JPH08120227A - 紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物 - Google Patents

紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物

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JPH08120227A
JPH08120227A JP29779394A JP29779394A JPH08120227A JP H08120227 A JPH08120227 A JP H08120227A JP 29779394 A JP29779394 A JP 29779394A JP 29779394 A JP29779394 A JP 29779394A JP H08120227 A JPH08120227 A JP H08120227A
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JP
Japan
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ultraviolet
visible light
adhesive composition
photocurable adhesive
glass
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JP29779394A
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Katsuhiko Kishi
克彦 岸
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TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK
ThreeBond Co Ltd
Resonac Holdings Corp
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TOKUYAMA SEKIYU KAGAKU KK
Showa Denko KK
ThreeBond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 硬化と同時あるいは硬化後に接着剤の色が消
えて透明な接着剤となる紫外線吸収性光硬化型接着剤組
成物を提供する。 【構成】 a)分子内に少なくとも一つ以上のラジカル
重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物 100
重量部、b)有機紫外線吸収剤 1〜10重量部、c)
可視光領域に吸収を持ち可視光を照射することにより消
色しながらラジカルを発生する光硬化触媒 0.1〜5
重量部より構成される紫外線吸収性光硬化型接着剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貼り合わせ接着用に使
用し得る紫外線吸収性光硬化型接着剤に関するもので、
特に貼り合わせ後の被着体が紫外線を透過しないことを
特徴とし、さらには硬化と同時あるいは硬化後に接着剤
の色が消えて透明な接着剤となる紫外線吸収性光硬化型
接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の被着体を貼り合わせて接着した材
料は、その材料の種類に問わず破壊および衝撃に値する
外部からの力に対して優れており、特に複数のガラス板
を貼り合わせた貼り合わせガラスは強度が高く安全面で
優れていることから、自動車を始め、家電製品、建築材
料などへの利用が盛んに行われている。これらの用途に
おいて、被着体の中間層に位置する接着剤層は被着体が
破壊しても損傷しない強靭なものであり、かつ十分な透
明性を有することが要求される。
【0003】一方、自動車のフロントガラスや建築材料
などに使用される材料においては、太陽光から発生する
人体に有害である紫外線の透過を減少させる材料が求め
られている。この要求に現状では材料に紫外線吸収剤を
混在させて紫外線の透過を防いでいる。しかし、このよ
うな材料は価格面において一般の材料よりも高い傾向に
あり、特にガラスにおいては加工の際に、一般の板ガラ
スとは異なる技術を要するものが多い。
【0004】さらに、前記のような被着体に紫外線吸収
剤が混在している材料を接着させる際には、被着体が紫
外線を吸収してしまい紫外線が接着剤まで透過しないの
で、紫外線を硬化エネルギーに使用する接着剤の使用は
困難である。このような理由からエポキシ樹脂、ボリエ
ステルテープ、ブチルゴムシート等が使用されている。
しかし、これらの接着方法は硬化時間が遅く、特殊な装
置や圧着技術を要するために、それらの製造に限定され
るものが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの貼り合わせ接
着技術、特に貼り合わせガラスの接着において、特開昭
63−100045号、特開平6−128549に光硬
化性のガラス用接着剤が提案されている。しかしなが
ら、このような接着剤は一般のガラスの接着のみに有効
であり、屋内暴露を必要とした貼り合わせ加工品に対し
ての耐候性や、紫外線の透過を減少させる機能を付与し
たものはほとんど存在しない。
【0006】貼り合わせガラスに紫外線吸収性を付与す
るためにはガラスに紫外線吸収剤を添加混合した紫外線
吸収性ガラスを使用するか、貼り合わせの接着剤に紫外
線吸収性を付与するかの2つの方法がある。しかし、紫
外線吸収性があるガラスの使用は特開昭63−1004
5や特開平6−128549の様な光硬化性の接着剤は
紫外線側にラジカルを発生する活性化領域があるのでガ
ラスが紫外線を透過しないと接着するのが困難である。
また、紫外線で硬化する接着剤に紫外線吸収剤を添加す
ると、照射した紫外線は光開始剤を活性化せずに紫外線
吸収剤に吸収されてしまう。さらに、紫外線硬化型接着
剤は紫外線吸収性があるが、得られた硬化物は紫外線が
当たると黄変してしまうという欠点がある。
【0007】そこで、可視光硬化型の接着剤を使用すれ
ば紫外線吸収性のガラスを使用することもできるし、接
着剤そのものに紫外線吸収剤を混合することもできる。
紫外線吸収剤入りの可視光硬化型樹脂は特開昭62−1
61868に記載があるが可視光で活性化する触媒は可
視光に吸収を持つために必ず着色しており透明性を必要
とする貼り合わせガラスには使用できない。そこで、透
明性のある光硬化型接着剤にさらに紫外線硬化性のある
樹脂が求められていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題を
解決するために特定の光重合開始剤を誠意検討した結
果、a)分子内に少なくとも一つ以上のラジカル重合可
能なエチレン性不飽和基を有する化合物 100重量
部、b)紫外線吸収剤 1〜10重量部、c)可視光領
域に吸収を持ち可視光を照射することにより消色しなが
らラジカルを発生する光硬化触媒 0.1〜5重量部よ
り構成される紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物を提供
することができ、さらに、可視光領域に吸収を持ち可視
光を照射することにより消色しながらラジカルを発生す
る触媒が、ホウ素系増感剤とポリメチン系染料の組み合
わせ,鉄アレーン錯体とポリメチン系染料の組み合わ
せ,有機過酸化物とポリメチン系染料の組み合わせ,ア
シルフォスフィンオキシドを使用すると可視光線を照射
すると退色しながら硬化する紫外線吸収性光硬化型接着
剤組成物を提供することができる。
【0009】ここで、本組成物のa)成分である分子内
に少なくとも一つ以上のラジカル重合可能なエチレン性
不飽和基を有する化合物は、一般に光照射によりフリー
ラジカルを発生する重合触媒と組み合わせることにより
重合反応を起こし硬化するものである。重合可能なエチ
レン性不飽和化合物とは(メタ)アクリロイル基を分子
内に1つ以上有する化合物があり、ウレタンジアクリレ
ート、エポキシジアクリレート、ポリエステルジアクリ
レートなどの(メタ)アクリロイル基を分子内に少なく
とも2つ以上有する重合体や、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、ジエチレングリコールアクリレート、フェ
ノキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリロイル
基を分子内に少なくとも1つ以上有する単量体などが挙
げられ、これらは単独あるいは複数の混合物で使用され
る。また、重合可能なエチレン性不飽和化合物には無水
マレイン酸或いはフマル酸のような不飽和酸を必ず一成
分として含み、これに無水フタル酸、イソフタル酸など
の飽和多塩基酸を併用して、プロピレングリコール、エ
チレングリコール等の多価アルコールとエステル化して
得られる樹脂を分子内に反応性のエチレン性不飽和結合
を有する重合性単量体に溶解した樹脂等も挙げられる。
【0010】本発明において、光硬化性組成物のb)成
分である紫外線吸収剤は、400nm以下の光を吸収す
るものであり例えば、ヒンダードアミン系、サリチル酸
系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノ
アクリレート系、ジフェニルアクリレート系、ニッケル
カーバメート系、ニッケルサルファイド系、フェニルサ
リシレート系等が挙げられる。これら紫外線吸収剤は上
記エチレン性不飽和化合物100重量部対して1〜10
重量部、好ましくは3〜7重量部の量で使用し得る。少
なすぎると紫外線の透過率が上昇し、多すぎると光によ
る硬化性が遅延し、かつ硬化物が着色する恐れがある。
【0011】本発明のc)成分である光重合触媒は、
1)ホウ素系増感剤とポリメチン系染料の組み合わせ,
2)鉄アレーン錯体とポリメチン系染料のくみ合わせ,
3)有機過酸化物とポリメチン系染料の組み合わせ,
4)アシルフォスフィンオキシドであることを特徴とす
る。1)であるホウ素系増感剤とポリメチン系染料の組
み合わせによる光重合触媒であるがこの組み合わせには
ポリメチン系染料と各種陰イオンの塩化合物とボレート
陰イオンとアミノ陽イオンの塩化合物の混合物質の組み
合わせとポリメチン系染料とボレート陰イオンが錯体と
なった化合物がある。ポリメチン系染料としてはシアニ
ン色素、メチン色素があり特にシアニン色素が望まし
い。好ましいシアニン系色素としては、3,3’−ジカ
ルボキシメチル−2,2’−チアシアニン、3,3’−
ジエチル−2,2’−チアゾリノカルボシアニン、3,
3’−ジエチル−2,2’−チアシアニン、3,3’−
ジエチル−2,2’−チアオキサカルボシアニン、1,
1’,3,3’−テトラエチル−5,5’,6,6’−
テトラクロロ−2,2’−ベンズイミダゾールカルボシ
アニン、3,3’−ジエチル−9−メチル−2,2’−
セレナカルボシアニン、3,3’−ジエチル−2,2’
−オキサカルボシアニン、1,3’−ジエチル−2,
2’−キニチアシアニン、1,3’−ジエチル−4,
2’−キニチアシアニン、1,1’−ジエチル−2,
2’−キノシアニン、1,1’−ジエチル−2,2’−
キノカルボシアニン、1−カルボキシメチル−1’−カ
ルボキシエチル−2,2’−キノシアニンなどが挙げら
れる。
【0012】次いで、好ましいメチン系色素としては、
2[P−[(2−クロロエチル)メチルアミノ]スチリ
ル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム、
2[[(4−メトキシフェニル)メチルヒドラゾノ]メ
チル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウ
ム、2−[2−[4−[(2−シアノエチル)メチルア
ミノ]フェニル]エテニル]1,3,3−トリメチル−
3H−インドリウムが挙げられる。
【0013】前者のポリメチン系染料と各種陰イオンの
塩化合物とボレート陰イオンとアミノ陽イオンの塩化合
物の混合物質の組み合わせにおいて、各種陰イオンはハ
ロゲン陰イオン、ClO 、PF 、BF
SbF ,CHSO ,FCSO ,C
SO 、CHSO ,HOC
SO ,ClCSO などが挙げられる。ボ
レート陰イオンとアンモニウム陽イオンの塩化合物は、
テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリアニシル
ホウ素、テトラメチルアンモニウムn−オクチルトリア
ニシルホウ素、テトラエチルアンモニウムn−ブチルト
リフェニルホウ素、テトラエチルアンモニウムn−ブチ
ルトリアシルホウ素、トリメチルハイドロジェンアンモ
ニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、トリエチルハイ
ドロジェンアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ
素、テトラハイドロジェンアンモニウムn−ブチルトリ
フェニルホウ素、テトラメチルアンモニウムテトラブチ
ルホウ素、テトラブチルアンモニウムテトラブチルホウ
素などが挙げられる。
【0014】また、後者のポリメチン系染料とボレート
陰イオンとの錯体において、ボレート陽イオンのR
10,R11及びR12は、それぞれ独立してアルキ
ル、アリール、アルカリール、アリル、アラルキル、ア
ルケニル、アルキニル、脂環式基または飽和もしくは不
飽和複素環式基を示し、R,R10,R11及びR
12のうち少なくとも1つは炭素数1〜8のアルキル基
である。例えば好ましい陰イオンはトリフェニルブチル
ボレート陰イオンとトリアニシルブチルボレート陰イオ
ンである。これらは容易に分解してトリフェニルボラン
またはトリアニシルボランとブチルラジカルとなる。こ
れらの陰イオンは前記陽イオン性染料と錯体を形成す
る。
【0015】2)である鉄アレーン錯体とポリメチン系
染料との組み合わせであるが、鉄アレーン化合物は一般
式1に表される構造式を持つ。
【0016】
【式1】
【0017】この場合、Xはベンゼン環を少なくとも1
つ含む基でありYはBF ,PF ,As
,SbF などの塩基性イオン物質が適用され
る。一方、ポリメチン系染料としてはメロシアニン色
素、メチン色素があり特にメロシアニン色素が望まし
い。
【0018】好適なメロシアニン色素としては、2−
[4−(1,3−ジブチルテトラヒドロ−2,4,6−
トリオキソ−5(2H)−ピリミジニリデン)−2−ブ
テニリデン]−3(2H)−ベンゾオキサゾールプロパ
ンスルホン酸ナトリウム、2−[4−(1,3ジブチル
テトラヒドロ−4,6−ジオキソ−2−チオキソ−5
(2H)−ピリミジニリデン)−2−ブテニリデン]−
3(2H)−ベンゾオキサゾールプロパンスルホン酸ナ
トリウム、3−エチル−5−[1−[(3−メチル−2
(3H)−ベンゾセレナゾリリデン)メチル]プロピリ
デン]−2−チオキソ−4−オキサゾリノン4−[4−
(3−エチル−4−オキソ−2−チオキソ−5−オキサ
ゾリジニリデン)−2−ブテニリデン]−1(4H)−
キノリンプロパンスルホン酸ナトリウム2−[6−(3
−エチル−2−ベンゾチアゾリニデン)−2,4−ヘキ
サジエニリデン]ベンゾ[b]チオフェン−3(2H)
−オンが挙げられる。
【0019】次いで、好ましいメチン系色素としては,
2[P−[(2−クロロエチル)メチルアミノ]スチリ
ル]−1,3,3−トリメチル−3H−塩化インドリウ
ム、2[[(4−メトキシフェニル)メチルヒドラゾ
ノ]メチル]−1,3,3−トリメチル−3H−メチル
硫酸インドリウム,2−[2−[4−[(2,シアノエ
チル)メチルアミノ]フェニル]エテニル]1,3,3
−トリメチル−3H−塩化インドリウムが挙げられる。
【0020】また、3)である有機過酸化物とポリメチ
ン系染料の組み合わせはの組み合わせによる光重合触媒
であるが、有機過酸化物は公知のものが使用される。有
機過酸化物の代表的なものは、ジアシルパーオキシド
類、ジアルキルパーオキシド類、ケトンパーオキシド
類、パーオキシエステル類などがある。これらのうち特
に有用なのは10時間半減期を得るための温度が70〜
10℃である有機過酸化物であり、具体的にはt−ブチ
ルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トル
オイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノエート
パーオキシド、t−ブチルパーオキシドイソブチルイソ
プロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパー
オキシイソフタレート、ジクミルパーオキシドなどが挙
げられる。
【0021】有機過酸化物と組み合わされるポリメチン
系染料はシアニン色素,メロシアニン色素,メチン色素
が用いられる。具体的な例としては前記の物が使用され
る。また、この発明で使用することができる光重合触媒
は染料とラジカル放出可能物質であるが4)であるアシ
ルフォスフィンオキシドを使用しても可能である。この
アシルフォスフィンオキシドの具体的な例は2、4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサ
イド、2,4,6−トリエチルベンゾイルジフェニルフ
ォスフィンオキサイド、2,4,6−トリフェニルベン
ゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げら
れる。
【0022】これら、可視及び/または赤外領域に感度
を有する触媒は上記エチレン性不飽和化合物100重量
部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.3〜
1.5重量部の量で使用し得る。少なすぎると硬化性が
悪くなり、多すぎると硬化物の劣化が速くなる。
【0023】また、照射する光は、可視光だけではなく
可視光よりも長波長領域、つまり近赤外領域でも同じ様
な硬化性が認められた。可視光及び可視光よりも長波長
領域の光を照射するための光源としては、キセノンラン
プ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプなどがあげ
られ、さらに長波長領域では、近赤外、赤外、遠赤外線
ランプ等が適する。また、太陽光線も適する。これらの
中でも、可視光線、赤外線を効率よく放射する光源とし
て特にハロゲンランプや赤外線ランプが好適である。
【0024】また、本発明の紫外線吸収性光硬化型樹脂
には物性、性状を向上させるために各種添加剤を添加す
ることができる。例えば、シリカ、タルク、石英、炭酸
カルシウムなどの無機充填剤、重合禁止剤、密着力向上
剤、酸化防止剤、消泡剤などを添加することができる。
【0025】
【作用】光硬化性樹脂と有機紫外線吸収剤を複合した系
において、光を照射した場合、系中に存在する光開始剤
の吸収波長は混在する紫外線吸収剤のそれとオーバーラ
ップしないかもしくは光開始剤の吸収が紫外線吸収剤の
それよりも吸収端が長いために、硬化性に影響無く硬化
物が得られると考えられる。さらに、本発明で使用され
る特定の触媒は、光を照射するとラジカルまたはカチオ
ンを放出し、エチレン性不飽和基を有する化合物を重合
させるのと同時に、触媒自体が変化し発色団の分解によ
り可視光の吸収がなくなり樹脂の色が消えることによっ
て硬化後の樹脂の色は透明となる。
【0026】
【実施例】ついで以下に実施例及び比較例を挙げて本発
明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら各例に限
定されるものではない。また、この項に記載する部とは
全て重量部を表す。また、光照射の条件は1KWハロゲ
ンランプを用いて、照射距離20センチメートルで照射
した。
【0027】
【実施例1】ウレタンアクリレート(トリレンジイソシ
アネートとポリプロピレングリコールをモル比2:1で
反応させ、次いでヒドロキシアクリレート1モルを反応
させたもの)40部、イソボロニルアクリレート60部
を混合しベースポリマーとし、テトラメチルアンモニ
ウムn−ブチルトリフェニルホウ素0.5部、3,3’
−ジカルボキシエチル2,2’−チアシアニンクロライ
ド0.1部 式2で表される化合物1.0部、2−[4−(1,3
−ジブチルテトラヒドロ−2,4,6−トリオキソ−5
(2H)−ピリミジニリデン)−2−ブテニリデン]−
3(2H)−ベンゾオキサゾールプロパンスルホン酸ナ
トリウム1.0部
【0028】
【式2】
【0029】t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキ
サノエート)0.5部、3,3’−ジカルボキシエチル
2,2’−チアシアニンクロライド0.1部 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォス
フィンオキサイド1.0部を混合撹拌し、光硬化型樹脂
を調製した。また、比較例としてカンファーキノン
1.0部ベンジル1.0部テトラメチルアンモニウ
ムn−ブチルトリフェニルホウ素0.5部、キサンテン
染料であるエリスロシン0.1部紫外線硬化触媒であ
る2−ヒドロキシシクロヘキシルベンゾエート1.0部
を混合撹拌し光硬化型樹脂を調製した。さらに、紫外線
吸収性を付与するために〜に2,2−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン5部添加混合した。
【0030】
【実施例2】実施例1で得られた〜の硬化性、物性
を評価した。評価項目は以下の基準で確認した。 (1)厚膜硬化性 φ32×10ミリのポリエチレン性容器に樹脂を入れ、
光照射時間3分後の硬化膜厚を測定した。 (2)接着性 JIS−K−6830に基づき行った。被着体の材質は
厚さ2mmのガラスとポリカーボネートを使用した。 (3)硬化時間 (2)の結果に基づき、被着体との接着において最終接
着強さに到達するまでの時間(秒)を測定した。 (4)紫外線透過率 紫外線の照射に対して、光源の照度と被着体を光源との
間に挟んだ時の350nmの紫外線透過率を測定した
(紫外線出力:800W、光源距離:20cm、紫外線
透過率%=もとの照度/被着体を光源から10cmの距
離に置いたときの照度×100)。 (5)硬化後の樹脂の着色 2枚のガラス板に樹脂を1mmの厚さになるように挟み
光を照射して硬化させ、硬化後、白い紙の上におき目視
で着色しているかを確認した。 (6)硬化後の耐衝撃性 この試験片をコンクリート板の上におき1mの高さから
直径3cmの鉄製の球を試験片の真中に落下させその破
壊度合いを確認した。 ◎‥‥ガラスは割れるがガラスの飛散はない ○‥‥ガラスは割れ一部のガラスは飛散するが試験片の
形状は保つ ×‥‥ガラスは割れ試験片は粉々に破壊した 結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明は、光硬化性の
樹脂に紫外線硬化性を持たせた紫外線吸収性光硬化樹脂
であり、さらに硬化と同時に樹脂の色が消色する。従来
では紫外線吸収性の光硬化型樹脂は樹脂に色が付いてい
たために透明性の必要なものへの接着が制限されてい
た。この発明により、ガラスへの接着が可能になりさら
に樹脂自体に紫外線吸収性があるために、紫外線吸収剤
が混入された特殊ガラスを用いなくても、普通のガラス
を本発明の樹脂組成物を用いて接着することにより、紫
外線吸収性を持つ貼り合わせガラス等の接着加工品の製
造が安価で行うことが可能になる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)分子内に少なくとも一つ以上のラジカ
    ル重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物 10
    0重量部 b)紫外線吸収剤 1〜10重量部 c)可視光領域に吸収を持ち可視光を照射することによ
    り消色しながらラジカルを発生する光硬化触媒 0.1
    〜5重量部 よりなる紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物。
  2. 【請求項2】可視光領域に吸収を持ち可視光を照射する
    ことにより消色しながらラジカルを発生する触媒が、ホ
    ウ素系増感剤とポリメチン系染料の組み合わせ,鉄アレ
    ーン錯体とポリメチン系染料の組み合わせ,有機過酸化
    物とポリメチン系染料の組み合わせ,アシルフォスフィ
    ンオキシトであることを特徴とする請求項1に記載の光
    硬化触媒。
  3. 【請求項3】紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物が、ガ
    ラスを張り合わせて紫外線吸収性貼り合わせ強化ガラス
    を得るための請求項1に記載の光硬化性接着剤組成物。
JP29779394A 1994-10-25 1994-10-25 紫外線吸収性光硬化型接着剤組成物 Pending JPH08120227A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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