JP4421373B2 - フィラメントワインディング成形方法 - Google Patents

フィラメントワインディング成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4421373B2
JP4421373B2 JP2004145244A JP2004145244A JP4421373B2 JP 4421373 B2 JP4421373 B2 JP 4421373B2 JP 2004145244 A JP2004145244 A JP 2004145244A JP 2004145244 A JP2004145244 A JP 2004145244A JP 4421373 B2 JP4421373 B2 JP 4421373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
epoxy
meth
polymerizable unsaturated
fiber material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004145244A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005324456A (ja
Inventor
和男 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP2004145244A priority Critical patent/JP4421373B2/ja
Publication of JP2005324456A publication Critical patent/JP2005324456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4421373B2 publication Critical patent/JP4421373B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Description

本発明は、フィラメントワインディング成形方法および成形物に関する。
熱硬化性樹脂を含浸した繊維材料(ロービング)を、金属や熱可塑性樹脂の駆体に巻き付け、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させるフィラメントワインディング法(以下、FW法と記す)は、FRPパイプをはじめとする種々のFRP製品の成形に使用されている。FW法においては、樹脂含浸繊維材料が滑らないように、樹脂含浸繊維材料を測地線に沿って巻くことが基本となっている。どうしても測地線に沿わない巻き方をする場合は、摩擦力利用して樹脂含浸繊維材料が滑らないようにすることで、様々な形状の駆体に巻くことができるようになっている。
しかしながら、駆体の形状や巻き方によっては、どうしても樹脂含浸繊維材料が滑ってしまい、巻けない場合もある。例えば、形状が複雑な異径管などをFW法で成形する場合、駆体の回転軸に対して垂直方向に樹脂含浸繊維材料を巻き付けるフープ巻きでは比較的問題ないが、樹脂含浸繊維材料をらせん状に巻き付けるヘリカル巻きのときに、樹脂含浸繊維材料が滑ってしまい、設計通りに巻くことができないという問題点があった。
この問題点を解決するために、例えば、強化繊維と同種または類似種の繊維を束ねて編んだ筒状組紐またはシート状織物に樹脂を含浸させたもの、あるいは樹脂が含浸されているシート状のプリプレグをあらかじめ駆体上に配置して、その上に樹脂を含浸させた強化繊維を巻くことで滑りを止める製造方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法では、ヘリカル巻きの1層目は効果があっても、2層目以降は、滑り防止層(筒状組紐またはシート状織物に樹脂を含浸させたもの、あるいはシート状のプリプレグ)が樹脂を含浸させた強化繊維で覆われてしまうため、ヘリカル巻き時の滑りを防止することができなかった。
特開2002−340291号公報
よって、本発明の目的は、例えば、複雑な形状の異径管等をFW法で成形するとき、ヘリカル巻き等で樹脂含浸繊維材料を巻き付けたとしても、樹脂含浸繊維材料が滑ることがないフィラメントワインディング成形方法を提供することことにある。
本発明のフィラメントワインディング成形方法は、エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有する硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸して、樹脂含浸繊維材料を得る含浸工程と;樹脂含浸繊維材料に光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させる光照射工程と;光照射工程後の樹脂含浸繊維材料を駆体に巻き付けて加熱する成形工程とを有することを特徴とする。
また、成形工程の前に、あらかじめ駆体に粘着剤を塗布して粘着層を設けておくことが望ましい。
ここで、前記粘着剤として、エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有する硬化性樹脂組成物を用い;該粘着剤を駆体に塗布した後、これに光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させて粘着層とすることが望ましい。
また、前記樹脂(A)は、エポキシ樹脂中のエポキシ基の0.05〜0.95当量をビニルエステル化した樹脂であることが望ましい。
また、照射する光は、紫外線であることが望ましい。
さらに、繊維材料は、炭素繊維であることが望ましい。
そして、本発明の成形物は、本発明のフィラメントワインディング成形方法によって得られたものである。
本発明のフィラメントワインディング成形方法によれば、例えば、複雑な形状の異径管等をFW法で成形するとき、ヘリカル巻きで等で樹脂含浸繊維材料を巻き付けたとしても、樹脂含浸繊維材料が滑ることがない。
また、このような成形方法によって得られた本発明の成形物は、繊維材料が設計通り巻かれており、強度等の諸物性を設計通りに発揮する。
本発明のフィラメントワインディング成形方法は、(i)硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸して、樹脂含浸繊維材料を得る含浸工程と、(ii)樹脂含浸繊維材料に光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させる光照射工程と、(iii)光照射工程後の樹脂含浸繊維材料を駆体に巻き付けて加熱する成形工程と、を有する方法である。
<(i)含浸工程>
硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸する方法は、公知のFW法における方法を採用すればよく、特に限定はされない。
以下、硬化性樹脂組成物および繊維材料について詳細に説明する。
[硬化性樹脂組成物]
本発明における硬化性樹脂組成物は、樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有するものである。
[樹脂(A)]
本発明における樹脂(A)は、エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である。
エポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率は、0.05/0.95〜0.95/0.05当量であることが必要である。ラジカル重合性不飽和基の比率がこの範囲よりも少ないと、後述の光照射工程において、硬化性樹脂組成物の増粘の速度が不十分となる。一方、ラジカル重合性不飽和基の比率がこの範囲よりも多いと、繊維材料と樹脂界面の接着性が不十分となる。
樹脂(A)としては、具体的には、エポキシ樹脂とラジカル重合性樹脂とをブレンドしたもの、分子中にエポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂が挙げられる。中でも、強度等の物性などの点で、後者の分子中にエポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂が好ましく、特に、エポキシ樹脂中のエポキシ基の0.05〜0.95当量をビニルエステル化した樹脂が好ましい。より具体的には、公知の方法によりエポキシ樹脂のエポキシ基の0.05〜0.95当量を、不飽和一塩基酸(例えば、アクリル酸またはメタクリル酸)を付加して(メタ)アクリロイル化した、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基を有する、すなわちラジカル重合およびエポキシ硬化の機能を有する重合性樹脂である。
エポキシ樹脂としては、公知の方法により製造されるものでよく、1成分中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する熱硬化性エポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、エーテル型のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、エステル系の芳香族エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、エーテル・エステル型エポキシ樹脂等の公知のものが挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂にラジカル重合性樹脂をブレンドして使用する場合のラジカル重合性樹脂としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、アクリル樹脂等の公知のものが使用される。ブレンドに使用するラジカル重合性樹脂は、1種類でもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
[希釈剤]
本発明においては、希釈剤、すなわちラジカル重合性希釈剤(B)および/またはエポキシ希釈剤(C)を使用し、硬化性樹脂組成物の粘度を調整してもよい。
[ラジカル重合性希釈剤(B)]
ラジカル重合性希釈剤(B)としては、ビニルエステル樹脂に使用されるものが挙げられる。具体的には、スチレンモノマー、(メタ)アクリル基を有するラジカル重合性不飽和単量体を配合したものである。スチレンモノマー以外のラジカル重合性不飽和単量体の具体例としては、スチレンのα−、o−、m−、p−アルキル、ニトロ、シアノ、アミド、エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー;ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン類;(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸−i−プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−ter−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸プロパギル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸アントラセニル、(メタ)アクリル酸アントラニノニル、(メタ)アクリル酸ピペロニル、(メタ)アクリル酸サリチル、(メタ)アクリル酸フリル、(メタ)アクリル酸フルフリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ピラニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸クレジル、(メタ)アクリル酸−1,1,1−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロ−i−プロピル、(メタ)アクリル酸トリフェニルメチル、(メタ)アクリル酸クミル、(メタ)アクリル酸3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジプロピルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−i−プロピルアミド、(メタ)アクリル酸アントラセニルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリル酸アニリド、(メタ)アクリロイルニトリル、アクロレイン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビニルなどのビニル化合物;シトラコン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのモノマレイミド化合物;N−(メタ)アクリロイルフタルイミドなどが挙げられる。
また、本発明においては、分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用してもよく、公知のものが使用できる。その具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなど各種グリコール類の(メタ)アクリル酸エステルや、下記式で表されるものなどが挙げられる。
Figure 0004421373
また、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−100)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−200)、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:BPE−500)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:A−BPE−4)、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製:A−BPE−10)などが挙げられる。
[エポキシ希釈剤(C)]
本発明におけるエポキシ希釈剤(C)としては、分子内にグリシジルエーテルタイプのエポキシ基や脂環式のエポキシ基を有する化合物であればよく、公知のものを使用することができる。
グリシジルエーテルタイプとしては、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の公知の単官能エポキシ希釈剤や、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多官能エポキシ希釈剤が挙げられる。
脂環式のエポキシ基を有する化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脂環式エポキシ化合物の商品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021、2081、2000、3000、サイクロマーM100等を挙げることができる。
また、カチオン重合を使用する場合は、テトラエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物等も使用することができる。
ラジカル重合性希釈剤(B)および/またはエポキシ希釈剤(C)の配合量は、樹脂(A)100質量部に対してこれら希釈材の合計が0〜500質量部、好ましくは0〜400質量部である。希釈剤の合計の配合量が500質量部を超えると、硬化物の強度が不足する。
[光重合開始剤(D)]
本発明における光重合開始剤(D)としては、紫外線領域から近赤外領域に感光性を有する公知のものが使用できる。
紫外線ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類等が挙げられる。ベンゾイン類としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の誘導体が挙げられる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の誘導体が挙げられる。アントラキノン類としては、2−メチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン等の誘導体が挙げられる。チオキサントン類としては、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等の誘導体が挙げられる。ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等の誘導体が挙げられる。その他としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等、公知のものを使用することができる。
紫外線を利用した増粘反応は反応速度が速い点で有利だが、光透過性が低いことから、比較的長波長、好ましくは300nm以上の波長域に感光性を有するものを使用することも有効である。特に、可視光領域にまで感光性を有する(ビス)アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤を使用することが好ましい。(ビス)アシルホスフィンオキサイド化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、等を挙げることができる。
紫外線ラジカル重合開始剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とが75%/25%の割合で混合された商品名:イルガキュアー1700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン(商品名:イルガキュアー184、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とが75%/25%の割合で混合された商品名:イルガキュアー1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);同じく、50%/50%の割合で混合された商品名:イルガキュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名:Lucirin TPO、BASF(株)製);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)とが50%/50%の割合で混合された商品名:Darocur4265などがある。
紫外線カチオン重合開始剤としては、紫外線でエポキシ基をカチオン重合させることができるカチオン触媒を使用することができる。具体的には、ジアゾニウム化合物、スルホニウム化合物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合物など様々な化合物が知られており、「機能材料」1985年10月号5項、「UV・EB硬化技術の応用と市場」シーエムシー社1989年発行78頁などに詳細な記述がある。具体例としては、トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルユードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス(ビス(p−2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ)フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート等(商品名としては、日本曹達(株)製CI−2855等)が挙げられる。
可視光ラジカル重合開始剤としては、例えば山岡ら、「表面」、27(7)、548(1989)、佐藤ら、「第3回 ポリマー材料フォーラム要旨集」、1BP18(1994)に記載のカンファーキノン、ベンジル、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、メチルチオキサントン、ビスペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)等の単独での可視光重合開始剤の他、有機過酸化物触媒/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、ビイミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素の他、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開始剤系を挙げることができる。380〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であればよく、それらを組み合わせて使用してもよい。
近赤外線領域に感光性を有するラジカル重合開始剤としては、有機ホウ素化合物とシアニン色素との組み合わせが挙げられる。特開平9−77836号公報に詳細な記述がある。
光重合開始剤(D)の配合量は、樹脂(A)、ラジカル重合性希釈剤(B)およびエポキシ希釈剤(C)の合計量100質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜15質量部である。光重合開始剤(D)の配合量が0.01質量部未満では、重合が不十分になり易い。一方、光重合開始剤(D)の配合量が20質量部を超えると、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
[ラジカル熱重合開始剤(E)]
本発明におけるラジカル熱重合開始剤(E)としては、具体的には、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるもの等、公知の有機過酸化物やアゾ化合物が挙げられる。
ラジカル熱重合開始剤(E)の配合量は、樹脂(A)、ラジカル重合性希釈剤(B)およびエポキシ希釈剤(C)の合計量100質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.05〜10質量部である。ラジカル熱重合開始剤(E)の配合量が0.01質量部未満では、重合が不十分になり易い。一方、ラジカル熱重合開始剤(E)の配合量が20質量部を超えると、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
[エポキシ樹脂硬化剤(F)]
本発明におけるエポキシ樹脂硬化剤(F)としては、酸無水物類や、脂肪族アミン、芳香族アミン、ポリアミド、複素環状アミン等のアミン類、カチオン触媒等が挙げられる。
この場合のカチオン触媒としては、熱でエポキシ基をカチオン重合させることができるカチオン触媒を使用することができる。
エポキシ樹脂硬化剤(F)は、樹脂のエポキシ当量に応じて適量を配合する。エポキシ樹脂硬化剤(F)のうち、重合触媒として使用するものやカチオン触媒の配合量は、樹脂(A)、ラジカル重合性希釈剤(B)およびエポキシ希釈剤(C)の合計量100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜8質量部である。
[充填剤]
硬化性樹脂組成物には、充填材を配合してもよい。充填材は、無機質フィラー、有機質フィラーまたはポリマーである。
無機質フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、セメントなどが挙げられる。中でも、硬化性樹脂組成物に難燃性を付与する場合は、水酸化アルミニウムが有効である。これら無機質フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機質フィラーの配合量は、樹脂(A)、ラジカル重合性希釈剤(B)、エポキシ希釈剤(C)、光重合開始剤(D)、ラジカル熱重合開始剤(E)およびエポキシ樹脂硬化剤(F)の合計量100質量部に対して0〜50質量部、好ましくは0〜30質量部である。
この他、硬化性樹脂組成物に有機充填材またはポリマーを配合すると、ポリマーのTgによっては、粘着性の向上に効果的である。例えば、公知のポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバルーン、ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が使用できる。配合量は、樹脂(A)、ラジカル重合性希釈剤(B)、エポキシ希釈剤(C)、光重合開始剤(D)、ラジカル熱重合開始剤(E)およびエポキシ樹脂硬化剤(F)の合計量100質量部に対して0〜50質量部、好ましくは0〜30質量部である。
[繊維材料]
本発明における繊維材料は、有機繊維および/または無機繊維である。繊維材料としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。中でも、光透過性に優れる点ではガラス繊維が好ましいが、光透過性の劣る炭素繊維でも表面の増粘反応を進めることができるので、用途に応じた繊維を選択することができる。繊維材料の形状は、ロービング、編み物、クロス、マット状などのものが使用される。これら繊維材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維材料の使用量は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して5〜400質量部、好ましくは50〜300質量部である。
<(ii)光照射工程>
樹脂含浸繊維材料に照射する光としては、紫外線〜近赤外線領域の光を使用する。紫外線とは280〜380nm、可視光とは380〜780nm、近赤外線とは780〜1200nmの波長領域の光線を指す。中でも、光の照射時間が比較的短くて済み、空気の影響が比較的少ない、紫外線が好ましい。
光照射工程は、硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸した後に行い、増粘反応させたものを駆体に巻き付けるが、駆体に巻きつけた後も光照射を行って増粘の不足を補ってもよい。
本発明において使用される光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、蛍光灯、自然光、太陽光、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、近赤外ランプ、赤外ランプなどが挙げられる。これらの光源は、後述の成形工程において加熱のための熱源としても使用することもできる。
光の照射時間は、光源の有効波長、光源の出力、光源から樹脂含浸繊維材料までの距離、樹脂含浸繊維材料の厚さ、硬化性樹脂組成物の量、硬化性樹脂組成物の増粘の程度などにより適宜決定すればよく、特に限定はされない。
具体的には、硬化性樹脂組成物中のラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基が部分的に反応して、硬化性樹脂組成物が適度に増粘するように、樹脂含浸繊維材料の照射面の積算光量が10〜1000mJ/cm2 となるように光を照射することが好ましい。
<(iii)成形工程>
光照射工程後の樹脂含浸繊維材料を駆体に巻き付ける装置としては、FW法に用いられる公知の装置を用いればよく、特に限定はされない。
[巻き付け]
樹脂含浸繊維材料の駆体への巻き付け方としては、図1に示すような樹脂含浸繊維材料10を駆体11にらせん状に巻き付けるヘリカル巻き、図2に示すような駆体11の回転軸に対して垂直方向に樹脂含浸繊維材料10を巻き付けるフープ巻きなどが挙げられる。本発明においては、形状が複雑な駆体へ樹脂含浸繊維材料を巻き付けた場合に、樹脂含浸繊維材料が滑りやすいヘリカル巻きに特に効果的である。
[駆体]
駆体としては、硬化性樹脂組成物の硬化後に脱芯される芯型、硬化性樹脂組成物の硬化後に容器等の成形物の内層となるライナーが挙げられる。芯型やライナーの材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄などの金属材料;ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。本発明は、断面が楕円状である扁平の駆体など、形状が複雑なために、樹脂含浸繊維材料が滑りやすい駆体を用いる場合に特に効果的である。
また、駆体としては、成形工程の前に、あらかじめ駆体に粘着剤を塗布して粘着層を設けたものが、樹脂含浸繊維材料の滑り防止の点で好ましい。
粘着剤としては、1種類以上のラジカル重合性不飽和化合物を重合させたて得られる重合体を主成分とする、溶液タイプやエマルジョンタイプ等の公知のものが使用でき、特に制限されるものではない。
特に、粘着剤としては、エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有する硬化性樹脂組成物が、樹脂含浸繊維材料の滑り防止の点で好ましい。
粘着層は、該硬化性樹脂組成物からなる粘着剤を駆体に塗布した後、これに光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させることにより形成することができる。
[加熱]
駆体に巻き付けられた樹脂含浸繊維材料を加熱し、硬化性樹脂組成物を硬化させる手段としては、加熱炉、赤外線ランプ、赤外線ランプなどが挙げられる。
加熱温度、加熱時間等の加熱条件は、樹脂含浸繊維材料の厚さ、硬化性樹脂組成物の量や種類などにより適宜決定すればよく、特に限定はされない。
<成形物>
本発明の成形物は、本発明のフィラメントワインディング成形方法によって得られたものである。このような成形方法によって得られた本発明の成形物は、繊維材料が設計通り巻かれており、強度等の諸物性を設計通りに発揮する。
<作用>
以上説明した本発明のフィラメントワインディング成形方法にあっては、硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸して、樹脂含浸繊維材料を得た後、該樹脂含浸繊維材料に光を照射しているので、ラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基が完全に反応して硬化性樹脂組成物が硬化してしまうことなく、ラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基が部分的に反応して、樹脂含浸繊維材料が粘着性を発現する。このように粘着性を発現した樹脂含浸繊維材料は、複雑な形状の駆体にヘリカル巻き等で巻き付けられたとしても、その粘着性によって滑ることがない。
そして、樹脂含浸繊維材料が滑ることなく駆体に巻き付いた状態で加熱を行うことにより、光照射工程で反応せずに残ったラジカル重合性不飽和基およびエポキシ基が完全に反応する。これにより、硬化性樹脂組成物が硬化し、本発明の成形物が得られる。
以下に示す実施例、比較例により、本発明の内容を詳細に説明する。各例中の「部」、「%」は質量基準を示す。
[合成例1]
攪拌機、環流冷却器、ガス導入管、温度計を付した反応装置に、エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂、エポキシ当量189、1当量=189g)189部、アクリル酸18部(0.25当量)、ナフテン酸Cr0.8部、ハイドロキノン0.07部を仕込み、空気を吹き込みながら120℃で2時間反応させ、酸価が0mgKOH/gになった時点で反応を終了し、ラジカル重合性不飽和基およびエポキシ基を有する樹脂(HE−1)を得た。樹脂(HE−1)のエポキシ基/ラジカル重合性不飽和基は、0.75/0.25(当量)であった。
[合成例2]
攪拌機、環流冷却器、ガス導入管、温度計を付した反応装置に、エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂、エポキシ当量189、1当量=189g)189部、メタクリル酸64.5部(0.75当量)、ナフテン酸Cr0.8部、ハイドロキノン0.07部を仕込み、空気を吹き込みながら120℃で2時間反応させ、酸価が0mgKOH/gになった時点で反応を終了した。この樹脂のエポキシ基/ラジカル重合性不飽和基は、0.25/0.75(当量)であった。この樹脂にスチレンモノマー84.5部を加え、ラジカル重合性希釈剤であるスチレンモノマーを25質量%含む、ラジカル重合性不飽和基およびエポキシ基を有する樹脂(HE−2)を得た。
[合成例3]
合成例1で合成した樹脂(HE−1)100部に、脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、商品名セロキサイド2021)25部を加え、エポキシ希釈剤であるセロキサイド2021を20質量%含む、ラジカル重合性不飽和基およびエポキシ基を有する樹脂(HE−3)を得た。
[合成例4]
エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製エポキシ樹脂、エポキシ当量189)100部に、ビニルエステル樹脂(昭和高分子(株)製、リポキシR−802)120部を加え、ブレンド型のラジカル重合性不飽和基およびエポキシ基を有する樹脂(HE−4)を得た。
[実施例1]
<樹脂組成物の調製>
樹脂(HE−1)100部に、紫外線ラジカル重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)3.0部、ラジカル熱重合開始剤である有機過酸化物触媒t−ブチルパーオキシベンゾエート(商品名:パーブチルZ、日本油脂(株)製)1部、エポキシ樹脂硬化剤である無水メチルナジック酸(商品名:無水メチルハイミック酸、日立化成(株)製)65部、硬化促進剤である2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール1部を添加して硬化性樹脂組成物−1を得た。
<異径管に対するFW>
ライナーとして、長軸/短軸の比が7/3で、胴部の外径(長軸)が150mm、(短軸)が105mmの断面楕円状の管であり、その両側が絞られて外径5mm(真円)のドーム型となっているアルミニウム製パイプ(全長:500mm)を準備し、FW成形装置にセットした。
次に、カーボンロービング(東レ(株)製、T−700S−12K)に硬化性樹脂組成物−1を、硬化性樹脂組成物100部に対してロービングが200部となるように含浸し、該ロービングから15cm離れた位置に配置された1KW高圧水銀ランプから3秒間、該ロービングに紫外線を照射して、硬化性樹脂組成物−1中のラジカル重合性不飽和基を部分的に反応させてプリプレグ化したものを、ライナーにヘリカル巻きに巻いたところ、滑らずに設計通りに巻けることを確認した。
ヘリカル巻きを層厚で2mm、次いでフープ巻きを層厚1mmとなるようにワインディングした。ワインディング終了後、直ちに加熱炉を用いて、150℃で4時間加熱し、硬化性樹脂組成物−1を硬化させ、成形物を得た。結果を表1に示す。
[実施例2]
樹脂(HE−2)100部に、紫外線または熱でエポキシ樹脂を硬化可能なリン系のスルホニウム塩であるカチオン触媒(日本曹達(株)製、CI−2855)3部、パーブチルZ:2部を添加して硬化性樹脂組成物−2を得た。
この硬化性樹脂組成物−2を用いた以外は、実施例1と同様にして異径管に対するFWを実施した。滑らずに設計通りに巻けることを確認した。さらに、実施例1と同様にして成形物を得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
樹脂(HE−3)100部に、Darocur1173:3.0部、パーブチルZ:2部、エポキシ樹脂硬化剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール:3部を添加して硬化性樹脂組成物−3を得た。
この硬化性樹脂組成物−3を用いた以外は、実施例1と同様にして異径管に対するFWを実施した。滑らずに設計通りに巻けることを確認した。さらに、実施例1と同様にして成形物を得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
樹脂(HE−4)100部に、Darocur1173:3.0部、パーブチルZ:2部、エポキシ樹脂硬化剤である2−エチル−4−メチルイミダゾール:3部を添加して硬化性樹脂組成物−4を得た。
この硬化性樹脂組成物−4を用いた以外は、実施例1と同様にして異径管に対するFWを実施した。滑らずに設計通りに巻けることを確認した。さらに、実施例1と同様にして成形物を得た。結果を表1に示す。
[実施例5]
ライナーとして、長軸/短軸の比が8/2で、胴部の外径(長軸)が150mm、(短軸)が105mmの断面楕円状の管であり、その両側が絞られて外径5mm(真円)のドーム型となっているアルミニウム製パイプ(全長:500mm)を準備し、FW成形装置にセットした。
次に、ライナー表面に硬化性樹脂組成物−1を200μmの厚さに塗布し、ライナーから30cm離れた位置に配置された高圧水銀ランプから5秒間、該ライナーに紫外線を照射して、硬化性樹脂組成物−1中のラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させて粘着層を形成した。
カーボンロービング(東レ(株)製、T−700S−12K)に硬化性樹脂組成物−1を、硬化性樹脂組成物100部に対してロービングが200部となるように含浸し、該ロービングから15cm離れた位置に配置された1KW高圧水銀ランプから3秒間、該ロービングに紫外線を照射して、硬化性樹脂組成物−1中のラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させてプリプレグ化したものを、粘着層を有するライナーにヘリカル巻きに巻いたところ、滑らずに設計通りに巻けることを確認した。
ヘリカル巻きを層厚で2mm、次いでフープ巻きを層厚1mmとなるようにワインディングした。ワインディング終了後、直ちに加熱炉を用いて、150℃で5時間加熱し、硬化性樹脂組成物−1を硬化させ、成形物を得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
<樹脂組成物の調製>
エピコート828:100部に、無水メチルナジック酸(日立化成(株)製、無水メチルハイミック酸)95部、硬化促進剤である2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール:1部を添加し、硬化性樹脂組成物−5を得た。
<異径管に対するFW>
次に、カーボンロービング(東レ(株)製、T−700S−12K)に硬化性樹脂組成物−5を、硬化性樹脂組成物100部に対してロービングが200部となるように含浸したものを、実施例1と同様のライナーにヘリカル巻きに巻いたところ、ショルダー部で大きく滑ってしまい設計通りに巻くことができなかった。結果を表1に示す。
Figure 0004421373
本発明のフィラメントワインディング成形方法は、産業用のFRPパイプ、FRP部品、宇宙航空機器;天然ガス自動車、消防、医療、レジャー用などに使用される空気、酸素、液化プロパンガス、液化天然ガスなどの圧力容器等の製造に好適である。
フィラメントワインディング法におけるヘリカル巻きの一例を示す概略図である。 フィラメントワインディング法におけるフープ巻きの一例を示す概略図である。
符号の説明
10 樹脂含浸繊維材料
11 駆体

Claims (7)

  1. エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有する硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸して、樹脂含浸繊維材料を得る含浸工程と、
    樹脂含浸繊維材料に光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させる光照射工程と、
    光照射工程後の樹脂含浸繊維材料を駆体に巻き付けて加熱する成形工程と
    を有することを特徴とするフィラメントワインディング成形方法。
  2. 成形工程の前に、あらかじめ駆体に粘着剤を塗布して粘着層を設けておくことを特徴とする請求項1記載のフィラメントワインディング成形方法。
  3. 前記粘着剤として、エポキシ基およびラジカル重合性不飽和基を有する樹脂であり、かつエポキシ基とラジカル重合性不飽和基との比率が、0.05/0.95〜0.95/0.05当量である樹脂(A)と、光重合開始剤(D)と、ラジカル熱重合開始剤(E)と、エポキシ樹脂硬化剤(F)とを含有する硬化性樹脂組成物を用い、
    該粘着剤を駆体に塗布した後、これに光を照射してラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基を部分的に反応させて粘着層とすることを特徴とする請求項2記載のフィラメントワインディング成形方法。
  4. 前記樹脂(A)が、エポキシ樹脂中のエポキシ基の0.05〜0.95当量をビニルエステル化した樹脂であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング成形方法。
  5. 照射する光が、紫外線であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング成形方法。
  6. 繊維材料が、炭素繊維であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング成形方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載のフィラメントワインディング成形方法によって得られた成形物。
JP2004145244A 2004-05-14 2004-05-14 フィラメントワインディング成形方法 Expired - Lifetime JP4421373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004145244A JP4421373B2 (ja) 2004-05-14 2004-05-14 フィラメントワインディング成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004145244A JP4421373B2 (ja) 2004-05-14 2004-05-14 フィラメントワインディング成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005324456A JP2005324456A (ja) 2005-11-24
JP4421373B2 true JP4421373B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=35471183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004145244A Expired - Lifetime JP4421373B2 (ja) 2004-05-14 2004-05-14 フィラメントワインディング成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4421373B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102007057198B4 (de) * 2007-11-28 2017-04-20 Daimler Ag Verfahren zur Herstellung eines Faserverbund-Hohlkörpers mit kraftfluss- und spannungsoptimierter Faserausrichtung
KR20140041868A (ko) * 2011-08-01 2014-04-04 쇼와 덴코 가부시키가이샤 압력 용기의 제조 방법
JP6724389B2 (ja) * 2016-01-28 2020-07-15 東洋インキScホールディングス株式会社 圧力容器の製造方法
FR3078537B1 (fr) * 2018-03-05 2021-01-01 Arkema France Composition de precurseur pour composites thermoplastiques acryliques et ses procedes de preparation et utilisation
KR102356868B1 (ko) * 2020-09-02 2022-02-07 주식회사 쓰리피닷컴 고압 탱크 제조 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005324456A (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5512069B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
WO2006013943A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、成形物およびその製造方法
JPH11210981A (ja) 管状成形体内面の被覆または補修用光硬化性材料及びその被覆方法
JP4421373B2 (ja) フィラメントワインディング成形方法
JPH03215516A (ja) 樹脂組成物、該組成物よりなるプレプレグ及び該プレプレグよりなる製品
JP4884732B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
JP4133049B2 (ja) Frp圧力容器の成形方法
JP2001335612A (ja) 管状成形体内面の被覆または補修用硬化性材料及びその被覆方法
JP2007077217A (ja) 硬化性樹脂組成物、ライニング材及び管状ライニング材
JP2004181934A (ja) Frpライニング方法
JP4465259B2 (ja) 管状ライニング材
JP2005281610A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP4490554B2 (ja) Frp圧力容器の成形方法
JPH08217991A (ja) 放射線硬化性材料
JP2001269996A (ja) 管状物の補強方法及び管状物用補強材
JP6724389B2 (ja) 圧力容器の製造方法
WO2023017853A1 (ja) ライニング材
JP2003039553A (ja) 光重合性樹脂組成物を含む管ライニング材の管ライニング工法
JPH10182768A (ja) フィラメントワインディング成形方法
KR102225655B1 (ko) 콘크리트 보수 및 방수 라이닝용 광경화 시트 제조용 수지 조성물 및 이의 제조방법
JP2021155674A (ja) 光硬化型ライニング材用樹脂組成物、光硬化型ライニング材、及びその硬化物
WO2014103687A1 (ja) 管状成形体内面の補修用硬化性材料及び補修方法
JP2002018991A (ja) 硬化性プリプレグ,その製造方法及び硬化方法
JP2003175515A (ja) 補強方法
JPH08323860A (ja) 管状成形体の内面の被覆またはその補修方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4421373

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151211

Year of fee payment: 6