JP4775764B2 - 重合性不飽和樹脂用硬化促進剤及び重合性不飽和樹脂組成物 - Google Patents

重合性不飽和樹脂用硬化促進剤及び重合性不飽和樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性不飽和樹脂の硬化に用いられる硬化促進剤、それを用いた重合性不飽和樹脂組成物、及び該組成物の硬化方法に関する。
不飽和ポリエステル樹脂等の重合性不飽和樹脂は、有機過酸化物等の硬化剤と有機酸金属塩等の硬化促進剤を併用して硬化させる硬化性材料として、広く利用されている。例えば、ガラス繊維強化材を用いる強化プラスチックの材料として、浴槽、浄化槽、漁船、ヨット、ボート、タンク、パイプ等に、また、ガラス繊維強化材を用いない材料として、塗料、ライニング、注型品、化粧版、積層板等に広く利用されている。
不飽和ポリエステル樹脂等の重合性不飽和樹脂を常温又は中温硬化させる一般的な硬化系として、例えば、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイドやアセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類又はクメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等の有機過酸化物、及び、硬化促進剤としてナフテン酸コバルト等の有機酸金属塩を併用する方法のほか、硬化剤としてベンゾイルパーオキサイドと硬化促進剤としてN,N−ジメチルアニリン等の芳香族3級アミン類を併用する硬化系があるが、有機過酸化物と有機酸金属塩を併用する硬化系、特にメチルエチルケトンパーオキサイドとナフテン酸コバルトを併用する硬化系が、最も多く用いられている。しかしながら、この有機過酸化物と有機酸金属塩を併用する硬化系により不飽和ポリエステル樹脂等の重合性不飽和樹脂を硬化させると、冬季に硬化時間が極端に長くなって生産性が著しく悪化する問題がある。
この問題の解決策として、硬化剤と硬化促進剤を併用する硬化系において、硬化促進剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール等のヒドロキシ基を2〜3個有するポリアルコール、又は酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム等の有機酸アルカリ塩を用いる方法が提案されている(特開2003−12740)。しかしながら、この方法による硬化促進性の改良は必ずしも満足できるレベルのものではなく、生産性向上の観点から、より強い硬化促進性を有する硬化促進剤とそのような硬化促進剤を用いた重合性不飽和樹脂組成物が求められている。
特開2003−12740号公報
本発明は、上記事情に鑑みて発明されたものであり、その目的は、不飽和ポリエステル樹脂等の重合性不飽和樹脂に硬化剤と硬化促進剤を併用した硬化系における硬化促進剤として、従来のコバルト系有機酸金属塩と同等又はそれ以上の硬化促進性を有する硬化促進剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような硬化促進剤を含有し、外気温度の低い冬季においても短時間で硬化し生産性を高めることのできる重合性不飽和樹脂組成物を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、硬化剤とそのような硬化促進剤を用いて重合性不飽和樹脂組成物を硬化させる方法を提供することにある。
本発明者らは、有機酸金属塩の分子中に2種又はそれ以上の異種金属を導入することにより硬化促進剤としての効果を高める発想のもとで、複数の異種金属を含む各種有機酸金属塩について、硬化剤と硬化促進剤を併用した硬化系における重合性不飽和樹脂に対する硬化促進性を検討した結果、コバルトとホウ素の2種の金属を分子内に含む有機酸コバルトホウ素金属塩が非常に優れた硬化促進性を有するとの知見を見出した。本発明はこの知見に基づいて発明されたものである。
すなわち、本発明は、有機酸コバルトホウ素金属塩からなる重合性不飽和樹脂用硬化促進剤を提供する。
更に、本発明は、重合性不飽和樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含有する重合性不飽和樹脂組成物において、硬化促進剤が有機酸コバルトホウ素金属塩である重合性不飽和樹脂組成物を提供する。
更にまた、本発明は、硬化剤と硬化促進剤としての有機酸コバルトホウ素金属塩を用いて、重合性不飽和樹脂組成物を硬化させる方法を提供する。
本発明の硬化促進剤は、重合性不飽和樹脂の硬化促進剤として、従来最も多く用いられているコバルト系硬化促進剤と同等又はそれ以上の硬化促進性を有し、重合性不飽和樹脂の硬化速度を速めることができる。
また、本発明の重合性不飽和樹脂組成物及び該組成物の硬化方法によれば、そのような強い硬化促進性を有する硬化促進剤を使用するため、外気温度の低い冬季においても短時間で組成物を硬化させ生産性を高めることができる。
本発明で用いる有機酸コバルトホウ素金属塩は、分子中の金属原子として、コバルトとホウ素の2種の金属を含有する。これら有機酸金属塩の原料となる有機酸としては、従来から硬化促進剤の一般的原料として用いられている有機酸を特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、プロピオン酸、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、桐油酸、亜麻仁油酸、大豆油酸、樹脂酸等の有機酸を使用することができるが、優れた乾燥促進効果が得られる点から、炭素原子数3〜12の脂肪族モノカルボン酸を用いることが好ましく、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸を用いることがより好ましい。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明で使用する有機酸コバルトホウ素金属塩は、その好適例として、一般式(1)
B(OCoR) (1)
(式中、Rは有機酸基を表し、分子中の3つのRは同一でもよく又は異なっていてもよい。)
で表される有機酸金属塩を包含する。
一般式(1)中、有機酸基Rは、例えばプロピオン酸、オクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸、桐油酸、亜麻仁油酸、大豆油酸、樹脂酸等の有機酸のカルボキシレート基であり、好ましくは炭素原子数3〜12の脂肪族モノカルボン酸のカルボキシレート基であり、より好ましくはオクチル酸、ナフテン酸、ネオデカン酸のカルボキシレート基である。
本発明で使用する有機酸コバルトホウ素金属塩と従来の硬化促進剤である有機酸コバルト金属塩を併用する場合、厚膜での硬化性に優れるので、その併用が好ましい。また、有機酸コバルトホウ素金属塩を単独で使用する場合、硬化促進効果に優れる低価格の硬化促進剤が得られるので、その使用が特に好ましい。
本発明で使用する有機酸コバルトホウ素金属塩の化合物は特公昭63−63551号公報にゴム密着性促進剤として開示されているので、その化合物自体は公知のものであるが、本発明の特徴は、有機酸コバルトホウ素金属塩を重合性不飽和樹脂用硬化促進剤として応用する点にある。
有機酸コバルトホウ素金属塩の製造方法は、特に限定されないが、目的とする有機酸金属塩が効率的に得られる点から、例えば、特公昭63−63551号公報に記載されている次の方法で製造することが好ましい。
まず、炭素原子数3〜12のカルボン酸と、酢酸又はプロピオン酸との混合物にコバルト又はその水和物、水酸化物、炭酸塩等のコバルト化合物を加えた後、通常40℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃で反応させる。ここで使用するコバルト又はコバルト化合物と、カルボン酸と、酢酸又はプロピオン酸の混合物とのモル比(カルボン酸と酢酸又はプロピオン酸の混合物/コバルト又はコバルト化合物のモル比)は、通常1.0〜4.0、好ましくは1.5〜2.5である。また、酢酸よりプロピオン酸を使用する方が次工程の反応が穏やかに進行するので好ましい。
次いで、得られたカルボン酸コバルト塩に有機ホウ素化合物を加え通常100℃〜250℃、好ましくは150℃〜230℃の温度で反応させ、副生する揮発性のエステルを常圧又は減圧下で、留去又は除去することにより、目的とする有機酸コバルトホウ素金属塩を得ることができる。カルボン酸コバルト塩と有機ホウ素化合物とのモル比(カルボン酸コバルト塩/有機ホウ素化合物のモル比)は、通常2.0〜7.0、好ましくは2.5〜5.5である。ここで使用する有機ホウ素化合物としては、例えば、アルキル又はアルキルオルトボレート、具体的にはn−ブチルオルトボレート又はメタボレートが好ましい。
上記反応において、反応混合物が反応途中で固化したり粘性が高くなったりした場合、有機溶剤を添加してもよく、また、有機溶剤存在下において上記反応を行ってもよい。このとき用いる有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、原料及び生成物に対して不活性なものであれば種々のものを使用することができるが、溶解性が良好で、且つ樹脂に添加した場合に除去する必要がなく、生産工程が簡略できる点から、重合性不飽和樹脂の溶解剤として通常用いられる溶剤又は共重合性モノマーを用いることが好ましい。
上記のようにして得られる有機酸コバルトホウ素金属塩は、未反応物や副生成物を含有した反応混合物であって、該反応混合物から目的とする有機酸金属塩のみを取り出すことは通常困難であり、また、生産性の上からも効率的ではない。しかしながら、得られる反応混合物をそのまま硬化促進剤として使用する場合、有機酸金属塩の製造方法によっては、目的とする十分な硬化促進効果が得られない場合も生じる可能性がある。上記のような観点から検討を試みたところ、本発明で使用する有機酸コバルトホウ素金属塩は、水で抽出されるホウ素の含有率が0.06重量%以下である。尚、このホウ素の含有率は、以下のようにして求めた値である。まず、反応混合物である有機金属塩10gを0.1mg単位まで精秤し、試薬特級トルエン300mlに溶解させた。この溶液に精秤した蒸留水100mlを加え、25℃で1.5分間攪拌した後、分液ロートに移し、30分間静置後、水層を採取した。採取した水層より5mlを精秤し、100mlのメスフラスコに移し、蒸留水でメスアップ(100mlにする)し、原子吸光測定用試料を作製した。原子吸光による定量は、ホウ素の原子吸光用標準溶液により検量線を予め作成して求めた。水で抽出されるホウ素の含有率が上記含有量のように低いということは、得られた反応混合物の中のホウ素の実質的全部が有機酸金属塩の分子内原子として存在していること、すなわち、反応混合物の中のホウ素の実質的全部が樹脂の硬化促進作用に関与することを意味する。上記方法で製造される本発明の硬化促進剤は、水で抽出されるホウ素の含有率が低いため、優れた硬化促進性を有する。
本発明の硬化促進剤は、そのまま手を加えることなく使用できるが、重合性不飽和樹脂に添加する前に、予め樹脂の溶解剤として通常用いられる溶剤又は共重合性モノマーで溶解しておくことが、取扱容易性と均一混合性の点から好ましい。溶剤又は共重合モノマーとしては、有機酸コバルトホウ素金属塩を均一に溶解でき、且つ有機酸コバルトホウ素金属塩に対して不活性で重合性不飽和樹脂を溶解するものであればなんら制限されるものではないが、例えばベンゼン、トルエン、スチレン等を使用することができる。
前記硬化促進剤を溶解する場合、コバルト金属含有率、又は、ホウ素原子含有率に制限はなく、任意の割合のものを用いることができる。
本発明の重合性不飽和樹脂組成物は、重合性不飽和樹脂、硬化剤及び硬化促進剤としての有機酸コバルトホウ素金属塩を含有する。本発明で使用する重合性不飽和樹脂としては、例えば、次に述べる不飽和ポリエステル樹脂(a)、エポキシ(メタ)アクリレート(b)、ウレタン(メタ)アクリレート(c)、不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート(d)、又は重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマー(e)を使用することができる。
不飽和ポリエステル樹脂(a)としては、例えば、不飽和二塩基酸を含む多塩基酸成分と多価アルコール成分をエステル化反応させて得られる不飽和ポリエステルを使用することができる。
不飽和ポリエステルの原料となる多塩基酸成分は不飽和二塩基酸のほか、飽和多塩基酸を含んでいてもよい。不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等のα,β−不飽和二塩基酸やジヒドロムコン酸等のβ,γ−不飽和二塩基酸を使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。これらの中でもマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸が容易に入手できることから好ましい。
飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4'−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸類;トリメット酸、ピロメリット酸等の三官能以上の芳香族多塩基酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、ドデカン二酸等の脂肪族二塩基酸類;テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘット酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環式二塩基酸類;それらエステル類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、4,5−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、水素化ビスフェノ-ルA、水素化ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)との付加物、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)との付加物、水素化ビスフェノールF、水素化ビスフェノ−ルFのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)との付加物、ビスフェノ−ルFのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)との付加物、エチレングリコ−ルカ−ボネ−ト等の2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール類;ペンタエリスリトール等の4価アルコール類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。また、不飽和ポリエステルの末端封鎖のために、ベンジルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール等の1価アルコールも使用することができる。
酸成分と多価アルコール成分の反応は、公知の方法で主に縮合反応を進めることにより行われ、両成分が反応する際に生ずる水等の低分子を系外へ脱離して進行させる。酸成分と多価アルコールとの反応割合には特に制限はない。
本発明で使用するエポキシ(メタ)アクリレート(b)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂の1種又は2種以上と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるものを使用することができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAエチレンオキシド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール・ノボラック又はクレゾール・ノボラックと、エピクロルヒドリン又はメルエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、平均エポキシ当量150〜450のものが好ましい。
エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応は、好ましくは、60〜140℃、より好ましくは、80〜120℃の温度で、エステル化触媒を用いて行われる。エステル化触媒としては、公知慣用のものを使用することができるが、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジアザビシクロオクタン等の3級アミン類;又はジエチルアミン塩酸塩等を使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、好ましくは、450〜2,500、より好ましくは500〜2,200である。分子量が450よりも小さい場合には、得られる硬化物に粘着性が生じたり、強度物性が低下し、一方、2,500よりも大きい場合には、硬化時間が長くなり、生産性が低下する。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、ポリイソシアネート成分とポリオール成分と水酸基含有(メタ)アクリル化合物を反応させて得られるものを使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるポリオール成分としては、例えば、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等のポリエーテルポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。「バーノックDー750」(大日本インキ化学工業社製、商品名)、「クリスボンNX」(同社製、商品名)、「デスモジュールL」(住友バイエル社製、商品名)、「コロネートL」(日本ポリウレタン社製、商品名)、「タケネートD102」(武田薬品社製、商品名)、「イソネート143L」(三菱化学社製、商品名)等のポリイソシアネートを使用することもできる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。上記ポリイソシアネートのうちジイソシアネート、特に2,4−トリレンジイソシアネートが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物、カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物等のエポキサイドと(メタ)アクリル酸との付加物類;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
上記水酸基含有(メタ)アクリル化合物の一部を、水酸基含有アリールエーテル、高級アルコール等の化合物で置換してもよい。
水酸基含有アリールエーテルとしては、公知慣用のものを使用することができるが、例えば、エチレングリコールモノアリールエーテル、ジエチレングリコールモノアリールエーテル、トリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、プロピレングリコールモノアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノアリールエーテル、トリプロピレングリコールモノアリールエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリールエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリールエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリールエーテル、ヘキシレングリコールモノアリールエーテル、オクチレングリコールモノアリールエーテル、トリメチロールプロパンジアリールエーテル、グリセリンジアリールエーテル、ペンタエリスリトールトリアリールエーテル等の多価アルコールのアリールエーテル化合物が挙げられる。中でも水酸基を1個有するアリールエーテル化合物が好ましい。
高級アルコールとしては、公知慣用のものを使用することができるが、例えば、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
本発明で使用するウレタン(メタ)アクリレート(c)の製造は、例えば、先ずポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、好ましくは数平均分子量500〜30000、より好ましくは700〜5000になるようにNCO/OH=2〜1.5で反応させて末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを生成し、次いでそれに水酸基含有(メタ)アクリル化合物を該プレポリマーのイソシアネート基に対して水酸基が略等当量となるように反応させることにより行うことができる。また、別の製造方法として、まず水酸基含有(メタ)アクリル化合物とポリイソシアネート成分を反応させ、次いで得られたイソシアネート基含有(メタ)アクリル化合物とポリオール成分を反応させて、好ましくは数平均分子量500〜30000、より好ましくは700〜5000のウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。
本発明で使用する不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート(d)としては、例えば、前記不飽和ポリエステル(a)と同様にして、末端にカルボキシル基及び/又は水酸基を有する不飽和ポリエステルを合成し、該ポリエステルの末端カルボキシル基にエポキシ基含有(メタ)アクリル化合物を反応させるか、又は該ポリエステルの末端水酸基にイソシアネート基含有(メタ)アクリル化合物もしくは(メタ)アクリル酸又はその無水物を反応させて得られるものが挙げられる。
不飽和ポリエステルの末端カルボキシル基にメタクリル酸グリシジルエーテル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル化合物を付加させ方法は、例えば、第4級アンモニウム塩、金属セッケン、各種アミン等のエステル化触媒の存在下に、60〜200℃で0.5〜4時間反応させることにより行うことができる。付加反応には、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解した後にエポキシ基含有(メタ)アクリル化合物を付加させる方法と、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解させる前にエポキシ基含有(メタ)アクリル化合物を付加させる方法があるが、どちらの方法を採用してもよい。
不飽和ポリエステルの末端水酸基にイソシアネート基含有(メタ)アクリル化合物を付加させる方法は、例えば、必要に応じて反応触媒の存在下に、60〜200℃で0.5〜8時間反応させることにより行うことができる。この付加反応には、不飽和ポリエステルにジイソシアネートを付加させた後に水酸基含有(メタ)アクリル化合物を反応させる方法、ジイソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリル化合物の付加物であるハーフウレタンを不飽和ポリエステルに付加させる方法、イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーを不飽和ポリエステルに付加させる方法等があるが、いずれの方法を採用してもよい。付加反応には、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解した後、イソシアネート基含有(メタ)アクリル化合物を付加させる方法と、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解させる前にイソシアネート基含有(メタ)アクリル化合物を付加させる方法があるが、どちらの方法を採用してもよい。イソシアネート基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、イソシアネート(メタ)アクリレート、イソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート(「カレンズMOI」昭和電工社製、商品名)等を使用することができる。
不飽和ポリエステルの末端水酸基に(メタ)アクリル酸又はジ(メタ)アクリル酸無水物を反応させる方法は、例えば、公知のエステル化又はエステル交換触媒を用いて、60〜200℃で0.5〜4時間反応させることにより行うことができる。この反応には、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解した後、(メタ)アクリル酸又はその酸無水物を反応させる方法と、不飽和ポリエステルを重合性モノマーに溶解させる前に(メタ)アクリル酸又はその無水物を反応させる方法があるが、どちらの方法を採用してもよい。
本発明で使用する重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマー(e)としては、例えば、分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有する樹脂で、重合性不飽和結合基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリール基から選ばれた少なくとも1種である樹脂を使用することができる。
本発明で使用する(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーは、例えば、メルカプト酢酸などの連鎖移動剤存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合して得られる末端にカルボキシル基を有するプレポリマー(以下、「末端カルボキシル基含有プレポリマー」という。)に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させることにより製造することができる。
本発明で使用するスチリル基を有するマクロモノマーは、例えば末端カルボキシル基含有プレポリマーの該カルボキシル基を中和し、次いで該プレポリマーとクロロメチルスチレンを反応させることにより製造することができる。
本発明で使用するアリール基を有するマクロモノマーは、例えば、末端カルボキシル基含有プレポリマーにアリールグリシジルエーテル等を反応させることにより製造することができる。
マクロモノマー(e)の数平均分子量は、重合系に添加する連鎖移動剤および重合開始剤等の量を適宜選択することにより定められ、数平均分子量は1000〜40000、より好ましくは2000〜25000である。なお、本発明における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
マクロモノマー(e)の製造には溶液重合法、バルク重合法及び懸濁重合法のいずれをも採用できるが、好ましくは懸濁重合法である。
重合開始剤としては、通常のアゾ系開始剤や過酸化物系開始剤を使用することができるが、メルカプタン化合物との反応を避けるためにアゾ系開始剤が好ましい。アゾ系開始剤としては,例えば、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシド、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等のカルボキシル基を有するメルカプタン系連鎖移動剤;チオエタノール、チオプロパノール等の水酸基を有する連鎖移動剤を使用することができる。
末端カルボキシル基含有プレポリマーと(メタ)アクリロイル基、アリール基又はスチリル基を有する化合物との反応には溶液重合法、バルク重合法のいずれも採用できるが、溶液重合法の場合は、懸濁重合でプレポリマーを合成した後、溶剤中でこのプレポリマーに前記重合性モノマーを反応させるのが好ましい。バルク重合法の場合は、懸濁重合法でプレポリマーを合成した後、混練機などを使用して、加熱溶融状態でこのプレポリマーに前記重合性モノマーを反応させるのが好ましい。いずれの場合も、テトラブチルホスホニウムブロミドの如き反応触媒を使用することができる。
マクロモノマー(e)として、「マクロモノマーAA−6」、「マクロモノマーAS−6」、「マクロモノマーAN−6」(いずれも、東亞合成化学工業社製、商品名)を使用することができる。
以上述べた重合性不飽和樹脂は、通常は、共重合性モノマーで溶解された液状樹脂として使用される。共重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー類;、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート等の1官能性の(メタ)アクリレート系モノマー類;ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の2官能性以上の(メタ)アクリレート系モノマー類が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
本発明で使用する硬化剤としては、有機過酸化物、例えば、メチルイソプロピルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1−ジメチルブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−アミルパーオキシー2−エチルヘキシルカーボネート、1,1−ジメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキシルカーボネート、1,1,2−トリメチルパーオキシプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシー2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシモノカーボネート類;o−ジイソプロピルベンゼンモノヒドロパーオキサイド、m−ジイソプロピルベンゼンモノヒドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンモノヒドロパーオキサイド、o−ジイソプロピルベンゼンジヒドロパーオキサイド、m−ジイソプロピルベンゼンジヒドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンジヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類が挙げられる。
本発明の重合性不飽和樹脂組成物を硬化させる際に使用する硬化剤及び硬化促進剤の有機酸コバルトホウ素金属塩の使用量は、使用する重合性不飽和樹脂や該樹脂を溶解させる共重合性モノマーの種類や硬化温度及び所望する可使時間や硬化度等によって異なるが、重合性不飽和樹脂と共重合性モノマーの合計量に対して、硬化剤の使用量は好ましくは0.01〜7重量%、より好ましくは0.04〜5重量%であり、硬化促進剤である有機酸コバルトホウ素金属塩の使用量は金属分として好ましくは0.002〜0.6重量%であり、さらに好ましくは0.008〜0.4重量%である。
本発明の重合性不飽和樹脂組成物は、各種添加剤、例えば、重合禁止剤、充填剤、繊維強化材、顔料、紫外線吸収剤、低収縮剤、老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤等を必要に応じて配合してもよい。
重合禁止剤としては、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は通常樹脂組成物に対して10〜1000ppmである。
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、セッコウ、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの充填材は、作業性や得られる成形品の強度、外観、経済性などを考慮して選ばれるが、通常炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム、シリカ、タルク等がよく用いられる。
繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、金属繊維等、公知の繊維強化剤を使用することができる。繊維強化剤の使用量は、重合性不飽和樹脂と該樹脂を溶解する共重合性モノマーの合計量の100重量部に対して好ましくは1〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部である。繊維強化材の形態としては、例えば、サーフェイスマット、チョップドストランドマット、ロービングクロス、短繊維等のものを使用することができる。
その他各種添加剤としては、粘度調節剤、チキソ剤、チキソ助剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤等を使用することができる。
本発明の重合性不飽和樹脂組成物には、粘度調整用として溶剤が添加されることもある。その溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
本発明の重合性不飽和樹脂組成物は、被覆材、FRP成形品、レジンコンクリート、パテ、注型品等の材料として有用である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。なお、例中の「部」及び「%」はすべて重量基準のものである。
<合成例>
合成例1(ネオデカン酸コバルトホウ素金属塩の合成)
ネオデカン酸3モル、プロピオン酸3.1モルの混合物に水酸化コバルト3モルを添加し、その後190℃にて反応させ、6モルの水が生成留去するまで加熱を続けた。生成したコバルトのプロピオン酸塩にホウ酸n−ブチル1モルを添加し、220℃まで昇温して、生成留去するプロピオン酸ブチルが3モルになるまで加熱を続けることによって、目的とするネオデカン酸コバルトホウ素金属塩(A1)を得た。得られたネオデカン酸コバルトホウ素金属塩(A1)の水で抽出されるホウ素の含有率(測定方法は、本文中に記載)は0.04重量%であり、コバルト含有率は22重量%であった。
合成例2(不飽和ポリエステル樹脂の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2Lの4つ口フラスコにプロピレングリコール353部、イソフタル酸249部、フマル酸348部を仕込み、210℃まで昇温し、エステル化反応を行い、14時間反応後、スチレンモノマー774部、ハイドロキノン0.04部を加え、樹脂分55.0%、酸価17の不飽和ポリエステル樹脂組成物(R1)を得た。
合成例3(ウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2Lの4つ口フラスコに数平均分子量400のPPG1.8モルを仕込み、トリレンジイソシアネート3.6モル(626.4g)加え発熱を抑制しながら80℃で5時間反応した。NCO当量が理論値とほぼ同じ374となり安定した後に40℃迄冷却し、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.7モル(481g)加え、空気雰囲気下90℃で7時間反応させた。NCO%が0.1重量%以下となった後、ハイドロキノン0.067部とターシャルブチルカテコール0.033部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート466gを添加し均一に溶解し、アクリルウレタン樹脂組成物(R2)を得た。
合成例4(エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量が185の「エピクロン850」〔大日本インキ化学工業社製、エポキシ樹脂〕1850g、メタクリル酸860g、ハイドロキノン1.36g及びトリエチルアミン10.8gを仕込んで120℃まで昇温させ、同温度で10時間反応を続けて、酸価3.5、色数2の液状エポキシメタアクリレートを得た。これを2−ヒドロキシエチルメタクリレート1459gに均一溶解し、エポキシメタアクリレート樹脂組成物(R3)を得た。
実施例1〜3、及び比較例1〜2
合成例1で得られた金属塩、及び「Co−NAPHTHENATE 6%」、「DICNATE 5000」(いずれも大日本インキ化学工業社製、商品名)を用いて、表1に記載の配合比で硬化促進剤を調整した。なお、「Co−NAPHTHENATE 6%」は、ナフテン酸コバルト塩のミネラルスピリット溶液であり、コバルト金属含有量が6%であり、DICNATE 5000は、ネオデカン酸コバルトの無溶液品で、コバルト金属含有量が14%である。
Figure 0004775764
実施例4〜8、及び比較例3〜6
合成例2〜4で得られた樹脂組成物(R1)〜(R3)に、硬化剤のメチルエチルケトンパーオキサイド(日本油脂社製、「パーメックN」)、及び実施例1〜3と比較例1〜2で得られた硬化促進剤を表2に示す割合で混合し、硬化させた。
Figure 0004775764
表2の脚注
ゲルタイム経時変化 :条件 25℃、室温静値
Figure 0004775764
表3の脚注
ゲルタイム :条件 25℃
表2、表3の結果から、本発明の硬化促進剤のネオデカン酸コバルトホウ素金属塩(A1)は、比較例のナフテン酸コバルトよりも、重合性不飽和樹脂組成物の硬化時間を大幅に短縮できる優れた硬化促進性を示すことが理解できるであろう。

Claims (12)

  1. 有機酸コバルトホウ素金属塩からなることを特徴とする重合性不飽和樹脂用硬化促進剤。
  2. 前記有機酸コバルトホウ素金属塩が、一般式(1)
    B(OCoR) (1)
    (式中、Rは有機酸基を表し、分子中の3つのRは同一でもよく又は異なっていてもよい。)
    で表される有機酸金属塩である、請求項1に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤。
  3. 前記有機酸コバルトホウ素金属塩が、一般式(1)
    B(OCoR) (1)
    (式中、Rは炭素原子数3〜12の脂肪族モノカルボン酸のカルボキシレート基を表し、分子中の3つのRは同一でもよく又は異なっていてもよい。)で表される有機酸金属塩である、請求項1に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤。
  4. 前記有機酸コバルトホウ素金属塩が、一般式(1)
    B(OCoR) (1)
    (式中、Rはプロピオン酸、オクチル酸、ナフテン酸、又はネオデカン酸のカルボキシレート基を表し、分子中の3つのRは同一でもよく又は異なっていてもよい。)で表される有機酸金属塩である、請求項1に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤。
  5. 更に有機酸コバルト金属塩を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤。
  6. 重合性不飽和樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有する重合性不飽和樹脂組成物において、該硬化促進剤が請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤であることを特徴とする重合性不飽和樹脂組成物。
  7. 前記重合性不飽和樹脂が、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート、及び重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマーからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の重合性不飽和樹脂組成物。
  8. 前記硬化剤が有機過酸化物である、請求項6又は7に記載の重合性不飽和樹脂組成物。
  9. 硬化剤と硬化促進剤を用いて重合性不飽和樹脂組成物を硬化させる方法において、該硬化促進剤として請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合性不飽和樹脂用硬化促進剤を用いることを特徴とする重合性不飽和樹脂組成物の硬化方法。
  10. 前記重合性不飽和樹脂が、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート、及び重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマーからなる群から選ばれた少なくとも1種である、請求項9に記載の重合性不飽和樹脂組成物の硬化方法。
  11. 前記硬化剤が有機過酸化物である、請求項9又は10に記載の重合性不飽和樹脂組成物の硬化方法。
  12. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の重合性不飽和樹脂組成物の硬化物からなることを特徴とする成型物。
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