JP2011057877A - 多官能ウレタン(メタ)アクリレートの希釈剤と保存安定化方法 - Google Patents

多官能ウレタン(メタ)アクリレートの希釈剤と保存安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存中に重合を起こしにくく、また経時的に白濁しにくい、貯蔵安定性に優れた多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合した被覆剤組成物を提供すること。
【解決手段】少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイルモルフォリンが配合され、重合禁止剤を含有する被覆剤組成物であって、前記重合禁止剤が、2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビル、工場、駅、駐車場、家屋などの床面や壁面に直接塗布される被覆剤の他、合板、ボード、タイルなどの床材、壁材、天井材や家具材などの被覆剤として有用な被覆剤組成物を提供する際に、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合した製品の重合ならびに白濁の防止方法に関する。また、重合ならびに白濁を防止しうる希釈剤と、それを用いた被覆剤組成物及びその保存安定化方法に関する。
被覆剤組成物は、主に床面等に塗布、乾燥して塗膜を形成し、床の美観を保ち、水汚れを防ぎ、基材を保護する目的で、木製床材或いは合成樹脂の原料を用いた化学床材等に幅広く利用されている。
従来、被覆剤組成物は活性エネルギー線硬化性の多官能ウレタン(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を必須成分として含有している。多官能ウレタン(メタ)アクリレートを製造するには、例えば、ポリオール化合物と(ポリ)イソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させることにより得ることができる。一般的に、十分な反応速度を得るためにジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、など有機錫化合物が用いられる(特許文献1)。そのため、市場に流通している多くの多官能ウレタン(メタ)アクリレートには、不純物としてこれらの有機錫化合物が残存している。
又、多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、一般的に粘性が高く単独では使用できない為、例えば、アクリロイルモルフォリン、β−カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート等の低粘性モノマーを希釈剤として用いることができ、うちアクリロイルモルフォリンが好適に用いられている。
しかしながら、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンの高温混合時や貯蔵時において重合が発生し、被覆剤組成物の能力が十分に発揮できない事がある。これらの重合要因を推測するにあたり、高温時や系内の溶存酸素の低下が起こった際に、多官能ウレタン(メタ)アクリレート中に残存しているジブチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物と(メタ)アクリロイルモルフォリンとが共存することでラジカル活性種を形成し、多官能ウレタン(メタ)アクリレートの重合が促進されると考えられる。
そこで、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを含有する被覆剤組成物の重合を防止するため、本発明者らは、当該混合物に各種の重合禁止剤を添加して重合禁止効果を調べたが、通常の重合禁止剤(フェノール系、硫黄系、燐系、アミン系化合物)ではいずれも重合禁止効果が見られなかった。
一方で、有機錫化合物存在下に(メタ)アクリロイルモルフォリンを添加すると、経時的に白濁するという問題もあった。被覆剤組成物が白濁すると、透明さを必要とする用途には用いることができなくなり商品価値が大きく低下するため、被覆剤組成物の重合と併せて白濁も抑える品質安定化方法が望まれていた。
特開2008−74891号公報
解決しようとする課題は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合した製品が重合を起こしやすいこと、また経時的に白濁することである。
本発明者らは、(メタ)アクリロイルモルフォリンの有機錫化合物共存系での品質劣化を防止する方法を鋭意検討した結果、重合禁止剤として、2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル化合物およびその類縁化合物、又はガルビノキシル化合物を添加した場合のみ、重合物の形成が見られず、この種の化合物が、有機錫化合物含有多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンからなる被覆剤組成物の重合禁止剤として好適であることを見出した。
また、本発明者らは、上記被覆剤組成物中にクエン酸、コハク酸、セバシン酸などのカルボン酸化合物を含有させることにより、組成物の白濁を抑制できることを見出した。さらに、上記の重合禁止剤とカルボン酸を併用することにより、相乗的な重合禁止効果も見られた。
すなわち本発明は、
(1)少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンが配合され、重合禁止剤を含有する被覆剤組成物であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物。
(2)上記(1)記載の被覆剤組成物であって、さらにカルボン酸化合物を含有することを特徴とする、被覆剤組成物。
(3)重合禁止剤を含有する(メタ)アクリロイルモルフォリンからなる、多官能ウレタン(メタ)アクリレート用の希釈剤であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする希釈剤。
(4)上記(3)記載の希釈剤であって、さらにカルボン酸化合物を含有することを特徴とする希釈剤。
(5)少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイルモルフォリンとを混合してなる被覆剤組成物において、その混合の前または後で重合禁止剤を添加することによる該被覆剤組成物の保存安定化方法であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物の保存安定化方法。
(6)少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイルモルフォリンとを混合してなる被覆剤組成物において、その混合の前または後で重合禁止剤およびカルボン酸化合物を添加することによる該被覆剤組成物の保存安定化方法であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物の保存安定化方法。
(7)前記重合禁止剤が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキサミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−1−オキシル)コハク酸エステル、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、ガルビノキシルから選ばれる少なくとも1種の化合物である、上記(5)または(6)に記載の被覆剤組成物の保存安定化方法。
(8)前記カルボン酸化合物が、オクチル酸、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クエン酸、アクリル酸から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものである、上記(6)に記載の被覆剤組成物の保存安定化方法。
である。
本発明の方法により、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと希釈剤を含有する被覆剤組成物が重合や白濁なく、長期にわたって安定保存できる。そのため、被覆剤組成物を用時調製する必要がなく、大量調製が可能となる。
また、混合するだけで保存安定性のよい被覆剤組成物を容易に調製することができる希釈剤が得られる。
さらに、そのことにより、有機錫化合物を含有するモノマーでもそれを除去することなく、被覆剤組成物の原料として用いうる。
本発明で用いられる多官能ウレタン(メタ)アクリレートとは、被覆剤組成物の原料として用い得るものであり、1分子中に2個以上のアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有する化合物のオリゴマーを意味する。一般的にその分子量は10000以下である。
(メタ)アクリロイルモルフォリンとはアクリロイルモルフォリン若しくはメタクリロイルモルフォリンを意味する。
本発明は嫌気性下において多官能ウレタン(メタ)アクリレート中の有機錫化合物と(メタ)アクリロイルモルフォリンとが共存することで発生する重合を防止することにある。重合の起因とされる有機錫化合物は多官能ウレタン(メタ)アクリレートのウレタン化触媒として用いられるものであり、錫を含有する化合物が該当する。具体的には、カルボン酸の第一錫塩である、オクタン酸錫、オレイン酸錫、酢酸錫及びラウリン酸錫、ジアルキル錫ジカルボキシレートであるジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジラウリル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジアルキル錫スルフィドである、ジブチル錫スルフィドなどである。
本発明で用いられるラジカル重合禁止剤は、(メタ)アクリロイルモルフォリンと有機錫化合物との共存下において発生するラジカル活性種に対して重合禁止効果に優れるN−オキシルラジカル化合物で、2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、さらに2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させ1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物も含まれる。具体的には、2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキサミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−1−オキシル)コハク酸エステル、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイトなどが、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類には2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシルなどである。その他のラジカル重合禁止剤としてガルビノキシル・フリーラジカルにも同様の効果が認められる。
本発明では、前記の重合禁止剤と併せて、1分子中に1個以上のカルボン酸を有する化合物を添加することができる。当該化合物は具体的には、モノ−カルボン酸である、アクリル酸、オクチル酸、ジ−カルボン酸である、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、トリ−カルボン酸であるクエン酸などである。
このような化合物を添加することにより、錫化合物存在下に(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合しても、白濁といった外観悪化を起こすことなく、長期安定である。その理由は定かではないが、カルボン酸骨格を有する化合物を共存させた場合、活性種に対してカルボン酸の配位が起こり、金属捕捉剤として選択的に白濁を抑制する効果を発現していると考えられる。
本発明で用いられるラジカル重合禁止剤の含有量は、(メタ)アクリロイルモルフォリンに対して1ppm〜1500ppm、望ましくは5ppm〜100ppmの範囲が好ましいが、この限りではない。添加量が1ppmより少ないと重合禁止効果が発現できず、一方、1500ppmより多すぎても重合禁止剤という性質上過剰効果は期待できず、コスト的に不利になるばかりでなく、被覆剤組成物への着色の問題が出やすくなるので好ましくない。又、併用するカルボン酸化合物の含有量は(メタ)アクリロイルモルフォリンに対して1000ppm〜10000ppm、望ましくは2000ppm〜5000ppmの範囲が好ましいが、この限りではない。一般的に、多官能ウレタン(メタ)アクリレート中の有機錫化合物は反応促進の観点から、50ppm〜1000ppm程度含有している。この有機錫化合物に対して2倍〜3倍当量になるようにカルボン酸化合物を添加する方が望ましい。
以上の如く、本発明の重合防止方法は嫌気性下において多官能ウレタン(メタ)アクリレート中の有機錫化合物と(メタ)アクリロイルモルフォリンとが共存することで発生する重合を防止するために2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類を添加するものであり、さらに、白濁を抑制するためにカルボン酸化合物を添加することである。
以下実施例により更に具体的に説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<加熱安定性試験>
1000ppmメトキノン含有のアクリロイルモルフォリン50gをガラス製の50mL遮光瓶に入れ、熱伝対を液中に挿入し、ガラス製のキャピラリー管にて溶存酸素の影響が無くなる様に、加熱試験の間中、窒素150mL/分の流量でバブリング通気した。60℃に加熱したオイルバスに遮光瓶を浸積させ、内温を60℃に制御して24時間後の重合評価、外観評価を実施した。
なお、試験温度60℃については、実際の多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合する際の混合温度を想定して試験を実施した。
<重合性評価>
アクリロイルモルフォリンをベースとするポリマーはメタノールに不溶であるため重合性評価を簡易に行うため以下の方法にて評価する。50mLガラス製ビーカーに加熱試験後の試料5gを秤取り、その3倍量のメタノール15gを加える。マグネチックスターラーにて3分かくはんして透過率(T%)を測定する。透過率測定には島津製作所製分光光度計(UV−1700型)を用い、測定波長;800nm、対照液;メタノール、UVセル;石英(10mm)の条件にて測定する。重合性評価の判断基準として、透過率100%=重合無し、透過率の低下=重合の発生と判断する。
<外観評価>
加熱試験後の試料を20mLガラス製サンプル瓶に10g秤取り、次の基準で外観を評価する。透明:目視で不溶解分が確認できないことを意味する。白濁:目視にて不溶解分が確認できることを意味する。
実施例1:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてクエン酸700ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例2:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてクエン酸700ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例3:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤としてガルビノキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてクエン酸700ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例4:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてオクチル酸1500ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例5:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてコハク酸500ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例6:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてセバシン酸1000ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例7:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物としてアクリル酸800ppm(錫原子に対して2倍当量)添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
実施例8:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル10ppm添加、カルボン酸化合物を添加しないものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
比較例1:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、カルボン酸化合物を添加せず加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
比較例2:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤としてフェノチアジン1500ppm添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
比較例3:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤としてヒドロキノン1500ppm添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
比較例4:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール1500ppm添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
比較例5:
ジブチル錫ジラウレート500ppm含有するアクリロイルモルフォリンに対し、ラジカル重合禁止剤としてジラウリルチオジプロピオネート10ppm添加したものを加熱試験し、重合性評価、外観評価を実施した。結果を表1に記載した。
表1に示されるとおり、アクリロイルモルフォリンは有機錫化合物存在下で重合しやすく、その重合を防止する効果がある化合物は、2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類とその類縁化合物、又はガルビノキシル類であり、それ以外の重合禁止剤は十分な効果を示さなかった。また、カルボン酸化合物を添加しないものは白濁したが、添加したものは白濁しなかった。
これらのことから、有機錫化合物存在下でも、アクリロイルモルフォリン単独または多官能ウレタン(メタ)アクリレートとの混合物で、重合や白濁なく、長期間安定保存できることが見出された。
本発明は、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンを混合した被覆剤組成物が品質劣化を起こさず、長期間安定に貯蔵するのに有用である。そのため、建築物やその素材に塗布する被覆剤の調製を簡便にすることができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと(メタ)アクリロイルモルフォリンが配合され、重合禁止剤を含有する被覆剤組成物であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物。
  2. 請求項1記載の被覆剤組成物であって、さらにカルボン酸化合物を含有することを特徴とする、被覆剤組成物。
  3. 重合禁止剤を含有する(メタ)アクリロイルモルフォリンからなる、多官能ウレタン(メタ)アクリレート用の希釈剤であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする希釈剤。
  4. 請求項3記載の希釈剤であって、さらにカルボン酸化合物を含有することを特徴とする希釈剤。
  5. 少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイルモルフォリンとを混合してなる被覆剤組成物において、その混合の前または後で重合禁止剤を添加することによる該被覆剤組成物の保存安定化方法であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物の保存安定化方法。
  6. 少なくとも、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリロイルモルフォリンとを混合してなる被覆剤組成物において、その混合の前または後で重合禁止剤およびカルボン酸化合物を添加することによる該被覆剤組成物の保存安定化方法であって、前記重合禁止剤が2,2,6,6−テトラメチル−1−オキシル類、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル類、2塩基酸などで複数の2,2,6,6−ピペリジン−1−オキシル類や2,2,5,5−ピロリジン−N−オキシル類分子を連結させた1分子内に複数のN−オキシル基が存在する化合物、又はガルビノキシル類であることを特徴とする、被覆剤組成物の保存安定化方法。
  7. 前記重合禁止剤が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−カルボキサミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−1−オキシル)コハク酸エステル、トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、ガルビノキシルから選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項5または6に記載の被覆剤組成物の保存安定化方法。
  8. 前記カルボン酸化合物が、オクチル酸、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クエン酸、アクリル酸から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものである、請求項6に記載の被覆剤組成物の保存安定化方法。
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