JP2001322182A - Frp圧力容器の成形方法 - Google Patents

Frp圧力容器の成形方法

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JP2001322182A JP2000142763A JP2000142763A JP2001322182A JP 2001322182 A JP2001322182 A JP 2001322182A JP 2000142763 A JP2000142763 A JP 2000142763A JP 2000142763 A JP2000142763 A JP 2000142763A JP 2001322182 A JP2001322182 A JP 2001322182A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の樹脂の繊維への含浸性,成形物の耐
薬品性が良好で且つ、成形サイクルを更に向上でき、成
形にかかるコストを低減できるFRP圧力容器の成形方
法を提供すること。 【解決手段】 可視光重合開始剤及び/または有機ホウ
素化合物と酸性化合物との組み合わせ、またはこの組み
合わせにさらにヘキサアリールビイミダゾール化合物を
組み合わせた重合開始剤(A)を含有する不飽和ポリエ
ステル樹脂(B−1)及び/または前記の重合開始剤
(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)を含浸
させた繊維材料(C)を、ワインディング後又はワイン
ディングと同時に可視光及び/または近赤外光領域の波
長の光で光照射を行い、硬化させることを特徴とするF
RP圧力容器の成形方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙航空機器,天
然ガス自動車,消防,医療,レジャー用などに使用され
る空気,酸素,液化プロパンガス,液化天然ガスなどの
圧力容器の成形方法に関する。更に詳しくは、硬化性樹
脂を含浸した繊維を金属製や熱可塑性樹脂製のライナー
にワインディングして光照射により短時間で硬化させる
FRP圧力容器の成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP圧力容器の成形は、一般に熱硬化
性樹脂を含浸させた繊維材を、金属製や熱可塑性樹脂製
のライナーにワインディングした後、この成形体を加熱
硬化してなされるフィラメントワインディング成形やブ
レイディング成形が行われている。使用される熱硬化性
樹脂としては、エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ビニルエステル樹脂などがあるが、エポキシ樹脂が
使われることが多い。しかしエポキシ樹脂は、粘度が高
く、繊維への含浸性が悪く、しかも硬化に長時間を要す
るため成形時間が長くかかり、成形にかかるコストが高
いという欠点がある。また、成形物の耐薬品性が不十分
であるため安全性という点でも課題が残されていた。こ
れに対しビニルエステル樹脂等を使用して成形する例も
ある。この場合、低粘度で繊維への含浸性は良好で、成
形物の耐薬品性も良好となる。しかも過酸化物触媒系を
用いたラジカル重合が行われるため、硬化時間もエポキ
シ樹脂に比べて短時間で行うことが出来る。しかし、圧
力容器では完全硬化させるための加熱硬化炉が必要で、
そのためのコストがかかる点、成形サイクルの向上にも
限界があるという問題点は解決されていなかった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした
現状に鑑み、成形時の樹脂の繊維への含浸性,成形物の
耐薬品性が良好で且つ、成形サイクルを更に向上でき、
成形にかかるコストを低減できるFRP圧力容器の成形
方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の重合開
始剤の組み合わせを用い、光硬化を行うことにより上記
目的を達成しうることを見出し、完成したものである。
すなわち、本発明は、 可視光重合開始剤及び/または下記一般式(1)
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、そ
れぞれ独立してアルキル基,アリール基,アラルキル
基,アルケニル基,アルキニル基,シリル基,複素環
基,ハロゲン原子,置換アルキル基,置換アリール基,
置換アラルキル基,置換アルケニル基,置換アルキニル
基または置換シリル基を示し、Z+ は陽イオンを示
す。〕で表される有機ホウ素化合物と酸性化合物との組
み合わせ、またはこの組み合わせにさらにヘキサアリー
ルビイミダゾール化合物を組み合わせた重合開始剤
(A)を含有する不飽和ポリエステル樹脂(B−1)及
び/または前記の重合開始剤(A)を含有するビニルエ
ステル樹脂(B−2)を含浸させた繊維材料(C)をワ
インディングした後、可視光及び/または近赤外光領域
の波長の光で光照射を行い、硬化させることを特徴とす
るするFRP圧力容器の成形方法、 前記の重合開始剤(A)を含有する不飽和ポリエス
テル樹脂(B−1)及び/または前記の重合開始剤
(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)を含浸
させた繊維材料(C)を、可視光及び/または近赤外光
領域の波長の光で光照射を行いながらワインディングし
て、硬化させることを特徴とするするFRP圧力容器の
成形方法、 前記の重合開始剤(A)を含有する不飽和ポリエス
テル樹脂(B−1)及び/または前記の重合開始剤
(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)を含浸
させた繊維材料(C)を、金属製または熱可塑性樹脂製
のライナー上にワインディングして成形する上記また
はのFRP圧力容器の成形方法を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、不飽和ポリエステル樹脂及びビニル
エステル樹脂(以下、両樹脂を併せて樹脂等と呼ぶこと
もある)のうち、少なくともその一つを使用する。本発
明に使用しうる不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコ
ールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基
酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリ
エステル)を、スチレンのような重合性モノマーに溶解
したもので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊
工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」
(色材協会編、1993年発行)などに記載されている
樹脂である。また、ビニルエステル樹脂は、エポキシア
クリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基(エポ
キシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不
飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基
との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った
化合物(ビニルエステル)を、スチレンのような重合性
モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハンド
ブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または
「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)など
に記載されている樹脂である。
【0008】不飽和ポリエステル樹脂の原料として用い
られる不飽和ポリエステルは、公知の方法により製造さ
れたものでよい。具体的にはフタル酸,イソフタル酸,
テレフタル酸,テトラヒドロフタル酸,アジピン酸,セ
バチン酸等の重合性不飽和結合を有していない飽和多塩
基酸またはその無水物とフマル酸,マレイン酸,イタコ
ン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物を酸成
分とし、これとエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオ
キサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分と
して反応させて製造されるものである。
【0009】またビニルエステル樹脂としては、公知の
方法により製造されるものであってよく、エポキシ樹脂
に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル
酸を反応させて得られる樹脂、あるいは飽和ジカルボン
酸及び/または不飽和ジカルボン酸と多価アルコールか
ら得られる末端カルボキシル基の飽和ポリエステルまた
は不飽和ポリエステルとα,β−不飽和カルボン酸エス
テル基を有するエポキシ化合物を反応させて得られる樹
脂が挙げられる。原料としてのエポキシ樹脂としては、
ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子
量同族体,ノボラック型ポリグリシジルエーテル類等が
挙げられる。
【0010】末端カルボキシルポリエステルに用いる飽
和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していない
ジカルボン酸、例えばフタル酸,イソフタル酸,テレフ
タル酸,テトラヒドロフタル酸,アジピン酸,セバチン
酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活性
不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸,
マレイン酸,無水マレイン酸,イタコン酸等が挙げられ
る。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−
プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アル
コールが挙げられる。
【0011】ビニルエステルの製造に用いるα,β−不
飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物と
しては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げ
られる。
【0012】樹脂等に用いられる不飽和ポリエステルあ
るいはビニルエステルは、不飽和度の比較的高いものが
好ましく、不飽和基当量(不飽和基1個当たりの分子
量)が100〜800程度のものを用いる。不飽和基当
量が100未満のものは合成ができない。しかし、不飽
和基当量が800を超えると高硬度の硬化物が得られな
い。
【0013】本発明において使用される不飽和ポリエス
テル樹脂あるいはビニルエステル樹脂は、通常、前記の
不飽和ポリエステルあるいはビニルエステルにスチレン
モノマーに代表される不飽和基を有するモノマーを配合
したものであり、本発明の樹脂等に配合されるスチレン
モノマーは、複合材料を製造する際に繊維強化材及びフ
ィラーとの混練性,含浸性を高め、かつ成形製品の硬
度,強度,耐薬品性,耐水性等を向上させるために重要
であり、不飽和ポリエステルあるいはビニルエステル1
00重量部に対して10〜250重量部、好ましくは2
0〜100重量部使用される。使用量が10重量部未満
では、高粘度のため成形が困難となり、250重量部を
超える量では、高硬度の製品が得られず、耐熱性が不足
し、FRP材料として好ましくない。この場合、スチレ
ンモノマー以外の不飽和基を有するモノマーとしては、
クロルスチレン,ビニルトルエン,ジビニルベンゼン等
のスチレン系モノマー、メチル(メタ)アクリレート,
エチル(メタ)アクリレート,エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等の重合性モノマーなどがあり、
これらを本発明の主旨を損なわない範囲で代替し、使用
することも可能である。
【0014】本発明に使用する不飽和ポリエステル樹脂
及び/またはビニルエステル樹脂は、可視光重合開始剤
及び/または前記の一般式(I)で表される有機ホウ素
化合物と酸性化合物との組み合わせ、またはこの組み合
わせにさらにヘキサアリールビイミダゾール化合物を組
み合わせた重合開始剤を含有するものである。
【0015】可視光領域に感光性を有する可視光重合開
始剤としては、例えば山岡等、「 表面」 、27(7)、
548(1989)、佐藤等、「第3回ポリマー材料フ
ォーラム要旨集」、IBP18(1994)に記載のカ
ンファーキノン,ベンジルトリメチルベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキサイド,メチルチオキサントン,
ジシクロペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオ
ロフェニル)等の単独の可視光重合開始剤の他、有機過
酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、イ
ミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾー
ル化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾ
ール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素
など特公昭45―37377号公報に記載のヘキサアリ
ールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開
始剤系などを挙げることができる。
【0016】また、可視光領域に感光性を有する開始剤
として、アシルホスフィンオキサイド化合物が有効であ
る。その具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,
6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾ
イル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニル
ホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾ
イル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホ
スフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイ
ル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,
6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−2,2−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフ
ィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)
−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメ
チルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
クロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,
5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾ
イル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフ
トイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェ
ニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナ
フトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス
(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフ
トイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサ
イド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メト
キシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチ
ルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジ
フェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイ
ド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフ
ィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾ
イル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジク
ロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、
2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフ
ィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル
−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロム
ベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8
−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホ
スフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−
2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィ
ン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フ
ェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロル
ベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステルなど
を挙げることができる。
【0017】具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:D
arocur1173、チバスペシャルティーケミカル
ズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)
−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイ
ド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)が75
%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1
700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、
1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン(商
品名:イルガキュアー184、チバスペシャルティーケ
ミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオ
キサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)
が75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュ
アー1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)
製)、50%/50%の割合で混合された商品名イルガ
キュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガ
キュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名LucirinT
PO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Dar
ocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフ
ェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin
TPO、BASF(株)製)を50%/50%の割合で
混合された商品名Darocur4265などがある。
可視光開始剤としては380nm〜780nmの波長域
に感光性を有する光重合開始剤であればよく、それらを
組み合わせて使用してもよい。可視光重合開始剤の使用
量は、樹脂等100重量部に対して0.01〜20重量
部、好ましくは0.05〜15重量部である。光重合開
始剤の使用量が0.01重量部未満では増粘反応や増粘
後の重合が不十分になり易く、また20重量部を越える
量では硬化物の強度が不足する。
【0018】本発明に使用される有機ホウ素化合物は、
前記の一般式(I)で表されるものである。ここで、陽
イオン「Z+ 」の例としては、可視光及び近赤外光領域
に感光性を有しない4級アンモニウム陽イオン,4級ピ
リジニウム陽イオン,キノリニウム陽イオン,ジアゾニ
ウム陽イオン,テトラゾニウム陽イオン,スルホニウム
陽イオン,オキソスルホニウム陽イオン,ナトリウム,
カリウム,リチウム,マグネシウム,カルシウム等の金
属陽イオン、フラビリウム,ピラニウム塩等の酸素原子
上に陽イオン電荷を持つ(有機)化合物、トロピニウ
ム,シクロプロピリウム等の炭素陽イオン、ヨードニウ
ム等のハロゲン陽イオン、砒素,コバルト,パラジウ
ム,クロム,チタン,スズ,アンチモン等の金属化合物
の陽イオンが挙げられる。
【0019】本発明で使用される酸性化合物としては、
例えば、一般にブレンステッド酸として知られている無
機酸、例えば塩酸,硫酸,硝酸など、あるいは有機酸で
ある酢酸,プロピオン酸,マレイン酸,アジピン酸,
(メタ)アクリル酸,安息香酸,フタル酸類などのカル
ボン酸類、p−トルエンスルホン酸,メタンスルホン
酸,トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類な
どが挙げられる。またフェノール、アルコール類などの
水酸基含有化合物、各種チオール類等のメルカプト基を
有する化合物、及びルイス酸として知られる電子対を受
け取って共有結合を作り得る物質、例えば塩化アルミニ
ウム,塩化第二スズ,三塩化ホウ素,三臭化ホウ素など
を用いることが出来る。これらの酸については、例えば
モリソン・ボイド著「有機化学」第3判3項に詳細な説
明がある。また、これ以外にも酸性イオン交換樹脂,カ
ーボンブラック,アルミナなど固体表面に酸性の活性点
を有する物質、あるいは塩化水素,亜硫酸ガスなどの酸
性気体化合物も用いることが出来る。これらの酸性化合
物の中で、(無水)マレイン酸,フマル酸,あるいはそ
れらのハーフエステル,(メタ)アクリル酸,イタコン
酸等の重合性不飽和基を有する酸性化合物あるいはそれ
らの官能基を有するオリゴマーあるいはポリマー類など
が好んで用いられる。
【0020】また、そのもの自体は酸性物質ではなく、
加熱、空気中の水分、酸素などの作用により分解あるい
は反応して酸性化合物を発生する化合物も本発明の潜在
性酸性化合物に該当する。また、光照射により分解して
酸性化合物を発生する物質も知られており、例えば光カ
チオン重合開始剤と呼ばれている化合物も本発明の光潜
在性酸性化合物に該当する。光カチオン開始剤は、ジア
ゾニウム化合物,スルホニウム化合物,ヨードニウム化
合物,金属錯体化合物など様々な化合物が知られてお
り、「機能材料」1985年10月号5頁、「UV・E
B硬化技術の応用と市場」シーエムシー社1989年発
行78項などに詳細な記述がある。これらの潜在性酸性
化合物と呼ぶべき化合物の中では、入手の容易性,経済
性,組成物中の安定性,操作性などを勘案すると光ある
いは熱によって酸を発生する化合物が望ましい。さらに
好ましくは熱酸発生であり特に加熱により分解して酸を
発生する有機スルホニウム化合物が好適である。有機ス
ルホニウム化合物は一般に3個の置換基(アルキル基,
アリール基など)を有するスルホニウム陽イオン部分と
対イオンである陰イオンとのイオン対から構成される
が、化合物の安定性,酸性化合物の発生能,発生する酸
性化合物の酸強度などの観点からスルホニウム塩の置換
基の少なくとも1個が(置換)フェニル基,(置換)ナ
フチル基などのアリール基であることが望ましい。例え
ばトリフェニルスルホニウム,ジフェニルスルホニウム
などの陽イオン部分を持つスルホニウム化合物が挙げら
れる。開始剤を配合した樹脂組成物の可使時間が十分に
必要とされる場合などは、有機ホウ素化合物と酸性化合
物が開始剤配合時に接触することは好ましくないので、
潜在性酸性化合物すなわち熱あるいは光などの刺激によ
って酸性化合物を発生する化合物を用いることが望まし
い。
【0021】また、有機ホウ素化合物と酸性化合物にヘ
キサアリールビイミダゾール化合物を組み合わせて光照
射すると、硬化がより促進され著しい効果がみられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物として具体的に
は、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、
ビス(2−o−クロロフェニル−4,5−ジフェニル)
イミダゾール、ビス(2−o,p−ジクロロフェニル−
4,5−ジフェニル)イミダゾール、ビス(2−o−ブ
ロモフェニル−4,5−ジフェニル)イミダゾール等が
挙げられる。ヘキサアリールビイミダゾール化合物に関
して、詳しくは特公昭41−3545号公報に記載があ
る。
【0022】有機ホウ素化合物/(潜在性)酸性化合物
の組み合わせ、または有機ホウ素化合物/(潜在性)酸
性化合物/ヘキサアリールビイミダゾールの組み合わせ
の開始剤の使用量は、樹脂等の種類,強化繊維の種類,
量,厚み等によって最適値が異なるが、一般には樹脂等
100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましく
は0.05〜15重量部である。開始剤組成物の使用量
が0.01重量部未満では、重合が不十分になり易く、
また20重量部を超える量では経済的に不利な上、硬化
物の物性低下などが起こる。樹脂等が酸性化合物をあら
かじめ含有する場合においては、不飽和ポリエステル樹
脂またはビニルエステル樹脂に含まれる(無水)マレイ
ン酸,フマル酸,あるいはそれらのハーフエステル,
(メタ)アクリル酸,イタコン酸,末端にそれらカルボ
ン酸のカルボキシル基を有するオリゴマーあるいはポリ
マーであってもよく、また樹脂等に任意の酸性化合物を
添加した形のものであってもよい。この場合、不飽和ポ
リエステル樹脂またはビニルエステル樹脂としての酸価
が0.1〜100mgKOH/gであるのが好ましく、
5〜50mgKOH/gであるのがより好ましい。
【0023】重合開始剤中の有機ホウ素化合物と(潜在
性)酸性化合物の組成比は、重量比で0.1/5〜5/
0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5である。有
機ホウ素化合物及び/または潜在性酸性化合物がこの比
率よりも少なすぎる場合は、十分に硬化ができず、また
有機ホウ素化合物及び/または潜在性酸性化合物がこの
比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物
の物性低下などが起こる。また、さらに速硬化にするた
め有機ホウ素化合物と酸性化合物にヘキサアリールビイ
ミダゾールを組み合わせる場合、有機ホウ素化合物/ヘ
キサアリールビイミダゾール比は、重量比で0.1/5
〜5/0.1、好ましくは0.5/5〜5/0.5であ
る。ヘキサアリールビイミダゾールがこの比率よりも少
なすぎる場合はその効果が現れず、多すぎる場合は経済
的に不利な上、可視光下での可使時間が短くなり、硬化
物の物性低下などが起こる。
【0024】本発明の方法においては、前記のような重
合開始剤(A)を含む不飽和ポリエステル樹脂及び/ま
たはビニルエステル樹脂(B)を繊維材料(C)に含浸
させる。本発明で使用される繊維材料は、無機及び/ま
たは有機繊維であり、例えばガラス繊維,炭素繊維,ア
ラミド繊維,ポリエチレンテレフタレ−ト繊維,ビニロ
ン繊維等の公知のものが使用され、その形状はロービン
グ,編み物,クロス,マット状などのものが使用され
る。むろんこれらの繊維材料を組み合わせて使用しても
よく、その使用量は樹脂等100重量部に対して5〜4
00重量部、好ましくは50〜300重量部である。
【0025】ガラス繊維等を使用した光透過性が優れる
成形体では可視光重合開始剤のみの添加で硬化できる
が、炭素繊維やアラミド繊維等を使用した光透過性の悪
い成形体では、有機ホウ素化合物/(潜在性)酸性化合
物の組み合わせか、または有機ホウ素化合物/(潜在
性)酸性化合物/ヘキサアリールビイミダゾールを組み
合わせたものを使用することが望ましい。勿論、前記の
重合開始剤を併用してもよいし、さらに公知の過酸化物
触媒等の熱重合開始剤を併用してもよい。
【0026】また、本発明に使用する樹脂に紫外線吸収
剤も配合することができる。使用しうる紫外線吸収剤と
しては、ベンゾフェノン系,サリチル酸エステル系,ベ
ンゾトリアゾール系,ベンゾエート系,シアノアクリレ
ート系などの公知のものがある。
【0027】本発明の成形方法においては、上記のよう
に樹脂を含浸させた繊維材料をワインディング後又はワ
インディングと同時に光で照射して硬化させることによ
りFRP圧力容器を成形する。すなわち、本発明の方法
では、光の照射をワインディング後に行ってもよく、光
照射を行いながらワインディングしてもよい。また、ワ
インディングは、金属製又は熱可塑性樹脂製のライナー
上にフープ巻きまたはヘリカル巻きによって行うことが
できる。本発明において、可視光とは380〜780n
mの波長領域の光線、近赤外光とは780〜1200n
mの波長領域の光線を示す。本発明の成形方法に使用さ
れる光源としては、380〜1200nmの波長領域の
光を出す光源であればよく、例えばメタルハライドラン
プ,キセノンランプ,近赤外光ランプ,ナトリウムラン
プ,ハロゲンランプ,白熱灯,陽光ランプ,太陽光等を
使用することができる。また、各種ランプを組み合わせ
て使用することもできる。
【0028】また、より早い硬化速度を得るためにはエ
ネルギー順位の高い短波長の領域の光が有効であるが、
樹脂組成物の厚さが厚い時、短波長領域の光を透過しに
くい炭素繊維、アラミド繊維等の繊維強化材や顔料など
を使用した場合は、裏面が完全硬化し難い。この場合に
は380nm以上の波長で長波長領域に分布が多い光の
照射が有効であり、そのような光を出す光源としては、
ハロゲンランプ,近赤外光ランプ,赤外ランプ等があ
る。ランプの照射時間としては、光源の有効波長,出
力,照射距離,樹脂組成物の厚さ,充填物の量などによ
り異なるため、一概に規定できないが、0.01時間以
上、好ましくは0.05時間以上とすればよい。
【0029】本発明の、FRP圧力容器の成形方法にお
いては、可視光重合開始剤,有機ホウ素化合物/(潜在
性)酸性化合物,有機ホウ素化合物/(潜在性)酸性化
合物/ヘキサアリールビイミダゾールより選ばれる一種
以上から成る重合開始剤と可視光及び/または近赤外光
を放射するランプを使用することにより、加熱装置等付
帯設備を必要とせず、短時間で硬化が可能で、大幅な成
形サイクルアップを図ることができ、成形のためのコス
トの低減が可能となる。また、使用する光も安全であ
る。
【0030】
【実施例】次に、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明するが、各例中の「部」、「%」はそれ
ぞれ重量基準を示す。
【0031】実施例1 (圧力容器の成形)ビニルエステル樹脂〔商品名、リポ
キシR−802(昭和高分子(株)製)〕100部に、
可視光領域まで感光性を有するビスアシルフォスフィン
オキサイド系重合開始剤(商品名、イルガキュア81
9:チバスペシャルティーケミカルズ(株)製、以下I
−819と略す)1.0部を添加して光硬化性樹脂組成
物を得た。次に、円筒状の胴部の両側にドーム部を有す
る繭型の高密度ポリエチレン製ライナー(胴部の長さ:
593mm、胴部の外径:380mm、ドーム部を含め
た全長:830mm、肉厚:4mm)に、上記光硬化性
樹脂組成物を含浸したTガラスロービング(日東紡(
株) 製RST−220PA)をフィラメントワインディ
ング法で、最初にヘリカル巻きを層厚で0.98mm、
次いでフープ巻きを膜厚0.6mm(繊維含有率:50
vol%)となるようにワインディングした。ワインデ
ィング終了後、380〜1200nmの波長領域を含む
光源である600Wメタルハライドランプ3個を配置し
て、照射面の380〜450nmの光強度が50mW/
cm2 になるように成形体を回転させながら光を照射し
たところ30分で硬化し、短時間で圧力容器を成形でき
た。
【0032】(内圧試験)バースト試験装置を使用し、
容器の表面に付着させた歪みゲージで容器の歪みの状態
を見ながら水を圧入し内圧を上げていったところ、内圧
8MPaにおいて、胴部のドーム部より80mm離れた
位置でバーストした。網目理論と薄肉殻理論に基づく次
式より求めた設計圧力は8MPaであり、設計値通りで
あることを確認した。 PR=σm m +σf(thel sin2 α+thoop) 〔式中、Pは圧力を示し、Rは容器の半径を示し、σm
及びσfはライナー材及び繊維に生じる応力を示し、t
m 、thel 及びthoopはそれぞれ、ライナー材、ヘリカ
ル巻き層及びフープ巻き層の肉厚を示し、αはヘリカル
巻き層での繊維配向角を示す。〕
【0033】実施例2 (圧力容器の成形)実施例1と同じ光硬化性樹脂組成
物、ライナー材、光照射装置を使用し、光照射しながら
ワインディングする以外は実施例1と同一条件で成形し
たところ、ワインディング終了後の光照射時間が5分で
硬化させることができ、短時間で圧力容器を成形でき
た。 (内圧試験)実施例1と同様の内圧試験では、内圧8M
Paにおいて、胴部のドーム部より80mm離れた位置
でバーストした。
【0034】比較例1 (圧力容器の成形)ビニルエステル樹脂〔商品名、リポ
キシR−802(昭和高分子(株)製)〕100部に、
有機過酸化物触媒であるパークミルH−80(日本油脂
( 株) 製)1.5重量部、ナフテン酸マンガン(6%)
0.1重量部を添加して熱硬化性樹脂組成物を得た。次
に実施例1と同様にワインディングを行ない、80℃の
硬化炉の中で回転させながら放置したところ、硬化する
のに3時間要した。 (内圧試験)実施例1と同様の内圧試験では、内圧8M
Paにおいて、胴部のドーム部より80mm離れた位置
でバーストし、実施例1及び2と同様の結果となった
が、成形に加熱炉を要し、しかも長時間を必要とするこ
とが確認された。
【0035】実施例3 (圧力容器の成形)不飽和ポリエステル樹脂〔商品名、
リゴラック1557(昭和高分子(株)製)〕100部
にグリシジルメタクリレート5部、トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール2部及びメチルハイドロキノン
0.03部添加し、120℃で3時間攪拌してグリシジ
ルメタクリレートと不飽和ポリエステル樹脂のカルボキ
シル基と反応させ、酸価=1とした樹脂100部に、テ
トラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブ
チルボレート(昭和電工(株)製、以下、P3Bと略
す。ホウ素化合物)0.5部と、光/熱潜在性酸発生剤
(スルホニウム化合物)CI−2624(日本曹達
(株)製)1.0部、2,2’−ビス(o−クロロフェ
ニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,
2’−ビスイミダゾール(和光純薬工業製、以下BIm
と略す)0.5部を混合して光硬化性樹脂組成物を得
た。次に、繭型のアルミニウム製ライナー(胴部の長
さ:224mm、胴部の外径:100mm、胴部両側の
ドーム部を含めた全長:380mm、肉厚:3mm)
に、上記光硬化性樹脂組成物を含浸した炭素繊維ロービ
ング(東レ( 株) 製T−700S−12K)をフィラメ
ントワインディング法で、ヘリカル巻き:0.53m
m、フープ巻き:0.44mm(繊維含有率:50vo
l%)となるようにワインディングした。ワインディン
グ終了後、380〜1200nmの波長領域を含む光源
である600Wメタルハライドランプ3個を配置して、
照射面の380〜450nmの光強度が50mW/cm
2 になるように成形体を回転させながら光を照射したと
ころ30分で硬化し、短時間で圧力容器を成形できた。 (内圧試験)実施例1と同様の内圧試験では、設計バー
スト圧力が40MPaに対し、内圧42MPaにおい
て、胴部のドーム部より25mm離れた位置でバースト
した。
【0036】比較例2 (圧力容器の成形)エポキシ樹脂〔商品名、エピコート
828(油化シェル(株)製)〕100部に、商品名メ
チルハイミック酸(日立化成( 株) 製)81部および商
品名DMP−30(2,4,6−トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール、精工化学(株) 製)1部を添加
して熱硬化性樹脂組成物を得た。次に、実施例3と同様
にワインディングを行ない100℃の硬化炉の中で回転
させながら放置したところ、硬化するのに5時間要し、
更に150℃で15時間アフターキュアを行ない圧力容
器を成形した。 (内圧試験)実施例1と同様の内圧試験では、内圧41
MPaにおいて、胴部のドーム部より25mm離れた位
置でバーストし、実施例3と同様の結果となったが、成
形に加熱炉を要し、しかも長時間を必要とすることが確
認された。
【0037】実施例4 (圧力容器の成形)実施例1の高密度ポリエチレンライ
ナーの円筒形部分を切り取り、且つ2つのドーム部を同
じ位置に円筒形部分以外の手段で固定したものを使用す
る以外は実施例1と同様の操作を行ない、ライナー無し
の圧力容器(実施例1で得られた圧力容器と同じ形状を
有するが、胴部の内側にライナー部を有しない。)を成
形した。 (内圧試験)実施例1と同様の内圧試験を行なったとこ
ろ、内圧7MPaにおいて、胴部のドーム部より80m
m離れた位置でバーストし、実施例1とほぼ同等の結果
を得た。
【0038】
【発明の効果】本発明のFRP圧力容器の成形方法によ
れば、成形時の樹脂の繊維への含浸性,成形物の耐薬品
性が良好で、かつ短時間で硬化が可能で、成形サイクル
を大幅に向上でき、成形にかかるコストを著しく低減す
ることができる。また、本発明の成形方法によれば、加
熱装置等付帯設備を必要とせず、使用する光も安全であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08J 5/04 CEZ 4J027 C08J 5/04 CEZ C08K 5/00 C08K 5/00 7/02 7/02 C08L 63/10 C08L 63/10 67/06 67/06 F17C 1/16 F17C 1/16 B29K 33:04 // B29K 33:04 35:00 35:00 105:08 105:08 B29L 22:00 B29L 22:00 B29C 67/14 A (72)発明者 川原 正信 東京都八王子市南大沢1−1 東京都立大 学内 (72)発明者 アックシュ ニハット 東京都八王子市南大沢1−1 東京都立大 学内 Fターム(参考) 3E072 CA01 4F072 AA04 AA07 AB04 AB05 AB06 AB09 AB10 AB22 AB28 AB29 AD28 AD38 AE02 AE03 AF01 AF02 AF03 AF05 AF17 AF22 AJ04 AJ16 AK03 AK11 AL01 4F205 AA20 AA41 AD04 AD16 AG07 AH55 HA02 HA10 HA23 HA33 HA37 HB01 HC16 HK05 HK10 HL03 4J002 BE022 CD201 CF062 CF221 CF271 CL062 DA019 DA038 DD018 DD078 DE148 DF028 DG038 DK008 DL009 EA036 EC008 EF048 EF068 EF098 EF118 EH076 EJ018 EU118 EV028 EV238 EW137 EY017 FA042 FA049 FD050 GG01 HA05 4J011 AA01 AA05 AC04 BB02 PA03 PA15 PA67 PA88 PA96 PB04 PB22 PC02 QA03 QA09 QA13 QA19 QB12 QB13 QB14 QB20 QB22 SA78 SA84 SA85 TA09 TA10 UA06 VA04 WA07 4J027 AB02 AB03 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AB24 AB25 AB29 AE02 AE03 AJ05 AJ08 BA02 BA05 BA07 BA18 BA20 CA05 CA06 CA07 CA12 CA13 CA14 CA19 CA24 CA26 CA28 CA38 CB03 CB10 CC04 CD02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光重合開始剤及び/または下記一般
    式(1) 【化1】 〔式中、R1 ,R2 ,R3 及びR4 は、それぞれ独立し
    てアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルケニル
    基,アルキニル基,シリル基,複素環基,ハロゲン原
    子,置換アルキル基,置換アリール基,置換アラルキル
    基,置換アルケニル基,置換アルキニル基または置換シ
    リル基を示し、Z+ は陽イオンを示す。〕で表される有
    機ホウ素化合物と酸性化合物との組み合わせ、またはこ
    の組み合わせにさらにヘキサアリールビイミダゾール化
    合物を組み合わせた重合開始剤(A)を含有する不飽和
    ポリエステル樹脂(B−1)及び/または前記の重合開
    始剤(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)を
    含浸させた繊維材料(C)をワインディングした後、可
    視光及び/または近赤外光領域の波長の光で光照射を行
    い、硬化させることを特徴とするFRP圧力容器の成形
    方法。
  2. 【請求項2】 前記の重合開始剤(A)を含有する不飽
    和ポリエステル樹脂(B−1)及び/または前記の重合
    開始剤(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)
    を含浸させた繊維材料(C)を、可視光及び/または近
    赤外光領域の波長の光で光照射を行いながらワインディ
    ングして、硬化させることを特徴とするFRP圧力容器
    の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記の重合開始剤(A)を含有する不飽
    和ポリエステル樹脂(B−1)及び/または前記の重合
    開始剤(A)を含有するビニルエステル樹脂(B−2)
    を含浸させた繊維材料(C)を、金属製または熱可塑性
    樹脂製のライナー上にワインディングして成形する請求
    項1または2に記載のFRP圧力容器の成形方法。
  4. 【請求項4】 繊維材料(C)が無機繊維または有機繊
    維であり、形状がロービングまたは編み物である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のFRP圧力容器の成形方
    法。
  5. 【請求項5】 可視光重合開始剤が、アシルホスフィン
    オキサイド系化合物である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載のFRP圧力容器の成形方法。
  6. 【請求項6】 酸性化合物が、光照射及び/または加熱
    により酸を発生する潜在性酸発生剤である請求項1〜3
    のいずれか1項に記載のFRP圧力容器の成形方法。
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