JPH0586322A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品

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JPH0586322A
JPH0586322A JP3250640A JP25064091A JPH0586322A JP H0586322 A JPH0586322 A JP H0586322A JP 3250640 A JP3250640 A JP 3250640A JP 25064091 A JP25064091 A JP 25064091A JP H0586322 A JPH0586322 A JP H0586322A
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resin
polyester resin
unsaturated polyester
mold
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JP3250640A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱水性に優れ、かつその上に密着性に優れ
た被覆層を形成し得る型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
物を得る。 【構成】 全樹脂分中、ベンゼン環骨格及び/またはシ
クロヘキサン骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂を1
5〜80重量%、並びにポリ酢酸ビニル樹脂及び/また
は飽和ポリエステル樹脂を1〜15重量%含有する、型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において基材
上に被覆層を形成する、いわゆる型内被覆成形法におい
て基材を構成するのに用いられる型内被覆成形用熱硬化
性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を基材として得
られる被覆成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性樹脂材料よりなる成形品
が、金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用い
られている。中でも、シート・モールディング・コンパ
ウンド(以下、SMCと略す。)またはバルク・モール
ディング・コンパウンド(以下、BMCと略す。)が汎
用されている。しかしながら、SMCまたはBMCを成
形型内で加熱・加圧により成形して得られた成形品で
は、表面に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面
欠陥が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在
している場合、成形品に通常の方法により塗装を行って
も、十分な塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧して不飽和ポリエステル樹脂よりなるS
MCを半硬化させた後、金型を開いて被覆材料を注入す
ることにより成形品に被覆層を設ける方法が開示されて
いる。他方、特開昭61−273921号には、圧縮成
形中に、成形圧力を超える注入圧で被覆材料を注入し、
硬化させることにより、成形品表面に被覆層を形成する
方法が開示されている。
【0004】上記のような型内被覆成形法に用いられる
基材用の熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、熱硬化
性樹脂としてのアジピン酸系不飽和ポリエステル樹脂
と、低収縮剤としての飽和ポリエステル樹脂もしくはポ
リ酢酸ビニルを含むものが、自動車の外板等の成形品用
に用いられている。また、例えば、熱硬化性樹脂として
のイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂と、低収縮剤
としてのポリスチレンとを含有する熱硬化性樹脂組成物
が、バスタブ等の成形品用に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱硬化
性樹脂としてアジピン酸系不飽和ポリエステル樹脂を用
い、低収縮剤として飽和ポリエステルもしくはポリ酢酸
ビニルを用いた上記熱硬化性樹脂組成物を成形した場
合、得られる成形品の耐熱水性が悪く、従って、耐熱水
性を要求されるバスタブ等のサニタリー製品等には利用
できないという欠点があった。また、熱硬化性樹脂とし
てイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂を用い、低収
縮剤としてポリスチレンを用いた上記熱硬化性樹脂組成
物では、型内被覆成形により得られた成形品において、
被膜の基材との密着性が悪いという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上述した型内被覆成形法
において、その上に密着性に優れた被覆層を形成するこ
とができ、かつ耐熱水性の良好な被覆成形品を得ること
を可能とする熱硬化性樹脂組成物並びに該熱硬化性樹脂
組成物を用いた被覆成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、成形材料を成形するに際し、型内にて熱硬化性被覆
材料を被覆させる、いわゆる型内被覆成形法において、
前記成形材料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
って、全樹脂分中、ベンゼン環骨格及び/またはシクロ
ヘキサン骨格を含む不飽和ポリエステル樹脂を15〜8
0重量%、並びにポリ酢酸ビニル樹脂及び/または飽和
ポリエステル樹脂を1〜15重量%含有することを特徴
とし、それによって上記課題を達成するものである。ま
た、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物からなる基材と、該基
材上に形成された被覆層と備える被覆成形品である。
【0008】以下、請求項1,2に記載の各発明の詳細
を説明する。本発明にかかる型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物は、樹脂成分として、熱硬化性樹脂、共重合性
単量体及び必要に応じて低収縮剤としての熱可塑性樹脂
を含有し、熱硬化性樹脂として、耐熱水性を高めるため
にベンゼン環骨格またはシクロヘキサン骨格を有する不
飽和ポリエステル樹脂が上記特定の割合で配合されてい
る。ベンゼン環骨格及び/またはシクロヘキサン骨格を
有する不飽和ポリエステル樹脂とは、例えば、オルトフ
タル酸系不飽和ポリエステル樹脂、イソフタル酸系不飽
和ポリエステル樹脂、テレフタル酸系不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂及び
水添ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、これらは公知慣用の方法により製造され得るもの
である。
【0009】上記ベンゼン環骨格及び/またはシクロヘ
キサン骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂の含有量
は、全樹脂分(すなわち熱硬化性樹脂、共重合性モノマ
ー及び熱可塑性樹脂の総量)中、15重量%以上、80
重量%以下、好ましくは30〜70重量%である。ベン
ゼン環骨格及び/またはシクロヘキサン骨格を有する不
飽和ポリエステル樹脂の含有量が15重量%未満では耐
熱水性が低下し、熱水浸漬試験を行った際に基材内ある
いは基材と被覆層との界面に膨れが生じがちとなる。他
方、上記含有量が80重量%を超えると、熱硬化性樹脂
組成物の粘度が高くなり、成形に際して型内における流
動性が低下し、かつ得られた成形品の寸法安定性が劣化
する。
【0010】上記ベンゼン環骨格及び/またはシクロヘ
キサン骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂のうち、例
えば、オルトフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂は、公
知慣用の方法により、オルトフタル酸(または無水フタ
ル酸)、不飽和ポリカルボン酸及び有機ポリオールから
製造される。また、イソフタル酸系不飽和ポリエステル
樹脂は、公知慣用の方法により、イソフタル酸、不飽和
ポリカルボン酸及び有機ポリオールから製造される。さ
らに、テレフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂は、公知
慣用の方法により、テレフタル酸、不飽和ポリカルボン
酸及び有機ポリオールから製造される。また、ビスフェ
ノール系不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用の方法に
より、ビスフェノールAもしくはそのオキシラン付加物
またはビスフェノールSもしくはそのオキシラン付加
物、及び不飽和ポリカルボン酸、並びに必要に応じて任
意の有機ポリオール、脂肪族飽和ポリカルボン酸及び芳
香族ポリカルボン酸等により製造される。また、水添ビ
スフェノール系不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用の
方法により、水添ビスフェノールAもしくはそのオキシ
ラン付加物または水添ビスフェノールSもしくはそのオ
キシラン付加物、不飽和ポリカルボン酸、並びに、必要
に応じて、任意の有機ポリオール、脂肪族飽和ポリカル
ボン酸、芳香族ポリカルボン酸等より製造される。
【0011】上記各不飽和ポリエステル樹脂の製造に用
いられる不飽和ポリカルボン酸としては、(無水)マレ
イン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等が挙げられ
る。上記各不飽和ポリエステル樹脂の製造に用いられる
有機ポリオールとしては、ジオール、トリオール、テト
ロール及びそれらの混合物が挙げられるが、主として脂
肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けられる。脂
肪族ポリオールとして代表的なものを例示すると、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチル
グリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペ
ンタエリスリットジアリルエーテル、水素化ビスフェノ
ールA等が挙げられる。また、芳香族ポリオールとして
代表的なものとしては、ビスフェノールAもしくはビス
フェノールS、またはこれらのビスフェノールAもしく
はビスフェノールSにエチレンオキシド、プロピレンオ
キシドもしくはブチレンオキシドのような脂肪族オキシ
ラン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加
させて得られるポリオキシアルキレンビスフェノールA
もしくはポリオキシアルキレンビスフェノールS等が挙
げられる。
【0012】他方、上記各不飽和ポリエステル樹脂の製
造に用いられる脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、セ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げられ
る。また、上記各不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸等が挙げられる。本発明にかかる熱硬化性樹脂組成物
では、被覆層との密着性を高めるために、上記特定の範
囲でポリ酢酸ビニル樹脂または飽和ポリエステル樹脂が
含有されている。ポリ酢酸ビニル樹脂及び/または飽和
ポリエステル樹脂の含有量は、前述したように、両者の
合計として、熱硬化性樹脂組成物の全樹脂分中1〜15
重量%の範囲である。含有量が1重量%未満では、被覆
層を強固に密着させることができず、また低収縮剤とし
ての十分な効果が得られないからであり、15重量%を
超えると、得られた成形品の熱可塑性樹脂的性質が強く
なり、全体としての架橋密度が低下し、水分子等の低分
子が侵入し易くなり、耐熱水性が低下するからである。
【0013】上記ポリ酢酸ビニル樹脂は、公知慣用の方
法に従って、酢酸ビニルモノマーを重合することにより
製造される。また、飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法に従って、有機ポリオール及びポリカルボン酸か
ら製造される。上記飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ジブロムネオペンチルグリコール、ヘキ
サメチレングリコール、トリメチレングリコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリット
ジアリルエーテル、(水添)ビスフェノールA、(水
添)ビスフェノールS、ポリオキシアルキレン(水添)
ビスフェノールAまたはポリオキシアルキレン(水添)
ビスフェノールS等を挙げることができる。
【0014】また、上記飽和ポリエステル樹脂の製造に
用いられるポリカルボン酸としては、セバチン酸、アジ
ピン酸、(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げ
られる。なお、熱硬化性樹脂の含有割合は特に限定され
るものではないが、通常、全樹脂分中の10〜85重量
%、好ましくは30〜70重量%とされる。また、本発
明の熱硬化性樹脂組成物には、スチレン、アルファメチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジア
クリルフタレート、エチル(メタ)アクリレート、メチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリレート等の共重合性単量体が、通常、全樹脂
成分中に10〜80重量%の割合で含有される。
【0015】その他の成分 本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物では、本発
明の目的を達成し得る限り、必要に応じて、上記樹脂以
外の熱硬化性樹脂を配合することができる。配合し得る
熱硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート樹脂、ウ
レタンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステルアクリレ
ート樹脂等が挙げられる。上記エポキシアクリレート樹
脂は、公知慣用の方法により、通常、エポキシ樹脂と、
(メタ)アクリル酸等の反応性二重結合を有するモノカ
ルボン酸とから製造される。
【0016】上記エポキシアクリレート樹脂の製造に用
い得るエポキシ樹脂としては、公知慣用の方法によりエ
ピクロルヒドリン及びビスフェノールAから製造される
ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロルヒドリン
及び臭素化ビスフェノールAから製造される臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂;フェノールノボラックま
たはオルトクレゾールノボラックをグリシジルエーテル
化して製造されるノボラック型エポキシ樹脂;各種アミ
ンとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるテトラ
グリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル
1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p
−アミノフェノール、トリグリシジル−m−アミノフェ
ノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルトト
ルイジン等のグリシジルアミン化合物等が挙げられる。
【0017】また、上記エポキシアクリレート樹脂の製
造に用いられる、反応性二重結合を有するモノカルボン
酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、ビニル酢
酸、クロトン酸、3,3ジメチルアクリル酸、アリル酢
酸等が挙げられる。上記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテルまたはポリエーテルポ
リオール等の有機ポリオールに、有機ポリイソシアネー
トを反応させ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートを反応させて製造される。
【0018】上記ウレタンアクリレート樹脂の製造に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ブタンジオールのヒドロキシアルキルエーテル等が、ポ
リエーテルポリオールとしては、ポリオキシメチレン、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等
が、ポリエステルポリオールとしては、前述したような
有機ポリオール及びポリカルボン酸により製造された、
両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール等が挙
げられる。
【0019】また、上記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるポリイソシアネートとしては、トリレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートまたは
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等が挙げら
れる。上記ウレタンアクリレート樹脂の製造に用いられ
るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、
通常、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらではヒド
ロキシル基は、通常、アルキル基のベータ位の炭素に結
合しており、かつ、通常、8個までの炭素原子を含むア
ルキル基を有するものを用いることができる。また、上
記ポリエステルアクリレート樹脂は、公知慣用の方法に
よりポリエステルポリオールに(メタ)アクリル酸を反
応させることにより得られる。上記ポリエステルアクリ
レート樹脂の製造に用いられるポリエステルポリオール
としては、前述したような有機ポリオール及びポリカル
ボン酸より製造された、両末端に水酸基をもつポリエス
テルポリオールが挙げられる。
【0020】さらに、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、低収縮剤として、ポリメチル(メタ)
アクリレート、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポリブタジエ
ン、飽和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂を必要
に応じて適当量配合することができる。もっとも、本発
明の熱硬化性樹脂組成物では、上記のようにポリ酢酸ビ
ニル樹脂及び/または飽和ポリエステル樹脂が1〜15
重量%の範囲に含有されており、この場合ポリ酢酸ビニ
ル樹脂及び飽和ポリエステル樹脂は低収縮剤としても機
能する。しかしながら、本発明の熱硬化性樹脂組成物で
は、上記特定の範囲で含有されているポリ酢酸ビニル樹
脂及び/または飽和ポリエステル樹脂以外に、本発明の
目的を達成し得る限り、上記のような各種低収縮剤を配
合してもよい。
【0021】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
目的及び用途に応じて、適当量の無機充填剤を加えるこ
とができる。使用可能な無機充填剤としては、硫黄、グ
ラファイト、ダイアモンド等の元素鉱物;黄鉄鉱等の硫
化鉱物;岩塩、カリ岩塩等のハロゲン化合物;炭酸カル
シウム等の炭酸塩鉱物;藍鉄鉱等のリン酸塩鉱物;カル
ノー石等のバナジン酸塩鉱物;硫酸バリウム、石膏等の
硫酸塩鉱物;ほう砂等のほう酸塩鉱物;灰チタン石等の
チタン酸塩鉱物;雲母、タルク、葉ろう石、カオリン、
石英、長石等のけい酸塩鉱物;酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物または金属
水酸化物;ガラス球等のガラス製品等を中心とした天然
または人工の鉱物またはこれらを処理、精製もしくは加
工したもの、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0022】上記無機充填剤は、本発明の熱硬化性樹脂
組成物100重量部に対して、0〜300重量部の範囲
で添加されることが好ましい。添加量が300重量部を
超えると充填剤を樹脂及び単量体の中に均一に分散させ
ることが困難となり、かつ粘度が高くなり過ぎるため、
型内での流動性が低下し、成形品の寸法安定性が低下す
るからである。また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、補強材として、ガラス繊維や炭素繊維
等の各種補強繊維を必要に応じて適当量加えることがで
きる。
【0023】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、必要に応じて、ケトンパーオキサイド類、ジアシル
パーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアル
キルパーオキサイド類、アルキルパーエステル類、パー
カーボネート類、パーオキシケタール類等の公知の開始
剤;ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の
硬化促進剤;パラベンゾキノン等の重合禁止剤;カーボ
ンブラックや酸化チタン、酸化鉄、シアニン系顔料、ア
ルミフレーク、ニッケル粉、金粉もしくは銀粉等の顔
料;アゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系または
スチルベン系等の染料;カーボンブラック等の導電性付
与剤;乳化剤;ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;脂肪
族燐酸塩、レシチン等の離型剤等を用途及び目的に応じ
て適当量加えることができる。
【0024】成形方法 上述した本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、上記ベンゼン環骨格及び/またはシクロヘキサン骨
格を有する不飽和ポリエステル樹脂と、ポリ酢酸ビニル
樹脂及び/または飽和ポリエステル樹脂と、必要に応じ
て、上記他の成分とを配合することにより調製され、従
来より公知の方法によって、SMCまたはBMCの形態
とされ、従来より公知の型内被覆成形法に用いられる。
この場合、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
と組み合わせて用いられる熱硬化性被覆材料としては、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル(エポキシア
クリレート)樹脂またはウレタンアクリレート樹脂等が
用いられ、この熱硬化性被覆材料についても、上記熱硬
化性樹脂以外に必要に応じて各種の成分を添加すること
ができる。
【0025】上記型内被覆成形法の工程の一例を挙げる
と、例えば、130〜160℃に加熱された成形型内に
本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物をSMCの
形態としたものを投入し、40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形する。次に、金型を僅か
に開いて熱硬化性被覆材料を注入し、次に5〜120k
g/cm2 の圧力及び130〜160℃の温度で30秒
〜5分間、再加熱・再加圧することにより、成形された
SMCの表面全体に熱硬化性被覆材料を展延し、硬化さ
せることにより被覆層が形成された成形品を得ることが
できる。また、特開昭61−273921号に開示され
ている方法を利用することもでき、例えば、上記型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物をSMCの形態としたもの
を130〜160℃、40〜120kg/cm2 で数十
秒〜数分間加圧成形する。次に、圧力を10〜30kg
/cm2 に減圧した状態で、高圧注入機を用いて100
〜300kg/cm2 の高圧で熱硬化性被覆材料を成形
型内に注入し、再び、30〜100kg/cm2 に増圧
し、熱硬化性被覆材料を展延硬化させることにより、被
覆層が形成された成形品が得られる。
【0026】被覆成形品 請求項2に記載の発明の被覆成形品は、上述した請求項
1に記載の発明にかかる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物を、上述したような公知の型内被覆成形法において
基材を構成するための材料として用い、該型内被覆成形
法に従って該基材上に被覆層を形成することにより得ら
れたものである。
【0027】
【作用】請求項1に記載の発明にかかる型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物では、ベンゼン環構造またはシクロ
ヘキサン環構造が導入された不飽和ポリエステル樹脂が
上記特定の範囲で含有されている。ベンゼン環構造及び
シクロヘキサン環構造は耐熱性が良好であるため、従っ
て本発明の熱硬化性樹脂組成物では、上記ベンゼン環骨
格及び/またはシクロヘキサン環骨格を有する不飽和ポ
リエステル樹脂を上記特定の割合で配合することにより
耐熱水性が高められている。また、請求項1に記載の熱
硬化性樹脂組成物では、上記不飽和ポリエステル樹脂に
加えて、飽和ポリエステル樹脂及び/またはポリ酢酸ビ
ニル樹脂が上記特定の範囲で配合されている。この飽和
ポリエステル樹脂及び/またはポリ酢酸ビニル樹脂は、
熱硬化性樹脂組成物が熱硬化する際に相分離し、低収縮
剤として機能するが、その際に、成形物表面に微小なク
ラックが多数形成される。その結果、被覆用組成物が型
内に注入された際に、該被覆用組成物が上記クラックに
進入し、それによってアンカー効果が得られる。従っ
て、上記飽和ポリエステル樹脂及び/またはポリ酢酸ビ
ニル樹脂は、成形品基材と被覆層との密着性を高めるよ
うに機能する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。まず、後述の実施例
1〜11及び比較例1〜4の各型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物を調製するのに、下記の各種樹脂液を作成し
た。樹脂液の作成 (1)不飽和ポリエステル樹脂液…イソフタル酸5モ
ル、マレイン酸5モル及びプロピレングリコール10モ
ルを、公知の方法により縮合させ、分子量約1000の
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂を得、これをス
チレンモノマーに溶解し、不飽和ポリエステル樹脂液
とした。この不飽和ポリエステル樹脂液中のスチレン
含有量は40重量%であった。
【0029】(2)不飽和ポリエステル樹脂液…テレ
フタル酸5モル、フマル酸5モル及びネオペンチルグリ
コール10モルを、公知の方法により縮合させ、分子量
約1200のテレフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂を
得、これをスチレンモノマーに溶解することにより、不
飽和ポリエステル樹脂液を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂液中のスチレン含有量は40重量%であっ
た。 (3)不飽和ポリエステル樹脂液…フマル酸10モ
ル、及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物10モルを、公知の方法により縮合させ、分子量約1
200のビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂を
得、これをスチレンモノマーに溶解することにより、不
飽和ポリエステル樹脂液を得た。この不飽和ポリエス
テル樹脂液中のスチレン含有量は40重量%であっ
た。
【0030】(4)不飽和ポリエステル樹脂液…マレ
イン酸10モル、プロピレングリコール7モル及び水添
ビスフェノールA3モルを、公知の方法により縮合さ
せ、分子量約1000の水添ビスフェノール系不飽和ポ
リエステル樹脂を得、これをスチレンモノマーに溶解す
ることにより、不飽和ポリエステル樹脂液を得た。こ
の不飽和ポリエステル樹脂液中のスチレン含有量は4
0重量%であった。 (5)不飽和ポリエステル樹脂液…アジピン酸6モ
ル、マレイン酸4モル及びプロピレングリコール10モ
ルを、公知の方法により縮合させ、分子量約1000の
イソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂を得、これをス
チレンモノマーに溶解することにより、不飽和ポリエス
テル樹脂液を得た。この不飽和ポリエステル樹脂液
中のスチレン含有量は40重量%であった。
【0031】(6)ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液…
公知慣用の方法に従って酢酸ビニルモノマーを重合し、
分子量約10万のポリ酢酸ビニル樹脂を得、これをスチ
レンに溶解し、ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液とし
た。このポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液中のスチレン
濃度は約65重量%であった。 (7)飽和ポリエステル系低収縮剤樹脂液…公知慣用の
方法に従ってプロピレングリコール及びアジピン酸より
分子量約5万の飽和ポリエステル樹脂を得、これをスチ
レンに溶解し、飽和ポリエステル系低収縮剤樹脂液とし
た。この飽和ポリエステル系低収縮剤樹脂液中のスチレ
ン濃度は約60重量%であった。 (8)ポリスチレン系低収縮剤樹脂液…公知慣用の方法
に従ってスチレンモノマーを重合し、分子量約12万の
ポリスチレン樹脂を得、これをスチレンに溶解し、ポリ
スチレン系低収縮剤樹脂液とした。このポリスチレン系
低収縮剤樹脂液中のスチレン濃度は約65重量%であっ
た。以下、特に断らない限り、「部」は重量部を意味す
る。
【0032】実施例1 下記の組成を混合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装
置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス社製ロービン
グ、商品名;ER4630LBD166Wを長さ25m
mに切断したもの)60部に含浸させ、熱硬化性樹脂組
成物としてのSMCを得た。
【0033】 組成 不飽和ポリエステル樹脂液 … 70部 ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液 … 30部 (これは、ポリ酢酸ビニル樹脂量として10.5部に相当する。) 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、商品名;NS−100)…120部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート) … 1部 増粘剤 (酸化マグネシウム粉末、協和化学工業社、商品名;キョーワマグ150) … 1部 上記のようにして得られたSMCは、十分に増粘が進
み、取扱い性の良好なものであった。
【0034】他方、熱硬化性型内被覆材料として、下記
の組成を混合し、十分に攪拌して得られた型内被覆用組
成物を用意した。 組成 不飽和ポリエステル樹脂液 …100部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化社製、商品名;NS−100)…100部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート) … 1部 上記のようにして用意したSMC及び型内被覆用組成物
を用い、以下のようにして成形を行った。
【0035】上型を150℃、下型を150℃に加熱し
た30cm×30cmの正方形の平板の金型内に、上記
SMCを約700gチャージした。次に、100kg/
cm2 の圧力で100秒間加圧成形した後、金型を僅か
に開いて上記型内被覆用組成物を10ml注入し、再度
金型を80kg/cm2 で120秒間再加熱・加圧する
ことにより、成形されたSMCの表面全体に型内被覆用
組成物を展延し、硬化させて被膜を形成させた。しかる
後、型を開いて脱型し、表面を厚み100μmの被覆層
で被覆された厚さ約4mmの成形品を得た。
【0036】碁盤目密着試験 上記のようにして得られた成形品の被覆層が形成されて
いる表面に、カッターナイフを用い、成形品の素地(熱
硬化性樹脂組成物よりなる基材表面)に達する直線を2
mmの間隔を隔てて平行に11本ひき、次に該直線に直
交する11本の直線を同様にひき、碁盤目状部分を形成
した。さらに、上記碁盤目状部分に粘着テープ(積水化
学工業社製、商品名;セロテープ)を貼り付けて、しか
る後剥がすことにより、碁盤目のマスの残存数を調べ
た。その結果、被覆層が残存していたマスの割合は、1
00個/100個であった。すなわち、碁盤目密着試験
において、被覆層の剥離は全く認められなかった。
【0037】耐熱水性試験 また、上記のようにして得られた成形品から10cm×
10cmの試験片を切出し、80℃の熱水中に200時
間浸漬したところ、該試験片に外観の変化は生じなかっ
た。
【0038】実施例2 不飽和ポリエステル樹脂液70部に代えて不飽和ポリ
エステル樹脂液を70部用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてSMCを作成した。上記のようにして得た
SMCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物とを用
い、実施例1と同様にして成形した。得られた成形品に
ついて、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を行った
ところ、被覆層が残存していたマスの割合は、100個
/100個であった。また、実施例1と同様に、耐熱水
性試験を行ったところ、外観の変化は生じなかった。
【0039】実施例3 不飽和ポリエステル樹脂液70部に代えて不飽和ポリ
エステル樹脂液を70部用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてSMCを作成した。上記のようにして得た
SMCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物とを用
い、実施例1と同様にして成形した。得られた成形品に
ついて、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を行った
ところ、被覆層が残存していたマスの割合は、100個
/100個であった。また、実施例1と同様に、耐熱水
性試験を行ったところ、外観の変化は生じなかった。
【0040】実施例4 不飽和ポリエステル樹脂液70部に代えて不飽和ポリ
エステル樹脂液を70部用いたこと以外は、実施例1
と同様にしてSMCを作成した。上記のようにして得た
SMCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物とを用
い、実施例1と同様にして成形した。得られた成形品に
ついて、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を行った
ところ、被覆層が残存していたマスの割合は、100個
/100個であった。また、実施例1と同様に、耐熱水
性試験を行ったところ、外観の変化は生じなかった。
【0041】実施例5 不飽和ポリエステル樹脂液70部に代えて不飽和ポリ
エステル樹脂液を40部及び不飽和ポリエステル樹脂
液を30部用いたこと以外は、実施例1と同様にして
SMCを作成した。上記のようにして得たSMCと、実
施例1で用いた型内被覆用成形物とを用い、実施例1と
同様にして成形した。得られた成形品について、実施例
1と同様にして碁盤目密着試験を行ったところ、被覆層
が残存していたマスの割合は、100個/100個であ
った。また、実施例1と同様に、耐熱水性試験を行った
ところ、外観の変化は生じなかった。
【0042】実施例6 ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液30部に代えて飽和ポ
リエステル系低収縮剤樹脂液を30部(これは、飽和ポ
リエステル樹脂量として12部に相当する。)を用いた
こと以外は、実施例1と同様にしてSMCを作成した。
上記のようにして得たSMCと、実施例1で用いた型内
被覆用成形物とを用い、実施例1と同様にして成形し
た。得られた成形品について、実施例1と同様にして碁
盤目密着試験を行ったところ、被覆層が残存していたマ
スの割合は、100個/100個であった。また、実施
例1と同様に、耐熱水性試験を行ったところ、外観の変
化は生じなかった。
【0043】実施例7 ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液30部に代えて飽和ポ
リエステル系低収縮剤樹脂液を30部(これは、飽和ポ
リエステル樹脂量として12部に相当する。)を用いた
こと以外は、実施例4と同様にしてSMCを作成した。
上記のようにして得たSMCと、実施例1で用いた型内
被覆用成形物とを用い、実施例1と同様にして成形し
た。得られた成形品について、実施例1と同様にして碁
盤目密着試験を行ったところ、被覆層が残存していたマ
スの割合は、100個/100個であった。また、実施
例1と同様に、耐熱水性試験を行ったところ、外観の変
化は生じなかった。
【0044】実施例8 不飽和ポリエステル樹脂液の量を50部とし、不飽和
ポリエステル樹脂液を30部用い、かつポリ酢酸ビニ
ル系低収縮剤樹脂液量を20部(これは、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂量として7部に相当する。)としたこと以外は、
実施例1と同様にしてSMCを作成した。上記のように
して得たSMCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物
とを用い、実施例1と同様にして成形した。得られた成
形品について、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を
行ったところ、被覆層が残存していたマスの割合は、1
00個/100個であった。また、実施例1と同様に、
耐熱水性試験を行ったところ、外観の変化は生じなかっ
た。
【0045】実施例9 不飽和ポリエステル樹脂液の量を50部とし、不飽和
ポリエステル樹脂液を40部用い、かつ飽和ポリエス
テル系低収縮剤樹脂液量を10部(これは、飽和ポリエ
ステル樹脂量として3.5部に相当する。)としたこと
以外は、実施例6と同様にしてSMCを作成した。上記
のようにして得たSMCと、実施例1で用いた型内被覆
用成形物とを用い、実施例1と同様にして成形した。得
られた成形品について、実施例1と同様にして碁盤目密
着試験を行ったところ、被覆層が残存していたマスの割
合は、100個/100個であった。また、実施例1と
同様に、耐熱水性試験を行ったところ、外観の変化は生
じなかった。
【0046】実施例10 不飽和ポリエステル樹脂液の量を60部とし、用いた
ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液の量を40部(これ
は、ポリ酢酸ビニル樹脂量として14部に相当する。)
としたこと以外は、実施例1と同様にしてSMCを作成
した。上記のようにして得たSMCと、実施例1で用い
た型内被覆用成形物とを用い、実施例1と同様にして成
形した。得られた成形品について、実施例1と同様にし
て碁盤目密着試験を行ったところ、被覆層が残存してい
たマスの割合は、100個/100個であった。また、
実施例1と同様に、耐熱水性試験を行ったところ、外観
の変化は生じなかった。
【0047】実施例11 不飽和ポリエステル樹脂液の量を60部とし、不飽和
ポリエステル樹脂液を10部加え、かつポリ酢酸ビニ
ル系低収縮剤樹脂液の量を10部(これは、ポリ酢酸ビ
ニル樹脂量として3.5部に相当する。)とし、さらに
飽和ポリエステル系低収縮剤樹脂液を20部(これは、
飽和ポリエステル樹脂量として7部に相当する。)を用
いたこと以外は、実施例1と同様にしてSMCを作成し
た。上記のようにして得たSMCと、実施例1で用いた
型内被覆用成形物とを用い、実施例1と同様にして成形
した。得られた成形品について、実施例1と同様にして
碁盤目密着試験を行ったところ、被覆層が残存していた
マスの割合は、100個/100個であった。また、実
施例1と同様に、耐熱水性試験を行ったところ、外観の
変化は生じなかった。
【0048】比較例1 ポリ酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液の代わりに、ポリスチ
レン系低収縮剤樹脂液を30部用いたこと以外は、実施
例1と同様にしてSMCを作成した。上記のようにして
得たSMCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物とを
用い、実施例1と同様にして成形した。得られた成形品
について、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を行っ
たところ、被覆層が残存していたマスの割合は、31個
/100個であった。また、実施例1と同様に、耐熱水
性試験を行ったところ、外観の変化は生じなかった。
【0049】比較例2 不飽和ポリエステル樹脂液の代わりに、不飽和ポリエ
ステル樹脂液を70部用いたこと以外は、実施例1と
同様にしてSMCを作成した。上記のようにして得たS
MCと、実施例1で用いた型内被覆用成形物はを用い、
実施例1と同様にして成形した。得られた成形品につい
て、実施例1と同様にして碁盤目密着試験を行ったとこ
ろ、被覆層が残存していたマスの割合は、100個/1
00個であった。また、実施例1と同様に、耐熱水性試
験を行ったところ、試験片表面に多数の膨れが発生し
た。
【0050】比較例3 不飽和ポリエステル樹脂液の量を100部とし、ポリ
酢酸ビニル系低収縮剤樹脂液を用いなかったこと以外
は、実施例1と同様にしてSMCを作成した。上記のよ
うにして得たSMCと、実施例1で用いた型内被覆用成
形物とを用い、実施例1と同様にして成形した。得られ
た成形品について、実施例1と同様にして碁盤目密着試
験を行ったところ、被覆層が残存していたマスの割合
は、55個/100個であった。また、実施例1と同様
に、耐熱水性試験を行ったところ、耐熱水性試験を行っ
たところ、外観の変化は生じなかった。
【0051】比較例4 不飽和ポリエステル樹脂液の量を40部とし、ポリ酢
酸ビニル系低収縮剤樹脂液の量を60部(これは、ポリ
酢酸ビニル樹脂の量として21部に相当する。)とした
こと以外は、実施例1と同様にしてSMCを作成した。
上記のようにして得たSMCと、実施例1で用いた型内
被覆用成形物とを用い、実施例1と同様にして成形し
た。得られた成形品について、実施例1と同様にして碁
盤目密着試験を行ったところ、被覆層が残存していたマ
スの割合は、100個/100個であった。また、実施
例1と同様に、耐熱水性試験を行ったところ、試験片表
面に多数の膨れが発生した。上記実施例1〜11及び比
較例1〜4についてのSMCの配合内容と、成形品の評
価結果を下記の表1〜表3に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物では、耐熱性の良好なべン
ゼン環骨格またはシクロヘキサン環骨格を有する不飽和
ポリエステル樹脂が上記特定の範囲で配合されているた
め、得られた成形品の耐熱水性が高められる。また、飽
和ポリエステル樹脂及び/またはポリ酢酸ビニル樹脂が
上記特定の割合で配合されているため、基材表面に微小
なクラックが多数形成され、それによって注入された被
覆用組成物が該クラックに進入することにより、アンカ
ー効果が得られる。従って、請求項1に記載の発明にか
かる熱硬化性樹脂組成物を型内被覆成形法に用いた場
合、成形品基材に被覆層が強固に密着された請求項2に
記載の被覆層付成形品を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 101 7016−4F B29K 101:10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形材料を成形するに際し、型内にて熱
    硬化性被覆材料を被覆させる方法において、前記成形材
    料として用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、 全樹脂分中、ベンゼン環骨格及び/またはシクロヘキサ
    ン骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂を15〜80重
    量%、並びにポリ酢酸ビニル樹脂及び/または飽和ポリ
    エステル樹脂を1〜15重量%含有することを特徴とす
    る型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の型内被覆成形用熱硬化
    性樹脂組成物からなる基材と、前記基材上に形成された
    被覆層とを備える被覆成形品。
JP3250640A 1991-09-30 1991-09-30 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品 Pending JPH0586322A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8684985B2 (en) 2007-11-27 2014-04-01 Daio Paper Corporation Absorbent article having angled flaps

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