JPH06271816A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び型内被覆成形方法 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び型内被覆成形方法

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JPH06271816A
JPH06271816A JP5063773A JP6377393A JPH06271816A JP H06271816 A JPH06271816 A JP H06271816A JP 5063773 A JP5063773 A JP 5063773A JP 6377393 A JP6377393 A JP 6377393A JP H06271816 A JPH06271816 A JP H06271816A
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JP
Japan
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molding
coating
thermosetting
unsaturated
thermosetting resin
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Application number
JP5063773A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆層の密着性に優れ、冷熱繰り返しのよう
な過酷な環境を受けた後でも充分な密着性を維持し得る
被覆成形品を型内被覆成形法により得ることを可能とす
る型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を提供する。 【構成】 型内にて熱硬化性成形材料よりなる基材上に
熱硬化性被覆材料を被覆させて被覆層を成形する型内被
覆成形法用の熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性成
形材料及び熱硬化性被覆材料の一方が、熱硬化性樹脂
と、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類及び不飽
和リン酸類のうち少なくとも1種とを含有する熱硬化性
樹脂組成物であり、他方が、熱硬化性樹脂と、不飽和リ
ン酸、またはポリイソシアネート、ポリアミン、複数の
グリシジル基を有するエポキシ化合物及び不飽和リン酸
類のうちの少なくとも1種を含有する熱硬化性樹脂組成
物であることを特徴とする型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において熱硬
化性成形材料よりなる基材上に熱硬化性被覆材料を被覆
して被覆層を形成する型内被覆成形方法において、上記
熱硬化性成形材料及び熱硬化性被覆材料として用いられ
る型内被覆用熱硬化性樹脂組成物に関し、特に、成形材
料よりなる基材と被覆層との密着性に優れた被覆成形品
を得ることを可能とする、熱硬化性樹脂組成物並びに該
熱硬化性樹脂組成物を用いた型内被覆成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に非常に広く用
いられている。中でも、シート・モールディング・コン
パウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モールデ
ィング・コンパウンド(以下、BMCと略す)が汎用さ
れている。
【0003】しかしながらSMC又はBMCを成形型内
で加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面
に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥が
発生しがちであった。このような表面欠陥が存在してい
る場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても、十
分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】従って、上記のような表面欠陥を隠ぺいす
るための方法として、いわゆる型内被覆成形方法が提案
されている。例えば、特公平4−33252号には、圧
縮成形中に、成形圧力を越える注入圧で被覆材料を注入
し、硬化させることにより、成形品表面に被覆層を形成
する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、型内被
覆成形方法により形成された被膜は、成形材料よりなる
基材との密着性が充分でないという問題があった。
【0006】本発明の目的は、被覆層の密着性が良好で
あり、冷熱繰り返しの様な環境変化を受けた後でも充分
な密着性を維持することができる被覆成形品を型内被覆
成形方法によって得ることを可能とする、型内被覆成形
用熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いた型内被覆成形方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、型内にて熱硬化性成形材料よりなる基材上に熱硬化
性被覆材料を被覆させて被覆層を成形する型内被覆成形
方法に用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、前記熱
硬化性成形材料及び熱硬化性被覆材料の一つに、熱硬化
性樹脂と、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類及
び不飽和リン酸類のうちの少なくとも1種とを含有する
熱硬化性樹脂組成物であり、他方が、熱硬化性樹脂と、
ポリイソシアネート、ポリアミン、複数のグリシジル基
を有するエポキシ化合物及び不飽和リン酸類のうちの少
なくとも1種とを含有する熱硬化性樹脂組成物であるこ
とを特徴とする型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物であ
る。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、上記型内
被覆成形方法において、前記熱硬化性成形材料及び被覆
材料として、請求項1にかかる熱硬化性成形材料及び熱
硬化性被覆材料を用いたことを特徴とする。以下、本発
明の構成の詳細を説明する。
【0009】請求項1に記載の発明 請求項1に記載の発明において、熱硬化性成形材料に用
いる熱硬化性樹脂としては、上記ポリイソシアネート、
ポリアミン、複数のグリシジル基を有するエポキシ化合
物の他に、熱分解性のラジカル触媒を用いて二重結合を
開裂付加反応させ3次元網目構造を形成することのでき
る、分子内に反応性二重結合を持つ不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシアクリレート(ビニルエステル)樹脂、
ウレタンアクリレート樹脂などが用いられる。これらの
樹脂はそれぞれ単独で用いられても良いし、複数種を混
合して用いられても構わない。
【0010】被覆材料に用いる熱硬化性樹脂としては、
同様にまた、上記ポリイソシアネート、ポリアミン、エ
ポキシの他に、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアク
リレート(ビニルエステル)樹脂、ウレタンアクリレー
ト樹脂などが用いられる。これらの樹脂はそれぞれ単独
で用いられても良いし、複数種を混合して用いられても
構わない。
【0011】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸などから製
造される。
【0012】他方、上記エポキシアクリレート(ビニル
エステル)樹脂は、これもまた公知慣用の方法により、
通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸などの反応
性二重結合を持つモノカルボン酸とから製造されるもの
である。
【0013】また、上記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオールなどの有機ポリオー
ルに有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものである。
【0014】ここで、上記不飽和ポリエステル樹脂に用
いられる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロール及びそれらの混合物が挙げられるが、主
として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けら
れ、このうち脂肪族ポリオールとして代表的なものに
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、トリ
メチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化ビ
スフェノールAなどがあり、また芳香族ポリオールとし
て代表的なものとしては、ビスフェノールAまたはビス
フェノールSあるいはこれらのビスフェノールAまたは
ビスフェノールSにエチレンオキシド、プロピレンオキ
シドもしくはブチレンオキシドのような脂肪族オキシラ
ン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加さ
せて得られるポリオキシアルキレンビスフェノールAま
たはポリオキシアルキレンビスフェノールS等がある。
【0015】前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、(無水)マレイ
ン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸などが用いられ
る。前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる脂肪族飽
和ポリカルボン酸としては、セバチン酸、アジピン酸、
(無水)コハク酸などが用いられる。
【0016】前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸など
が用いられる。
【0017】また、前記エポキシアクリレート(ビニル
エステル)樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、こ
れもまた公知慣用の方法によりエピクロルヒドリン及び
ビスフェノールAから製造されるビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、エピクロルヒドリン及び臭素化ビスフェノ
ールAから製造される臭素化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラックまたはオルトクレゾール
ノボラックをグリシジルエーテル化して製造されるノボ
ラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリ
ンを反応させて得られる、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチ
ルシクロヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ト
リグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルア
ニリン、ジグリシジルオルトトルイジンなどのグリシジ
ルアミン化合物等が用いられる。
【0018】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ブタンジオールのヒドロキシアルキルエーテル等、ポリ
エーテルポリオールとしてはポリオキシメチレン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等、ポ
リエステルポリオールとしては前述した様な有機ポリオ
ール及びポリカルボン酸により製造された、両末端に水
酸基を持つポリエステルポリオール等が用いられる。
【0019】前記ウレタンアクリレート樹脂に用いられ
るポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリ
フェニルジイソシアネート等が用いられる。
【0020】前記ウレタンアクリレート樹脂に用いられ
るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、
通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基は
通常アルキル基のベータ位の炭素に結合している。アル
キル基は通常8個までの炭素原子を含むことができる。
【0021】上記不飽和カルボン酸類とは、カルボキシ
ル基及び反応性不飽和結合を持つ化合物及び、その無水
物や金属塩等の、容易に水和して、または水分子等とイ
オン交換してカルボキシル基となり得る原子団(結合)
を有する不飽和化合物を意味する。
【0022】上記カルボキシル基及び反応性不飽和結合
を持つ化合物としては、従来公知の任意のものが用いら
れる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、
マレイン酸、イタコン酸、フタル酸モノヒドロキシエチ
ルアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリ
レート、フタル酸モノヒドロキシエチルメタクリレー
ト、コハク酸モノヒドロキシエチルメタクリレート等が
挙げられる。
【0023】上記不飽和カルボン酸の無水物としては、
従来公知の任意のものが用いられる。例えば、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。上記不飽和カ
ルボン酸の金属塩としては、従来公知の任意のものが用
いられる。例えば、具体的には、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
銅、銀、亜鉛、アルミニウムなどの金属の(メタ)アク
リル酸塩、マレイン酸塩、イタコン酸塩などが挙げられ
る。
【0024】上記不飽和スルホン酸類とは、SOOH基
及び反応性不飽和結合を持つ化合物、並びにその無水物
及び金属塩等の、容易に水和して、もしくは水分子等と
イオン交換してスルホン酸基となり得る原子団(結合)
を有する不飽和化合物を意味する。
【0025】上記SOOH基及び反応性不飽和結合を持
つ化合物としては、従来公知の任意のものが用いられ
る。例えば、パラスチレンスルホン酸、ベータスチレン
スルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0026】上記不飽和スルホン酸の金属塩としては、
従来公知の任意のものが用いられる。例えば、パラスチ
レンスルホン酸カリウム、パラスチレンスルホン酸ナト
リウム、ベータスチレンスルホン酸ナトリウム、アリル
スルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
【0027】上記不飽和スルホン酸の無水物としては、
従来公知の任意のものが用いられる。例えば、アリルス
ルホン酸無水物等がある。上記不飽和リン酸類とは、P
OOH基及び反応性不飽和結合を持つ化合物及び、その
金属塩、無水物金属塩等の、容易に水和して、または水
分子等とイオン交換してPOOH基となり得る原子団
(結合)を有する不飽和化合物を意味する。
【0028】上記POOH基及び反応性不飽和結合を持
つ化合物としては、以下の様なものが用いられる。例え
ば、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)ジハイドロ
ジェンホスフェート、モノ(2−メタクリロイルオキシ
エチル)ジハイドロジェンホスフェート、ジ(2−アク
リロイルオキシエチル)モノハイドロジェンホスフェー
ト、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)モノハイド
ロジェンホスフェート、モノ{5−カルボニルオキシ
(2−アクリロイルオキシエチル)ペンタン}ジハイド
ロジェンホスフェート、モノ{5−カルボニルオキシ
(2−メタクリロイルオキシエチル)ペンタン}ジハイ
ドロジェンホスフェート、ジ{5−カルボニルオキシ
(2−アクリロイルオキシエチル)ペンタン}モノハイ
ドロジェンホスフェート、ジ{5ーカルボニルオキシ
(2−アクリロイルオキシシエチル)ペンタン}モノハ
イドロジェンホスフェート等が挙げられる。
【0029】上記不飽和リン酸の金属塩としては、公知
慣用のものが用いられる。例えば、モノ(2−アクリロ
イルオキシエチル)ジソジウムホスフェート、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチル)ジポタシウムホスフェ
ート等が挙げられる。
【0030】上記不飽和リン酸の無水物としては、公知
慣用のものが用いられる。例えば、モノ(2−アクリロ
イルオキシエチル)ジハイドロジェンホスフェート無水
物等が挙げられる。
【0031】請求項1に記載の発明に用いられる上記ポ
リイソシアネートとは、分子内に複数のイソシアネート
基を有する化合物を意味し、従来公知慣用のポリイソシ
アネートが用いられる。具体的には、トリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェ
ニルジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジクロロジフェニル4,4’−ジイソシアネ
ート、メタキシレンジイソシアネート等を用いることが
できる。
【0032】請求項1に記載の発明に用いられるポリア
ミンとは、分子内に−NH2 基を複数持つ化合物を意味
するが、ここで、上記−NH2 基としては、アミノ基の
−NH2 基及び1級アミド基中の−NH2 基が挙げら
れ、その何れであってもよい。例えば、アミノ基を複数
持つものとしてはメラミン、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミ
ン、アクリログアナミン、パラミン、アミドール、1,
3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,
5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、
1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタ
ン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミ
ノドデカン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン等
があり、また例えば1級アミド基を複数持つものとして
はアジパミド、オルトフタラミド、イソフタラミド、テ
レフタラミド等が挙げられる。
【0033】請求項1に記載の発明に用いられる複数の
グリシジル基を有する化合物(以下、適宜エポキシ化合
物ともいう)も、公知慣用の方法により得られるものが
使用可能である。
【0034】例えば、エピクロルヒドリン及びビスフェ
ノールAから製造されるビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エピクロルヒドリン及び臭素化ビスフェノールAか
ら製造される臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
フェノールノボラックまたはオルトクレゾールノボラッ
クをグリシジルエーテル化して製造されるノボラック型
エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリンを反応
させて得られる、テトラグリシジルメタキシレンジアミ
ン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリ
シジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリ
ン、ジグリシジルオルトトルイジンなどのグリシジルア
ミン化合物等が挙げられる。
【0035】また、成形材料に不飽和カルボン酸類、不
飽和スルホン酸類、または不飽和リン酸類を用いる場合
には、その量としては、その総和として、成形材料の全
樹脂分(熱硬化性樹脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹
脂の総量)のうち0.1〜70重量%が好適であり、よ
り好適には0.5〜20重量%である。用いる量が0.
1重量%未満の場合には、被覆層との密着性を充分に改
良する効果が得にくく、逆に70重量%を超えると、組
成物の粘度が低くなりすぎるためSMCまたはBMCの
形態(固体状)とすることが困難となりがちである。
【0036】また、成形材料にポリイソシアネート、ポ
リアミン、またはエポキシ化合物を用いる場合には、そ
の量としては、その総和として、成形材料の全樹脂分
(熱硬化性樹脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹脂の総
量)のうち0.1〜20重量%が好適であり、より好適
には1〜12重量%である。用いる量が0.1重量%未
満の場合には、被覆層との密着性を充分に改良する効果
が得にくく、逆に20重量%を超えると、組成物の粘度
が低くなりすぎるためSMCまたはBMCの形態(固体
状)とすることが困難となりがちである。
【0037】また、被覆材料にポリイソシアネート、ポ
リアミン、またはエポキシ化合物を用いる場合にはその
量としては、被覆材料の全樹脂分(熱硬化性樹脂、共重
合性モノマー、熱可塑性樹脂の総量)のうち0.1〜2
0重量%が好適であり、より好適には1〜12重量%で
ある。用いる量が0.1重量%未満の場合には成形材料
との密着性を充分に改良する効果が得にくく、逆に20
重量%を超えると、被覆層の耐水性が悪くなり易いとい
う欠点を有する。
【0038】また、被覆材料に不飽和カルボン酸類、不
飽和スルホン酸類、または不飽和リン酸類を用いる場合
にはその量としては、その総和として、被覆材料の全樹
脂分(熱硬化性樹脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹脂
の総量)のうち0.1〜90重量%が好適であり、より
好適には0.5〜30重量%である。用いる量が0.1
重量%未満の場合には成形材料との密着性を充分に改良
する効果が得にくく、逆に90重量%を超えると、被覆
層の耐水性が悪くなり易いという欠点を有する。
【0039】他の材料及び成形方法 また、請求項1に記載の発明に用いる成形材料及び被覆
材料には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニルースチレン共重合体、ポリブ
タジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類な
どのような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いるこ
とができる。
【0040】請求項1に記載の発明に用いる成形材料及
び被覆材料には、目的及び用途に応じて、適当量の無機
充填剤を加えることができる。使用可能な無機充填剤と
しては、以下のようなものがある。すなわち、硫黄、グ
ラファイト、ダイヤモンドなどの元素鉱物、黄鉄鉱など
の硫化鉱物、岩塩、カリ岩塩などのハロゲン化鉱物、炭
酸カルシウムなどの炭酸塩鉱物、藍鉄鉱などのりん酸塩
鉱物、カルノー石などのバナジン酸塩鉱物、重晶石(硫
酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)などの硫酸塩鉱
物、ほう砂などのほう酸塩鉱物、灰チタン石などのチタ
ン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カオリ
ン、石英、長石などのけい酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉
(酸化アルミニウム)水酸化アルミニウムなどの金属
(水)酸化物、(中空)ガラス球などのガラス製品など
を中心とした天然または人工の鉱物またはそれを処理、
精製あるいは加工したもの、及びそれらの混合物が用い
られる。
【0041】また、成形材料に用いる上記充填剤の添加
量としては樹脂分(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、共重
合性モノマーの総量)100重量部に対して0〜300
重量部添加されるのが好ましい。添加量が300部を越
えると充填剤を樹脂及び単量体の中に均一に分散させる
ことが困難になり、また粘度が高くなりすぎるため、型
内での流動が悪くなり寸法安定性を得ることが困難にな
る。
【0042】また、被覆材料に用いる上記充填剤の添加
量としては樹脂分(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、共重
合性モノマーの総量)100重量部に対して0〜150
重量部添加されるのが好ましい。添加量が150部を越
えると粘度が高くなりすぎるため、型内での流動が悪く
なり成形材料表面の目的とする部分の全体に展延するこ
とが困難になる。
【0043】また、成形材料及び被覆材料には、補強材
として、各種補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素繊維
などを必要に応じて適当量加えることができる。さら
に、上記成形材料及び被覆材料には、必要に応じて、ス
チレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼン、
ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各種アクリレー
トモノマー、各種メタクリレートモノマーなどの共重合
性単量体が加えられる。
【0044】また、ケトンパーオキサイド類、ジアシル
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パー
カーボネート類、パーオキシケタール類などの公知の開
始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルトなどの公
知の硬化促進剤、パラベンゾキノンなどの重合禁止剤、
カーボンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔
料、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉などの顔
料、アゾ系染料やアントラキノン系、インジゴイド系、
スチルベン系などの染料、カーボンブラックなどの導電
性付与剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、
脂肪族燐酸塩、レシチンなどの離型剤などを用途、目的
に応じて適当量加えることができる。
【0045】請求項1の発明の熱硬化性樹脂組成物の調
請求項1の発明に用いる成形材料は、上記の様な配合材
料を用いて、従来公知の方法により、SMCあるいはB
MCの形態を持つ成形材料となる。
【0046】具体的には、例えば、成形材料に不飽和カ
ルボン酸類、不飽和スルホン酸類、または不飽和リン酸
類を用いる場合には、不飽和ポリエステル樹脂のスチレ
ン溶液(スチレン濃度40〜70%)50〜99部に対
して、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ
酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレ
ン濃度30〜80%)0〜30部、不飽和カルボン酸
類、不飽和スルホン酸類、または不飽和リン酸類1〜2
0部を加えて100部とし、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム等の充填材粉末100〜300部、酸化マグ
ネシウム等の増粘剤0.1〜3部、開始剤としての有機
過酸化物0.1〜5部を加えてよく混練し、ガラス繊維
等の補強繊維1〜200部に、混練機または含浸機によ
って含浸させ、固体状の成形材料としたものが、成形
性、取扱い性、成形品物性に優れるため、好適に用いら
れる。
【0047】また例えば、成形材料にポリイソシアネー
ト、ポリアミン、またはエポキシ化合物を用いる場合に
は、不飽和ポリエステル樹脂のスチレン溶液(スチレン
濃度40〜70%)50〜99部に対して、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルなどの
熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレン濃度30〜80
%)0〜30部、ポリイソシアネート、ポリアミン、ま
たはエポキシ1〜12部を加えて100部とし、炭酸カ
ルシウム、水酸化アルミニウム等の充填材粉末100〜
300部、酸化マグネシウム等の増粘剤0.1〜3部、
開始剤としての有機過酸化物0.1〜5部を加えてよく
混練し、ガラス繊維等の補強繊維1〜200部に、混練
機または含浸機によって含浸させ、固体状の成形材料と
したものが、成形性、取扱い性、成形品物性に優れるた
め、好適に用いられる。
【0048】請求項1に記載の発明に用いられる被覆材
料は、上記の様な配合材料を用いて、従来公知の方法に
より、混練されて液状の被覆材料となる。
【0049】具体的には、例えば、被覆材料にポリイソ
シアネート、ポリアミン、またはエポキシを用いる場合
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート
樹脂またはウレタンアクリレート樹脂のスチレン溶液
(スチレン濃度40〜70%)60〜99部に対して、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニルなどの熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレン濃度
30〜80%)0〜30部、ポリイソシアネート、ポリ
アミン、またはエポキシ1〜12部、を加えて100部
とし、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填材粉末1
0〜150部、ステアリン酸亜鉛等の内部離型剤0.1
〜3部、開始剤としての有機過酸化物0.1〜5部を加
えてよく混練したものが、成形性、取扱い性、成形品物
性に優れるため、好適に用いられる。
【0050】また、被覆材料に、不飽和カルボン酸類、
不飽和スルホン酸類、または不飽和リン酸類を用いる場
合には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレー
ト樹脂またはウレタンアクリレート樹脂のスチレン溶液
(スチレン濃度40〜70%)60〜99部に対して、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビ
ニルなどの熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレン濃度
30〜80%)0〜30部、不飽和カルボン酸類、不飽
和スルホン酸類、または不飽和リン酸類1〜20部、を
加えて100部とし、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等
の充填材粉末10〜150部、ステアリン酸亜鉛等の内
部離型剤0.1〜3部、開始剤としての有機過酸化物
0.1〜5部を加えてよく混練したものが、成形性、取
扱い性、成形品物性に優れるため、好適に用いられる。
【0051】このようにして得られた、請求項1に記載
の発明の成形材料及び被覆材料は、従来公知の型内被覆
成形に用いることができる。
【0052】例えば130〜160℃に加熱された成形
金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2の圧
力で30秒〜5分間加圧成形した後金型をわずかに開い
て被覆材料を注入し、次いで5〜120kg/cm2
130〜160℃で30秒〜5分間再加熱再加圧するこ
とにより、成形されたSMCの表面全体に被覆材料を展
延し、硬化させて被膜を形成させるという方法がある。
【0053】また特公平4−33252に開示されてい
るように、SMCを130〜160℃、40〜120k
g/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力を10
〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機を用い
て100〜300kg/cm 2 の高圧で被覆材料を型内
に注入し再び30〜100kg/cm2 に増圧して被覆
材料を展延硬化させるという方法もあり、これらの型内
被覆方法に本発明の特徴とするところの成形材料及び被
覆材料を用いれば、容易に被膜と成形材料との密着性の
良好な被覆体を形成することができる。
【0054】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組
成物では、成形材料及び被覆材料を構成する熱硬化性樹
脂組成物の一方に、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホ
ン酸類及び不飽和リン酸類のうち少なくとも1種が含有
されており、また他方には、ポリイソシアネート、ポリ
アミン、複数のグリシジル基を有するエポキシ化合物及
び不飽和リン酸類のうちの少なくとも1種が含有されて
いる。
【0055】不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸
類、または不飽和リン酸類が成形材料に含有されている
場合には、加圧成形時においてこれらの化合物が熱硬化
性樹脂と共重合して、成形材料表面にカルボキシル基、
SOOH基、POOH基を出す。これは、被覆材料に含
有されて成形時に表面にでるポリイソシアネート、ポリ
アミン、エポキシ化合物または不飽和リン酸類のイソシ
アネート基、−NH2 基、グリシジル基またはPOOH
基と下記の化学式の様に反応して、成形材料と被覆材料
の界面において強固な硬化樹脂層(相互に相手の架橋構
造内に侵入して絡み合っているものと推察される)を形
成する機能を持ち、従って、成形材料と被覆層との密着
性を改善することができる。
【0056】
【化1】
【0057】
【化2】
【0058】
【化3】
【0059】上記化1〜化3の化学式において、R1
3 、R5 、R37:不飽和カルボン酸残基、R2
8 、R14:ポリイソシアネート残基、R4 、R10、R
16:ポリアミン残基、R6 、R12、R18:エポキシ化合
物残基、R7 、R9 、R11、R39:不飽和スルホン酸残
基、R13、R15、R17、R38、R40、R41、R42:不飽
和リン酸残基である。
【0060】また、成形材料にポリイソシアネート、ポ
リアミン、エポキシ化合物を用いる場合には、これら
が、加圧成形時において、表面にイソシアネート基、−
NH2基、グリシジル基を出す。これは、被覆材料に含
有されて成形時に共重合する不飽和カルボン酸類、不飽
和スルホン酸類、不飽和リン酸類のカルボキシル基、S
OOH基、POOH基と反応して下記の化学式の様に化
学結合を生成して、被膜と成形材料の界面において、そ
の両者にまたがる強固な硬化樹脂層(相互に相手の架橋
構造内に侵入して絡み合っているものと推察される)を
形成する機能を持ち、このため、成形材料と被膜との密
着力を改良することができる。
【0061】
【化4】
【0062】
【化5】
【0063】
【化6】
【0064】上記化4〜化6の化学式において、R19
25、R31:ポリイソシアネート残基、R20、R22、R
24:不飽和カルボン酸残基、R21、R27、R33:ポリア
ミン残基、R23、R29、R35:エポキシ化合物残基、R
24、R28、R30:不飽和スルホン酸残基、R30、R34
36:不飽和リン酸残基である。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。なお、以下におい
て、部は、特に断らない限り重量部を意味するものとす
る。
【0066】本発明についての実施例及び比較例 〔材料の準備〕 1.不飽和ポリエステル樹脂液 イソフタル酸5モル、マレイン酸5モル、プロピレング
リコール10モルを従来公知の方法により縮合させ不飽
和ポリエステル樹脂(分子量約1000)を得た。これ
をスチレンモノマーに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂
液とした。(スチレン含有量約40重量%、以下、UP
と略す。)
【0067】2.ポリスチレン系低収縮剤樹脂液(ポリ
スチレン樹脂約30重量%、スチレンモノマー約70重
量%、以下、LPAと略す。) 3.トリレンジイソシアネート(和光純薬工業社製、以
下、TDIと略す。) 4.ヘキサメチレンジイソシアネート(和光純薬工業社
製、以下、HDIと略す。)
【0068】5.メラミン(和光純薬工業社製、以下、
MELと略す。) 6.ヘキサメチレンジアミン(和光純薬工業社製、以
下、HMAと略す。) 7.エポキシ樹脂1(XAC5020、ビスフェノール
Aタイプのエポキシ樹脂、日本チバガイギー社製、以
下、EP1と略す。)
【0069】8.エポキシ樹脂2(EPN1139、フ
ェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂、日本チバガ
イギー社製、以下、EP2と略す。) 9.エポキシ樹脂3(MY720、グリシジルアミンタ
イプのエポキシ樹脂、日本チバガイギー社製、以下、E
P3と略す。)
【0070】10.メタクリル酸(和光純薬工業社製、
以下、MAと略す。) 11.無水マレイン酸(和光純薬工業社製、以下、AM
Aと略す。) 12.アリルスルホン酸(和光純薬工業社製、以下、A
SAと略す。)
【0071】13.パラスチレンスルホン酸カリウム
(和光純薬工業社製、以下、SSAと略す。) 14.モノ(2−アクリロイルオキシエチル)ジハイド
ロジェンホスフェート(和光純薬工業社製、以下、AE
HPと略す。)
【0072】15.ジ(2−メタクリロイルオキシエチ
ル)モノハイドロジェンホスフェート(和光純薬工業株
式会社製、以下、MEHPと略す) 16.炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化工
業社製、以下、CaCO 3 と略す。)
【0073】17.硬化剤(カヤブチルB:化薬アクゾ
社製、ターシャリーブチルパーオキソベンゾエート含有
率98重量%) 18.増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ1
50:協和化学工業社製)
【0074】19.ガラス繊維(旭ファイバーグラス社
製のロービング:ER4630LBD166Wを長さ2
5mmに切断したもの、以下、GFと略す。)
【0075】〔成形材料の製造〕これらの材料のうち、
ガラス繊維以外の配合材料を下記の表1〜9に従って混
合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装置によりガラス
繊維に含浸させ、SMCを得た。
【0076】〔被覆材料の製造〕上記配合材料を、下記
表1〜6に従って混合、十分に混練して被覆材料を得た
【0077】。〔成形〕上記のようにして得られたSM
C及び被覆材料を用い、以下のように成形した。
【0078】上型を150℃、下型を150℃に加熱し
た30cm×30cmの正方形の平板の金型内に上記S
MCを約700gチャージし(これは約4ミリの厚みに
相当する)、100kg/cm2 の圧力で100秒間加
圧成形した後、金型をわずかに開いて上記被覆材料を1
0ml注入し、再び金型を閉めて80kg/cm2 で1
20秒間再加熱再加圧することにより、成形されたSM
Cの表面全体に被覆材料を展延し、硬化させて被膜を形
成させた。その後型を開いて脱型し、表面が厚み約10
0μmの被膜で被覆された成形品を得た。
【0079】〔評価〕このようにして得られた成形品の
表面にカッターナイフを用いて2mm間隔で11本の素
地に達する直線を引き、さらにそれに直交する11本の
直線を引いてできた碁盤目状の部分に粘着テープ(積水
化学工業社製、セキスイセロテープ)を貼り付けた後引
き剥がし、被膜の剥離していない碁盤目のますの残存数
を調べた(碁盤目密着試験)。
【0080】また、得られた成形品から10cm×10
cmの試験片を切り出し、プログラム式のオーブンに
て、80℃×5時間→23℃×1時間→−30℃×5時
間→23℃×1時間→の冷熱繰り返しを1サイクルとし
て、10サイクル連続で繰り返して行った。この冷熱繰
り返し試験終了後の試験片についても碁盤目密着試験を
行った。この様にして得られた初期、及び冷熱繰り返し
試験後の密着性の結果を以下の表1〜6に示す。
【0081】(実施例1〜30)下記の表1〜3に従
い、成形材料及び被覆材料を配合し、上述した方法にて
成形及び評価を行った。その結果を下記の表1〜3に示
す。被膜の密着性は、初期においても、また冷熱繰り返
し試験後においても良好であった。
【0082】(比較例1〜24)下記の表4〜6に従
い、成形材料及び被覆材料を配合し、上述した方法にて
成形及び評価を行った。その結果を下記の表4〜6に併
せて示す。密着性は、初期においては良好であったが、
冷熱繰り返し試験後においては不良であった。
【0083】(比較例25)下記の表6に従い、成形材
料及び被覆材料を配合し、上述した方法にて成形及び評
価を行った。結果を、下記の表6に併せて示す。密着性
は、初期においても、また冷熱繰り返し試験後において
も不良であった。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】
【表6】
【0090】なお、上記表1〜表6及び後に示す表7〜
表9において、成形材料及び被覆材料に用いた記号の意
味は、以下の通りである。
【0091】UP :不飽和ポリエステル樹脂液 LPA :ポリスチレン系低収縮剤樹脂液 TDI :トリレンジイソシアネート
【0092】 HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート MEL :メラミン HMA :ヘキサメチレンジアミン
【0093】EP1 :エポキシ樹脂1 EP2 :エポキシ樹脂2 EP3 :エポキシ樹脂3
【0094】MA :メタクリル酸 AMA :無水マレイン酸 ASA :アリルスルホン酸
【0095】 SSA :パラスチレンスルホン酸カリウム AEHP:モノ(2−アクリロイルオキシエチル)ジハ
イドロジェンホスフェート MEHP:ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)モノ
ハイドロジェンホスフェート
【0096】CaCO3 :炭酸カルシウム粉末 GF :ガラス繊維
【0097】(実施例31〜40)下記の表7に従い、
成形材料及び被覆材料を配合し、実施例1と同様にして
成形及び評価を行った。結果を、表7に併せて示す。密
着性は、初期においても、また冷熱繰り返し試験後にお
いても良好であった。
【0098】(比較例26〜37)下記の表8〜9に従
い、成形材料及び被覆材料を配合し、実施例1と同様に
して成形及び評価を行った。結果を、表8〜9に併せて
示す。密着性は、初期においては良好であったが、冷熱
繰り返し試験後においては不良であった。
【0099】(比較例38)下記の表9に従い、成形材
料及び被覆材料を配合し、実施例1と同様にして成形及
び評価を行った。その結果を、表9に示す。密着性は、
初期においても、また冷熱繰り返し試験後においても不
良であった。
【0100】
【表7】
【0101】
【表8】
【0102】
【表9】
【0103】
【発明の効果】上記のように、請求項1に記載の発明で
は、成形材料及び被覆材料のいずれかに不飽和カルボン
酸類、不飽和スルホン酸類、不飽和リン酸類が配合され
ており、加圧成形時にこれらの不飽和カルボン酸類、不
飽和スルホン酸類または不飽和リン酸類の共重合性二重
結合が、加圧成形時に熱硬化性樹脂組成物と共重合反応
し、表面にカルボキシル基、SOOH基またはPOOH
基を出す。従って、成形材料及び被覆材料の他方に含有
されているポリイソシアネート、ポリアミンまたはエポ
キシ化合物の、イソシアネート基、NH2 基またはグリ
シジル基と反応し、化学結合を形成する。その結果、両
者の界面において強固な熱硬化性樹脂層を形成する機能
を持ち、この化学結合により、成形材料と被覆層との密
着性を改良することができ、冷熱繰り返しのような過酷
な環境変化の後も十分な密着性を維持することができ
る。
【0104】また、請求項2に記載の発明のように、請
求項1に記載の熱硬化性成形材料及び被覆材料を用いて
型内被覆成形を行うことにより、被覆層の成形品基材に
対する密着性に優れ、かつ冷熱繰り返しのような過酷な
環境変化の後においても充分な密着性を有する被覆層が
形成された被覆成形品を提供することが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型内にて熱硬化性成形材料よりなる基材
    上に熱硬化性被覆材料を被覆させて被覆層を成形する型
    内被覆成形方法に用いられる熱硬化性樹脂組成物であっ
    て、前記熱硬化性成形材料及び熱硬化性被覆材料の一方
    が、熱硬化性樹脂と、不飽和カルボン酸類、不飽和スル
    ホン酸類及び不飽和リン酸類のうちの少なくとも1種と
    を含有する熱硬化性樹脂組成物であり、他方が、熱硬化
    性樹脂と、ポリイソシアネート、ポリアミン、複数のグ
    リシジル基を有するエポキシ化合物及び不飽和リン酸類
    のうちの少なくとも1種とを含有する熱硬化性樹脂組成
    物であることを特徴とする型内被覆成形用熱硬化性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂組成物からなる成形材料を
    成形する際に、型内にて前記成形材料よりなる基材上に
    熱硬化性樹脂組成物からなる被覆材料を被覆させる方法
    において、熱硬化性成形材料及び熱硬化性被覆材料とし
    て、前記請求項1に記載の熱硬化性成形材料及び熱硬化
    性被覆材料を用いることを特徴とする型内被覆成形方
    法。
JP5063773A 1993-03-23 1993-03-23 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び型内被覆成形方法 Pending JPH06271816A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005528507A (ja) * 2002-05-31 2005-09-22 オムノバ ソリューソンズ インコーポレーティッド ナイロンおよびナイロンベースの熱可塑性物質基体のためのインモールド外観コーティング
WO2020195938A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 大日本塗料株式会社 型内被覆用組成物

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