレートを得た。このエポキシアクリレート55質量部に、エチレンオキサイド4.0モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業社;BPE−200)20質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート25質量部を加えて溶解後、室温まで冷却し、硬化性樹脂組成物を得た。
外径200mm(内径190mm)及び300mmの鋼製マンドレルの外側に実施例5に記載のウレタンエラストマーフィルムを巻き、突合せ部は熱シールし、チューブを形成後、実施例5と同一構成で樹脂含浸した後、ウレタンエラストマーフィルムのチューブを表層に被覆して光硬化性管状ライニング材を作製した。このライニング材を内面に離型剤塗布処理したヒューム管の管路に反転挿入し管路内面に密着させた後、管路内に400Wの紫外線ランプを10分間照射し、硬化積層管を得た。硬化積層管を管路から離型して表3の項目を測定した(管状ライニング材の管体特性を測定)。なお、内外面のチューブの剥離性については、実施例5と同様の方法で確認した。硬化積層管物性として、5%偏平時及び圧壊時の線荷重は日本下水道協会規格(JSWAS・K−1)、水密性能及び破壊水圧確認試験はJISK6741:VU管(硬質塩化ビニール管)に準拠してそれぞれ測定した。
実施例5の製造で得た(A)エポキシアクリレート40質量部に、(B)エチレンオキサイド10モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BPE−500、新中村化学工業(株)製)25質量部、(C)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート35質量部を加えて溶解後、室温まで冷却して得た樹脂組成物100質量部に、有機過酸化物・硬化剤328(化薬アクゾ社製)2質量部を良く攪拌、混合して、混合物を得た。その後実施例5記載と同様のウレタンエラストマーフィルムをチューブ状に内外面に巻き付け、且つ、ガラス繊維に得られた混合物を交互に含浸、被覆して熱硬化性管状ライニング材を作製した。このライニング材を内面に離型剤塗布処理したヒューム管の管路に反転挿入し管路内面に密着させた後、管路内に温水を環境及びライニング材初期温度20℃から2時間は0.5℃/分で昇温し、2時間後80℃に到達後、80℃に2時間維持してから降温し、硬化積層管を得た。硬化積層管を管路から離型し、実施例6と同様の5%扁平時及び圧壊時の線荷重、水密性及び破壊水圧試験を実施した。表4に試験結果を示す。
実施例5に記載の内外面フィルム・ポリウレタンエラストマーの代わりに0.188μm厚のポリエステルフィルム(ルミラーS10#188、東レ(株)製)を使用して、光硬化積層ライニング材を作製した。紫外線ランプの照射位置、照射容量、照射時間は実施例5と同様として、硬化積層ライニング材の硬度、フィルム剥離性、硬化積層体物性の結果を表5に示す。
実施例1の製造で得たエポキシメタアクリレート(A)20質量部に実施例1のエチレンオキサイド2.6モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)50質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)30質量部を加えて溶解後、室温まで冷却し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に表1の6%ナフテン酸コバルト及び過酸化ベンゾイルを添加した配合物は25℃、24時間経過後も未硬化であった。
実施例1の製造で得たエポキシメタアクリレート(A)70質量部に実施例1のエチレンオキサイド2.6モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)20質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)10質量部を加えて溶解後、室温まで冷却し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に表1の6%ナフテン酸コバルト及び過酸化ベンゾイルを添加した配合物は25℃、24時間経過後も未硬化であった。
実施例1の製造で得たエポキシメタアクリレート(A)50質量部に実施例1のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)50質量部を加えて溶解後、室温まで冷却し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に表1の6%ナフテン酸コバルト及び過酸化ベンゾイルを添加した配合物は、コンクリート付着強度及びコンクリートとのピーリング強度試験用に、コンクリートにプライマー、素地調整材、表面保護材を積層した供試体を80℃の温水に全面浸漬後25日でプライマー層、素地調整材層、表面保護層の各層間で微小のフクレ、剥離が無数に発生した。また、温水浸漬重量変化率は、本発明の樹脂組成物の2倍前後と高い。
実施例1の製造で得たエポキシメタアクリレート(A)50質量部にエチレンオキサイド30モル付加エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(B)20質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(C)30質量部を加えて溶解後、室温まで冷却し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物に表1の6%ナフテン酸コバルト及び過酸化ベンゾイルを添加した配合物は、表面乾燥時間が長く、コンクリート付着強度及びコンクリートとのピーリング強度試験用に、コンクリートにプライマー、素地調整材、表面保護材を積層した供試体を80℃の温水に全面浸漬後7日でプライマー層、素地調整材層、表面保護層の各層間で微小のフクレ、剥離が無数に発生した。また、付着強度及びピーリング強度は常温水及び温水浸漬後極端に低下した。また、温水浸漬重量変化率は、本発明の樹脂組成物の2倍前後と高い。
スチレン型ビニルエステル樹脂に、表1の6%ナフテン酸コバルト及び過酸化ベンゾイルを添加した配合物のコンクリート付着強度、コンクリートとのピーリング強度及びスチレン揮発量などの測定結果を表1に示す。スチレン揮発量は80g/m2と極めて高い。
スチレン型ビニルエステル樹脂100質量部に、実施例7の有機過酸化物・硬化剤328(化薬アクゾ社製)2質量部を良く攪拌、混合してから実施例2と同様の方法で硬化積層管を得た。硬化積層管を管路から脱型し、内外面のチューブの剥離性については、実施例5と同様の方法で確認した。また、硬化積層管物性として、5%偏平時及び圧壊時の線荷重と水密性及び破壊水圧確認試験は実施例6に記載の日本下水道協会規格(JSWAS・K−1)及び硬質塩化ビニル管:VU管(JISK6741)に準拠して夫々測定した。なお、スチレン揮発量は、樹脂組成物を良く攪拌、混合してから、100gをφ145mmのガラスシャーレに入れ、温度25℃、湿度45%の環境下で60分放置後混合してから重量変化率を測定した。表6に示す通り、スチレン揮発量は80g/m2と極めて高く、また、ポリウレタンエラストマーフィルムは膨潤による浮き、軟化などがみられた。
実施例5に記載の内外面フィルム・ポリウレタンエラストマーの代わりに0.2mm厚のポリエチレンフィルムを使用して、光硬化積層体を作成した。ポリエチレンフィルムは硬化性複合材料表面に部分的に融着してフィルムの剥離は困難であった。
2 内側皮膜
3 繊維層筒状体
4 外側皮膜
Claims (3)
- 硬化性樹脂組成物を繊維層筒状体に含浸してなる管状硬化性複合材料の内面及び外面を、少なくとも一層のチューブで被覆してなる管状ライニング材であって、
硬化性樹脂組成物が、(A)芳香族系エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物からなるエポキシ(メタ)アクリレート30〜60質量%、(B)エチレンオキサイド付加モル数が2〜20のエトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート10〜30質量%及び(C)アルコール残基として環内に炭素間二重結合又は窒素原子を1個有する環状炭化水素基を含む基を有する単官能性(メタ)アクリレート系モノマー20〜40質量%を含み[但し、(A)、(B)及び(C)のそれぞれの質量%は(A)、(B)及び(C)の合計に対する値である]、且つ
上記(C)アルコール残基として環内に炭素間二重結合又は窒素原子を1個有する環状炭化水素基を含む基を有する単官能性(メタ)アクリレート系モノマーが、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ペンタメチルピペリジルメタクリレート及びペンタメチルピペリジルアクリレートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする管状ライニング材。 - 硬化性樹脂組成物がさらに光重合開始剤を含有している請求項1に記載の管状ライニング材。
- 硬化性樹脂組成物がさらに有機過酸化物を含有している請求項1に記載の管状ライニング材。
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