JPH0693132A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品

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JPH0693132A
JPH0693132A JP24313092A JP24313092A JPH0693132A JP H0693132 A JPH0693132 A JP H0693132A JP 24313092 A JP24313092 A JP 24313092A JP 24313092 A JP24313092 A JP 24313092A JP H0693132 A JPH0693132 A JP H0693132A
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thermosetting resin
molding
mold
coating layer
resin composition
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】被覆層の密着性に優れた被覆成形品を得ること
を可能とする、型内被覆成形法において基材に用いられ
る型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物、及びその型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材に用いた被覆成形
品。 【構成】型内被覆成形法において基材に用いられる熱硬
化性樹脂組成物であって、不飽和ポリエステル樹脂( 不
飽和ポリエステルをスチレンに溶解した樹脂液)70重
量部及びポリスチレン樹脂液30重量部に対し、ステア
リン酸亜鉛が8重量部含有されてなる熱硬化性樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内にて基材上に
被覆層を形成する、いわゆる型内被覆成形法において基
材形成に用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物、及びその型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材
に用いた被覆成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用いられ
ている。中でも、シート・モールディング・コンパウン
ド(以下、SMCと略す)またはバルク・モールディン
グ・コンパウンド(以下、BMCと略す)が凡用されて
いる。しかしながら、SMCまたはBMCを成形型内で
加熱・加圧により成形して得られた成形品は、表面に、
気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面欠陥が発生し
がちであった。このような表面欠陥が存在している場
合、成形品に通常の方法により塗装を行っても、十分な
塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば特開昭61−273921号公報には、
基材であるSMCの加熱圧縮成形中に、成形圧力を超え
る注入圧で被覆材料を金型内部に注入し、硬化させるこ
とにより、成形品表面に被覆層を形成する方法が開示さ
れている。
【0004】しかしながら、上述した先行技術に記載さ
れている型内被覆成形法では、SMCまたはBMCから
なる基材と、被覆層との密着性が十分でないという問題
点が判明した。一方、従来より合成樹脂の成形におい
て、成形型と成形品の離型操作を容易にするために高級
脂肪酸塩等の離型剤を用いることが知られていたが、成
形品に塗装を施す場合は離型剤の使用を避けるべきであ
るとされていた(例えば、株式会社プラスチックス・エ
ージ昭和50年発行「実用プラスチック用語辞典」離型
剤の項参照)ことに起因すると思われるが、型内被覆成
形法において基材形成に用いられる熱硬化性樹脂組成物
中に離型剤を添加することは行われていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者は、
型内被覆成形法における基材用の熱硬化性樹脂組成物中
に、従来通常の合成樹脂の成形に用いられていた量より
多量の離型剤を含有せしめたところ、意外にも基材と被
覆層との密着性が改善されることを見出し、本発明を完
成するに到った。本発明の目的は、被覆層の密着性が良
好な被覆成形品を得ることを可能とする、型内被覆成形
用の基材に用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物、及びその型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材
に用いた被覆成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、成形
型内にて基材上に被覆層を形成する型内被覆成形用の基
材に用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、樹脂成分
100重量部に対して、離型剤が7〜30重量部含有さ
れている型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物であり、請
求項2の発明は、基材上に被覆層が形成された被覆成形
品において、請求項1の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物が基材に用いられた成形品である。
【0007】以下、請求項1,2に記載の各発明の詳細
を説明する。本発明にかかる型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物は、樹脂成分として、熱硬化性樹脂、重合性モ
ノマー及び必要に応じて低収縮剤としての熱可塑性樹脂
等を含有する
【0008】本発明における型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物に含有される熱硬化性樹脂としては、熱分解性
のラジカル触媒を用いて二重結合を開裂付加反応させ3
次元網目構造を形成することができる、分子内に反応性
二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエス
テル(エポキシアクリレート)樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂等が用いられる。熱硬化性樹脂は、単独で用い
られてもよく、複数種を混合して用いられてもよく、そ
の含有量は特に限定されるものではないが、通常、樹脂
成分中の20〜80重量%とされる。
【0009】上記熱硬化性樹脂は公知慣用の方法により
製造され、不飽和ポリエステル樹脂は、通常、有機ポリ
オールと脂肪族不飽和ポリカルボン酸と、さらに必要に
応じて、脂肪族飽和ポリカルボン酸または芳香族ポリカ
ルボン酸等とから製造される。また、上記ビニルエステ
ル樹脂は、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸
等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸とから製造
される。また、上記ウレタンアクリレート樹脂は、通
常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を
残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用いる
こともできる。
【0010】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物には、スチレン、α─メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各
種アクリレートモノマー、各種メタクリレートモノマー
等の重合性モノマーが、一般に、20〜80重量%の範
囲で含有される。
【0011】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル−スチレン共重
合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリ
エーテル類等のような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当
量用いることができる。
【0012】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物は、上述の如く樹脂成分(熱硬化性樹脂、重合性モノ
マー及び必要に応じて低収縮剤としての熱可塑性樹脂)
100重量部に対し、離型剤が7〜30重量部含有され
ていることを特徴とするものである。離型剤の含有量が
限定されるのは、樹脂成分100重量部に対する離型剤
の含有量が7重量部未満では成形基材と被覆層との充分
な密着性が発現されず、逆に離型剤の含有量が30重量
部を越えると、離型剤が成形基材表面のみならず基材の
内部にも多量残存する為と推察されるが、成形品の強度
が低下するからであり、より好ましい範囲は樹脂成分1
00重量部に対して、7.5〜25重量部であり、更に
好ましい範囲は7.5〜15重量部である。
【0013】離型剤の例としては、ステアリン酸、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等の高級脂肪酸及びその
塩、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレン等の低分
子量ポリオレフィン、その他のワックス類、ポリビニル
アルコールなどが挙げられる。これら離型剤は、融点が
低過ぎると貯蔵安定性が悪く、高過ぎると基材の加熱圧
縮成形中に基材表面にしみださない場合がある為基材と
被覆層との充分な密着性が発現されないこととなる。従
って離型剤の融点は、30〜160℃の範囲が好まし
く、80〜130℃がより好ましい。
【0014】前記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトラオールおよびこれらの混合物が挙げられる
が、主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに
分けられる。このうち脂肪族ポリオールとして代表的な
ものには、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエーテ
ル、水素化ビスフェノールA等がある。
【0015】また芳香族ポリオールとして代表的なもの
としては、ビスフェノールAまたはビスフェノールSあ
るいはこれらのビスフェノールAまたはビスフェノール
Sにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはブ
チレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を、一
分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られるポ
リオキシアルキレンビスフェノールAまたはポリオキシ
アルキレンビスフェノールS等がある。
【0016】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が挙げられ、前記脂肪族飽和ポリカルボン酸としてはセ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げら
れ、前記芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸等が挙げられる。
【0017】また、前記ビニルエステル樹脂の製造に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
方法によりエピクロルヒドリンおよびビスフェノールA
から製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピ
クロルヒドリンおよび臭素化ビスフェノールAから製造
される臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラックまたはオルトクレゾールノボラックをグ
リシジルエーテル化して製造されるノボラック型エポキ
シ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて
得られる、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テ
トラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグ
リシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m
−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシ
ジルオルトトルイジン等のグリシジルアミン化合物等が
挙げられる。
【0018】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリオールとしては、アルキレンジ
オールとして例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジイソプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエー
テル等、ポリエーテルポリオールとしてはポリオキシメ
チレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよ
うな有機ポリオールおよびポリカルボン酸により製造さ
れた、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール
等が挙げられる。
【0019】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等が挙げら
れる。また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製造に用
いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ヒドロキシル
基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合している。
アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むことができ
る。
【0020】さらに、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、目的及び用途に応じて、適当量の無機
充填剤を加えることができる。使用可能な無機充填剤と
しては、以下のようなものがある。すなわち、硫黄、グ
ラファイト、ダイヤモンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫
化鉱物、岩塩、カリ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭素カル
シウム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カル
ノー石等のバナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウ
ム)、石膏(硫酸カルシウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂
等のほう酸塩鉱物、灰チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲
母、タルク(滑石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石
等のけい酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウ
ム)、水酸化アルミニウム等の金属(水)酸化物、(中
空)ガラス球等のガラス製品等を中心とした天然または
人工の鉱物またはそれを処理、精製あるいは加工したも
の、およびそれらの混合物が用いられる。
【0021】また、上記充填剤の添加量としては、熱硬
化性樹脂100重量部に対して0〜300重量部添加さ
れるのが好ましい。添加量が300重量部を超えると充
填剤を樹脂およびモノマーの中に均一に分散させること
が難しくなり、また粘度が高くなるため型内での流動が
悪くなり寸法安定性を得ることが難しくなる傾向があ
る。また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
では、補強材として、各種補強繊維、すなわちガラス繊
維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えることができ
る。
【0022】また、さらに本発明の型内被覆成形用熱硬
化性樹脂組成物には、必要に応じてケトンパーオキサイ
ド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサ
イド類、ジアルキルパーオキサイド類、アルキルパーエ
ステル類、パーカーボネート類、パーオキシケタール類
等の公知の重合開始剤、ジメチルアニリン、ナフテン酸
コバルト等の公知の硬化促進剤、パラベンゾキノン等の
重合禁止剤、カーボンブラックや酸化チタン、酸化鉄、
シアニン系顔料、アルミフレーク、ニッケル粉、金粉、
銀粉等の顔料、アゾ系染料やアントラキノン系、インジ
ゴイド系、スチルベン系等の染料、カーボンブラック等
の導電性付与剤、乳化剤、等を用途、目的に応じて適当
量加えることができる。
【0023】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物と組み合わされて用いられる被覆層形成用組成
物としては、基材用の樹脂として上述した、不飽和ポリ
エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられ、必要に応じて各
種充填剤、添加剤等を加えることができる。上記のよう
にして得られた本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物は、従来公知の方法により、SMCあるいはBMC
の形態を持つ型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物とする
ことができ、被覆層形成用組成物と共に、従来公知の型
内塗装に用いられる。
【0024】例えば、130〜160℃に加熱された成
形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形した後、金型をわずかに
開いて被覆層形成用組成物を注入し、次いで5〜120
kg/cm2 、130〜160℃で30秒〜5分間再加
熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面全体
に被覆層形成用組成物を展延し、硬化させて被覆層を形
成することができる。
【0025】また、特開昭61−273921号公報に
開示されているように、SMCを130〜160℃、4
0〜120kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した
後圧力を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で、高
圧注入機を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で
被覆層形成用組成物を型内に注入して再び30〜100
kg/cm2 に増圧して被覆層形成用組成物を展延硬化
させるという方法もある。上記のような型内塗装方法
に、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を用い
れば、容易に密着性の良好な被覆成形品を成形すること
ができる。
【0026】
【作用】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、成形基材として加熱成形する際、もしくは加熱成形
した後に被覆層を形成すると、樹脂成分100重量部に
対して離型剤が7〜30重量部含有されていることによ
り、基材と被覆層との密着性が高められる。その機構は
必ずしも明らかではないが、加熱成形時に溶融した離型
剤が成形中もしくは成形後の基材表面にしみだして基材
表面を柔軟化し、被覆成形の際に、被覆層用組成物の硬
化収縮時に成形基材と被覆層との界面に発生する内部応
力が吸収緩和され、その結果被覆層と成形基材との密着
性が高くなるものと推定される。
【0027】
【実施例】実施例1 下記の基材用材料を混合し、十分に攪拌した後、SMC
含浸装置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製
ロービング、商品名:ER4630LBD166Wを長
さ25mmに切断したもの)60重量部に含浸させ、型
内被覆成形における基材用熱硬化性樹脂組成物を含浸し
たSMCを得た。 基材用材料 不飽和ポリエステル樹脂A(イソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂約60 重量%をスチレンモノマー約40重量%に溶解したもの) …………70重量部 ポリスチレン樹脂B(ポリスチレン系樹脂約30重量%をスチレンモノマー約 70重量%に溶解したもの) …………30重量部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化(株)製) ………120重量部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート含有率98重量%)……1重量部 増粘剤(酸化マグネシウム粉末) ……………1重量部 ステアリン酸亜鉛(融点123℃) …………12重量部
【0028】被覆用組成物の調製 次に、不飽和ポリエステル樹脂A100重量部、炭酸カ
ルシウム100重量部及び硬化剤(t−ブチルパーオキ
シベンゾエート)1重量部を混合し、十分に攪拌して、
被覆層形成用組成物を得た。型内被覆成形方法 上記のようにして用意したSMCおよび被覆層形成用組
成物を用い、以下の要領で成形を行った。まず、上型お
よび下型を150℃に加熱した、30cm×30cmの
正方形の平板状の金型内に、上記SMCを約700gチ
ャージした(チャージされたSMCは、約4mmの厚み
を有していた)。次に、100kg/cm2 の圧力で1
00秒間、加圧成形した後、金型をわずかに開き上記被
覆層形成用組成物を10ml注入し、再度金型を閉め、
80kg/cm2 で120秒間、再加熱再加圧すること
により、成形されたSMCの表面全体に被覆層形成用組
成物を展延し、硬化させ、被覆層を形成した。しかる
後、金型を開いて脱型し、表面が厚み100μmの被覆
層で被覆された成形品を得た。
【0029】評価方法 上記のようにして得られた成形品の被覆層が形成されて
いる表面に、カッターナイフを用い、成形品の素地(熱
硬化性樹脂よりなる基材)に達する直線を2mmの間隔
を隔てて平行に11本ひき、次に、該直線に直交する1
1本の直線を同様にひいて碁盤目状部分を形成した。さ
らに、上記碁盤目状部分に粘着テープ(積水化学工業社
製、商品名:セキスイテープ)を貼り付けた後に引き剥
がして碁盤目のマスの残存数を調べた(以下、碁盤目密
着試験と称す)。その結果、被覆層が残存していたマス
の割合は、100個/100個であった。すなわち、碁
盤目密着試験において、被覆層の剥離は認められなかっ
た。
【0030】一方、得られた成形品について、JISK
6911「熱硬化性プラスチックの一般試験方法」5.17
に従って曲げ強度を測定した。なお、基材用熱硬化性樹
脂組成物の配合割合と碁盤目密着試験及び曲げ試験の結
果を下記の表1に、まとめて示した。碁盤目密着試験の
結果は、被覆層が剥がれなかったマスの残存数として記
載した。
【0031】実施例2〜5 表1の配合に従い、実施例1と同様にして、SMCを製
造し成形品を得てその評価を行った。表1に示す通り、
密着性、曲げ強度共に良好であった。なお、実施例3で
用いたステアリン酸の融点は70℃であり、実施例4、
5で用いたポリエチレン粉末(住友精化社製)の融点は
115℃であった。
【表1】
【0032】比較例1、2 表1と同様の材料を用いた表2の配合に従い、実施例1
と同様にして、SMCを製造し成形品を得てその評価を
行った。表2に示す通り、離型剤量が少ない為に密着性
が悪かった。比較例3、4 表2の配合に従い、実施例1と同様にして、SMCを製
造し成形品を得てその評価を行った。表2に示す通り、
離型剤量が多い為に曲げ強度が悪かった。
【表2】
【0033】上記実施例1〜5、比較例1〜4、及び表
1、2から明らかなように、離型剤を特定量含有してい
ない比較例1〜4では成形品の曲げ強度もしくは被覆層
の密着性がかなり低いのに対し、実施例1〜5では、何
れも曲げ強度が良好で且つ碁盤目密着試験では被覆層が
全く剥離されておらず、被覆層が基材に強固に密着され
ていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物は、上記の如き構成とされており、基材用の熱硬化
性樹脂組成物中に、樹脂成分100重量部に対して、離
型剤が7〜30重量部含有されているため、加熱加圧成
形時に溶融した離型剤が基剤表面を柔軟化し、被覆層と
基剤との密着性が効果的に高められる。従って、請求項
1記載の上記の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を、
型内被覆成形法において基材として用いることにより、
成形品基材に被覆層が強固に密着された被覆層付き成形
品を提供することが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内にて基材上に被覆層を形成する
    型内被覆成形用の基材に用いられる熱硬化性樹脂組成物
    であって、樹脂成分100重量部に対して、離型剤が7
    〜30重量部含有されていることを特徴とする型内被覆
    成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材上に被覆層が形成された被覆成形品
    において、請求項1の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
    物が基材に用いられたことを特徴とする被覆成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171048A (ja) * 2003-12-10 2005-06-30 Nippon Bee Chemical Co Ltd 熱可塑性プラスチック基材のインモールドコート用塗料組成物およびその用途
WO2016104416A1 (ja) * 2014-12-26 2016-06-30 東レ株式会社 炭素繊維強化プラスチック成形品の製造方法

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