JPH1180291A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH1180291A
JPH1180291A JP24002197A JP24002197A JPH1180291A JP H1180291 A JPH1180291 A JP H1180291A JP 24002197 A JP24002197 A JP 24002197A JP 24002197 A JP24002197 A JP 24002197A JP H1180291 A JPH1180291 A JP H1180291A
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JP
Japan
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compound
resin
meth
acid
weight
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JP24002197A
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English (en)
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Takahisa Sugioka
卓央 杉岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気による硬化不良が見られず、着色度が小
さい、常温硬化性塗料用樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 塗料用樹脂組成物は、分子鎖の末端およ
び/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化合
物(A)とラジカル重合性を有する化合物(B)とを含
み、化合物(A)は25℃で固体状または100ポイズ
以上の粘度を有し、化合物(B)は25℃で10ポイズ
以下の粘度を有するとともに、化合物(A)と化合物
(B)の相互重量割合(化合物(A)/化合物(B))
が10/90〜90/10である樹脂と、特定の有機リ
ン化合物と、エノール性β−ジケトン化合物と、有機酸
コバルト塩および有機コバルト錯体の中から選ばれた少
なくとも1種のレドックス活性有機コバルト化合物とを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温硬化可能で、
着色がなく、しかも、空気と接触した部分の硬化不良が
見られず、耐食性、耐薬品性、耐熱水性、機械特性にも
優れる、塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルアクリレート樹脂、ビニル
エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等は、優れた
耐食性、耐薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性を有して
いることで知られている。これらの樹脂は、茶褐色に着
色しているため、その利用用途は、従来、外観を重視し
ない分野に限定されていたが、近年、たとえば、「ビニ
ルエステル樹脂(化学工業日報(株)発行、ビニルエス
テル樹脂研究会編)」の224ページにも記載されてい
るように、淡色なものが開発されたので、塗料等の外観
が重視される用途にも応用されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記樹脂を常温で硬化
させるための手段としては、有機過酸化物と有機酸コバ
ルト塩とアミン化合物とを混合して硬化させることが知
られている。この手法によれば、常温硬化であっても、
上記樹脂が本来もつ優れた耐食性、耐薬品性、耐熱水
性、機械特性を発現できる。しかし、この硬化手法は、
もともと着色してもよい用途に使用される樹脂硬化方法
であり、淡色な樹脂にこれらの化合物を混合して硬化さ
せた場合にはひどく着色が起きるため、外観が重視され
る用途には不適当であった。
【0004】着色の問題を解決するものとして、特開昭
54−41987号公報および特表昭59−50151
1号公報には、ビニルエステル樹脂に有機酸コバルト塩
とβ−ジケトンを添加した常温硬化性樹脂組成物が開示
されている。また、特開平2−191633号公報に
は、ビニルエステル樹脂にN−アセトアセチル基を有す
るアセチルアセトネート化合物と有機酸銅塩を添加した
樹脂組成物が開示されている。これらの樹脂組成物にお
ける硬化手法では、有機酸コバルト塩の配合量を極少量
にすることにより、着色させることなく樹脂を常温硬化
させるようにしている。しかし、この樹脂組成物を塗料
として用い塗装施工した場合、空気により硬化阻害され
て、塗膜に硬化不良が発生し、樹脂本来の優れた特性が
発現しなくなると言う問題のあることが分かった。N−
アセトアセチル基を有するアセチルアセトネート化合物
と有機酸銅塩を添加した場合には、硬化膜の色調変化が
激しいと言うことも分かった。
【0005】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、常温で硬化させることができて、塗膜に硬化不良が
発生せず、そのため、樹脂本来の優れた耐食性、耐薬品
性、耐熱水性、機械特性などを発現でき、しかも着色が
少ないため、塗料用途に使用できる樹脂組成物を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイ
ル基を有する化合物(A)およびラジカル重合性を有す
る化合物(B)を含む樹脂に、エノール性β−ジケトン
化合物と、レドックス活性有機コバルト化合物と、以下
に述べる特定の有機リン化合物とを配合すると、従来の
問題点を一挙に解決できることの知見を得て、本発明を
完成した。
【0007】したがって、本発明にかかる塗料用樹脂組
成物は、分子鎖の末端および/または側鎖に(メタ)ア
クリロイル基を有する化合物(A)とラジカル重合性を
有する化合物(B)とを含み、化合物(A)は25℃で
固体状または100ポイズ以上の粘度を有し、化合物
(B)は25℃で10ポイズ以下の粘度を有するととも
に、化合物(A)と化合物(B)の相互重量割合(化合
物(A)/化合物(B))が10/90〜90/10で
ある樹脂と、下記一般式(1): R123P ・・・(1) (ここで、R1 、R2 およびR3 は、いずれも、炭素数
1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、炭素
数1〜10のアルキル基を1〜3個有するフェニル基お
よび炭素数1〜10のアルキル基を1〜3個有するナフ
チル基の中から選ばれた基であって、同一であってもよ
く、異なっていてもよい。)で表される有機リン化合物
と、エノール性β−ジケトン化合物と、有機酸コバルト
塩および有機コバルト錯体の中から選ばれた少なくとも
1種のレドックス活性有機コバルト化合物と、を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にかかる塗料用樹脂組成物
を構成する必須成分は、前述の(メタ)アクリロイル基
を有する化合物(A)およびラジカル重合性を有する化
合物(B)を含む樹脂と、有機リン化合物と、エノール
性β−ジケトン化合物と、レドックス活性有機コバルト
化合物とである。そこで、これらにつき、順次説明した
のち、組成物の構成について説明する。 〔樹脂〕本発明で用いられる樹脂は、高分子鎖の末端お
よび/または側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する化
合物(A)と、ラジカル重合性を有する化合物(B)と
を含んでいて、ラジカル硬化可能な樹脂である。化合物
(A)は25℃で固体状または100ポイズ以上の粘度
を有し、硬化塗膜に3次元網目構造を構築する造膜成分
であって、塗膜として最適な機械強度、耐水性および耐
食性等を塗膜に付与する働きがある。化合物(A)は常
温において高粘度状態もしくは固形状態であるため、塗
工を行うには不適当である場合が多い。そこで、化合物
(B)は25℃で10ポイズ以下の粘度を有するもので
あり、化合物(A)を希釈し、最適な作業粘度に調節す
るための希釈成分となるものであるが、場合により、化
合物(A)が主として形成する3次元網目構造の中に加
わり、その一部となることがある。
【0009】このような樹脂としては、ビニルエステル
樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂およびエステ
ル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの
樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上混合し
て用いてもよい。上記ビニルエステル樹脂とは、例え
ば、化合物(A)として、エポキシ化合物と(メタ)ア
クリル酸とをエステル化触媒を用いて反応させることに
よって得ることができるビニルエステル化合物を用い、
これに化合物(B)を配合した混合物である。
【0010】ビニルエステル化合物の原料として用いら
れる上記エポキシ化合物としては、分子中に、少なくと
も1個のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定
されるものではないが、具体的には、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等のビスフェノール類と、エピハ
ロヒドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプ
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール、クレ
ゾール、ビスフェノールとホルマリンとの縮合物である
ノボラックとエピハロヒドリンとの縮合反応により得ら
れるノボラックタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、安
息香酸とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られる
グリシジルエステル型エポキシ樹脂;水添加ビスフェノ
ールやグリコール類とエピハロヒドリンとの縮合反応に
より得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ヒダ
ントインやシアヌール酸とエピハロヒドリンとの縮合反
応により得られる含アミングリシジルエーテル型エポキ
シ樹脂等が挙げられる。この場合、エポキシ化合物は、
エポキシ樹脂と多塩基酸類および/またはビスフェノー
ル類との付加反応により分子中にエポキシ基を有する化
合物であってもよい。これらエポキシ化合物は、1種類
のみを用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよ
い。
【0011】ビニルエステル化合物の原料として用いら
れる上記(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸およ
びメタクリル酸のうちの1種類のみを用いてもよく、2
種類を混合して用いてもよい。また、(メタ)アクリル
酸と、クロトン酸等の(メタ)アクタル酸以外の不飽和
一塩基酸や、マレイン酸、イタコン酸等のハーフエステ
ルや、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の多価カ
ルボン酸や、酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、パルチ
ミン酸等の飽和一価カルボン酸や、フタル酸等の飽和多
価カルボン酸またはその無水物や、末端基がカルボキシ
ル基である飽和あるいは不飽和アルキッド等の化合物と
を併用してもよい。
【0012】ビニルエステル化合物の製造の際に用いら
れる上記エステル化触媒としては、具体的には、ジメチ
ルベンジルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン
類;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第
四級アンモニウム塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無
機塩;2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール化合物;テトラメチルホスフォニウムクロライ
ド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライ
ド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベ
ンジルトリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、
ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベ
ンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド、テ
トラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニ
ウム塩;第二級アミン類;テトラブチル尿素;トリフェ
ニルホスフィン;トリトリールホスフィン;トリフェニ
ルスチビン等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これらのエステル化触媒は、1種類のみを用いて
もよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0013】ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とは、
例えば、化合物(A)として、ポリイソシアネートとポ
リヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類を反応さ
せた後、さらに水酸基含有(メタ)アクリル化合物およ
び必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応
させることによって得ることができるウレタン(メタ)
アクリレート化合物を用い、これに化合物(B)を配合
した混合物である。この場合、ウレタン(メタ)アクリ
レート化合物は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物と
ポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反
応させた後、さらにポリイソシアネートを反応させたも
のであってもよい。
【0014】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記ポリイソシアネートとしては、
具体的には、2,4−トリレンジイソシアネートおよび
その異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジ
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシ
アネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バ
ーノックD−750、クリスボンNX(商品名;大日本
インキ化学工業社製)、テスモジュールL(商品名;住
友バイエル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウ
レタン社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品
社製)、イソネート143L(商品名;三菱化学社製)
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これ
らポリイソシアネートは1種類のみを用いてもよいし、
2種類以上を混合して用いてもよい。
【0015】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記ポリヒドロキシ化合物として
は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール等が挙げられ、具体的には、グリセリン−エチ
レンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド
付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリ
セリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加
物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロ
ピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトール−エチレ
ンオキシド付加物、ペンタエリスリトール−プロピレン
オキシド付加物、ペンタエリスリトール−テトラヒドロ
フラン付加物、ペンタエリスリトール−エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトー
ル−エチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール
−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール
−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトール
−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。これらポリ
ヒドロキシ化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2
種類以上を混合して用いてもよい。
【0016】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記多価アルコール類としては、具
体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノー
ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの
付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパン
ジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3
−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサン
グリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシ
ル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコー
ル、2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら多価アルコール類
は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0017】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記水酸基含有(メタ)アクリル化
合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基
含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的に
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒド
ロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合
物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合
して用いてもよい。
【0018】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として必要に応じて用いられる上記水酸基含有アリル
エーテル化合物としては、具体的には、例えば、エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノア
リルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエー
テル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコー
ルモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモ
ノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエ
ーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、ト
リメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジ
アリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエー
テル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、1種類のみ
を用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
【0019】エステル(メタ)アクリレート樹脂とは、
例えば、化合物(A)として、不飽和あるいは飽和のポ
リエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させ
ることによって得ることができるエステル(メタ)アク
リレート化合物を用い、これに化合物(B)を配合した
混合物である。エステル(メタ)アクリレート化合物の
原料として用いられる上記不飽和あるいは飽和のポリエ
ステルとしては、具体的に、二塩基酸と多価アルコール
類とを縮合反応させることによって得ることができるポ
リエステルが挙げられ、1種類のみを用いてもよいし、
2種類以上混合して用いてもよい。
【0020】不飽和あるいは飽和ポリエステルの原料と
して用いられる上記二塩基酸としては、具体的には、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無
水イタコン酸等のα,β−不飽和二塩基酸;フタル酸、
無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒド
ロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−
ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビスフェニ
ルジカルボン酸、および、これらのジアルキルエステル
等の飽和二塩基酸等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら二塩基酸は、1種類のみを用いても
よいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0021】不飽和あるいは飽和のポリエステルの原料
として用いられる上記多価アルコール類としては、具体
的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAと
プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、
1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シク
ロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコ
ール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−
4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、
2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら多価アルコール類は、1
種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。また、必要によりジシクロペンタジエン系化
合物を樹脂骨格中に組み入れてもよい。
【0022】エステル(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記(メタ)アクリル化合物として
は、具体的には、不飽和グリシジル化合物、(メタ)ア
クリル酸等の不飽和一塩基酸およびそのグリシジルエス
テル類等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら(メタ)アクリル化合物は、1種類のみを用
いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。上
記ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート
樹脂、エステル(メタ)アクリレート樹脂等の化合物
(A)を製造する際の各原料の配合条件は、樹脂に対し
て求める物性等を考慮して適宜設定すればよく、特に限
定されるものではない。また、反応を行う際の反応温度
も特に限定されるものではなく、例えば反応を効率的に
行うことができること等を考慮して適宜設定すればよ
い。一例を挙げれば、エポキシ化合物と不飽和一塩基酸
とをエステル化触媒を用いて反応させてビニルエステル
化合物を得る場合の反応温度は、60〜150℃の範囲
であることが好ましい。反応時間も特に限定されるもの
ではなく、原料の種類や組み合わせ、使用量、反応温度
等に応じて、適宜設定すればよい。
【0023】上記反応を行う際には、必要に応じて重合
禁止剤を用いる。重合禁止剤としては、例えば、ハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキ
ノン、tert−ブチルハイドロキノン、ベンゾキノ
ン、カテコール、ナフテン酸銅、銅粉、2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等のN−オキ
シル化合物等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。その使用量も特に限定されるものではない。
【0024】上記反応は、無溶媒で行うことができる
が、溶媒を用いてもよい。溶媒の種類や使用量は特に限
定されるものではない。前記ビニルエステル化合物、ウ
レタン(メタ)アクリレート化合物、エステル(メタ)
アクリレート化合物等の化合物(A)と組み合わせる化
合物(B)は、使用目的や用途等に応じて適宜選択すれ
ばよく、特に限定されるものではないが、例えば、スチ
レン、ジビニルベンゼン、クロルスチレン、(メタ)ア
クリル酸エステル、ジアリルフタレート、酢酸ビニル、
トリメチロールプロパントリアクリレート等が挙げられ
る。これらの化合物(B)は1種類のみを用いてもよい
し、2種類以上を混合して用いてもよい。化合物(B)
は、化合物(A)合成の際の溶剤として用いたものであ
ってもよく、化合物(A)が高粘度である場合には粘度
調節に用いた溶剤であってもよい。
【0025】樹脂中に含まれる化合物(A)と化合物
(B)の相互重量割合(化合物(A)/化合物(B))
は、10/90〜90/10であり、好ましくは30/
70〜75/25である。化合物(A)が上記必須の範
囲よりも少なすぎると、粘度が極度に低下して、塗料用
に使用しにくくなる。他方、上記必須の範囲よりも多す
ぎると、流動性が低下し、塗料用に使用しにくくなる。
【0026】化合物(A)の(メタ)アクリロイル基
や、化合物(B)のラジカル重合性基の数および化合物
(B)のラジカル重合性基以外の構造等については、特
に限定はなく、塗膜に要求される物性にしたがって随時
調節される。 〔有機リン化合物〕本発明で用いられる有機リン化合物
は、空気による硬化不良を生じさせることなく、樹脂の
常温硬化を促進するとともに、硬化後の耐熱水性を向上
させる作用がある。また、エノール性β−ジケトン化合
物と併用することによって、着色を生じさせない作用が
ある。
【0027】有機リン化合物としては、例えば、トリメ
チルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリオクチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチ
ルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェ
ニル−1,3−ジメチルフェニルホスフィン、トリスノ
ニルフェニルホスフィン、トリス(3−エチルフェニ
ル)ホスフィン等が挙げられる。これらの有機リン化合
物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合し
て用いてもよい。一般式(1)中のR1 、R2 およびR
3 のいずれもがフェニル基であるトリフェニルホスフィ
ンは、硬化を促進する作用が最も大きい。 〔エノール性β−ジケトン化合物〕本発明で用いられる
エノール性β−ジケトン化合物は、樹脂の常温硬化を促
進する助剤として働き、塗料用樹脂組成物を塗工した際
に、塗膜がべとつく現象を補助的に防止する作用があ
る。有機リン化合物との併用により、着色を生じさせな
い作用を持つ。
【0028】エノール性β−ジケトン化合物としては、
例えば、炭素数1〜15個の一価アルコール、二価以上
の多価アルコールおよびオキシアルコールから選ばれた
少なくとも1種とアセト酢酸とが反応して得られるアセ
ト酢酸エステルや、β−ジケトンキレート、β−ケトエ
ステルキレート等が挙げられる。β−ケトエステルキレ
ートは、アセト酢酸エステル等のβ−ケトエステル類と
金属原子とがキレート化した化合物です。金属原子種に
ついては、典型金属、遷移金属のいずれであってもよ
い。
【0029】アセト酢酸エステルとしては、例えば、メ
チルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネー
ト、プロピルアセチルアセトネート、ブチルアセチルア
セトネート、ヘプチルアセチルアセトネート、ヘキシル
アセチルアセトネート、ベンジルアセチルアセトネー
ト、エチレングリコールモノアセチルアセトネートまた
はジアセチルアセトネート、プロピレングリコールモノ
アセチルアセトネートまたはジアセチルアセトネート、
ジエチレングリコールモノアセチルアセトネートまたは
ジアセチルアセトネート、メチルセロソルブアセチルア
セトネート、エチルセロソルブアセチルアセトネート、
グリセリンモノアセチルアセトネート、ジアセチルアセ
トネートまたはトリアセチルアセトネート等が挙げられ
る。これらのアセト酢酸エステルは1種類のみを用いて
もよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0030】β−ジケトンキレート、β−ケトエステル
キレートとしては、例えば、ニッケルビスアセチルアセ
トネート、、バナジルトリスアセチルアセトネート、ア
ルミニウムトリスアセチルアセトネート、クロムトリス
アセチルアセトネート、鉄トリスアセチルアセトネー
ト、マンガントリスアセチルアセトネート、ジフェノキ
シチタンビスアセチルアセトネート、ジジルコニウムテ
トラキスアセチルアセトネート、ジフェノキシチタンビ
スエチルアセチルアセトネート、ジイソプロピルチタン
ビスアセチルアセトネート、ジブトキシチタンビスアセ
チルアセトネート、ジブトキシチタンビスエチルアセチ
ルアセトネート、ジベンジロキシチタンビスアセチルア
セトネート等が挙げられる。これらは1種類のみを用い
てもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0031】エノール性β−ジケトン化合物としては、
メチルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネ
ート、プロピルアセチルアセトネート、エチレングリコ
ールモノアセチルアセトネートおよびプロピレングリコ
ールモノアセチルアセトネートから選ばれた少なくとも
1種が好ましい。 〔レドックス活性有機コバルト化合物〕本発明で用いら
れるレドックス活性有機コバルト化合物は、常温で過酸
化物等の硬化剤を分解してラジカルを発生させることが
でき、常温硬化を行うために不可欠であり、硬化後の耐
熱水性を向上させる作用も有する。レドックス活性有機
コバルト化合物は、有機酸のコバルト塩および有機コバ
ルト錯体のうちの少なくとも1種である。
【0032】有機酸のコバルト塩としては、例えば、ナ
フテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等が挙げられ
る。これらの有機酸のコバルト塩は1種類のみを用いて
もよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。有機コ
バルト錯体としては、例えば、コバルトアセチルアセト
ナート等が挙げられる。 〔塗料用樹脂組成物〕本発明の樹脂組成物は、上記樹脂
と、有機リン化合物と、エノール性β−ジケトン化合物
と、レドックス活性有機コバルト化合物とを含有するほ
か、必要に応じて、後述のその他の成分を含むことがで
きる。
【0033】有機リン化合物の配合割合は、樹脂に対し
て0.005〜0.5重量%が好ましく、0.05〜
0.5重量%がさらに好ましい。有機リン化合物の配合
割合が0.005重量%未満であると、硬化不良と着色
が生じやすくなり、硬化後の耐熱水性が低下する。他
方、有機リン化合物の配合割合が0.5重量%を超える
と、配合量に見合った効果が発揮されないことがある。
【0034】エノール性β−ジケトン化合物の配合割合
は、樹脂に対して0.005〜0.5重量%が好まし
く、0.01〜0.5重量%がさらに好ましい。エノー
ル性β−ジケトン化合物の配合割合が0.005重量%
未満であると、硬化不良と着色が生じやすくなる。他
方、エノール性β−ジケトン化合物の配合割合が0.5
重量%を超えると、配合量に見合った効果が発揮されな
いことがある。
【0035】レドックス活性有機コバルト化合物の配合
割合は、樹脂に対して0.005〜0.1重量%が好ま
しく、0.01〜0.05重量%がさらに好ましい。レ
ドックス活性有機コバルト化合物の配合割合が0.00
5重量%未満であると、常温硬化できなくなる。他方、
レドックス活性有機コバルト化合物の配合割合が0.1
重量%を超えると、着色を生じやすくなる。
【0036】本発明にかかる塗料用組成物は、その他の
成分を含むことができる。その他の成分としては、不飽
和ポリエステル等の(メタ)アクリロイル基以外の官能
基を有する不飽和ポリマーや、重合禁止剤、充填剤、紫
外線吸収剤、顔料、増粘剤、老化防止剤、可塑剤、難燃
剤、安定剤、補強剤、消泡剤、揺変化剤、レベリング剤
等を挙げることができる。これらその他の成分は1種類
のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いても
よい。その配合量は特に限定されるものではない。
【0037】本発明の塗料用組成物は、必要に応じて用
いられるその他の成分とともに、樹脂、有機リン化合
物、エノール性β−ジケトン化合物およびレドックス活
性有機コバルト化合物を混合して製造される。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と合わせて説
明するが、実施例に先立って、化合物(A)および化合
物(B)とを含む樹脂の合成例を説明する。 −合成例1− 〔ビニルエステル樹脂の合成〕攪拌機、還流冷却管、気
体導入管および温度計を備えた容量5リットルの四つ口
フラスコに、エポキシ当量465のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(東都化成社製、商品名「YD−901」)
2500g、エポキシ当量185のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(東都化成社製、商品名「YD−127」)
580g、メタクリル酸750gおよびエステル化触媒
としてのテトラフェニルホスフォニウムブロマイド1
1.50gを仕込んで攪拌した。次に、上記の四つ口フ
ラスコ内に乾燥空気を30ml/minの流量で流しな
がら、上記仕込み物を115℃で7時間反応させて、ビ
ニルエステル化合物(化合物(A))を得た後、スチレ
ンモノマー(化合物(B))2100gを追加し、重合
禁止剤である4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−1−オキシルを全体の0.02重量
%となるように添加して、ビニルエステル樹脂を得た。
この樹脂に含まれる化合物(A)と化合物(B)の相互
割合(化合物(A)/化合物(B))は65/35であ
り、その酸価は5.0mgKOH/gであった。また、
化合物(A)は25℃で固体状であり、化合物(B)の
粘度(25℃)は、1センチポイズ以下であった。
【0039】−合成例2− 〔エステル(メタ)アクリレート樹脂の合成〕攪拌機、
還流冷却管、気体導入管および温度計を備えた容量5リ
ットルの四つ口フラスコに、多価アルコールであるプロ
ピレングリコール1650g、二塩基酸であるイソフタ
ル酸1800gおよび無水マレイン酸1720gを仕込
んで攪拌した。次に、上記の四つ口フラスコ内に窒素を
30ml/minの流量で流しながら、上記仕込み物を
200℃で8時間反応させることにより、酸価60mg
KOH/gの不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポ
リエステルに、(メタ)アクリル化合物であるグリシジ
ルメタクリレート650gを追加し、重合禁止剤である
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−1−オキシルをポリエステルの0.03重量%と
なるように添加して攪拌した。次に、乾燥空気を30m
l/minの流量で流しながら140℃で3時間反応さ
せて、エステル(メタ)アクリレート化合物(化合物
(A))を得た後、メチルメタクリレート(化合物
(B))2300gを添加して、エステル(メタ)アク
リレート樹脂を得た。この樹脂に含まれる化合物(A)
と化合物(B)の相互割合(化合物(A)/化合物
(B))は70/30であった。また、化合物(A)は
25℃で固体状であり、化合物(B)の粘度(25℃)
は、1センチポイズ以下であった。
【0040】−合成例3− 〔ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成〕攪拌機、
還流冷却管、気体導入管および温度計を備えた容量5リ
ットルの四つ口フラスコに、ポリイソシアネートである
ヘキサメチレンジイソシアネート1500g、スチレン
モノマー(化合物(B))1400g、触媒としてのジ
ブチル錫ジラウレート2.4g、および、安定剤として
の4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−1−オキシル50mgを仕込んで攪拌した。次
に、上記の四つ口フラスコ内に乾燥空気を30ml/m
inの流量で流しながら、上記仕込み物を60℃に昇温
した後、これに多価アルコール類としてのジプロピレン
グリコール590gを添加し、この添加後の仕込み物を
60〜70℃に保持しながら3時間反応させた。その
後、この反応液に水酸基含有メタアクリル化合物である
ヒドロキシプロピルメタクリレート1270gをさらに
加え、この添加後の反応液を100℃に昇温して5時間
反応させて、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(化
合物(A))を得た後、40℃まで冷却し、重合禁止剤
である4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン−1−オキシルを全体の0.02重量%とな
るように反応液に添加して、ウレタンメタクリレート樹
脂を得た。この樹脂に含まれる化合物(A)と化合物
(B)の相互割合(化合物(A)/化合物(B))は7
1/29であった。また、化合物(A)の粘度(25
℃)は、360ポイズであり、化合物(B)の粘度(2
5℃)は、1センチポイズ以下であった。
【0041】−実施例1− 合成例1で得られたビニルエステル樹脂に対して、レド
ックス活性有機コバルト化合物であるオクテン酸コバル
ト0.0140重量%、オクテン酸カリウム0.040
0重量%、オクテン酸カルシウム0.0240重量%、
有機リン化合物であるトリフェニルホスフィン0.20
00重量%、エノール性β−ジケトン化合物であるメチ
ルアセチルアセトネート0.2000重量%を、それぞ
れを添加して、塗料用樹脂組成物(A1)を得た。
【0042】55重量%メチルエチルケトンパーオキサ
イド溶液(化薬アクゾ社製、カヤメックM)を塗料用樹
脂組成物(A1)に対して1.0重量%となるように混
合した後、得られた組成物をバーコータを用いてガラス
板上に均一の厚みで塗工して、ほぼ透明な塗膜を得た。
空気による硬化阻害の有無を調べるために、得られた塗
膜を空気中に放置して2時間後の指触乾燥性を評価し
た。次に、この塗料用樹脂組成物(A1)の硬化物を、
100℃の脱イオン水に2000時間浸漬し、色差計
(Σ90 Color measuring syst
em、日本電子工業社製)を用いて熱水浸漬前後での硬
化物の色調変化(着色度)と、熱水浸漬前後での硬化物
の外観変化(耐熱水性)とを調べた。以上の結果を表1
に示す。ΔL(前後の色のLの差)、Δa(前後の色の
aの差)およびΔb(前後の色のbの差)の値が小さい
ほど、硬化物の色調変化が少ないことを意味する。
【0043】−実施例2− 実施例1においてトリフェニルホスフィンをトリシクロ
ヘキシルホスフィンに変更する以外は、実施例1と同様
にして、塗料用樹脂組成物(A2)を得た。得られた塗
料用樹脂組成物(A2)を実施例1と同様に評価し、結
果を表1に示す。
【0044】−実施例3− 実施例1において、樹脂成分をビニルエステル樹脂から
合成例2で得られたエステル(メタ)アクリレート樹脂
に変更する以外は、実施例1と同様にして、塗料用樹脂
組成物(A3)を得た。得られた塗料用樹脂組成物(A
3)を実施例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0045】−実施例4− 実施例1において、樹脂成分をビニルエステル樹脂から
合成例2で得られたエステル(メタ)アクリレート樹脂
に、エノール性β−ジケトン化合物をメチルアセチルア
セトネートからアリルアセチルアセトネートに変更する
以外は、実施例2と同様にして、塗料用樹脂組成物(A
4)を得た。得られた塗料用樹脂組成物(A4)を実施
例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0046】−実施例5− 実施例1において、樹脂成分をビニルエステル樹脂から
合成例3で得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂
に変更する以外は、実施例1と同様にして、塗料用樹脂
組成物(A5)を得た。得られた塗料用樹脂組成物(A
5)を実施例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0047】−実施例6− 実施例2において、樹脂成分をビニルエステル樹脂から
合成例3で得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂
に変更する以外は、実施例2と同様にして、塗料用樹脂
組成物(A6)を得た。得られた塗料用樹脂組成物(A
6)を実施例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0048】−比較例1− 合成例1で得られたビニルエステル樹脂に対して、レド
ックス活性有機コバルト化合物であるオクテン酸コバル
ト0.0500重量%、エノール性β−ジケトン化合物
であるメチルアセチルアセトネート0.2000重量%
となるように、それぞれを添加して、塗料用樹脂組成物
(B1)を得た。得られた塗料用樹脂組成物(B1)を
実施例1と同様に評価し、結果を表1に示す。
【0049】−比較例2− 合成例2で得られたエステル(メタ)アクリレート樹脂
に対して、レドックス活性有機コバルト化合物であるオ
クテン酸コバルト0.0500重量%、N−アセトアセ
チルモルホリン(日本乳化剤社製、ナックスレーターP
IK)0.2000重量%となるように、それぞれを添
加して、塗料用樹脂組成物(B2)を得た。得られた塗
料用樹脂組成物(B2)を実施例1と同様に評価し、結
果を表1に示す。
【0050】−比較例3− 合成例3で得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂
に対して、レドックス活性有機コバルト化合物であるオ
クテン酸コバルト0.0500重量%、N,N−ジメチ
ルアニリン0.0200重量%となるように、それぞれ
を添加して、塗料用樹脂組成物(B3)を得た。実施例
1と同様にして、得られた塗料用樹脂組成物(B3)に
メチルエチルケトンパーオキサイド溶液を混合した後、
バーコータを用いてガラス板上に均一の厚みで塗工した
ところ、得られた塗膜は茶褐色であったので、評価試験
はしなかった。
【0051】−比較例4− 合成例1で得られたビニルエステル樹脂に対して、レド
ックス活性有機コバルト化合物であるオクテン酸コバル
ト0.0500重量%、トリフェニルホスフィン0.2
000重量%となるように、それぞれを添加して、塗料
用樹脂組成物(B4)を得た。得られた塗料用樹脂組成
物(B4)を実施例1と同様に評価し、結果を表1に示
す。
【0052】−比較例5− 実施例3において、この実施例で用いた樹脂の代わり
に、この樹脂成分から化合物(B)であるメチルメタク
リレートを完全に除いたものを用いる以外は、実施例3
と同様にして、樹脂組成物(B5)を得た。得られた樹
脂組成物(B5)の粘度は500ポイズであり、粘度が
高すぎ、塗料用には使用できないものであったので、評
価試験はしなかった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明にかかる塗料用樹脂組成物は、常
温で硬化させることができ、しかも、空気による硬化不
良が見られず、樹脂本来の優れた耐熱水性などの諸特性
を発現できて、かつ、着色が少ない。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子鎖の末端および/または側鎖に(メ
    タ)アクリロイル基を有する化合物(A)とラジカル重
    合性を有する化合物(B)とを含み、化合物(A)は2
    5℃で固体状または100ポイズ以上の粘度を有し、化
    合物(B)は25℃で10ポイズ以下の粘度を有すると
    ともに、化合物(A)と化合物(B)の相互重量割合
    (化合物(A)/化合物(B))が10/90〜90/
    10である樹脂と、 下記一般式(1): R123P ・・・(1) (ここで、R1 、R2 およびR3 は、いずれも、炭素数
    1〜10のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、炭素
    数1〜10のアルキル基を1〜3個有するフェニル基お
    よび炭素数1〜10のアルキル基を1〜3個有するナフ
    チル基の中から選ばれた基であって、同一であってもよ
    く、異なっていてもよい。)で表される有機リン化合物
    と、 エノール性β−ジケトン化合物と、 有機酸コバルト塩および有機コバルト錯体の中から選ば
    れた少なくとも1種のレドックス活性有機コバルト化合
    物と、を含む塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記樹脂が、エステル(メタ)アクリレー
    ト樹脂、ビニルエステル樹脂およびウレタン(メタ)ア
    クリレート樹脂の中から選ばれた少なくとも1種であ
    る、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記樹脂に対する前記有機リン化合物の割
    合が0.005〜0.5重量%である、請求項1または
    2に記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記樹脂に対する前記エノール性β−ジケ
    トン化合物の割合が0.005〜0.5重量%である、
    請求項1から3までのいずれかに記載の塗料用樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】前記樹脂に対する前記レドックス活性有機
    コバルト化合物の割合が0.005〜0.1重量%であ
    る、請求項1から4までのいずれかに記載の塗料用樹脂
    組成物。
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