JPH06279558A - 型内被覆用樹脂組成物 - Google Patents

型内被覆用樹脂組成物

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JPH06279558A
JPH06279558A JP6529793A JP6529793A JPH06279558A JP H06279558 A JPH06279558 A JP H06279558A JP 6529793 A JP6529793 A JP 6529793A JP 6529793 A JP6529793 A JP 6529793A JP H06279558 A JPH06279558 A JP H06279558A
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resin
coating
weight
mold
resin composition
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JP6529793A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢及び成形品基材に対する密着性に優れた
被覆層を有する被覆成形品を得ることを可能とする型内
被覆用樹脂組成物を提供する。 【構成】 成形型内において熱硬化性成形材料よりなる
基材上に被覆層を形成する型内被覆成形法において被覆
用材料として用いられる樹脂組成物であって、熱硬化性
樹脂及び共重合性モノマーを含む総樹脂分のうちに、不
飽和ポリエステル樹脂を60重量%以上、90重量%以
下、共重合モノマー5重量%以上、25重量%以上、2
5重量%以下含有する、型内被覆用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において成形
材料よりなる基材上に被覆層を形成する型内被覆成形に
おいて被覆用材料として用いられる型内被覆用樹脂組成
物に関し、特に、被覆層と成形品基材との間の密着性を
高め得る型内被覆用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に非常に広く用
いられている。中でも、シート・モールディング・コン
パウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モールデ
ィング・コンパウンド(以下、BMCと略す)が汎用さ
れている。
【0003】しかしながら、SMC又はBMCを成形型
内で加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表
面に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥
が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在して
いる場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても、
十分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】従って、上記のような表面欠陥を隠ぺいす
るための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案さ
れている。例えば、特開昭61−273921号には、
圧縮成形中に、成形圧力を越える注入圧で被覆材料を注
入し、硬化させることにより、成形品表面に被覆層を形
成する方法が開示されている。
【0005】また、これらの成形方法に用いられる型内
被覆用樹脂組成物としては、例えば特開平3−1181
20には不飽和ポリエステル樹脂を用いた例が記載され
ている。このような型内被覆用樹脂組成物においては、
市販の不飽和ポリエステル樹脂液が一般に用いられてき
た。ところで、この種の樹脂液は、元来、塗料用あるい
はFRPのマトリックス樹脂用等として開発されたもの
である。従って、ハケ塗りにおける作業性、ガラス繊維
などの強化繊維に対する含浸性等を良好にするため、ス
チレン等の共重合性モノマーを40重量%〜70重量%
程度含有させた低粘度状態で市販されている。従来、型
内被覆成形法に用いる際には、このような共重合性モノ
マーを40%〜70%程度含有させた樹脂液がそのまま
使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、ウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレート
を用いた様な被覆材料を使用した場合には、被覆層の光
沢が悪く、外観が劣るという欠点があった。また、被覆
材料として、特開平3−118120に開示されている
ような不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合には、光沢
は良好であるが、密着性が悪く、特に、サニタリー用S
MCのように密着性を高める上で不利な成形材料に対し
ては密着性が非常に悪いという欠点があった。
【0007】本発明は、上記欠点を解消し、型内被覆成
形法において光沢及び被覆層の密着性の双方において良
好な被覆成形品を得ることを可能とする型内被覆用樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の型内被覆用樹脂
組成物は、成形型内において熱硬化性成形材料よりなる
基材上に被覆層を形成する型内被覆成形法において被覆
用材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂及び共重合性モノマーを含む総樹脂分のう
ちに、不飽和ポリエステルを60重量%以上、90重量
%以下、共重合性モノマーを5重量%以上、25重量%
以下含有することを特徴とする型内被覆用樹脂組成物で
ある。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
型内被覆用樹脂組成物に用いる不飽和ポリエステル樹脂
は、公知慣用の方法により、通常、有機ポリオールと脂
肪族不飽和ポリカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪
族飽和ポリカルボン酸および/または芳香族ポリカルボ
ン酸などから製造される。
【0010】上記有機ポリオールとしては、ジオール、
トリオール、テトラオールおよびそれらの混合物が挙げ
られるが、主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオー
ルとに分けられ、このうち脂肪族ポリオールとして代表
的なものには、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジ
ブロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエーテ
ル、水素化ビスフェノールAなどがあり、また芳香族ポ
リオールとして代表的なものには、ビスフェノールAも
しくはビスフェノールSまたこれらのビスフェノールA
もしくはビスフェノールSにエチレンオキシド、プロピ
レンオキシドもしくはブチレンオキシドのような脂肪族
オキシラン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範囲
で付加させて得られるポリオキシアルキレンビスフェノ
ールAまたはポリオキシアルキレンビスフェノールS等
がある。
【0011】また、前記脂肪族不飽和カルボン酸として
は、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン
酸などが用いられ、前記脂肪族飽和カルボン酸として
は、セバチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸などが
用いられ、前記芳香族カルボン酸としては(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸などが用いられる。
【0012】上記不飽和ポリエステルは、通常、用いた
脂肪族飽和カルボン酸、芳香族カルボン酸またはポリオ
ールの種類によって分類される。例えば、オルトフタル
酸系、イソフタル酸系、(水添)ビスフェノール系等の
不飽和ポリエステル等が知られている。
【0013】これらの各種の不飽和ポリエステルが、本
発明の型内被覆組成物に利用されるが、耐食性等が要求
される用途においては、イソフタル酸系、テレフタル酸
系、(水添)ビスフェノール系などの不飽和ポリエステ
ル樹脂が好ましく用いられる。
【0014】用いる不飽和ポリエステルの量としては、
総樹脂分(熱硬化性樹脂、共重合性モノマー及び後述の
必要に応じて加えられる熱可塑性樹脂の総量)のうち6
0〜90重量%であり、より好適には65〜85重量
%、さらに好適には70〜80重量%である。不飽和ポ
リエステル樹脂の量が60重量%未満の場合には充分な
被膜の光沢を得ることが難しく、また90重量%を超え
ると、粘度が高くなりすぎるため、型内において被覆材
料を成形品基材表面の目的とする部分の全面に展延する
ことが困難となる。
【0015】ここで、上記「不飽和ポリエステルの量」
とは、不飽和ポリエステルそのものの量を指す。従来、
不飽和ポリエステル樹脂としては、スチレン等の共重合
性モノマーに溶解した形のものが汎用的に用いられてお
り、そのため、慣用的には、スチレン等の共重合性モノ
マーに溶解した不飽和ポリエステル樹脂溶液全体を、共
重合性モノマーと不飽和ポリエステルとを合わせた形
で、「不飽和ポリエステル樹脂」と称することもある
が、ここでは、共重合性モノマーを除いた、不飽和ポリ
エスエルそのもののみを、不飽和ポリエステルの量とし
て計算する。
【0016】本発明の型内被覆用樹脂組成物に用いる共
重合性モノマーとしては、分子内にエチレン性2重結合
を持つ、従来公知の任意の化合物が用いられる。例え
ば、スチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ビニルトルエン、などの芳香族ビニル化合物、ジ
アリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどの
アリル化合物、メチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト等の各種アクリレートモノマー、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート等の各種メタクリレートモノ
マー等が用いられる。上記らの共重合性モノマーの中で
も、共重合性が非常に良好であることによる物性の良さ
と低価格であるため、スチレンが好ましく用いられる。
【0017】共重合性モノマー量としては樹脂分(熱硬
化性樹脂、共重合性モノマー及び必要に応じて加えられ
る熱可塑性樹脂の総量)のうち5〜25重量%であり、
より好適には10〜20重量%である。共重合性モノマ
ーの量が5重量%未満の場合には、被覆材料の粘度が高
くなりすぎるため、型内における被覆材料の流動性が悪
くなり、成形品基材の目的とする部分の全体に均一に被
覆材料を展延することが難しくなる。また、25重量%
を超えると、被覆材料の収縮率が大きくなるため、界面
に応力を発生しやすく、その結果、密着性が低下する。
【0018】また、用いる不飽和ポリエステルと共重合
性モノマーとの比は3:1〜10:1の範囲にあること
が好ましい。不飽和ポリエステルの比率が大きすぎる場
合には被覆用樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、型内に
おいて被覆材料が成形品基材の被覆層を形成すべき面の
全面に展延することが困難となりやすく、共重合性モノ
マーの比率が大きすぎる場合には被覆層の密着性が低下
しやすくなる。
【0019】本発明の型内被覆用樹脂組成物には、上記
不飽和ポリエステル以外に、熱硬化性樹脂としては、エ
ポキシアクリレート(ビニルエステル)樹脂、ウレタン
アクリレート樹脂などが用いられる。これらの樹脂はそ
れぞれ単独で用いられても良いし、複数種を混合して用
いても構わないが、多過ぎると被覆層の光沢が低下する
ので、上記樹脂分中の割合は、通常25重量%以下、好
ましくは20重量%以下とされる。
【0020】これらのエポキシアクリレート樹脂、ウレ
タンアクリレート樹脂等を用いる場合の、上記共重合性
モノマーとしては、総合的な性能及び価格の点で、スチ
レン、メチルメタクリレート等が汎用的に用いられる。
【0021】また、これらのエポキシアクリレート樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂等についても、スチレン
等の共重合性モノマーに溶解した形で市販されているこ
とが多いが、この様な場合にはもちろん、樹脂液中の共
重合性モノマー量を、上記請求項1に記載の共重合性モ
ノマーとしてその量を計算しなければならない。
【0022】上記エポキシアクリレート樹脂は、公知慣
用の方法により、通常、エポキシ樹脂および(メタ)ア
クリル酸などの反応性二重結合を持つモノカルボン酸と
から製造されるものである。
【0023】上記ウレタンアクリレート樹脂は、通常、
アルキレンジオール、アルキレンジオールエステル、ア
ルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオールま
たはポリエステルポリオールなどの有機ポリオールに、
トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト等の有機ポリイソシアネートを反応させ、さらに2ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートの様なヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造される
ものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を残
し、これを上記エポキシアクリレート(ビニルエステ
ル)樹脂と化合させて用いることもできる。
【0024】また、前記エポキシアクリレート樹脂に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
ものを使用することができ、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリ
ンを反応させて得られるグリシジルアミン化合物などが
用いられる。
【0025】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、上記不飽和ポリエステル
樹脂に用いられるポリオールと同様のものが用いられる
他、アルキレンジオールとしてポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等、また、ポリエーテル
ポリオールとしてはポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド等、ポリエステルポリオールとしては
前述した様な有機ポリオールおよびポリカルボン酸によ
り製造された、両末端に水酸基を持つポリエステルポリ
オールなどが挙げられる。
【0026】本発明の型内被覆用樹脂組成物には低収縮
剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニルースチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和
ポリエステル類、飽和ポリエーテル類などのような熱可
塑性樹脂が必要に応じて用いられるが、多過ぎると被覆
層の密着性が低下するので、上記樹脂分中の割合は、通
常15重量%以下、好ましくは10重量%以下とされ
る。
【0027】さらに、本発明の型内被覆用樹脂組成物に
は、目的及び用途に応じて、適当量の無機充填剤を加え
ることができる。使用可能な無機充填剤としては、以下
のようなものがある。すなわち、硫黄、グラファイト、
ダイヤモンドなどの元素鉱物、黄鉄鉱などの硫化鉱物、
岩塩、カリ岩塩などのハロゲン化鉱物、炭酸カルシウム
などの炭酸塩鉱物、藍鉄鉱などのりん酸塩鉱物、カルノ
ー石などのバナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウ
ム)、石膏(硫酸カルシウム)などの硫酸塩鉱物、ほう
砂などのほう酸塩鉱物、灰チタン石などのチタン酸塩鉱
物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カオリン、石
英、長石などのけい酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉(酸化
アルミニウム)、水酸化アルミニウムなどの金属(水)
酸化物、(中空)ガラス球などのガラス製品などを中心
とした天然または人工の鉱物またはそれを処理、精製あ
るいは加工したもの、およびそれらの混合物が用いられ
る。
【0028】また、上記充填剤の添加量としては樹脂分
100重量部に対して0〜100重量部添加されるのが
好ましい。添加量が100重量部を越えると、充填剤を
樹脂および単量体の中に均一に分散させることが困難に
なり、また粘度が高くなりすぎるため型内での流動が悪
くなり、成形品基材の目的とする部分の全面に展延被覆
させることが困難になる。
【0029】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、補強剤
として、各種補強繊維、すなわちガス繊維、炭素繊維な
どを必要に応じて適当量加えることができる。さらに、
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、ケト
ンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイ
ドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、
アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオ
キシケタール類などの公知の開始剤、ジメチルアニリ
ン、ナフテン酸コバルトなどの公知の硬化促進剤、パラ
ベンゾキノンなどの重合禁止剤、カーボンブラックや酸
化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、アルミフレーク、
ニッケル粉、金粉、銀粉などの顔料、アゾ系染料やアン
トラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系などの染
料、カーボンブラックなどの導電性付与剤、乳化剤、ス
テアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシチ
ンなどの離型剤などを用途、目的に応じて適当量加える
ことができる。
【0030】本発明の型内被覆用樹脂組成物と組み合わ
せて用いられる熱硬化性成形材料としては、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシアクリレート(ビニルエステ
ル)樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などの熱硬化性樹
脂が用いられ、必要に応じて各種充填剤、補強材、添加
剤等を加えることができ、従来公知の方法により、SM
CあるいはBMC等の形態を持つ熱硬化性成形材料とさ
れたものが好適に用いられる。
【0031】具体的には、例えば、不飽和ポリエステル
樹脂のスチレン溶液(スチレン濃度40〜70重量%)
60〜100重量部に対して、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂
のスチレン溶液(スチレン濃度30〜80重量%)0〜
30重量部加えて100重量部とし、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム等の充填材粉末100〜300重量
部、酸化マグネシウム等の増粘剤0.1〜3重量部、開
始剤としての有機過酸化物0.1〜5重量部を加えてよ
く混練し、ガラス繊維等の補強繊維1〜200重量部
に、混練機または含浸機によって含浸させ、固体状の成
形材料としたものが、成形性、取扱い性、成形品物性に
優れるため、好適に用いられる。
【0032】このようにして得られた型内被覆用樹脂組
成物及び成形材料は、従来公知の型内被覆成形に用いる
ことができる。例えば、130〜160℃に加熱された
成形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2
の圧力で30秒〜5分間加圧成形した後、金型をわずか
に開いて型内被覆用樹脂組成物を注入し、次いで5〜1
20kg/cm2、130〜160℃で30秒〜5分間
再加熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面
全体に型内被覆用樹脂組成物を展延し、硬化させて被膜
を形成させるという方法がある。
【0033】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2で数十秒〜数分間加圧成形した後、圧
力を10〜30kg/cm2に減圧した状態で高圧注入
機を用いて100〜300kg/cm2の高圧で型内被
覆用樹脂組成物(被覆剤)を型内に注入し、再び30〜
100kg/cm2に増圧して型内被覆用樹脂組成物を
展延硬化させるという方法もあり、これらの型内被覆成
形方法に本発明の型内被覆用樹脂組成物を用いれば、容
易に密着性の良好な被覆層付き成形品を形成することが
できる。
【0034】
【作用】本発明の型内被覆用樹脂組成物は、不飽和ポリ
エステル樹脂を主成分とするため、成形後の被覆層は良
好な光沢を有する。また、組成物の硬化反応である共重
合反応における収縮率の比較的大きい共重合性モノマー
の量が、樹脂分のうち5重量%以上25%以下に制限さ
れているので、組成物の収縮率が小さくなるため、型内
被覆成形の際の成形材料との界面における収縮応力の発
生が抑制される。従って、被覆成形品において、成形品
基材に対する被覆層の密着性が高められる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、以下において、部は特に断らない限り、重量部を意
味するものとする。
【0036】[型内被覆用組成物の製造]配合材料とし
て、以下のものを用いた。 1)不飽和ポリエステル イソフタル酸(和光純薬工業社製)、無水マレイン酸
(和光純薬工業社製)及びプロピレングリコール(和光
純薬工業社製)より、公知慣用の方法にて不飽和ポリエ
ステルを合成した(以下、UPと略す)。イソフタル酸
と無水マレイン酸とプロピレングリコールのモル比=
6:4:10)
【0037】2)エポキシアクリレート樹脂 エポキシ樹脂(アラルダイトGY260、日本チバガイ
ギー株式会社製、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂)
を公知慣用の方法によりメタクリル酸エステル化して、
エポキシアクリレート樹脂を得た(以下、EAcと称
す)。 3)ウレタンアクリレート樹脂 ポリプロピレングリコール(和光純薬工業社製、平均分
子量1000)及びトリレンジイソシアネート(和光純
薬工業社製)及び2ヒドロキシエチルメタクリレート
(和光純薬工業社製)を用い、公知慣用の方法にてウレ
タンアクリレート樹脂を合成した(以下、UAcと略
す)。
【0038】4)ポリ酢酸ビニル樹脂(積水化学工業社
製、平均分子量8600、以下、PVACと略す)。 5)スチレン(和光純薬工業社製) 6)メチルメタクリレート(和光純薬工業社製) 7)炭酸カルシウム(NS−100) 8)硬化剤(カヤブチルB:化薬アクゾ社製、t−ブチ
ルパーオキソベンゾエート)
【0039】上記配合材料を、下記の表1に従って、ま
ず、1)、2)、3)及び4)の樹脂を100℃から1
50℃に加温しながら共重合性モノマー(スチレンまた
はメチルメタクリレート)に溶解した後、必要に応じて
炭酸カルシウム及び硬化剤を加え、十分に攪拌し、型内
被覆用樹脂組成物を得た。
【0040】[成形材料の準備]配合材料としては、以
下のものを用いた。 1.不飽和ポリエステル樹脂液(水添ビスフェノール系
の不飽和ポリエステル樹脂約60重量%をスチレンモノ
マー約40重量%に溶解したもの)70部 2.ポリスチレン系低収縮剤樹脂(ポリスチレン樹脂約
30重量%をスチレンモノマー約70重量%に溶解した
もの)30部 3.炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120部
【0041】4.硬化剤(カヤブチル)1部 5.増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ15
0:協和化学工業社製)1部 6.内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3部 以上の材料を混合、充分に攪拌した後、SMC含浸装置
により 7.ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断し
たもの)60部に含浸させ、SMCを得た。
【0042】[成形方法]上記のようにして得られたS
MC及び型内被覆用樹脂組成物を用い、以下の要領で成
形した。上型を150℃、下型を150℃に加熱した3
0cm×30cmの正方形の平板の金型内に上記SMC
を約700gチャージし(これは約4ミリの厚みに相当
する)、100kg/cm2の圧力で100秒間加圧成
形した後、金型をわずかに開いて上記型内被覆用樹脂組
成物を10ml注入し、再び金型を閉めて80kg/c
2で120秒間再加熱再加圧することにより、成形さ
れたSMCの表面全体に型内被覆用樹脂組成物を展延
し、硬化させて被覆層を形成した。その後型を開いて脱
型し、被覆成形品を得た。
【0043】[評価方法]得られた被覆成形品の被覆層
の60度鏡面光沢度を、光沢計(堀場製作所製、グロス
チェッカIG310)にて測定した。また、表面にカッ
ターナイフを用いて2mm間隔で11本の素地に達する直
線を引き、さらにそれに直交する11本の直線を引いて
できた碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化学工業社
製、商品名:セロテープ)を貼り付けたのち引き剥し、
被覆層の剥離していない碁盤目のますの数を調べた(碁
盤目密着試験)。
【0044】(実施例1〜6)下記表1に従い、被覆材
料を製造し、上記方法にて成形及び評価を行った。結果
を、表1に併せて示す。被覆層が表面の全面に成形され
た被覆成形品が得られ、被覆層の光沢及び密着性は優れ
ていた。
【0045】
【表1】
【0046】(比較例1〜3)下記表2に従い、被覆材
料を製造し、上記方法にて成形及び評価を行った。結果
を、表2に併せて示す。表面の全面が被覆層で被覆され
た被覆成形品が得られたが、被覆層の密着性は良好であ
ったが、光沢が充分でなかった。
【0047】(比較例4)下記表2に従い、被覆材料を
製造し、上記方法にて成形及び評価を行った。結果を、
下記の表2に併せて示す。表面の全面が被覆された被覆
成形品が得られた。被覆層の光沢は良好であったが、密
着性が劣るものであった。
【0048】(比較例5)下記表2に従って配合し、被
覆材料を製造し、上記方法にて成形を行った。その結
果、被覆材料の粘度が高すぎるため成形材料表面全体に
被覆材料を展延することができなかった。被覆された面
積は被覆層を形成すべき全表面の約2/3であった。
【0049】
【表2】
【0050】(注)比較例5では被覆材料の粘度が高す
ぎるため成形材料表面全体に被覆材料を展延することが
できなかったので、光沢及び密着性の評価は行わなかっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明の型内被覆用樹脂組成物では、不
飽和ポリエステル樹脂を主成分としているので、表面光
沢の良好な被覆層を得ることができ、また、共重合性モ
ノマーの量が特定の範囲に限定されており、型内被覆成
形の際に、被覆材料の収縮率が低下するので、面の応力
発生を抑制することができ、密着性の良好な被覆層付き
成形品を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内において熱硬化性成形材料より
    なる基材上に被覆層を形成する型内被覆成形法において
    被覆用材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であっ
    て、熱硬化性樹脂及び共重合性モノマーを含む総樹脂分
    のうちに、不飽和ポリエステルを60重量%以上、90
    重量%以下、共重合性モノマーを5重量%以上、25重
    量%以下含有することを特徴とする型内被覆用樹脂組成
    物。
JP6529793A 1993-03-24 1993-03-24 型内被覆用樹脂組成物 Pending JPH06279558A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009025838A (ja) * 2001-08-07 2009-02-05 Inphase Technologies Inc ホログラフィック記録製品の迅速大量生産のための製造方法及び組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009025838A (ja) * 2001-08-07 2009-02-05 Inphase Technologies Inc ホログラフィック記録製品の迅速大量生産のための製造方法及び組成物

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