JP2001316419A - 高分子化合物、ラジカル共重合性樹脂組成物、成形材料、及び成形品 - Google Patents

高分子化合物、ラジカル共重合性樹脂組成物、成形材料、及び成形品

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JP2001316419A
JP2001316419A JP2000136926A JP2000136926A JP2001316419A JP 2001316419 A JP2001316419 A JP 2001316419A JP 2000136926 A JP2000136926 A JP 2000136926A JP 2000136926 A JP2000136926 A JP 2000136926A JP 2001316419 A JP2001316419 A JP 2001316419A
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polymer
compound
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polymer compound
radical copolymerizable
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JP2000136926A
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English (en)
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Hiroshi Takano
啓 高野
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ラジカル共重合性不飽和樹脂とポリスチレン
を主成分とする低収縮化剤との相溶性を本質的に改善し
得る樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と重
合性不飽和単量体(イ’)とからなるラジカル共重合性
不飽和樹脂組成物における該不飽和樹脂(イ)と低収縮
化を主な目的として添加する化合物(ロ)とを相溶させ
る作用を有する高分子物質(ニ)を生成させる前駆体で
ある高分子化合物(ハ)であって、高分子化合物(ハ)
が、(A)ポリスチレンを主成分とし、その分子内に官
能基を1つ以上有するスチレン系重合体と、(B)分子
内に官能基を2つ以上有し、かつそのうちの少なくとも
一つの官能基がスチレン系重合体(A)の官能基と反応
しうる官能基を有する化合物とを反応させたもので、該
高分子化合物(ハ)が該化合物(B)に由来する官能基
を少なくとも一つ残存させていることを特徴とする高分
子化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル共重合性
不飽和樹脂(イ)と低収縮化を主な目的として添加する
化合物とを相溶化させる為の高分子物質(ニ)をラジカ
ル共重合性樹脂(イ)と反応することにより生成させる
ことのできる新規高分子化合物(ハ)、そのラジカル共
重合性樹脂組成物およびその製造方法、成形材料、およ
び成形品に関する。より詳しくは、ラジカル共重合性不
飽和樹脂(イ)と、低収縮化を主な目的として添加する
化合物(ロ)との相溶性を改善し、相溶性の悪さに起因
した、保存上、成形上の問題を解決することを可能にす
る高分子物質(ニ)を生成する前駆体である高分子化合
物(ハ)を提供するものである。また、高分子物質
(ニ)の存在により低収縮性不飽和樹脂組成物混合物の
1液化を可能にし、成形材料、成形品の高付加価値を図
るための手段を提供する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル共重合性不飽和樹脂は、重合性
不飽和単量体と混合され、液状樹脂として成形材料の原
料樹脂として好適に用いられている。しかし、ラジカル
共重合性不飽和樹脂組成物を用いた成形材料は硬化時に
起こる体積収縮が、成形品の反り、クラック等を引き起
こすと言った大きな問題があった。この問題を改良する
目的で、種々の熱可塑性樹脂、例えばポリスチレン、ス
チレンブタジエンゴム、熱可塑性アクリル重合体、酢酸
ビニル、飽和ポリエステル等の樹脂が低収縮化剤として
用いられている。しかし、これら低収縮化剤は、ラジカ
ル共重合性不飽和樹脂との相溶性が低く、樹脂混合物の
分離安定性に乏しく、混合後の分離が避けられなかっ
た。また、この樹脂混合物から得られる成形品において
は、低収縮化剤の分離がスカミング、色ムラなどの各種
成形上の欠陥の原因となっていた。当然のことながら、
樹脂混合物の1液状態での保存は困難であった。
【0003】そこで、第三成分として相溶化剤を添加す
る方法が検討されており、例えば、米国特許38366
00号にはリビングアニオン重合法によるスチレン−エ
チレンオキシドブロック共重合体を相溶化剤とした例が
示されている。この相溶化剤は、一部のラジカル共重合
性不飽和樹脂に対しては高い相溶化効果を示し、長期に
亘り安定な分散状態を継続することができるものの、合
成方法の特殊性から、工業的な製造が困難であった。
【0004】一方、低収縮化剤に酢酸ビニルブロックや
不飽和ポリエステルブロック等を導入した付加重合体を
使用して相溶性を改善する方法が、例えば、特公平3−
174424号公報、特開平11−92646号公報に
示されている。これら改良型の低収縮化剤は、分離まで
の時間を遅延する効果はあるものの、本質的に相溶性を
改善し安定な分散状態を得るには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ラジ
カル共重合性不飽和樹脂(イ)と重合性不飽和単量体
(イ’)とからなるラジカル共重合性不飽和樹脂組成物
における該ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と、硬化
時の低収縮化を主な目的として添加する重合体との相溶
性を本質的に改善し、樹脂混合液状態で長期に亘り安定
な分散状態を示すことを可能にし、あるいは分離に伴う
成形時の成形欠陥を改善することのできる高分子物質
(ニ)をラジカル共重合性不飽和樹脂と反応することで
生成することのできる新規高分子化合物(ハ)、ラジカ
ル共重合性不飽和樹脂組成物、成形材料、および成形品
を提供することにある。より詳しくは、ラジカル共重合
性不飽和樹脂と、低収縮化を主な目的として添加する化
合物との相溶性を改善し、相溶性の悪さに起因した、保
存上、成形上の問題を解決することができる相溶性改善
高分子物質(ニ)を提供できる前駆体高分子化合物
(ハ)を提供することにある。さらには、高分子物質
(ニ)を含むことで、ラジカル共重合性不飽和樹脂組成
物の1液化を可能にし、これにより得られる成形品の高
付加価値を図ることの可能な前駆体高分子化合物(ハ)
を提供することである。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
たものである。
【0007】即ち、本発明は、ラジカル共重合性不飽和
樹脂(イ)と重合性不飽和単量体(イ’)とからなるラ
ジカル共重合性不飽和樹脂組成物における該不飽和樹脂
(イ)と低収縮化を主な目的として添加する化合物
(ロ)とを相溶させる作用を有する高分子物質(ニ)を
生成させる前駆体である高分子化合物(ハ)であって、
高分子化合物(ハ)が、(A)ポリスチレンを主成分と
し、その分子内に官能基を1つ以上有するスチレン系重
合体と、(B)分子内に官能基を2つ以上有し、かつそ
のうちの少なくとも一つの官能基がスチレン系重合体
(A)の官能基と反応しうる官能基を有する化合物とを
反応させたもので、該高分子化合物(ハ)が該化合物
(B)に由来する官能基を少なくとも一つ残存させてい
ることを特徴とする高分子化合物(ハ)、好ましくはス
チレン系重合体(A)の官能基が、水酸基、カルボキシ
ル基、エポキシ基、アミノ基、及びメルカプト基から選
ばれる1種以上の官能基であること、好ましくはスチレ
ン系重合体(A)の官能基のうち少なくとも1つが、重
合体の分子末端に位置すること、好ましくはスチレン系
重合体(A)の官能基数が、1〜4であること、好まし
くはスチレン系重合体(A)の数平均分子量が、100
0〜50000であること、好ましくは化合物(B)
が、有機ポリイソシアネート化合物であること、好まし
くは高分子化合物(ハ)が、主として、該重合体(A)
の官能基が1つの場合(A)−(B)の構造の化合物、
該重合体(A)の官能基が2つの場合(B)−(A)−
(B)なる構造の化合物であること、好ましくは高分子
化合物(ハ)の1分子あたりに残存する化合物(B)由
来の平均官能基数が1〜4つであること、好ましくは分
子内に化合物(B)の官能基と反応しうる官能基を有す
るラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)、重合性不飽和単
量体(イ’)とからなるラジカル共重合性不飽和樹脂組
成物に、該高分子化合物(ハ)を加えて、該ラジカル共
重合性不飽和樹脂組成物中に、該ラジカル共重合性不飽
和樹脂(イ)と高分子化合物(ハ)との反応により得ら
れる高分子物質(ニ)を含有することを特徴とするラジ
カル共重合性不飽和樹脂組成物。好ましくはラジカル共
重合性不飽和樹脂(イ)を合成する過程又は合成後、若
しくはラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)の合成後に重
合性不飽和単量体(イ’)を添加した後に該高分子化合
物(ハ)を添加し、反応させることを特徴とするラジカ
ル共重合性樹脂組成物の製造方法、該ラジカル共重合性
樹脂組成物を含むことを特徴とする成形材料、該ラジカ
ル共重合性樹脂組成物ないし該成形材料を用いることを
特徴とする成形品を提供するものである。
【0008】次に本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のポリスチレンを主成分と
し、その分子内に官能基を1つ以上有するスチレン系重
合体(A)とは、官能基を1つ以上有し、スチレンを主
成分とした重合体であれば、合成方法、構造等、特に限
定されるものではない。例えば、官能基を末端に有する
ポリスチレン重合体化合物は、アゾ系開始剤を用いたラ
ジカル重合や、リビングアニオン重合等の方法で合成で
きるし、分子内に官能基を有するポリスチレン重合体化
合物はスチレンと官能基含有不飽和単量体との共重合に
より合成できる。また、スチレン−共役ジエンブロック
共重合体中の不飽和結合部分をエポキシ化した重合体も
挙げられる。
【0010】スチレン系重合体(A)中のスチレンの構
成割合は、50重量%以上であることが好ましく、より
好ましくは70重量%以上である。スチレンの割合が少
ない場合、後の相溶化効果が低下してしまう。
【0011】スチレン系重合体(A)の官能基は、好ま
しくは、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ
基、及びメルカプト基から選ばれる1種以上の官能基で
ある。また、これらの官能基のうち少なくとも1つが重
合体の分子末端に位置することが好ましい。スチレン系
重合体(A)1分子当たりの平均官能基数は、特に限定
されるものではない。好ましい官能基数は、1〜10、
より好ましくは1〜4である。
【0012】スチレン系重合体(A)の数平均分子量
は、好ましくは500以上であり、より好ましくは10
00〜50000である。分子量が小さすぎても、大き
すぎても、充分な相溶化効果を得られない。なお、本発
明の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーにより測定したものである。
【0013】本発明の分子内に官能基を2つ以上有し、
かつそのうちの少なくとも一つの官能基がスチレン系重
合体(A)の官能基と反応しうる化合物(B)とは、特
に化合物が限定されるものではないが、例えば、有機ポ
リイソシアネート化合物、ジカルボン酸クロリド化合
物、ポリアミン化合物、ホスゲン、炭酸エステル化合
物、チオホスゲン、ビスクロロホルメート化合物等から
選択されるものである。この中でも、反応操作、コスト
を考慮すると、有機ポリイソシアネート化合物が、特に
好ましく用いられる。また、その官能基数は、好ましく
は2である。
【0014】有機ポリイソシアネート化合物とは、例え
ば1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プロピ
レンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリジ
ンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等
が用いられる。反応の制御等を考慮した場合、トリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ま
しく用いられる。
【0015】スチレン系重合体(A)および化合物
(B)から高分子化合物(ハ)を合成する反応は、溶媒
中で行っても良いし、溶媒を用いなくても良いが、通常
は作業性の観点から溶媒中で行われる。溶媒としては、
(A)、(B)および(C)の全てが溶解するものであ
り、なおかつ(A)および(B)の官能基と反応しない
ものであれば何を用いても構わない。例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチ
レン等の重合性不飽和単量体、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の有機溶剤が挙げられる。ただし、重合性不飽
和単量体として芳香族ビニル単量体を用いる際には、後
にラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と反応させる際の
条件を適切に選択し、必要に応じて後述の重合禁止剤を
添加する必要がある。高分子化合物(ハ)を保管する際
には、保管容器内部を、乾燥空気もしくは乾燥窒素ガス
で置換することが好ましい。
【0016】本発明の高分子化合物(ハ)は、主として
重合体(A)の官能基それぞれ1つに対して化合物
(B)1つが付加し、化合物(B)由来の官能基が少な
くとも1つ残ったタイプのものであることが好ましい。
好ましい構造を挙げれば、重合体(A)の官能基が1つ
の場合(A)−(B)の構造の高分子化合物(ハ)で、
化合物(B)由来の官能基1〜2個残存しているもの、
重合体(A)の官能基が2つの場合(B)−(A)−
(B)の構造の高分子化合物(ハ)で化合物(B)由来
の官能基1〜2個残存しているものが好ましい。ただ
し、本発明の高分子化合物(ハ)は副生成物を含むもの
である。副生成物とは例えば、(A)の官能基が1つの
場合には(A)−(B)−(A)、(A)の官能基が2
つの場合には(B)−(A)−(B)−(A)−(B)
等が、例として挙げられる。副生成物の割合が増加する
と、ラジカル共重合性樹脂(イ)と高分子化合物(ハ)
との反応で得られる高分子物質(ニ)の生成量が減少し
相溶化効果が低下するので、副生成物の割合は低いほど
好ましい。高分子化合物(ハ)を得る際、副生成物の生
成を避けるためには、適当な(A)と(B)との反応比
および反応温度の選択が重要である。その反応温度は、
好ましくは50〜150℃である。(A)の官能基が1
つの場合にはその反応比は、好ましくは(A):(B)=1:
0.8〜2である。(A)の官能基が2つの場合には、
その反応比は、好ましくは(A):(B)=1:1.6〜4で
ある。
【0017】高分子化合物(ハ)中の主たる化合物1分
子あたりに残存する化合物(B)由来の官能基数は、好
ましくは1〜4である。より好ましくは、残存官能基数
と、スチレン系重合体(A)の官能基数が等しいことで
ある。
【0018】高分子化合物(ハ)の合成反応は、溶媒中
で行っても良いし、溶媒を用いなくても良いが、通常は
作業性の観点から溶媒中で行われる。溶媒としては、
(A)(B)(ハ)各成分が溶解するものであり、各成
分中の官能基と反応しないものであれば何を用いても構
わない。ただし、後にラジカル共重合性不飽和樹脂組成
物と混合することを考えた場合、ラジカル共重合性不飽
和樹脂組成物に含まれる重合性不飽和単量体(イ’)と
同一のものを用い、適宜後述の重合禁止剤を添加するこ
とが好ましい。
【0019】化合物(B)の官能基と反応しうる官能基
を有するラジカル共重合性不飽和樹脂組成物とは、化合
物(B)の官能基と反応しうる官能基を有するラジカル
共重合性不飽和樹脂(イ)と重合性不飽和単量体
(イ’)とからなるものである。
【0020】本発明の化合物(B)の官能基と反応しう
る官能基を有するラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と
は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂、ビニルウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れ、これらの官能基とは、水酸基、カルボキシル基、ア
ミノ基、エポキシ基等である。
【0021】本発明に使用されうる不飽和ポリエステル
樹脂の組成は、特に制限されるものではなく、α,β−
不飽和カルボン酸または場合により飽和カルボン酸を含
むα,β−不飽和カルボン酸とアルコールとから得られ
るものである。不飽和ポリエステル(イ)は、その分子
末端にカルボキシル基もしくは水酸基を有するため高分
子化合物(ハ)を反応させることができる。
【0022】α,β−不飽和カルボン酸としては、例え
ばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、あ
るいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられる。
これらのα,β−不飽和カルボン酸はそれぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、飽和カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘッド酸、ヘ
キサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などが挙げられ
る。これらの飽和カルボン酸はそれぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0023】一方、アルコールとしては、例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ
ール、グリセリンモノアリルエーテル、水素化ビスフェ
ノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ドおよびプロピレンオキサイドの付加物、2,2−ビス
(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ン、2−メチルプロパンジオールなどのジオール類、ト
リメチロールプロパンなどのトリオール類、ペンタエリ
スリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。こ
れらのアルコールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】さらに、ジシクロペンタジエンを添加し、
上記α,β−不飽和カルボン酸、飽和カルボン酸および
アルコールと共に反応し得られるジシクロペンタジエン
系不飽和ポリエステルも使用できる。
【0025】また、上記不飽和ポリエステル樹脂(イ)
にグリシジルメタクリレートを反応させて得られる、不
飽和ポリエステルアクリレート樹脂もビニルエステル樹
脂として使用できる。
【0026】本発明に用いられるビニルエステル樹脂と
は、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応によって得
られる反応生成物である。ビニルエステル樹脂は、その
分子内に水酸基を有するため高分子化合物(ハ)を反応
させることができる。また、エポキシ樹脂と不飽和一塩
基酸との反応比率を変えれば分子内にエポキシ基を残す
こともでき、あるいはビニルエステル樹脂中の水酸基を
酸無水物で変性した場合には分子内にカルボキシル基を
残すことができるので高分子化合物(ハ)を反応させる
ことができる。あるいは、まずエポキシ樹脂に高分子化
合物(ハ)を反応させることもできる。
【0027】エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などの
多価フェノール類のグリシジルエーテル類、ジプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAのア
ルキレンオキシド付加物のジグリシジルエーテルなどの
多価アルコール類のグリシジルエーテル類、3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エ
ポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンなどの脂環式エ
ポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒ
ドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルp−
オキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどの
グリシジルエステル類、テトラグリシジルジアミノジフ
ェニルメタン、テトラグリシジルm−キシリレンジアミ
ン、トリグリシジルP−アミノフェノール、N,N−ジ
グリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類、1,3
−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリ
グリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹
脂、2,2´,4,4´−テトラグリシドキシビフェニ
ル、ジメチルビスフェノールCジグリシジルエーテル、
ビスベータートリフルオロメチルジグリシジルビスフェ
ノールAなどがあげられる。これらのエポキシ樹脂は単
独もしくは2種以上を併用してもよい。
【0028】不飽和一塩基酸としては、例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダ
イマー、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、
モノブチルマレート、モノ(2−エチルヘキシル)マレ
ート、あるいはソルビン酸などがあげられる。これら酸
は単独もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0029】また、「ビニルエステル樹脂」(ビニルエ
ステル樹脂研究会編、化学工業日報社、1993年)の
22頁から31頁に記載された、各種変性ビニルエステ
ル樹脂も全て使用できる。例えば、ビニルエステル樹脂
中の水酸基に、無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸無
水物やリン酸を付加させたタイプのビニルエステル樹脂
が挙げられる。
【0030】ビニルウレタン樹脂とは、ポリオール化合
物、有機ポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メ
タ)アクリレートから得られるオリゴマーである。ビニ
ルウレタン樹脂は、上記反応物の反応比を変えることで
分子内にイソシアネート基を残すことができるので高分
子化合物(ハ)を反応させることができる。あるいは、
まずポリオール化合物に高分子化合物(ハ)を反応させ
る方法もある。
【0031】ポリオール化合物とは、分子内に複数の水
酸基を有する化合物の総称であるが、水酸基の代わりに
イソシアネート基と反応しうる活性水素を有する官能
基、例えばカルボキシル基、アミノ基、メルカプト基を
有する化合物でも構わない。かかるポリオール化合物と
しては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオ
ール、カプロラクトン系ポリオールなどが挙げられ、そ
れぞれ単独もしくは2種以上を併せて用いられる。有機
ポリイソシアネート化合物としては前述のものを用いる
ことができる。
【0032】アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エ
ステルおよび(メタ)アクリル酸エステルを主たる成分
とする重合性不飽和単量体とから導かれる熱可塑性アク
リル重合体であり、重合体と重合性不飽和単量体とから
構成されるものをアクリル樹脂組成物とする。(メタ)
アクリル酸エステルを必須成分とし、必要により上記
(メタ)アクリル酸エステル類と共重合可能な他の重合
性不飽和単量体を併用し、該単量体混液を重合して得ら
れるものである。アクリル樹脂を用いる場合には、高分
子化合物(ハ)の化合物(B)由来の官能基と反応しう
る官能基を持つアクリル樹脂を選択する必要がある。
【0033】該アクリル樹脂は、該(メタ)アクリル酸
エステル等重合性不飽和単量体に溶解させたシラップの
形で用いられるため、分子量10万以下のものが好まし
く、懸濁重合、溶液重合等、一般的重合方法で得ること
ができる。また、該単量体を10〜40重量%予備重合
したシラップをそのまま用いることもできる。
【0034】高分子化合物(ハ)の使用量は、ラジカル
共重合性不飽和樹脂組成物100重量部に対して、高分
子化合物(ハ)を好ましくは0.01〜20重量部、よ
り好ましくは0.1〜10重量部である。この範囲内
で、目的やラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)の種類に
より、適切な添加量を選択すればよい。添加量が少ない
場合、前駆体高分子化合物(ハ)と該樹脂(イ)との反
応生成物である高分子物質(ニ)の生成量が少なく、化
合物(ロ)と該樹脂(イ)との充分な相溶性が得られな
い。添加量を増やすにつれ高分子物質(ニ)の生成量も
増えるので、相溶化効果は増すが、ある一定量を超える
と相溶化効果はあまり変わらなくなる。さらには、高分
子化合物(ハ)の官能基数が2以上である場合、高分子
化合物(ハ)の添加量が多いと樹脂組成物の粘度が上昇
し、ゲル化に至ることもある。なお、ここでいう高分子
化合物(ハ)の添加量とは、溶媒分を除いた高分子化合
物(ハ)の固形分での添加量である。
【0035】ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と高分
子化合物(ハ)との反応は、ラジカル共重合性不飽和樹
脂(イ)を合成中、合成後、合成後の重合性不飽和単量
体(イ’)の添加混合時のいずれかに高分子化合物
(ハ)を添加することで行われるのが好ましい。すなわ
ち、(イ)の合成仕込み時から、該樹脂組成物の取り出
しまでの間、いずれかに添加する方法である。いずれに
しても、添加した高分子化合物(ハ)とラジカル共重合
性不飽和樹脂(イ)とを効率的に反応させることが重要
であり、好ましくは添加された高分子化合物(ハ)の5
0重量%以上がラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と反
応することが好ましい。より好ましくは90重量%以上
である。このために、反応温度は好ましくは0〜300
℃の間で、好ましくは0.1〜5時間反応させる。、特
に該樹脂(イ)の合成終了後に高分子化合物(ハ)を加
え、反応温度60〜220℃の間で反応する方法がより
好ましい。高分子化合物(ハ)の添加量は、ラジカル共
重合性不飽和樹脂(イ)100重量部(固形分)に対
し、好ましくは0.005〜10重量部である。
【0036】前記は、高分子化合物(ハ)をラジカル共
重合性不飽和樹脂組成物に特定量添加して高分子物質
(ニ)を部分的に生成せしめたラジカル共重合性不飽和
樹脂組成物の製造方法であったが、高分子化合物(ハ)
をラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)の固形分量の同量
以上添加反応して、ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)
を全て高分子物質(ニ)に変えて相溶化剤を製造して、
これを別のラジカル共重合性不飽和樹脂組成物に好まし
くは0.01〜20重量部添加して使用することもでき
る。勿論、前記の部分的に高分子物質(ニ)を生成した
ラジカル共重合性不飽和樹脂組成物を他のラジカル共重
合性不飽和樹脂組成物と混合することで相溶性の良い樹
脂組成物とすることもできる。
【0037】こうした反応操作により、ラジカル共重合
性不飽和樹脂組成物中に、ラジカル共重合性不飽和樹脂
(イ)と高分子化合物(ハ)との反応により得られた高
分子物質(ニ)が生成存在することが重要である。高分
子物質(ニ)は、1分子中にスチレンを主成分とする重
合体ブロックとラジカル共重合性不飽和樹脂ブロックと
を併せ持つため、ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と
化合物(ロ)との相溶化剤として効果的に働くことが可
能となる。高分子物質(ニ)の数平均分子量は、好まし
くは2000〜100000である。
【0038】本発明のラジカル共重合性樹脂組成物と
は、ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と重合性不飽和
単量体(イ’)とからなり、化合物(ロ)と高分子物質
(ニ)を必須成分として含み、ここに必要に応じて、重
合禁止剤、硬化触媒、、内部離型剤、顔料等添加剤を加
えたものである。この樹脂組成物に更に、充填材、強化
材を添加しても良い。
【0039】本発明の成形材料とは、ラジカル共重合性
樹脂組成物、硬化触媒、繊維強化材からなり、必要によ
り充填剤、硬化触媒、内部離型剤、顔料等の添加剤を加
えたものである。
【0040】重合性不飽和単量体(イ’)としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロ
スチレン等の芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸
エステル類が用いられる。また、官能性単量体である、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマーや、
(メタ)アクリル酸等、カルボキシル基を有するモノマ
ーも使用できる。更にその他の、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等の不飽和エステル類、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類等を併用
することができる。
【0041】ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)即ち、
不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ビニルウレ
タン樹脂あるいはアクリル樹脂に対する重合性不飽和単
量体(イ’)の配合量は、特に限定されるものではない
が、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、20
重量%〜50重量%の範囲内がさらに好ましい。
【0042】重合禁止剤とは、製造の際、あるいは反応
後、重合によるゲル化の防止や、得られるラジカル共重
合性樹脂組成物の保存安定性または硬化性を調整するた
めに、添加される。重合禁止剤としては特に限定される
ものではなく、従来公知の重合禁止剤を用いることがで
きる。具体的には、例えば、ハイドロキノン、メチルハ
イドロキノン、p−t−ブチルカテコール、t−ブチル
ハイドロキノン、トルハイドロキノン、p−ベンゾキノ
ン、ナフトキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、ナフテン酸銅、塩化銅等が挙げら
れる。これらの重合禁止剤は、一種のみを用いても良
く、また、二種以上を適時混合して用いても良い。尚、
上記重合禁止剤の添加量は、特に限定されるものではな
いが樹脂組成物中に、好ましくは0.001〜1重量%
である。
【0043】硬化触媒としては、公知の高温硬化型、あ
るいは常温硬化型の触媒を使用することができる。高温
硬化型の触媒としては、例えば、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパー
オキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの
有機過酸化物を用いることができる。これら硬化触媒
は、単独もしくは2種以上を併せて用いられる。
【0044】また、常温硬化型の触媒としては、ナフテ
ン酸コバルトやオクテン酸コバルト等の金属塩類と、メ
チルエチルケトンパ−オキシドやメチルイソブチルケト
ンパ−オキシドなどのケトンパーオキシド類との併用に
よる硬化系、N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族3
級アミン類とベンゾイルパ−オキシドなどのアシルパー
オキシド類との併用などによる酸化還元触媒系を用いる
ことができる。
【0045】充填材としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、マイカ、タル
ク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、バーラ
イト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト石灰石、
セッコウ、アルミニウム微粉、中空バルーン、アルミ
ナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒水石、酸化ジル
コニウム、三酸化アンチモン、酸化チタン、二酸化モリ
ブデンなどが挙げられる。これらの充填材は、作業性や
得られる成形品の強度、外観、経済性などを考慮して選
ばれるが、通常、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウ
ム、シリカ、タルクなどがよく用いられる。表面処理し
たものでも良い。
【0046】強化材としては、通常、繊維強化材として
用いられるものでよく、例えば、ガラス繊維、ポリエス
テル繊維、フェノール繊維、ポリビニルアルコール繊
維、芳香族ポリアミド繊維、ナイロン繊維、炭素繊維が
ある。これらの形態としては、例えば、チョップドスト
ランド、チョップドストランドマット、ロービング、織
物状などが挙げられる。これらの繊維強化材は組成物の
粘度や得られる成形品の強度などを考慮して選ばれる。
【0047】内部離型剤としては、例えば、ステアリン
酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪
酸塩、あるいはアルキルリン酸エステルなどが挙げられ
る。
【0048】また、シート・モールディング・コンパウ
ンド(以降SMCと略す)、バルク・モールディング・
コンパウンド(以降BMCと略す)などの成形材料を作
成する場合には、増粘剤として酸化マグネシウム、水酸
化カルシウムなどの金属酸化物や水酸化物を添加するこ
とができる。
【0049】減粘剤としては、粘度を低減し、作業性の
改善を図る目的などで添加するものであり、樹脂組成物
の粘度を低減するものであれば、特に限定されるもので
はない。
【0050】本発明において、低収縮化を主な目的とし
てラジカル共重合性不飽和樹脂組成物と混合される低収
縮性付与化合物(ロ)としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、ポリスチレン、スチレンと重合性不
飽和単量体との共重合体、スチレン−共役ジエンブロッ
ク共重合体、スチレン−水添共役ジエンブロック共重合
体、これら重合体中の二重結合に、他の化合物を反応さ
せたものを用いることができる。スチレンと重合性不飽
和単量体との共重合体としては、スチレンと、前述の重
合性不飽和単量体から選ばれる1種以上の重合性不飽和
単量体とを重合させて得られる共重合体であれば、その
重合方法、共重合体の構造は特に限定されるものではな
い。スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体とは、ス
チレンと共役ジエンを重合させて得られるスチレン成分
と共役ジエン成分からなるブロック共重合体であり、共
役ジエン成分としてブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエンなどが用いられる。さらに、これらスチレ
ン−共役ジエンブロック共重合体を水素添加して得られ
るスチレン−水添共役ジエンブロック共重合体であって
も良い。ブロック共重合体の構成単位は特に限定される
ものではなく、スチレン−共役ジエン、スチレン−共役
ジエン−スチレン、共役ジエン−スチレン−共役ジエン
などのスチレンと共役ジエンの繰り返し単位のものも含
まれる。
【0051】さらに、(メタ)アクリル酸エステルおよ
び(メタ)アクリル酸エステルを主たる成分とする重合
性不飽和単量体から導かれる熱可塑性アクリル樹脂重合
体、酢酸ビニル系重合体、飽和ポリエステルも用いるこ
とができる。
【0052】本発明のラジカル共重合性樹脂組成物は、
従来ラジカル共重合性樹脂組成物が用いられていた全て
の用途に適用することができる。例えば、成形材料(S
MC、BMCとしてのプレス成形および射出成形、スプ
レー成形、ハンドレイアップ成形、注型、引き抜き成
形、レジントランスファーモールディング、メタルマッ
チドダイ成形等)、被覆材料(塗料、パテ、化粧板、シ
ーリング材、ライニング材)として用いることができ
る。
【0053】本発明の成形品とは、浴槽、キッチンカウ
ンター、洗面化粧台、防水パン等の住設機器;、レジン
コンクリート、タンク、浄化槽、人造大理石、パネル、
波板、パイプ等の土木建築材料;、シリンダーヘッドカ
バー、ヘッドランプリフレクター等の自動車部品;、モ
ーター封止材、ブレーカー等の電気部品;、ボート、船
等の船舶;、ボタン、雑貨などの用途が挙げられる。
【0054】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、文中「部」とあるのは、重量部を示すもの
である。
【0055】実施例1(高分子化合物(ハ)の合成) 窒素導入管を設けた1リットルの4つ口フラスコに、ス
チレン306g、スチレン系重合体(A)としてアゾ系
開始剤を用いて合成した片末端に水酸基を1つ有する数
平均分子量9600のポリスチレンを300g、ハイド
ロキノン0.2gを仕込み、窒素気流中で70℃まで昇
温した。次にジブチル錫ラウレート0.3g、化合物
(B)としてトリレンジイソシアネート5.5gを入
れ、70℃で2時間反応し高分子化合物(ハ)を得た。
これを高分子化合物(ハ−1)とする。これを冷却し、
固形分50%の高分子化合物(ハ−1)スチレン溶液を
得た。これを高分子化合物溶液Aとする。このようにし
て得られた高分子化合物(ハ−1)をジブチルアミンで
末端封止してからゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィで測定した数平均分子量は11000であった。
【0056】実施例2(高分子化合物(ハ)の合成) 窒素導入管を設けた1リットルの4つ口フラスコに、ス
チレン318g、スチレン系重合体(A)として片末端
に水酸基を2つ有する数平均分子量6000のポリスチ
レン(マクロモノマーHS−6:東亞合成(株)製)を
300g、ハイドロキノン0.2gを仕込み、窒素気流
中で70℃まで昇温した。次にジブチル錫ラウレート
0.3g、化合物(B)としてトリレンジイソシアネー
ト18gを入れ、70℃で2時間反応させ高分子化合物
(ハ)を得た。これを高分子化合物(ハ−2)とする。
これを冷却し、固形分50%の高分子化合物(ハ−2)
スチレン溶液を得た。これを高分子化合物溶液Bとす
る。このようにして得られた高分子化合物(ハ−2)を
ジブチルアミンで末端封止してから測定した数平均分子
量は、7000であった。
【0057】実施例3(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 窒素導入管を設けた2リットルの四口フラスコにプロピ
レングリコール390g、無水マレイン酸470gを仕
込み、窒素気流中で210℃まで昇温し、該反応温度を
保ちながら約9時間攪拌することにより反応を完了させ
て不飽和ポリエステル樹脂を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂の酸価は19mgKOH/gであった。その後、ハ
イドロキノン0.4gを加えた後、スチレン150gを
加え、90℃まで冷却した。次に、高分子化合物溶液A
を17g加え、90℃で3時間反応させた。次にスチレ
ン280gを加え、冷却し、不飽和ポリエステル樹脂組
成物A(以下不飽和ポリエステル樹脂Aと言う)を得
た。
【0058】実施例4(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aに代えて、高分子化合物溶液Bを用
いる以外は、実施例3同様の操作を行い、不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物B(以下不飽和ポリエステル樹脂Bと
言う)を得た。
【0059】実施例5(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 窒素および空気導入管を設けた2リットルの4つ口フラ
スコに、プロピレングリコール160g、ネオペンチル
グリコール220g、無水マレイン酸430gを仕込
み、150℃まで昇温後、120℃まで冷却し、ジシク
ロペンタジエン175gを仕込み、120〜140℃の
温度で酸価が220mgKOH/gとなるまで反応した。次
に、ハイドロキノンを0.5g加え、6時間反応し、不
飽和ポリエステル樹脂を得た。この不飽和ポリエステル
の酸価は18mgKOH/gであった。ここに、スチレン1
80gを加え、90℃まで冷却した。次に高分子化合物
溶液Aを23g加え、3時間反応させた。次に、スチレ
ン350gを加え、冷却し、不飽和ポリエステル樹脂組
成物C(以下、不飽和ポリエステル樹脂Cと言う)を得
た。
【0060】実施例6(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 窒素および空気導入管を設けた2リットルの4つ口フラ
スコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量410)1000g、メタクリル酸210g、ハイド
ロキノン0.5gを仕込み、窒素と空気とを1対1で混
合したガス流通下で、90℃まで昇温した。ここに2−
メチルイミダゾール2.5gを入れ、105℃に昇温し
て10時間反応させビニルエステル樹脂を得た。このビ
ニルエステルの酸価は6mgKOH/gであった。90℃ま
で冷却後、スチレン220g、トルハイドロキノン0.
8g、高分子化合物溶液Aを26g加え、90℃で3時
間反応させた。次に、スチレン300gを加え、冷却
し、ビニルエステル樹脂組成物A(以下、ビニルエステ
ル樹脂Aと言う)を得た。
【0061】実施例7(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 窒素および空気導入管を設けた2リットルの4つ口フラ
スコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当
量:410)1000g、メタクリル酸210g、ハイ
ドロキノン0.5gを仕込み、窒素と空気とを1対1で
混合したガス流通下で、90℃まで昇温した。ここに2
−メチルイミダゾール2.5gを入れ、105℃に昇温
して10時間反応させビニルエステル樹脂を得た。この
ビニルエステルの酸価は6mgKOH/gであった。ここに
トルハイドロキノン0.8g、スチレン260gを加
え、90℃まで冷却し、無水マレイン酸100gを入
れ、さらに3時間反応させた。ここに高分子化合物溶液
Aを28g加え、90℃で3時間反応させた。次にスチ
レン300gを加え、冷却し、ビニルエステル樹脂組成
物B(以下ビニルエステル樹脂Bと言う)を得た。
【0062】実施例8(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 窒素および空気導入管を設けた2リットルの4つ口フラ
スコに、ノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量:1
82)800g、メタクリル酸376g、ハイドロキノ
ン0.4gを仕込み、窒素と空気とを1対1で混合した
ガス流通下で、90℃まで昇温した。ここに2−メチル
イミダゾール2.4gを入れ、105℃に昇温して10
時間反応させビニルエステル樹脂を得た。このビニルエ
ステルの酸価は7mgKOH/gであった。ここにトルハイ
ドロキノン1g、スチレン210gを加え、90℃まで
冷却し、無水マレイン酸172gを入れ、3時間反応さ
せた。ここに高分子化合物溶液Aを29g加え、90℃
でさらに3時間反応させた。ここにスチレン370gを
入れて、冷却し、ビニルエステル樹脂組成物C(以下ビ
ニルエステル樹脂Cと言う)を得た。
【0063】比較例1(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aを用いない以外は、実施例3同様に
合成を行った。これを不飽和ポリエステル樹脂組成物D
(以下不飽和ポリエステル樹脂Dと言う)とする。
【0064】比較例2(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aを用いない以外は、実施例5同様に
合成を行った。これを不飽和ポリエステル樹脂組成物E
(以下不飽和ポリエステル樹脂Eと言う)とする。
【0065】比較例3(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aを用いない以外は、実施例6同様に
合成を行った。これをビニルエステル樹脂組成物D(以
下ビニルエステル樹脂Dと言う)とする。
【0066】比較例4(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aを用いない以外は、実施例7同様に
合成を行った。これをビニルエステル樹脂組成物E(以
下ビニルエステル樹脂Eと言う)とする。
【0067】比較例5(ラジカル共重合性樹脂組成物の
合成) 高分子化合物溶液Aを用いない以外は、実施例8同様に
合成を行った。これをビニルエステル樹脂組成物F(以
下ビニルエステル樹脂Fと言う)とする。
【0068】実施例9 不飽和ポリエステル樹脂A160gに対し、重量平均分
子量28万のポリスチレンの50%スチレンモノマー溶
液40gを加え、充分攪拌混合した。そのときの低収縮
化剤の分離までの時間を目視にて観察した結果を表1に
示した。
【0069】実施例10〜14 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂B、C、およびビニルエステル樹脂A〜Cを用い
る以外は実施例9と同様に行った。結果を表1に示し
た。
【0070】
【表1】
【0071】(評価方法)分離までの時間;樹脂組成物
を攪拌混合後、容積240ccのガラス瓶に入れて、2
3℃に保たれた室内にて放置した。混合直後はいずれの
例においても均一に白濁した樹脂組成物が得られた。液
の上部に低収縮化剤の分離が観察できるようになった時
間を分離までの時間とした。1ヶ月経過後も分離のない
ものは、「分離無」と記した。
【0072】比較例7〜11 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂D、E、およびビニルエステル樹脂D〜Fを用い
る以外は実施例9同様に行った。結果を表2に示した。
【0073】比較例12 不飽和ポリエステル樹脂D157g、相溶化剤としてモ
ディパーS501(日本油脂(株)製)の50%スチレ
ン溶液3g、重量平均分子量28万のポリスチレンの5
0%スチレンモノマー溶液40gを加え、充分攪拌混合
した。そのときの低収縮化剤の分離までの時間を目視に
て観察した結果を表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】実施例15 不飽和ポリエステル樹脂A160gに対し、スチレンブ
タジエンゴムとしてKRATON D−1101(シェ
ルジャパン(株)社製)の50%スチレンモノマー溶液
40gを加え、充分攪拌混合した。そのときの低収縮化
剤の分離までの時間を目視にて観察した結果を表3に示
した。
【0076】実施例16〜20 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂B、C、およびビニルエステル樹脂A〜Cを用い
る以外は実施例15と同様に行った。結果を表3に示し
た。
【0077】
【表3】
【0078】比較例13〜17 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂D、E、およびビニルエステル樹脂D〜Fを用い
る以外は実施例15同様に行った。結果を表4に示し
た。
【0079】比較例18 不飽和ポリエステル樹脂D157g、相溶化剤としての
50%スチレン溶液3g、スチレンブタジエンゴムとし
てKRATON D−1101(シェルジャパン(株)
社製)の50%スチレン溶液40gを加え、充分攪拌混
合した。そのときの低収縮化剤の分離までの時間を目視
にて観察した結果を表4に示した。
【0080】
【表4】
【0081】実施例21 不飽和ポリエステル樹脂A80部、パラベンゾキノン
0.06部、重量平均分子量28万のポリスチレンの5
0%スチレンモノマー溶液20部、ステアリン酸亜鉛4
部、炭酸カルシウム140部、顔料(ポリトングレーP
T−8809、大日本インキ化学工業(株)製)、硬化
触媒としてt−ブチルパーベンゾエート1部を混合し、
均一に分散するまで充分攪拌した。その後、該混合物
に、さらに増粘剤として酸化マグネシウム1.3部を添
加した後、得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物中の
含有量が25重量%となるように、補強材としての繊維
長1インチのガラス繊維を分散させ、常用のSMC製造
装置によってSMCを作成した。得られたSMCはアル
ミ蒸着フィルムに包み、40℃で約24時間熟成した。
その後、該SMCを上型145℃、下型135℃に調整
した金型に供給し、圧力70kgf/cm2(面圧)で
4分間加圧保持することによって30×30cm、厚さ
3mmの平板に成形した。得られた成形品のスカミン
グ、均一着色性、表面平滑性、光沢の評価は、下記に示
す方法で行った。結果を表5に示した。
【0082】実施例22〜26 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂B、C、およびビニルエステル樹脂A〜Cを用い
る以外は実施例21同様の評価を行った。結果を表5に
示した。
【0083】
【表5】
【0084】(評価方法) スカミングの評価:目視によって、スカミングの有無を
判定。 均一着色性の評価:目視での評価とともに色差計(日本
電色工業製カラーマシンΣ80)を使用し、成形品の任
意の直線上で1cm間隔で12点以上のL値を測定す
る。該L値の平均値を算出し、それを標準としてL値の
ばらつき(標準偏差)を算出し指標とする。 表面平滑性の評価:目視評価と、面歪測定機SURFMATIC
(東京貿易(株))を使用し、表面凹凸の2次微係数を
測定する。 表面光沢:目視および光沢計(村上色彩技術研究所:G
M26D)を使用し、60°光沢により評価。
【0085】 (評価基準) :良 ◎>○>△>× 不良 均一着色性:◎=目視でまったく色ムラが見られず、L値のば らつき(標準偏差)が0.5以下。 ○=目視ではほとんど色ムラが確認できないが、L値のば らつき(標準偏差)が0.7以下。 △=目視で色ムラが確認でき、L値のばらつき(標準偏 差)が0.7より大きく1.0未満。 ×=目視で明らかな色ムラが確認でき、L値のばらつき (標準偏差)が1.0以上。
【0086】 表面平滑性:◎=2次微係数が500以下。 ○=2次微係数が700以下。 △=2次微係数が700より大きく1000未満。 ×=2次微係数が1000以上。
【0087】 表面光沢:◎=60°光沢が90以上。 ○=60°光沢が85以上。 △=60°光沢が80以上85未満。 ×=60°光沢が80未満。
【0088】比較例19〜23 不飽和ポリエステル樹脂Aに代えて、不飽和ポリエステ
ル樹脂D、Eおよびビニルエステル樹脂D〜Fを用いる
以外は実施例21同様の評価を行った。結果を表6に示
した。
【0089】
【表6】
【0090】表1および3に記載の結果から明らかなよ
うに、本発明の条件を満たした実施例9〜20はいずれ
も高分子物質(ニ)により高い相溶化効果が得られ混合
から1ヶ月経過後にも、組成物中の低収縮化剤成分の分
離が全く起こらないものがあった。一方、表2および4
に記載の比較例7〜18は本発明の条件を満たしていな
いため充分な相溶化効果が得られず、いずれの場合にも
数分から2日後に分離が起こった。
【0091】また、表5に記載の結果から明らかなよう
に、実施例21〜26はいずれも本発明の条件を満たし
ているので、高分子物質(ニ)を相溶化剤とすることに
より低収縮化剤の分離に伴う成形欠陥が改善されたスカミン
ク゛のない、均一着色性、表面平滑性、表面光沢に優れた
成形品を得ることが出来た。一方、表6に記載の比較例
19〜24は本発明の用件を満たしていないため、低収
縮化剤分離に伴う成形欠陥が起きた成形品であった。
【0092】
【発明の効果】本発明の高分子化合物(ハ)は、ラジカ
ル共重合性不飽和樹脂(イ)と低収縮化剤として用いら
れるポリスチレンを主成分とする重合体との相溶性を改
善する高分子物質(ニ)を生成する前駆体化合物で、相
溶性の悪さに起因した、保存上、成形上の問題を解決す
ることを可能にする高分子物質(ニ)をラジカル共重合
性不飽和樹脂(イ)と反応することで提供できる。本発
明の高分子化合物(ハ)は、ラジカル共重合性不飽和樹
脂(イ)の合成時、合成後に添加され、ラジカル共重合
性不飽和樹脂(イ)と反応させることで相溶化剤として
働く高分子物質(ニ)を得ることができる。この高分子
物質(ニ)のみを製造してラジカル重合性不飽和樹脂組
成物に添加しても良いし、ラジカル共重合性不飽和樹脂
組成物に高分子化合物(ハ)を添加して、部分的にこの
高分子物質(ニ)を含有せしめて、低収縮化剤とラジカ
ル重合性樹脂組成物との混合物の1液化を可能にし、成
形製品の高付加価値を図るための手段を提供できる。こ
うしたラジカル共重合性不飽和樹脂組成物により、スカミン
ク゛がなく、均一着色性、表面平滑性、表面光沢に優れた
成形品を得ることができる成形材料、成形品を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA42 AA49 AA53 AF53 AH03 AH12 BA02 BB01 BB03 BB05 BC03 BC04 BC05 BC06 4J027 AB02 AE02 AG01 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA13 CA04 CA10 CD02 4J031 AA13 AA47 AA50 AA56 AB01 AC08 AD01 AF05 AF12 AF13 AF17 AF19 AF23 4J100 BA38H CA31 HA35 HA61 HC51 JA01 JA05 JA43 JA57 JA67

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)と重
    合性不飽和単量体(イ’)とからなるラジカル共重合性
    不飽和樹脂組成物における該不飽和樹脂(イ)と低収縮
    化を主な目的として添加する化合物(ロ)とを相溶させ
    る作用を有する高分子物質(ニ)を生成させる前駆体で
    ある高分子化合物(ハ)であって、高分子化合物(ハ)
    が、 (A)ポリスチレンを主成分とし、その分子内に官能基
    を1つ以上有するスチレン系重合体と、 (B)分子内に官能基を2つ以上有し、かつそのうちの
    少なくとも一つの官能基がスチレン系重合体(A)の官
    能基と反応しうる官能基を有する化合物、とを反応させ
    たもので、該高分子化合物(ハ)が該化合物(B)に由
    来する官能基を少なくとも一つ残存させていることを特
    徴とする高分子化合物(ハ)。
  2. 【請求項2】 スチレン系重合体(A)の官能基が、水
    酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、及びメ
    ルカプト基から選ばれる1種以上の官能基であることを
    特徴とする請求項1記載の高分子化合物(ハ)。
  3. 【請求項3】 スチレン系重合体(A)の官能基のうち
    少なくとも1つが、重合体の分子末端に位置することを
    特徴とする請求項1〜2いずれか記載の高分子化合物
    (ハ)。
  4. 【請求項4】 スチレン系重合体(A)の官能基数が、
    1〜4であることを特徴とする請求項1〜2いずれか記
    載の高分子化合物(ハ)。
  5. 【請求項5】 スチレン系重合体(A)の数平均分子量
    が、1000〜50000であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれか記載の高分子化合物(ハ)。
  6. 【請求項6】 化合物(B)が、有機ポリイソシアネー
    ト化合物であることを特徴とする請求項1〜5いずれか
    記載の高分子化合物(ハ)。
  7. 【請求項7】 高分子化合物(ハ)が、主として、該重
    合体(A)の官能基が1つの場合(A)−(B)の構造
    の化合物、該重合体(A)の官能基が2つの場合(B)
    −(A)−(B)なる構造の化合物であることを特徴と
    する請求項1〜6いずれか記載の高分子化合物(ハ)。
  8. 【請求項8】 高分子化合物(ハ)の1分子あたりに残
    存する化合物(B)由来の平均官能基数が1〜4つであ
    ることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の高分子
    化合物(ハ)。
  9. 【請求項9】 分子内に化合物(B)の官能基と反応し
    うる官能基を有するラジカル共重合性不飽和樹脂
    (イ)、重合性不飽和単量体(イ’)とからなるラジカ
    ル共重合性不飽和樹脂組成物に、請求項1〜8いずれか
    に記載の高分子化合物(ハ)を加えて、該ラジカル共重
    合性不飽和樹脂組成物中に、該ラジカル共重合性不飽和
    樹脂(イ)と高分子化合物(ハ)との反応により得られ
    る高分子物質(ニ)を含有することを特徴とするラジカ
    ル共重合性不飽和樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 ラジカル共重合性不飽和樹脂(イ)を
    合成する過程又は合成後、若しくはラジカル共重合性不
    飽和樹脂(イ)の合成後に重合性不飽和単量体(イ’)
    を添加した後に請求項1〜8いずれかに記載の高分子化
    合物(ハ)を添加し、反応させることを特徴とするラジ
    カル共重合性樹脂組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9ないし10に記載のラジカル
    共重合性樹脂組成物を含むことを特徴とする成形材料。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のラジカル共重合性樹
    脂組成物ないし請求項11に記載の成形材料を用いるこ
    とを特徴とする成形品。
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