JP7458191B2 - 成形材料および成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、成形材料および成形品に関し、詳しくは、成形材料、および、成形材料の硬化物を含む成形品に関する。
従来、成形材料(とりわけ、SMC(シートモールディングコンパウンド))からなる成形品は、強度、弾性率などに優れることから、各種分野に用いられている。
このような成形材料として、不飽和ポリエステルおよび不飽和グリシジル化合物の反応生成物と不飽和単量体とを含む成形材料用樹脂組成物、および、ガラス繊維を含む成形材料(SMC)が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開昭62-74914号公報
近年、成形品には、強度のさらなる向上が要求されている。
本発明の目的は、強度に優れる成形品を得るための成形材料、および、その成形材料の硬化物を含む成形品を提供することにある。
本発明[1]は、不飽和ポリエステル樹脂組成物および炭素繊維を含み、前記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物と重合性単量体とを含む、成形材料である。
本発明[2]は、前記不飽和ポリエステルは、多塩基酸と、多価アルコールとの重合生成物であり、前記多塩基酸は、エチレン性不飽和二重結合を有する多塩基酸を含み、前記エチレン性不飽和二重結合を有する多塩基酸の配合割合は、前記多塩基酸100モル%に対して、35モル%以上55モル%以下である、上記[1]に記載の成形材料を含んでいる。
本発明[3]は、前記不飽和ポリエステルは、多塩基酸と、多価アルコールとの重合生成物であり、前記グリシジル(メタ)アクリレートの配合割合が、前記多塩基酸100モル%に対して、3モル%以上15モル%以下である、上記[1]または[2]に記載の成形材料を含んでいる。
本発明[4]は、前記重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含む、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の成形材料を含んでいる。
本発明[5]は、前記不飽和ポリエステル樹脂組成物および前記炭素繊維の総量に対して、前記炭素繊維の配合割合が、40質量%以上60質量%以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の成形材料を含んでいる。
本発明[6]は、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の成形材料の硬化物を含む、成形品を含んでいる。
本発明の成形材料は、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物と、炭素繊維とを含む。
そのため、この成形材料を用いることにより得られる成形品は、強度に優れる。
本発明の成形品は、本発明の成形材料の硬化物を含むので、強度に優れる。
本発明の成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂組成物および炭素繊維を含む。
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物(以下、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルとする。)と重合性単量体とを含む。
グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルは、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートを反応(付加反応)させることにより得られる。
不飽和ポリエステルは、多塩基酸と、多価アルコールとの重合生成物である。
多塩基酸は、必須成分としてのエチレン性不飽和二重結合を有する多塩基酸(以下、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸とする。)と、任意成分としてのエチレン性不飽和二重結合を有しない多塩基酸(以下、エチレン性不飽和結合不含多塩基酸とする。)とを含む。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ジヒドロムコン酸などのエチレン性不飽和脂肪族二塩基酸、例えば、これらの酸のハロゲン化物、例えば、これらの酸のアルキルエステルなどが挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸には、上記のエチレン性不飽和脂肪族二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水マレイン酸などが含まれる。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸としては、好ましくは、無水マレイン酸、フマル酸が挙げられる。
エチレン性不飽和結合不含多塩基酸としては、例えば、飽和脂肪族多塩基酸、飽和脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸、これらの酸のハロゲン化物、これらの酸のアルキルエステルなどが挙げられる。
飽和脂肪族多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2-ジメチルコハク酸、2,3-ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2-メチルグルタル酸、3-メチルグルタル酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジメチルコハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など飽和脂肪族二塩基酸などが挙げられる。
また、飽和脂肪族多塩基酸には、上記の飽和脂肪族二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸などが含まれる。
飽和脂環族多塩基酸としては、例えば、ヘット酸、1,2-ヘキサヒドロフタル酸、1,1-シクロブタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(cis-またはtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸もしくはその混合物)、ダイマー酸などの飽和脂環族二塩基酸が挙げられる。
飽和脂環族多塩基酸としては、上記の飽和脂環族二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水ヘット酸などが含まれる。
芳香族多塩基酸としては、例えば、フタル酸(オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸)、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族二塩基酸が挙げられる。
また、芳香族多塩基酸には、上記の芳香族二塩基酸から誘導される酸無水物、例えば、無水フタル酸などが含まれる。
エチレン性不飽和結合不含多塩基酸としては、好ましくは、芳香族多塩基酸が挙げられ、より好ましくは、芳香族二塩基酸、さらに好ましくは、フタル酸、とりわけ好ましくは、イソフタル酸が挙げられる。
多塩基酸は、単独使用または2種以上併用でき、好ましくは、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸およびエチレン性不飽和結合不含多塩基酸を併用する。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸およびエチレン性不飽和結合不含多塩基酸を併用する場合には、多塩基酸100モル%に対して、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸の配合割合は、例えば、25モル%以上、好ましくは、35モル%以上であり、また、例えば、65モル%以下、好ましくは、55モル%以下であり、また、エチレン性不飽和結合不含多塩基酸の配合割合は、例えば、35モル%以上、好ましくは、45モル%以上であり、また、例えば、75モル%以下、好ましくは、65モル%以下である。
エチレン性不飽和結合含有多塩基酸の配合割合が、上記下限以上であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述))に優れ、かつ、耐候性に優れる。
また、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸の配合割合が、上記上限以下であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述))に優れる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-または1,3-プロパンジオールもしくはその混合物)、ブチレングリコール(1,2-または1,3-または1,4-ブチレングリコールもしくはその混合物)、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,2-トリメチルペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタンなどのアルカンジオール、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのエーテルジオールなどの脂肪族ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール(1,2-または1,3-または1,4-シクロヘキサンジオールもしくはその混合物)、シクロヘキサンジメタノール(1,2-または1,3-または1,4-シクロヘキサンジメタノールもしくはその混合物)、シクロヘキサンジエタノール(1,2-または1,3-または1,4-シクロヘキサンジエタノールもしくはその混合物)、水素化ビスフェノールAなどの脂環族ジオール、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物などの芳香族ジオールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコールなどが挙げられ、好ましくは、2価アルコール、より好ましくは、脂肪族ジオール、さらに好ましくは、アルカンジオール、とりわけ好ましくは、プロピレングリコールが挙げられる。
多価アルコールは、単独使用または2種以上併用できる。
不飽和ポリエステルは、多塩基酸と、多価アルコールと重縮合(縮合重合)することにより得られる。
多塩基酸と、多価アルコールとを重縮合(縮合重合)させるには、多塩基酸に対す多価アルコールの当量比(多価アルコールのヒドロキシル基/多塩基酸のカルボキシル基)が、例えば、0.9以上、好ましくは、0.95以上、また、例えば、1.2以下、好ましくは、1.1以下になるように、配合し、常圧、窒素雰囲気下で撹拌する。
反応温度としては、例えば、150℃以上、好ましくは、190℃以上であり、また、例えば、250℃以下、好ましくは、230℃以下ある。
反応時間としては、例えば、8時間以上、また、例えば、30時間以下である。
なお、上記の反応において、必要に応じて、公知の溶剤および公知の触媒を配合することもできる。
これにより、不飽和ポリエステルが得られる。
不飽和ポリエステルの酸価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠、以下同様。)は、例えば、10mgKOH/g以上、好ましくは、15mgKOH/g以上、より好ましくは、20mgKOH/g以上、さらに好ましくは、30mgKOH/g以上であり、また、例えば、60mgKOH/g以下、好ましくは、50mgKOH/g以下、より好ましくは、40mgKOH/g以下である。
不飽和ポリエステルの重量平均分子量は、例えば、1000以上、好ましくは、1500以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、8000以下である。
なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であり、不飽和ポリエステルをGPC測定することにより求めることができる。
グリシジル(メタ)アクリレートは、グリシジルメタクリレートおよび/またはグリシジルアクリレートであって、好ましくは、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
そして、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートを反応(付加反応)させるには、多塩基酸100モル%に対して、グリシジル(メタ)アクリレートの配合割合が、例えば、1モル%以上、好ましくは、3モル%以上、より好ましくは、7モル%以上、さらに好ましくは、9モル%以上、また、例えば、20モル%以下、好ましくは、15モル%以下、より好ましくは、13モル%以下となるように、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートを配合する。
グリシジル(メタ)アクリレートの配合割合が、上記下限以上であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述))に優れる。
また、グリシジル(メタ)アクリレートの配合割合が、上記上限以下であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述))に優れる。
反応温度としては、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下ある。
反応時間としては、例えば、10分以上、また、例えば、4時間以下である。
なお、上記の反応において、必要に応じて、公知の溶剤および公知のエステル化触媒(好ましくは、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド)を配合することもできる。
これにより、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルが得られる。
グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルの酸価は、例えば、1mgKOH/g以上であり、また、例えば、10mgKOH/g以下、好ましくは、5mgKOH/g以下、より好ましくは、4mgKOH/g以下である。
グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルの水酸基価(測定方法:JIS K6901(2008年)に準拠、以下同様。)は、例えば、30mgKOH/g以上、好ましくは、40mgKOH/g以上、より好ましくは、50mgKOH/g以上であり、また、例えば、60mgKOH/g以下である。
グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルの配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、40質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下である。
また、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルの配合割合は、不飽和ポリエステル樹脂組成物に対して、例えば、35質量%以上であり、また、例えば、65質量%以下である。
重合性単量体は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルを溶解するための溶剤であり、かつ、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステル樹脂(後述)の硬化時には、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルを架橋可能な架橋性単量体(反応性希釈剤)であって、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、α-エチルスチレン、ビニルトルエン、t-ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられ、好ましくは、スチレンが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸アリルなどの(メタ)アクリル酸アリルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルなどの環構造含有(メタ)アクリル酸エステル、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、例えば、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルおよびこれらのクロライド塩、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシルなどの(メタ)アクリル酸フルオロアルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、好ましくは、環構造含有(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくは、(メタ)アクリル酸ベンジル、さらに好ましくは、メタクリル酸ベンジルが挙げられる。
重合性単量体は、単独使用または2種以上併用でき、好ましくは、スチレン系モノマーの単独使用、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルの併用、より好ましくは、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルの併用が挙げられる。
つまり、より好ましくは、重合性単量体は、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを含む。
重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含むと、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、耐候性に優れる。
重合性単量体として、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルを併用する場合には、スチレン系モノマーおよび(メタ)アクリル酸エステルの総量100質量部に対して、スチレン系モノマーの配合割合は、例えば、30質量部以上であり、また、例えば、48質量部以下であり、また、(メタ)アクリル酸エステルの配合割合は、例えば、52質量部以上であり、また、70質量部以下である。
重合性単量体の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、30質量部以上であり、また、例えば、60質量部以下である。
また、重合性単量体の配合割合は、不飽和ポリエステル樹脂組成物に対して、例えば、35質量%以上であり、また、例えば、65質量%以下である。
そして、不飽和ポリエステル樹脂組成物は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体とを、上記した割合で配合することにより得ることができる。
また、不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要により、増粘剤、重合禁止剤、離型剤、硬化剤、低収縮化剤、湿潤分散剤、充填材、着色剤、難燃剤などの添加剤を配合することができる。これら添加剤は、単独使用または2種以上併用できる。
増粘剤は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を加熱圧縮成形に適した粘度まで増粘させるために配合され、好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂組成物を炭素繊維に含浸させる前(好ましくは、直前)に配合され、例えば、酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物などが挙げられ、好ましくは、炭素繊維との界面接着を確保する観点から、ポリイソシアネート化合物、より好ましくは、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
増粘剤が、ポリイソシアネート化合物である場合には、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルの水酸基に対するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)が、例えば、0.8以上、好ましくは、0.9以上、例えば、1.1以下、好ましくは、1.0以下となるように、増粘剤を配合する。
増粘剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下、好ましくは、15質量部以下である。
増粘剤は、単独使用または2種以上併用できる。
重合禁止剤は、可使時間、硬化反応を調整するために配合され、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン化合物、例えば、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノンなどのベンゾキノン化合物、例えば、t-ブチルカテコールなどのカテコール化合物、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、4-メトキシフェノールなどのフェノール化合物、例えば、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オール、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラピペリジン-1-オキシル、4-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル-アセテート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル-2-エチルヘキサノエート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル-ステアレート、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル-4-t-ブチルベンゾエート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)コハク酸エステル、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジピン酸エステル、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)n-ブチルマロン酸エステル、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)フタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)イソフタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)テレフタレート、ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサヒドロテレフタレート、N,N’-ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アジパミド、N-ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カプロラクタム、N-ビス(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ドデシルサクシンイミド、2,4,6-トリス-[N-ブチル-N-(1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)]-s-トリアジン、1-オキシル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オンなどのN-オキシル化合物が挙げられ、好ましくは、ベンゾキノン化合物、より好ましくは、p-ベンゾキノンが挙げられる。
重合禁止剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、0.01質量部以上であり、また、例えば、0.1質量部以下である。
離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、例えば、パラフィン、液体ワックス、フッ素ポリマー、シリコン系ポリマーなどが挙げられ、好ましくは、脂肪酸金属塩、より好ましくは、ステアリン酸亜鉛が挙げられる。
離型剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下である。
離型剤は、単独使用または2種以上併用できる。
硬化剤としては、公知の重合開始剤を用いることができ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシアセテートなどのパーオキサイドが挙げられ、好ましくは、t-ブチルパーオキシベンゾエートなどが挙げられる。
硬化剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
硬化剤は、単独使用または2種以上併用できる。
低収縮化剤は、この成形材料を用いて得られる成形品(後述)を得る場合に、成形品(後述)の硬化収縮および熱収縮を抑制するために配合される。
低収縮化剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレン系熱可塑性エラストマー、架橋ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル-ポリスチレンブロックコポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエンブロック共重合エラストマー、スチレン-イソプレンブロック共重合エラストマー、スチレン-エチレン/ブチレンブロック共重合エラストマー、スチレン-エチレン/プロピレンブロック共重合エラストマーなどが挙げられ、好ましくは、スチレン-エチレン/プロピレンブロック共重合エラストマーが挙げられる。このようなスチレン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、D1101、D1102、D1155、DKX405、DKX410、DKX415、D1192、D1161、D1171、G1651、G1652、G1654、G1701、G1730(以上、クレイトンエラストマー社製)、アサプレンT411、アサプレンT432、タフプレンA、タフプレン125、タフプレン126S、タフプレン315、タフプレン912、タフテックH1141、タフテックH1041、タフテックH1043、タフテックH1052(以上、旭化成社製)、セプトン1001、1201(以上、クラレ社製)などが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるスチレン含量は、例えば、5%以上であり、また、例えば、50%以下である。
低収縮化剤は、単独使用または2種以上併用できる。
低収縮化剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下である。
湿潤分散剤は、不飽和ポリエステル樹脂組成物を加熱圧縮成形に適した粘度まで低下させるために配合され、リン酸ポリエステルなどの公知の湿潤分散剤が挙げられる。また、湿潤分散剤は、市販品を用いることができ、具体的には、BYK-W996(ビックケミー社製)などが用いられる。
湿潤分散剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、また、例えば、10質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。
湿潤分散剤は、単独使用または2種以上併用できる。
充填材としては、例えば、アルミナ、チタニアなどの酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、例えば、シリカ(例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、フュームドシリカ、乾式シリカ(アエロジル)など)、例えば、ガラスパウダー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、アルミナバルーンなどの中空フィラー、例えば、珪砂、珪藻土、マイカ、クレー、カオリン、タルクなどのケイ酸塩、例えば、ホタル石などのフッ化物、例えば、リン酸カルシウムなどのリン酸塩、例えば、スメクタイトなどの粘土鉱物などの無機充填材などが挙げられる。
充填材の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、10質量部以上であり、また、例えば、400質量部以下、好ましくは、250質量部以下、より好ましくは、100質量部以下である。
充填材は、単独使用または2種以上併用できる。
着色剤としては、特に制限されず、例えば、酸化チタン、ポリエステルトナー(酸化チタンおよび/またはカーボンブラック含有ポリエステル着色剤)などが挙げられる。
着色剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、20質量部以下である。
着色剤は、単独使用または2種以上併用できる。
難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤、例えば、リン系難燃剤、無機系難燃剤、窒素化合物系難燃剤の非ハロゲン系難燃剤などが挙げられる。
難燃剤の配合割合は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと重合性単量体との総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下、好ましくは、20質量部以下である。
難燃剤は、単独使用または2種以上併用できる。
また、不飽和ポリエステル樹脂組成物には、必要により、例えば、柄材、抗菌剤、親水剤、光触媒、紫外線吸収剤、分離防止剤、紫外線安定剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、チクソ付与剤、チクソ安定剤、重合促進剤などの添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することができる。これら添加剤は、単独使用または2種以上併用できる。
なお、上記した説明では、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと、重合性単量体と、必要により配合される添加剤とを配合し、不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製したが、まず、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルを重合性単量体に溶解させることにより、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステル樹脂を調製し、その後、得られたグリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステル樹脂と、必要により配合される添加剤とを配合することにより、不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製することもできる。
そして、成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂組成物に、炭素繊維を配合することにより得られる。
具体的には、成形材料は、炭素繊維に不飽和ポリエステル樹脂組成物を含浸させることにより、例えば、シート状の成形材料として得られる。
炭素繊維は、成形品(後述)に機械的強度を付与するための強化繊維である。
成形材料を調製する方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、SMC(シートモールディングコンパウンド)、TMC(シックモールディングコンパウンド)、BMC(バルクモールディングコンパウンド)などが挙げられ、好ましくは、SMCが挙げられる。
炭素繊維の配合割合は、不飽和ポリエステル樹脂組成物および炭素繊維の総量に対して、例えば、35質量%以上、好ましくは、40質量%以上、より好ましくは、45質量%以上であり、また、例えば、65質量%以下、好ましくは、60質量%以下、より好ましくは、55質量%以下である。
炭素繊維の配合割合が、上記下限以上であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述)および比剛性(後述))に優れる。
また、炭素繊維の配合割合が、上記上限以下であれば、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、耐候性に優れる。
これにより、不飽和ポリエステル樹脂組成物と炭素繊維とを含む成形材料が得られる。
次いで、このような成形材料を、加熱圧縮成形(後述)できるように、増粘させるため、好ましくは、例えば、20℃以上50℃以下、8時間以上120時間以下で熟成する。
これにより、成形材料が、例えば、シート状に保形される。つまり、成形材料は、シート形状を有する。
このような成形材料は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと、炭素繊維とを含む。
そのため、この成形材料を用いることにより得られる成形品(後述)は、強度(比強度(後述)および比剛性(後述))に優れる。
一方、この成形材料では、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと、強化繊維としての炭素繊維とを併用するが、例えば、炭素繊維以外の強化繊維を用いた場合であっても、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルを用いれば、成形品(後述)の強度を向上させることができる。
例えば、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルと、強化繊維としてのガラス繊維とを併用すれば、不飽和ポリエステル(グリシジル(メタ)アクリレートよって変性されていない不飽和ポリエステル)と、ガラス繊維とを併用する場合に比べて、成形品(後述)の強度(比強度(後述)および比剛性(後述))を向上させることができる。
しかし、強化繊維として、ガラス繊維を用いた場合に比べ、炭素繊維を用いた場合の方が、成形品(後述)の強度を大幅に向上させることができる。
つまり、この成形材料は、グリシジル(メタ)アクリレート変性不飽和ポリエステルとともに用いる強化繊維として、炭素繊維を選択することで、成形品(後述)の強度を大幅に向上させることができる。
そして、成形品は、上記した成形材料を、公知の方法により、加熱圧縮成形することにより得られる。
加熱圧縮成形の条件は、目的および用途に応じて、適宜設定され、具体的には、成形温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、100℃以上、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下であり、また、成形圧力は、例えば、0.1MPa以上、好ましくは、1MPa以上、より好ましくは、5MPa以上であり、また、例えば、20MPa以下、好ましくは、15MPa以下である。
これにより、成形材料が硬化するとともに、成形材料が成形される。
これにより、成形材料の硬化物を含む成形品が得られる。
このような成形品の密度は、例えば、1.2g/mL以上、好ましくは、1.3g/mL以上、より好ましくは、1.4g/mL以上であり、また、例えば、1.6g/mL以下である。
なお、密度の測定方法は、後述する実施例において詳述する。
また、成形品の曲げ弾性率(JIS K7074(1988年)に準拠)は、例えば、18GPa以上、好ましくは、20GPa以上、より好ましくは、25GPa以上、さらに好ましくは、27GPa以上であり、また、例えば、40GPa以下である。
また、成形品の曲げ強さ(JIS K7074(1988年)に準拠)は、例えば、280MPa以上、好ましくは、320MPa以上、より好ましくは、340MPa以上、さらに好ましくは、360MPa以上、とりわけ好ましくは、380MPa以上、最も好ましくは、400MPa以上であり、また、例えば、500MPa以下である。
そして、この成形品は、上記した成形材料の硬化物を含むので、強度(比強度および比剛性)に優れる。
具体的には、成形品の比強度は、例えば、200MPa/(g/cm)以上、好ましくは、215MPa/(g/cm)以上、より好ましくは、230MPa/(g/cm)以上、さらに好ましくは、240MPa/(g/cm)以上であり、また、例えば、300MPa/(g/cm)以下である。
なお、比強度の測定方法は、後述する実施例において詳述する。
また、成形品の比剛性は、例えば、18(MPa)1/3/(g/cm)以上、好ましは、19.5(MPa)1/3/(g/cm)以上、より好ましくは、20(MPa)1/3/(g/cm)以上であり、また、例えば、30(MPa)1/3/(g/cm)以下である。
なお、比剛性の算出方法は、後述する実施例において詳述する。
そして、このような成形品は、建材、ハウジング類、注型材、機械部品、電子・電気部品、車両、船舶、航空機などの各部材などに幅広く使用できる。
以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。また、以下の記載において特に言及がない限り、「部」および「%」は質量基準である。
1.グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルの調製
調製例1
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および攪拌機を備えたフラスコに、イソフタル酸5.0モル、プロピレングリコール10.5モルを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら200℃~210℃で重縮合反応させた。その後、反応生成物の酸価が10mgKOH/gになった時点で150℃まで冷却し、無水マレイン酸5.0モルを仕込み、再び210℃~220℃で酸価32.3mgKOH/gまで反応させた。反応生成物を150℃まで冷却し、空気を吹き込みながらグリシジルメタクリレート1.0モル、エステル化触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライドを、反応生成物100質量部に対して、0.15質量部添加して、酸価が3.1mgKOH/gになるまで反応させ、水酸基価51.9mgKOH/gのグリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルを得た。なお、酸価及び水酸基価の測定方法は、JIS K6901(2008年)に準拠した。
調製例2~調製例8
配合処方を、表1の記載に従って変更した以外は、調製例1と同様に処理して、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルを調製した。
調製例9
配合処方を、表1の記載に従って変更した以外は、グリシジルメタクリレート未変性の不飽和ポリエステルを調製した。
2.ビニルエステルの調製
調製例10
攪拌機、還流冷却器、ガス導入管を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)1850質量部(10.0当量)、ビスフェノールA 477質量部(4.18当量)、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.5質量部を仕込み、窒素を吹き込みながら、150℃で5時間反応させて、エポキシ当量が400のエポキシ樹脂を得た。120℃まで冷却後、重合禁止剤としてハイドロキノン2.0質量部、触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロライド2.0質量部、メタクリル酸513質量部(5.97当量)を添加し、空気を吹き込みながら110℃で8時間反応させ、酸価8.0mgKOH/g、水酸基価208mgKOH/gのビニルエステルを得た。
3.成形材料の製造
実施例1
調製例1のグリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステル65質量部、スチレン35質量部、重合禁止剤として、パラベンゾキノン0.05質量部、硬化剤として、t-ブチルパーオキシベンゾエート1.0質量部、離型剤として、ステアリン酸亜鉛5質量部を混合して、不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。
次いで、この不飽和ポリエステル樹脂組成物に、増粘剤として、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(カルボジイミド変性MDI)(イソシアネート含有量29.0質量%)8.0部を添加後、炭素繊維(商品名T700SC-12000、東レ社製)を連続的に25mm長に切断した炭素繊維チョップを繊維含有率が50質量%となるように添加して、公知のSMC含浸機で成形材料(SMC)を製造後、40℃で48時間熟成させ、成形材料が加熱圧縮成形可能な状態まで増粘させた。これにより、成形材料を得た。
実施例2~実施例8、実施例11~13、比較例1~比較例および参考例1
配合処方を、表2の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理して、成形材料を得た。
成形は、金型温度が製品面、裏面とも140℃、成形圧力10MPa、金型内保持時間420秒の条件で実施した。得られた成形品から、試験片(長さ80mm、幅10mm)を切り出し、JIS K6911(1995年)に準拠し、曲げ強さおよび曲げ弾性率を測定した。その結果を表2に示す。
(密度)
各実施例、各比較例および各参考例について、上記曲げ強さ評価および曲げ弾性率評価で得られた成形品を用いて、25℃の水を用いてアルキメデス法により密度を求めた。その結果を表2に示す。
(比強度)
各実施例、各比較例および各参考例について、曲げ強度、密度の測定結果から、下記式(1)により比強度を算出した。その結果を表2に示す。
比強度 = (曲げ強度)/(密度) (1)
(比剛性)
各実施例、各比較例および各参考例について、曲げ弾性率、密度の測定結果から、下記式(2)により比剛性を算出した。その結果を表2に示す。
比剛性 = (曲げ弾性率)1/3/(密度)(2)
(強度(機械的物性))
各実施例、各比較例および各参考例について、強度(機械的物性)を、以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。
〇:比強度が220MPa/(g/cm)以上であり、かつ、比剛性が20(MPa)1/3/(g/cm)以上であった。
△:以下の1)または2)のいずれかに該当した。
1)比強度が200MPa/(g/cm)以上220MPa/(g/cm)未満、かつ、比剛性が18(MPa)1/3/(g/cm)以上であった。
2)比強度が、220MPa/(g/cm)以上、かつ、比剛性が18(MPa)1/3/(g/cm)以上20(MPa)1/3/(g/cm)未満
×:比強度が200MPa/(g/cm)未満、または、比剛性が18(MPa)1/3/(g/cm)未満であった。
(耐候性)
各実施例、各比較例および各参考例について、上記曲げ強さ評価および曲げ弾性率評価で得られた成形品から、試験片(長さ150mm、幅70mm)を切り出した。
次いで、その試験片に、サンシャインウエザオメータで400時間曝露した後、試験片の外観を目視で観察した。
耐候性を、以下の基準で評価した。その結果を表2に示す。
◎:チョーキングを確認できず、光沢の低下も確認できなかった。
〇:チョーキングを確認できなかったが、光沢の低下が確認できた。
△:僅かなチョーキングを確認でき、光沢の低下が確認できた。
×:顕著なチョーキングを確認でき、光沢の大幅な低下が確認できた。
5.考察
グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルと、強化繊維としての炭素繊維とを併用する実施例1~実施例8、実施例11~13は、不飽和ポリエステル(グリシジルメタクリレートよって変性されていない不飽和ポリエステル)と炭素繊維とを併用する比較例1に比べて、強度(比強度および比剛性)に優れる。
詳しくは、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステル以外の処方が同じである実施例1と比較例1とを比べると、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルを用いた実施例1の比強度は、不飽和ポリエステル(グリシジルメタクリレートよって変性されていない不飽和ポリエステル)を用いた比較例1の比強度に比べて、74MPa/(g/cm)大きくなり、実施例1の比剛性は、比較例1の比剛性に比べて、0.7(MPa)1/3/(g/cm)大きくなっている。
一方、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステル以外の処方が同じであり、強化繊維として、ガラス繊維を用いた比較例2と比較例3とを比べると、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルを用いた比較例2の比強度は、不飽和ポリエステル(グリシジルメタクリレートよって変性されていない不飽和ポリエステル)を用いた比較例3の比強度に比べて、9MPa/(g/cm)大きくなり、比較例2の比剛性は、比較例3の比剛性に比べて、0.1(MPa)1/3/(g/cm)大きくなっている。
このことから、強化繊維に関わらず、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルを用いれば、強度を向上させることができることがわかるが、とりわけ、グリシジルメタクリレート変性不飽和ポリエステルとともに用いる強化繊維として、炭素繊維を選択することで、成形品の強度を大幅に向上させることができるとわかる。
具体的には、その強度は、イソシアネート増粘法によるラジカル硬化型熱硬化性炭素繊維強化プラスチックの主流であるビニルエステル樹脂を含む成形材料から得られる成形品(参考例1)と同程度であった。
また、実施例1~実施例8、実施例11~13は、参考例1と比較して、耐候性に優れる。
つまり、実施例1~実施例8、実施例11~13は、参考例1と同程度の強度を有しつつ、耐候性に優れる。
Figure 0007458191000001
Figure 0007458191000002

Claims (5)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂組成物および炭素繊維を含み、
    前記不飽和ポリエステル樹脂組成物は、不飽和ポリエステルおよびグリシジル(メタ)アクリレートの反応生成物と重合性単量体とを含み、
    前記不飽和ポリエステルは、多塩基酸と、多価アルコールとの重合生成物であり、
    前記グリシジル(メタ)アクリレートの配合割合が、前記多塩基酸100モル%に対して、3モル%以上15モル%以下であり、
    前記多塩基酸が、エチレン性不飽和結合含有多塩基酸およびエチレン性不飽和結合不含多塩基酸を含み、
    前記エチレン性不飽和結合含有多塩基酸が、無水マレイン酸からなり、
    前記エチレン性不飽和結合不含多塩基酸が、イソフタル酸からなり、
    前記エチレン性不飽和結合含有多塩基酸の配合割合は、前記多塩基酸100モル%に対して、25モル%以上65モル%以下であり、
    前記エチレン性不飽和結合不含多塩基酸の配合割合は、前記多塩基酸100モル%に対して、35モル%以上75モル%以下であり、
    前記多価アルコールが、プロピレングリコールからなり、
    前記重合性単量体が、スチレンを含み、
    前記重合性単量体の配合割合は、前記反応生成物と前記重合性単量体との総量100質量部に対して、30質量部以上60質量部以下であり、
    前記不飽和ポリエステル樹脂組成物および前記炭素繊維の総量に対して、前記炭素繊維の配合割合が、35質量%以上65質量%以下であることを特徴とする、成形材料。
  2. エチレン性不飽和結合含有多塩基酸の配合割合は、前記多塩基酸100モル%に対して、35モル%以上55モル%以下であり、
    前記エチレン性不飽和結合不含多塩基酸の配合割合は、前記多塩基酸100モル%に対して、45モル%以上65モル%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の成形材料。
  3. 前記重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の成形材料。
  4. 前記不飽和ポリエステル樹脂組成物および前記炭素繊維の総量に対して、前記炭素繊維の配合割合が、40質量%以上60質量%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の成形材料。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の成形材料の硬化物を含むことを特徴とする、成形品。
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