JPH05239255A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品

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JPH05239255A
JPH05239255A JP4106992A JP4106992A JPH05239255A JP H05239255 A JPH05239255 A JP H05239255A JP 4106992 A JP4106992 A JP 4106992A JP 4106992 A JP4106992 A JP 4106992A JP H05239255 A JPH05239255 A JP H05239255A
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Japan
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molding
mold
coating
thermosetting
thermosetting resin
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Application number
JP4106992A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆層の基材に対する密着性にすぐれた被覆
成形品を得ることを可能とする型内被覆成形用の熱硬化
性樹脂組成物を得る。 【構成】 型内被覆成形法において基材に用いられる熱
硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂及び長径と短
径との比であるアスペクト比が1.5以上の充填剤を含
有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において基材
上に被覆層を成形する型内被覆成形法に用いられる熱硬
化性樹脂組成物及び被覆成形品に関し、特に、基材と被
覆層との密着性に優れた被覆成形品を得ることを可能と
する、熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性成形材料によりなる成形
品が、金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用
いられている。上記熱硬化性成形材料としては、シート
・モールディング・コンパウンド(以下、SMCと略
す)またはバルク・モールディング・コンパウンド(以
下、BMCと略す)が、汎用されている。しかしなが
ら、SMCまたはBMCを成形型内で加熱・加圧により
成形して得られた成形品では、表面に、気孔、微小亀
裂、ひけまたは起伏等の表面欠陥が発生しがちであっ
た。このような表面欠陥が存在している場合、成形品に
通常の方法により塗装を行っても、十分な塗膜を形成す
ることは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を陰蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型を開
いて被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を設
ける方法が開示されている。他方、特開昭61−273
921号には、圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧
で被覆材料を注入し、硬化させることにより、成形品表
面に被覆層を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載されている型内被覆成形法では、基材
と被覆層との密着性が十分でないという問題があった。
本発明の目的は、上述した型内被覆成形法において、被
覆層の密着性が良好な被覆成形品を得ることを可能とす
る、型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆層の密
着性にすぐれた被覆成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明は、型内にて基材上に熱硬化性被覆材料を被覆させ
て被覆層を形成する型内被覆成形法において、前記基材
に用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性樹
脂と、長径と短径との比であるアスペクト比が1.5以
上の充填剤とを含有することを特徴とする。
【0006】また、本願の請求項2に記載の発明にかか
る被覆成形品は、上記請求項1に記載の発明の熱硬化性
樹脂組成物よりなる基材と、該基材上に形成された熱硬
化性被覆材料よりなる被覆層とを備えることを特徴とす
る。上記請求項1に記載の発明では、熱硬化性樹脂組成
物中に上記特定の形状の充填剤が含有されているため、
型内被覆成形法により成形することにより、基材と被覆
層との密着性にすぐれた請求項2に記載の発明にかかる
被覆成形品が得られる。以下、第1,第2発明の構成の
詳細につき説明する。
【0007】アスペクト比1.5以上の充填剤 請求項1に記載の発明では、基材を構成するために用い
られる熱硬化性樹脂組成物に、長径と短径の比であるア
スペクト比が1.5以上の充填剤が含有される。アスペ
クト比が1.5以上の充填剤は、加圧成形時に熱硬化性
樹脂組成物表面から突出し、表面を荒らすように機能す
ると考えられる。従って、熱硬化性樹脂組成物表面の凹
凸が増加するため、表面積増大効果及びアンカー効果が
発揮され、上に形成される熱硬化性被覆材料との密着性
が高められる。
【0008】従って、本発明の効果を得るには、上記ア
スペクト比は少なくとも1.5以上であることが必要で
あり、1.5未満では、基材と被覆層との密着性を十分
に高めることが困難となる。一方、組成物の型内流動性
や成形品の寸法安定性を確保するために、アスペクト比
は、通常、1000以下、好ましくは100以下とされ
る。また、上記充填剤の形状については、上記アスペク
ト比を満足する限り、特に限定されないが、例えば鱗片
状、針状、繊維状等のものを用いることができ、鱗片状
のものが好ましく用いられる。
【0009】なお、上記アスペクト比を有する充填剤の
粒径(長径)としては、0.05μm〜1mmのものが
好適である。粒径が0.05μm未満では、加圧成形時
に熱硬化性成形材料表面から突出したとしても、充填剤
の大きさが小さいため、基材表面の凹凸を大きくする効
果が不十分となりやすい。他方、粒径が1mmを超える
と、熱硬化性樹脂組成物の成形型内における流動性が低
下し、得られる成形品の寸法安定性が悪化する。
【0010】上記のようなアスペクト比を有する充填剤
の好適な例としては、タルク、パイロフィライト、カオ
リンまたはマイカ等の無機充填剤が挙げられる。上記ア
スペクト比を有する充填剤の使用量としては、全樹脂分
(熱硬化性成形材料中に含まれる樹脂の総量)100重
量部に対し、1〜300重量部が好ましく、より好まし
くは10〜100重量部である。上記アスペクト比を有
する充填剤の配合割合が1重量部未満では基材と被覆層
との密着性を改善する効果が得られ難く、逆に300重
量部を超えると、熱硬化性成形材料の粘度が高くなり過
ぎ、流動性が悪化し、成形型内に充満させることが困難
となるからである。
【0011】熱硬化性樹脂 請求項1に記載の発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物は、上記特定のアスペクト比を有する充填剤を含有
することを特徴とするものであるが、この組成物に用い
られる熱硬化性樹脂としては、熱分解性のラジカル触媒
を用いて二重結合を開裂付加反応させて3次元網目構造
を形成することができる、分子内に反応性二重結合を有
する不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル(エポキ
シアクリレート)樹脂またはウレタンアクリレート樹脂
等を用いることができる。これらの樹脂は、それぞれ、
単独で用いられてもよく、あるいは複数種を混合して用
いられてもよい。
【0012】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等とから製
造される。他方、上記ビニルエステル樹脂も、公知慣用
の方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリ
ル酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸とから
製造される。
【0013】また、上記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を
残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用いる
こともできる。
【0014】ここで、上記不飽和ポリエステル樹脂を得
るのに用いられる有機ポリオールとしては、ジオール、
トリオール、テトロール及びこれらの混合物が挙げられ
るが、主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールと
に分けられる。このうち脂肪族ポリオールとして代表的
なものには、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエーテ
ル、水素化ビスフェノールA等があり、また芳香族ポリ
オールとして代表的なものとしては、ビスフェノールA
またはビスフェノールSあるいはこれらのビスフェノー
ルAまたはビスフェノールSにエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシドもしくはブチレンオキシドのような脂肪
族オキシラン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範
囲で付加させて得られるポリオキシアルキレンビスフェ
ノールAまたはポリオキシアルキレンビスフェノールS
等がある。
【0015】また前記脂肪族不飽和カルボン酸としては
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が用いられ、前記脂肪族飽和カルボン酸としてはセバチ
ン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等、前記芳香族カ
ルボン酸としては、(無水)フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エン
ドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が用いられる。
【0016】前記ビニルエステル樹脂に用いられるエポ
キシ樹脂としては、これもまた公知慣用の方法によりエ
ピクロルヒドリン及びビスフェノールAから製造される
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン
及び臭素化ビスフェノールAから製造される臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックま
たはオルトクレゾールノボラックをグリシジルエーテル
化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂、各種アミ
ンとエピクロルヒドリンを反応させて得られる、テトラ
グリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリ
シジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−
アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノ
ール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルトトル
イジン等のグリシジルアミン化合物等が用いられる。
【0017】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエーテル等、ポ
リエーテルポリオールとしてはポリオキシメチレン、ポ
リエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等、
ポリエステルポリオールとしては前述したような有機ポ
リオール及びポリカルボン酸により製造された、両末端
に水酸基を有するポリエステルポリオール等が用いられ
る。
【0018】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート等が用いられる。ま
た、前記ウレタンアクリレート樹脂に用いられるヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通常、ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基は通常アル
キル基のベータ位の炭素に結合している。アルキル基は
通常8個までの炭素原子を含むことができる。
【0019】また、請求項1に記載の発明の熱硬化性樹
脂組成物には、スチレン、アルフアメチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフタレー
ト、各種アクリレートモノマー、各種メタクリレートモ
ノマー等の共重合性単量体や低収縮剤として、ポリ酢酸
ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−スチレ
ン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステル類、飽
和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂を必要に応じ
て適当量用いることができる。
【0020】さらに、請求項1に記載の発明の熱硬化性
樹脂組成物には、上記特定のアスペクト比を有する充填
剤以外に、目的及び用途に応じて、適当量の無機充填剤
を加えることができる。使用可能な無機充填剤として
は、以下のようなものがある。すなわち、硫黄、グラフ
ァイト、ダイヤモンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱
物、岩塩、カリ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭酸カルシウ
ム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー
石等のバナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石
膏(硫酸カルシウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう
酸塩鉱物、灰チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タル
ク(滑石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石等のけい
酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水
酸化アルミニウム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラ
ス球等のガラス製品等を中心とした天然もしくは人工の
鉱物またはそれを処理、精製あるいは加工したもの、及
びそれらの混合物が用いられる。また、上記充填剤の添
加量としては、熱硬化性樹脂100重量部に対して0〜
300重量部添加されるのが好ましい。添加量が300
重量部を超えると充填剤を樹脂及び単量体の中に均一に
分散させることが困難になり、また粘度が高くなりすぎ
るため型内での流動が悪くなり寸法安定性を得ることが
困難になる。
【0021】また、請求項1に記載の発明の熱硬化性樹
脂組成物では、補強材として、各種補強繊維、すなわち
ガラス繊維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0022】さらに、請求項1に記載の発明の熱硬化性
樹脂組成物には、必要に応じて、ケトンパーオキサイド
類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイ
ド類、ジアルキルパーオキサイド類、アルキルパーエス
テル類、パーカーボネート類、パーオキシケタール類等
の公知の重合開始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸コ
バルト等の公知の硬化促進剤、パラベンゾキノン等の重
合禁止剤、カーボンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シ
アニン系顔料、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀
粉等の顔料、アゾ系染料やアントラキノン系、インジゴ
イド系、スチルベン系等の染料、カーボンブラック等の
導電性付与剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸
類、脂肪族燐酸塩、レシチン等の離型剤等を用途、目的
に応じて適当量加えることができる。
【0023】熱硬化性被覆材料 請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組成物から
なる熱硬化性成形材料は、従来から型内被覆成形法にお
いて用いられている熱硬化性被覆材料と組み合わせて用
いられ、それによって請求項2に記載の被覆成形品を得
ることができる。この場合、熱硬化性被覆材料として
は、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂及び/またはウレタンアクリレート樹
脂等に、必要に応じて各種充填剤や添加剤等を混合した
ものが用いられる。
【0024】成形方法 請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組成物は、
従来より公知の方法によって、SMCまたはBMCの形
態の熱硬化性成形材料とされ、熱硬化性被覆材料ととも
に、型内被覆成形法に用いられる。例えば、130〜1
60℃に加熱された成形金型内にSMCを入れて40〜
120kg/cm2 の圧力で30秒〜5分間加圧成形し
た後、金型をわずかに開いて型内被覆用組成物を注入
し、次に5〜120kg/cm2 、130〜160℃で
30秒〜5分間、再加熱再加圧することにより、成形さ
れたSMCの表面全体に型内被覆用組成物を展延し、硬
化させて被覆層を形成することができる。
【0025】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後、圧
力を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入
機を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で型内被
覆用組成物を型内に注入し、再び30〜100kg/c
2 に増圧して型内被覆用組成物を展延硬化させる方法
もある。上記のような型内被覆成形法に本発明の熱硬化
性樹脂組成物を用いれば、基材と被覆層との密着性の良
好な請求項2に記載の被覆成形品を得ることができる。
【0026】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる熱硬化性樹脂組
成物では、上記特定のアスペクト比を有する充填剤が含
有されているため、上記充填剤が加圧成形時に熱硬化性
成形材料表面から突出し、その結果、熱硬化性成形材料
の表面が荒らされるため、熱硬化性成形材料表面の凹凸
が増大し、成形材料表面の表面積が増大されると共にア
ンカー効果が得られるものと推察される。よって、熱硬
化性被覆材料を熱硬化性成形材料表面に展延硬化させた
場合、被覆層と熱硬化性成形材料との密着性が高めら
れ、密着性にすぐれた被覆層が形成された第2発明にか
かる成形品が得られる。
【0027】
【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明の熱硬化性
樹脂組成物では、アスペクト比が1.5以上の充填剤が
含有されているため、加圧成形時に金型内において熱硬
化性成形材料表面が荒らされ、従って被覆層と基材との
密着性にすぐれた請求項2に記載の発明の被覆成形品を
得ることが可能となる。よって、気孔、微小亀裂、ヒケ
または起伏等の表面欠陥を隠蔽し得るだけでなく、表面
欠陥を隠蔽するための被覆層が基材に強固に密着された
成形品を型内被覆成形法により提供することが可能とな
る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。なお、以下におい
て、「部」は、特にことわらない限り重量部を意味する
ものとする。
【0029】不飽和ポリエステル樹脂液の作製 イソフタル酸5モル、マレイン酸5モル及びプロピレン
グリコール10モルを従来公知の方法に従って縮合さ
せ、分子量約1000の不飽和ポリエステル樹脂を得
た。得られた不飽和ポリエステル樹脂をスチレンモノマ
ーに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂液を作製した。こ
の不飽和ポリエステル樹脂液中のスチレン含量は、40
重量%であった。この不飽和ポリエステル樹脂液を用
い、以下の実施例1〜4及び比較例1の熱硬化性樹脂組
成物を調製した。
【0030】実施例1 基材を構成するための熱硬化性成形材料用熱硬化性樹脂
組成物として、下記の組成のものを用意した。 不飽和ポリエステル樹脂液…70部 ポリスチレン系低収縮剤樹脂液(ポリスチレン樹脂
約30重量%及びスチレンモノマー約70重量%を含
有)…30部 タルク(丸尾カルシウム社製、商品名:LMP、ア
スペクト比約20、鱗片状)…20部
【0031】 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、
商品名:NS−100、アスペクト比…1〜1.2)…
100部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)…1
部 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、協和化学工業社
製、商品名:キョーワマグ150、アスペクト比…1〜
1.2)…1部
【0032】上記組成を十分に混合し、攪拌した後、S
MC含浸装置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社
製、ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)60部に含浸させ、SMCを得た。他方、上
記不飽和ポリエステル樹脂液100部、炭酸カルシウム
粉末(NS−100)100部及び硬化剤(t−ブチル
パーオキシベンゾエイト)1部を十分に混合し、攪拌す
ることにより、熱硬化性被覆材料を得た。
【0033】上記のようにして調製されたSMC及び熱
硬化性被覆材料を用い、以下の要領で成形を行なった。
上型を150℃、下型を150℃に加熱した30cm×
30cmの正方形の平板の金型内に上記SMCを約70
0gチャージした。チャージされたSMCは、約4mm
の厚みを有していた。次に、100kg/cm2 の圧力
で100秒間加圧成形し、しかる後金型をわずかに開
き、上記熱硬化性被覆材料を10ml注入し、再度金型
を閉め、80kg/cm2 で120秒間、再加熱再加圧
することにより、成形されたSMCの表面全体に熱硬化
性被覆材料を展延し、硬化させ、被覆層を形成した。次
に、脱型し、表面が厚み100μmの被覆層で被覆され
た被覆成形品を得た。
【0034】得られた被覆成形品の表面にカッターナイ
フを用いて2mmの間隔をおいて11本の素地(基材)
に達する直線を平行に引き、これらの直線に直交する1
1本の直線を2mm間隔で引き、碁盤目状の部分を形成
した。次に、碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化学工
業社製、商品名:セロテープ)を貼り付け、しかる後剥
離することにより、碁盤目のますの残存数、すなわち被
覆層が剥離しないますの残存数を調べた(以下、碁盤目
密着試験と称す)。その結果、被覆層が剥離しなかった
ますの割合(密着性)は、100個/100個であっ
た。
【0035】実施例2 使用したタルクの量を60部とし、かつ炭酸カルシウム
の配合量を60部としたこと以外は、実施例1と同様に
してSMCを作製した。上記のようにして得たSMCを
用い、他は実施例1と同様にして被覆成形品を得た。得
られた被覆成形品につき、実施例1と同様に碁盤目密着
試験により密着性を評価したところ、100個/100
個であった。
【0036】実施例3 タルク20部に代えて、雲母粉(大阪マイカ工業社製、
商品名:マイカパウダー、アスペクト比…約30、鱗片
状)を20部用いたこと以外は、実施例1と同様にして
SMCを作製した。また、上記SMCを用いたこと以外
は実施例1と同様にして被覆成形品を得、実施例1と同
様に碁盤目密着試験により密着性を評価した。その結
果、密着性は100個/100個であった。
【0037】実施例4 タルク20部に代えて、カオリン(丸尾カルシウム社
製、商品名:HAカオリン、アスペクト比…2、鱗片
状)を20部用いたこと以外は実施例1と同様にしてS
MCを得た。得られたSMCを用い、その他は実施例1
と全く同様にして被覆成形品を得、実施例1と同様に碁
盤目密着試験により密着性を評価した。その結果、密着
性は100個/100個であった。
【0038】比較例1 使用した炭酸カルシウム量を120部としたこと、タル
クを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にしてS
MCを作製した。また、上記SMCを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして被覆成形品を得、実施例1と
同様にして碁盤目密着試験により密着性を評価した。そ
の結果、密着性は31個/100個であった。以上の実
施例1〜4及び比較例についての結果を下記の表1にま
とめて示す。
【0039】
【表1】
【0040】上記のように、比較例1の被覆成形品で
は、アスペクト比が1〜1.2の炭酸カルシウム粉末が
充填剤として配合されているだけであるため、被覆層の
密着性が十分でないのに対し、実施例1〜4では本発明
の範囲に含まれる充填剤を含有しているため被覆層の密
着性が非常に高いことがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型内にて基材上に熱硬化性被覆材料を被
    覆させて被覆層を形成する型内被覆成形法において前記
    基材に用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化
    性樹脂と、長径と短径との比であるアスペクト比が1.
    5以上の充填剤とを含有することを特徴とする、型内被
    覆成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物か
    らなる基材と、前記基材上に形成された熱硬化性被覆材
    料よりなる被覆層とを備えることを特徴とする、被覆成
    形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009110389A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 旭有機材工業株式会社 熱硬化性樹脂組成物、繊維強化成形材料及び成形体

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