JPH0517605A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品

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JPH0517605A
JPH0517605A JP3188599A JP18859991A JPH0517605A JP H0517605 A JPH0517605 A JP H0517605A JP 3188599 A JP3188599 A JP 3188599A JP 18859991 A JP18859991 A JP 18859991A JP H0517605 A JPH0517605 A JP H0517605A
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JP
Japan
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thermosetting resin
molding
coupling agent
mold
resin composition
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Pending
Application number
JP3188599A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshiaki Aoto
俊朗 青砥
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP3188599A priority Critical patent/JPH0517605A/ja
Publication of JPH0517605A publication Critical patent/JPH0517605A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2101/00Use of unspecified macromolecular compounds as moulding material
    • B29K2101/10Thermosetting resins

Abstract

(57)【要約】 【構成】型内被覆成形法における基材用として用いられ
る熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂を含む樹
脂分中に、γ─メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを含有する型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。 【効果】熱硬化性樹脂組成物中にシラン系カップリング
剤を含有しているので、被覆層と熱硬化性樹脂よりなる
成形品基材との密着性が効果的に高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内にて基材上に
被覆層を形成する型内被覆成形用の基材形成用に用いら
れる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物、およびその型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆
成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品等の代替部材として工業部品等に広く用いられ
ている。中でも、シート・モールディング・コンパウン
ド(以下、SMCと略す)またはバルク・モールディン
グ・コンバウンド(以下、BMCと略す)が凡用されて
いる。しかしながら、SMCまたはBMCを成形型内で
加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面
に、気孔、微小亀裂、ひけまたは起伏等の表面欠陥が発
生しがちであった。このような表面欠陥が存在している
場合、成形品に通常の方法により塗装を行っても、十分
な塗膜を形成することは難しい。
【0003】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形法が提案され
ている。例えば、特開昭53−71167号には、金型
内で加熱・加圧してSMCを半硬化させた後、金型を開
いて被覆材料を注入することにより成形品に被覆層を設
ける方法が開示されている。他方、特開昭61−273
921号には、圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧
で被覆材料を注入し、硬化させることにより、成形品表
面に被覆層を形成する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行技術に記載されている型内被覆成形法では、SM
CまたはBMCからなる基材と、被覆層との密着性が十
分でないという問題点があった。
【0005】よって、本発明の目的は、被覆層の密着性
が良好な被覆成形品を得ることを可能とする、型内被覆
成形用の基材形成用に用いられる型内被覆成形用熱可塑
性樹脂組成物、およびその型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物を基材用に用いた被覆成形品を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、成形型内にて基材上に被覆層を形成する型内被覆成
形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂組成物であ
って、熱硬化性樹脂を含む樹脂分中に、シラン系カップ
リング剤、チタネート系カップリング剤およびアルミニ
ウム系カップリング剤の内の少なくとも1種のカップリ
ング剤を含有する型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物で
ある。
【0007】本願の請求項2の発明は、基材上に被覆層
が形成された被覆成形品において、請求項1の型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物を基材用に用いた被覆成形品
である。
【0008】本発明の型内成形用熱硬化性樹脂組成物に
用いられるシラン系カップリング剤としては、γ─メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β─(N
−ビニルベンジルアミノエチル)─γ─アミノプロピル
トリメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニルシランカッ
プリング剤、γ─(2─アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ─(2─アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシランカッ
プリング剤、γ─グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン等のエポキシシランカップリング剤、γ─メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトシラ
ンカップリング剤、γ─クロロプロピルトリメトキシシ
ラン等のクロロシランカップリング剤等、例えば、一般
式R1 Si(OR2 3 (但しR1 ,R2 はアルキル
基)で表わされる、各種シラン系カップリング剤等が挙
げられる。
【0009】熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル
樹脂を用いる熱硬化性樹脂を含む型内被覆熱硬化性樹脂
組成物においては、R1 相当部分にビニル基をもつラジ
カル重合性を有するシランカップリング剤が有効であ
る。
【0010】用いるシラン系カップリング剤の量は、ラ
ジカル共重合性を有する場合、合計で熱硬化性樹脂の樹
脂分中0.1〜70重量%の範囲で含有させるのが好ま
しく、より好ましい範囲は1〜50重量%である。ま
た、ラジカル共重合性を有しない場合の好ましい含有量
は熱硬化性樹脂の樹脂分中0.1〜30重量%、より好
ましい含有量は1〜15重量%である。
【0011】その理由は、0.1重量%未満では、被覆
層との密着性を改善する効果が十分でなく、逆に一定量
を越えて含有された場合には、熱硬化性樹脂組成物の粘
度が低くなるため、SMCまたはBMCの形態(すなわ
ち固形状)とすることが困難になったり、充分な機械的
強度の保持が困難になったりするからである。
【0012】本発明の型内成形用熱硬化性樹脂組成物に
用いられるラジカル共重合性をもつチタネート系カップ
リング剤としては、例えば、イソプロピルトリオクタノ
イルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアク
リルチタネートのような(メタ)アクリル酸誘導体、テ
トラ(2,2─ジアリルオキシメチル─1─ブチル)ビ
ス(ジトリデシル)ホスファイトチタネートのようなア
リル基を持つものが挙げられる。
【0013】また、ラジカル共重合性をもたないチタネ
ート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピル
トリイソステアロイルチタネート等の脂肪族誘導体、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキ
シアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)エチレンチタネート等のリン酸誘導体、イソ
プロピルトリ(N−アミノエチル─アミノエチル)チタ
ネート、テトラオクチルビス(ジトリデシル)ホスファ
イトチタネート等が挙げられる。
【0014】チタネート系カップリング剤の含有量は、
ラジカル共重合性を有する場合、合計で熱硬化性樹脂の
樹脂分中0.1〜70重量%の範囲で含有させるのが好
ましく、より好ましい範囲は1〜50重量%である。ま
た、ラジカル共重合性を有しない場合の好ましい含有量
は樹脂分中0.1〜30重量%、より好ましい含有量は
1〜15重量%である。
【0015】その理由は、0.1重量%未満の場合に
は、被覆層との密着性を改善する効果が十分でなく、逆
に一定量を越えて含有された場合には、熱硬化性樹脂組
成物の粘度が低くなるため、SMCまたはBMCの形態
(すなわち固形状)とすることが困難になったり、充分
な機械的な強度の保持が困難になったりするからであ
る。
【0016】本発明の型内成形用熱硬化性樹脂組成物に
用いられるアルミニウム系カップリング剤としては、例
えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
ト等が挙げられる。
【0017】アルミニウム系カップリング剤の含有量
は、合計で熱硬化性樹脂の樹脂分中0.1〜70重量%
の範囲で含有させるのが好ましく、より好ましい範囲は
1〜50重量%である。その理由は、0.1重量%未満
の場合には、被覆層との密着性を改善する効果が十分で
なく、逆に一定量を越えて含有された場合には、熱硬化
性樹脂組成物の粘度が高くなるため、成形時に型内に供
給、充填することが難しくなる傾向があるからである。
【0018】なお、上記熱硬化性樹脂の樹脂分には、熱
硬化性樹脂の他、便宜上、後述する低収縮剤および重合
性モノマーを含むものとする。本発明における型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物に含有される熱硬化性樹脂と
しては、熱分解性のラジカル触媒を用いて二重結合を開
裂付加反応させ3次元網目構造を形成することができ
る、分子内に反応性二重結合を有する不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル(エポキシアクリレート)樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂等が用いられる。熱硬化
性樹脂は、単独で用いられてもよく、複数種を混合して
用いられてもよい。
【0019】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等とから製
造される。
【0020】他方、前記ビニルエステル樹脂も、公知慣
用の方法により、通常、エポキシ樹脂と、(メタ)アク
リル酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸とか
ら製造される。
【0021】また、前記ウレタンアクリレート樹脂は、
通常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ールまたはポリエステルポリオール等の有機ポリオール
に、有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造さ
れるものであるが、一部末端に遊離イソシアネート基を
残しこれを上記ビニルエステル樹脂と化合させて用いる
こともできる。
【0022】前記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオー
ル、テトロールおよびこれらの混合物が挙げられるが、
主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分け
られる。このうち脂肪族ポリオールとして代表的なもの
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネ
オペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化
ビスフェノールA等があり、また芳香族ポリオールとし
て代表的なものとしては、ビスフェノールAまたはビス
フェノールSあるいはこれらのビスフェノールAまたは
ビスフェノールSにエチレンオキシド、プロピレンオキ
シドもしくはブチレンオキシドのような脂肪族オキシラ
ン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加さ
せて得られるポリオキシアルキレンビスフェノールAま
たはポリオキシアルキレンビスフェノールS等がある。
【0023】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、
(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等
が挙げられ、前記脂肪族飽和ポリカルボン酸としてはセ
バチン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げら
れ、前記芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸等が挙げられる。
【0024】また、前記ビニルエステル樹脂の製造に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
方法によりエピクロルヒドリンおよびビスフェノールA
から製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピ
クロルヒドリンおよび臭素化ビスフェノールAから製造
される臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラックまたはオルトクレゾールノボラックをグ
リシジルエーテル化して製造されるノボラック型エポキ
シ樹脂、各種アミンとエピクロルヒドリンを反応させて
得られる、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テ
トラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグ
リシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジル−m
−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシ
ジルオルトトルイジン等のグリシジルアミン化合物等が
挙げられる。
【0025】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリオールとしては、アルキレンジ
オールとして例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジエチレングリコール、ジイソプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ブタンジオール等のヒドロキシアルキルエー
テル等、ポリエーテルポリオールとしてはポリオキシメ
チレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキ
サイド等、ポリエステルポリオールとしては前述したよ
うな有機ポリオールおよびポリカルボン酸により製造さ
れた、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール
等が挙げられる。
【0026】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、トリ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等が挙げら
れる。
【0027】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トとしては通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ヒドロ
キシル基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合して
いる。アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むこと
ができる。
【0028】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チル(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢
酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポ
リブタジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル
類等のような熱可塑性樹脂を必要に応じて適当量用いる
ことができる。
【0029】さらに、本発明の型内被覆成形用熱硬化性
樹脂組成物には、目的および用途に応じて、適当量の無
機充填剤を加えることができる。使用可能な無機充填剤
としては、以下のようなものがある。
【0030】すなわち、硫黄、グラファイト、ダイヤモ
ンド等の元素鉱物、黄鉄鉱等の硫化鉱物、岩塩、カリ岩
塩等のハロゲン化鉱物、炭素カルシウム等の炭酸塩鉱
物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン
酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシ
ウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チ
タン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉
ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱物、酸化
チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウ
ム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス
製品等を中心とした天然または人工の鉱物またはそれを
処理、精製あるいは加工したもの、およびそれらの混合
物が用いられる。
【0031】また、上記充填剤の添加量としては、熱硬
化性樹脂100重量部に対して0〜300重量部添加さ
れるのが好ましい。添加量が300重量部を超えると充
填剤を樹脂およびモノマーの中に均一に分散させること
が難しくなり、また粘度が高くなるため型内での流動が
悪くなり寸法安定性を得ることが難しくなる傾向があ
る。
【0032】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物では、補強材として、各種補強繊維、すなわち
ガラス繊維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0033】また、さらに本発明の型内被覆成形用熱硬
化性樹脂組成物には、必要に応じて、スチレン、α─メ
チルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジ
アリルフタレート、各種アクリレートモノマー、各種メ
タクリレートモノマー等の重合性モノマー、ケトンパー
オキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパ
ーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、アルキ
ルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシケ
タール類等の公知の重合開始剤、ジメチルアニリン、ナ
フテン酸コバルト等の公知の硬化促進剤、パラベンゾキ
ノン等の重合禁止剤、カーボンブラックや酸化チタン、
酸化鉄、シアニン系顔料、アルミフレーク、ニッケル
粉、金粉、銀粉等の顔料、アゾ系染料やアントラキノン
系、インジゴイド系、スチルベン系等の染料、カーボン
ブラック等の導電性付与剤、乳化剤、ステアリン酸亜鉛
等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシチン等の離型剤等
を用途、目的に応じて適当量加えることができる。
【0034】また、本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹
脂組成物と組み合わされて用いられる被覆層形成用組成
物としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等の熱硬化性樹脂が用
いられ、必要に応じて各種充填剤、添加剤等を加えるこ
とができる。
【0035】上記のようにして得られた本発明の型内被
覆成形用熱硬化性樹脂組成物は、従来公知の方法によ
り、SMCあるいはBMCの形態を持つ熱硬化性樹脂組
成物とすることができ、被覆層形成用組成物と共に、従
来公知の型内塗装に用いられる。
【0036】例えば、130〜160℃に加熱された成
形金型内にSMCを入れて40〜120kg/cm2
圧力で30秒〜5分間加圧成形した後、金型をわずかに
開いて被覆層形成用組成物を注入し、次いで5〜120
kg/cm2 、130〜160℃で30秒〜5分間再加
熱再加圧することにより、成形されたSMCの表面全体
に被覆層形成用組成物を展延し、硬化させて被覆層を形
成することができる。
【0037】また、特開昭61−273921に開示さ
れているように、SMCを130〜160℃、40〜1
20kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧力
を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入機
を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で被覆層形
成用組成物を型内に注入して再び30〜100kg/c
2 に増圧して被覆層形成用組成物を展延硬化させると
いう方法もある。上記のような型内塗装方法に、本発明
の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を用いれば、容易
に密着性の良好な被覆成形品を成形することができる。
【0038】
【作用】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
は、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤およびアルミニウム系カップリング剤の内の少なく
とも1種のカップリング剤が樹脂分中に含有されるた
め、主に加圧成形時にその一部が加水分解されてシラノ
ール基や水酸基等の極性基を形成し、被覆層との水素結
合が増加するために、素材と被覆層との密着性が高めら
れる。
【0039】特に、カップリング剤がラジカル共重合性
の場合は、熱硬化性樹脂等と共重合反応する。従って、
熱硬化性樹脂組成物(基材)と被覆層形成用組成物との
密着性がより一層効果的に高められる。
【0040】本発明の被覆成形品は、基材用にシラン系
カップリング剤、チタネート系カップリング剤およびア
ルミニウム系カップリング剤の内の少なくとも1種のカ
ンプリング剤が樹脂分中に含有される型内被覆成形用硬
化性樹脂組成物を用いるため、基材に被覆層が強固に密
着されている。
【0041】
【実施例】実施例1 下記の組成を混合し、十分に攪拌した後、SMC含浸装
置によりガラス繊維(旭ファイバーグラス(株)製ロー
ビング、商品名:ER4630LBD166Wを長さ2
5mmに切断したもの)60重量部に含浸させ、熱硬化
性樹脂組成物としてのSMCを得た。
【0042】組成 ポリエステル樹脂A(イソフタル酸系の不飽和ポリエス
テル樹脂約60重量%およびスチレンモノマー約40重
量%を含有)……70重量部 ポリスチレン樹脂B(ポリスチレン樹脂約30重量%お
よびスチレンモノマー約70重量%を含有)……30重
量部 シラン系カップリング剤として、γ─メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン(株)製)……1重量部 炭酸カルシウム粉末(日東粉化(株)製)……120重
量部 硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート含有率98
重量%)……1重量部 増粘剤(酸化マグネシウム粉末)……1重量部 次に、ポリエステル樹脂A100重量部、炭酸カルシウ
ム100重量部及び硬化剤(t−ブチルパーオキシベン
ゾエート)1重量部を混合し、十分に攪拌して、型内被
覆用樹脂組成物を得た。
【0043】上記のようにして用意したSMCおよび被
覆層形成用組成物を用い、以下の要領で成形を行った。
まず、上型および下型を150℃に加熱した、30cm
×30cmの正方形の平板状の金型内に、上記SMCを
約700gチャージした(チャージされたSMCは、約
4mmの厚みを有していた)。次に、100kg/cm
2 の圧力で100秒間、加圧成形した後、金型をわずか
に開き上記型内被覆用組成物を10ml注入し、再度金
型を閉め、80kg/cm2 で120秒間、再加熱再加
圧することにより、成形されたSMCの表面全体に型内
被覆用組成物を展延し、硬化させ、被覆層を形成した。
しかる後、金型を開いて脱型し、表面を厚み100μm
の被覆層で被覆された成形品を得た。
【0044】上記のようにして得られた成形品の被覆層
が形成されている表面に、カッターナイフを用い、成形
品の素地(熱硬化性樹脂よりなる基材)に達する直線を
2mmの間隔を隔てて平行に11本ひき、次に、該直線
に直交する11本の直線を同様にひいて碁盤目状部分を
形成した。さらに、上記碁盤目状部分に粘着テープ(積
水化学工業社製、商品名:セキスイテープ)を貼り付
け、しかる後剥がすことにより碁盤目のマスの残存数を
調べた(以下、碁盤目密着試験と称す)。その結果、被
覆層が残存していたマスの割合は、100個/100個
であった。すなわち、碁盤目密着試験において、被覆層
の剥離は認められなかった。
【0045】実施例2 シラン系カップリング剤として、γ─メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランを5重量部用いたこと以外
は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0046】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例3 シラン系カップリング剤として、γ─メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランを8重量部用いたこと以外
は、実施例1と同様にSMCを得た。
【0047】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例4 シラン系カップリング剤の代わりに、チタネート系カッ
プリング剤として、イソプロピルイソステアロイルジア
クリルチタネート(味の素(株)製:商品名「KR−1
1」)5重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にS
MCを得た。
【0048】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例5 シラン系カップリング剤の代わりに、チタネート系カッ
プリング剤として、イソプロピルトリスステアロイルチ
タネート(味の素(株)製:商品名「KRTTS」)5
重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にSMCを得
た。
【0049】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例6 シラン系カップリング剤の代わりに、チタネート系カッ
プリング剤として、イソプロピルトリス(ジオクチルパ
イロホスフェート)チタネート(味の素(株)製:商品
名「KR 38S」)5重量部を用いたこと以外は、実
施例1と同様にSMCを得た。
【0050】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。実施例7 シラン系カップリング剤の代わりに、アルミニウム系カ
ップリング剤として、アセトアルコキシアルミニウムイ
ソプロピレート(味の素(株)製:商品名「AL−
5」)2重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にS
MCを得た。
【0051】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、100個/100個であ
った。比較例1 シラン系カップリング剤を用いなかったこと以外は、実
施例1と同様にSMCを得た。
【0052】また、実施例1と同様に被覆成形品を得
て、碁盤目密着試験を行い評価したところ、被覆層が剥
がれなかったマスの残存数は、31個/100個であっ
た。なお、上記実施例1〜7および比較例1の熱硬化性
樹脂組成物の配合割合及び碁盤目密着試験の結果を下記
の表1にまとめて示す。
【0053】
【表1】
【0054】上記実施例1〜7および比較例1の説明、
および表1から明らかなように、シラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤またはアルミニウム系
カップリング剤を含有していない比較例1では、被覆層
の密着性がかなり低いのに対し、実施例1〜7では、い
ずれも碁盤目密着試験では被覆層が全く剥離されておら
ず、被覆層が熱硬化性樹脂に強固に密着されていること
が分かる。
【0055】
【発明の効果】本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組
成物は、上記の如き構成とされているので、基材用の熱
硬化性樹脂を含む樹脂分中に、シラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤およびアルミニウム系
カップリング剤の内の少なくとも1種のカップリング剤
が含有されているので、被覆層と熱硬化性樹脂よりなる
成形品基材との密着性が効果的に高められる。
【0056】本発明の被覆成形品は、上記の如き構成と
されているので、基材に被覆層が強固に密着された被覆
層付き成形品である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内にて基材上に被覆層を形成する
    型内被覆成形用の基材形成用に用いられる熱硬化性樹脂
    組成物であって、熱硬化性樹脂を含む樹脂分中に、シラ
    ン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤およ
    びアルミニウム系カップリング剤の内の少なくとも1種
    のカップリング剤を含有することを特徴とする型内被覆
    成形用熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基材上に被覆層が形成された被覆成形品
    において、請求項1の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成
    物を基材用に用いたことを特徴とする被覆成形品。
JP3188599A 1990-11-30 1991-07-29 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物および被覆成形品 Pending JPH0517605A (ja)

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