JPH10226716A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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Publication number
JPH10226716A
JPH10226716A JP9030966A JP3096697A JPH10226716A JP H10226716 A JPH10226716 A JP H10226716A JP 9030966 A JP9030966 A JP 9030966A JP 3096697 A JP3096697 A JP 3096697A JP H10226716 A JPH10226716 A JP H10226716A
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JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
acrylate
meth
reaction
acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP9030966A
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English (en)
Inventor
Isahide Yamazaki
勇英 山崎
Koichi Nakagawa
浩一 中川
Keiji Yurugi
啓嗣 万木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP9030966A priority Critical patent/JPH10226716A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低臭気の硬化性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 硬化性樹脂組成物は、一般式(I) 【化6】 (式中、R1はC1〜18のアルキル基、C3〜8のシクロ
アルキル基、C6〜18のアリール基または−(CHR5CH2O)
m R6基;R2、R3はそれぞれ独立してH、C1〜6のアル
キル基、C3〜8のシクロアルキル基またはC6〜18の
アリール基;R4はC1〜18のアルキル基、C3〜8のシ
クロアルキル基、C6〜18のアリール基または−(CHR7C
H2O)n R8基;上記R5、R7はそれぞれ独立してHまたはメ
チル基;R6、R8はそれぞれ独立してH、C1〜6のアル
キル基、C3〜8のシクロアルキル基またはC6〜18の
アリール基;m、nはそれぞれ独立して1〜4の正数)
で表される重合性不飽和単量体と、硬化性樹脂とを含ん
でなる。重合性不飽和単量体の飽和蒸気圧は、従来用い
られているスチレンの飽和蒸気圧と比較して極端に小さ
いか、若しくは、殆ど無視できる程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、低臭気を要
求される用途等の各種用途に好適に用いられる硬化性樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の
硬化性樹脂は、重合性不飽和単量体であるスチレン等を
用いて希釈されることにより、硬化性樹脂組成物とされ
ている。スチレン等を用いた硬化性樹脂組成物は、成形
性、或いは、得られる成形品の各種物性に優れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の硬化性樹脂組成物は、スチレン等が或る程度の飽和
蒸気圧を有しているので、その一部が成形時等の使用時
や取り扱い時に蒸発(揮発)することによって著しい臭
気が発生する。即ち、上記従来の硬化性樹脂組成物を用
いると、発生する臭気によって作業環境が劣悪になると
共に、作業現場の周囲(環境問題)にも悪影響を及ぼす
という問題点を有している。
【0004】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、従来の硬化性樹脂組成物と
比較して臭気が少ないか、若しくは、臭気が殆ど感じら
れない硬化性樹脂組成物、即ち、低臭気の硬化性樹脂組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、硬化性樹脂組成物について鋭
意検討した。その結果、或る特定の構造を有する重合性
不飽和単量体と、硬化性樹脂とを含む硬化性樹脂組成物
が、低臭気であることを見い出した。また、該硬化性樹
脂組成物を硬化してなる硬化物が、合成樹脂等の各種基
材に対する密着性に優れていることを見い出して、本発
明を完成させるに至った。
【0006】即ち、請求項1記載の発明の硬化性樹脂組
成物は、上記の課題を解決するために、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18
のアリール基または−(CHR5 CH2 O)m 6 基を
表し、R2 、R3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基
または炭素数6〜18のアリール基を表し、R4 は炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜18のアリール基または−(CHR7
CH2 O)n 8 基を表し、かつ、上記R5、R7 はそ
れぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、R6
8 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を表し、m、nはそれぞれ独立し
て1〜4の正数を表す)で表される重合性不飽和単量体
と、硬化性樹脂とを含むことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明の硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の硬化
性樹脂組成物において、上記の硬化性樹脂が、不飽和ポ
リエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、および、ポリエステル(メタ)
アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の
不飽和樹脂を含むことを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、硬化性樹脂組成物
は、或る特定の構造を有する重合性不飽和単量体と、硬
化性樹脂とを含んでいる。該重合性不飽和単量体の飽和
蒸気圧は、従来の硬化性樹脂組成物に含まれているスチ
レン等の飽和蒸気圧と比較して、極端に小さいか、若し
くは、殆ど無視できる程度である。従って、硬化性樹脂
組成物は、従来の硬化性樹脂組成物と比較して、臭気が
少ないか、若しくは、臭気が殆ど感じられない。
【0011】これにより、低臭気の硬化性樹脂組成物を
提供することができる。該硬化性樹脂組成物は、使用時
や取り扱い時に発生する臭気が少ないか、若しくは、殆
ど感じられない程度であるので、作業環境を良好な状態
に保つことができると共に、作業現場の周囲(環境問
題)も良好な状態に保つことができる。また、該硬化性
樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、合成樹脂等の各種
基材に対する密着性に優れている。
【0012】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる硬化性樹脂組成物(以下、樹脂組成物と記す)
は、或る特定の構造を有する重合性不飽和単量体と、硬
化性樹脂とを含んでなる。また、本発明にかかる樹脂組
成物は、上記の硬化性樹脂が、不飽和ポリエステル、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、および、ポリエステル(メタ)アクリレートか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の不飽和樹脂を含
んでなる。
【0013】本発明における重合性不飽和単量体は、一
般式(I)
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18
のアリール基または−(CHR5 CH2 O)m 6 基を
表し、R2 、R3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基
または炭素数6〜18のアリール基を表し、R4 は炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜18のアリール基または−(CHR7
CH2 O)n 8 基を表し、かつ、上記R5、R7 はそ
れぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、R6
8 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を表し、m、nはそれぞれ独立し
て1〜4の正数を表す)で表される、ラジカル重合性二
重結合を有するアセタール類である。該重合性不飽和単
量体は、常温で液体である。重合性不飽和単量体(以
下、重合性不飽和単量体(I)と記す)の合成方法の一
例を以下に説明する。
【0016】重合性不飽和単量体(I)は、水酸基含有
ビニル化合物とアセタール類前駆体とを、触媒として酸
を用いて、酸化防止剤および/または分子状酸素(酸素
ガス)の存在下で加熱してアセタール交換反応させるこ
とによって、容易に得ることができる。
【0017】上記の水酸基含有ビニル化合物は、下記一
般式
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18
のアリール基または−(CHR5 CH2 O)m 6 基を
表し、R2 は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数6〜18の
アリール基を表し、かつ、上記R5 は水素原子またはメ
チル基を表し、R6 は水素原子、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数6
〜18のアリール基を表し、mは1〜4の正数を表す)
で表される化合物である。
【0020】該水酸基含有ビニル化合物としては、具体
的には、例えば、メチル−α−ヒドロキシメチルアクリ
レート、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、
n−ブチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、2−
エチルヘキシル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、
メチル−α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート、
エチル−α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート、
2−エチルヘキシル−α−(1−ヒドロキシエチル)ア
クリレート等のα−ヒドロキシアルキルアクリル酸エス
テル類が挙げられ、これらα−ヒドロキシアルキルアク
リル酸エステル類が最も好ましいが、特に限定されるも
のではない。これら化合物は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。
【0021】上記のアセタール類前駆体としては、具体
的には、例えば、ジメトキシメタン、ジエトキシメタ
ン、ジ(n−プロポキシ)メタン、ジ(イソプロポキ
シ)メタン、ジ(n−ブトキシ)メタン、ジ(sec−
ブトキシ)メタン、ジ(t−ブトキシ)メタン、ジ(n
−オクトキシ)メタン、ジ(2−エチルヘクトキシ)メ
タン、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)メタン、ジエトキ
シエトキシメタン、ジメトキシエトキシメタン、ジポリ
エチレングリコキシメタン、ジポリプロピレングリコキ
シメタン、ジ(メトキシポリエチレングリコキシ)メタ
ン、ジ(エトキシポリエチレングリコキシ)メタン、ジ
(メトキシポリプロピレングリコキシ)メタン、ジ(エ
トキシポリプロピレングリコキシ)メタン、ジ(α−ナ
フトキシ)メタン、ジ(β−ナフトキシ)メタン、メト
キシエトキシメタン、メトキシ(n−プロポキシ)メタ
ン、メトキシ(イソプロポキシ)メタン、メトキシ(n
−ブトキシ)メタン、メトキシ(sec−ブトキシ)メ
タン、メトキシ(t−ブトキシ)メタン、メトキシ(n
−オクトキシ)メタン、メトキシ(2−エチルヘクトキ
シ)メタン、メトキシ(2−ヒドロキシエトキシ)メタ
ン、メトキシ(エトキシエトキシ)メタン、メトキシ
(メトキシエトキシ)メタン、メトキシポリエチレング
リコキシメタン、メトキシポリプロピレングリコキシメ
タン、メトキシ(メトキシポリエチレングリコキシ)メ
タン、メトキシ(エトキシポリエチレングリコキシ)メ
タン、メトキシ(メトキシポリプロピレングリコキシ)
メタン、メトキシ(エトキシポリプロピレングリコキ
シ)メタン、メトキシ(α−ナフトキシ)メタン、メト
キシ(β−ナフトキシ)メタン、エトキシ(n−プロポ
キシ)メタン、エトキシ(イソプロポキシ)メタン、エ
トキシ(n−ブトキシ)メタン、エトキシ(sec−ブ
トキシ)メタン、エトキシ(t−ブトキシ)メタン、エ
トキシ(n−オクトキシ)メタン、エトキシ(2−エチ
ルヘクトキシ)メタン、エトキシ(2−ヒドロキシエト
キシ)メタン、エトキシ(エトキシエトキシ)メタン、
エトキシ(メトキシエトキシ)メタン、エトキシポリエ
チレングリコキシメタン、エトキシポリプロピレングリ
コキシメタン、エトキシ(メトキシポリエチレングリコ
キシ)メタン、エトキシ(エトキシポリエチレングリコ
キシ)メタン、エトキシ(メトキシポリプロピレングリ
コキシ)メタン、エトキシ(エトキシポリプロピレング
リコキシ)メタン、エトキシ(α−ナフトキシ)メタ
ン、エトキシ(β−ナフトキシ)メタン、1,1−ジメ
トキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、1,1−ジ
(n−プロポキシ)エタン、1,1−ジ(イソプロポキ
シ)エタン、1,1−ジ(n−ブトキシ)エタン、1,
1−ジ(sec−ブトキシ)エタン、1,1−ジ(t−
ブトキシ)エタン、1,1−ジ(n−オクトキシ)エタ
ン、1,1−ジ(2−エチルヘクトキシ)エタン、1,
1−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)エタン、1,1−ジ
(エトキシエトキシ)エタン、1,1−ジ(メトキシエ
トキシ)エタン、1,1−ジポリエチレングリコキシエ
タン、1,1−ジポリプロピレングリコキシエタン、
1,1−ジ(メトキシポリエチレングリコキシ)エタ
ン、1,1−ジ(エトキシポリエチレングリコキシ)エ
タン、1,1−ジ(メトキシポリプロピレングリコキ
シ)エタン、1,1−ジ(エトキシポリプロピレングリ
コキシ)エタン、1,1−ジ(α−ナフトキシ)エタ
ン、1,1−ジ(β−ナフトキシ)エタン、1−メトキ
シ−1−エトキシエタン、1−メトキシ−1−n−プロ
ポキシエタン、1−メトキシ−1−イソプロポキシエタ
ン、1−メトキシ−1−n−ブトキシエタン、1−メト
キシ−1−sec−ブトキシエタン、1−メトキシ−1
−t−ブトキシエタン、1−メトキシ−1−n−オクト
キシエタン、1−メトキシ−1−(2−エチルヘクトキ
シ)エタン、1−メトキシ−1−(2−ヒドロキシエト
キシ)エタン、1−メトキシ−1−(エトキシエトキ
シ)エタン、1−メトキシ−1−(メトキシエトキシ)
エタン、1−メトキシ−1−ポリエチレングリコキシエ
タン、1−メトキシ−1−ポリプロピレングリコキシエ
タン、1−メトキシ−1−(メトキシポリエチレングリ
コキシ)エタン、1−メトキシ−1−(エトキシポリエ
チレングリコキシ)エタン、1−メトキシ−1−(メト
キシポリプロピレングリコキシ)エタン、1−メトキシ
−1−(エトキシポリプロピレングリコキシ)エタン、
1−メトキシ−1−(α−ナフトキシ)エタン、1−メ
トキシ−1−(β−ナフトキシ)エタン、1−エトキシ
−1−n−プロポキシエタン、1−エトキシ−1−イソ
プロポキシエタン、1−エトキシ−1−n−ブトキシエ
タン、1−エトキシ−1−sec−ブトキシエタン、1
−エトキシ−1−t−ブトキシエタン、1−エトキシ−
1−n−オクトキシエタン、1−エトキシ−1−(2−
エチルヘクトキシ)エタン、1−エトキシ−1−(2−
ヒドロキシエトキシ)エタン、1−エトキシ−1−(エ
トキシエトキシ)エタン、1−エトキシ−1−(メトキ
シエトキシ)エタン、1−エトキシ−1−ポリエチレン
グリコキシエタン、1−エトキシ−1−ポリプロピレン
グリコキシエタン、1−エトキシ−1−(メトキシポリ
エチレングリコキシ)エタン、1−エトキシ−1−(エ
トキシポリエチレングリコキシ)エタン、1−エトキシ
−1−(メトキシポリプロピレングリコキシ)エタン、
1−エトキシ−1−(エトキシポリプロピレングリコキ
シ)エタン、1−エトキシ−1−(α−ナフトキシ)エ
タン、1−エトキシ−1−(β−ナフトキシ)エタン、
1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジエトキシプロ
パン、1,1−ジ(n−プロポキシ)プロパン、1,1
−ジ(イソプロポキシ)プロパン、1,1−ジ(n−ブ
トキシ)プロパン、1,1−ジ(sec−ブトキシ)プ
ロパン、1,1−ジ(t−ブトキシ)プロパン、1,1
−ジ(n−オクトキシ)プロパン、1,1−ジ(2−エ
チルヘクトキシ)プロパン、1,1−ジ(2−ヒドロキ
シエトキシ)プロパン、1,1−ジ(エトキシエトキ
シ)プロパン、1,1−ジ(メトキシエトキシ)プロパ
ン、1,1−ジポリエチレングリコキシプロパン、1,
1−ジポリプロピレングリコキシプロパン、1,1−ジ
(メトキシポリエチレングリコキシ)プロパン、1,1
−ジ(エトキシポリエチレングリコキシ)プロパン、
1,1−ジ(メトキシポリプロピレングリコキシ)プロ
パン、1,1−ジ(エトキシポリプロピレングリコキ
シ)プロパン、1,1−ジ(α−ナフトキシ)プロパ
ン、1,1−ジ(β−ナフトキシ)プロパン、1−メト
キシ−1−エトキシプロパン、1−メトキシ−1−n−
プロポキシプロパン、1−メトキシ−1−イソプロポキ
シプロパン、1−メトキシ−1−n−ブトキシプロパ
ン、1−メトキシ−1−sec−ブトキシプロパン、1
−メトキシ−1−t−ブトキシプロパン、1−メトキシ
−1−n−オクトキシプロパン、1−メトキシ−1−
(2−エチルヘクトキシ)プロパン、1−メトキシ−1
−(2−ヒドロキシエトキシ)プロパン、1−メトキシ
−1−(エトキシエトキシ)プロパン、1−メトキシ−
1−(メトキシエトキシ)プロパン、1−メトキシ−1
−ポリエチレングリコキシプロパン、1−メトキシ−1
−ポリプロピレングリコキシプロパン、1−メトキシ−
1−(メトキシポリエチレングリコキシ)プロパン、1
−メトキシ−1−(エトキシポリエチレングリコキシ)
プロパン、1−メトキシ−1−(メトキシポリプロピレ
ングリコキシ)プロパン、1−メトキシ−1−(エトキ
シポリプロピレングリコキシ)プロパン、1−メトキシ
−1−(α−ナフトキシ)プロパン、1−メトキシ−1
−(β−ナフトキシ)プロパン、1−エトキシ−1−n
−プロポキシプロパン、1−エトキシ−1−イソプロポ
キシプロパン、1−エトキシ−1−n−ブトキシプロパ
ン、1−エトキシ−1−sec−ブトキシプロパン、1
−エトキシ−1−t−ブトキシプロパン、1−エトキシ
−1−n−オクトキシプロパン、1−エトキシ−1−
(2−エチルヘクトキシ)プロパン、1−エトキシ−1
−(2−ヒドロキシエトキシ)プロパン、1−エトキシ
−1−(エトキシエトキシ)プロパン、1−エトキシ−
1−(メトキシエトキシ)プロパン、1−エトキシ−1
−ポリエチレングリコキシプロパン、1−エトキシ−1
−ポリプロピレングリコキシプロパン、1−エトキシ−
1−(メトキシポリエチレングリコキシ)メタン、1−
エトキシ−1−(エトキシポリエチレングリコキシ)メ
タン、1−エトキシ−1−(メトキシポリプロピレング
リコキシ)メタン、1−エトキシ−1−(エトキシポリ
プロピレングリコキシ)メタン、1−エトキシ−1−
(α−ナフトキシ)プロパン、1−エトキシ−1−(β
−ナフトキシ)プロパン、1,1−ジメトキシ−1−フ
ェニルメタン、1,1−ジエトキシ−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(n−プロポキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(イソプロポキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(n−ブトキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(sec−ブトキシ)−1−フェニルメ
タン、1,1−ジ(t−ブトキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(n−オクトキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(2−エチルヘクトキシ)−1−フェニ
ルメタン、1,1−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−1
−フェニルメタン、1,1−ジ(エトキシエトキシ)−
1−フェニルメタン、1,1−ジ(メトキシエトキシ)
−1−フェニルメタン、1,1−ジポリエチレングリコ
キシ−1−フェニルメタン、1,1−ジポリプロピレン
グリコキシ−1−フェニルメタン、1,1−ジ(メトキ
シポリエチレングリコキシ)−1−フェニルメタン、
1,1−ジ(エトキシポリエチレングリコキシ)−1−
フェニルメタン、1,1−ジ(メトキシポリプロピレン
グリコキシ)−1−フェニルメタン、1,1−ジ(エト
キシポリプロピレングリコキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(α−ナフトキシ)−1−フェニルメタ
ン、1,1−ジ(β−ナフトキシ)−1−フェニルメタ
ン、1−メトキシ−1−エトキシ−1−フェニルメタ
ン、1−メトキシ−1−n−プロポキシ−1−フェニル
メタン、1−メトキシ−1−イソプロポキシ−1−フェ
ニルメタン、1−メトキシ−1−n−ブトキシ−1−フ
ェニルメタン、1−メトキシ−1−sec−ブトキシ−
1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−t−ブトキシ
−1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−n−オクト
キシ−1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−(2−
エチルヘクトキシ)−1−フェニルメタン、1−メトキ
シ−1−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−フェニルメ
タン、1−メトキシ−1−(エトキシエトキシ)−1−
フェニルメタン、1−メトキシ−1−(メトキシエトキ
シ)−1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−ポリエ
チレングリコキシ−1−フェニルメタン、1−メトキシ
−1−ポリプロピレングリコキシ−1−フェニルメタ
ン、1−メトキシ−1−(メトキシポリエチレングリコ
キシ)−1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−(エ
トキシポリエチレングリコキシ)−1−フェニルメタ
ン、1−メトキシ−1−(メトキシポリプロピレングリ
コキシ)−1−フェニルメタン、1−メトキシ−1−
(エトキシポリプロピレングリコキシ)−1−フェニル
メタン、1−メトキシ−1−(α−ナフトキシ)−1−
フェニルメタン、1−メトキシ−1−(β−ナフトキ
シ)−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−n−プ
ロポキシ−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−イ
ソプロポキシ−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1
−n−ブトキシ−1−フェニルメタン、1−エトキシ−
1−sec−ブトキシ−1−フェニルメタン、1−エト
キシ−1−t−ブトキシ−1−フェニルメタン、1−エ
トキシ−1−n−オクトキシ−1−フェニルメタン、1
−エトキシ−1−(2−エチルヘクトキシ)−1−フェ
ニルメタン、1−エトキシ−1−(2−ヒドロキシエト
キシ)−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−(エ
トキシエトキシ)−1−フェニルメタン、1−エトキシ
−1−(メトキシエトキシ)−1−フェニルメタン、1
−エトキシ−1−ポリエチレングリコキシ−1−フェニ
ルメタン、1−エトキシ−1−ポリプロピレングリコキ
シ−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−(メトキ
シポリエチレングリコキシ)−1−フェニルメタン、1
−エトキシ−1−(エトキシポリエチレングリコキシ)
−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−(メトキシ
ポリプロピレングリコキシ)−1−フェニルメタン、1
−エトキシ−1−(エトキシポリプロピレングリコキ
シ)−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1−(α−
ナフトキシ)−1−フェニルメタン、1−エトキシ−1
−(β−ナフトキシ)−1−フェニルメタン等が挙げら
れる。これら化合物は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
【0022】水酸基含有ビニル化合物とアセタール類前
駆体との割合は、両者の組み合わせ等に応じて設定すれ
ばよく、特に限定されるものではないが、例えば、水酸
基含有ビニル化合物1モルに対して、アセタール類前駆
体を0.1モル〜10モルの範囲内で用いればよい。
【0023】尚、上記のアセタール類前駆体は、分子内
に水酸基を有する水酸基含有化合物と、分子内にアルデ
ヒド基を有するアルデヒド化合物とを反応させることに
より、容易に得ることができる。両者を反応させる際の
反応方法並びに反応条件等は、特に限定されるものでは
ない。アセタール類前駆体を形成する水酸基含有化合物
の物性は、反応生成物である重合性不飽和単量体(I)
においても、或る程度保持される。従って、重合性不飽
和単量体(I)が備えるべき物性、つまり、樹脂組成物
に所望される各種物性に基づいて、水酸基含有化合物
(或いはアセタール類前駆体)の種類と使用量とを決定
することが望ましい。
【0024】アセタール交換反応の触媒として好適な酸
としては、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、
ホウ酸等の鉱酸、およびその部分中和塩;タングストリ
ン酸、モリブドリン酸、タングストケイ酸、モリブドケ
イ酸等のヘテロポリ酸、およびその部分中和塩;メタン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン
酸;ギ酸、酢酸、ラウリン酸、オレイン酸等の有機カル
ボン酸等のプロトン酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩
化アルミニウム、二塩化錫、四塩化錫等のルイス酸;等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0025】上記の水酸基含有ビニル化合物とアセター
ル類前駆体とを触媒の存在下で加熱してアセタール交換
反応させることにより、重合性不飽和単量体(I)が得
られる。両者を反応させる際の反応方法並びに反応条件
等は、特に限定されるものではない。
【0026】そして、出発物質(原料)である水酸基含
有ビニル化合物、並びに、反応生成物である重合性不飽
和単量体(I)は、分子内にラジカル重合性二重結合を
有しているので、重合し易い性質を備えている。従っ
て、アセタール交換反応を行う際には、反応系に酸化防
止剤および/または分子状酸素を共存させることによっ
て、水酸基含有ビニル化合物並びに重合性不飽和単量体
(I)の(共)重合を防止することが望ましい。
【0027】上記の酸化防止剤としては、具体的には、
例えば、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、p
−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルハイドロキノ
ン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−
ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフ
ェノール、2−t−ブチルメトキシハイドロキノン、2
−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ジステアリル
−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。これら化合物は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。水酸基含有ビニル化合物に対する酸化防止剤の添加
量は、特に限定されるものではないが、例えば、0.0
05重量%〜5重量%の範囲内とすればよい。
【0028】分子状酸素としては、具体的には、例え
ば、空気;窒素等の不活性ガスと、空気または酸素との
混合ガス;等を用いることができるが、特に限定される
ものではない。分子状酸素を用いる場合には、反応系に
分子状酸素を吹き込む(いわゆる、バブリング)ように
すればよい。そして、上記の重合を充分に防止するため
には、酸化防止剤と分子状酸素とを併用すればよい。
【0029】上記の合成方法により、例えばエチル−α
−エトキシメトキシメチルアクリレート等の、重合性不
飽和単量体(I)が得られる。重合性不飽和単量体
(I)は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以
上を併用してもよい。尚、重合性不飽和単量体(I)
は、必要に応じて、精製等を行えばよい。精製方法は、
特に限定されるものではない。
【0030】上記重合性不飽和単量体(I)の飽和蒸気
圧は、例えば従来の樹脂組成物に含まれているスチレン
等の飽和蒸気圧と比較して、極端に小さいか、若しく
は、殆ど無視できる程度である。従って、重合性不飽和
単量体(I)は、スチレン等と比較して、臭気が少ない
か、若しくは、臭気が殆ど感じられない。尚、重合性不
飽和単量体(I)の合成方法は、特に限定されるもので
はない。
【0031】本発明における硬化性樹脂は、特に限定さ
れるものではないが、分子内に少なくとも1つの重合性
二重結合を有していることがより好ましく、不飽和ポリ
エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート、および、ポリエステル(メタ)
アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の
不飽和樹脂を含むことがさらに好ましい。
【0032】上記の不飽和ポリエステルは、α,β−不
飽和二塩基酸および/またはその無水物を含む二塩基酸
と、多価アルコールとを縮合反応させることによって、
容易に得ることができる。
【0033】上記の二塩基酸としては、具体的には、例
えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸等の、α,β−不
飽和二塩基酸並びにその無水物;フタル酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二
酸、ダイマー酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレン
ジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水
物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の、飽和二塩
基酸並びにその無水物;等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0034】二塩基酸は、α,β−不飽和二塩基酸およ
び/またはその無水物を含んでいればよい。α,β−不
飽和二塩基酸並びにその無水物(以下、α,β−不飽和
二塩基酸類と記す)は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。飽和二塩基酸並びに
その無水物(以下、飽和二塩基酸類と記す)は、必要に
応じて、α,β−不飽和二塩基酸類と併用される。飽和
二塩基酸類を併用する場合において、該飽和二塩基酸類
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を用
いてもよい。また、飽和二塩基酸類を併用する場合にお
いて、二塩基酸におけるα,β−不飽和二塩基酸類の割
合は、0を越えて100モル%未満、好ましくは15モ
ル%〜100モル%未満である。
【0035】上記の多価アルコールとしては、具体的に
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサン
ジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ト
リメチロールプロパン、水素化ビスフェノールA、ビス
フェノールAのアルキレンオキシド(例えばエチレンオ
キシド、プロピレンオキシド等)付加物等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら化合物は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。二塩基酸に対する多価アルコールの割合は、特
に限定されるものではない。
【0036】上記の二塩基酸と多価アルコールとを縮合
反応させることにより、不飽和ポリエステルが生成す
る。両者を縮合反応させる際の反応方法並びに反応条件
等は、特に限定されるものではないが、反応温度並びに
反応時間は、縮合反応が完結するように設定することが
好ましい。また、該反応においては、必要に応じて、縮
合反応を促進させる触媒、或いは、消泡剤等の添加剤を
反応系に共存させることができる。触媒や添加剤の使用
量は、特に限定されるものではない。尚、二塩基酸、多
価アルコール、および、触媒等の混合順序は、特に限定
されるものではない。また、縮合反応は、窒素やヘリウ
ム等の不活性ガスの雰囲気下で行うことがより好まし
い。
【0037】上記の方法により、不飽和ポリエステルが
得られる。不飽和ポリエステルは、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記不飽
和ポリエステルの数平均分子量(Mn)は、500〜
6,000の範囲内が好ましい。数平均分子量が6,0
00よりも大きい不飽和ポリエステルは、粘度が高くな
るので、該不飽和ポリエステルや、これを含む樹脂組成
物の取り扱い性が低下する。
【0038】本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレ
ートは、分子内にエポキシ基を2つ以上有する多官能エ
ポキシ化合物と、不飽和一塩基酸と、必要に応じて多塩
基酸とをエステル化触媒の存在下でエステル化反応させ
ることによって、容易に得ることができる。
【0039】上記の多官能エポキシ化合物としては、例
えば、ビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフ
ェノール型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合
物、水素化ノボラック型エポキシ化合物、および、上記
ビスフェノール型エポキシ化合物やノボラック型エポキ
シ化合物が有する水素原子の一部を、臭素原子や塩素原
子等のハロゲン原子で置換してなるハロゲン化エポキシ
化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら化合物は、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
【0040】ビスフェノール型エポキシ化合物として
は、具体的には、例えば、エピクロルヒドリンまたはメ
チルエピクロルヒドリンと、ビスフェノールAまたはビ
スフェノールFとの反応によって得られるグリシジルエ
ーテル型のエポキシ化合物;エピクロルヒドリンまたは
メチルエピクロルヒドリンと、ビスフェノールAのアル
キレンオキシド付加物との反応によって得られるエポキ
シ化合物;等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0041】水素化ビスフェノール型エポキシ化合物と
しては、具体的には、例えば、エピクロルヒドリンまた
はメチルエピクロルヒドリンと、水素化ビスフェノール
Aまたは水素化ビスフェノールFとの反応によって得ら
れるグリシジルエーテル型のエポキシ化合物;エピクロ
ルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンと、水素化
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物との反応
によって得られるエポキシ化合物;等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。
【0042】ノボラック型エポキシ化合物としては、具
体的には、例えば、エピクロルヒドリンまたはメチルエ
ピクロルヒドリンと、フェノールノボラックまたはクレ
ゾールノボラックとの反応によって得られるエポキシ化
合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0043】水素化ノボラック型エポキシ化合物として
は、具体的には、例えば、エピクロルヒドリンまたはメ
チルエピクロルヒドリンと、水素化フェノールノボラッ
クまたは水素化クレゾールノボラックとの反応によって
得られるエポキシ化合物等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0044】多官能エポキシ化合物の平均エポキシ当量
は、特に限定されるものではないが、150〜900の
範囲内がより好ましく、150〜500の範囲内が特に
好ましい。平均エポキシ当量が900を越える多官能エ
ポキシ化合物を用いたエポキシ(メタ)アクリレート
は、粘度が高くなる。従って、該エポキシ(メタ)アク
リレートや、これを含む樹脂組成物の取り扱い性が低下
する。
【0045】上記の不飽和一塩基酸は、分子内に、少な
くとも1つのラジカル重合性二重結合を有する一塩基酸
である。不飽和一塩基酸としては、具体的には、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、
ソルビン酸、および、不飽和二塩基酸のハーフエステル
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。ま
た、該ハーフエステルとしては、具体的には、例えば、
マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノプロピル、マレ
イン酸モノブチル等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら化合物は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の化
合物のうち、アクリル酸、メタクリル酸が、入手が容易
であるので、より好ましい。
【0046】上記の多塩基酸は、分子内にカルボキシル
基を2つ以上有する化合物であればよい。多塩基酸とし
ては、具体的には、例えば、前記例示の二塩基酸、無水
トリメリト酸等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら化合物は、必要に応じて用いればよい。
【0047】多官能エポキシ化合物と、不飽和一塩基酸
および多塩基酸との割合は、特に限定されるものではな
いが、多官能エポキシ化合物が有するエポキシ基と、不
飽和一塩基酸および多塩基酸が有する合計のカルボキシ
ル基との比率が、1:1.2〜1.2:1の範囲内とな
るように、両者の割合を設定すればよい。
【0048】エステル化触媒としては、具体的には、例
えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、N,N−ジメチルアニリン等の三級アミン類;ト
リメチルベンジルアンモニウムクロライド、ピリジニウ
ムクロライド等の四級アンモニウム塩;トリフェニルホ
スフィン、テトラフェニルホスフォニウムクロライド、
テトラフェニルホスフォニウムブロマイド、テトラフェ
ニルホスフォニウムヨーダイド等のホスフォニウム化合
物;p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;オクテ
ン酸亜鉛等の有機金属塩;等が挙げられるが、特に限定
されるものではなく、一般的なエステル化触媒を用いる
ことができる。これら化合物は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。エステル化
触媒の使用量は、特に限定されるものではない。
【0049】上記の多官能エポキシ化合物と、不飽和一
塩基酸と、必要に応じて多塩基酸とをエステル化触媒の
存在下でエステル化反応させることにより、エポキシ
(メタ)アクリレートが生成する。エステル化反応させ
る際の反応方法並びに反応条件等は、特に限定されるも
のではない。また、エステル化反応においては、多官能
エポキシ化合物や不飽和一塩基酸等の重合によるゲル化
を防止するために、重合禁止剤や前記の分子状酸素を反
応系に添加することがより好ましい。尚、多官能エポキ
シ化合物、不飽和一塩基酸、多塩基酸、および、エステ
ル化触媒の混合順序は、特に限定されるものではない。
【0050】上記の重合禁止剤としては、具体的には、
例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−
t−ブチルカテコール、2−t−ブチルハイドロキノ
ン、トルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキ
ノン、メトキシハイドロキノン、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、フェノチアジン、ナフテン酸銅等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。これら化合物
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。そして、上記のゲル化を充分に防止する
ためには、重合禁止剤と分子状酸素とを併用することが
特に好ましい。
【0051】上記の方法により、エポキシ(メタ)アク
リレートが得られる。エポキシ(メタ)アクリレート
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記エポキシ(メタ)アクリレートの数
平均分子量は、900〜5,000の範囲内が好まし
く、1,300〜2,500の範囲内がより好ましい。
数平均分子量が900よりも小さいエポキシ(メタ)ア
クリレートを含む樹脂組成物は、硬化時における表面の
乾燥性が低下する。また、該樹脂組成物を硬化させてな
る硬化物の機械的強度等の各種物性が低下する。一方、
数平均分子量が5,000よりも大きいエポキシ(メ
タ)アクリレートは、粘度が高くなるので、該エポキシ
(メタ)アクリレートや、これを含む樹脂組成物の取り
扱い性が低下する。また、該樹脂組成物の硬化性が不良
となる。
【0052】本発明におけるウレタン(メタ)アクリレ
ートは、例えば、ポリイソシアネート化合物と、水酸基
含有(メタ)アクリレート化合物とをウレタン化反応さ
せることによって、;または、ポリイソシアネート化合
物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリ
レート化合物とをウレタン化反応させることによっ
て、;さらには、ポリオール化合物と、不飽和イソシア
ネート化合物とをウレタン化反応させることによって、
容易に得ることができる。
【0053】上記のポリイソシアネート化合物として
は、具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネートおよびその水素化物、2,4−トリレンジイソシ
アネートの異性体およびそれらの水素化物、ジフェニル
メタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートの3量体、イソホロンジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、水素化キシ
レンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジ
イソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト;或いは、ミリオネートMR、コロネートL(商品
名,何れも日本ポリウレタン工業株式会社製);バーノ
ックD−750、クリスボンNX(商品名,何れも大日
本インキ化学工業株式会社製);デスモジュールL(商
品名,住友バイエル株式会社製);タケネートD102
(商品名,武田薬品工業株式会社製);等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら化合物は、一
種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。上記例示の化合物のうち、ジイソシアネート化
合物がより好ましい。
【0054】上記の水酸基含有(メタ)アクリレート化
合物は、分子内に少なくとも1つの水酸基を有する(メ
タ)アクリレート化合物であればよい。該水酸基含有
(メタ)アクリレート化合物としては、具体的には、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら化合物は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。
【0055】上記のポリオール化合物としては、具体的
には、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシド、
プロピレンオキシド等)付加物等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。これら化合物は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
また、上記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、
300〜5,000の範囲内が好ましく、500〜3,
000の範囲内がより好ましい。ポリエーテルポリオー
ルとしては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリオキシメチレングリコー
ル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。ま
た、上記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、
1,000〜3,000の範囲内が好ましい。
【0056】上記の不飽和イソシアネート化合物は、分
子内に少なくとも1つの(イソシアネート基以外の)重
合性不飽和結合を有するイソシアネート化合物であれば
よい。該不飽和イソシアネート化合物としては、具体的
には、例えば、メタクリロイルオキシメチルイソシアネ
ート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト;或いは、前記ポリイソシアネート化合物と水酸基含
有(メタ)アクリレート化合物とをモル比1:1でウレ
タン化反応させてなる、(メタ)アクリロイル基および
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物;等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。これら化
合物は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上
を併用してもよい。
【0057】上記のポリイソシアネート化合物と、水酸
基含有(メタ)アクリレート化合物とをウレタン化反応
させることにより、;または、ポリイソシアネート化合
物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリ
レート化合物とをウレタン化反応させることにより、;
さらには、ポリオール化合物と、不飽和イソシアネート
化合物とをウレタン化反応させることにより、ウレタン
(メタ)アクリレートが生成する。ウレタン化反応させ
る際の反応方法並びに反応条件等は、特に限定されるも
のではないが、反応温度並びに反応時間は、ウレタン化
反応が完結するように設定することが好ましい。そし
て、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール
化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを
ウレタン化反応させる場合には、先ず、ポリイソシアネ
ート化合物が有するイソシアネート基と、ポリオール化
合物が有する水酸基との比(イソシアネート基/水酸
基)が3.0〜2.0の範囲内となるようにして両者を
ウレタン化反応させて、イソシアネート基を末端に有す
るプレポリマーを生成し、次いで、該プレポリマーが有
するイソシアネート基と、水酸基含有(メタ)アクリレ
ート化合物が有する水酸基とがほぼ当量となるようにし
て両者をウレタン化反応させればよい。
【0058】また、該ウレタン化反応においては、反応
を促進させるために、ウレタン化触媒を用いることがよ
り好ましい。該ウレタン化触媒としては、具体的には、
例えば、トリエチルアミン等の三級アミン類、ジ−n−
ブチルスズジラウレート等の金属塩等が挙げられるが、
特に限定されるものではなく、一般的なウレタン化触媒
を用いることができる。ウレタン化触媒の使用量は、特
に限定されるものではない。さらに、ウレタン化反応に
おいては、重合によるゲル化を防止するために、前記の
重合禁止剤や分子状酸素を反応系に添加することがより
好ましい。
【0059】上記の方法により、ウレタン(メタ)アク
リレートが得られる。ウレタン(メタ)アクリレート
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。上記ウレタン(メタ)アクリレートの数
平均分子量は、800〜8,000の範囲内が好まし
く、1,000〜5,000の範囲内がより好ましい。
数平均分子量が800よりも小さいウレタン(メタ)ア
クリレートを含む樹脂組成物は、硬化時における表面の
乾燥性が低下する。また、該樹脂組成物を硬化させてな
る硬化物の機械的強度等の各種物性が低下する。一方、
数平均分子量が8,000よりも大きいウレタン(メ
タ)アクリレートは、粘度が著しく高くなるので、該ウ
レタン(メタ)アクリレートや、これを含む樹脂組成物
の取り扱い性が低下する。また、該樹脂組成物の硬化性
が不良となる。
【0060】本発明におけるポリエステル(メタ)アク
リレートは、飽和ポリエステルまたは前記の不飽和ポリ
エステルと、(メタ)アクリロイル基含有化合物とをエ
ステル化反応させることによって、容易に得ることがで
きる。上記飽和ポリエステルや不飽和ポリエステルの数
平均分子量は、500〜3,000の範囲内が好まし
い。数平均分子量が3,000よりも大きい飽和ポリエ
ステルや不飽和ポリエステルを用いたポリエステル(メ
タ)アクリレートは、粘度が著しく高くなる。従って、
該ポリエステル(メタ)アクリレートや、これを含む樹
脂組成物の取り扱い性が低下する。尚、該飽和ポリエス
テルは、前記の飽和二塩基酸類と多価アルコールとを縮
合反応させることによって、容易に得ることができる。
飽和ポリエステルを得る際の反応方法並びに反応条件等
は、不飽和ポリエステルを得る際の反応方法並びに反応
条件等と同様である。
【0061】上記の(メタ)アクリロイル基含有化合物
は、飽和ポリエステルまたは不飽和ポリエステルが有す
る、末端水酸基または末端カルボキシル基とエステル化
反応する化合物である。即ち、(メタ)アクリロイル基
含有化合物とは、該末端水酸基と反応する前記の不飽和
一塩基酸、並びに、該末端カルボキシル基と反応する不
飽和グリシジルエステル化合物を示す。不飽和グリシジ
ルエステル化合物としては、具体的には、例えば、グリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れら化合物は、一種類のみを用いてもよく、また、二種
類以上を併用してもよい。飽和ポリエステルまたは不飽
和ポリエステルに対する(メタ)アクリロイル基含有化
合物の割合は、特に限定されるものではない。
【0062】上記の飽和ポリエステルまたは不飽和ポリ
エステルと、(メタ)アクリロイル基含有化合物とをエ
ステル化反応させることにより、ポリエステル(メタ)
アクリレートが生成する。エステル化反応させる際の反
応方法並びに反応条件等は、特に限定されるものではな
いが、反応温度並びに反応時間は、エステル化反応が完
結するように設定することが好ましい。また、該反応に
おいては、反応を促進させるために、前記のエステル化
触媒を用いることがより好ましい。エステル化触媒の使
用量は、特に限定されるものではない。さらに、エステ
ル化反応においては、重合によるゲル化を防止するため
に、前記の重合禁止剤や分子状酸素を反応系に添加する
ことがより好ましい。
【0063】また、エステル化反応させる際には、必要
に応じて、溶媒を用いてもよい。該溶媒としては、具体
的には、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げ
られるが、上記反応を阻害するものでなければ、特に限
定されるものではない。溶媒の使用量や、反応後の溶媒
の除去方法は、特に限定されるものではない。尚、上記
エステル化反応においては、水やアルコールが副生す
る。それゆえ、反応を促進させるためには、副生物であ
る水やアルコールを反応系から除去することがより好ま
しい。除去方法は、特に限定されるものではない。
【0064】上記の方法により、ポリエステル(メタ)
アクリレートが得られる。ポリエステル(メタ)アクリ
レートは、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以
上を併用してもよい。
【0065】本発明において樹脂組成物に含まれる硬化
性樹脂は、上記不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)
アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、およ
び、ポリエステル(メタ)アクリレートからなる群より
選ばれる少なくとも一種の不飽和樹脂であることがさら
に好ましい。そして、本発明にかかる樹脂組成物は、前
記の重合性不飽和単量体(I)と、上記の硬化性樹脂と
を含んでなることがより好ましい。重合性不飽和単量体
(I)と硬化性樹脂との重量比(重合性不飽和単量体:
硬化性樹脂)は、2:8〜8:2の範囲内が好ましく、
3:7〜7:3の範囲内がより好ましい。重合性不飽和
単量体(I)の割合が上記の範囲よりも少ない場合に
は、樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が低下す
る。一方、重合性不飽和単量体(I)の割合が上記の範
囲よりも多い場合には、樹脂組成物の硬化性が不良とな
る。また、樹脂組成物は、保存安定性を向上させるため
に、或いは、硬化速度等の硬化性を調整するために、前
記の重合禁止剤を含んでいてもよい。
【0066】さらに、樹脂組成物は、「低臭気の樹脂組
成物を提供する」という本発明の目的が損なわれない範
囲内で、重合性不飽和単量体(I)以外の重合性不飽和
単量体を含んでいてもよい。該単量体としては、具体的
には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、ジビニルベンゼン、パラメチルスチレン、t
−ブチルスチレン、ジアリルフタレート等の芳香族ビニ
ル化合物;メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロ
ペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキ
シジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル;等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0067】また、樹脂組成物は、必要に応じて、即
ち、樹脂組成物を硬化してなる硬化物に要求される各種
物性等に応じて、補強材、副資材(添加剤)等をさらに
含んでいてもよい。上記の補強材としては、例えば、ガ
ラス繊維;ポリアラミドやポリエステル等の有機繊維;
炭素繊維;等の繊維が挙げられ、これら繊維は、チョッ
プドストランドや不織布、織布の形態で用いることがで
きる。上記の副資材としては、具体的には、例えば、無
機充填剤、有機充填剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可
塑剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤、滑
剤、増粘剤、低収縮化剤、骨剤、顔料や染料等の着色剤
等が挙げられる。また、無機充填剤としては、具体的に
は、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ク
レー、タルク等が挙げられる。尚、補強材、副資材等の
添加量や添加方法は、特に限定されるものではない。
【0068】上記構成の樹脂組成物は、加熱することに
より、および/または、紫外線や電子線、放射線等の活
性エネルギ線を照射することにより、ラジカル重合が開
始されるので、容易に硬化させることができる。そし
て、樹脂組成物には、使用時に、即ち、硬化を行わせる
際に、加熱硬化型または光硬化型の硬化剤を添加・混合
することがより好ましい。
【0069】上記加熱硬化型の硬化剤としては、具体的
には、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシネオジケネート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド等
の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビスジエチルバレロニトリル等のア
ゾ化合物;等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0070】上記光硬化型の硬化剤(光増感剤)として
は、具体的には、例えば、ベンゾインエチルエーテル、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテル等のベンゾインエーテル類;ジメトキシフェ
ニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン等のベンジルケタール類;ジエトキシアセ
トフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、ベ
ンジル、2−クロロチオキサントン等のケトン類;アン
トラキノン、メチルフェニルグリオキシレート;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。
【0071】これら硬化剤は、一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を併用してもよい。硬化剤の添加
量や添加方法は、特に限定されるものではなく、樹脂組
成物の組成等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、
樹脂組成物100重量部に対して、硬化剤を0.5重量
部〜5重量部の範囲内で添加すればよい。
【0072】さらに、加熱硬化型の硬化剤を用いる場合
には、硬化(ラジカル重合)をより一層促進させる硬化
促進剤を必要に応じて併用することができる。上記の硬
化促進剤としては、例えば、オクテン酸コバルト等の有
機金属塩、有機アミン類、β−ジケトン類等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら硬化促進剤
は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併
用してもよい。尚、硬化促進剤の添加量や添加方法は、
特に限定されるものではなく、樹脂組成物の組成、硬化
剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
【0073】本発明にかかる樹脂組成物は、以上のよう
に、重合性不飽和単量体(I)と、硬化性樹脂とを含ん
でなる構成である。上記重合性不飽和単量体(I)の飽
和蒸気圧は、従来の樹脂組成物に含まれているスチレン
等の飽和蒸気圧と比較して、極端に小さいか、若しく
は、殆ど無視できる程度である。従って、樹脂組成物
は、従来の樹脂組成物と比較して、臭気が少ないか、若
しくは、臭気が殆ど感じられない。
【0074】これにより、低臭気の樹脂組成物を提供す
ることができる。該樹脂組成物は、使用時や取り扱い時
に発生する臭気が少ないか、若しくは、殆ど感じられな
い程度であるので、作業環境を良好な状態に保つことが
できると共に、作業現場の周囲(環境問題)も良好な状
態に保つことができる。本発明にかかる樹脂組成物は、
例えば積層板や注型材料、塗料等、従来の樹脂組成物が
用いられている各種用途に用いることができるが、特
に、低臭気を要求される用途等に好適である。
【0075】本発明にかかる樹脂組成物を硬化してなる
硬化物が備えている各種物性は、従来の樹脂組成物を硬
化してなる硬化物が備えている各種物性と比較して、同
等以上である。さらに、本発明にかかる樹脂組成物を硬
化してなる硬化物は、一般的な合成樹脂、金属、木、ガ
ラス等の各種基材に対する密着性に優れている。つま
り、合成樹脂等の基材に樹脂組成物を例えば塗布等した
後、該樹脂組成物を硬化させることにより、合成樹脂等
の基材との密着性に優れた硬化物を得ることができる。
尚、樹脂組成物の硬化方法は、特に限定されるものでは
ない。
【0076】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。実施例にて用いた重合性不飽
和単量体(I)としてのエチル−α−エトキシメトキシ
メチルアクリレートは、以下の方法によって製造した。
尚、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」
を示す。
【0077】〔エチル−α−エトキシメトキシメチルア
クリレートの製造方法〕温度計および攪拌機を備えた5
00mlの反応器に、エチル−α−ヒドロキシメチルア
クリレート(水酸基含有ビニル化合物)130.1g、
ジエトキシメタン(アセタール類前駆体)156.2
g、メトキシハイドロキノン(酸化防止剤)0.026
g、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート
(酸化防止剤)0.026g、および、p−トルエンス
ルホン酸一水和物(触媒)1.9gを仕込んだ。次に、
上記の混合物を攪拌しながら加熱し、該混合物の温度を
徐々に上昇させて60℃とした。その後、混合物である
反応液を60℃で3時間、攪拌することにより、アセタ
ール交換反応を完了させた。
【0078】反応終了後、反応液を2N−水酸化ナトリ
ウム溶液で中和した後、分液ロートを用いて有機相と水
相とに分液した。次いで、上記有機相の分別蒸留を行う
ことにより、67℃〜70℃/5mmHgの留分である
無色透明の液体175.4gを反応生成物として得た。
【0079】この反応生成物について、 1H−NMR、
13C−NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、物質の同定を行った。その結果、該反
応生成物がエチル−α−エトキシメトキシメチルアクリ
レート(重合性不飽和単量体(I))であることを確認
した。反応生成物の 1H−NMRのチャートを図1に、
13C−NMRのチャートを図2に、赤外吸収スペクトル
を図3に示す。尚、ガスクロマトグラフィー(GC)を
用いて、エチル−α−エトキシメトキシメチルアクリレ
ートの定量を行った結果、エチル−α−ヒドロキシメチ
ルアクリレートに対するエチル−α−エトキシメトキシ
メチルアクリレートの収率は93モル%、選択率は96
モル%であった。
【0080】〔実施例1〕硬化性樹脂としての不飽和ポ
リエステルを合成した。即ち、温度計、窒素導入管、還
流冷却器、および攪拌機を備えた四ツ口フラスコを反応
器とした。この反応器に、二塩基酸(飽和二塩基酸類)
としてのイソフタル酸415部と、多価アルコールとし
てのプロピレングリコール600部とを仕込んだ。次
に、上記の混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら、21
5℃に昇温させた後、同温度で6時間、縮合反応させ
た。そして、ソリッド酸価が10mgKOH/gとなっ
た時点で、反応物を100℃に冷却した。得られた反応
物に、二塩基酸(α,β−不飽和二塩基酸類)としての
無水マレイン酸245部を添加・混合した。
【0081】そして、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌
しながら、215℃に昇温させた後、同温度で10時
間、縮合反応させた。これにより、ソリッド酸価が25
mgKOH/gの不飽和ポリエステルを反応物として得
た。
【0082】この不飽和ポリエステルに、重合性不飽和
単量体(I)としてのエチル−α−エトキシメトキシメ
チルアクリレート1,026部と、重合禁止剤としての
ハイドロキノン0.20部とを混合することにより、本
発明にかかる樹脂組成物を得た。該樹脂組成物は、酸価
が12.5mgKOH/g、不揮発分が50.0重量
%、粘度が11.0ポイズであった。
【0083】得られた樹脂組成物の臭気の有無を判定す
ると共に、該樹脂組成物を硬化してなる硬化物の機械的
強度を測定した。また、樹脂組成物を硬化してなる硬化
物の合成樹脂に対する密着性を評価した。上記の測定方
法等を以下に示す。
【0084】(a)臭気 樹脂組成物の臭気の有無は、人の嗅覚にて判定した。即
ち、平板の上に拡げた樹脂組成物から20cm離れた位
置に鼻を近づけて臭いを嗅ぎ、臭気を感じない場合を
「無し」と判定し、臭気を感じる場合を「有り」と判定
した。
【0085】(b)機械的強度 樹脂組成物100部に、硬化剤(化薬アクゾ株式会社
製,商品名・328EM)1.0部と、硬化促進剤とし
てのオクテン酸コバルト(コバルトの含有量8重量%)
0.5部とを添加・混合した。次に、この混合物を脱泡
した後、所定の条件下で注型することにより、厚さ3m
mの注型板を作製した。この注型板を室温で一晩放置し
た後、110℃で2時間、後硬化(アフターキュア)さ
せた。これにより、硬化物である機械的強度測定用テス
トピースを作製した。そして、得られたテストピースを
用いて、引張試験をJIS K 7113に準拠して行
い、引張強度(MPa)、および、引張伸び率(%)を
測定した。
【0086】(c)密着性 樹脂組成物100部に、硬化剤としての1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン2.0部を添加・混合し
た。次に、合成樹脂であるABS(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン)樹脂板上に、上記の混合物をフ
ィルムアプリケータを用いて約200μmの厚さに塗布
した。その後、該混合物に紫外線を照射し、所定の条件
下で硬化させた。これにより、ABS樹脂板表面に、硬
化物である塗膜を形成した。
【0087】上記の塗膜をカッターを用いて5mm間隔
で縦横に切断した。次いで、得られた複数の塗膜小片、
つまり、碁盤目状に並んだこれら塗膜小片にセロハンテ
ープを貼着した後、該セロハンテープを剥離することに
より、塗膜小片の剥離試験を行った。そして、硬化物の
密着性の評価として、塗膜小片がABS樹脂板から全く
剥離しなかった場合を「○」と評価し、幾つか剥離した
場合を「△」と評価し、半数以上が剥離した場合を
「×」と評価した。
【0088】さらに、ABS樹脂板の代わりに、PVC
(ポリ塩化ビニル)樹脂板、並びに、PC(ポリカーボ
ネート)樹脂板を用いて、上記剥離試験と同様の条件下
で剥離試験を行い、硬化物の密着性を評価した。
【0089】上記(a)〜(c)の測定等を行った結
果、樹脂組成物の臭気は「無し」であり、硬化物の引張
強度は30MPa、引張伸び率は15.0%であった。
また、硬化物の密着性は、ABS樹脂板(以下、ABS
と記す)、PVC樹脂板(以下、PVCと記す)、PC
樹脂板(以下、PCと記す)の全てにおいて「○」であ
った。結果を表1にまとめた。
【0090】〔比較例1〕実施例1の反応および操作と
同様の反応および操作を行うことによって得た不飽和ポ
リエステルを、スチレンモノマーを用いて不揮発分が5
0.0重量%となるように希釈することにより、比較用
の樹脂組成物を得た。
【0091】得られた比較用樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様の測定等を行った。その結果、比較用樹脂組
成物を硬化してなる硬化物の引張強度は78MPa、引
張伸び率は3.5%であった。しかしながら、比較用樹
脂組成物の臭気は「有り」であった。つまり、比較用樹
脂組成物は、著しい臭気を発生した。さらに、硬化物の
密着性は、ABS、PVC、PCの全てにおいて「×」
であった。結果を表1にまとめた。
【0092】〔実施例2〕硬化性樹脂としてのエポキシ
メタクリレートを合成した。即ち、温度計、空気吹込
管、還流冷却器、および攪拌機を備えた四ツ口フラスコ
を反応器とした。この反応器に、不飽和一塩基酸として
のメタクリル酸214部、多官能エポキシ化合物として
のビスフェノールA型エポキシ化合物(東都化成株式会
社製,商品名・エポトートYD−901,平均エポキシ
当量454.2)1,136部、エステル化触媒として
のトリエチルアミン5.8部、および、ハイドロキノン
0.27部を仕込んだ。次に、上記の混合物を空気を吹
き込みながら攪拌して、115℃で5.5時間、エステ
ル化反応させた。これにより、ソリッド酸価が6.8m
gKOH/gのエポキシメタクリレートを反応物として
得た。
【0093】このエポキシメタクリレートに、エチル−
α−エトキシメトキシメチルアクリレート1,350部
を混合することにより、本発明にかかる樹脂組成物を得
た。該樹脂組成物は、酸価が3.4mgKOH/g、不
揮発分が50.0重量%、粘度が6.4ポイズであっ
た。
【0094】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様の測定等を行った。その結果、樹脂組成物の臭気は
「無し」であり、硬化物の引張強度は49MPa、引張
伸び率は25.0%であった。また、硬化物の密着性
は、ABS、PVC、PCの全てにおいて「○」であっ
た。結果を表1にまとめた。
【0095】〔比較例2〕実施例2の反応および操作と
同様の反応および操作を行うことによって得たエポキシ
メタクリレートを、スチレンモノマーを用いて不揮発分
が50.0重量%となるように希釈することにより、比
較用の樹脂組成物を得た。
【0096】得られた比較用樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様の測定等を行った。その結果、比較用樹脂組
成物を硬化してなる硬化物の引張強度は84MPa、引
張伸び率は5.4%であった。しかしながら、比較用樹
脂組成物の臭気は「有り」であり、著しい臭気を発生し
た。さらに、硬化物の密着性は、ABS、PVC、PC
の全てにおいて「△」であった。結果を表1にまとめ
た。
【0097】〔実施例3〕硬化性樹脂としてのウレタン
メタクリレートを合成した。即ち、温度計、空気吹込
管、滴下ロート、還流冷却器、および攪拌機を備えた四
ツ口フラスコを反応器とした。この反応器に、ポリオー
ル化合物としてのビスフェノールAのエチレンオキシド
付加物(旭電化工業株式会社製,商品名・BPX−3
3)664部と、ウレタン化触媒としてのジ−n−ブチ
ルスズジラウレート0.14部とを仕込んだ。一方、滴
下ロートに、ポリイソシアネート化合物としての2,4
−トリレンジイソシアネート398部を入れた。次に、
上記の混合物を空気を吹き込みながら攪拌して、55℃
に昇温させた後、同温度で2,4−トリレンジイソシア
ネート398部を滴下した。滴下終了後、同温度で1時
間、ウレタン化反応させた。得られた反応物に、水酸基
含有(メタ)アクリレート化合物としての2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート338部を添加・混合した。
【0098】そして、この混合物を空気を吹き込みなが
ら攪拌して、95℃に昇温させた後、同温度で2時間、
ウレタン化反応させた。これにより、ウレタンメタクリ
レートを反応物として得た。該ウレタンメタクリレート
の生成は、赤外吸収スペクトルを測定して、イソシアネ
ート基による特性吸収が消失していることを確認するこ
とによって確認した。
【0099】このウレタンメタクリレートに、エチル−
α−エトキシメトキシメチルアクリレート600部と、
重合禁止剤としてのメトキシハイドロキノン0.20部
とを混合することにより、本発明にかかる樹脂組成物を
得た。該樹脂組成物は、不揮発分が70.0重量%、粘
度が7.8ポイズであった。
【0100】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様の測定等を行った。その結果、樹脂組成物の臭気は
「無し」であり、硬化物の引張強度は29MPa、引張
伸び率は38.0%であった。また、硬化物の密着性
は、ABS、PVC、PCの全てにおいて「○」であっ
た。結果を表1にまとめた。
【0101】〔比較例3〕実施例3の反応および操作と
同様の反応および操作を行うことによって得たウレタン
メタクリレートを、スチレンモノマーを用いて不揮発分
が70.0重量%となるように希釈することにより、比
較用の樹脂組成物を得た。
【0102】得られた比較用樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様の測定等を行った。その結果、比較用樹脂組
成物を硬化してなる硬化物の引張強度は54MPa、引
張伸び率は15.0%であった。しかしながら、比較用
樹脂組成物の臭気は「有り」であり、著しい臭気を発生
した。さらに、硬化物の密着性は、ABSにおいて
「○」であったが、PVC、PCにおいて「△」であっ
た。結果を表1にまとめた。
【0103】〔実施例4〕硬化性樹脂としてのポリエス
テルメタクリレートを合成した。即ち、温度計、ガス導
入管、還流冷却器、および攪拌機を備えた四ツ口フラス
コを反応器とした。この反応器に、二塩基酸(飽和二塩
基酸類)としてのイソフタル酸450部およびアジピン
酸220部と、多価アルコールとしてのジエチレングリ
コール640部とを仕込んだ。次に、上記の混合物を窒
素雰囲気下で攪拌しながら、215℃に昇温させた後、
同温度で7時間、エステル化反応させた。そして、ソリ
ッド酸価が10mgKOH/gとなった時点で、反応物
を100℃に冷却した。得られた反応物に、二塩基酸
(α,β−不飽和二塩基酸類)としての無水マレイン酸
178部を添加・混合した。
【0104】そして、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌
しながら、215℃に昇温させた後、同温度で8時間、
エステル化反応させた。そして、ソリッド酸価が64m
gKOH/gとなった時点で、反応物を120℃に冷却
した。得られた反応物、つまり、不飽和ポリエステル
に、(メタ)アクリロイル基含有化合物(不飽和グリシ
ジルエステル化合物)としてのグリシジルメタクリレー
ト220部と、エステル化触媒としてのオクテン酸亜鉛
3.5部とを添加・混合した。
【0105】そして、この混合物を空気雰囲気下で攪拌
しながら、120℃で3時間、エステル化反応させた。
これにより、ソリッド酸価が1mgKOH/g以下のポ
リエステルメタクリレートを反応物として得た。
【0106】このポリエステルメタクリレートに、エチ
ル−α−エトキシメトキシメチルアクリレート1,52
0部と、ハイドロキノン0.30部とを混合することに
より、本発明にかかる樹脂組成物を得た。該樹脂組成物
は、酸価が1mgKOH/g以下、不揮発分が50.0
重量%、粘度が10.0ポイズであった。
【0107】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様の測定等を行った。その結果、樹脂組成物の臭気は
「無し」であり、硬化物の引張強度は60MPa、引張
伸び率は10.0%であった。また、硬化物の密着性
は、ABS、PVC、PCの全てにおいて「○」であっ
た。結果を表1にまとめた。
【0108】〔比較例4〕実施例4の反応および操作と
同様の反応および操作を行うことによって得たポリエス
テルメタクリレートを、スチレンモノマーを用いて不揮
発分が50.0重量%となるように希釈することによ
り、比較用の樹脂組成物を得た。
【0109】得られた比較用樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様の測定等を行った。その結果、比較用樹脂組
成物を硬化してなる硬化物の引張強度は85MPa、引
張伸び率は2.8%であった。しかしながら、比較用樹
脂組成物の臭気は「有り」であり、著しい臭気を発生し
た。さらに、硬化物の密着性は、ABS、PVC、PC
の全てにおいて「△」であった。結果を表1にまとめ
た。
【0110】〔実施例5〕硬化性樹脂としてのポリエス
テルメタクリレートを合成した。即ち、温度計、ガス導
入管、還流冷却器、および攪拌機を備えた四ツ口フラス
コを反応器とした。この反応器に、二塩基酸(飽和二塩
基酸類)としてのテトラヒドロ無水フタル酸940部
と、ジエチレングリコール780部とを仕込んだ。次
に、上記の混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら、21
5℃に昇温させた後、同温度で5時間、エステル化反応
させた。そして、ソリッド酸価が10mgKOH/gと
なった時点で、反応物を100℃に冷却した。
【0111】還流冷却器をリービッヒ冷却器に付け替え
た後、得られた反応物、つまり、飽和ポリエステルに、
(メタ)アクリロイル基含有化合物(不飽和一塩基酸)
としてのメタクリル酸130部、エステル化触媒として
のp−トルエンスルホン酸24.0部、および、溶媒と
してのトルエン555部を添加・混合した。
【0112】そして、この混合物を空気雰囲気下で攪拌
しながら、125℃で12時間、共沸脱水反応(エステ
ル化反応)させた。これにより、ソリッド酸価が12.
0mgKOH/gのポリエステルメタクリレートを反応
物として得た。その後、反応器内部を減圧状態にして、
反応物からトルエンを除去(留去)した。
【0113】このポリエステルメタクリレートに、エチ
ル−α−エトキシメトキシメチルアクリレート1,85
0部と、ハイドロキノン0.30部とを混合することに
より、本発明にかかる樹脂組成物を得た。該樹脂組成物
は、酸価が6.0mgKOH/g、不揮発分が50.0
重量%、粘度が8.0ポイズであった。
【0114】得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と
同様の測定等を行った。その結果、樹脂組成物の臭気は
「無し」、引張強度は45MPa、引張伸び率は20.
0%であった。また、硬化物の密着性は、ABS、PV
C、PCの全てにおいて「○」であった。結果を表1に
まとめた。
【0115】〔比較例5〕実施例5の反応および操作と
同様の反応および操作を行うことによって得たポリエス
テルメタクリレートを、スチレンモノマーを用いて不揮
発分が50.0重量%となるように希釈することによ
り、比較用の樹脂組成物を得た。
【0116】得られた比較用樹脂組成物を用いて、実施
例1と同様の測定等を行った。その結果、比較用樹脂組
成物を硬化してなる硬化物の引張強度は82MPa、引
張伸び率は6.2%であった。しかしながら、比較用樹
脂組成物の臭気は「有り」であり、著しい臭気を発生し
た。さらに、硬化物の密着性は、ABS、PCにおいて
「△」であり、PVCにおいて「×」であった。結果を
表1にまとめた。
【0117】
【表1】
【0118】上記実施例1〜5および比較例1〜5の結
果から明らかなように、本発明にかかる樹脂組成物(硬
化性樹脂組成物)は、比較用の樹脂組成物と比較して、
低臭気であり、しかも、得られる硬化物が密着性に優れ
ていることがわかる。
【0119】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の硬化性樹脂組成
物は、以上のように、一般式(I)
【0120】
【化5】
【0121】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18
のアリール基または−(CHR5 CH2 O)m 6 基を
表し、R2 、R3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基
または炭素数6〜18のアリール基を表し、R4 は炭素
数1〜18のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基、炭素数6〜18のアリール基または−(CHR7
CH2 O)n 8 基を表し、かつ、上記R5、R7 はそ
れぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、R6
8 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数
6〜18のアリール基を表し、m、nはそれぞれ独立し
て1〜4の正数を表す)で表される重合性不飽和単量体
と、硬化性樹脂とを含む構成である。
【0122】本発明の請求項2記載の硬化性樹脂組成物
は、以上のように、上記の硬化性樹脂が、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、および、ポリエステル(メタ)アク
リレートからなる群より選ばれる少なくとも一種の不飽
和樹脂を含む構成である。
【0123】これにより、低臭気の硬化性樹脂組成物を
提供することができるという効果を奏する。該硬化性樹
脂組成物は、使用時や取り扱い時に発生する臭気が少な
いか、若しくは、殆ど感じられない程度であるので、作
業環境を良好な状態に保つことができると共に、作業現
場の周囲(環境問題)も良好な状態に保つことができ
る。また、該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物
は、合成樹脂等の各種基材に対する密着性に優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いた重合性不飽和単
量体(I)としてのエチル−α−エトキシメトキシメチ
ルアクリレートの 1H−NMRのチャートである。
【図2】上記エチル−α−エトキシメトキシメチルアク
リレートの13C−NMRのチャートである。
【図3】上記エチル−α−エトキシメトキシメチルアク
リレートの赤外吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220:26)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
    〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基
    または−(CHR5 CH2 O)m 6 基を表し、R2
    3 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアル
    キル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基または炭素数
    6〜18のアリール基を表し、R4 は炭素数1〜18の
    アルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数
    6〜18のアリール基または−(CHR7 CH2 O)n
    8 基を表し、かつ、上記R5、R7 はそれぞれ独立し
    て水素原子またはメチル基を表し、R6 、R8 はそれぞ
    れ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
    数3〜8のシクロアルキル基または炭素数6〜18のア
    リール基を表し、m、nはそれぞれ独立して1〜4の正
    数を表す)で表される重合性不飽和単量体と、硬化性樹
    脂とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記の硬化性樹脂が、不飽和ポリエステ
    ル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)
    アクリレート、および、ポリエステル(メタ)アクリレ
    ートからなる群より選ばれる少なくとも一種の不飽和樹
    脂を含むことを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組
    成物。
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