JP6588282B2 - パテ用樹脂組成物及びそれを用いたパテ - Google Patents

パテ用樹脂組成物及びそれを用いたパテ Download PDF

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Description

本発明は、低収縮性及び研磨性に優れるパテ用樹脂組成物及びそれを用いたパテに関する。
従来、自動車や車両用の被覆材パテとして、硬化性、乾燥性、研磨性、接着性等の面で不飽和ポリエステル樹脂系が広く利用されている。しかしながら、かかるパテはラジカル硬化であるため、硬化時に硬化収縮が発生し、基材のソリ、パテ跡、パテ接合部の凹み、パテ接着不良等の諸問題が発生しやすいという欠点があり、低収縮性に優れるパテ用樹脂の要求が強くなってきている。
低収縮化パテ用樹脂組成物として、ラジカル共重合性不飽和樹脂、低収縮化剤としての付加重合系高分子化合物及び相溶化剤を含有することを特徴とするパテ用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この樹脂組成物は、低収縮性は良好であるが、パテの研磨性に問題があり、低収縮性と研磨性の両立できる樹脂ができていない。
そこで、低収縮性と研磨性が両立できるパテ用樹脂組成物が求められていた。
特開2002−322423号公報
本発明が解決しようとする課題は、低収縮性及び研磨性に優れるパテ用樹脂組成物及びそれを用いたパテを提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の不飽和ポリエステル、エチレン性不飽和単量体及びジアリルフタレートプレポリマーを含有する樹脂組成物は、低収縮性と研磨性に両立できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、脂環式構造を持つ空乾性付与型不飽和ポリエステル(A)、エチレン性不飽和単量体(B)及びジアリルフタレートプレポリマー(C)を含有することを特徴とするパテ用樹脂組成物及びパテを提供するものである。
本発明のパテ用樹脂組成物は、低収縮性と研磨性が両立した材料である。したがって、本発明のパテ用樹脂組成物は、自動車、電車等の車両の補修用パテ、スチール家具用プライマー、建築物の目地部分、サッシまわり、ガラスのはめ込み部分等のシーリング材として有用であり、その他、接着剤、塗料にも用いることができる。
本発明のパテ用樹脂組成物は、脂環式構造を持つ空乾性付与型不飽和ポリエステル(A)、エチレン性不飽和単量体(B)及びジアリルフタレートプレポリマー(C)を含有するものである。
前記不飽和ポリエステル(A)は、多塩基酸と多価アルコールとを反応させたものである。また、前記不飽和ポリエステル(A)に脂環式構造及び空乾性を付与するため、その原料として脂環式構造を持つ空乾性原料を用いる。脂環式構造を持つ空乾性原料として、環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体、ジシクロペンタジエン、ヒドロキシジシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンマレート(ジシクロペンタジエンとマレイン酸とのモノエステル)等が挙げられる。環状脂肪族不飽和多塩基酸及びその誘導体としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、α−テルピネン・無水マレイン酸付加物、トランス−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等が挙げられる。これらの中でも、特に密着性が向上することから、ジシクロペンタジエンが好ましい。
前記不飽和ポリエステル(A)に不飽和基を導入する原料で、前記脂環式構造を持つ空乾性原料以外の多塩基酸として、α,β−不飽和二塩基酸、飽和二塩基酸を用いる。
前記α,β−不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。また、前記飽和二塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、これらの飽和二塩基酸のジアルキルエステルも挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールAのプロピレンオキシド又はエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられる。
また、前記脂環式構造を持つ空乾性原料以外の空乾性原料を前記不飽和ポリエステル(A)の原料としてもよい。このような原料としては、例えば、アリルエーテル基を有するヒドロキシ化合物、アマニ油、桐油等の乾性油などが挙げられる。
前記アリルエーテル基を有するヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の多価アルコールのアリルエーテル化合物が挙げられる。
前記不飽和ポリエステル(A)の原料である多塩基酸、多価アルコール等は、それぞれ1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記エチレン性不飽和単量体(B)は、スチレンを必須成分として含むものである。前記エチレン性不飽和単量体(B)として用いることのできるスチレン以外のものとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ−ト、トリアリールシアヌレ−ト、(メタ)アクリロイル基を有する単量体等が挙げられる。なお、前記エチレン性不飽和単量体(B)として、スチレンを必須成分とすることにより、本願発明のパテ用樹脂組成物は硬化性に優れる。また、前記エチレン性不飽和単量体(B)は、スチレンを必須成分とすれば、スチレンのみでも、スチレンに加え、スチレン以外の単量体を1種以上併用することもできる。
前記(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリテトラメチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−2−プロパノール、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシ・ポリエトキシフェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート等が挙げられる。
また、硬化物表面の耐摩耗性、耐擦傷性、耐煽動性、耐薬品性等の性能をさらに向上する必要がある場合には、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体を前記単量体(B)として用いることが好ましく、3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体を前記単量体(B)として用いることがより好ましい。3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド・ε−カプロラクトン変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の両方又は一方をいい、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方又は一方をいい、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルの両方又は一方をいう。
前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)は、ジアリルオルトフタレート又はジアリルイソフタレートを重合させたプレポリマーである。前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)の重量平均分子量は、5,000〜100,000の範囲が好ましく、10,000〜80,000の範囲がより好ましく、20,000〜60,000の範囲がさらに好ましい。市販品としては、ダイソー株式会社製のジアリルフタレート樹脂(ダップ樹脂)である製品名「ダイソーダップA」、「ダイソーダップS」、「ダイソーダップK」、「ダイソーイソダップ」等が挙げられる。これらの中でも、相溶性の面で、「ダイソーダップA」が好ましい。また、前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のパテ用樹脂組成物において、前記エチレン性不飽和単量体(B)の配合量としては、前記不飽和ポリエステル(A)100質量部に対して、10〜100質量部の範囲が好ましく、25〜85質量部の範囲がより好ましく、40〜60質量部の範囲がさらに好ましい。一方、前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)の配合量としては、前記不飽和ポリエステル(A)100質量部に対して、3〜60質量部の範囲が好ましく、10〜50質量部の範囲がより好ましく、15〜40質量部の範囲がさらに好ましい。
本発明のパテは、上記で説明したパテ用樹脂組成物を含有するもので、これとともに充填剤及びその他の添加剤をペースト状に練合したものである。また、パテを所望の色に着色するために着色剤を配合してもよい。さらに、必要に応じてパテの硬化速度を調整するために、硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤等を配合してもよい。
前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、セッコウ、アルミニウム粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの充填材には、表面処理されたものも含まれる。また、用いる充填剤は、作業性や得られる成形品の強度、外観、経済性等を考慮して選定することができ、1種で用いることも2種以上併用することもできる。これらの充填剤の中でも、作業性、研磨性の面から、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルクが好ましい。本発明のパテ中の前記充填剤の含有率は、30〜80質量%の範囲が好ましく、40〜70質量%の範囲がより好ましい。
前記硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。これらの硬化剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
前記硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等の金属石鹸;バナジウムアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属キレート化合物;アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズアルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノールアニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p−トルイジン、4−(N,N−置換アミノ)ベンズアルデヒド等のアミン化合物などが挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの硬化促進剤の中でも、金属石鹸、アミン化合物が好ましい。
前記硬化剤の配合量は、上記の(A)〜(C)の合計100質量部に対して、0.1〜6質量部の範囲が好ましい。また、前記硬化促進剤の配合量は、上記の(A)〜(C)の合計100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲が好ましい。なお、硬化促進剤は、予め樹脂に配合しても、使用時に配合してもよい。
前記重合禁止剤としては、例えば、トリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を挙げられる。これらの重合禁止剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。また、本発明のパテ中の前記重合禁止剤の含有率は、10〜1,000ppmの範囲が好ましい。
前記着色剤としては、例えば、チタンホワイト(酸化チタン)、カーボンブラック等の無機顔料;フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有機顔料などが挙げられる。これらの着色剤は、パテを所望の色に着色するため、1種以上の着色剤を適宜調色して用いることができる。
本発明のパテには、上記以外のその他の各種添加剤として、例えば、減粘剤等の粘度調節剤、脱泡剤、シランカップリング剤、パラフィン等の空気遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、補強材などを配合してもよい。
また、本発明のパテの粘度を調節する目的で、希釈剤を用いてもよい。前記希釈剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの希釈剤は、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明のパテの粘度としては、経時的に硬化するように設計できることから、50〜500Pa・sの範囲が好ましく、100〜200Pa・sの範囲がより好ましい。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明する。
(製造例1:不飽和ポリエステル樹脂(1)の製造)
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、ジシクロペンタジエン259g及び無水マレイン酸192gを仕込み、窒素気流下で加熱を開始した。内温115〜130℃にて、水35gを滴下し、その温度で酸価が220mgKOH/gになるまで反応させ、更にエチレングリコール638g、無水マレイン酸864gを仕込み200℃まで昇温し、常法にて脱水縮合反応を行い、酸価が40mgKOH/gになったところで、180℃まで冷却し、トルハイドロキノン0.15gを加えた後、150℃まで冷却し、不飽和ポリエステル(1)を得た。
(製造例2:不飽和ポリエステル樹脂(2)の製造)
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、ジエチレングリコール509g、トリメチロールプロパンジアリルエーテル103g及びフマル酸557gを仕込み、窒素気流下で加熱を開始した。内温190℃にて、常法にて脱水縮合反応を行い、酸価が29mgKOH/gになったところで、トルハイドロキノン0.33gを加えた後、150℃まで冷却し、不飽和ポリエステル(2)を得た。
(製造例3:低収縮化剤(1)の製造)
窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2Lのガラス製フラスコに、スチレン650gを仕込み、50℃に加熱した。攪拌しながら、重量平均分子量が約25万のポリスチレン(DIC株式会社製「ディックスチレン CR−3500」)350g及びハイドロキノン0.1gを加えて溶解させることにより、固形分35質量%の低収縮化剤溶液(1)を得た。
(製造例4:相溶化剤(1)の製造)
窒素導入管を設けた1リットルの4つ口フラスコに、スチレン300g、片末端に水酸基を2つ有する数平均分子量6,000のポリスチレン(東亞合成株式会社製「マクロモノマーHS−6」)200g及びハイドロキノン0.2gを仕込み、窒素気流下で70℃まで昇温した。次いで、ジブチル錫ラウレート0.2g及びトリレンジイソシアネート12gを加えて70℃で2時間反応した。さらに、数平均分子量2,000のポリエチレングリコール136gを加え、70℃で3時間反応させた。その後、トルハイドロキノン0.1gを加えて90℃で2時間反応させた。得られた反応物にスチレン408gを加えて冷却し、相溶化剤溶液(1)を得た。
(実施例1)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル(1)60質量部、スチレン30質量部及びジアリルオルソフタレートプレポリマー(ダイソー株式会社製「ダイソーダップA」)10質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(1)を得た。
(実施例2)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル(1)60質量部、スチレン20質量部、ビニルトルエン10質量部及びジアリルオルソフタレートプレポリマー(ダイソー株式会社製「ダイソーダップA」)10質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(2)を得た。
(実施例3)
(実施例2)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル(1)60質量部、スチレン25質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5質量部及びジアリルオルソフタレートプレポリマー(ダイソー株式会社製「ダイソーダップA」)10質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(3)を得た。
(比較例1)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル(1)67質量部、スチレン33質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(R1)を得た。
(比較例2)
製造例1で得られた不飽和ポリエステル(1)55質量部、スチレン22質量部、製造例3で得られた低収縮化剤(1)20質量部、製造例4で得られた相溶化剤(1)3質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(R2)を得た。
(比較例3)
製造例2で得られた不飽和ポリエステル(2)60質量部、スチレン30質量部及びジアリルオルソフタレートプレポリマー(ダイソー株式会社製「ダイソーダップA」)10質量部を加熱溶解させ、パテ用樹脂組成物(R3)を得た。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜3で得られたパテ用樹脂組成物(1)〜(3)及び(R1)〜(R3)を用いて、それぞれ下記の評価を行った。なお、比較例3で得られたパテ用樹脂組成物(R3)については、保存安定性の評価において分離したため、それ以降の評価は行わなかった。
[保存安定性の評価]
パテ用樹脂組成物を25℃で24時間静置し、目視にて分離の有無を確認し、下記の評価にしたがって、樹脂組成物の安定性を評価した。
○:分離なし。
×:分離あり。
[評価用パテの調製]
パテ樹脂組成物100質量部、コバルト系硬化促進剤(DICマテリアル株式会社製「促進剤RP−138」)3質量部、タルク(日本タルク株式会社製「タルクSW」)150質量部及び白色顔料(酸化チタン)5質量部を、高速ディゾルバーで15分間攪拌した。次いで、硬化剤(化薬アクゾ株式会社製「シクロペーストイエロー」、シクロヘキサノンパーオキサイド)1.5質量部を加えて攪拌し、評価用パテを得た。
[硬化収縮性の評価]
上記で得られた評価用パテを、表面を耐水ペーパー#100で研磨したブリキ板(日本テストパネル株式会社製、サイズ70mm×150mm×0.3mm)上に、厚さ3.2mmになるように塗工した後、25℃で24時間放置して評価用パテを硬化させた。次いで、水平板上に得られたブリキ板の評価用パテの硬化塗膜を上側にして置いた後、ブリキ板の長辺側の片方を水平板に押さえ付けた際のブリキ板の反対側の水平板から浮いた高さ(反り高さ)を測定し、下記の基準にしたがって、硬化収縮性を評価した。なお、反り高さが小さいほど、耐反り性に優れているといえる。
○:反り高さが1mm未満である。
△:反り高さが1mm以上10mm未満である。
×:反り高さが10mm以上である。
[研磨性の評価]
上記で得られた評価用パテを、表面を耐水ペーパー#100で研磨したブリキ板(日本テストパネル株式会社製、サイズ70mm×150mm×0.3mm)上に、厚さ3.2mmになるように塗工した後、25℃で24時間放置して評価用パテを硬化させた。次いで、パテ硬化物の表面を耐水ペーパー#240で研磨し、研磨のしやすさと研磨後の耐水ペーパーの目詰まりを確認して、下記の基準にしたがって、研磨性を評価した。
○:軽く研磨しても、パテ硬化物の表面が効率よく削れ、耐水ペーパーの目詰まりがない。
×:耐水ペーパーの目詰まりがある。
上記で調製したパテ用樹脂組成物の組成及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006588282
表1に示した評価結果から、本発明のパテ用樹脂組成物である実施例1〜3のものは、保存安定性に優れることが確認できた。また、このパテ用樹脂組成物を用いたパテは、硬化後の収縮が小さく、研磨性に優れることが確認できた。
一方、比較例1はジアリルフタレートプレポリマーを用いなかった例であり、比較例2はジアリルフタレートプレポリマーに代えて、低収縮化剤及び相溶化剤を用いた例であるが、いずれも保存安定性に優れるが、このパテ用樹脂組成物を用いたパテは、比較例1は
硬化後の収縮が大きく、比較例2は硬化後の収縮は小さいが、研磨性に劣ることが確認できた。
さらに、比較例3は脂環式構造を持たない不飽和ポリエステルを用いた例であるが、パテ用樹脂組成物の保存安定性に劣り、実用性がないことが確認できた。

Claims (4)

  1. 脂環式構造を持つ空乾性付与型不飽和ポリエステル(A)、スチレンを含むエチレン性不飽和単量体(B)及びジアリルフタレートプレポリマー(C)を含有するパテ用樹脂組成物であり、前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)が、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲であるジアリルオルソフタレートプレポリマーであることを特徴とするパテ用樹脂組成物。
  2. 前記不飽和ポリエステル(A)100質量部に対して、前記単量体(B)10〜100質量部、前記ジアリルフタレートプレポリマー(C)3〜60質量部を含有する請求項1記載のパテ用樹脂組成物。
  3. 前記不飽和ポリエステル(A)が、ジシクロペンタジエンを原料に用いたものである請求項1又は2記載のパテ用樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載のパテ用樹脂組成物を含有することを特徴とするパテ。
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