JP2019178702A - 高圧タンク及びその製造方法 - Google Patents

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めぐみ 鹿子嶋
Megumi Kagoshima
めぐみ 鹿子嶋
幸助 草場
Kosuke Kusaba
幸助 草場
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Abstract

【課題】補強層が厚さの異なる部位を含むときに加熱硬化に起因する補強層での歪みの発生を抑えつつ短時間で製造可能な高圧タンク、及び、その製造方法を提供する。【解決手段】高圧タンク1は、筒状に形成された容器本体10と、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材31が容器本体10の外面に巻き付けられることにより形成された、容器本体10の外面を覆う補強層30と、繊維強化部材31に付与され、補強層30の厚さに応じて繊維強化部材31の単位体積当たりの付与量が変更された、熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤40と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば水素燃料を充填する水素タンクなどの内圧の高い容器に適用される高圧タンク及びその製造方法に関する。
従来、水素燃料などを充填する高圧タンクが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された高圧タンクは、容器本体と、補強層と、を備えている。容器本体には、ガスが充填されるタンク室が形成されている。容器本体は、軸方向に延びる円筒部と、円筒部の軸方向両端それぞれに形成されるドーム部と、を有している。補強層は、容器本体の円筒部及びドーム部の外面を覆っている。補強層は、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材が容器本体の外面に複数回巻き付けられることにより形成されている。繊維強化部材が容器本体の外面に巻き付けられると、その後、外部加熱装置を用いて硬化処理(具体的には、加熱処理)が実行される。これにより、繊維強化部材に含浸された熱硬化性樹脂が硬化するので、補強層により容器本体が補強された高圧タンクが製造される。
一般的に、外部加熱装置による硬化処理が繊維強化部材の巻き付け完了後に行われる構成では、繊維強化部材が巻き付けられた補強層の厚さが大きいほど、その補強層での各部位間(例えば、表面部と奥部との間)で含浸樹脂の硬化に要する時間がずれ易く、硬化タイミングに差が生じ易い。繊維強化部材の巻き付けが完了した補強層内で硬化タイミングの差が大きいと、補強層で硬化収縮差による歪みが発生し易く補強層の強度低下に繋がる。そこで、上記特許文献1記載の高圧タンクでは、繊維強化部材が容器本体の外面に巻き付けられる補強層の形成過程で、高圧タンクの外方に配置された外部加熱装置を用いて、その繊維強化部材に含浸されている熱硬化性樹脂が順次加熱される。これにより、繊維強化部材の巻き付け完了前にその各部位が順に硬化されるので、補強層の厚さが大きいときにも、その補強層での歪みの発生を抑えることができる。
特開2011−179638号公報
ところで、補強層の厚さは、容器本体の長手方向位置に応じて異なることがある。上記の高圧タンクでは、繊維強化部材が容器本体の外面に巻き付けられる補強層での硬化収縮差による歪みの発生を抑えるために、その補強層の形成過程で、その巻き付けられていく繊維強化部材に含浸されている熱硬化性樹脂を、外部加熱装置を用いて常に加熱し続けることが必要である。このため、補強層の厚さが異なる部位でも硬化収縮差による歪みの発生を抑えることは可能である。しかしながら、この構成では、繊維強化部材が容器本体の外面に巻き付けられている過程で外部加熱装置が常にその繊維強化部材に含浸されている熱硬化性樹脂を加熱し続けるので、繊維強化部材の巻き付けと加熱硬化とを並行して行うことが必要である。この場合は、繊維強化部材の巻き付けられた部位が加熱硬化されるまで次層の巻き付けを待つことが必要であるので、高圧タンクの製造時間が長くなるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、補強層が厚さの異なる部位を含むときに加熱硬化に起因する補強層での歪みの発生を抑えつつ短時間で製造可能な高圧タンク及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、筒状に形成された容器本体と、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材が前記容器本体の外面に巻き付けられることにより形成された、前記容器本体の外面を覆う補強層と、前記繊維強化部材に付与され、前記補強層の厚さに応じて前記繊維強化部材の単位体積当たりの付与量が変更された、前記熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤と、を備える、高圧タンクである。
この構成によれば、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材には、その熱硬化性樹脂の硬化を促進する硬化促進剤が付与されている。繊維強化部材の単位体積当たりに付与される硬化促進剤の付与量は、筒状の容器本体の外面に巻き付けられた繊維強化部材により形成された補強層の厚さに応じて変更されている。このように硬化促進剤の付与量が変更されていれば、補強層の厚さが大きい部位と小さい部位との間での含浸樹脂の硬化に要する時間のズレが抑えられ、補強層内での硬化タイミングの差が小さくなる。従って、補強層が厚さの異なる部位を含むときに、その補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生が抑えられる。また、この構成によれば、繊維強化部材の加熱硬化が、容器本体の外面への繊維強化部材の巻き付け完了後に行われても、補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生が有効に抑えられる。従って、高圧タンクが、補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生が抑えられつつ短時間で製造される。
また、本発明は、筒状に形成された容器本体と、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材が前記容器本体の外面に巻き付けられることにより形成された、前記容器本体の外面を覆う補強層と、を備える高圧タンクを製造する方法であって、前記繊維強化部材に前記熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤を付与する際、前記繊維強化部材の単位体積当たりに付与する前記硬化促進剤の付与量を、前記補強層の厚さに応じて変更する、高圧タンクの製造方法である。
この構成によれば、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材には、その熱硬化性樹脂の硬化を促進する硬化促進剤が付与される。繊維強化部材の単位体積当たりに付与される硬化促進剤の付与量は、筒状の容器本体の外面に巻き付けられた繊維強化部材により形成された補強層の厚さに応じて変更される。このように硬化促進剤の付与量が変更されれば、補強層の厚さが大きい部位と小さい部位との間での含浸樹脂の硬化に要する時間のズレを抑えることができ、補強層内での硬化タイミングの差を小さくすることができる。従って、補強層が厚さの異なる部位を含むときに、その補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生を抑えることができる。また、この構成によれば、繊維強化部材の加熱硬化が、容器本体の外面への繊維強化部材の巻き付け完了後に行われても、補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生が有効に抑えられる。従って、補強層での加熱硬化に起因する歪みの発生を抑えつつ、高圧タンクを短時間で製造することができる。
本発明の一実施形態に係る高圧タンクの正面図である。 実施形態の高圧タンクを図1に示すII−II位置で切断した際の断面図である。 実施形態の高圧タンクを図1に示す矢印IIIで見た際の矢視図である。 実施形態の高圧タンクの要部の拡大断面図である。 実施形態の高圧タンクが備える補強層を形成する繊維強化部材に硬化促進剤を付与する手法を説明するための図である。 実施形態の高圧タンクが備える補強層を加熱硬化させる手法を説明するための図である。 実施形態の高圧タンクが備える補強層における硬化促進剤を付与する付与量の分布の一例を表した断面図である。 実施形態の高圧タンクが備える補強層での、表面からの深さ位置と単位体積当たりの硬化促進剤の付与量との関係の一例を表した図である。 本発明の一変形形態に係る高圧タンクが備える補強層における硬化促進剤を付与する付与量の分布の一例を表した断面図である。 変形形態の高圧タンクが備える補強層での、補強層の厚さと単位体積当たりの硬化促進剤の付与量との関係の一例を表した図である。
以下、本発明に係る高圧タンク及びその製造方法の具体的な実施形態及びその変形形態について図面を用いて説明する。
一実施形態の高圧タンク1は、例えば水素ガスや天然ガスなどを高圧で充填することが可能なタンクである。高圧タンク1は、例えば自動車などに搭載される。高圧タンク1は、図1及び図3に示す如く、容器本体10を備えている。容器本体10は、略円筒状に形成されている。容器本体10の内部には、図2に示す如く、ガスが充填されるタンク室11が形成されている。タンク室11は、所定の容量を有している。以下、高圧タンク1又は容器本体10の軸が延びる方向を、適宜、軸方向Aと称す。
容器本体10は、ライナ12と、口金13と、を有している。ライナ12は、ガスバリア性を有する材料(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン,ナイロン,EVHO(エチレン−ビニルアルコール共重合体),その他の樹脂など)により形成された中空の樹脂ライナである。尚、ライナ12は、高圧タンク1の軽量化を図るうえでは樹脂ライナであることが望ましいが、例えばアルミニウムなどの材料により形成された金属ライナであってもよい。ライナ12は、軸方向Aに延びており、所定の軸方向長さを有している。また、ライナ12は、略均一な外径及び略均一な内径を有し、タンク室11の耐圧が所定圧となるように所定の径方向厚さを有している。ライナ12の軸方向両端部にはそれぞれ、円形の開口孔14が設けられている。
口金13は、ステンレスやアルミニウムなどの金属により略半球状(すなわちドーム状)に形成されている。口金13は、ドーム側とは軸方向反対側の筒部にてライナ12の開口孔14に嵌入されることによりライナ12の軸方向両端部それぞれに取り付け固定される。口金13は、ボス部15と、連通孔16と、を有している。ボス部15は、ドーム側の頂点近傍から軸方向Aの外方へ突出している。連通孔16は、ボス部15の中心に開けられており、高圧タンク1の外部とタンク室11とを連通している。連通孔16には、バルブ(図示せず)が螺合により取り付けられる。連通孔16は、このバルブにより閉じられる。
高圧タンク1は、シール部材20を備えている。シール部材20は、組付後におけるライナ12の内周面と口金13の外周面との径方向に空いた隙間に配置されている。シール部材20は、その隙間を埋めることによりライナ12と口金13との間をシールすることが可能である。尚、シール部材20は、容器本体10のライナ12と口金13との組付後、例えば口金13に設けられた抜け防止リブなどにより、収容空間からタンク室11へ抜けるのを阻止されている。
高圧タンク1は、図1−図4に示す如く、補強層30を備えている。補強層30は、容器本体10の外面を覆う層である。補強層30は、繊維強化部材31により形成されている。繊維強化部材31は、カーボン繊維やガラス繊維,アラミド繊維などの高強度繊維により形成されている。繊維強化部材31には、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が含浸されている。補強層30は、繊維強化部材31が容器本体10の外面に巻き付けられることにより形成される。尚、繊維強化部材31の巻き付け速度は、略一定であってよい。この繊維強化部材31の巻き付けでは、繊維強化部材31が容器本体10の径方向に幾重にも重ねられる。補強層30は、繊維強化部材31が容器本体10の外面に巻き付けられてその容器本体10の外面を被覆した後に、加熱により樹脂硬化(乾燥)させることにより成形される。
尚、上記した繊維強化部材31の巻き付けは、フィラメントワインディング(FW)法により一本の糸状の繊維強化部材31が容器本体10の外面に連続的に繰り返し巻き付けられるものであってもよいし、また、まず、一本の糸状の繊維強化部材からシート状の繊維強化束が形成され、その後、シートワインディング(SW)法によりその繊維強化束が容器本体10の外面に複数層に巻き付けられるものであってもよい。また、上記した樹脂硬化は、例えば、所定温度(例えば、CFRPの場合は130℃)での加熱が所定時間(例えば、CFRPの場合は24時間)連続して実施されることにより実現されてよい。
高圧タンク1は、(1)ライナ12と口金13とが組み付けられて互いに取り付け固定されかつシール部材20によりシールされ、(2)そのライナ12と口金13とが組み付けられた容器本体10の外面に繊維強化部材31が巻き付けられることで補強層30が形成され、(3)その容器本体10の外面を被覆した補強層30が樹脂硬化されることにより製造される。このように高圧タンク1が製造されると、容器本体10の内部(径方向内側)には、閉塞されたタンク室11が形成される。この閉塞されたタンク室11には、ガスが充填される。タンク室11へのガスの充填は、規定圧(例えば700気圧)まで行われることが可能である。
高圧タンク1において、補強層30は、容器本体10の形状や材質などに応じてその容器本体10が最適に補強されるように、部位に応じて厚さが変わることがある。例えば、要求される補強強度が小さい部位では、補強層30の厚さは小さくなり、一方、要求される補強強度が大きい部位では、補強層30の厚さは大きくなる傾向にある。しかし、補強層30が形成完了後に高圧タンク1の外部から加熱硬化される場合は、補強層30の厚さが小さいときは、その補強層30の表面部と奥部とで温度差は生じ難いので、両部位間で含浸樹脂の硬化タイミングにあまり大きな差は生じないが、補強層30の厚さが大きいと、その補強層30の表面部と奥部とで温度差が生じ易くなるので、両部位間で生じる含浸樹脂の硬化タイミングの差が大きくなるおそれがある。硬化タイミングの差が大きいと、補強層で硬化収縮差による歪みが発生し強度が低下し易くなってしまう。
本実施形態の高圧タンク1は、硬化促進剤40を備えている。硬化促進剤40は、補強層30を形成する繊維強化部材31に付与ないし塗布されるものである。硬化促進剤40は、繊維強化部材31に含浸されている熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させる役割を有している。尚、硬化促進剤40としては、繊維強化部材31に含浸される熱硬化性樹脂の種類に適した種類が用いられる。硬化促進剤40は、一般的に、繊維強化部材31への付与量が大きいほど、その繊維強化部材31に含浸されている熱硬化性樹脂の硬化反応を促進して、その硬化速度を大きくする特性を有する。
硬化促進剤40は、繊維強化部材31が容器本体10の外面に巻き付けられる直前にその繊維強化部材31に付与される。繊維強化部材31への硬化促進剤40の付与は、図5に示す如く、塗布装置50により行われる。塗布装置50は、容器本体10の外面への繊維強化部材31の巻き付けが行われる工程の近傍(すなわち、前工程)に配置されている。そして、塗布装置50は、その巻き付けが実施されている過程で、繊維強化部材31の各部位に対して当該部位が容器本体10の外面に巻き付けられる直前に順次、硬化促進剤40を付与する。塗布装置50による硬化促進剤40の付与は、繊維強化部材31が容器本体10の外面への巻き付けのために搬送されながら繊維強化部材31に対して連続的に行われる。塗布装置50は、繊維強化部材31に付与する硬化促進剤40の付与量(すなわち、塗布量)を可変させることが可能である。具体的には、塗布装置50は、噴射ノズルから噴射する単位時間当たりの噴射量を可変させることで、繊維強化部材31の単位体積当たりに付与する硬化促進剤40の付与量を可変させることが可能である。
高圧タンク1は、塗布装置50により繊維強化部材31に硬化促進剤40が付与されながらその繊維強化部材31が容器本体10の外面に巻き付けられた後、その繊維強化部材31に含浸されている熱硬化性樹脂が加熱硬化されることにより補強層30が成形された状態になる。熱硬化性樹脂の加熱硬化は、図6に示す如く、加熱装置60により行われる。加熱装置60は、容器本体10の外面への繊維強化部材31の巻き付けが行われる工程の近傍(すなわち、後工程)に配置されている。加熱装置60は、容器本体10の外面に補強層30が形成された高圧タンク1を加熱する。加熱装置60は、例えば、高圧タンク1の外面を囲むように形成されている。尚、加熱装置60は、高圧タンク1の容器本体10の内面側にも配置されてもよい。加熱装置60による高圧タンク1の加熱は、所定温度(例えば、130℃)で所定時間(例えば、24時間)継続して行われる。
次に、高圧タンク1の補強層30の形成方法について説明する。
ライナ12と口金13とが組み付けられた容器本体10が形成されると、次に、その容器本体10の外面に糸状又はシート状の繊維強化部材31が巻き付けられる。その繊維強化部材31の各部位には、その部位が容器本体10の外面に巻き付けられる直前に順次、塗布装置50から硬化促進剤40が付与される。
塗布装置50が繊維強化部材31に付与する硬化促進剤40の付与量は、その繊維強化部材31が補強層30内で位置する部位に応じて可変される。補強層30における表面からの距離(深さ)が大きい部位は、加熱装置60により加熱され難く、硬化し難い。一方、硬化促進剤40の付与量が多いほど、繊維強化部材31が硬化し易い。
そこで、本実施形態では、繊維強化部材31が位置する補強層30での部位に応じて、硬化促進剤40が付与される繊維強化部材31の単位体積当たりの付与量の分布が予め定められている。例えば図7に示す如く、その付与量は、補強層30の表面からの深さに応じて、S1〜S4(尚、S1<S2<S3<S4とする。)の4段階に定められている。塗布装置50は、上記の如く定められている繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量の分布に従って、容器本体10の外面に巻き付けられる繊維強化部材31の補強層30での部位ごとに、繊維強化部材31の単位体積当たりに付与する硬化促進剤40の付与量を算出する。そして、繊維強化部材31に単位体積当たり、その繊維強化部材31の補強層30での部位に応じた付与量だけ硬化促進剤40を付与する。
この構成によれば、繊維強化部材31の補強層30での部位に応じて、繊維強化部材31の単位体積当たりに付与する硬化促進剤40の付与量を変更することができる。具体的には、その付与量を、補強層30の表面に近い繊維強化部材31の部位ほど少なく、補強層30の表面から深い繊維強化部材31の部位ほど多くすることができる。上記の如く繊維強化部材31の補強層30での部位に応じて単位体積当たりの付与量が変更されれば、補強層30の厚さが大きい繊維強化部材31の部位では、補強層30の厚さが小さい繊維強化部材31の部位に比べてその単位体積当たりの付与量が多くなる。
このように繊維強化部材31の単位体積当たりに付与する硬化促進剤40の付与量が、補強層30の表面から深い繊維強化部材31の部位ほど多くなり、補強層30の厚さが大きい繊維強化部材31の部位ほど多くなれば、補強層30の奥部における含浸樹脂が硬化促進剤40によって硬化促進される傾向になる。このため、繊維強化部材31の巻き付けが完了して補強層30の成形が行われた高圧タンク1が加熱装置60により加熱硬化される場合において、補強層30の厚さ方向及び長手方向の全体に亘って、すなわち、補強層30での表面部と奥部との間及び補強層30の厚さが大きい部位と小さい部位との間での含浸樹脂の硬化に要する時間のズレを抑えることができ、補強層30内での硬化タイミングの差を小さくして均一に硬化させることができる。従って、補強層30が厚さの異なる部位を含むときに、その補強層30での加熱硬化に起因する硬化収縮差を抑えて歪みの発生を抑えることができる。
また、この構成においては、加熱装置60による繊維強化部材31の加熱硬化が、容器本体10の外面への繊維強化部材31の巻き付け完了後に行われるので、繊維強化部材31の巻き付けと加熱硬化とを並行して行うことは不要である。このため、繊維強化部材31の巻き付けられた部位が加熱硬化されるまで次層の巻き付けを待つことは不要であるので、高圧タンク1の製造時間を短くすることができる。従って、補強層30での加熱硬化に起因する歪みの発生を抑えつつ、高圧タンク1を短時間で製造することができ、高圧タンク1の製造を簡易な構成で実現することができる。
ところで、上記の実施形態においては、補強層30が厚さの異なる部位を含むときに加熱硬化に起因する補強層30での歪みの発生を抑えるうえで、その補強層30の厚さに応じてひいては繊維強化部材31が補強層30内で位置する部位に応じて、塗布装置50から噴射される単位時間当たりの噴射量を可変させることにより、繊維強化部材31の単位体積当たりに付与される硬化促進剤40の付与量を変更することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。塗布装置50による単位時間当たりの噴射量の可変に代えて、その噴射量を一定に維持しつつ、補強層30を構成する繊維強化部材31を容器本体10の外面に巻き付ける際の巻き付け速度(すなわち、送り速度)を変更することにより、繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量を変更することとしてもよい。
また同様に、塗布装置50による単位時間当たりの噴射量及び容器本体10の外面への繊維強化部材31の巻き付け速度をそれぞれ一定に維持しつつ、塗布装置50から繊維強化部材31に付与される硬化促進剤40全体に占める、繊維強化部材31に含浸されている熱硬化性樹脂を硬化させる主剤の濃度を変更することにより、繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量を変更することとしてもよい。
また、上記の実施形態においては、補強層30が厚さの異なる部位を含むときに加熱硬化に起因する補強層30での歪みの発生を抑えるうえで、繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量を、補強層30の厚さに応じて、具体的には、図7及び図8に示す如く繊維強化部材31が補強層30内で位置する部位に応じて変更することとしている。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量を、単に補強層30の厚さに応じて変更することとしてもよい。
すなわち、補強層30の厚さに応じて、硬化促進剤40が付与される繊維強化部材31の単位体積当たりの付与量の分布が予め定められ、例えば図9に示す如く、その付与量は、補強層30の厚さに応じて、S1〜S4の4段階に定められる。具体的には、図10に示す如く、補強層30の厚さが小さい繊維強化部材31の部位では全体として、繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量が少なくされ、補強層30の厚さが大きい繊維強化部材31の部位では全体として、繊維強化部材31の単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量が多くされる。この変形形態においては、複雑な制御を伴うことなく簡易な構成で上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記の実施形態においては、塗布装置50が、容器本体10の外面への繊維強化部材31の巻き付けが行われる工程の前工程に配置されており、その巻き付けが実施されている過程で、繊維強化部材31の各部位に対して当該部位が容器本体10の外面に巻き付けられる直前に順次、硬化促進剤40を付与する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、繊維強化部材31自体が製造される段階で、その繊維強化部材31の素材自体に硬化促進剤40を混ぜることとしてもよく、繊維強化部材31の補強層30での部位に応じて単位体積当たりの硬化促進剤40の付与量を変更することとしてもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
1:高圧タンク、10:容器本体、11:タンク室、12:ライナ、13:口金、30:補強層、31:繊維強化部材、40:硬化促進剤、50:塗布装置、60:加熱装置。

Claims (10)

  1. 筒状に形成された容器本体と、
    熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材が前記容器本体の外面に巻き付けられることにより形成された、前記容器本体の外面を覆う補強層と、
    前記繊維強化部材に付与され、前記補強層の厚さに応じて前記繊維強化部材の単位体積当たりの付与量が変更された、前記熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤と、
    を備える、高圧タンク。
  2. 前記硬化促進剤の前記付与量は、前記補強層の厚さが大きい前記繊維強化部材の部位ほど多い、請求項1に記載の高圧タンク。
  3. 前記硬化促進剤の前記付与量は、前記補強層の表面から深い前記繊維強化部材の部位ほど多い、請求項1又は2に記載の高圧タンク。
  4. 前記硬化促進剤の前記付与量は、前記補強層の厚さに応じて前記硬化促進剤の濃度変更により変更されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載の高圧タンク。
  5. 前記硬化促進剤は、前記容器本体の外面への前記繊維強化部材の巻き付けが実施されている過程で、該巻き付けが開始される直前の前記繊維強化部材の部位に塗布される、請求項1乃至4の何れか一項に記載の高圧タンク。
  6. 前記補強層は、前記容器本体の長手方向端側の厚さに比べて長手方向中央側の厚さが大きくなるように形成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の高圧タンク。
  7. 前記容器本体は、筒状の樹脂ライナと、前記樹脂ライナの軸方向両端の開口に嵌められる口金と、を有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の高圧タンク。
  8. 筒状に形成された容器本体と、熱硬化性樹脂が含浸された繊維強化部材が前記容器本体の外面に巻き付けられることにより形成された、前記容器本体の外面を覆う補強層と、を備える高圧タンクを製造する方法であって、
    前記繊維強化部材に前記熱硬化性樹脂の硬化を促進させる硬化促進剤を付与する際、前記繊維強化部材の単位体積当たりに付与する前記硬化促進剤の付与量を、前記補強層の厚さに応じて変更する、高圧タンクの製造方法。
  9. 前記付与量を前記補強層の厚さが大きい前記繊維強化部材の部位ほど多くする、請求項8に記載の高圧タンクの製造方法。
  10. 前記容器本体の外面への前記繊維強化部材の巻き付けが実施されている過程で、該巻き付けが開始される直前の前記繊維強化部材の部位に前記硬化促進剤を塗布する、請求項8又は9に記載の高圧タンクの製造方法。
JP2018067021A 2018-03-30 2018-03-30 高圧タンク及びその製造方法 Pending JP2019178702A (ja)

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