JPH0586155A - 型内被覆成形用樹脂組成物及び被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用樹脂組成物及び被覆成形品

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JPH0586155A
JPH0586155A JP3250639A JP25063991A JPH0586155A JP H0586155 A JPH0586155 A JP H0586155A JP 3250639 A JP3250639 A JP 3250639A JP 25063991 A JP25063991 A JP 25063991A JP H0586155 A JPH0586155 A JP H0586155A
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JP
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resin
mold
molding
coating
resin composition
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JP3250639A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面のべたつきが少なく取扱い性に優れてお
り、かつ密着性に優れた被覆層を形成し得る型内被覆成
形用熱硬化性樹脂組成物を得る。 【構成】 型内被覆成形法に用いられる熱硬化性樹脂組
成物であって、エポキシアクリレート樹脂及び不飽和ポ
リエステル樹脂を含有し、不飽和ポリエステル樹脂の全
樹脂成分中の含有率が10重量%以上であることを特徴
とする型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において基材
上に被覆層を形成する、いわゆる型内被覆成形法におい
て基材を構成するのに用いられる型内被覆成形用熱硬化
性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を基材として得
られる被覆成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性樹脂材料よりなる成形品
が、金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用い
られている。中でも、シート・モールディング・コンパ
ウンド(以下、SMCと略す。)またはバルク・モール
ディング・コンパウンド(以下、BMCと略す。)が汎
用されている。しかしながら、SMCまたはBMCを成
形型内で加熱・加圧により成形して得られた成形品で
は、表面に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面
欠陥が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在
している場合、成形品に通常の方法により塗装を行って
も、十分な塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧して不飽和ポリエステル樹脂よりなるS
MCを半硬化させた後、金型を開いて被覆材料を注入す
ることにより成形品に被覆層を設ける方法が開示されて
いる。他方、特開昭61−273921号には、圧縮成
形中に、成形圧力を超える注入圧で被覆材料を注入し、
硬化させることにより、成形品表面に被覆層を形成する
方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術において、不飽和ポリエステル樹脂をSMCまた
はBMCに用いた場合、型内被覆成形により基材上に形
成された被膜の基材との密着性が悪いという欠点があっ
た。また、エポキシアクリレート樹脂を上記SMCまた
はBMCとして用いた場合には、SMCまたはBMCの
ような固体状成形材料の形状とする際に、樹脂を十分に
増粘させることが難しく、その結果、表面が非常にべた
つくため、成形材料としての取扱い性が悪いという欠点
があった。
【0005】本発明は、上述した従来の型内被覆成形法
用の基材を構成する樹脂材料の欠点を解消し、増粘によ
り取扱い性を高めることができ、しかも型内被覆成形法
により密着性に優れた被覆層を有する被覆成形品を得る
ことを可能とする熱硬化性樹脂組成物及び密着性に優れ
た被覆層を有する被覆成形品を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、成形材料を成形するに際し、型内にて熱硬化性被覆
材料を被覆させる、いわゆる型内被覆成形法において、
前記成形材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
って、エポキシアクリレート樹脂及び不飽和ポリエステ
ル樹脂を含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂の全樹脂
成分中の含有率が10重量%以上であることを特徴と
し、それによって上記課題を達成するものである。ま
た、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物からなる基材と、該基
材上に形成された被覆層とを備える被覆成形品である。
【0007】以下、請求項1,2に記載の各発明の詳細
を説明する。本発明にかかる型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物は、樹脂成分として、熱硬化性樹脂、共重合性
単量体及び必要に応じて低収縮剤としての熱可塑性樹脂
を含有し、熱硬化性樹脂として、被覆層との密着性を高
めるためにエポキシアクリレート樹脂が配合されてお
り、他方、増粘を容易として取扱い性を高めるために不
飽和ポリエステル樹脂が配合されている。本発明の熱硬
化性樹脂組成物において、上記不飽和ポリエステル樹脂
の含有割合が全樹脂成分(熱硬化性樹脂、共重合性単量
体及び熱可塑性樹脂の合計)中の10重量%以上とされ
ているのは、10重量%未満では、十分に増粘させるこ
とが難しく、取扱い性が低下するからであり、好ましい
含有割合は全樹脂成分中の30〜60重量%とされる。
また、エポキシアクリレート樹脂の好ましい含有割合
は、同じく1〜40重量%とされる。
【0008】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和カ
ルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカルボ
ン酸及び/または芳香族カルボン酸等から製造される。
上記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用いられる有機ポ
リオールとしては、ジオール、トリオール、テトロール
及びそれらの混合物が挙げられるが、主として脂肪族ポ
リオールと芳香族ポリオールとに分けられる。
【0009】脂肪族ポリオールとして代表的なものを例
示すると、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエーテ
ル、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。また、芳
香族ポリオールとして代表的なものとしては、ビスフェ
ノールAもしくはビスフェノールS、またはこれらのビ
スフェノールAもしくはビスフェノールSにエチレンオ
キシド、プロピレンオキシドもしくはブチレンオキシド
のような脂肪族オキシラン化合物を、一分子中に平均1
〜20個の範囲で付加させて得られるポリオキシアルキ
レンビスフェノールAもしくはポリオキシアルキレンビ
スフェノールS等が挙げられる。上記不飽和ポリエステ
ル樹脂に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸として
は、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン
酸等が挙げられる。
【0010】他方、上記不飽和ポリエステル樹脂に用い
られる脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、セバチン
酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げられる。ま
た、上記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用いられる芳
香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙
げられる。本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられるエ
ポキシアクリレート樹脂は、公知慣用の方法により、通
常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸等の反応性二
重結合を有するモノカルボン酸とから製造される。
【0011】上記エポキシアクリレート樹脂の製造に用
い得るエポキシ樹脂としては、公知慣用の方法によりエ
ピクロルヒドリン及びビスフェノールAから製造される
ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロルヒドリン
及び臭素化ビスフェノールAから製造される臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂;フェノールノボラックま
たはオルトクレゾールノボラックをグリシジルエーテル
化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂;各種アミ
ンとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるテトラ
グリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p
−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェ
ノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルトト
ルイジン等のグリシジルアミン化合物等が挙げられる。
【0012】また、上記エポキシアクリレート樹脂の製
造に用いられる、反応性二重結合を有するモノカルボン
酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、ビニル酢
酸、クロトン酸、3,3ジメチルアクリル酸、アリル酢
酸等が挙げられる。本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物では、本発明の目的を達成し得る限り、必要に
応じて、上記エポキシアクリレート樹脂及び不飽和ポリ
エステル樹脂以外の熱硬化性樹脂を配合することができ
る。配合し得る熱硬化性樹脂としては、ウレタンアクリ
レート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等が挙げら
れる。全樹脂成分中の熱硬化性樹脂の含有割合は、特に
限定されるものではないが、通常30〜70重量%とさ
れる。上記ウレタンアクリレート樹脂は、通常、アルキ
レンジオール、アルキレンジオールエステル、アルキレ
ンジオールエーテルまたはポリエーテルポリオール等の
有機ポリオールに、有機ポリイソシアネートを反応さ
せ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを
反応させて製造される。また、上記ポリエステルアクリ
レートは、公知慣用の方法によりポリエステルポリオー
ルに(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られ
る。
【0013】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、スチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ビニルトルエン、ジアクリルフタレート、エチル
(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテルの(メタ)アクリレート等の共重合性
単量体が含まれる。全樹脂成分中の含有割合は、通常、
10〜80重量%とされる。さらに、本発明の型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物には、低収縮剤として、ポリ
酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−
スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステル
類、飽和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂が必要
に応じて適当量配合される。全樹脂成分中の含有量は通
常30重量%以下とされる。
【0014】その他の成分 また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、目的及び用途
に応じて、適当量の無機充填剤を加えることができる。
使用可能な無機充填剤としては、硫黄、グラファイト、
ダイアモンド等の元素鉱物;黄鉄鉱等の硫化鉱物;岩
塩、カリ岩塩等のハロゲン化合物;炭酸カルシウム等の
炭酸塩鉱物;藍鉄鉱等のリン酸塩鉱物;カルノー石等の
バナジン酸塩鉱物;硫酸バリウム、石膏等の硫酸塩鉱
物;ほう砂等のほう酸塩鉱物;灰チタン石等のチタン酸
塩鉱物;雲母、タルク、葉ろう石、カオリン、石英、長
石等のけい酸塩鉱物;酸化チタン、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム等の金属酸化物または金属水酸化
物;ガラス球等のガラス製品等を中心とした天然または
人工の鉱物またはこれらを処理、精製もしくは加工した
もの、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0015】上記無機充填剤は、本発明の熱硬化性樹脂
組成物100重量部に対して、0〜300重量部の範囲
で添加されることが好ましい。添加量が300重量部を
超えると充填剤を樹脂及び単量体の中に均一に分散させ
ることが困難となり、かつ粘度が高くなり過ぎるため、
型内での流動性が低下し、成形品の寸法安定性が低下す
るからである。また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、補強材として、ガラス繊維や炭素繊維
等の各種補強繊維を必要に応じて適当量加えることがで
きる。
【0016】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、必要に応じて、ケトンパーオキサイド類、ジアシル
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パー
カーボネート類、パーオキシケタール類等の公知の開始
剤;ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の
硬化促進剤;パラベンゾキノン等の重合禁止剤;カーボ
ンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、ア
ルミフレーク、ニッケル粉、金粉もしくは銀粉等の顔
料;アゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系または
スチルベン系等の染料;カーボンブラック等の導電性付
与剤;乳化剤;ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;脂肪
族燐酸塩、レシチン等の離型剤等を用途及び目的に応じ
て適当量加えることができる。
【0017】成形方法 上述した本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、エポキシアクリレート樹脂及び不飽和ポリエステル
樹脂並びに必要に応じて上記他の成分を配合することに
より調製され、従来公知の方法によって、SMCまたは
BMCの形態とされ、従来より公知の型内被覆成形法に
用いられる。この場合、本発明の型内被覆成形用熱硬化
性樹脂組成物と組み合わせて用いられる熱硬化性被覆材
料としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
(エポキシアクリレート)樹脂またはウレタンアクリレ
ート樹脂等が用いられ、この熱硬化性被覆材料について
も、上記熱硬化性樹脂以外に必要に応じて各種の成分を
添加することができる。
【0018】上記型内被覆成形法の工程の一例を挙げる
と、例えば、130〜160℃に加熱された成形型内に
本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物をSMCの
形態としたものを投入し、40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形する。次に、金型を僅か
に開いて熱硬化性被覆材料を注入し、次に5〜120k
g/cm2 の圧力及び130〜160℃の温度で30秒
〜5分間、再加熱・再加圧することにより、成形された
SMCの表面全体に熱硬化性被覆材料を展延し、硬化さ
せることにより被覆層が形成された成形品を得ることが
できる。
【0019】また、特開昭61−273921号に開示
されている方法を利用することもでき、例えば、上記型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物をSMCの形態とした
ものを130〜160℃、40〜120kg/cm2
数十秒〜数分間加圧成形する。次に、圧力を10〜30
kg/cm2 に減圧した状態で、高圧注入機を用いて1
00〜300kg/cm2 の高圧で熱硬化性被覆材料を
成形型内に注入し、再び、30〜100kg/cm2
増圧し、熱硬化性被覆材料を展延硬化させることによ
り、被覆層が形成された成形品が得られる。
【0020】被覆成形品 請求項2に記載の発明の被覆成形品は、上述した請求項
1に記載の発明にかかる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物を、上述したような公知の型内被覆成形法において
基材を構成するための材料として用い、該型内被覆成形
法に従って該基材上に被覆層を形成することにより得ら
れたものである。
【0021】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物では、エポキシアクリレート樹脂が
含有されており、該エポキシアクリレート樹脂は分子内
に極性基である水酸基を有する。従って、被覆層を形成
するに際し、該エポキシアクリレート樹脂が熱硬化性被
覆材料との間に多数の水素結合を形成する。よって、上
記水素結合によって、被覆層と基材との密着性が高めら
れる。また、上記型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物で
は全樹脂成分中の10重量%以上の割合で不飽和ポリエ
ステル樹脂が含有されている。不飽和ポリエステル樹脂
の分子末端に存在するカルボキシル基は、酸化マグネシ
ウム等の増粘剤と容易に反応する。従って、酸化マグネ
シウム等の増粘剤を用いることにより、本発明の型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物を容易に増粘させることが
できる。よって、表面がべたつかない取扱い性に優れた
熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。請求項2に記
載の発明にかかる被覆成形品では、請求項1に記載の熱
硬化性樹脂組成物を用いて基材が構成されているため、
被覆層の基材との密着性が効果的に高められる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。樹脂の作成 後述の実施例1,2及び比較例1,2で用いる樹脂とし
て下記の2種類の樹脂液を調製した。不飽和ポリエステ
ル樹脂液…イソフタル酸5モル、マレイン酸5モル及び
プロピレングリコール10モルを公知の方法により縮合
させ、分子量約1000の不飽和ポリエステル樹脂を得
た。得られた不飽和ポリエステル樹脂を、スチレンモノ
マーに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂液とした。該不
飽和ポリエステル樹脂液中のスチレン含有量は40重量
%であった。
【0023】エポキシアクリレート樹脂液…公知慣用の
方法によりビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物を縮合させたものの両末端にメタアクリル酸を反応
させ、分子量約1000のエポキシアクリレート樹脂を
得た。得られたエポキシアクリレート樹脂をスチレンモ
ノマーに溶解し、エポキシアクリレート樹脂液とした。
エポキシアクリレート樹脂液中のスチレン含有量は約4
0重量%であった。なお、以下の実施例1,2及び比較
例1,2における「部」は、特に断らない限り、すべて
重量部である。
【0024】実施例1 下記の組成を混合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装
置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社製ロービン
グ、商品名;ER4630LED166Wを長さ25m
mに切断したもの)60部に含浸させ、熱硬化性樹脂組
成物としてのSMCを得た。
【0025】 組成 不飽和ポリエステル樹脂液 … 65部 ポリスチレン系低収縮剤樹脂液 (ポリスチレン樹脂約30重量%及びスチレンモノマー約70重量%含有) … 30部 エポキシアクリレート樹脂液 … 5部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、商品名;NS−100)…120部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート) … 1部 増粘剤 (酸化マグネシウム粉末、協和化学工業社製、商品名;キョーワマグ150) … 1部 上記のようにして得られたSMCは、十分に増粘が進
み、取扱い性が良好であることが認められた。
【0026】他方、熱硬化性型内被覆材料として、下記
の組成を混合し、十分に攪拌して得られた型内被覆用組
成物を用意した。 組成 不飽和ポリエステル樹脂液 …100部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、商品名;NS−100)…100部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート) … 1部
【0027】上記のようにして用意したSMC及び型内
被覆用組成物を用い、以下のようにして成形を行った。
上型を150℃、下型を150℃に加熱した30cm×
30cmの正方形の平板の金型内に、上記SMCを約7
00gチャージした(チャージされたSMCは、約4m
mの厚みを有していた)。次に、100kg/cm2
圧力で100秒間加圧成形した後、金型を僅かに開き上
記型内被覆用組成物10mlを注入し、再度金型を閉め
て80kg/cm2 で120秒間再加熱・加圧すること
により、成形されたSMCの表面に型内被覆用組成物を
展延し、硬化させて被覆層を形成させた。しかる後、型
を開いて脱型し、表面を厚み100μmの被覆層で被覆
された成形品を得た。
【0028】碁盤目密着試験 上記のようにして得られた成形品の被覆層が形成されて
いる表面に、カッターナイフを用い、成形品の素地(熱
硬化性樹脂組成物よりなる基材表面)に達する直線を2
mmの間隔を隔てて並行に11本ひき、次に、該直線に
直交する11本の直線を同様にひいて碁盤目状部分を形
成した。さらに、上記碁盤目状部分に粘着テープ(積水
化学工業社製、商品名;セロテープ)を貼り付け、しか
る後剥がすことにより碁盤目のマスの残存数調べた。そ
の結果、被覆層が残存していたマスの割合は、100個
/100個であった。すなわち、碁盤目密着試験におい
て、被覆層の剥離はまったく認められなかった。
【0029】実施例2 不飽和ポリエステル樹脂液を30部用い、エポキシアク
リレート樹脂液を40部用いたこと以外は、実施例1と
同様にしてSMCを作成した。このSMCは、十分に増
粘が進み、取扱い性が良好であることが確かめられた。
上記のようにして得たSMC及び実施例1で用意したの
と同一の型内被覆用組成物を、実施例1と同様にして成
形し、表面を厚み100μmの被覆層で被覆された成形
品を得た。得られた成形品を、実施例1と同様にして碁
盤目密着試験により評価した。その結果、被覆層が残存
していたマスの割合は、100個/100個であった。
【0030】比較例1 不飽和ポリエステル樹脂液を70部用い、エポキシアク
リレート樹脂液を用いなかったこと以外は、実施例1と
同様にしてSMCを作成した。このSMCは、十分に増
粘が進み、取扱い性は良好であった。上記のようにして
得たSMCと、実施例1で用意したのと同一の型内被覆
用組成物を用い、実施例1と同様にして成形し、厚み1
00μmの被覆層で被覆された成形品を得た。得られた
成形品を、実施例1と同様にして碁盤目密着試験により
評価した。その結果、被覆層が残存していたマスの割合
は、31個/100個であった。
【0031】比較例2 不飽和ポリエステル樹脂液の量を5部、エポキシアクリ
レート樹脂液の量を65部とした以外は、実施例1と同
様にしてSMCを作成した。このSMCは、増粘が十分
に進行せず、表面が非常にべたついており、取扱い性に
劣るものであった。上記のようにして得たSMCと、実
施例1で用意したのと同一の型内被覆用組成物を用い、
実施例1と同様にして成形し、厚み100μmの被覆層
で被覆された成形品を得た。得られた成形品を、実施例
1と同様にして碁盤目密着試験により評価した。その結
果、被覆層が残存していたマスの割合は、100個/1
00個であった。上記実施例1,2及び比較例1,2の
熱硬化性樹脂組成物の組成及び評価結果を下記の表1に
示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物では、含有されているエポキシアク
リレート樹脂により被覆層との密着性が高められると共
に、全樹脂成分中の10重量%以上の割合で含有されて
いる不飽和ポリエステル樹脂によりべとつきが抑制さ
れ、それによって取扱い性が高められる。従って、請求
項1に記載の熱硬化性樹脂組成物を型内被覆成形法に用
いることにより、取扱い性を低下させることなく、成形
品基材に被覆層が強固に密着された請求項2に記載の被
覆層付成形品を提供することが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 101:10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形材料を成形するに際し、型内にて熱
    硬化性被覆材料を被覆させる方法において、前記成形材
    料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、 エポキシアクリレート樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂
    を含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂の全樹脂成分中
    の含有率が10重量%以上であることを特徴とする、型
    内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の型内被覆成形用熱硬化
    性樹脂組成物からなる基材と、前記基材上に形成された
    被覆層とを備える被覆成形品。
JP3250639A 1991-09-30 1991-09-30 型内被覆成形用樹脂組成物及び被覆成形品 Pending JPH0586155A (ja)

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JP3250639A JPH0586155A (ja) 1991-09-30 1991-09-30 型内被覆成形用樹脂組成物及び被覆成形品

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0685310A3 (en) * 1994-06-01 1997-02-05 Atohaas Holding Cv Method for obtaining color contrast on articles molded from polymerizable compositions.
US20160013489A1 (en) * 2014-07-08 2016-01-14 Cardiac Pacemakers, Inc. Method to stabilize lithium / carbon monofluoride battery during storage

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