JP6724389B2 - 圧力容器の製造方法 - Google Patents
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Description
前記硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂(A)と、光重合性開始剤(B)と、エポキシ硬化剤(C)とを含有し、30℃での硬化性樹脂組成物の粘度が10mPa・s〜10000mPa・sであることを特徴とする圧力容器の製造方法により、上記課題が解決させることを見出したものである。
前記硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂(A)と、光重合性開始剤(B)と、エポキシ硬化剤(C)とを含有し、30℃での硬化性樹脂組成物の粘度が10mPa・s〜10000mPa・sであることを特徴とする圧力容器の製造方法に関する。
硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸する方法は、公知のFW法における方法を採用すればよく、特に限定はされない。例えば、樹脂を定量的に付着させたロールに補強繊維束を接触させ、補強繊維束に樹脂を転写させるタッチロール方式や、樹脂浴に補強繊維束を漬け込み、その後余分な樹脂を絞り取るなどするディップ方式が例示できる。
以下、硬化性樹脂組成物および繊維材料について詳細に説明する。
本発明における硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、光重合性開始剤(B)と、エポキシ硬化剤(C)とを含有するものである。
「エポキシ樹脂」という用語は熱硬化性樹脂の一つのカテゴリーの名称として用いられる場合と、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物という化学物質のカテゴリーの名称として用いられる場合があるが、本発明においては後者の意味で用いられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂に代表されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられるが、これに限定されない。
この中でも、脂環式エポキシ樹脂やグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は繊維材料への含浸性の観点から好ましい。脂環式エポキシ樹脂やグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いることで、エポキシ樹脂を繊維材料に含浸させる際、低粘度であることにより含浸性の向上が期待でき、またフィラメントワインディング等の巻回工程での気体の巻き込みによるボイドを低減させることが出来る。特に、硬化速度の観点から脂環式エポキシ樹脂であることが好ましい。
また、グリシジルアミン型エポキシ樹脂は樹脂含浸繊維材料同士の密着性向上の観点から好ましい。エポキシ樹脂とアミン化合物の反応により得られるエポキシ−アミン付加物は高い反応性を有するため、硬化性樹脂組成物同士の密着性を向上させることが出来る。
脂環式のエポキシ基を有する化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキレート、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。脂環式エポキシ樹脂の商品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイド2021、2081、2000、3000、サイクロマーM100等を挙げることができる。脂環式エポキシ樹脂(A1)は、硬化性の観点から2官能以上であることが好ましい。官能基数が増加することで、硬化速度が向上しタンクの強度が高くなる。
また、カチオン重合を使用する場合は、テトラエチレングリコールジビニルエーテル等
のビニルエーテル化合物等も使用することができる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、株式会社アデカ社製のEP−3950S、EP−3950L、EP−3980Sなどが挙げられ、その他には新日鉄住金化学株式会社製YH−434、YH−434Lなどが挙げられる。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、三菱化学(株)製のjER825,jER827、jER828、jER828EL、jER828US、jER828XA、jER834、jER806、jER806H、jER807、jERYL6810、jER7700、jERYX8000、jERYX8034、jERYX8800、jERYL980、jERYL983Uなどが挙げられ、その他には株式会社アデカ社製のEP−4100、EP−4100G、EP−4100E、EP−4100TX、EP−4300E、EP−4400、EP−4520S、EP−4530、EP−4901などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない
本発明における光重合開始剤(B)としては、紫外線領域から近赤外領域に感光性を有する公知のものが使用できる。
紫外線ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類等が挙げられる。ベンゾイン類としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等の誘導体が挙げられる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等の誘導体が挙げられる。アントラキノン類としては、2−メチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン等の誘導体が挙げられる。チオキサントン類としては、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン等の誘導体が挙げられる。ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等の誘導体が挙げられる。その他としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等、公知のものを使用することができる。
ペシャルティーケミカルズ(株)製)とが75%/25%の割合で混合された商品名:イルガキュアー1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);同じく、50%/50%の割合で混合された商品名:イルガキュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名:LucirinTPO、BASF(株)製);2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名LucirinTPO、BASF(株)製)とが50%/50%の割合で混合された商品名:Darocur4265などがある。
できるカチオン触媒を使用することができる。具体的には、ジアゾニウム化合物、スルホ
ニウム化合物、ヨードニウム化合物、金属錯体化合物など様々な化合物が知られており、
「機能材料」1985年10月号5項、「UV・EB硬化技術の応用と市場」シーエムシー社1989年発行78頁などに詳細な記述がある。具体例としては、トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルユードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス(ビス(p−2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ)フェニルスルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート等(商品名としては、日本曹達(株)製CI−2855等)が挙げられる。
本発明におけるエポキシ硬化剤(C)としては、酸無水物類や、脂肪族アミン、芳香族アミン、ポリアミド、複素環状アミン等のアミン類等が挙げられる。エポキシ硬化剤(C)は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に応じて適量を配合する。
エポキシ硬化剤(C)は、芳香族アミンであることが好ましい。エポキシ硬化剤(C)が芳香族アミンであることで、樹脂含浸繊維材料同士の密着性が良好となる。本発明における芳香族アミンとしては、m−キシレンジアミン、キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、4,4−メチレンビ(2−エチル−6−メチルアニリン)、ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、環状カーボネート化合物を添加してもよい。環状カーボネート化合物を添加することで、樹脂組成物中の極性が向上し、硬化速度の向上、樹脂組成物の高分子量化による強度向上が期待できる。本発明における環状カーボネート化合物としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン−2−オン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、ポリオールを添加してもよい。ポリオールを添加することで、連鎖移動反応が促進されるため硬化速度の向上が期待できる。
本発明におけるポリオールとしては、三洋化成株式会社製のTP−400、GP−400、PP−200、綜研化学株式会社製UT−1001、CB−3060、CBB−3098C、ダイセルファインケム株式会社製CMCダイセル1110、CMCダイセル1220、CMCダイセル1330、HECダイセルSP200、HECダイセルSP400等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、オキセタン化合物を添加してもよい。オキセタン化合物を添加することで、硬化速度の向上が期待できる。
本発明におけるオキセタン化合物としては、東亞合成株式会社製OXT−101、OXT−212、OXT−121、OXT−221等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、反応促進剤としてさらに、イミダゾール化合物、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等を添加することができる。
本発明のおける樹脂組成物の粘度は、30℃で10〜10000mPa・sであることが好ましい。30℃の粘度が10〜10000mPa・sであることで、保存安定性が良く、かつ、ライナー巻き付け後のダレを防止することができるため耐圧性に優れる圧力容器を得ることができる。30℃の粘度が10mPa・sより小さいとライナー巻き付け中に樹脂組成物が液ダレを起こし、複合材料部分に斑が生じるため耐圧性が低下する。また、30℃の粘度が10000mPa・sより大きいと熱や光などの外的刺激により増粘化が著しく早く進行してしまうため保存安定性が悪化する。保存安定性の悪化により炭素繊維の含浸が充分に行われないために、圧力容器の耐圧性が悪化する。
本発明における繊維材料は、有機繊維および/または無機繊維である。繊維材料としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。中でも、光透過性に優れる点ではガラス繊維が好ましいが、光透過性の劣る炭素繊維でも表面の増粘反応を進めることができるので、用途に応じた繊維を選択することができる。繊維材料の形状は、ロービング、編み物、クロス、マット状などのものが使用される。これら繊維材料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維材料の使用量は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して5〜400質量部、好ましくは50〜300質量部である
(光照射)
樹脂含浸繊維材料に照射する光としては、紫外線〜近赤外線領域の光を使用する。紫外線とは280〜400nm、可視光とは400〜780nm、近赤外線とは780〜1200nmの波長領域の光線を指す。中でも、光の照射時間が比較的短くて済み、空気の影響が比較的少ない、紫外線が好ましい。
本発明において使用される光源としては、LEDランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、蛍光灯、自然光、太陽光、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、近赤外ランプ、赤外ランプなどが挙げられる。この中でも、LEDランプを使用することで、光源由来の発熱を抑えることができるため、作業性の点から好ましい。
具体的には、硬化性樹脂組成物中のラジカル重合性不飽和基および/またはエポキシ基が部分的に反応して、硬化性樹脂組成物が適度に増粘するように、樹脂含浸繊維材料の照射面の積算光量が10〜20000mJ/cm2となるように光を照射することが好ましい。
樹脂含浸繊維材料の駆体への巻き付け方としては、樹脂含浸繊維材料をライナーにらせん状に巻き付けるヘリカル巻き、ライナーの回転軸に対して垂直方向に樹脂含浸繊維材料を巻き付けるフープ巻きなどが挙げられる。
本発明においては、形状が複雑なライナーへ樹脂含浸繊維材料を巻き付けた場合に、樹脂含浸繊維材料が滑りやすいヘリカル巻きに特に効果的である。
ライナーとしては、硬化性樹脂組成物の硬化後に脱芯される芯型、硬化性樹脂組成物の硬化後に容器等の成形物の内層となるライナーが挙げられる。芯型やライナーの材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄などの金属材料;ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。本発明は、断面が楕円状である扁平の駆体など、形状が複雑なために、樹脂含浸繊維材料が滑りやすい駆体を用いる場合に特に効果的である。
ライナーに樹脂含浸繊維材料が巻き付けられた中間体を加熱し、硬化性樹脂組成物を硬化させる手段としては、加熱炉、赤外線ランプなどが挙げられる。
加熱温度、加熱時間等の加熱条件は、樹脂含浸繊維材料の厚さ、硬化性樹脂組成物の量や種類などにより適宜決定すればよく、特に限定はされない。
[合成例1]
冷却管及びディーンスターク管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、トリメチロールプロパン1mol、3,4−エポキシシクロヘキサンメチルエステル4mol、炭酸ナトリウム0.2molを入れ、ディーンスターク管からメタノールを除去しながら190℃で3時間混合した。混合後、酢酸エチルを入れて希釈した希釈溶液を濾紙にて濾過した。エバポレーターにて酢酸エチルを除去し、「脂環エポキシ3官能」を得た。
[合成例2]
合成例1の混合物を、ペンタエリスリトール1mol、3,4−エポキシシクロヘキサンメチルエステル5mol、炭酸ナトリウム0.2molに変更し、合成例1と同様の手順にて、「脂環エポキシ4官能」を得た。
[合成例3]
合成例1の混合物を、キシリトール1mol、3,4−エポキシシクロヘキサンメチルエステル6mol、炭酸ナトリウム0.2molに変更し、合成例1と同様の手順にて、「脂環エポキシ5官能」を得た。
[合成例4]
合成例1の混合物を、ジペンタエリスリトール1mol、3,4−エポキシシクロヘキサンメチルエステル7mol、炭酸ナトリウム0.2molに変更し、合成例1と同様の手順にて、「脂環エポキシ6官能」を得た。
[参考例1]
<硬化性樹脂組成物の調整>
JER827(三菱化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)99.89部、TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルージフェニルーフォスフィンオキサイド)0.01部、JERキュアST11(三菱化学社製、脂肪族アミン樹脂)0.1部を攪拌し硬化性樹脂組成物A−1を得た。
つづいて硬化性樹脂組成物A−1を炭素繊維に含浸させ、アルミライナー(外径:100mm、長さ:400mm、肉厚:5mm)に、LED光源UVライト(波長:365nm、照射強度:1000mW/cm2)を照射しながら第一層目にフープ層を1.0mm、第二層目にヘリカル層を2.0mm巻きつけた。巻きつけ終了後、ライナーを130℃、2時間加熱した後、室温まで冷却し圧力容器T−1を得た。
硬化性樹脂組成物A−1を30℃に保ち、B型粘度計(回転数60rpm)を用いて粘度を測定した。測定結果を表3に示す。
硬化性樹脂組成物A−1を、PET基材に膜厚100μmになるよう塗工した後、塗工面からLED光源UVライト(波長:365nm、照射強度:1000mW/cm2)を10秒間照射した。照射後の樹脂組成物をPET基材から剥離し、約1gをメチルエチルケトン(MEK)に浸漬40℃、24時間放置した。放置後、100℃のオーブンに1分間入れてMEKを揮発させた後、樹脂組成物の質量を測定し浸漬前後での樹脂組成物重量減少分を計算し、以下の基準で硬化性を評価した。評価結果を表3に示す。
5:樹脂組成物重量減少分0%以上5%未満
4:樹脂組成物重量減少分5%以上10%未満
3:樹脂組成物重量減少分10%以上20%未満
2:樹脂組成物重量減少分20%以上50%未満
1:樹脂組成物重量減少分50%以上
硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸させてライナーに巻きつけた際の硬化性は上記評価方法にて評価した結果と同様の傾向を示した。
硬化性樹脂組成物A−1の30℃での粘度、及び、80℃で100時間放置して30℃に戻した後の粘度をそれぞれB型粘度計(回転数60rpm)を用いて測定した。測定した粘度比(80℃100時間放置後粘度/30℃粘度)を計算し、以下の基準で保存安定性を評価した。評価結果を表3に示す。
5:粘度比1.1未満
4:粘度比1.1以上1.5未満
3:粘度比1.5以上2.0未満
2:粘度比2.0以上3.0未満
1:粘度比3.0以上
硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸させてライナーに巻きつけた際の硬化性は上記評価方法にて評価した結果と同様の傾向を示した。
圧力容器T−1を加圧破壊試験機に設置し、圧力容器が破裂するまで容器内に負荷を与え、破裂した時点の圧力を破壊圧力とし、以下の基準で耐圧性を評価した。結果は表3に示す。
5:破壊圧力 45MPa以上
4:破壊圧力 41MPa以上45MPa未満
3:破壊圧力 38MPa以上41MPa未満
2:破壊圧力 35MPa以上38MPa未満
1:破壊圧力 35MPa未満
参考例1と同様に、表1に示す組成の硬化性樹脂組成物を調整し、つづいて圧力容器を作成し、参考例1と同様の評価を行った。結果は表3に示す。
[比較例1〜3]
参考例1と同様の方法で、表2に示す組成の硬化性樹脂組成物を調整し、つづいて圧力容器を作成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は表3に示す。
尚、表3中、実施例1〜10は、いずれも参考例である。
一方、表3の比較例1では光重合性開始剤およびエポキシ硬化剤を含有していないため、硬化性樹脂組成物の硬化性が低く容器の耐圧性が悪い。また、比較例2では硬化性樹脂組成物の30℃の粘度が10000mPa・sより大きいため、保存安定性が悪く、圧力容器製造中に炭素繊維を含浸する工程前で硬化が進行してしまうために圧力容器の耐圧性が悪くなる。比較例3では硬化性樹脂組成物の30℃の粘度が10mPa・sより小さいため硬化性が悪く、また炭素繊維を充分に含浸することができず圧力容器の耐圧性が悪化してしまう。
2・・・アルミライナー
3・・・樹脂含浸繊維材料
3a・・フープ層
3b・・ヘリカル層
Claims (6)
- 硬化性樹脂組成物を繊維材料に含浸する工程と、硬化性樹脂組成物が含浸された繊維材料に光を照射しつつ前記繊維材料を中空のライナーに巻き付ける工程と、ライナーに繊維材料が巻き付けられた圧力容器の中間体を加熱して前記硬化性樹脂組成物が含浸された繊維材料を硬化させる工程とを有する圧力容器の製造方法であって、
前記硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂(A)と、光重合性開始剤(B)と、エポキシ硬化剤(C)とを含有し、ラジカル熱重合開始剤および水を含有せず、30℃での硬化性樹脂組成物の粘度が10mPa・s〜10000mPa・sであり、
前記エポキシ樹脂(A)が、脂環式エポキシ樹脂(A1)およびグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(A3)を含有することを特徴とする圧力容器の製造方法。 - グリシジルエーテル型エポキシ樹脂(A3)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の圧力容器の製造方法。
- 硬化性樹脂組成物の30℃での粘度(30℃粘度)と80℃で100時間放置した後の粘度(80℃100時間放置後粘度)との粘度比(80℃100時間放置後粘度/30℃粘度)が、2.0未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力容器の製造方法。
- エポキシ硬化剤(C)が芳香族アミン化合物(C1)であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の圧力容器の製造方法。
- 硬化性樹脂組成物がさらに環状カーボネート化合物、ポリオールおよびオキセタン基含有化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の圧力容器の製造方法。
- 光重合開始剤(B)がカチオン性光重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の圧力容器の製造方法。
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