JP2002322423A - パテ用樹脂組成物及びパテ - Google Patents

パテ用樹脂組成物及びパテ

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JP2002322423A
JP2002322423A JP2001125813A JP2001125813A JP2002322423A JP 2002322423 A JP2002322423 A JP 2002322423A JP 2001125813 A JP2001125813 A JP 2001125813A JP 2001125813 A JP2001125813 A JP 2001125813A JP 2002322423 A JP2002322423 A JP 2002322423A
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JP2001125813A
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English (en)
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Makoto Furuzono
誠 古園
Katsuhiro Doi
勝広 土井
Takashi Yasumura
隆志 安村
Koji Kirisawa
宏治 桐澤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジカル共重合性不飽和樹脂と低収縮化剤と
相溶化剤とを組み合わせることにより、低収縮化性及び
接着性に優れ、且つ一液で相分離がないパテ用樹脂組成
物及びパテを提供する。 【解決手段】 ラジカル共重合性不飽和樹脂(1)、低
収縮化剤としての付加重合系高分子化合物(2)及び相
溶化剤、特にラジカル共重合性不飽和樹脂(1)と相溶
するセグメントと、低収縮化剤としての付加重合系高分
子化合物(2)と相溶するセグメントを有する相溶化剤
(3)を含有することを特徴とするパテ用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、電車等の
補修を主用途とし、建築物の目地部分、サッシまわり、
ガラスのはめ込み部分等のシーリングにも使えるパテ用
樹脂組成物及びパテに関し、低収縮化性及び接着性に優
れ、且つ一液で相分離がないパテ用樹脂組成物及びパテ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車や車両用の被覆材パテとし
て、硬化性、乾燥性、研磨性、接着性等の面で不飽和ポ
リエステル樹脂系が広く利用されている。しかしなが
ら、かかるパテはラジカル硬化である為、硬化時に硬化
収縮が発生し、基材のソリ、パテ跡、パテ接合部の凹
み、パテ接着不良等の問題が発生しやすいという欠点が
ある。かかる欠点を改善する為に、 (1)不飽和ポリ
エステル樹脂に構成されているスチレンモノマーの含有
量を下げる方法、(2)軟質樹脂をブレンドする方法が
行われてきた。
【0003】しかしながら上記方法では、多少基材のソ
リ等は改善されるが基材との接着性が低下する等抜本的
な対策にはなっておらず、その解決が必要とされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラジ
カル共重合性不飽和樹脂と低収縮化剤と相溶化剤とを組
み合わせることにより、従来のパテ用ラジカル共重合性
樹脂では成し得なかった低収縮化性及び接着性に優れ、
且つ一液で相分離がないパテ用樹脂組成物及びパテを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明は、ラジカル共重合性不飽和
樹脂(1)と、低収縮化を目的として添加される付加重
合系高分子化合物(2)と、相溶化剤(3)からなるこ
とを特徴とするパテ用樹脂組成物及びパテに関するもの
である。また、本発明は、ラジカル共重合性不飽和樹脂
(1)と、低収縮化を目的として添加される付加重合系
高分子化合物(2)と、相溶化剤(3)からなり、該相
溶化剤が、ポリスチレンを主成分とし、その分子内に官
能基を1つ以上有する高分子化合物(A)と分子内に官
能基を1つ以上有するポリエステル、ポリエーテル及び
ポリカーボネートから選ばれる1種以上の高分子化合物
(B)とから得られ、且つ(A)及び(B)のそれぞれ
の官能基が反応して得られる化合物(D)又は(A)及
び(B)の官能基と反応する官能基を有する化合物
(C)を介して得られる化合物(D)を主成分とする相
溶化剤(3−1)、または、スチレン系モノマー類を主
成分とし、重合反応により得られる連鎖(X1)に、ポ
リオキシアルキレンエーテルからなるポリエーテル、ポ
リエステル及び/又はポリカーボネートを主成分とする
連鎖(X2)が結合してなるグラフト共重合体(X)を
含有してなることを特徴とする相溶化剤(3−2)であ
ることを特徴とするパテ用樹脂組成物及びパテに関する
ものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】本発明のラジカル共重合性不飽和樹脂
(1)とは、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、不飽和
酸付加エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹
脂等のラジカル共重合性不飽和樹脂に重合性不飽和単量
体添加されたものであるが、特に好ましくは、パテの硬
化性、乾燥性、研磨性の面を考慮して、不飽和ポリエス
テル樹脂からなるものが望ましい。
【0009】本発明に使用される不飽和ポリエステル樹
脂としては、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類
と多価アルコール類とから得られるものであるが、特に
好ましくはパテの乾燥性から空乾性付与型不飽和ポリエ
ステル樹脂が望ましい。
【0010】空乾性付与成分としては、ジシクロペンタ
ジエン系化合物を用いたもの、二塩基酸成分として環状
脂肪族不飽和二塩基酸及びその誘導体を含有する化合物
を用いたもの、多価アルコール成分としてアリルエーテ
ル基を含有する化合物を用いたもの、乾性油としてアマ
ニ油及び桐油を用いたものが挙げられるが、特に好まし
くはパテの基材との接着性からジシクロペンタジエン系
化合物を用いたものが望ましい。
【0011】このうち環状脂肪族不飽和二塩基酸として
は、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無
水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、α−テルヒネン・無水マレイン酸付加物、トランス
−ピペリレン・無水マレイン酸付加物等がある。
【0012】多価アルコール成分としてのアリルエーテ
ル基を含有する化合物としては、公知慣用のものが使用
できるが、そのうちでも代表的なものとしては、例えば
エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレング
リコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコール
モノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリ
ルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピ
レングリコールモノアリルエーテル、1、2−ブチレン
グリコールモノアリルエーテル、1、3−ブチレングリ
コールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノ
アリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエー
テル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリ
セリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリア
リルエーテル等の多価アルコール類のアリルエーテル化
合物が挙げられ、水酸基を1個有するアリルエーテル化
合物が好ましい。
【0013】不飽和ポリエステルを調整するにあたって
使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸として
は、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−
ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジア
ルキルエステル等を挙げることができる。
【0014】多価アルコ−ル類としては、例えばエチレ
ングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレング
リコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ
−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビ
スフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ
−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの
付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グ
リセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパン
ジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3
−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサン
グリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パ
ラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−
ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカ
リングリコ−ル等を挙げることができる。
【0015】また、得られた不飽和ポリエステルをグリ
シジルメタクリレート、ビスフェノールA型エポキシ等
のエポキシ化合物、トルエンジイソシアネート、イソプ
ロペニル−ジメチル−ベンジルイソシアネートのような
イソシアネート化合物等で変性してもよい。
【0016】本発明に用いられる不飽和酸付加エポキシ
樹脂は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との付加反応に
よって得られる反応生成物であり、好ましくはエポキシ
(メタ)アクリレート樹脂である。
【0017】エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などの
多価フェノール類のグリシジルエーテル類、ジプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのア
ルキレンオキシド付加物のジグリシジルエーテル、水素
化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどの多価
アルコール類のグリシジルエーテル類、3,4−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、1−
エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンなど
の脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグ
リシジルp−オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエ
ステルなどのグリシジルエステル類、テトラグリシジル
ジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルm−キシ
リレンジアミン、トリグリシジルP−アミノフェノー
ル、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルア
ミン類、1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダ
ントイン、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素
環式エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ
樹脂は単独もしくは2種以上を併用してもよい。
【0018】不飽和一塩基酸としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダ
イマー、モノメチルマレート、モノメチルフマレート、
モノシクロヘキシルフマレート、あるいはソルビン酸等
が挙げられる。これら酸は単独もしくは、2種以上を併
せて用いられる。
【0019】さらに、得られたエポキシ(メタ)アクリ
レートを無水マレイン酸、無水コハク、無水酢酸等の酸
無水物、トルエンジイソシアネート、イソプロペニル−
ジメチル−ベンジルイソシアネートのようなイソシアネ
ート化合物等で変性してもよい。
【0020】ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とは、
ポリオール化合物、有機ポリイソシアネート化合物、水
酸基含有(メタ)アクリレート類から得られるオリゴマ
ーである。ポリオール化合物とは、分子内に複数の水酸
基を有する化合物の総称であるが、水酸基の代わりにイ
ソシアネート基と反応しうる活性水素を有する官能基、
例えばカルボキシル基、アミノ基、メルカプト基を有す
る化合物でも構わない。かかるポリオール化合物として
は、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオー
ル、カプロラクトン系ポリオールなどが挙げられ、それ
ぞれ単独もしくは2種以上を併せて用いられる。有機ポ
リイソシアネート化合物としては後述のものを用いるこ
とができる。
【0021】有機ポリイソシアネート化合物として特に
代表的なもののみを例示すれば、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ナフタレンジイソシアネート、1,4−シク
ロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水添キシリレンジイソシアネート等が用いられ
る。その他、各種イソシアネート化合物をイソシアヌレ
ート化せしめて得られる多量体類も挙げられる。これら
は単独もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0022】該ラジカル共重合性不飽和樹脂組成物に使
用できる重合性不飽和単量体として特に代表的なものの
みを例示すれば、スチレン類、アクリルエステル類、メ
タアクリルエステル類、ジアリルフタレートエステル
類、カルボン酸ビニルエステル類、ビニルエーテル類等
の公知のものが使用できるが、特に好ましくは、パテの
硬化性からスチレンが望ましい。
【0023】ラジカル共重合性不飽和樹脂(樹脂分)に
対する重合性不飽和単量体の配合量は、特に限定される
ものではないが、10〜70重量%の範囲内が好まし
く、20〜60重量%の範囲内がさらに好ましい。
【0024】本発明の低収縮化剤としての付加重合系重
合体(熱可塑性樹脂)としては、特に限定されるもので
はないが、特に代表的なものを例示すれば、スチレンを
主成分としたポリスチレン系樹脂、例えば、ポリスチレ
ン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合
体、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、スチレン
−水添共役ジエンブロック共重合体等が挙げられる。そ
の他、スチレンを含まない(メタ)アクリル酸エステル
系重合体、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリアク
リル酸n−ブチルエステル等が挙げられるが、特に好ま
しくはポリスチレンが望ましい。また、これら重合体中
の二重結合に、他の化合物を反応させたものも用いるこ
とができる。
【0025】前述のスチレン−共役ジエン系ブロック共
重合体とは、スチレンと共役ジエンを重合させて得られ
るスチレン成分と共役ジエン成分からなるブロック共重
合体であり、共役ジエン成分としてブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエンなどが用いられる。さら
に、これらスチレン−共役ジエンブロック共重合体を水
素添加して得られるスチレン−水添共役ジエンブロック
共重合体であっても良い。ブロック共重合体の構成単位
は特に限定されるものではなく、スチレン−共役ジエ
ン、スチレン−共役ジエン−スチレン、共役ジエン−ス
チレン−共役ジエンなどのスチレンと共役ジエンの繰り
返し単位のものも含まれる。
【0026】本発明のラジカル共重合性不飽和樹脂
(1)と付加重合系重合体(2)の重量比率〔(1)/
(2)〕は、特に限定されるものではないが、99/1
〜60/40の範囲内が好ましく、99/1〜80/2
0の範囲内がさらに好ましい。かかる比率であれば、低
収縮化効果が発揮し易く、硬化性、研磨性等のパテ特性
が良好である。
【0027】本発明の相溶化剤(3)は、特に限定され
るものではないが、ラジカル共重合性不飽和樹脂(1)
と相溶するセグメントと、低収縮化剤としての付加重合
系高分子化合物(2)と相溶するセグメントを有するも
のが好ましい。特に代表的なものを例示すれば、スチレ
ン系ポリマー、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマ
ー、等のビニルポリマーと、ポリエーテル、ポリエステ
ル、及び/又はポリカーボネートを主成分とするグラフ
ト及び/又はブロックポリマー等が挙げられ、特にラジ
カル共重合性不飽和樹脂(1)と付加重合系重合体
(2)の相分離がなく一液性に特に優れているものとし
て以下の2種類の相溶化剤が好ましい。
【0028】ポリスチレンを主成分とし、その分子内に
官能基を1つ以上有する高分子化合物(A)と分子内に
官能基を1つ以上有するポリエステル、ポリエーテル及
びポリカーボネートから選ばれる1種以上の高分子化合
物(B)とから得られ、且つ(A)及び(B)のそれぞ
れの官能基が反応して得られる化合物(D)又は(A)
及び(B)の官能基と反応する官能基を有する化合物
(C)を介して得られる化合物(D)を主成分とする相
溶化剤(3−1)、または、スチレン系モノマー類を主
成分とし、重合反応により得られる連鎖(X1)に、ポ
リオキシアルキレンエーテルからなるポリエーテル、ポ
リエステル及び/又はポリカーボネートを主成分とする
連鎖(X2)が結合してなるグラフト共重合体(X)を
有効成分とする相溶化剤(3−2)である。かかる相溶
化剤(3−1)及び(3−2)に於いては、それぞれ高
分子化合物(B)と連鎖(X2)がラジカル共重合性不
飽和樹脂(1)と相溶するセグメントに相当し、それぞ
れ高分子化合物(A)成分及び連鎖(X1)が付加重合
系高分子化合物(2)と相溶するセグメントに相当す
る。
【0029】相溶化剤(3−1)として、ポリスチレン
を主成分とし、その分子内に官能基を1つ以上有する高
分子化合物(A)とは、官能基を1つ以上有し、スチレ
ンを主成分とした重合体であれば、合成方法、構造等、
特に限定されるものではない。例えば、官能基を末端に
有するポリスチレン化合物は、アゾ系開始剤を用いたラ
ジカル重合や、リビングアニオン重合等の方法で合成で
きるし、分子内に官能基を有するポリスチレン化合物は
スチレンと官能基含有不飽和単量体との共重合により合
成できる。また、スチレン−共役ジエンブロック共重合
体中の不飽和結合部分をエポキシ化した化合物も挙げら
れる。
【0030】高分子化合物(A)中のスチレンの構成割
合は、50重量%以上であることが好ましく、より好ま
しくは70重量%以上である。スチレンの割合が少ない
場合、相溶化剤としての性能に劣る。
【0031】高分子化合物(A)の官能基は、好ましく
は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、
及びメルカプト基から選ばれる1種以上の官能基であ
る。また、これらの官能基は、重合体の分子末端に位置
することが好ましい。化合物(A)1分子当たりの平均
官能基数は、特に限定されるものではないが、この数に
より反応方法および化合物(B)の官能基数を適切に選
択する必要がある。好ましい官能基数は、1〜4、より
好ましくは1〜2である。
【0032】高分子化合物(B)は、分子内に官能基を
1つ以上有するポリエステル、ポリエーテル、及びポリ
カーボネートから選ばれる1種以上の高分子化合物であ
れば、合成方法、構造等、特に限定されるものではな
い。
【0033】ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニ
ック型などのポリエーテル類、ポリエステルとしては、
後述の、α,β−不飽和カルボン酸または飽和カルボン
酸とアルコールとから得られる飽和および不飽和ポリエ
ステル、あるいはカプロラクトンを開環重合したポリエ
ステル、ポリカプロラクトンとしては、後述のアルコー
ルとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の
カーボネートを反応させたポリカーボネートを用いるこ
とができる。これらは、単独もしくは、2種以上を併せ
て用いられる。
【0034】高分子化合物(B)の官能基は、好ましく
は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、
及びメルカプト基から選ばれる1種以上の官能基であ
る。また、これらの官能基は、高分子化合物(B)の分
子末端に位置することが好ましい。高分子化合物(B)
1分子当たりの平均官能基数は、好ましくは1〜4であ
る。より好ましくは1〜2である。
【0035】高分子化合物(B)の数平均分子量は、好
ましくは300以上であり、より好ましくは500から
10000である。分子量が小さすぎても、大きすぎて
も、相溶化剤として充分な効果を得ることができない。
【0036】分子内に高分子化合物(A)の官能基と反
応しうる官能基を1つ以上有し、かつ高分子化合物
(B)の官能基と反応しうる官能基を1つ以上有する化
合物(C)とは、好ましくはイソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基、エポキシ基、及びアミノ基から選
ばれる1種以上の官能基を有する化合物である。特に化
合物が限定されるものではないが、例えば、有機ポリイ
ソシアネート化合物、ポリオール化合物、ジカルボン酸
クロリド化合物、ポリアミン化合物、ホスゲン、炭酸エ
ステル化合物、チオホスゲン、ビスクロロホルメート化
合物等が挙げられる。官能基の数は好ましくは2であ
る。この中でも、反応操作、コストを考慮すると、有機
ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
【0037】有機ポリイソシアネート化合物とは、例え
ば1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プロピ
レンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,
4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジ
ンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等
が用いられる。反応の制御等を考慮した場合、トリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ま
しく用いられる。
【0038】化合物(C)により結合された化合物
(D)1分子中に含まれる高分子化合物(A)と高分子
化合物(B)の重量の比は、相溶化剤の性能を決定する
重要な因子である。化合物(D)1分子中に含まれる高
分子化合物(A)の重量に対する高分子化合物(B)の
重量の比(B)/(A)は、好ましくは0.1〜10、
より好ましくは0.2〜5である。
【0039】化合物(A)、(B)、(C)を反応させ
る際の手順は特に限定されるものではないが、相溶化剤
の主成分である化合物(D)1分子中に含有される高分
子化合物(A)の分子数と高分子化合物(B)の分子数
との合計を3以下にするために適切な方法をとる必要が
ある。相溶化剤としての主成分の化合物(D)は、好ま
しくは(A)−(C)−(B)、(B)−(C)−
(A)−(C)−(B)、(A)−(C)−(B)−
(C)−(A)の構造のものである。
【0040】相溶化剤(3−2)として、(X1)の連
鎖を構成するために使用できる成分としては、スチレン
系モノマー類から選択される少なくとも一種の単量体か
らなる。スチレン系モノマー類としては、スチレン、ビ
ニルトルエン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレ
ン、クロルスチレン、ビニルベンジルエーテル系化合物
等が挙げられる。
【0041】次に側鎖(X2)のエチレンオキシド系ポ
リエーテル連鎖を構成するために使用できる成分として
は、開環重合性単量体類の群から選択され、エチレンオ
キシドを主たる成分とし、エチレンオキシド単独もしく
は、エチレンオキシドと共重合可能なその他のアルキレ
ンオキシド系単量体や開環共重合可能な他の環状化合物
からなる。他のアルキレンオキシド系単量体としては、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセ
ンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド等
が挙げられる。
【0042】また、開環共重合可能なその他の環状化合
物としては、酸無水物化合物類、例えば、無水コハク
酸、無水フタル酸等が挙げられる。環状エステル化合物
類、例えばカプロラクトン、バレロラクトン等が挙げら
れる。さらに、環状炭酸エステル化合物類、例えばエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチ
レンカーボネート等が挙げられる。その他、環状化合物
以外でアルキレンオキシド系単量体と共重合可能な二酸
化炭素も利用できる。
【0043】エチレンオキシドを成分とし、これらの開
環重合性単量体を共重合して得られる側鎖(X2)のポ
リエーテル連鎖の構造については、該ラジカル共重合性
不飽和樹脂との相溶性が発揮されるものであれば特に限
定しない。例えば、エチレンオキシドとのランダム共重
合やブロック共重合でもかまわない。また、ポリエーテ
ル側鎖(X2)は、分子量1000以下のエチレンオキ
シド系ポリエーテルポリオール化合物やグリコール化合
物等とジカルボン酸化合物、ジイソシアネート化合物、
炭酸エステル化合物、ジグリシジルエーテル化合物等を
用いて伸長させ、好ましくは数平均分子量が1000〜
20000になるようなものでも良い。なおポリエーテ
ル系側鎖は、直鎖状でも分岐状でもかまわないが、合成
上、直鎖状の連鎖が望ましい。
【0044】グラフト共重合体(X)の製造法として
は、特に限定されるものではないが、一般的には、1)
主鎖(X1)のみを予め合成し、別途合成された側鎖
(X2)を高分子反応にて結合させ、目的の(X)を得
る法、2)(X1)のみを予め合成し、(X2)を構成
する開環重合性単量体を(X1)中の活性部位を起点と
し開環重合させる方法、3)(X1)を構成する不飽和
単量体と、予め合成されたポリエーテル鎖(X2)とし
ての片末端に共重合可能な重合性官能基を有するマクロ
モノマーとを付加共重合させて目的の(X)を得る法が
ある。本発明の相溶化剤の製造法としては、均質な重合
体が得られ易いマクロモノマーを用いる3)の合成方法
が望ましい。
【0045】本発明のグラフト共重合体(X)に使用で
きるポリエーテル系マクロモノマーとしては、前述のポ
リエーテル鎖(X2)の片末端に、主鎖(X1)を構成
する不飽和単量体と共重合可能な重合性官能基を有する
ものである。その官能基としては、一般にエチレン性不
飽和基である。具体的には、(メタ)アクリルロイル
基、スチリル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、
ビニルエーテル基、アリルエーテル基、フマリル基、マ
レイル基などが挙げられる。これらの官能基を有する化
合物を、前述の直鎖状ポリエーテル連鎖の片末端にのみ
に化学的に結合させたものを、本発明に利用できるマク
ロモノマーの代表例とする。
【0046】具体的には、ポリエチレンオキシドのモノ
(メタ)アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシド
のモノビニルベンジルエーテル類、ポリエチレンオキシ
ドのモノビニルエーテル類、ポリエチレンオキシドのモ
ノアリルエーテル類、ポリエチレンオキシドのモノクロ
トン酸エステル類、イソシアネートエチルメタアクリル
酸エステルとポリエチレンオキシドの当モル反応物、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基
含有不飽和単量体とポリエチレンオキシドをイソホロン
ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物介して結
合させた化合物等も利用できる。結果として、本発明の
目的の相溶化剤として機能するグラフト共重合体(X)
が得られれば、マクロモノマーの詳細な化学的構造は限
定しない。
【0047】グラフト共重合体(X)において、ポリエ
ーテル側鎖(X2)の自由末端の化学構造、及びポリエ
ーテル系マクロモノマーの重合性官能基のある末端以外
の末端基構造は、特に限定しない。ポリエーテル連鎖合
成条件に由来する末端のままでも、化学的に他の構造に
変換されたものでも良い。望ましくは、水酸基か、アル
コキシエーテル基である。末端基の分子量が著しく増大
すると、ポリエーテル連鎖中のエチレンオキシド鎖含有
率が低下するため、相溶化効果が不安定になる恐れがあ
る。よって炭素数で言えば、20以内、分子量では50
0以内末端基構造を有するポリエーテル連鎖が望まし
い。
【0048】相溶化剤の合成反応は、溶媒中で行っても
良いし、溶媒を用いなくても良いが、通常は作業性の観
点から溶媒中で行われる。溶媒としては、該相溶化剤が
溶解するものであり、グラフト共重合体の合成に支障が
なければ何を用いても構わない。反応後には、(D)あ
るいは(X)を溶媒から固体分として単離しても、反応
溶媒の溶液のままでもよい。特に、相溶化剤として利用
する上で支障がなければ、溶液のままで用いることが好
ましい。また、溶液粘度を下げ、利便性を向上させる目
的でスチレン等の不飽和単量体や反応溶媒以外の他の有
機溶媒で希釈または、再溶解させることも可能である。
例えば、(D)あるいは(X)と不飽和単量体や溶媒を
含むものを相溶化剤組成物として用いる。
【0049】グラフト共重合体(X)の合成時の重合開
始剤としては、特に限定されないが、一般的には、ラジ
カル重合系開始剤、例えばベンゾイルパーオキシドのよ
うな有機過酸化物やAIBN等のアゾ化合物が利用でき
る。なお目的の重合体が得られれば、ラジカル重合系以
外のアニオン、カチオン重合系開始剤を用いることもで
きる。
【0050】ラジカル共重合性不飽和樹脂(1)と、低
収縮化剤や物性向上剤として添加される付加重合系重合
体(2)と相溶化剤中の(D)あるいは(X)の添加量
は、ラジカル共重合性不飽和樹脂と付加重合系重合体の
合計100重量部当たり、好ましくは0.02〜20重
量部であり、より好ましくは0.05〜5重量部であ
る。量が少ない場合には分離が起こりやすい。逆に量が
多い場合にはパテ物性が低下する恐れがある。
【0051】パテとは、一般に不飽和ポリエステル樹脂
等のラジカル共重合性不飽和樹脂とタルク等の充填剤お
よび他の添加剤をペースト状に練合したものである。本
発明のパテ用樹脂組成物をパテとして使用する際には、
必要に応じて硬化速度を調整するためのラジカル硬化
剤、硬化促進剤、重合禁止剤、及び充填剤、着色剤等が
配合される。
【0052】ラジカル硬化剤とは、有機過酸化物が挙げ
られ、具体的にはメチルエチルケトンパーオキサイド、
シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド等公知公用のも
のが使用される。
【0053】また、本発明のパテ用樹脂組成物を活性エ
ネルギー線により硬化する場合には、更にラジカル発生
型光重合開始剤を併用する必要があり、具体的には、ア
シルホスフィンオキシド系、ベンゾインエーテル系、ベ
ンゾフェノン系、アセトフェノン系、チオキサントン系
化合物等の公知のものが使用され、成形条件に応じて適
宜選択される。また電子線硬化剤としては、ハロゲン化
アルキルベンゼン、ジサルファイド系化合物等がある。
【0054】硬化促進剤としては、例えばナフテン酸コ
バルト、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチ
ル酸バナジウム、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム等
金属石鹸類、バナジウムアセチルアセテート、コバルト
アセチルアセテート、鉄アセチルアセトネート等の金属
キレート類、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、p−トルイジン、N,N−
ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2-ヒドロ
キシエチル)−p−トルイジン、4-(N,N−ジメチル
アミノ)ベンズアルデヒド、4−[N,N−ビス(2-
ヒドロキシエチル)アミノ]ベンズアルデヒド、4−
(N−メチル−N−ヒドロキシエチルアミノ)ベンズア
ルデヒド、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−
p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエ
タノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミ
ン、ピリジン、フェニリモルホリン、ピペリジン、N,
N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン、ジエタノール
アニリン等のN,N−置換アニリン、N,N−置換−p
−トルイジン、4-(N,N−置換アミノ)ベンズアルデ
ヒド等のアミン類が挙げられる。
【0055】重合禁止剤としては、例えばトリハイドロ
ベンゼン、トルハイドロキノン、14−ナフトキノン、
パラベンゾキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチ
ルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メ
チルフェノール等を挙げることができる。好ましくは樹
脂組成物に、10〜1000ppm添加しうるものであ
る。
【0056】硬化剤の添加量は、好ましくは樹脂組成物
の合計量100重量部に対して、0.1〜6重量部であ
る。又、硬化促進剤の添加量は、0.1〜5重量部使用
する。本発明においてはアミン系、金属石鹸系促進剤が
好ましい。なお、硬化促進剤は、2種以上の組み合わせ
で使用しても良く、更に予め樹脂に添加しておいても良
いし、使用時に添加しても良い。
【0057】充填剤としては、特に代表的なもののみを
例示すれば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸
バリウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライ
ト、アスベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ
砂、ドロマイト、石灰石、セッコウ、アルミニウム微
粉、中空バルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミ
ニウム、寒水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモ
ン、酸化チタン、二酸化モリブデン等が挙げられる。こ
れらの充填材は、作業性や得られる成形品の強度、外
観、経済性などを考慮して選ばれるが、通常炭酸カルシ
ウムや水酸化アルミニウム、シリカ、タルクなどがよく
用いられる。なお、充填剤には表面処理されたものも含
まれる。かかる充填剤の添加量としては、組成物中30
〜80重量%が好ましい。
【0058】着色剤としては、特に代表的なもののみを
例示すれば、チタンホワイト、カーボンブラック等無機
顔料類やフタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等
有機顔料類があり、色相に応じて、種々の着色剤を用い
ることができる。
【0059】本発明では、その他各種添加剤、例えば、
減粘剤等の粘度調節剤、脱泡剤、シランカップリング
剤、パラフィン等の空気遮断剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、骨材、難燃剤、安定剤、補強材等が挙げられ、必要
に応じて添加される。
【0060】本発明のパテ用樹脂組成物には、希釈剤と
して溶剤が添加されることもある。特に代表的なものの
みを例示すれば、トルエン、キシレン、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢
酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等がある。
【0061】本発明のパテ用樹脂組成物は、パテとして
使用に際して、通常粘度が500〜5000ポイズ、よ
り好ましくは2000〜4000ポイズであり、経時的
に硬化するように設計されるものである。具体的には上
記する重合開始剤、硬化剤や硬化促進剤などを適宜配合
して硬化せしめ、最終的には硬化物となる。
【0062】本発明のパテ用樹脂組成物は、自動車ある
いは車両用パテ、スチール家具用プライマー、建築物の
目地部分、サッシまわり、ガラスのはめ込み部分等のシ
ーリング材として有用であるが、その他に接着剤、塗料
にも有用である。
【0063】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、文中「部」とあるのは、重量部を示すもの
である。
【0064】(参考例1)(ラジカル共重合性不飽和樹
脂−不飽和ポリエステル樹脂の調製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、ジシクロペンタジエン259
g、無水マレイン酸192gを仕込み窒素気流下、加熱
を開始する。内温115〜130℃にて、水35gを滴
下し、その温度で酸価220まで反応させ、更にエチレ
ングリコール638g、無水マレイン酸864gを仕込
み200℃まで昇温し、常法にて脱水縮合反応を行い、
酸価が40KOHmg/gになったところで、180℃
まで冷却し、トルハイドロキノン0.15gを添加す
る。さらに150℃まで冷却し、不飽和ポリエステルを
得た。次に、この不飽和ポリエステルをスチレン927
gに溶解させ、固形分67重量%の樹脂液を得た。これ
をラジカル重合性不飽和樹脂液UP−1とする。
【0065】(参考例2)(低収縮化剤−ポリスチレン
溶液の調製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、スチレン650gを仕込み、5
0℃に加熱する。攪拌下、重量平均分子量約25万のポ
リスチレン(テ゛イックスチレン CR-3500,大日本インキ化学製)を
350g、ハイドロキノン0.1gを添加、溶解させ
た。固形分35重量%の樹脂溶液を得た。これを低収縮
化剤溶液LP−1とする。
【0066】(参考例3)(低収縮化剤−スチレン−ブ
タジエンゴム溶液の調製) 窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備えた2L
のガラス製フラスコに、スチレン650gを仕込み、5
0℃に加熱する。攪拌下、スチレン/ゴム重量比 31/
69の重合体(KRATON D-1118,SHELL社製)を350
g、ハイドロキノン0.1gを添加、溶解させた。固形
分35重量%の樹脂溶液を得た。これを低収縮化剤溶液
LP−2とする。
【0067】(参考例4)(相溶化剤の調整) 窒素導入管を設けた1リットルの4つ口フラスコに、ス
チレン300g、高分子量化合物(A)として片末端に
水酸基を2つ有する数平均分子量6000のポリスチレ
ン(マクロモノマーHS−6:東亞合成(株)製)20
0g、ハイドロキノンを0.2g仕込み、窒素気流中で
70℃まで昇温した。次にジブチル錫ラウレート0.2
g、化合物(C)としてトリレンジイソシアネート12
gを入れ、70℃で2時間反応した。ここに高分子量化
合物(B)として数平均分子量2000のポリエチレン
グリコール136gを加え、70℃で3時間反応させ
た。その後、トルハイドロキノン0.1gを加え90℃
で2時間反応させ化合物(D)を得た。ここにスチレン
408gを加え、冷却し、有効分33重量%の相溶化剤
溶液を得た。これを相溶化剤溶液(SE−1)とする。
このようにして得られた化合物(D)のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィで測定した数平均分子量は、1
1000であった。
【0068】(参考例5)(相溶化剤の調製) 温度計、窒素導入管、撹拌機、コンデンサ及び滴下ロー
トを設けた1リットルのフラスコに、溶媒としてキシレ
ン200gを仕込み、窒素気流下120℃まで昇温し
た。次にスチレン210gに、マクロモノマーとしてポ
リエーテル連鎖の数平均分子量が4000のモノメトキ
シ−ポリエチレンオキシド−モノメタクリル酸エステル
140gと重合開始剤として AIBN2.0gを溶解
させたプレミックス液を調製した。次にこの混合液を滴
下ロートより約3時間かけて滴下し付加重合させた。滴
下後、120℃を保持しながらさらに8時間反応させ、
目的のグラフト共重合体(X)を得た。 ここにスチレ
ン440g、ハイドロキノンを0.1gを加え、室温ま
で冷却した、有効成分35重量%の相溶化剤溶液を得
た。これを相溶化剤溶液(SE−2)とする。 得られ
た重合体(X)のGPCで測定した数平均分子量は、1
2000であった。
【0069】[樹脂組成物の調製] (実施例1)参考例1で得られた不飽和樹脂液(UP−
1)80部、参考例2で得られた低収縮化剤液(LP−
1)20部と、参考例4で得られた相溶化剤溶液(SE−
1)3部(有効成分として約1部)を200ccガラス
瓶に仕込み、攪拌機にて2500rpm、5分間混合
し、樹脂混合液(樹脂組成物)を得た。
【0070】(実施例2)相溶化剤溶液を参考例5で得
られた(SE−2)に変更した以外は実施例1に準じ
て、樹脂混合液(樹脂組成物)を得た。
【0071】(実施例3)低収縮化剤を参考例3で得ら
れた(LP−2)に変更した以外は実施例1に準じて、
樹脂混合液(樹脂組成物)を得た。
【0072】(比較例1)相溶化剤溶液を添加しない以
外は実施例1に準じて樹脂混合液(樹脂組成物)を得
た。
【0073】(比較例2)相溶化剤溶液を添加しない以
外は実施例3に準じて樹脂混合液(樹脂組成物)を得
た。
【0074】[パテの調製] (実施例4)実施例1で得た樹脂組成物100重量部に
対して、コバルト系促進剤(促進剤RP−136 大日
本インキ化学製)2重量部、タルク(タルクSW:日本
タルク社製)150重量部、白顔料(酸化チタン)7重
量部、スチレン15重量部を加え、高速ディソルバーで
15分攪拌して粘度3500ポイズのパテ塗料(PC−
1)を得た。
【0075】(実施例5)樹脂組成物を実施例2〜3で
得られた樹脂組成物に変更した以外は実施例4に準じて
粘度3500ポイズのパテ塗料(PC−2〜3)を得
た。
【0076】(比較例3)樹脂組成物を参考例1で得ら
れた樹脂組成物(UP−1)に変更した以外は実施例5
に準じて粘度3500ポイズのパテ塗料(PC−4)を
得た。
【0077】<試験方法及び評価> [樹脂組成物の一液安定性]の評価 得られた樹脂混合液を室温下静置し、目視にて分散安定
性を確認した。なお、前述の容器にて保存中、側面から
見て約2mm以上の高さまで相分離した状態を分離時間
とした。
【0078】[パテの低収縮化性]の評価 得られたパテ塗料に対して、1.5重量%の硬化剤:シ
クロヘキサノンパーオキサイド(化薬アクゾ社製、シク
ロペーストイエロー)を加え、撹拌した後、表面を耐水
ペーパー#100で軽く研磨したブリキ板(日本テスト
パネル社製)(サイズ:70×150×0.3mm)
に、かかるパテ塗料を3.2mm厚にパテ付けし試験片
を得て、以下の如く評価を行った。該試験片を作製後、
20℃の条件にて、24時間放置した後、ブリキ板のソ
リ高さを数値化した。ソリ高さとは、水平板上に上記試
験片をパテを上側にして置き、試験片長辺側の片方を水
平板に押さえた時の水平板と試験片片方の高さを示す。
【0079】[パテの耐熱密着性]の評価 得られたパテ塗料に対して、1.5重量%の硬化剤:シ
クロヘキサノンパーオキサイド(化薬アクゾ社製、シク
ロペーストイエロー)を加え、撹拌した後、表面を耐水
ペーパー#100で軽く研磨した防錆鋼板(ボンデ鋼
板:日本テストパネル社製)(サイズ:70×150×
0.8mm)に、かかるパテ塗料を3.2mm厚にパテ
付けし試験片を得て、以下の如く評価を行った。該試験
片を作製後、20℃の条件にて、24時間放置した後、
120℃の乾燥機に1時間、2時間、3時間、4時間放
置後、冷却した後、折り曲げ試験を行い、以下の判定基
準にて評価を行った。 ○−−−全面にパテが付着したままであった。 △−−−パテが鋼板より一部露出した ×−−−パテが鋼板より全面露出した
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【発明の効果】本発明により、従来のパテ用ラジカル共
重合性樹脂では成し得なかった低収縮化性及び密着性に
優れ、且つ一液で相分離がないパテ用樹脂組成物及びパ
テを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/10 C09K 3/10 Z (72)発明者 土井 勝広 大阪府堺市堀上緑長1−3−24 (72)発明者 安村 隆志 大阪府和泉市鶴山台3−10−99,107 (72)発明者 桐澤 宏治 大阪府泉高石市千代田2−3−6 Fターム(参考) 4H017 AA04 AB17 AC02 AC17 AD05 AE05 4J027 AB01 AC03 AC06 AC07 AC08 BA05 CD09 4J038 CC022 CC032 DD181 PB05 PB12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル共重合性不飽和樹脂(1)、低
    収縮化剤としての付加重合系高分子化合物(2)及び相
    溶化剤(3)を含有することを特徴とするパテ用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】相溶化剤(3)が、ラジカル共重合性不飽
    和樹脂(1)と相溶するセグメントと、低収縮化剤とし
    ての付加重合系高分子化合物(2)と相溶するセグメン
    トを有することを特徴とする請求項1記載のパテ用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 相溶化剤(3)として、ポリスチレンを
    主成分とし、その分子内に官能基を1つ以上有する高分
    子化合物(A)と分子内に官能基を1つ以上有するポリ
    エステル、ポリエーテル及びポリカーボネートから選ば
    れる1種以上の高分子化合物(B)とから得られ、且つ
    (A)及び(B)のそれぞれの官能基が反応して得られ
    る化合物(D)又は(A)及び(B)の官能基と反応す
    る官能基を有する化合物(C)を介して得られる化合物
    (D)を主成分とする相溶化剤(3−1)、または、ス
    チレン系モノマー類を主成分とし、重合反応により得ら
    れる連鎖(X1)に、ポリオキシアルキレンエーテルか
    らなるポリエーテル、ポリエステル及び/又はポリカー
    ボネートを主成分とする連鎖(X2)が結合してなるグ
    ラフト共重合体(X)を含有してなることを特徴とする
    相溶化剤(3−2)を含有することを特徴とする請求項
    1または2記載のパテ用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ラジカル共重合性不飽和樹脂が不飽和ポ
    リエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか記載のパテ用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ラジカル共重合性不飽和樹脂が空乾性付
    与型不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか記載のパテ用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ラジカル共重合性不飽和樹脂がジシクロ
    ペンタジエン系化合物を構成成分とする空乾性付与型不
    飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか記載のパテ用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 低収縮化を目的として添加される付加重
    合系高分子がポリスチレンであることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載のパテ用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの樹脂組成物を
    含有することを特徴とするパテ。
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