JPH0586326A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品

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JPH0586326A
JPH0586326A JP24773391A JP24773391A JPH0586326A JP H0586326 A JPH0586326 A JP H0586326A JP 24773391 A JP24773391 A JP 24773391A JP 24773391 A JP24773391 A JP 24773391A JP H0586326 A JPH0586326 A JP H0586326A
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JP
Japan
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thermosetting resin
coating layer
resin
molding
isocyanate
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JP24773391A
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Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】型内被覆成形用に用いられる熱硬化性樹脂組成
物であって、熱硬化性樹脂を含む樹脂分中に、ブロック
イソシアネートを含有する熱硬化性樹脂組成物。 【効果】ブロックイソシアネートは、加圧成形時に熱に
より、ブロック化合物が外れて、イソシアネートが遊離
し、一個のイソシアネート基が硬化性樹脂と反応結合
し、他のイソシシアネート基が被覆成形用組成物の樹脂
との間の反応結合するため、基材と被覆層との密着性が
高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内にて基材上に
被覆層を形成する型内被覆成形用の基材形成用に用いら
れる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物、およびその型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用いられ
ている。中でも、シート・モールディング・コンパウン
ド(以下、SMCと略す)またはバルク・モールディン
グ・コンバウンド(以下、BMCと略す)が凡用されて
いる。しかしながら、SMCまたはBMCを成形型内で
加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面
に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面欠陥が発
生しがちであった。このような表面欠陥が存在している
場合、成形品に通常の方法により塗装を行っても、十分
な塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型を開
いて被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を設
ける方法が開示されている。他方、特開昭61−273
921号には、圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧
で被覆材料を注入し、硬化させることにより、成形品表
面に被覆層を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載されている型内被覆成形法では、SM
CまたはBMCからなる基材と、被覆層との密着性が十
分でないという問題点があった。
【0005】よって、本発明の目的は、被覆層の密着性
が良好な被覆成形品を得ることを可能とする、型内被覆
成形用の基材形成用に用いられる型内被覆成形用熱可塑
性樹脂組成物、およびその型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物を基材用に用いた被覆成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、成形型内にて基材上に被覆層を形成する型内被覆成
形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
って、熱硬化性樹脂を含む樹脂分中に、ブロックイソシ
アネートを含有する型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
である。
【0007】本願の請求項2の発明は、基材上に被覆層
が形成された被覆成形品において、請求項1の型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆成形品
である。
【0008】本発明に使用する、ブロックイソシアネー
トとは、公知慣用の各種ポリイソシアネートを各種のブ
ロック化合物でブロック化したものをいい、例えば、ヘ
キサメチレンイソシアネート、トリレンイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメチレン
─4─4´─ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェ
ニルポリイソシアネート等のポリイソシアネートを、フ
ェノール等のフェノール性─OH基をもつもの或いはM
EKオキシムの様なオキシム類等によりウレタン結合に
よりブロック化したものが挙げられる。
【0009】ブロックイソシアネートの添加量は、組成
物中の全樹脂分(熱硬化性樹脂、共重合性モノマー、熱
可塑性樹脂の総量)のうち、0.1〜20重量%が好適
に用いられ、1〜10重量%がより好適に用いられる。
【0010】0.1重量%未満である場合には、充分な
塗膜との密着性改良効果が得にくく、逆に、20重量%
を越える場合には、成形時に遊離するブロック化合物の
ため、成形後の成形品の硬度が下がり易い。
【0011】なお、上記熱硬化性樹脂の樹脂分には、熱
硬化性樹脂の他、便宜上、後述する低収縮剤および重合
性モノマーを含むものとする。本発明における型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物に含有される熱硬化性樹脂と
しては、熱分解性のラジカル触媒を用いて二重結合を開
裂付加反応させ3次元網目構造を形成することができ
る、分子内に反応性二重結合を有する不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル(エポキシアクリレート)樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂等が用いられる。熱硬化
性樹脂は、単独で用いられてもよく、複数種を混合して
用いられてもよい。
【0012】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等とから製
造される。
【0013】他方、前記ビニルエステル樹脂も、公知慣
用の方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アク
リル酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸とか
ら製造される。
【0014】また、前記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を
残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用いる
こともできる。
【0015】前記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロールおよびこれらの混合物が挙げられるが、
主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分け
られる。このうち脂肪族ポリオールとして代表的なもの
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネ
オペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化
ビスフェノールA等がある。
【0016】また芳香族ポリオールとして代表的なもの
としては、ビスフェノールAまたはビスフェノールSあ
るいはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノール
Sにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブ
チレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を、一
分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られるポ
リオキシアルキレンビスフェノールAまたはポリオキシ
アルキレンビスフェノールS等がある。
【0017】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が挙げられ、前記脂肪族飽和ポリカルボン酸としてはセ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げら
れ、前記芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸等が挙げられる。
【0018】また、前記ビニルエステル樹脂の製造に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
方法によりエピクロルヒドリンおよびビスフェノールA
から製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピ
クロルヒドリンおよび臭素化ビスフェノールAから製造
される臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラックまたはオルトクレゾールノボラックをグ
リシジルエーテル化して製造されるノボラック型エポキ
シ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて
得られる、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テ
トラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグ
リシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m
−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシ
ジルオルトトルイジン等のグリシジルアミン化合物等が
挙げられる。
【0019】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリオールとしては、アルキレンジ
オールとして例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジイソプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエー
テル等、ポリエーテルポリオールとしてはポリオキシメ
チレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよ
うな有機ポリオールおよびポリカルボン酸により製造さ
れた、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール
等が挙げられる。
【0020】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0021】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トとしては、通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ヒドロ
キシル基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合して
いる。アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むこと
ができる。
【0022】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポ
リブタジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル
類等のような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いる
ことができる。
【0023】さらに、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、目的及び用途に応じて、適当量の無機
充填剤を加えることができる。使用可能な無機充填剤と
しては、以下のようなものがある。
【0024】すなわち、硫黄、グラファイト、ダイヤモ
ンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱物、岩塩、カリ岩
塩等のハロゲン化鉱物、炭素カルシウム等の炭酸塩鉱
物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン
酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシ
ウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チ
タン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉
ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱物、酸化
チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウ
ム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス
製品等を中心とした天然または人工の鉱物またはそれを
処理、精製あるいは加工したもの、およびそれらの混合
物が用いられる。
【0025】また、上記充填剤の添加量としては、熱硬
化性樹脂100重量部に対して0〜300重量部添加さ
れるのが好ましい。添加量が300重量部を超えると充
填剤を樹脂およびモノマーの中に均一に分散させること
が難しくなり、また粘度が高くなるため型内での流動が
悪くなり寸法安定性を得ることが難しくなる傾向があ
る。
【0026】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物では、補強材として、各種補強繊維、すなわち
ガラス繊維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0027】また、さらに本発明の型内被覆成形用熱硬
化性樹脂組成物には、必要に応じて、スチレン、α─メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジ
アリルフタレート、各種アクリレートモノマー、各種メ
タクリレートモノマー等の重合性モノマーを適当量加え
ることができる。
【0028】また、ケトンパーオキサイド類、ジアシル
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パー
カーボネート類、パーオキシケタール類等の公知の重合
開始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公
知の硬化促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、カ
ーボンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔
料、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、銀粉等の顔
料、アゾ系染料やアントラキノン系、インジゴイド系、
スチルベン系等の染料、カーボンブラック等の導電性付
与剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪
族燐酸塩、レシチン等の離型剤等を用途、目的に応じて
適当量加えることができる。
【0029】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物と組み合わされて用いられる被覆層形成用組成
物としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂が用
いられ、必要に応じて各種充填剤、添加剤等を加えるこ
とができる。
【0030】上記のようにして得られた本発明の型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物は、従来公知の方法によ
り、SMCあるいはBMCの形態を持つ型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物とすることができ、被覆層形成用組
成物と共に、従来公知の型内塗装に用いられる。
【0031】例えば、130〜160℃に加熱された成
形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形した後、金型をわずかに
開いて被覆層形成用組成物を注入し、次いで5〜120
kg/cm2 、130〜160℃で30秒〜5分間再加
熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面全体
に被覆層形成用組成物を展延し、硬化させて被覆層を形
成することができる。
【0032】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力
を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機
を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で被覆層形
成用組成物を型内に注入して再び30〜100kg/c
2 に増圧して被覆層形成用組成物を展延硬化させると
いう方法もある。上記のような型内塗装方法に、本発明
の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を用いれば、容易
に密着性の良好な被覆成形品を成形することができる。
【0033】
【作用】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、ブロックイソシアネートを含有していることによ
り、加圧成形時に熱により、ブロックイソシアネート
は、分子中のブロック化合物が外れてイソシアネートが
遊離し、熱硬化性樹脂と被覆層との界面に遊離して存在
するイソシアネートは、1個のイソシアネート基が熱硬
化性樹脂中の水酸基と反応結合し、他のイソシアネート
基が被覆層の樹脂中の水酸基と反応結合する。これによ
って、基材と被覆層との密着性が高められる。また、イ
ソシアネートが基材中の熱硬化性樹脂の水酸基と反応し
た部分はウレタン結合となるが、この部分は大きな極性
をもつので、被覆層の樹脂との水素結合を形成する。こ
のことよっても基材と被覆層との密着性が高められる。
【0034】本発明の被覆成形品は、基材用にブロック
イソシアネートが樹脂分中に含有される型内被覆成形用
硬化性樹脂組成物を用いるため、基材に被覆層が強固に
密着されている。
【0035】
【実施例】実施例1 下記の組成を混合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装
置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社製ロービン
グ、商品名:「ER4630LBD166W」を長さ2
5mmに切断したもの)60重量部に含浸させ、熱硬化
性樹脂組成物としてのSMCを得た。
【0036】組成 ポリエステル樹脂A(イソフタル酸系の不飽和ポリエス
テル樹脂約60重量%およびスチレンモノマー約40重
量%を含有)……70重量部 ポリスチレン樹脂B(ポリスチレン樹脂約30重量%お
よびスチレンモノマー約70重量%を含有)……30重
量部 ブロックイソシアネート(ジフェニルメチレン─4,4
´─ジイソシアネートにフェノールを付加したもの)…
…3重量部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製)……120重量部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート含有率98
重量%)……1重量部 増粘剤(酸化マグネシウム粉末)……1重量部 次に、ポリエステル樹脂A100重量部、炭酸カルシウ
ム100重量部及び硬化剤(t−ブチルパーオキシベン
ゾエート)1重量部を混合し、十分に攪拌して、型内被
覆用樹脂組成物を得た。
【0037】上記のようにして用意したSMCのうちの
半分を、配合2日後に、被覆層形成用組成物とともに用
いて、以下の要領で成形を行った。まず、上型および下
型を150℃に加熱した、30cm×30cmの正方形
の平板状の金型内に、上記SMCを約700gチャージ
した(チャージされたSMCは、約4mmの厚みを有し
ていた)。次に、100kg/cm2 の圧力で100秒
間、加圧成形した後、金型をわずかに開き上記型内被覆
用組成物を10ml注入し、再度金型を閉め、80kg
/cm2 で120秒間、再加熱再加圧することにより、
成形されたSMCの表面全体に型内被覆用組成物を展延
し、硬化させ、被覆層を形成した。しかる後、金型を開
いて脱型し、表面を厚み100μmの被覆層で被覆され
た成形品を得た。
【0038】上記のようにして得られた成形品の被覆層
が形成されている表面に、カッターナイフを用い、成形
品の素地(熱硬化性樹脂よりなる基材)に達する直線を
2mmの間隔を隔てて平行に11本ひき、次に、該直線
に直交する11本の直線を同様にひいて碁盤目状部分を
形成した。さらに、上記碁盤目状部分に粘着テープ(積
水化学工業社製、商品名:セキスイテープ)を貼り付
け、しかる後剥がすことにより碁盤目のマスの残存数を
調べた(以下、碁盤目密着試験と称す)。その結果、被
覆層が残存していたマスの割合は、100個/100個
であった。すなわち、碁盤目密着試験において、被覆層
の剥離は認められなかった。
【0039】また、SMCのうちの残り半分を、配合後
14日後に、被覆層形成用組成物とともに用いて、同様
に被覆成形品を得て、碁盤目密着試験を行い評価したと
ころ、被覆層が剥がれなかったマスの残存数は、100
個/100個であった。
【0040】実施例2 ブロックイソシアネートを8重量部用いた以外は、実施
例1と同様にSMCを得た。
【0041】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、配合後2日
目のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかったマス
の残存数は、100個/100個であり、配合後14日
目のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかったマス
の残存数は、100個/100個であった。
【0042】比較例1 ブロックイソシアネートを用いなかったこと以外は、実
施例1と同様にSMCを得た。
【0043】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、配合後2日
目のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかったマス
の残存数は、31個/100個であり、配合後14日目
のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかったマスの
残存数は、100個/28個であった。
【0044】比較例2 ブロックイソシアネートの代わりに、ジフェニルメチレ
ン─4,4´─ジイソシアネート5重量部を用いたこと
以外は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0045】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、配合後2日
目のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかったマス
の残存数は、100個/100個であったが、配合後1
4日目のSMCを用いた場合の被覆層が剥がれなかった
マスの残存数は、100個/42個であった。
【0046】なお、上記実施例1,2および比較例1,
2の熱硬化性樹脂組成物の配合割合および碁盤目密着試
験の結果を下記の表1にまとめて示す。
【0047】
【表1】
【0048】上記実施例1,2、比較例1,2の説明お
よび表1から明らかなように、ブロックイソシアネート
を含有していない比較例1では、配合後2日目のSMC
を用いた場合および配合後14日目のSMCを用いた場
合の被覆層の密着性がいずれもかなり低く、また、比較
例2では、配合後14日目のSMCを用いた場合の被覆
層の密着性が低いのに対し、実施例1〜3では、配合後
2日目のSMCを用いた場合および配合後14日目のS
MCを用いた場合のいずれの場合も、碁盤目密着試験で
は被覆層が全く剥離されておらず、被覆層が熱硬化性樹
脂に強固に密着されていることが分かる。
【0049】
【発明の効果】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物は、上記の如き構成とされているので、加圧成形時
に熱により、ブロックイソシアネートは、分子中のブロ
ック化合物が外れてイソシアネートが遊離し、熱硬化性
樹脂と被覆層との界面に遊離して存在するイソシアネー
トは、1個のイソシアネート基が熱硬化性樹脂中の水酸
基と反応結合し、他のイソシアネート基が被覆層の樹脂
中の水酸基と反応結合する。これによって、基材と被覆
層との密着性が高められる。また、イソシアネートが基
材中の熱硬化性樹脂の水酸基と反応した部分はウレタン
結合となるが、この部分は大きな極性をもつので、被覆
層の樹脂との水素結合を形成する。このことよっても基
材と被覆層との密着性が高められる。
【0050】本発明の被覆成形品は、上記の如き構成と
されているので、基材に被覆層が強固に密着された被覆
層付き成形品である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内にて基材上に被覆層を形成する
    型内被覆成形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂
    組成物であって、熱硬化性樹脂を含む樹脂分中に、ブロ
    ックイソシアネートを含有することを特徴とする型内被
    覆成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材上に被覆層が形成された被覆成形品
    において、請求項1の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
    物を基材用に用いたことを特徴とする被覆成形品。
JP24773391A 1991-09-26 1991-09-26 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 Pending JPH0586326A (ja)

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JP (1) JPH0586326A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020255335A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24 三菱電機株式会社 懸架体及びその製造方法

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WO2020255335A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24 三菱電機株式会社 懸架体及びその製造方法

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